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2018年10月13日土曜日

改憲議論 隔たり際立つ 誘う自民 公明静観

 東京新聞が、安倍首相が目指す改憲で、自・公間の隔たりがますます明らかになっているという見方を示しました。
 公明党は改憲に関する自公の事前協議には応じずに、「改憲にどう対応するかは自民党自身が判断すること」と突き放しています。また、自民党が党議で結論を出していない生煮えの改憲素案を憲法審査会に提示しようとしていることに対しても、「憲法審に提示するなら、条文案ではなく、党内で正式決定した改憲案を出してほしい。曖昧なものは受け入れられない」としています。いずれも正論です。
 
 公明党は、特定秘密保護法に始まり、新安全保障法、共謀罪法(、それに先般の労働法制)まで悉く賛成して来ました。しかしどう見てもそれらは党是である筈の「平和主義」とは裏腹な関係にあるものです。その結果先の衆院選では5つの議席を減じ、総力をあげて公明党の力を示そうとした沖縄知事選でも、現地の創価学会員の3割以上が中央の指示に従わずに大敗しました。学会員の思いと公明党の方針に乖離があるからに他なりません。
 
 田中龍作ジャーナルによれば、次の14日告示の那覇市長選挙には、創価学会は本土、地元沖縄ともに自民党候補のための票集めをしないことを決めたということです。それで11日に開かれた自民候補の総決起集会は人数的には盛況であったにもかかわらす、候補者はまるで「お通夜状態」だったということです。
 それは創価学会が応援するかどうかが決定的に当落に影響することを候補者自身が一番知っているからです。これは全ての国政選挙にもいえることで、現下の衆・参院で自民党議員が多数を占めることができているのも、すべて創価学会が総力を挙げて応援しているからです。
 そういう点で安倍政権が平和主義から大きく逸脱しているにもかかわらずに、それを支持し支え続けて来た責任は大きいと言えます。
 
 東京新聞と田中龍作ジャーナルの記事を紹介します。
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改憲議論 隔たり際立つ 誘う自民 公明静観
東京新聞 2018年10月12日
 秋の臨時国会に向け、改憲議論を巡る自民、公明両党の姿勢の隔たりが際立っている。自民党は、総裁に三選された安倍晋三首相の号令の下、党の改憲条文案を国会に示し、各党との協議を進めたい考え。公明党は自民党の誘いに乗らず、静観する構えを崩さない。
 公明党の山口那津男代表は十一日の記者会見で、改憲議論を急ぐ自民党について「どう対応するかは自民党自身が判断すること。対応を見守っていきたい」と突き放した。衆参の憲法審査会で丁寧な議論を重ね、与野党で幅広い合意形成を目指すべきだとの考えも重ねて強調した。
 
 両党のずれは、九月の自民党総裁選の直後から目立ち始めた。首相は秋の臨時国会に「改憲案を提出」する考えを表明し、公明党との調整に意欲を示した。これに対し、山口氏は翌日、憲法審査会に先立つ自公だけの事前協議には応じない考えを明言した。
 首相が改憲原案の国会提出か、自民党案の提示のどちらを意図したのかは明らかではなかったが、いずれにしても山口氏は自公間の事前調整を明確に拒否。首相は今月になって、自民党が三月にまとめた四項目の改憲条文案を憲法審査会に示し、各党に議論を促す方針を示した。
 山口氏は首相の方針に直接の論評を避けているが、自民党内で「たたき台」に位置付けられる条文案の議論には消極的だとみられる。公明党関係者は「憲法審に提示するなら、条文案ではなく、党内で正式決定した改憲案を出してほしい。曖昧なものは受け入れられない」と話す。
 条文案を憲法審で議論することには、自民党内にも「党議決定してない条文案を説明しても、ただの現状報告だ」(閣僚経験者)と疑問の声がくすぶっている。 (柚木まり)
 
 
【那覇市長選】学会、今度は本部も地元も自民支援せず 
       安倍が沖縄の支配権を失う日
田中龍作ジャーナル 2018年10月11日
 14日告示の那覇市長選挙に出馬する自公候補の総決起集会が今夜、那覇市内であった。オール沖縄からの県都奪還を目指す自民は、県議会の重鎮だった翁長政俊氏を候補に立て、万全を期した。
 
 集会そのものは自民得意の動員で盛況だったが、候補者が「お通夜状態」なのだ。顔は下を向いたまま、目も虚ろだ。涙目ではないかとさえ思えるほどだ。負ける候補者特有の悲愴な表情だった。
 理由は自民党の選挙を支えてきた創価学会が動かないことだ。学会は本土、地元沖縄ともに、今回は自民党候補のための票集めをしないことを決めたのである。
 10月1日、創価学会の東京や関西などの方面本部が下部組織に通達を出した-
「徹底していただく予定だった那覇市の取り組みについては、F報告も含めて、一切取り消し(何も打ち出さなくて良い)となります」
 
 『那覇市の取り組み』とは那覇市長選挙のことで、那覇市の学会員をレンタカーに乗せて連れ出し、自民党候補の名前を書かせることだ。『F報告』とは、学会員が非学会員の友人(Friends)に自公候補への投票を依頼、確保することである。
 
 通達の内容を要約すると「(自民党候補の)選挙運動のために那覇に行く必要はない」ということだ。
 通達が出た10月1日とは、自公候補が大差で敗れた県知事選挙の翌日だ。衝撃の大きさが手に取るように分かる。
 大阪の学会員は「本当は出る(行く)はずなんだが、今度は指示がない。だからやらない」と納得していた、という。
 方面本部の通達によれば、沖縄の学会員については「沖縄・地元の取り組みとして推進する」としていた。ところが、地元も取り組まないことにした。創価学会・沖縄総県長の名前で「11月4日までは会合を持たなくてよい」とするお達しを出したのだ。「会合を持たなくてよい」とは選挙の取り組みをしなくてよい、という意味だ。
 
 ベテラン学会員は「那覇の市長選挙で『何もしなくていい』なんてことありえない」と驚きかつ呆れた。公明党本部の元幹部がいみじくも言った。「那覇市長選挙でも自公が大敗したら、安倍は沖縄の支配権を失うね」と。
~つづく~
評論家然として「沖縄の反乱が、全国の学会に広がったりはしないよ」と一笑に符すのは簡単です。しかし、もし全国に波及すれば、安倍自民は終焉します。
「兆し」であっても、それを伝えるのがジャーナリストであると思い、再び沖縄に足を運びました。