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2024年7月17日水曜日

イスラエル軍、91人殺害 ガザ南部を空爆 300人負傷(しんぶん赤旗)

 イスラエル軍は13日、パレスチナのガザ南部マワシ地域のハンユニスを空爆し、少なくとも91人を殺害し、300を負傷させました(死者の半数が女性と子ども)。空爆があったのはイスラエルが住民の退避先に指定したマワシ地域です。ハンユニス在住のジャーナリストは同日、しんぶん赤旗の取材に「イスラエル軍はガザ各地からマワシに集めた避難民を標的にした。今回の空爆は昨年10月の戦闘開始以来、最も恐ろしい虐殺の一つだ」と非難しました。

 同地域にあるナセル病院の医師は「負傷者と遺体でいっぱいだ。これ以上、受け入れられない。負傷者は爆撃で体の一部が切断され、重度のやけどを負っている」と語りました。
 
 イスラエルとハマスの間では現在も一応停戦に向けた交渉が続いていますが、イスラエル側の交渉団は仲介国のエジプトに対し「合意に達しないかぎり、軍事作戦は停止しない。交渉中でもハマス幹部を標的にし続ける」と軍事的な圧力を強めていく姿勢を示しています。要するに「ハマス」への攻撃を口実にパレスチナ住民を殺害し続けるということです。
 そもそもハマスを自分たちに都合のいい軍事勢力として育てたのはイスラエルで、それが最終的にパレスチナ人民の支持を得てハマス政権になったという経過があります。従ってイスラエルの口実は、あくまでもパレスチナ住民の殺害を継続することを表明したものに過ぎません。

 併せてNHKの記事を紹介します。
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イスラエル軍、91人殺害 ガザ南部を空爆 300人負傷
                       しんぶん赤旗 2024年7月15日
【カイロ=秋山豊】イスラエル軍は13日、パレスチナのガザ南部ハンユニスを空爆し、少なくとも91人を殺害、300人を負傷させました死者の半数が女性と子どもです。ガザ保健当局が発表しました。
 空爆があったのはイスラエルが住民の退避先に指定したマワシ地域。ハンユニス在住のジャーナリスト、アラー・ハンモダさんは同日、本紙の取材に「イスラエル軍はガザ各地からマワシに集めた避難民を標的にした。今回の空爆は昨年10月の戦闘開始以来、最も恐ろしい虐殺の一つだ」と非難しました。
 マワシでテント生活を余儀なくされてきたファリドさんは、「爆撃で弟を殺された。ふざけるな。イスラエルの指示に従い退避した。ここにいるのは避難民だ。(イスラム組織)ハマスとは無関係だ」と本紙に語りました。
 同じくマワシに退避していたオンモライラさんは「イスラエルはマワシが安全だと言っていた。しかし爆撃で遺体だらけだ。この地獄はいつ終わるのか」と話しました。
 ハンユニスにあるナセル病院の医師は「負傷者と遺体でいっぱいだ。これ以上、受け入れられない。負傷者は爆撃で体の一部が切断され、重度のやけどを負っている」と語りました。
 救助隊のメディア担当者、マハムード・バサルさんは、救助活動の最中に攻撃を受け、隊員1人が殺害され、8人が負傷したと話しました。

 イスラエルのネタニヤフ首相は記者会見し、ハマス軍事部門トップ、ムハンマド・デイフ氏らを標的に攻撃したが、同氏を殺害したという「絶対的確信はない」と述べました。デイフ氏は昨年10月のイスラエル奇襲を首謀したとされています。ハマスは同氏の死亡を否定しました。


イスラエル・パレスチナ 中東情勢(7月16日)
                     NHK NEWS WEB 2024年7月16日
イスラエルとイスラム組織ハマスとの停戦などに向けた交渉が難航する中、ガザ地区ではこの数日のイスラエル軍の攻撃で住民の犠牲が急増していてアメリカ政府は深刻な懸念を示し、イスラエル側に一刻も早い停戦の実現を働きかけています。

イスラエル軍 空爆や地上戦続け 多くの死傷者
イスラエルとハマスとの停戦や人質の解放に向けた交渉は、ハマスの壊滅を目指すイスラエルと、恒久的な停戦やイスラエル軍のガザ地区からの撤退を求めるハマスとの隔たりが依然として大きく、難航しています。
こうした中、イスラエル軍は16日もガザ地区の各地で空爆や地上部隊による作戦を続け、パレスチナのメディアは、南部のラファで住宅地が爆撃され4人が死亡するなど多くの死傷者が出ていると伝えています。
ガザ地区の保健当局は、今月13日のハマスの軍事部門のトップを狙ったとするイスラエル軍の空爆で少なくとも90人が死亡したと発表しているほか、翌日にも多くの住民が避難する学校が空爆され22人が死亡したとしていて、ここ数日の攻撃で住民の犠牲が急増しています。

米国務省報道官 “住民の死傷者に深刻な懸念”
アメリカ国務省のミラー報道官は15日「最近の住民の死傷者について深刻な懸念を伝えた」と述べ、イスラエル側に一刻も早く停戦を実現するよう働きかけたとしています。
ガザ地区の多くの住民が避難する地域では、浄水設備を動かす燃料が切れ飲み水が手に入らなくなったとも伝えられ、停戦の見通しが立たない中で住民は爆撃の脅威にさらされながら厳しい生活を強いられています。

“イスラエル側は交渉中でもハマス幹部標的”レバノン報道
イスラエルとハマスの間では停戦と人質の解放に向けた交渉が続いていますが、レバノンメディアによりますと、イスラエル側の交渉団は仲介国のエジプトに対し「合意に達しないかぎり、軍事作戦は停止しない。交渉中でもハマス幹部を標的にし続ける」と伝えたということで、軍事的な圧力を強めていく姿勢を示しています。
イスラエルメディアは、イスラエルの交渉団が近く仲介国のカタールを訪れて協議を続けるとの見通しを伝えているものの、恒久的な停戦の保証やガザ地区からのイスラエル軍の撤退の範囲などをめぐり双方の立場の隔たりは大きく、交渉が進展するかは依然として不透明な情勢です。