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2025年4月28日月曜日

国民利益に最もかなう 消費税減税 共産党の提案/自民関係者も認める(共産党の)財源論

 しんぶん赤旗に掲題の2つの記事が載りました。
 2つ目の記事の原題は「自民関係者も認める財源論」なのですが、(共産党の)を入れた方が分かりやすいので事務局の方で追記しました。

 1つ目の記事は、共産党の小池晃書記局長26日、東京都板橋区で街頭演説し「いよいよ消費税が政治の中心課題になってきた」と歓迎し、共産党の「暮らしを守る緊急提案」の消費税減税のつの特長を示したことを紹介しています。
 共産党の減税案は食料品だけでなく一律の5%減税するもので、消費税減税とインボイスの廃止を一体に提案消費税を5%に減税すれば複数税率もなくなり、インボイスを導入した口実もなくなる)しています。そして年限を切った一時的な減税でなく消費税5%へ緊急減税の後は廃止をめざしていると述べました。
 逆進性を持つ最悪の大衆課税を廃止させることで、大企業・富裕層への減税・優遇をただし、それによって消費税廃止に向けた恒久財源をつくるものと訴えました。

 2つ目の記事:「自民関係者も認める財源論」は、中祖寅一・赤旗政治部長による解説記事で、自民党議員某氏をはじめとする各党の要人らの消費税減税(れいわは諸費税廃止)に対する意向が掴める内容になっています。ご一読ください。
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国民利益に最もかなう 消費税減税 共産党の提案 
                       しんぶん赤旗 2025年4月27日
 日本共産党の小池晃書記局長は26日、東京都板橋区で街頭演説し、与野党から消費税減税を巡る議論が相次いで出ていることについて「いよいよ消費税が政治の中心課題になってきた」と歓迎を表明しました。共産党が発表した「暮らしを守る緊急提案」の消費税減税の四つの特長を示し、「これが国民の利益に最もかなった提案だ」と強調しました。

四つの特長 小池書記局長訴え
 小池氏は、第一の特長として、5%への一律減税であることを挙げ、「食料品だけでなくあらゆる物が値上がりしている。だから全て5%に減税する。実務的にもこれが一番だ」と強調しました。
 第二の特長は消費税減税と、インボイスの廃止を一体に提案していることです。小池氏は「インボイス発行のために課税事業者になると、身銭を切って消費税を納めなければならなくなる」と指摘し、昨年は3カ月分で2万9000円だったのが今年は約12万円を納税しなければならないとの事業者の声を紹介。インボイスに登録しない事業者は取引打ち切りやダンピングにもあうとして「行くも地獄、行かぬも地獄。消費税を5%に減税すれば複数税率もなくなり、インボイスを導入した口実もなくなる」と主張しました。
 三つ目の特長は、一時的な減税でなく消費税5%へ緊急減税の後は廃止をめざすことです。小池氏は「1年限り、1回こっきりの減税ではなく、5%に減税したら次は廃止に向かう。最悪の大衆課税は廃止すべきだ」と力を込めました。
 四つ目の特長は、共産党が大企業・富裕層への減税・優遇をただし、恒久的な財源をつくる道を示していることです。小池氏は「共産党は『借金』ではなく、大企業や富裕層の応分の負担で財源をつくり消費税を減税する」と強調。「本気で消費税減税を実行するならば借金に頼らず恒久財源をつくるのが最も責任ある立場だ」と訴えました。


自民関係者も認める財源論
                       しんぶん赤旗 2025年4月27日
「4月はじめの参院選情勢調査の結果は厳しいものだった。目玉となる物価高対策が必要だ。給付金は有権者の評判が悪い。効果が薄いうえ選挙目当てのバラマキとみられる。消費税減税論が改選組を中心に噴出している」-自民党議員の一人はこう語ります。参院自民党では、7月の参院選に向け公約に盛り込む政策について所属議員への聞き取りを行い、消費税率引き下げを求める声が8割にのぼりました(25日)。昨年の総選挙で日本共産党などが求めた消費税減税に対して「社会保障の財源だ」などとして顧だにしなかった自民党が様変わりです。
 21日の参院予算委員会では自民党の宮本周司議員が、食料価格上昇に対し「わが党からも消費税の減税を求める声が最近上っているが、私も正直、地元から多くの声が寄せられている」と強調。減税のリスクを検討しなければならないとしつつ「国民に安心の光を届けるこの対応は、政府として絶対不可欠だ」と石破茂首相に迫りました。宮本氏は財務政務宮も歴任し、同党の財務金融部会長を務めます。

政治状況は変化
 自民党と同様に、消費税減税に反対してきた公明党も、消費税減税を夏の参院選政策に盛り込むことを決めました25日)。
 政治状況は大きく変化しています。何より物価高騰に歯止めがかからず、賃金も上がらない経済無策に国民の怒りが渦巻いています。「朝日」26日付は面に「消費税減税 参院選焦点に」と大見出しを掲げました。
 世論調査ではFNN(19、20日実施)で消費税減税に「賛成」が68%で「反対」の28%を大きく上回りましたANNの調査(同前)でも一時的な消費税の減税に「賛成」が60%、「反対」が30%でした。町の中華料理店の店主や個人タクシーーの運転手さんからも「給付金なんか要らないよ。消費税を下げてほしい」という声が聞かれます。
 野田佳彦氏が昨年9月に代表に就任以来、減税論を封印した立憲民主党はどうか。党内外の減税論の強まりに押され25日に消費税の食料品非課税(1年間にかじを切りました。野田氏が2012年に首相として自公民3党合意で増税をすすめた経過があります。

緊急提案を発表
 一貫して消費税の廃止・減税を主張してきた日本共産党は、今国会の予算審議でも消費税減税を主張し政府を追及しています。16日には「物価高騰から暮らしを守る緊急提案」を発表。消費税廃止を目指し緊急に5%への引き下げ、平均的勤労者世帯で年12万円の減税とインボイスの廃止を提起しました。恒久財源が年15兆円必要となるのに対し、年11兆円にものぼる法人税減税と富裕層・大株主への優遇税制の見直しで財源を生み出すと提案しました。
 減税が現実の焦点課題となっているとき、どうやって実現するか-財源論の提起は極めて重要です。自民党関係者の人は「国債発行で借金を増やすやり方は国民の理解を得られない。導入以来、共産党はずっと法人税減税との対比で消費増税に反対してきた」と認めます。

消費税減税 焦点は財源論 税財政の見直し必要
 与野党を超えた減税論の広がりのなか、国民民主党も短期的措置として消費税の5%への減税を提起(10日)。日本維新の会もトランプ関税に伴う物価高対策として2年間の食料品課税廃止を打ち出しました(11日)。れいわ新選組も消費税ゼロの主張です。
 ただ、財源論はどうなっているか。
 国民民主の玉木雄一郎代表は、時限的措置なので「赤字国債を堂々と発行してやる」とし、れいわ新選組も国債発行論です。維新は「議員定数削減」などをいうだけで財源を明確にしていません。立民も財源の検討はこれからです。
 しかし、国債=借金で賄うことになれば将来にわたって毎年、数十兆円規模で借金を増やし続け、急激なインフレヘのリスクも高めます。本気で消費税減税を実行するには、恒久財源を責任をもって示すことが必要です。

行き詰まり深刻
 少数与党としての自民党が、消費税減税論に包囲されるなか自民党議員の人は「石破さんはもともと消費税減税をやりたかった。公明党も減税論にコミットし反対論の外堀が埋められて、やれる状況ができたと思っているだろう」と述べます。「しかし参院自民党の減税の流れも、しょせんは選挙目当て。財務省は反対を崩さない。党税調も固い。一度下げれば再び上げるのは極めて難しい。減税は簡単ではない」と慎重論を崩しません。しかし、これでは参院選を前に進退両難です。参院選で大敗すれば政権も吹き飛びます。
 自民党閣僚経験者の人は厳しい状況を吐露します。「今、減税を自民党が言い出せば選挙目当てと言われるだけだ。それより重要なことは、アベノミクスの弊害、円安による輸入物価の上昇をしっかり総括することだ。景気がどんどん悪化し、自民党の岩盤支持層が崩れていることが根本問題だが、立て直しのリーダーになれる人がいない」。自民党の行き詰まりは深刻です。

 これに対し日本共産党は、始まった「新しい政治プロセス」で消費税減税にむけての根本的な税財政論を繰り広げてきました
 田村智子委員長・衆院議員は、予算委や財務金融委員会で、消費税の割合が拡大するもと、その強い逆進性のため全体として税の累進性が失われ、応能負担の原則が崩れ、社会的再配分という税本来の機能が発揮できないことを解明。また、所得税の控除は生存権保障のための「生計費非課税」原則の表れだが、貧困者が買うおにぎり1個にも課税される消費税は同原則に反すると指摘し、消費税の根本的見直しを迫りました。
 小池晃書記局長・参院議員は予算委などで、消費税増税と一体に進められた大企業優遇税制のゆがみを追及しました。法人税減税が賃上げに設備投資にも、下請け支援にもつながらず内部留保を積み上げただけだとし「大義なきバラマキであり、見直しが必要だ」と主張。所得が1億を超えると税の負担率が下る金融所得課税における「億円の壁」への抜本的切り込みを求め、「法人税や所得税のあり方全体を見直す中で財源をつくって消費税減税を実現することが必要だ」と迫りました。法人税減税が効果を上げていないことに石破首相は「深い反省のうえに法人税改革に取り組む」と発言(3月27日)しメディアも注目しました。
 前出の閣僚経験者は「自民党と共産党はひとつの円周の端で背中合わせ(表裏一体)のような関係だ。共産党は消費税減税と法人税増税をずっと言ってきた。そのことが知られていない。ほかの政治勢力の手柄にされる」とリスペクトも。

社会保障は削減
 方で、維新や国民民主らが消費税減税と同時に、社会保障の削減推進を示していることには警戒が必要です。
 維新の前原誠司共同代表は「朝日・電子版」(20日)のインタビューで「まずは着実『骨太の方針』(政府が6月にもまとめる『経済財政連営と改革の基本方針』)に党の政策を入れていかなければいけない」と強調。医療費4兆円削減の3党合意が念頭にあることは明らかです。25年度予算に賛成したうえ、来年度予算の土台になる「骨太方針」へのコミットを宣言する-もはや補完勢力というより与党そのものとさえ言いうる動きです。
 国民民主も、社会保険料の引き下げと同時に、後期高齢医療の3割負担の拡大や石破政権が破たんを喫した高額療養費制度の見直しなどを昨年の総選挙向け政策で掲げていました。

「消費税は社会保障財源」という論理を口実に、「右派連合」による大規模な社会保障削減の危険があります。        (中祖寅一) 

イスラエル―国内から問われる戦争の意義―召集を拒否する予備役兵たち

  現代イスラム研究センター理事長の宮田律氏が掲題の記事を出しました。

 イスラエルでは男女ともに18歳で兵役に招集され、男は3年、女は2年の軍役を経た後、男女とも40歳まで予備役の義務が課されます。
 常備軍の兵士はおよそ17万人に対し、ふだんは一般社会で生活し招集に応じて軍務に就く予備役はおよそ47万人にのぼります。この予備役制度がなければ、イスラエルは戦争を遂行することが不可能で、昨年10月にガザでの戦争が始まった時には、陸軍に29万人余の予備役兵士が集まりました。
 しかし現在は予備役を中心に徴兵拒否が広がり、3月中旬に予備役に応じる兵士は60%にまで減少しました。ガザでの戦闘が人質の解放ではなく、ネタニヤフ首相の個人的な権力への執着によって起こされていることなどが、その理由に挙げられています
 ガザ地区での軍事作戦でも予備役が主力となってきましたが、度重なる召集に応じたことで生活や仕事に深刻な影響が出ていることや、攻撃再開への反対などを理由に予備役の招集に応じない人が増えました。部隊によっては招集に応じる予備役が3割減っていて、一部の部隊では兵員の確保に苦しんでいるということで、正義のない戦争に対し今後は一層厭戦ムードが蔓延していくものと思われます。
 なお、予備役の徴兵拒否に対しては懲罰は下されていないようです。

 はじめにガザ地区へのイスラエルによる残虐行為を伝える2つのNHK記事を紹介します。
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国連 ガザ地区で“食料の備蓄が底をついた”搬入を強く求める
                    NHK NEWS WEB 2025年4月26










パレスチナのガザ地区では、先月から攻撃を再開したイスラエル軍が8週間近くにわたって支援物資の搬入を認めておらず、国連は「住民に配る食料の備蓄が底をついた」と明らかにし、一刻も早く搬入を認めるよう強く求めています。
ガザ地区では、イスラエルとイスラム組織ハマスとの間の停戦協議が行き詰まり、先月18日からイスラエル軍が攻撃を再開しています。
25日も各地で空爆が行われ、ガザ地区の保健当局は24時間で84人が死亡し、攻撃が再開されてからの死者が2000人を超えたと発表しました。
また、イスラエル軍は先月2日以降、8週間近くにわたってガザ地区への支援物資の搬入を認めておらず、現地では食料や医薬品の不足が深刻となっています。
現地で支援に当たっている国連のWFP=世界食糧計画は25日に「炊き出しをする団体に最後の食料を配り終え、備蓄していた食料は底をついた」と発表しました。
WFPによりますと、支援してきたパン屋は先月末にすべて閉鎖され、地区内の食料の価格はことし1月からの一時的な停戦期間中に比べ、10倍以上に値上がりしているということです。
ロイター通信が24日に撮影した映像には、多くの住民が炊き出しに集まり、容器を持った手を必死に伸ばしている様子が写っています。
WFPは、100万人を4か月間支援することができる量の食料をすぐに運び入れる準備が整っているとしていて、一刻も早く搬入を認めるよう強く求めています。


ガザ地区 “居住できる場所 3分の1もない” 国連機関が指摘
                    NHK NEWS WEB 2025年4月25日














パレスチナのガザ地区では、イスラエル軍による攻勢で住民が住むことができる場所は地区全体の3分の1にも満たなくなっていて、こうした場所も安全ではないと国連機関が指摘しました。イスラエル軍は人質解放に進展がなければ軍事作戦をさらに拡大する構えで人道状況のいっそうの悪化が懸念されます。
ガザ地区では25日、南部ハンユニスで住民が身を寄せるテントをイスラエル軍が空爆し、子ども3人や妊婦を含む一家5人が死亡したと地元メディアが報じたほか、前日にはイスラエル軍がガザ地区北部の一部で、新たに退避を通告するなどイスラム組織ハマスへの攻勢を強めています。
UNRWA=国連パレスチナ難民救済事業機関は25日、SNSでこの1か月間で新たにおよそ50万人が避難を強いられたとしたうえで、イスラエル軍が退避通告を繰り返し、住民が住むことができる場所は地区全体の3分の1にも満たなくなっていて、こうした場所も安全ではないと指摘しました。
一方、イスラエル軍のザミール参謀総長は24日「人質解放に進展がなければ軍事作戦を拡大する」としたうえで、「ハマスには戦争を始めた責任があり、ガザ地区の住民の悲惨な状況にも責任がある」と述べ、軍事的な圧力を強める構えで、人道状況のいっそうの悪化が懸念されます。


イスラエル―国内から問われる戦争の意義―招集を拒否する予備役兵たち
                       note 宮田律 2025年4月14日
                        現代イスラム研究センター理事長
 イスラエルでは3月18日にネタニヤフ首相が停戦合意を破って戦闘を再開すると招集を拒否する予備役兵たちが増加している。
 ハマスの奇襲攻撃があった23年10月7日以前からイスラエルではネタニヤフ首相らが推進する司法改革に反対して空軍を中心に予備役の招集に応じない動きがあった。司法改革はイスラエル最高裁の判断を国会(クネセト)の多数決で覆すというものだったが、この司法改革は、ネタニヤフ首相の汚職に対する有罪判決を無効にするネタニヤフ氏の策動で、民主主義への脅威と見なした軍人たちは強硬に反対した

 ハマスの奇襲攻撃があってから徴兵拒否した10代の若者もいたが、彼は逮捕され、30日間の勾留を経験した。イスラエルの徴兵拒否の場合、その刑罰は拒否の理由によって判断されるが、徴兵拒否者が多くなれば、軍の秩序を保つことができず、戦闘が不可能になる可能性がある。イスラエルでは男女ともに18歳で招集され、男は3年、女は2年の軍役を経た後、男女とも40歳まで予備役の義務がある。この予備役制度がなければ、イスラエルは戦争を遂行することが不可能になる。一昨年10月にガザでの戦争が始まった時、陸軍には10万人の正規兵と、295、000人の兵士たちが集まったと軍隊は発表した。
 特に予備役を中心に徴兵拒否が広がっているのは、ガザでの戦闘がイスラエル人人質の解放を考えるものでないこと、戦争がネタニヤフ首相の個人的な権力への執着によって起こされていることなどがその理由だ。また、予備役の招集によってイスラエル経済は危機的な状態に陥り、ハマスの攻撃以来イスラエルでは6万社余りの中小企業が予備役の招集によって社員を軍隊にとられたたために倒産している。さらに、イスラエルでは超正統派が軍隊に召集されてこなかったという不公平感もあった。

 イスラエルの右派勢力は懲役拒否がイスラエル軍を弱体化させるものであると主張し、危機感を募らせるようになっている。イスラエル・メディアは停戦合意が破られ、ガザでの戦闘が開始されてから予備役に応じない兵士が大幅に増加したことを報じている。
 イスラエル国営放送のKANによれば、3月中旬に予備役に応じる兵士は60%にまで減少したと伝えた。その拒否の数は1982年のレバノン戦争以来最大と見られている。かりに予備役に応じたのが50%から60%ということになれば、少なくとも10万人余りの兵力をイスラエル軍は失ったことになる。
 イスラエルでは10月7日のハマスの奇襲攻撃を国家に対する危機と見なして予備役に応じる者が多かったが、戦闘が長期化するにつれ、イスラエル兵の間にも疲弊感が生まれつつある。予備役兵の招集拒否については刑罰も軽い。最近拒否したために罰せられた予備役兵はわずか1人で、しかも2週間の執行猶予付きだった。予備役の徴兵拒否者たちに厳罰を処したら政府に対する反発が広がり、反政府運動が拡大することをイスラエル政府は恐れている

 徴兵拒否者たちはガザの人道状況に必ずしも配慮しているわけではないが、戦争によって人質を解放するというネタニヤフ首相ら右派政治家たちの主張を信用しなくなっている。4月10日、約1,000人の空軍予備役兵が、戦争を終わらせるための人質取引を要求する公開書簡を発表し、これに海軍の数百人の予備役兵と軍事情報収集部隊の8200部隊の隊員たちが加わった。ネタニヤフ首相は、「徴兵拒否は徴兵拒否だ。たとえそれが暗黙のうちに、そして洗練された言葉で言われたとしても」と応じ、徴兵拒否が国家への裏切りであることを訴えた。

 ヘブライ大学の社会学者のヤエル・ベルダによれば、予備役に応ずる意欲の低下は、何よりもまず経済的な懸念から生じている。彼女は、予備役兵の48パーセントが10月7日以降、収入が大幅に減少したと報告し、41パーセントが、予備役の期間が長引いたために解雇されたり、仕事を辞めざるを得なくなったりして、政府に搾取されたという思いを強くもっている。また、イスラエルの戦争体質やネタニヤフ首相たち政治指導者たちの腐敗や非民主的姿勢、極右の台頭などに嫌気がさしてより良い移住先を探すようになる人々が増えている。実際に移住しても連れ戻されたりする人は目下のところいない。また、ネタニヤフ首相が個人的な利益のために国を破壊していると考える人も少なくない。軍への信頼がなくなった時、イスラエル国家は終わりを告げるだろう。


イスラエル 地元世論調査で停戦支持約7割に 兵役拒否も広がる
                     NHK NEWS WEB 2025年4月12日
イスラエルとイスラム組織ハマスとの間では、ことし1月中旬から6週間の停戦が実現しましたが、停戦延長に向けた協議の行き詰まりから、イスラエルは先月18日にガザ地区への攻撃を再開しました。
それ以降、イスラエルでは攻撃の再開が人質の命を危険にさらすなどとして、停戦を求める世論が広がっています。
先月公表された地元メディアの世論調査ではすべての人質の解放と引き換えにハマスとの恒久的な停戦を支持する人は69パーセントにのぼり、支持しないと回答した21パーセントを上回っています。
イスラエル最大の商業都市テルアビブでは連日、政府への抗議集会が行われていて、今月5日も多くの人が集まり、ハマスとの協議を進め、人質の解放を目指すべきだと訴えていました。

参加していた女性 人質を取り戻す唯一の方法は戦争を終わらせることだ。これ以上多くの人を殺害しても人質は帰ってこないし、間違っている。ハマスとの協議をしなければいけない」
参加していた男性 「もうこの状況に疲れた。イスラエルの市民とガザの住民が代償を支払っていて、もうたくさんだ。ネタニヤフ首相らは政治的生き残りのために戦争を終わらせたくないのだと思う」

一方、ネタニヤフ首相はガザ地区での攻撃の再開は停戦協議においてハマスへの圧力を強めるためだとして強硬姿勢を崩していません。
また、ハマスと恒久的な停戦に合意した場合、極右政党が連立政権から離脱すると主張していることから、ネタニヤフ首相が連立政権を維持し、首相の座にとどまるために軍事作戦を続けているとする批判も出ています。

兵役を拒否する人が増加
パレスチナのガザ地区でおととし10月に始まったイスラエル軍とイスラム組織ハマスの戦闘が長期化する中、イスラエル軍の予備役の招集に応じず、兵役を拒否する人が増えていて、軍事作戦への影響も指摘されています。
イギリスのシンクタンク、国際戦略研究所が発行する「ミリタリー・バランス」によりますと、イスラエル軍は常備軍の兵士がおよそ17万人なのに対し、ふだんは一般社会で生活し招集に応じて軍務に就く予備役はおよそ47万人にのぼります。
これまでのガザ地区での軍事作戦でも予備役が主力となってきました。
複数のイスラエルメディアはイスラエル軍が先月18日にガザ地区への攻撃を再開してから ▽たび重なる招集に応じたことでふだんの生活や仕事に深刻な影響が出ていることや、攻撃再開への反対などを理由に予備役の招集に応じない人が増えていると報じています。
部隊によっては招集に応じる予備役が3割減っていて、一部の部隊では兵員の確保に苦しんでいるなどと伝えています。
また、イスラエル軍の空軍や情報部門の予備役のグループがガザ地区での戦闘の継続よりも人質の解放を実現させるべきだと訴える書簡を相次いで公表しています。

招集に応じないことを決断「自国を守るための戦争ではない」
イスラエル北部に住む予備役のユバル・ベンアリさんは教育支援の団体に勤めていましたが、去年の夏以降、3度にわたり、軍の招集に応じてガザ地区やレバノンでの軍事作戦に参加してきました。
ベンアリさんは当時の状況について「国民のため、長期間任務にあたっている友人たちのために招集に応じていた」としたうえで、「ガザ地区ではパトロールや監視にあたったが、破壊の規模に衝撃を受けた」と説明しています。
しかし、先月末ガザ地区での任務の最中に指揮官から新たな地上作戦を行うと伝えられ、攻撃の再開は人質の解放にはつながらないとの思いから今後の招集に応じないことを決断したといいます。
ベンアリさんは協議を通して人質の解放を実現するよう訴えていました。

ユバル・ベンアリさん 「新たな地上作戦を行うと分かりもう十分だ、もう関わることはできないと思った。これは自国を守るための戦争ではなくまったく別のものだ。招集に応じたのは間違いだった。政府は、軍事作戦の再開はハマスに圧力をかけるためだと言っているが、効果があるとは思えない。貴重な時間と貴重な人質の命が奪われるだけだ。政府を止めなければいけない」

給付金と消費減税の政局-減税をバラマキと貶め、軍事費増こそ優先と言う松原耕二

「世に倦む日々」氏が掲題の記事を出しました。
 今回は、国民窮乏への救済?策として「一時金給付方式」と「消費税減税方式」があるなかで、夏の参院選を念頭に与野党とも「消費税減税」の方向で固まりつつあることを俯瞰しています。
 こうした中で「財務省べったり」の野田・立民党代表も「蚊帳の外」ではまずいと思ったのでしょう、ナント、俄かに食品の消費税を1年間ゼロにする案を口にしました。
 それらを含めて今回も多岐に渡る事象について的確に整理されていますが、その要点はまさに題記に尽きています。因みに(ご存知の方も多いと思いますが)松原耕二氏は元TBS社員で、定年退職(20年)後もTBS番組のコメンテータやBSーTBS「報道1930」の司会者などをしています。

「世に倦む日々」氏は最後から2節目のところで、「松原耕二は、アメリカが要求してくる防衛費増額のための予算措置は必要だと言い、一方、消費減税は経済成長に繋がらない無駄なバラマキだからやめろと言っている。~ この男の妄言には、毎度のことながら腸が煮えくり返る憤激を覚える。この男は口を開けば『財源、財源』と言うのだが、防衛費増額の予算の財源はどこから手当てするのか。~ その財源は何なのか。これまでは赤字国債であり、今後は赤字国債と社会保障削減ということになるだろう。~ 」とこき下ろしています。
 それに便乗してまとめさせて貰うと、「軍備拡張指向は必然的に限りなき軍拡競争(=安保のジレンマ)に向かうものなので、『それへの国費の投入を無条件に認める』ことこそ『没論理』の極み」というべきでしょう。
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給付金と消費減税の政局-減税をバラマキと貶め、軍事費増こそ優先と言う松原耕二
                       世に倦む日日 2025年4月25日
4月に入って、トランプ関税の暴風雨が吹き荒れて毎日翻弄されたが、それと並んで、日本の政局では消費減税と給付金をめぐる動きが進行した。予算が成立した直後に、石破茂が物価高対策として給付金を出す案をマスコミにリーク、そのアドバルーンに公明党が乗って補正予算という話に発展する。野党側から、それならむしろ消費減税すべきという声が上がり、そこにガソリン暫定税率の問題が加わり、選挙を目前にしての各党の熱を帯びた議論が続いた。一見して、消費減税に最も積極的だったのが公明党と維新で、次の選挙で議席を減らす公算が高く危機感が強いからだろう。自民党の中は割れていて、立憲民主党の中も割れて対立が起きた。どうなるかなと模様眺めしていたら、4/12 に枝野幸男が「消費減税を求めるポピュリストは別の党を作れ」と言い出し、立憲党内で減税論を喚起していた江田憲司らを牽制、そこからバックラッシュが始まる経過となる

予想していたことだが、マスコミが目の色を変えて「バラマキ」批判の大合唱を始め、「バラマキ」糾弾のシャワーの後に例のごとく世論調査を打ち、「国民は『バラマキ』に反対だ」という既成事実が作られた。ほどなくして石破茂が中止の意向を示し、この政局は打ち止めとなる。大山鳴動して鼠一匹。ガソリン1L10円の鼠が残る幕でお開きとなった。だが、どうやら、この話はまだ終息しておらず、7月の参院選の前にまた再び持ち上がるだろうと予想する。反石破の高市早苗が消費減税を言い続けていて、選挙に臨む自民党現職が目玉となる政策を欲しがっているからだ。何より、石破茂自身が元々消費減税論者であり、その方向に傾く素地を持っている。このまま物価高が続けば、政府与党の自民と公明は確実に議席を減らす情勢となり、選挙に負ければ石破茂は引責退陣となる。自公政権の存続も危く、公明党は諦めず懸命に模索するだろう

給付金について考えよう。「バラマキ」批判をする政治家やマスコミ論者の言い分として、給付金を出しても、貯蓄に回るだけで消費に回らず効果がないという指摘がある。いつもこの論法のナラティブ⇒言説が繰り出され、給付金策が矮小化され不当視されて議論が決着し、マスコミの世論調査結果に反映されてしまう。財務省の洗脳工作が成功する政治となる。ここはエコノミクスの一般論から正確に反論して説得する必要があるだろう。貯蓄は将来の消費に使われるのである。庶民の生活において、10万円の給付金がすぐに使われず貯蓄に回されるのは、貯蓄が少なすぎるせいであり、将来の生活不安が大きすぎるからだ。それが真実であり道理である。貯蓄に十分な余裕があれば、10万円は残さず消費に供されるだろう。だが、今の日本の庶民の経済事情はそうなっておらず、貯蓄が客観的に必要水準を満たしていない。貯蓄が不足状態にある。ゆえに10万円は貯蓄に回るのだ

この経済の法則性は、年収200万円以下の低所得層だけでなく、年収600万円の中間所得層も同じであって、例えば、大企業正社員のボーナスが特別割増で10万円多く支給された場合、やはり全額が消費に使われるのではなく、貯蓄に回る分が一部出るに違いない。が、それは彼の将来の消費の財源である。庶民の貯蓄は企業の内部留保と異なり、それ自体を自己目的で増やしているわけではない。墓場に通帳を持って行くわけではない。という論理や説明が、給付金の議論では誰の口からも発されない。正論の基本的なエコノミクスなのに、誰も言わない。かくして、ひたすら給付金=バラマキの悪性表象で塗り固められ、無意味化されてしまう。公明党の選挙対策という、叩かれやすい後ろめたい観念に決めつけられ、廃棄処分されてしまう。どうしてもすぐに全額消費に回させたいという狙いで政府が給付金を打つのなら、現金ではなく期限付き商品券で支給すればよいのだ

給付金が政局で浮上するのは、実際に物価高騰による庶民の生活苦が窮まっていて、その救済を政治に求める意識が根強く広範に存在するからである。財務省の代弁者であるマスコミは今も怨念を持って叩きまくるが、コロナ禍の際に毅然と動いて給付金を実現した山口那津男の政治は見事だった。大学教授だの、局の幹部アナだの、寺島実郎的な政治評論家だの、富裕層・準富裕層にとっては、10万円の給付金とか10%の消費税とかは自身の生活実感上、何の意味もない問題に違いない。ただ自分の任務であるところの、財務省の言い分を公論にして世論操作を成功させる支配層の仕事の首尾しか念頭にないだろう。が、庶民の生活苦と救済要求は、民主主義制度下の政治家にとって無視できないものだ。マスコミがどのように悪玉視しても、世論調査で葬り去っても、必ず息を吹き返し、現実政治に浮上するところとなる。購買力の蘇生のために給付金を選ぶことは、正しい経済政策だからである

関連してもう一点言いたいのは、いわゆる消費減税派、特にその中心にいると思われるれいわ新選組の方面が、この4月の減税論議に関わらず、ほとんど傍観に徹していた問題である。私はてっきり、この好機に、過去にない規模の財務省解体デモが挙行されると期待していた。その図は、おそらく、財務官僚も恐れ、松原耕二など緊縮派イデオローグも警戒していた脅威だっただろう。緊縮か消費減税か、立場を決めかねて風見鶏をしていた永田町の政治家たちも、財務省解体デモが起きるだろうと予期していたに違いなく、その報道と反応を注視し確認した後で、自身の態度をXで公式発表しようと思惑していたはずだ。前回の財務省解体デモは、NHKがかなり積極的に取材した。財務省解体デモは、イコール消費減税要求デモに他ならない。4/11 あたりに実施されていれば、反響は大きく、自民党と立憲民主党の党内を動かし、減税・給付金をめぐるマスコミ報道と世論調査にも影響を与えていただろう

財務省解体デモは、実際のところ主宰者の実体が判然とせず、政治思想や立脚点も様々であるように窺われる。だがしかし、普通に考えて、本当に消費減税を実現することが目的ならば、この好機を逃す手はなかっただろう。私には不思議で、あり得ない不発と言うしかない。自民党や立憲民主党の議員たちは、4/11 に空前の財務省解体デモが発生することを見通し、それを機に党の選挙前の方針が消費減税に流れる動きを想定していたに違いないのだ。デモが成功裏に行われていれば、議員たちは安んじて消費減税を口にすることができる。与野党すべての選挙公約が消費減税で統一され、あとは中身の調整(期限と税率と対象)という実務ベースに収斂していく。つまり、物価高対策としての消費減税は実施の運びとなり、参院選の争点から外れる進行になっていた。消費減税をめぐって各党が選挙で勝ったり負けたりしない構図になっていた。それは、本音ではすべての政党(自・公・維・国・立)が望んでいる図式だ

なぜ財務省解体デモが行われなかったのか。れいわ新選組に焦点を当てて観察すれば、彼らは次の参院選で躍進が確実視されている。黙っていても議席増となるから、看板としての消費税廃止を声高に叫んでいればよく、それが集票効果として機能するなら、いまムキになって消費減税の勝負に出る必要はないという計算だっただろうか。デモの主力と見られる右翼諸派については、何を考えているのか皆目見当もつかない。左翼の反緊縮派(例えば松尾匡)も含めて、正直なところ、本当に消費減税を実現しようとしているのか、それとも単に国債発行は無限に可能であるという主張を訴求したいのか、よく分からない。後者であれば、何か新興宗教の感を否めない。4月以降の給付金・消費減税の政局で、反緊縮派の論者たちは、国債増発の正当性と妥当性を(読経のように)言うばかりで、デモをやれと行動提起しなかった。消費減税の運動のリーダーになろうとせず、政治の渦を作って中心に立とうとしなかった

と、ここまで書いたところで、4/24 に新たな動きがあり、参院自民党議員が消費減税の要望を纏めた報告書を森山裕に提出、食料品の消費税率を2年程度ゼロにする策を参院選の公約に反映するよう求めたという報道が出た。また、その直後、4/24 深夜の産経の記事で、立憲民主党が食料品の消費税率をゼロにする旨を参院選公約に盛り込む件を決定したと報道された。自民党が食料品消費税率をゼロにする前に、急ぎ先手を打とうと判断したのだろう。自民党が決めた後で同じ策を出しても効果がなく、逆に「増税党」の悪いイメージが増幅して支持率を落とすだけだ。枝野幸男の路線を採用して貫徹していれば、選挙で壊滅的打撃を受けた。立憲民主党が食料品消費税率ゼロを公約に据えた場合、自民党だけがそれに反対して選挙を戦うことはできない。どれほど松原耕二らマスコミ論者が「ポピュリズム」だの「将来世代へのツケ回し」だのと悪罵し、この政策を潰しにかかっても、政党と議員は選挙で票を得ないと生きていけない

4/20 のサンデーモーニングの「風をよむ」は、緊縮派の代表格の小幡績を映像出演させ、「バラマキ」叩きのキャンペーンの見本のような特集を放送していた。石破茂が 4/14 に補正予算の断念を表明したのを見届けて、だめ押しを打って世論を固めるべく、財務省広報たるマスコミがこの政治に出てきた一幕だが、まさに今回の給付金・消費減税の政局を”総括”してとどめを刺そうとするテレビ報道だった。けれども、そこから一週間も経たずして、消費減税が首をもたげ、堂々と永田町で復活し、自民党と立憲民主党が消費減税を参院選の公約に設定する情勢となっている。松原耕二は焦っているだろう。その松原耕二は「風をよむ」のコメントでこう言っていた。録画がネットに上がっているので文字おこしして引用しよう。よくご覧いただきたい

 膳場貴子
今の日本に求められていますバラマキや減税にとらわれない経済対策。松原さん、どういうふうに・・(不明)・・ていますか。
松原耕二
そうですね。今の動きは、もう何度も同じものを見せられて来たんだと、という感じがしますよね。
膳場貴子
ホント、そうですよね。
松原耕二
今の日本は防衛費を上げようとしていて、その予算措置だけで汲々としちゃっているわけですよね。で、トランプ関税の交渉の行方によっては、もしかしたら更なる予算措置が必要になるかもしれない。しかもヨーロッパなんかは、アメリカが退いて行く中で独自のプランBの防衛をもう考え始めているわけですよね。日本もやっぱりそれをもう考える時期に来ているんじゃないかという見方があるし、そうだと思うんですね。となるとやはり、予算措置も必要になってくる。
膳場貴子
うん、うん。
松原耕二
そんなふうに世界を見るとですね、もう簡単に消費減税しようじゃないかということを言っている状態じゃないんだと思うんですよね。しかも、成長に繋がらないバラマキを繰り返してきたことが、失われた30年と今の膨大な借金に繋がったということを忘れちゃいけないと思うんですよね。
         2025/4/20 サンデーモーニング「風をよむ」

松原耕二は、アメリカが要求してくる防衛費増額のための予算措置は必要だと言い、一方、消費減税は経済成長に繋がらない無駄なバラマキだからやめろと言っている。松原耕二と緊縮派のいつもの主張だが、この放送の後、特にネット上(Xタイムライン)で糾弾されるという場面はなかった。この男の妄言には、毎度のことながら腸が煮えくり返る憤激を覚える。この男は口を開けば「財源、財源」と言うのだが、防衛費増額の予算の財源はどこから手当てするのか。現在、防衛費は9兆9000億円でGDPの1.8%に達している。日本はずっとGDP比1%枠の防衛費水準を維持し、防衛予算は5兆円台で推移してきた。今、それが2倍になり、さらに3倍をめざす青天井の勢いになっている。その財源は何なのか。これまでは赤字国債であり、今後は赤字国債と社会保障削減ということになるだろう。松原耕二はその政策を正当化している。その松原耕二を、左翼はリベラルだとして歓迎支持し、誰も批判しようとしない。

不愉快きわまる。日本の財政が危機に瀕している元凶は、社会保障ではなく軍事費の伸びであり、法人税減税を始めとする大企業に対する優遇税制だ。過去の給付金が経済成長に寄与しなかった理由は、給付金額が小さすぎたからで、効果が出るような本格的規模ではなく、選挙対策程度のショボいものだったからに他ならない。日本の財政で途方もないバラマキが行われているのは、米国からの武器購入を含む軍事費支出の分野であり、小幡績の言う「10兆円の赤字国債で財政破綻が起き得る」というリスクは、まさに軍事費のバラマキについてこそ指弾すべき問題だろう。