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2025年10月27日月曜日

高市首相が所信表明 安保3文書改定前倒し 「アベノミクス」を復活

 高市首相は24日、衆参両院の本会議で所信表明演説を行い、軍事費の国内総生産(GDP)比2%の今年度中の達成と、安保3文書(「防衛力整備計画」ほか)の改定を26年末までに前倒しすると表明する一方で、自民党裏金事件や消費税減税については何も語りませんでした。
 経済では、「責任ある積極財政」と称して、AI、半導体、造船、航空・宇宙などの分野に対し「大胆な投資促進」「総合支援策」を講ずるとして大企業支援を約束し、国内外の大資本や投資家、富裕層だけに恩恵をもたらし、日本経済の大停滞と円安をもたらした「アベノミクス」の復活を宣言しました(植草一秀氏が別掲の記事で厳しく批判しています)。
 そして「OTC類似薬を含む薬剤自己負担の引上げ」「病床の削減」など民生を圧迫する政策も明らかにしました。
 しんぶん赤旗の2つの記事を紹介します。
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裏金・消費税 語らず 高市首相が所信表明
    安保3文書改定前倒し 「アベノミクス」を復活
                       しんぶん赤旗 2025年10月25日
 高市早苗首相は24日、衆参両院の本会議で就任後初の所信表明演説を行いました。軍事費の国内総生産(GDP)比2%の今年度中の達成と、敵基地攻撃能力の保有など「戦争国家」づくりの指針となっている安保3文書(「国家安全保障戦略」「国家防衛戦略」「防衛力整備計画」)の改定を2026年末までに前倒しすると表明。アメリカ言いなりの大軍拡推進、大企業優遇、社会保障削減を強調する一方で、自民党裏金事件や消費税減税については何も語りませんでした。
 高市首相は、22年12月の安保3文書の策定以降、「新しい戦い方の顕在化」など安全保障環境が変化したなどと強調。安保3文書の26年中の改定に向けて「検討を開始する」と述べました。これを受け、防衛省は24日夕、「防衛力変革推進本部会議」を開催し、改定に着手しました。
 3文書で定めた27年度に軍事費をGDP比2%とする目標について、「補正予算と合わせて、今年度中に前倒して措置を講じる」と明言。目標を2年前倒しで実現するとしました。28日にも行う日米首脳会談で、同盟国に軍事費の大幅増額を要求しているトランプ米大統領への手土産とする考えです。
 経済では、「責任ある積極財政」と称して、AI(人工知能)や半導体、造船、航空・宇宙などの分野に対し「大胆な投資促進」などの「多角的な観点からの総合支援策を講ずる」とし、大企業支援を約束しました。「成長戦略」の加速には「金融の力が必要」だとして、「貯蓄から投資」への取り組みに基づいた金融に関する戦略策定の考えを説明。「世界の資本が流れ込む好循環を生み出す」と強調し、国内外の大資本や投資家、富裕層だけに恩恵をもたらした故・安倍晋三元首相の経済政策「アベノミクス」の復活を宣言しました。
OTC類似薬を含む薬剤自己負担の見直し」「病床の適正化」といった負担増や病床削減のメニューを並べ、社会保障切り捨ての姿勢を鮮明にしました。
 一方で、昨年の衆院選と今年の参院選で自民党が大敗した要因となった裏金事件に一言も触れず、「政治とカネ」問題の解決策も示さず、物価高対策ではガソリンの暫定税率廃止法案の成立などを挙げましたが、参院選で国民が求めた消費税減税には一切言及しませんでした。


高市首相の所信表明演説
大軍拡・改憲へ 社会保障バッサリ 国民の願いに背 維新の要求優先
                       しんぶん赤旗 2025年10月25日
 高市早苗首相は24日、衆参両院の本会議で所信表明演説を行いました。アメリカ言いなりの大軍拡や改憲に意欲を示す一方で、大企業本位の経済成長を優先し、社会保障は大なたをふるう考えを表明。国民の願い実現には背を向けながら、連立を組む日本維新の会の意向を意識した政策はふんだんに盛り込みました。

米の要求最優先 異次元の大軍拡方針に
 高市首相は、アメリカの要求最優先で、異次元の大軍拡方針を打ち出しました。
 2027年度に軍事費を国内総生産(GDP)比2%(約11兆円)に増額する目標について「補正予算と合わせて今年度中に前倒しで措置する」と表明。また、軍事費の2倍化=「GDP比2%」への引き上げを定めた安保3文書を26年末までに前倒しで改定するため、ただちに作業に着手しました。


 この中では、長射程ミサイル搭載の潜水艦導入による敵基地攻撃能力のいっそうの強化や、日本全土のミサイル基地化などが想定されます。
 安保3文書に基づく大軍拡が始まった23年度以降のわずか3年間で、軍事費は防衛省の当初予算だけで3・3兆円増加。教育予算(文教費)の2倍以上になりました。
 25年度の軍事費は、防衛省予算に加えて海上保安庁予算など、北大西洋条約機構(NATO)基準で「国防費」に計上される関連経費を含めると約10兆円に達します(グラフ)。ここから「GDP比2%=約11兆円」を達成しようとすれば、補正予算で約1兆円を計上する必要があります。補正予算は自然災害や経済情勢など、当初予算編成後に生じた事象に対応するのが趣旨です。これを逸脱し、「第2軍事費」に変質させることになります。
 軍事費増額を急ぐ背景には、トランプ米大統領の存在があります。米政権は同盟国に軍事費増額を迫っており、日本にはGDP比3・5%への増額を要求しています。NATOは国防費を35年までにGDP比5%にする目標を決定。28日の日米首脳会談で、日本にも要求が突きつけられることは必至です。
 高市氏は所信表明演説で「主体的に防衛力の抜本的強化を進める」と表明しました。これはトランプ氏から言われる前に、「GDP比2%」超の軍事費増額を“主体的”に約束することを示唆しています。
 GDP比3・5%の軍事費は21兆円に達し、教育予算の数倍です。経済成長も見通せない中、財源の見通しはありません。社会保障切り捨て、大増税、さらに赤字国債の大増発は避けられません。
 沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設の「工事を進める」と明言したことも重大です。技術的にも財政的にも破綻した計画への固執は、米国への忠誠を示すものでしかありません。

「アベノミクス」の焼き直し 破綻済みの大企業優遇
 「この内閣では『経済あっての財政』の考え方を基本とする」―。高市首相は所信表明演説でこう宣言しました。「経済あっての財政」という言葉が意味するのは、大企業本位の経済成長を優先し、「財政健全化」に向けた取り組みは“二の次”にするということにほかなりません。
 高市首相は、故・安倍晋三元首相の経済政策「アベノミクス」の継承を掲げています。所信では「アベノミクス」を彷彿(ほうふつ)とさせる文言をちりばめて経済政策を訴えました。
 たとえば、「責任ある積極財政」の考え方のもと「戦略的に財政出動をおこなう」と表明しました。しかし、財源をどう捻出するかについては触れません
 また、「成長戦略の肝は『危機管理投資』だ」として大企業へのさらなるバラマキを宣言。「成長戦略を加速させるためには、金融の力が必要だ」と訴えました。
 しかし、「アベノミクス」が当初掲げた(1)財政出動(2)成長戦略(3)金融緩和―の失敗はすでに明らかです。「アベノミクス」によって株価は上昇したものの、金融緩和による円安の加速で物価が高騰しました。大企業や富裕層は減税や規制緩和の恩恵なども受けて潤いましたが、多くの国民は消費税増税に加え、実質賃金の減少や公的年金の支給額の低迷で所得が目減りし、貧困と格差の拡大が進みました。失敗した経済政策の焼き直しでは、国民生活は苦しくなるばかりです。
 高市内閣のもとでは、国民生活の破壊が早くも進められようとしています。とりわけ問題なのが、高市首相が組閣後、いち早く厚労相に指示した労働時間規制緩和の検討です。
 高市首相は、所信では「国民のいのちと健康を守ることは重要な安全保障だ」などと述べています。しかし、労働時間規制の緩和で長時間労働が広がれば、働く人の健康が壊されます。
 高市首相は、自民党総裁就任時、「ワーク・ライフ・バランスという言葉を捨てる」などと言いましたが、自分の考えを国民にも押しつけるやり方では、国民の命と健康を守ることなど到底できません。

社会保障抑制路線 弱者いじめの政治継承
 高市氏は、これまで自民党政権が続けてきた社会保障抑制路線を引き継ぎ、さらなる国民負担増で暮らしを冷え込ませる姿勢をあらわにしました。
 高市氏は「人口減少・少子高齢化」を口実に、「社会保障制度における給付と負担のあり方について国民的議論が必要だ」と主張。超党派で有識者も交えた国民会議を設置し、「税と社会保障の一体改革」を議論していく考えを示しました。立憲民主党や国民民主党などを巻き込んだ形で給付削減と負担増を「ともに議論」していく構えです。
 さらに、石破政権下で医療費4兆円削減を決めた自民、公明、維新の3党合意などの「政党間合意」を踏まえ、「OTC類似薬を含む薬剤自己負担の見直し」も明言。「電子カルテを含む医療機関の電子化」「データヘルス等を通じた効率的で質の高い医療の実現」などを「迅速に検討」し、国民の医療情報を企業のもうけのタネにするデータ活用につなげます。
 高市氏は「高齢化に対応した医療体制の再構築も必要だ」として、実質的な病床削減計画「新しい地域医療構想」を策定し、「病床の適正化」を進める考えを示しました。
 こうした医療切り捨てにより「現役世代の保険料負担を抑える」と強弁。「当面の対応が急がれるテーマについては、早急に議論を進める」などと国民や当事者の反対を押し切って強行する構えです。
 さらに、「攻めの予防医療」を掲げ、「健康寿命の延伸を図り、皆が元気に活躍し、社会保障の担い手となっていただけるように取り組む」と表明。社会保障が憲法に基づく権利だという立場とは真逆の「自己責任論」を押しつけています。
 一方、石破政権が「凍結」した高額療養費制度の患者負担増や、高市氏自らがバッシングに加担し、最高裁が違法と断じた生活保護基準の引き下げへの反省には一切言及していません。
 高市氏の社会保障政策は年金や生活保護を削って高齢者や弱者をいじめてきた「アベ政治」そのものです。

「政治とカネ」 裏金への反省 全くなし
 重大なのは、先の参院選で示された国民の要求に一切触れなかったことです。また、歴代政権が曲がりなりにも言及してきた政治改革や社会的課題でも、高市首相の表現は明らかに後退しています。
 とりわけ問題なのは、自民党の裏金事件への反省や対策を全く語らなかったことです。事件発覚後、岸田・石破両政権では、所信表明演説や施政方針演説の中で、少なくとも事件を起こしたことへのおわびや再発防止を含む一定の政治改革の方向を示してきました。
 ところが高市首相は、「政治への信頼を回復するための改革にも全力で取り組む」と述べただけで、「裏金」どころか「政治資金問題」という言葉すら口にしませんでした
 高市首相はこの間、党役員人事で萩生田光一氏を幹事長代行に起用。さらに副大臣・政務官人事でも、旧安倍派の裏金関係議員7人を就任させるなど、事件を「決着済み」とする姿勢を鮮明にしています。しかし、「政治とカネ」の問題は、自民党が国民の信頼を大きく失った最大の要因です。真相解明や企業・団体献金の全面禁止といった抜本的な対策もないまま幕引きを図ることは、到底許されません
 また、最優先課題と位置づけた物価高対策でも、踏み込みは見られません。自民党が参院選公約として掲げた現金給付は「国民の理解が得られなかったことから実施しない」と明言する一方、国民が強く求める消費税減税には一切触れませんでした。代わる有効な対策も示さず、無為無策ぶりが際立っています。
 社会問題となっている米不足や価格高騰、米農家への支援にも言及はありませんでした。高市首相は自民党総裁選の所見発表演説でも、具体的な農業政策に一切触れなかった唯一の候補であり、農政軽視の姿勢は一貫しています。
 さらに、憲政史上初の女性首相となりながら、所信表明ではジェンダー平等につながる文言が一切見られません。石破茂前首相が明言していた男女賃金格差の是正も姿を消しました。
 歴代政権同様、核兵器禁止条約にも触れませんでした。核廃絶をめぐっては、岸田文雄元首相が「『核兵器のない世界』に向け、現実的で実践的な取り組みを継続・強化する」と表面上は表明していましたが、石破政権では言及がなくなり、高市首相も一言も触れませんでした。
 他方で、日本維新の会と交わした連立合意文書にある社会保障削減や外国人政策、「副首都」構想などにはしっかり言及しました。国民要求には応えず、維新の要求は最優先―。政権維持と連立のための政策を優先する姿が浮き彫りになりました。

定数削減 悪政を推進する突破口
 自維政権がこの臨時国会で実現をめざす衆院定数削減は、高市首相の所信表明演説では言及しませんでしたが、自民、維新両党は議員立法で法案を提出する構えです。
 維新の吉村洋文代表は議員定数削減について「その入り口を突破しない限り、社会保障やその他さまざまな改革はできない」と述べ、悪政推進の突破口と位置づけており、今国会の一大焦点です。
 両党の連立政権合意書では、「スパイ防止法」について今年から検討を始め、速やかに成立させるとし、憲法に緊急事態条項を創設する改憲条文案は来年度中に国会提出を目指すと明記。医療費4兆円削減などの社会保障改悪も盛り込んでいます。所信表明で高市氏は、軍事費の対国内総生産(GDP)比2%への増額を今年度中に前倒しして達成すると表明。安保3文書の改定も来年中への前倒しを目指すと述べ、来年の通常国会では、悪政推進の法案が目白押しとなる危険があります。
 これらの悪法を強行するために必要なのが、衆院の定数削減です。吉村氏は、最も民意を反映し死票が少ない比例代表を中心に削減していく考えを示しています。
 少数政党を排除して反対意見を切り捨て、自民と維新の独裁体制で悪政を推進するのが、議員定数削減の狙いです。この民主主義を破壊する動きに反対する国会内外の共同が、いま緊急に求められています。

「外国人政策」 共生社会の視点みえず
 政権の基本的な方針を示す所信表明演説で、高市首相は初めて「外国人政策」を打ち出しました。
 高市氏は、人口減少に伴う人手不足の下「外国人材を必要とする分野があることは事実だ」としつつ、「一部の外国人による違法行為やルールからの逸脱に対し、国民の皆様が不安や不公平を感じる状況が生じている」と主張。「排外主義とは一線を画すが、こうした行為には政府として毅然と対応する」とし、政府の司令塔機能の強化や土地取得ルールの在り方の検討を進めるため、外国人政策担当相を新設したとアピールしました。
 人手不足分野での低賃金の労働を外国人に肩代わりさせながら、外国人に対する不安感をあおっています。そこには全ての人の人権や多様性を尊重しながら、「共生社会」をどうつくっていくのかという視点は全くみえません
 そもそも法務省の「犯罪白書」によれば、刑法犯で検挙された外国人は2004年の1万4766人から23年の9726人へと34%も減っています。生活保護を含め外国人を日本人より優遇する制度もなく「不公平」な実態もありません。
 一方、外国人が文化を理解して日本社会に適応するための十分な政策は行ってきませんでした。外国人のルール違反をことさらに強調し、不公平が生じているかのように描いて対策強化を主張するのは、デマに基づき外国人への差別=排外主義をあおるものにほかなりません。

サナエノミクスの失敗明白(植草一秀氏)

 植草一秀氏が掲題の記事を出しました。
 安倍元首相によるアベノミクスの核心は「成長戦略」でした。しかし実際には2012年から2024年までに労働者の実質賃金は8%も減少した一方で、「成長した」のは円安と株価維持の操作に基いた「大企業利益」だけで、この期間に企業利益は史上空前の水準に達しました。肝心の「経済成長」の方はまったく実現せず、現出したのは30年にも及ぶ経済成長の異常な「長期停滞」でした。
 アベノミクスは明らかな失敗で、近年の激しいインフレによって現在は1ドル=約150円という異常な円安状態が続いています。食品は原料の輸入価格の高騰を受けて季節毎に大幅にアップする有様で、庶民は大変な困窮に陥っています。
 高市政権はそのアベノミクスを模倣しようというのですから失敗は目に見えています。
 植草氏は
「この日本円暴落で日本は存亡の機に立たされている。いま何をすべきかは明白だ。インフレと円暴落を是正するための金融引き締め政策と経済を支えるための財政政策緩和が必要不可欠。
インフレ・円安が深刻な状況下での金融緩和政策は問題を拡大させるだけ。金融を引き締め、財政を緩和する。初歩のマクロ経済政策論議。これすら理解できないようでは日本経済の再建は覚束ない」と警告します。
 ド素人が「思い込み」や「意気込み」で経済を動かそうとすれば、トンデモナイことになります。
           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
サナエノミクスの失敗明白
               植草一秀の「知られざる真実」 2025年10月25日
間違った経済政策論議が続く。2012年12月に誕生した第2次安倍内閣。
この内閣が提示した経済政策が自称「アベノミクス」。
内容は 財政出動 金融緩和 成長戦略

発足した高市内閣がアベノミクスを継承する方針を示す。
しかし、アベノミクスは失敗している。失敗したアベノミクスを模倣するのだから失敗は目に見えている。
私は2013年6月にアベノミクスを検証する『アベノリスク』(講談社)https://x.gd/u9mZn を上梓した。

第2次安倍内閣は「成長戦略」を掲げて日本経済の成長力を高めるとしたが日本経済の成長力は高まらなかった。2009年9月から2012年12月まで民主党政権が存在した。
この期間の実質GDP成長率単純平均値は年率1.6%だった。
2013年第1四半期から2025年第2四半期までの実質GDP成長率単純平均値は0.9%
民主党政権時代の成長率はその後の自公政権時代の1.8倍。
アベノミクスで日本の経済成長率はまったく上昇しなかった。逆に民主党時代から半減した。

金融緩和を担ったのが黒田東彦日銀。安倍内閣は「インフレ誘導」を目標に掲げた。
私はこの目標設定自体が間違いだと指摘した。インフレは企業と政府に利益を与え、国民に不利益を与えるもの。
黒田日銀は2年以内に消費者物価上昇率を2%以上に引き上げることを「公約」として掲げた。
私は日銀がインフレ目標を達成するのは難しいと予測した。そして、その予測は的中した。

黒田日銀がインフレ誘導に失敗したことは日本国民にとっては幸いだった。
インフレは国民に百害あって一利のないものだからだ。
しかし、2020年2月にコロナパンデミックが発生して資金繰り融資が激増して状況が変わった。
日銀はインフレが顕在化した場合にはインフレ抑止の政策に転換しなければならないが、黒田日銀はインフレ見通しを誤り、インフレが進行するなかでインフレ誘導の旗を振り続けた。
黒田氏は23年3月の任期満了までインフレ誘導の旗を振り続け、日本で4%インフレを引き起こしてしまった。

この2年間、日本の経済政策論議の中心は何だったか。「物価高対策」である。
起こしてはならないインフレを引き起こし、その結果として国民が経済困窮に追い込まれた。
これを何とかしなければならない。これが「物価高対策」の意味。したがって、金融政策がインフレ抑止を目的に引き締め方向で運営されるべきことは当然である

他方、アベノミクスの下で一時的に積極財政が実行されたが一瞬で終わった。
安倍内閣は2014年と2019年に二度の消費税増税を強行して日本経済を撃墜した。
アベノミクスではなくアベコベノミクスだった。黒田日銀の金融超緩和政策は激しいインフレを引き起こしただけではなく日本円暴落を招来した。

この日本円暴落で日本は存亡の機に立たされている。
いま何をすべきかは明白だ。インフレと円暴落を是正するための金融引き締め政策と経済を支えるための財政政策緩和が必要不可欠。
インフレ・円安が深刻な状況下での金融緩和政策は問題を拡大させるだけ。
金融を引き締め、財政を緩和する。初歩のマクロ経済政策論議。
これすら理解できないようでは日本経済の再建は覚束ない。

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中国を訪れた欧米の経営陣が恐怖を抱いて帰国(賀茂川耕助氏)

 外国記事を紹介する「耕助のブログ」に掲題の記事が載りました。
 中国の製造工場におけるロボットの活用度は既に欧米(豪を含む)のレベルを遥かに超えています。昨年中国で追加導入されたロボットの総数は29万5000台で、これに比べるとドイツは2万7000台で、米国は3万4000台、英国はわずか2500台でした。
 ロボット密度においても、中国は製造業労働者1万人あたりロボット567台を擁し、対してドイツは449台、米国は307台、英国は104台で、中国はそれらを圧倒しています。

 フォードの最高経営責任者ジム・ファーリーは、「最近の中国訪問がこれまでの中で最も謙虚になる出来事だった」と語りました。彼は中国車に搭載された自動運転ソフトウェアから顔認証技術までの技術革新に驚嘆し、「西側諸国で見られるものよりはるかに優れている」、「それはEVにとどまらない。この競争に負ければ、フォードに未来はない」と7月に警告しました。
 また、グリーンエネルギーに多額の投資を行っている豪州の鉱業大手フォートエスクの創業者アンドルー・フォレストは中国に出張し、「中国の工場の大きなコンベヤーの横に立つと、床から機械が出てきて部品の組み立てを始める」、「このコンベヤーに沿って歩いていくと、800、900メートルほど進んだところでトラックが出てくる。そこに人はおらずすべてがロボット化されている」という光景を目の当たりにして、自社で電気自動車のパワートレインを製造するという試みを断念しました。
 英国自動車工業会(SMMT)のマイク・ホーズ最高経営責任者は「中国は、おそらく欧州の自動車メーカーの半分以下の時間でモデルを開発し、実行できる」と語りました。

 中国においても、自動化の推進が高齢化社会の影響の緩和策でもあるのは当然ですが、中国はそれを徹底させています。
 いまや中国のロボット活用度は世界の一流財界人が驚嘆する状況にあります。
           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
中国を訪れた欧米の経営陣が恐怖を抱いて帰国
                 耕助のブログNo. 2696 2025年10月26日
   Western executives who visit China are coming back terrified
       ロボット技術は多くの産業で北京を支配的な地位に押し上げた
                         by Matt Oliver, Industry Editor
フォードの最高経営責任者は、最近の中国訪問について「これまで見た中で最も謙虚になる出来事だった」と語った。
一連の工場を視察した後、ジム・ファーリーは自動運転ソフトウェアから顔認証技術まで、中国車に詰め込まれた技術革新に驚嘆した。
「彼らのコストと車両の品質は、西側諸国で見られるものよりはるかに優れている」とファーリーは7月に警告した。
「我々は中国と世界的な競争にあり、それはEVにとどまらない。{1}この競争に負ければ、フォードに未来はない」

極東を訪問して衝撃を受けた欧米経営者は自動車業界のトップだけではない。
グリーンエネルギーに多額の投資を行っている鉱業大手フォートエスクの創業者であるオーストラリアの億万長者、アンドルー・フォレストは、中国への出張で、自社で電気自動車のパワートレインを製造するという試みを断念することを決めたと語る。
「今、私はあなたを(中国の)工場に案内することができる。そこでは、基本的に大きなコンベヤーの横に立ち、床から機械が出てきて部品の組み立てを始めるのを見ることができる」と彼は言う。
「このコンベヤーに沿って歩いていくと、800、900メートルほど進んだところでトラックが出てくる。そこに人はいない。すべてがロボット化されているのだ」


ZEEKRの5Gインテリジェント工場では、複数のヒューマノイドロボットがマルチタスク・マルチシナリオの産業環境でシームレスに連携



他の経営陣は、ロボットが作業の大半を単独で行うため、人間のために照明さえ点ける必要がない広大な「暗闇工場」について語る。
「天文学的な数の携帯電話を生産する暗い工場を視察した」と英国エネルギー供給会社オクトパスのグレッグ・ジャクソン社長は回想する。
「自動化が徹底され、製造現場には作業員はおらず、工場の稼働を確認する少数のスタッフしかいなかった
「中国の競争力の源泉が政府補助金や低賃金から、猛烈な勢いで革新を続ける高度な技術と教育を受けたエンジニアの大群へと移行した変化を実感する」

ハイテク・トランスフォーメーション
これは、多くの欧米人がかつて「世界の工場」と結びつけていた安価な「中国製」製品とはかけ離れており、中国の産業プロセスを高度化するためにどれほどの資金が投入されてきたかを浮き彫りにしている。
低品質製品に固執するどころか、中国は今や電気自動車(EV)、バッテリー、太陽光パネル、風力タービン、ドローン、高度なロボット技術といった急成長する高付加価値技術のリーダーと見なされている。
この変革の大きな要因は、自動化への注力にある。これは共産党政権によって奨励され、国家補助金、助成金、地方政府の政策によって強力に支援されてきた。
国際ロボット連盟(IFR)が最近発表したデータによれば、この10年間で中国の産業基盤は劇的かつハイテクな変革を遂げた
2014年から2024年にかけて、国内に導入された産業用ロボットの数は18万9000台から200万台以上に急増した。
これらは溶接・組立・積載用のロボットアーム、高速「ピックアンドプレイス」動作用のスパイダーロボット、3Dプリントなどの精密作業用オーバーヘッドガントリーロボットなど多岐にわたる。
昨年中国で追加導入されたロボット総数は29万5000台で、これに比べドイツは2万7000台、米国3万4000台、英国はわずか2500台であった。
この差を単に人口規模の差と片付けるのは簡単だが、ロボット密度においても中国は西側諸国を圧倒している。現在、製造業労働者1万人あたり567台のロボットを擁しており、ドイツの449台、米国の307台、英国の104台を大きく上回っている。
自動化の進展は生産性向上に寄与すると広く認識されている。生産性とは投入した資源から得られる経済的成果を測る最重要指標だ。
多くのアナリストは、中国の世界製造業におけるシェア拡大がグローバルサプライチェーンへの影響力を増大させ、戦争{2}における強力な敵となる可能性にも言及している。
しかしビスマルク・アナリシスの専門家リアン・ウィットンは、北京が将来産業の支配を公言する一方で、自動化推進は高齢化社会{3}の影響緩和策でもあると指摘する。
「中国は顕著な人口問題を抱えているが、製造業は概して労働集約的だ」と彼は語る。
「だから予防策として、可能な限り自動化を進めたい。西側諸国が考えるような利益率向上が目的ではなく、人口減少を補い競争優位性を得るためだ」

中国が既に支配する5つの産業


出典: Instagram


いわゆる「中国製造(Made in China)」計画の一環として、地方政府は産業用ロボット購入費の5分の1を補助する大幅な税制優遇を提供している。これは「機器換人(機械による人的代替)」と呼ばれる政策の下で行われている。

窮地に立つ欧米メーカー
しかしこの技術と中国メーカーの膨大な生産量が相まって、伝統的な欧米ブランドに深刻な脅威をもたらしている。
この大変動の最も顕著な兆候は道路上で見られる。中国製EVとハイブリッド車{4}の販売シェアが拡大しているのだ。
英国では深圳拠点のBYDが今年9月の販売台数を前年比10倍に伸ばし、ミニ、ルノー、ランドローバーといった老舗ブランドを追い抜いた。
しかし、ジェレミー・クラークソンらが『トップギア』で嘲笑した「悲劇的な」車とは異なり、BYDの最近の取り組みは低価格と充実した内装の両面で称賛されている。
「中国の自動車産業で最も印象的なのは、その運営のペースとスピードだ」と、英国自動車工業会(SMMT)のマイク・ホーズ最高経営責任者は語る。
中国は、おそらく欧州の自動車メーカーの半分以下の時間でモデルを開発し、実行できる
シンクタンク「欧州改革センター」の主任エコノミスト、サンダー・トルドワールは、欧州と英国が中国のイノベーションのペースに追いつき、製造業を維持したいなら、自国のロボット導入を促進すべきだと指摘する。
欧州改革センター主席エコノミストは、「ロボット技術は適切に導入されれば、経済生産性を大きく向上させ得る。中国が極めて優れているなら、我々は追いつかなければいけない。中国同様、欧州の多くも高齢化が進んでいるからだ」
「第二の懸念理由は、ロボット産業が高付加価値であり軍事産業への波及効果がある点だ。中国が先行している事実は安全保障上も重大である」
「議論の焦点は、産業政策で競争力ある市場をどう構築するかだ。これは必然的に、市場原理に依らない中国の歪みや優位性を相殺する支援を含む」

英国は遅れを取っている
しかしトードワールは「我々が新たなものを生み出せないか、飛躍を試みる代わりに労働者を旧態に閉じ込めてしまう」リスクがあると警告し、政治家は労働者が移行できる新たなハイテク職の創出を促すかわりに、老朽化した鉄鋼工場や自動車工場の閉鎖を防ごうとする傾向にあると言う。
だが英国はロボット導入実績が乏しく、年間数千台程度の増加に留まっている。既にフランスに比べ半数以下であるにもかかわらずだ。
昨年、英国のロボット導入台数は35%減少した。
ビスマルク・アナリシスのウィットンは、生産性成長で他国に遅れをとる英国は、工作機械だけでなくロボット導入を促進することで競争力向上に注力すべきだと主張する。
彼は、研究開発費や工場機械の導入促進を目的とした過去の税制優遇策よりも、この方がより大きな効果をもたらすと述べている。
税制変更をぐずぐずしているだけでは、さほど効果がないようだ」とウィットンは言う。
「だが政府は毎年数十億ポンドを、グリーン水素のような完全に投機的なゴミや再生可能エネルギー義務契約の履行に投じている。それなら資本設備への助成金を年間50億ポンドに増やせばいいのではないかと思う」
「我々が追求する多くのエネルギー関連産業政策よりも、おそらく費用対効果が高いだろう」
直感に反するが、ウィットンは2000年代の最初の「中国ショック」——世界中に安価な製品が溢れた時期——において、より自動化を進めていた国々の方が産業雇用をより多く維持できたとウィットンは指摘する。
「自動化が雇用喪失を招くという議論は多い。だが実際には、雇用喪失は自動化を進めない国々で不釣り合いなほど深刻化するだろう」と語る。

つまり近代化に失敗すれば、西側諸国では確実に「暗い工場」が増えるだろう。ただし、そこでは全く仕事が行われていないタイプの工場となる。

Links:
{1}https://archive.is/o/DuZGe/https://www.telegraph.co.uk/business/2025/10/06/chinese-carmakers-uk-sales-rocket-tenfold/ 
{2}https://archive.is/o/DuZGe/https://www.telegraph.co.uk/news/2025/07/21/battle-lines-war-with-china-inside-taiwans-biggest-drills/ 
{3}https://archive.is/o/DuZGe/https://www.telegraph.co.uk/business/2025/07/04/beijing-start-paying-families-have-babies/ 
{4}https://archive.is/o/DuZGe/https://www.telegraph.co.uk/business/2025/06/18/chinas-electric-car-revolution-is-eating-itself/ 

27- ジャーナリズム要らない(田中宇氏)

 国際ニュース解説者の田中宇氏が掲題の記事を出しました。
「政権が間違った政策を進めていないかを監視しないジャーナリズム」は国民にとっては「要らない」ものだし、逆に「政権を厳しく批判するジャーナリズム」は政権にとっては勿論「邪魔な」ものでしょう。
 米国をはじめとする主要な欧米のメディアがCIAの掣肘下にあることは良く知られています。実際には権力の側から絶えず「ダメ出し」をすることでその関係が維持されているということなのでしょうか。その一方で権力側からの「特ダネのリーク」の手法も事実上確立されているというのは珍妙というしかありません。
 トランプは9月初めに国防総省を戦争省と改名しました。それによって「機密保持」をより厳格に要求できるようになり、逆に「リークは犯罪」になりました。
 田中氏の記事は別にそれらを述べるためのものではありません。

 我々はCIAと聞くと直ぐに「情報機関」を連想し諜報の本家本元と考えますが、実はそうではなく英国系の組織「MI-6」とイスラエルの「リクード系諜報機関」(リクードはイスラエルの極右政党の名前)が、競い合う?2つの総本山になっているようです。
 英国系の「MI-6」は第2次世界大戦後 世界の総元締めになって来ましたが、近年は「リクード系」がその地位を占めるようになったということで、田中氏は、「911以来 英国系を追い出してリクード系米諜報界を握った」との見方を示しています。
 イスラエルの話など聞きたくもありませんが、現実はそうなのでしょう。
           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ジャーナリズム要らない
                 田中宇の国際ニュース解説 2025年10月23日
米国の戦争省(国防総省)が、省内の記者室のマスコミなどの記者たちに対し、省内から匿名でリークされた情報で書いた記事、正式発表された情報以外の記事を報道しないよう、誓約書に署名しろ、さもなくば記者室に入れず、記者発表会に参加できない、という新規則を適用した。マスコミのほとんどは署名を拒否し、10月15日に荷物をまとめて記者室から退去した。
これまで国防総省に関する米マスコミの重要報道の多く、とくに特ダネはすべて、省内からのリークをもとに書かれていた。Reporters Leave Pentagon En Masse After All But One Outlet Rejects New Rules)(Trump To Attend Hegseth’s Meeting of Hundreds of Generals and Admirals

マスコミなどジャーナリズムの任務は、政府が間違った政策を進めていないか監視することであり、政府の隠しごとを義侠心のある政府幹部らがジャーナリストにリークして報道してもらい、間違いを是正するのがリークの(建前的な)意義だった。
そのような「正しい行為」であるリークの報道を禁じるトランプ政権は、ジャーナリズムの重要な役割を潰そうとしており間違っている。記者室の記者の多くは、そのように考えて新規則への署名を拒否し、記者室を退去した。And The Legacy Media Wonders Why Nobody Trusts Them

記者室に入れないと戦争省の正式発表に参加できないが、記者室に入れなくても省外でリーク元に会えばリークを受けられる
だがトランプ政権は、リークを受ける記者の側だけでなく、リークをする側の戦争省の幹部たちにも、リークに対する処罰を厳格化している。Pentagon staff face random lie detector tests

戦争省は10月初め、世界各地に駐留している米軍の幹部たち800人を米国に集めて会議を開いた。
会議の内容は、トランプ大統領やヘグセス戦争長官らが演説するなど中身の薄いものだったが、会議の前後に、米国に集まった軍幹部たちの一部(民主党支持者たち)に対してウソ発見器を使った尋問が個別に行われ、リークをしたことがあるか、今後しそうかどうかなどを調査した。US War Chief Summons Hundreds of Generals and Admirals for Urgent Meeting)(Generals Gathered In Their Masses

これらの動きに先立ってトランプは9月初めに、国防総省を戦争省と改名した。戦争だから機密保持は当然でリークは犯罪だという話にできる。
ここ数年の国防総省は、民主党バイデン政権下などで「米国にとって最大の脅威は地球温暖化なので国防総省も温暖化対策を最重視する」とか「覚醒運動がとても大事なのでジェンダー混乱した人々などを積極的に雇用・登用する」といったお門違いな政策をどんどん展開しており、米軍を弱めてきた。戦争省への改名はそれを是正する意味もある。
米民主党自体が(2020年に選挙不正でトランプを蹴落として)認知症のバイデンを大統領にしたあたりから、温暖化対策や覚醒運動やmRNAワクチンやウクライナ戦争など、米欧(英国系覇権)を自滅させる動きを急拡大してきた。国防総省が自滅策をやらされたのはその一環だ。Trump to rename Pentagon, restoring historic ‘Department of War’ in latest military move

これらの自滅策は、911以来英国系を追い出して米諜報界を握ったリクード系の仕業な感じがする。ほかに、これらの奇妙な策をやりうる隠然大勢力がいない。
イスラエルを強化したいリクード系が、すでにイスラエルの傀儡である米国の軍事力を自滅させるのはおかしい。だが、リクード系の仕業に見える。
私の見立ては、もともとリクード系を誘い込んで911をやらせて米諜報界を乗っ取らせたのはロックフェラーなど隠れ多極派で、リクード系は多極派との約束に沿って米覇権を自滅させる策を展開し、米覇権が完全に破綻するまではリクード系が米諜報界の情報を自由に使ってイスラエルを強化している、といった感じだ。Hegseth Shows Legacy Media Outlets The Door Amid Revolt Against New Pentagon Press Policy

諜報界は大量の機密情報を持っており、金融界の起債機能などと連携し、相場操縦など、金融システムを裏から操作できる。米金融バブルが崩壊したら米覇権も破綻するが、リクード系は最近、相場を高騰させてバブル維持して米覇権を延命させている。
だが、米サブプライム自動車ローン会社の破綻は3社目のプリマレンドが倒産して確実に広がっており、バブル維持はしだいに難しくなっている。不合理な相場高騰と、金融危機の露呈による暴落が交互に起き続けそうだ。末期的な事態といえる(末期が何年も続くかもしれないけど)。Another 'Cockroach': Subprime Auto-Lender PrimaLend Enters Bankruptcy突然金融危機になるかも

911以来の、リクード系と多極派が英国系と米覇権を自滅させて世界を多極型に転換する流れは、今年のトランプ返り咲きによって、山を越えて後半戦に入った観がある。
トランプは、既存の(英傀儡にされた)米国が欧州を引き連れてロシア(や中共)を敵視する英国系の覇権戦略を破壊し、プーチンのロシアと交流を重ねつつ、欧州に対して邪険な態度をとっている
欧州内でも、ハンガリーやスロバキアに加え、右派政権のイタリアがEUを見捨ててトランプに接近している。L’Italie s’eloigne des positions de l’Union europeenne sur l’Ukraine

トランプは、英傀儡的な単独覇権体制を破壊するとともに、米国の戦略を、南北米州中心(米州主義)に変え、手始めに麻薬戦争の名目でベネズエラを攻撃してマドゥロの左翼政権を転覆しようとしている
トランプが、国防総省を戦争省に改名した背景には、この単独覇権体制の放棄と米州主義への転換もある。
戦争省内では、民主党支持者(リベラル左翼)など、このトランプの戦略転換に反対している勢力も多い。彼らは、トランプの策を妨害するために、省内の機密を、リベラル左翼の同志であるマスコミにリークして書かせようとする。
トランプは、彼らの敵対的な策略を阻止するために、省内勢力とマスコミの両方に、リーク報道を禁止する策をとっている。Many American military personnel criticize the new defense strategy

リベラル左翼や、小役人気質な人など、多くの人々はいまだにジャーナリズムを良いものだと思っている。マスコミは悪だけどジャーナリズムは善だ、とか。権力を監督・是正するジャーナリズムがなくなったら悪い権力がはびこるよ、とか。
実のところジャーナリズムは、遅くとも1972-74年のウォーターゲート事件あたりから、米国(や欧日)政府などの権力が、英国系(英傀儡、単独覇権体制)から逸脱していかないように監視するために機能してきた
米国の上層部(政界や諜報界)では戦後、戦前の英覇権(大英帝国)の世界体制を米国に移植(米国を英国の傀儡に)して維持しようとする英国系と、そうした英国系の謀略を破壊しようとする(そのために必要な覇権の多極化を目指す)隠れ多極派(ロックフェラーなど)が暗闘してきた
(2度の世界大戦も、本質は、しつこく世界支配を続けようとする英国系と、それを打破して新しい世界体制を作ろうとする米独などの勢力との対立だったが、ドイツは惨敗させられ、米国は冷戦体制を作られて英傀儡にされた)Rogan Rages At Media Silence On UK's "Orwellian Nightmare" Free Speech Crackdown

多極派がニクソンを擁立して大統領に押し上げ、ニクソンはドル体制(金本位制)の破壊や、冷戦終結を目指した米中和解など、英国系の米覇権体制を壊す策を展開した。
これに対し、戦後英MI6の複製物として米CIAを作って米諜報界を創設支配してきた英国系は、諜報界からのリーク機能を多用してマスコミにニクソンを攻撃させ、ニクソン陣営が民主党をスパイしていたことを針小棒大な極悪に喧伝させてウォーターゲート事件を仕立て、ニクソンを辞職に追い込んだ。
ニクソンは中国と和解してテコ入れしたかったが辞職させられたので、替わりに日本の田中角栄の自民党政権が、ロックフェラーなどから頼まれて中国と仲良くし始めた。
英国系は、この日本の動きを破壊するためにリーク機能などを多用してロッキード事件を起こし、文芸春秋などのジャーナリストらが田中角栄を辞職に追い込んだ
これら事件は「正義のジャーナリズムが極悪なニクソンを退治した」「輝かしいジャーナリズムの勝利」と喧伝され、それを軽信した若者たちがマスコミに就職したがった(昔の私自身とか)。Trust in Media at New Low of 28% in U.S.

実のところ、輝かしいと軽信されたジャーナリズムは英傀儡であり、英国系が作った世界体制を転換しようとする勢力に極悪のレッテルを貼って潰すための活動をさせられていた。
鋭く世界分析すべきジャーナリスト自身が、自分たちがしていることを分析できず軽信させられ、嬉々として英国系の敵に極悪のレッテルを貼る英傀儡な作業を頑張った。Kremlin explains why Putin avoids social media

多極派はニクソンの失敗の教訓から、次に多極化を進めたレーガンは最初、ソ連を悪の帝国と呼び、軍事費を急増するなど、英国系が好むソ連敵視の冷戦構造を猛烈に進め、その後でゴルバチョフと仲良くしていき冷戦を終わらせた(米国と和解したいゴルバチョフに便乗した)
最初は猛烈に英国系の策略を進める目くらましをやりつつ、実のところ英国系の世界体制を破壊するレーガンの手口は、911事件とテロ戦争を起こして米諜報界に入り込んだリクード系(新レーガン主義を標榜したネオコンなど)に継承された。
目くらましを食らわされたジャーナリズムは、レーガンやテロ戦争を有効に非難攻撃できなかったTrump Turns Pentagon Into Department of War on First Amendment

ジャーナリズムの大半は覇権と全く無関係だぞと反論してくるジャーナリストやリベラル派がいそうだが、ウォーターゲート事件や田中角栄金脈事件は、米日でジャーナリズムが礼賛されるようになった画期的な発祥点だ。無関係ではない。自らの信条の起源を知った方が良い
中露やトランプがのさばる多極型世界よりも、英国系が米国やジャーナリズムを傘下に入れて守ってきた単独覇権体制の方がましだという、うっかりでない英傀儡もいそうだ。だが、そもそも中露やトランプに極悪なレッテルを歪曲的に貼ってきたのも、英傀儡なジャーナリズムの「功績」だ。英国系が歪曲した善悪観を喜んで軽信するのが、敗戦後の日本人の「あるべき姿」でもあった。Weaponized Scoops: New Russiagate Documents Expose Media/Government Collusion

日本の小役人たちは永久に英国系に支配されたいだろうが、トランプは英国系による米国と世界の支配を終わらせたい。トランプが、戦争省でのリークを禁じるなど、英傀儡であるジャーナリズムやリベラル派を潰そうとするのは当然の動きだ。West instructed Russia on freedom of speech for years, now it wants to ban it - Putin

米諜報界をリクード系が握った後のここ数年、諜報界は、ジャーナリズムなどリベラル派(英国系)に対し、mRNAワクチンなど新型コロナの超愚策や、地球温暖化人為説、ウクライナ戦争でのロシア敵視など、リベラル派が強い米欧を自滅させる方向の、軽信や政策強制、言論統制(リベラル全体主義化)を誘導した。
米民主党や英独仏の左右エリートなど、リベラル派は誘導に乗せられて超愚策をゴリゴリ進めて自滅を加速した。多くの人々がリベラル派に愛想を尽かし、トランプや独AfDなどの極右が強くなって政権をとる方向にある
英国系=リベラル派は弱体化し、諜報界でも政界でも力を持てなくなっていく流れが確定した。そのため、英国系の敵たちは、英国系を怒らせてじっくり自滅させていく心理作戦に転換している。Get Woke, Go Broke: Hollywood Productions Plummet To All Time Lows

これまでの世界では、人々に良い印象を持たれることが「勝利」の秘訣だった。勝てば官軍。日独は敗戦したので極悪なレッテルを貼られた。
しかし、近年の英国系の敵たち(米露イスラエル)は、この不文律を意図的に破っている。トランプは、人々に信用されたくないかのように発言をころころ変えるし、リベラル派を怒らせる策を意図的にやっているイスラエルのガザ戦争も、巨大な人道犯罪であり人々を怒らせているプーチンのロシアは、ブチャの「虐殺」など、ウクライナ側がロシアを陥れるために捏造した事件に対して本格反論せず放置する偽悪戦略をやっている。プーチンの偽悪戦略に乗せられた人類)(英国系潰し策としてのガザ虐殺

これらはいずれも(うっかり)英傀儡なリベラル派やジャーナリストを怒らせるために展開されている。米国のリベラル派は、トランプやリクード系に乗せられて怒りを募らせて過激化し、暴徒やテロリストのレッテルを貼られて取り締まられ、潰される。
リベラル派(欧州エリートなど)はイスラエルを敵視するほど、リクード系が支配する諜報界から情報をもらえなくなり、失策を重ねて支持を失う。プーチンが欧州を怒らせるほど、欧州はロシア敵視に固執して敗戦していく。
リベラル派は、大間違いな温暖化問題で石油ガス敵視を続け、エネルギー政策で失敗を続け、欧州経済を自滅させていく。コロナワクチンを連打したリベラル派は免疫が低下して発癌する。If It's Worse Than Watergate, Why The Silence?リベラル世界体制の終わり

かつて輝かしかったジャーナリズムは、今や「事実」と称する間違った「あるべきだ論」を繰り返し、人々に愛想を尽かされている。
ジャーナリズムは早く消失した方が良いのだが、ジャーナリストのほとんどはそれに気づいていない。馬鹿である(だからジャーナリストやってる)。He Co-Founded Wikipedia, Now He Says The Site Needs A Radical Change