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2024年9月28日土曜日

ウクライナ紛争について知っておくべきこと(賀茂川耕助氏)

 賀茂川耕助氏が海外の記事を紹介する「耕助のブログ」に掲題の記事が載りました。
 原著者のPaul Craig Robertsは、レーガン米大統領時代に財務次官補を務め、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者でもありました。
 著名なブロガーで、14年に米国が主導したウクライナでのクーデターに関しては、米国を批判する多数の記事を出しています。その記事を中心に当ブログでも沢山紹介しています。(右上枠外の検索欄で検索してみてください。全部で60編ほど)。
 ここでは関連記事として下記の2編を紹介します。
 (関連記事)
   14.3.19ウクライナ・クリミア問題 ロシアは何も悪くない
   18.8.4)米国はどれだけの国を侵略し、または政権を転覆してきたのか
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ウクライナ紛争について知っておくべきこと
                  耕助のブログNo. 2282 2024年9月27日
  Everything You Need to Know about the Conflict in Ukraine
                         by Paul Craig Roberts
ソビエト連邦は、西側諸国と友好的かつ開放的な関係を急速に築き上げたことに警戒感を抱いた政治局の強硬派によってゴルバチョフ大統領が自宅軟禁に置かれた時に崩壊した。

強硬派のアメリカ新保守主義者たちにとって、ソビエト崩壊はアメリカの単独主義に対する制約を取り除いた。新保守主義者たちはすぐに主導権を握り、ウォルフォヴィッツ・ドクトリンを掲げてアメリカの覇権を宣言し、アメリカの外交政策の主な目標は、ワシントンの覇権に対する制約となり得るいかなる勢力の台頭も阻止することであると述べた。この政策により、レーガンとゴルバチョフが抱いていた期待と、ゴルバチョフがワシントンに寄せていた信頼は裏切られることとなった。ワシントンがNATOを東方に一インチも動かさないと誓ったことは否定され、さらに敵対的な措置が取られた
2007年になると、ロシアのプーチン大統領には多極化世界の約束がワシントンの覇権政策によって覆されていることは明らかだった。ミュンヘン安全保障会議で、プーチンはワシントンのルールに基づく一極世界をロシアは受け入れないと挑戦状を叩きつけた。その瞬間、米国とNATOはロシアとの戦争に突入したのである。

ロシアへの最初の攻撃は、その1年後の2008年、米国が供給し訓練したジョージアの軍隊を係争中の南オセチアに侵攻させたことだった。その結果ロシアの平和維持部隊と多数の民間人が死亡した。不意をつかれたプーチンは、北京オリンピックから帰国するとすぐにロシア軍は米国の訓練を受けたジョージア軍を撃破した。よくプーチンはソビエト帝国の再建を企てていると非難される。しかし彼が手中にしたジョージアは歴史的にソビエト連邦の一部で、以前はロシアの一部であった。ジョージアをロシアに再び組み入れる代わりに放任したため、ジョージアは再びロシアに対するワシントンの陰謀にさらされることとなった。

ジョージアでの失敗後、ワシントンは同じく何世紀にもわたってソビエト連邦、そしてロシアの一部であったウクライナに注目した。ヴィクトリア・ヌーランドがテレビ会議で自慢したように、ワシントンは50億ドルを費やしてNGOや学生を組織し、ウクライナの政治家を買収して民主的に選出されたウクライナ政府を転覆させ、ロシアに敵対するネオナチ政権を樹立するためのクーデターを支援した。

理由は不明だが(プーチンがソチオリンピックに出席していたから、ということ以外)、プーチンはワシントンのクーデターを阻止する行動は何も起こさなかった。8年間、プーチンはミンスク合意を信頼してきた。しかしこの合意は欧米がプーチンを欺くために利用したものであり、その間、ワシントンはウクライナの迫害とロシア系住民の殺害に抵抗して離脱したドンバス共和国を転覆させることのできるウクライナ軍を強化していたのだ。

2021年12月から2022年2月にかけて、プーチンとラブロフが米国とNATOとの相互防衛協定締結に向けた努力をしたが、ワシントン、NATO、EUから冷たくあしらわれた。そのためプーチンは、ガザ地区とヨルダン川西岸地区でイスラエルが行っているようにウクライナに併合された旧ロシア領ドンバス地方を虐殺から守るために介入する以外に選択肢がなかった
西側諸国はドンバス地方に限定されたプーチンの「限定的な軍事作戦」を「ウクライナ侵攻」と呼んだ。それは正しくない。事実、ウクライナへの侵攻や征服でなかったことがプーチンの誤りだった。
プーチンの介入が限定的だったことがこの紛争が核戦争に発展する可能性の原因となっている。
20世紀半ばのアメリカの自由主義者で、国家間の外交関係や善意を信頼していたプーチンは、西側諸国がロシアと戦争していることを理解していなかった。 プーチンとラブロフは「アメリカのパートナー」と交渉への信頼を強調し続けたが、その一方で西側諸国はロシアへの攻撃を組織していたのである。

これらの攻撃は今では戦線から遠く離れたロシア奥地への攻撃も含まれている。ロシアは防空システムを回避する低空飛行の無人機による攻撃を数多く受けている。私がこれを書いている間にも、NATO事務総長ストルテンベルグと英国の首相は、バイデン政権にロシアに長距離ミサイルを発射することを承認するよう米国とNATOに強く求めている
プーチンは、これはロシアが西側と戦争状態にあることを認めざるを得ない最後のレッドラインだと述べている。
NATO事務総長ストルテンベルグは、プーチンの脅しに西側諸国が注意を払う必要はないと言っている。なぜなら、「プーチン大統領はこれまでに何度もレッドラインを宣言してきたが、エスカレートしたことはない」からだ。

私が言ったように、我々はそれぞれ到達した。プーチンは侵略行為に対して行動を起こさなかったことで、今や背水の陣に立たされている。彼には3つの選択肢がある。降伏する。ウクライナ紛争を武力で終わらせる。そうすれば、紛争が続けば西側諸国も危険にさらされるという警告を西側諸国に発することになる。あるいは、現実を無視し続け、紛争の始まりからずっとそうであったように、主導権を西側諸国の手に委ねる。
我々はプーチンの決断に直面している。彼は戦士なのか、それとも時代遅れのアメリカンリベラルなのか?
この質問は不公平であるという意見には同意する。世界の存続が問われるこの重要な時期に、プーチンは世界で唯一の政治家であるプーチンは人類の死を意味する戦争を回避するために、侮辱に次ぐ侮辱、挑発に次ぐ挑発を受け入れてきた
誰もプーチン大統領をこの件で評価していない。
取るに足らないストルテンベルグはプーチンを嘲笑し、取るに足らないバイデンは彼を侮辱し、取るに足らないゼレンスキーは彼を打ち負かすと誓っている。

今、我々は、人類の存続を固く決意する唯一の指導者が悪魔化されているという、西側がサタンの支配下にあるのを目にしているのだ。
プーチン、その高潔な人格にもかかわらず、失敗している。なぜなら、彼と彼が代表する国が直面している極悪非道がわからないからだ。
英国の大使クレイグ・マレーが報じたように、西側諸国は言論の自由を犯罪化している。ワシントンがスコット・リッター、ディミトリ・サイメス、その他の人物を調査していることは、ロシア人と接触する人物は、ロシアの偽情報を支援し奨励しているとして犯罪化され、それがスパイ行為と同列に扱われていることを示している。会話が妨げられている状況で、どうやって危険な状況を解決できるのだろうか?

Everything You Need to Know about the Conflict in Ukraine