2021年3月30日火曜日

総務省接待問題・法案の膨大な誤り 背景に菅政権の堕落・劣化 

 菅政権下で明らかになった東北新社やNTTによる総務省官僚接待問題でも、安倍政権下における「モリ・カケ」問題の時と同様に、官僚たちは菅首相を守るために虚偽と隠蔽の答弁を繰り返しました。

 そんな中で、政府が提出した産業競争力強化法等の法案のミスは23法案と条約1つの合計24本に及び、条文そのものに誤りがあったのは3法案1条約の計12カ所、参考資料においては22法案で122カ所に誤りがありました。
 担当した官僚たちがよほど他の作業に忙殺されていたのか通常ではありえないことです。
 官僚たちも人間です。もしも彼らが集中力を維持できないほどに劣化したのであれば、それを引き起こした根源は、安倍・菅政権のもとでの政治の腐敗・堕落・劣化があります。
 28日のNHK「日曜討論」で、共産党の小池晃書記局長はそう指摘しました。
 しんぶん赤旗が報じました。

 官僚は本来国を正常・健全に維持するために存在するのであって、何もダメな政権を守るのが仕事ではありません。安倍氏から菅氏へと続いた自民党政権は本当に国の政治をダメにし、官僚を劣化させました。
 しんぶん赤旗日曜版28日号に、菅首相が看板とした「携帯料金値下げ」を実現させるために、NTTが「ドコモ」を完全子会社化することを認めたとする記事が載りました。それは、NTT民営化し分社化させるという長年の政府方針を逆行させるもので、携帯会社など電気通信事業28社から公正な競争が阻害される″とする意見書を提出されたのは当然でした。しかし総務省(菅政権)はそれを無視しました。
 ダントツに巨大な企業が出来てしまえば、いずれ競争原理が働かなくなり、最終的に不利益を被るのは国民です。
 ようするに携帯料金の値下げは目先のニンジンに過ぎないもので、政府は支持率を得るためのそんな姑息な策を講じたのでした。
 しんぶん赤旗の二つの記事を紹介します。
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総務省接待・法案の誤り 背景には菅政権の堕落・劣化 
 腐敗一掃へ政権交代に全力 
                       しんぶん赤旗 2021年3月29日
NHK討論 小池氏が主張
 日本共産党の小池晃書記局長は28日、NHK「日曜討論」に出席し、総務省などの一連の接待疑惑や河井克行前法相の選挙買収、相次ぐ法案の誤りなどについて、背景には安倍・菅政権のもとでの政治の腐敗・堕落・劣化があると指摘し、「真実を明るみに出し、腐敗を一掃するためには政権交代しかない。そのために全力を挙げていきたい」と語りました。
 小池氏は、菅首相が半年前の就任時に“何事も丁寧に説明する”“国民の感覚からかけ離れたあたりまえでないことが残っている”と述べていながら、「それから半年、丁寧な説明をせずにあたりまえでないことが続いている」と指摘。国会に資料は出さず、参考人招致にも応じず、政治家も官僚も平然と「記憶にない」と答弁するなど真相解明に背を向けていることを批判し、「説明責任を果たすというなら、与党も野党の資料提出・参考人招致の要求に応えるべきだ」と語りました。
 相次ぐ法案の誤りについても、官僚の責任も重大だが、首相を先頭にした虚偽答弁、政治の私物化など国会審議の軽視・形骸化の中で起きていると指摘し、「そういう背景を政府・与党はしっかり自覚すべきだ。根本にある政治の責任が一番問われている」と強調しました。

対中国 国連憲章と国際法守れの国際的な世論の包囲こそ
 小池氏はまた、中国が「海警法」のもとで領海侵犯をくりかえし、香港やウイグルで人権侵害を強めていることに対して、「国連憲章と国際法を守れ」と迫る国際的な世論の包囲網をつくることが重要だとし、そのために日本は役割を果たすべきだと語りました。
 小池氏は、中国の「海警法」は国連海洋法条約に反し、香港やウイグルでの人権侵害は国際人権規約に反する、いずれも明確な国際法違反だと指摘。「ところが日本政府は(中国に)国際法違反だと批判していない。腰が引けている」と述べました。
 その上で、日本政府が日米安全保障協議委員会(2プラス2、16日)で、米中対立をめぐり日本の軍事的役割の強化で合意したことについて、「台湾をめぐる米中の軍事的対立などに日本が関与することは極めて危険であり、中国に軍事力強化の口実を与え、軍事対軍事の悪循環で事態を悪化させる」と批判しました。
 小池氏は、中国の覇権主義や人権侵害を批判することを回避しながら中国の「脅威」を「戦争する国づくり」に利用することは最悪の対応だと強調しました。


NTTの総務省接待問題 政府方針180度ねじ曲げ
菅首相の看板「携帯料金値下げ」実現のかわりに、分社化方針を大転換
                    しんぶん赤旗日曜版 2021年3月28日号
 食事はせずにビールを2、3杯飲み、飲食費として1万円を払った。NTT社長と会食していたことが明らかになった武田良太総務相は国会で弁明しました。なぜ武田氏は、答弁拒否を連発してまで「この会食」を隠し続けたのか。菅政権とNTTが″二人三脚″で政治を大きくゆがめていたからです。その実態を追います。  取材斑

「ドコモ完全子会社化」認め 他社に優位な巨大一社体制へ
 武田氏がNTTの澤田純社長と会食をしていたのは昨年11月11日。武田氏は同じ日、NTTドコモを除く携帯会社など電気通信事業28社から公正な競争が阻害される″とする意見書を提出されていました。
 問題となっていたのは、NTTによる「ドコ完全子会社化」。NTTをめぐる長年の政府方針は民営化と分社化で「ドコモ完全子会社化」はこの方針の大転換です。
 ITジャーナリストの川温(つつむ)さん(45)は解説します。「グループ再編を実行し、国隊競争力をつけたいNTTが、菅(義偉)首相の携帯料金値下げ政策を実現する代わりに、総務省にNTTグループのかつてのような巨大な一社体制を認めさせたのではないか
 事実とすれば看板政策を実現してもらうかわりに、企業の要望に応えて政治をゆがめたという重大問題です。
 「携帯料金値下げ」を大看板に菅政権が誕生したのが昨年9月16日。その13日後田氏がドコモの完全子会社化方針を発表しました。

会食直後に・・・
 問題の会食から16日後の昨年11月27日。田氏とNTTドコモの井伊基之次期社長が菅首相と面会しました。その4日後、井伊氏は社長に就任。その直後、ドコモは携帯料金の値下げプランを発表したのです。

NTTドコモの完全子会社化
 NTTによるドコモの完全子会社化をめぐり携帯各社が憤っているのは「NTTによる競争政策の一方的な反故(ほご)」です。
 KDDIやソフトバンクは「公正な競争が成り立たない恐れがある」と懸念を示しています。
 NTTは政府が34%の株を保有。最大の株主となっています。
 政府は答申や閣議決定でNTTによるドコモヘの出資比率引き下げなどをすすめてきました。理由は「公正競争の確保を図る観点から」です。
 ところが、NTTは昨年9月29日、ドコモヘのTOB(株式公開買い付け)を実施すると表明。66%の株式保有が100%となり、完全子会社化しました。
 NTTの澤田純社長は会見で「(TOBを)することでNTTドコモは強くなる。その結果安定した基盤ができ、値下げの余力が出てくるだろう」と、更なる値下げの検討をしていることも明らかにしました。
 その直前の9月2日、菅義偉首相は自民党総裁選出馬会見で、携帯料金値下げを表明していました。
 携帯会社は各地に携帯の基地局を設置しています。基地局と通信センターを結基幹回線の多くは大容量の光ファイバーNTT東日本、西日本は光ファイバ―の75%という圧倒的なシェアを握っています。KDDIやソフトバンクは、NTT東西に依存しているのが実態です。
 NTTの一体化が強まり、ドコモだけに有利な条件で回線などが提供されれば他社は太刀打ちできません
 菅首相は、携帯料金値下げについて、ことあるごとに「競争ができるような環境にするのが私の役割、政治だ」と述べています。
 しかしそれとは全く逆の方向に菅政権は政治をゆがめたのです。日本共産党の山添拓参院議員が国会で追及したように、閣議決定までした政府の方針を、会食や密室の協議で覆し、ゆがめてしまったのです。
 疑惑が深まるばかりの総務省接待問題。日本共産党の志位和夫委員長は厳しく指摘しました。「全ての関係者を国会に招致し真相を徹底的に明らかにするべきだ」(18日)


「公正な競争」どころか「独占化」
 ・方針転換の時期に連続接待  I Tジャーナリスト 石川 温さん
 NTTによるNTTドコモの完仝宇会社化について、危機感を覚える通信事業者は多いと思います。
 ソフトバンクやKDDI、楽天モバイルなど28社が総務相に競争がゆがんでしまう″と意見書を出しました。それまで総務省は、いかに公平な競争ができるか、そのためにはいかにNTTの競争力を落としていくかという視点で動いていた。それが逆転したのだから当然です。
 なぜ、こんな大きな方針転換がスムーズに決まってしまったのか疑問でした。昨年9月にNTTの澤田純社長がドコモを完全子会社化すると記者会見したとき総務省は問題ないといっている″と話されたので変だなと思っていました。
 NTTの接待はドコモを完金子会社化する時期と重なっています。疑念の目を向けざるをえません。
 菅首相は昨年9月、総裁選に立候補する段階で 「携帯電話料金の値下げ」を政策に掲げていました。
 菅首相の信任が厚い谷脇康彦総務審議官(当時)は、それまでも料金引き下げ策を推進していましたが、なかなか値下げにつながりませんでした。
 一方、NTTはグループ再編を実行し、国際競争力をつけて世界に進出したいという思惑をもっていた。そのため総務省は携帯料金値下げの政策を実現する代わりに、NTTのグループ独占回帰を認めたのではないか。IT業界のなかではそうした見方がもっぱらです
 菅政権は、携帯料金をNTTコモに引き下げさせるとによって、値下げ競争を起こさせるという方向に舵(かじ)を切ったのではないか、と思います。
 携帯電話会社など通信事業者は通信インフラを主にNTTから借り受けてサースを提供しています。NTTと体となったドコモが有利になるのは明らかです。官僚や大臣の接待が、ゆがんだ競争を生むことになったとするならば許されないことです。

 ・背景には菅首相の看板政策  ノンフィクション作家 森 功さん
 許認可権を持つ官庁はおかしなことがあれば企業に修正を求める役割があります。ところが、NTTがより独占に近づき、公平な競争を阻害する危険性を業界各社が指摘する中、総務省はドコモの子会社化を認めてしまった。
 従来の方針を崩していくには一定の理屈が必要ですが、そういったものを抜きに進めています。総務省は、NTTからの接待を受け、一体となってやってきたということだと思います
 背景に菅首相の看板政策の携帯料金引き下げ″があったのは確実です。
 官僚にとって、NTTが歴代の総務相らと会食を重ねているというのは非常に大きな意味を持ちます。その事実はイコール大臣も認めている案件″と理解するからです。面会した時に具体的に話が出ていないとしても、事務次官であろうが審議官であろうが、暗黙の了解を得たという形で話を進めていきます。
 菅首相の肝いり政策を実現するために動いてきた大臣や高級官僚が接待を受け、企業に良いような政策を打ち出してきたのではないか。そこに問題はなかったのか検証が必要です。