2022年3月31日木曜日

インフレ 円安にデタラメばかりの岸田・黒田コンビ(日刊ゲンダイ)

 日刊ゲンダイが「インフレ、円安にデタラメばかり 岸田・黒田コンビは庶民を見殺しにするつもりなのか」とする記事を出しました。

 28日の円相場は1ドル=125円台まで急落しまし。円安になれば輸入品の価格が上がるので、食料品や燃料をはじめとして多くを輸入に依存している日本では物価が軒並み上がります。そうなれば給料が実質減少し年金も減額されるなか悪性インフレ(スタグフレーション)に苦しめられることになります。
 そもそも「円安誘導」はアベノミクスの基本政策で、それによって大企業が輸出をしやすくするとともに、年金積立金を使った「株高誘導」で富裕層と大企業を大儲けさせたのでした。政府は当面、原油元売り会社へ補助金を出すのを4月まで延長し、穀物価格の上昇分も同様に補助金などで企業に補填することを考えているようですが、それらは弥縫策に過ぎず、べノミクスが目指してきた円安を改善しないことには解決しません。
 また米国はインフレ抑制のために利上げに動いていますが、異次元緩和で国債を大量に買い入れてきた日銀は利上げすることはできません。利上げをすれば日銀が利払いで債務超過に陥り破綻するからです。
 要するに当初から指摘されていたとおり、アベノミクスは最終的に二進も三進もいかなくなるという事態に立ち至ったのです。
   * (14.11.30)「異次元」から「正次元」に帰れるのか
      (14.12.01) アベノミクスは富裕層と大企業を大儲けさせるだけ
          (14.12.07) 日銀が国債買取を止めれば日本経済はメタメタに
 アベノミクスという大ミステーク自体は岸田内閣の責任ではありませんが、政権を担っているのですから早急に脱却するためのグランドデザインを示すべきです。
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インフレ、円安にデタラメばかり 
岸田・黒田コンビは庶民を見殺しにするつもりなのか
                       日刊ゲンダイ 2022年3月30日
                       (記事集約サイト「阿修羅」より転載)
 29日、トルコで行われたロシアとウクライナの停戦交渉に進展があったと伝えられ、マーケットにも安堵感が広がった。
 28日に1ドル=125円台まで急落した円安も一服。29日のニューヨーク外国為替市場で円相場は1ドル=122円台後半に上昇した。もっとも、これは一時的な現象にすぎず、今後も一層の円安が進む可能性が高い。なにしろ、日本の金融政策当局が円安を促進しているのだ。
 金融緩和で低金利政策を続けている日銀は、10年物国債の利回り上限を「025%程度」に定めている。28日の債券市場で上限ギリギリの0245%まで利回りが上昇すると、すかさず「指し値オペ」を発動。指定した利回りで国債を無制限に買い入れるという通知だ。
 ところが、28日に2度の指し値オペを実施しても長期金利は下がらず、すると日銀は「連続指し値オペ」という奥の手を繰り出してきた。複数日にまたがって、指定した利回りで国債を無制限に買い入れる連続指し値オペは、昨年から実施可能になったが、実際に使われたのは初めてだ。28日に発表し、29日から31日までの3日間、実施されている。
 29日午前の金融機関からの応札は2426億円、午後は2860億円。これを日銀がすべて落札した。なんとしても金利上昇だけは避けたいという意思は感じられるが、その結果、円安が加速し、一時125円台まで急落したのだ。
 カネは基本、金利が高い方に向かう。緩和から引き締めに転じた米国の長期金利はいま25%前後まで上がっている。欧州の長期金利も上昇基調だ。そんな中、日本だけは必死で金利を据え置こうとしている。日銀が025%の利回りで国債を無制限に買うのは、絶対に金利は上げないという強いメッセージだ。投資家は安心して円を売り、ドルやユーロを買うことができる。ヘッジファンドは巨額の利益を上げたはずだ。

低金利を優先して円安に誘導
「ただでさえ、ウクライナ危機で国際的に原油価格や穀物価格が上がっているのに、円安が進めば調達コストが上昇し、二重三重に物価高の要因になってしまう。エネルギー資源や食糧の大半を輸入に頼っている日本は大打撃です。賃金が上がらない中、物価上昇は庶民生活を直撃する。それなのに、低金利政策を優先して円安に誘導するなんて、日銀のやっていることは支離滅裂です。低金利さえ守られれば国民生活がどうなってもいいのか。政策意図がまったく分かりません」(経済アナリスト・菊池英博氏)
 ここ3週間で対ドル円安は10円も進んだ。異常なペースだ。ユーロやポンドなど他の主要通貨に対しても、円は独歩安の様相になっている。
 ウクライナに侵攻して経済制裁を受けているロシアでは、砂糖が約13%、テレビが125%など物価上昇が国民生活を圧迫しているというが、日本は4月から輸入小麦の価格が平均173%、家庭用蛍光灯は約30%も引き上げられる。侵略国への制裁よりも、この円安は苛酷なのだ。
 さすがに、グズな岸田首相も対策に動き出した。29日の閣僚懇談会で物価上昇に対応する総合緊急対策の策定を指示。首相の下に関係閣僚会議を設置して具体策の検討を進め、4月末をメドに対策を取りまとめるという。
 だが、岸田政権が物価高対策に乗り出したのと同じタイミングで、裏では日銀が連続指し値オペをやっているわけで、方向性がバラバラだ。これでは対策の実効性に疑問符がつく。

失敗を糊塗するため国民生活を犠牲にしている
「だいたい、4月末に物価高対策をまとめるなんて遅すぎます。今は緊急事態なのだから、財務省の権限でドル売り円買いの為替介入をする手もある。なぜ、何もしないのか。自国民の生活が危機に瀕しているのに、ウクライナ問題で点数稼ぎすることばかり考えている場合ではないでしょう。円安政策に邁進する日銀の黒田総裁もおかしいですが、岸田首相も無能すぎる。これまでも有効な経済対策を何ひとつ打っていないし、経済無策にも程があります」(菊池英博氏=前出)
 そういえば、岸田の看板政策である「新しい資本主義」も、春までにグランドデザインを示すとか言っていたのに、一向にデザインが上がってこない。岸田・黒田コンビに任せていたら、日本経済はどうなってしまうのか
 日銀の黒田総裁は18日、金融政策決定会合後の会見で、円安が「全体として日本経済にプラスという基本的構図に変わりはない」との立場を表明。しかし、黒田が言う「全体」とは大企業のことだ。
 自動車などの輸出企業は、円安になれば海外でモノが売れやすくなるし、為替差益でも潤う。それで株価が上がれば好景気を演出できるというのが、アベノミクスの基本路線でもあった。
賃金が上がって内需を高めるような努力をしないで、一部の大企業が外需で儲けることを優先してきた円安政策がアベノミクスです。異次元緩和でジャブジャブにし、株価を吊り上げて政権維持に利用してきた。そういうアベノミクスが根本にあり、そこにウクライナ危機が起きて、円安の悪影響が大きくなっています。それでも日銀は意固地になって円安政策を続けている。失策を認めたくないのでしょうが、くだらないメンツのために国民生活を犠牲にするのは勘弁してもらいたい。賃金が増えないから、連動して4月からの年金支給額も減るというのに、物価だけが上がる金融政策は国民にとって大迷惑です。政府と日銀は庶民を見殺しにするつもりなのでしょうか」(経済評論家・斎藤満氏)

金利を上げれば財政破綻の恐怖
 物価高は日本だけの話ではない。とはいえ、米国や他の先進国では賃金も上がっている。日本は消費者総合物価指数は上昇を続けているが、賃金指標はコロナの影響もあってマイナスになっている。収入が増えないのに物価だけが上がるスタグフレーションだ。
 年金受給者への5000円給付案は、世論の批判を受けて白紙撤回らしいが、政府は原油高対策の元売り会社への補助金を4月末まで継続するという。穀物価格の上昇分も、補助金などで企業に補填する案が出ている。いつまで、そんな弥縫策で国民を欺くつもりなのか。
 足元の物価高で国民は年間4万~5万円の負担増になるという試算もある。低所得層にとっては、消費税3%アップくらいの影響があるのだ。それでも消費税減税を断行する気もなく、小手先の対策に終始する自民党政権は国民を愚弄している。
 米国はインフレ抑制のために利上げに動いた。それを日銀の低金利政策がアシストしているのが現状だ。異次元緩和で国債を大量に買い入れてきた日銀には利上げができない金融を引き締めた途端に国の財政が破綻するからだ。日銀も債務超過に陥り、円は紙クズになってしまう。ハイパーインフレが現実味を帯びてくる。
 利上げしても、低金利を死守しても円安加速のインフレ地獄。やはり、アベノミクスの異次元緩和をダラダラ続けたことは間違いだった。「今さら引き返せない」と軌道修正を拒んで取り返しのつかない地点に行ってしまうのは、旧陸軍の失敗みたいだ。それを糊塗するために、長期金利0.25%を死守しようと円安容認に突き進む中央銀行。そこには展望も戦略もない。国民生活と財政のどちらが先に破綻するか、無責任な運任せに見える。
 ロシアとウクライナの戦争が長期化すれば、日本経済もきわどい局面を迎えることになる。岸田と黒田の無能コンビのせいで、奈落の底に向かいつつあるのかもしれない。

維新の頭の中はIRだけ、税金800億円投入も決定

 大阪市議会は29日、夢洲にカジノを中核とする統合型リゾート(IR)を誘致するための「区域整備計画」関連案件を、維新・公明などの賛成多数で可決しました。

 共産党の山中智子議員は反対討論で、カジノで年間4200億円もの売り上げが見込まれる点について、「カジノの利益が上がれば上がるほど、ターゲットである大阪周辺の一般市民の不幸が積み重ねられる構図になる」と訴えました。
 そして夢洲の土壌対策に788億円もの公費支出を負担する点については、「基本協定書には事業者の解除権等が乱用されていて、1から10まで事業者に有利なもの」になっていると指摘しました。
 この市側の負担は、松井市長が「誘致を決めた以上、IRが成り立つ土地を提供するのが市の責務だ」として決定したのですが、土壌対策がこの額で収まるという保証はありません。
 しんぶん赤旗が報じました。

 ところで市側が地盤改良の費用を負担するのは異例中の異例であり、3月27日付の毎日新聞によると、〈東京都は、台場などの臨海副都心の土地を利用する建築主が液状化対策を行うようガイドラインで示している〉〈愛知県と名古屋市でつくる名古屋港管理組合、神戸市、福岡市も確認できる限り、行政側が負担したケースはない。建築基準法などに基づき、液状化対策は建築主が実施するのが前提と考えているためだ〉と指摘しています。
 そもそもこの土壌改良を大阪府・市に要求したのは、米MGMリゾーツ・インターナショナルと(竹中平蔵氏が絡んでいる)オリックスの共同グループだということで、LITERAは吉村知事と松井市長はカジノでも竹中氏に甘い汁を吸わせようというのだろうかと述べています。
 同誌は、コロナの第7波が始まったとみられるこの時期に、第6波でも国内で最高の死者を出した大阪府のリーダー二人が、打ち揃ってドバイの万博を視察に行っている場合かとも指摘しています。
 併せてLITERAの記事を紹介します。
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カジノ誘致計画可決 大阪市議会 山中氏が反対討論
                       しんぶん赤旗 2022年3月30日
 大阪市議会本会議が29日開かれ、夢洲(ゆめしま)にカジノを中核とする統合型リゾート(IR)を誘致するための「区域整備計画」関連案件が、維新・公明などの賛成多数で可決しました。日本共産党の山中智子議員は反対討論に立ちました。
 山中議員は、カジノのターゲットの大半がごく普通の一般市民で、カジノで年間4200億円もの膨大な売り上げが見込まれる点に言及し「カジノの利益が上がれば上がるほど、大阪周辺の一般市民の不幸が積み重ねられる構図になる」と批判。「将来、ギャンブル依存症に苦しむ市民をつくり出すようなことを決してするべきではない」と訴えました。
 事業者の解除権等が乱用される基本協定書について、「1から10まで事業者に有利なもの」だと指摘。夢洲の土壌対策に788億円もの公費支出を負担する点については「事業者の言いなりに、大阪市の負担がいったいどこまで膨らむのか、市の財政がどこまで食い物になるのか空恐ろしい」と批判しました。

 住民説明会や公聴会の開催が回数・内容ともに不十分であるうえ、コロナ感染拡大を理由に多くを中止した点は、「地域における十分な合意形成」などまったく意に介さない態度だと指摘。「カジノ誘致は、住民福祉の向上という地方自治体の責務に真っ向から反する」ものだと強調しました。


吉村知事と松井市長がドバイ万博視察強行で非難殺到! コロナ第7波を放置、維新の頭の中はIRだけ、税金800億円投入も決定
                             LITERA 2022.03.30
 新型コロナ第6波が収束することもないまま第7波への警戒感が高まりつつあるなか、死者数ワースト1である大阪の首長の行動に批判が集まっている。なんと、吉村洋文・大阪府知事と松井一郎・大阪市長がドバイ万博の視察のため、外遊に出かけてしまったからだ。
 言っておくが、大阪ではいまだ医療逼迫状態にあり、第6波で入院もできずに高齢者・障害者施設で亡くなった人は57人にものぼっている(3月23日時点)。府内のある高齢者施設は保健所から「基本的に入院できない」と言われ、看取りに備えて遺体を入れるための納体袋を用意。「救える命が救えない状況だった」と述べている(読売新聞29日付)。
 第6波で過去最悪の死者数を出したことへの吉村・松井両氏の責任はあまりに重いと言わざるを得ないが、「すでに第7波の入り口か」と言われるいま、今度こそ失敗を繰り返さないための対策の強化が必要だ。だが、ふたりにそうした緊張感はまるでなし。吉村知事は、大阪万博への参加を迷っている国への「最後の一押しをしたい」などと言い残し、ドバイに飛び立ってしまったのだ。
 コロナ対策で何度も失敗を重ねながら、反省もなく2025年の大阪万博に前のめりになる──。いや、吉村・松井両氏が大阪万博以上に前のめりになっているのは、万博会場となる夢洲への誘致を目指している「大阪カジノ」だ
 だが、この大阪カジノをめぐっても、吉村知事と松井市長は大嘘ばかりで、市民を欺きつづけている。その最大の嘘が、カジノ建設のために公金が投入される問題だ。
 2016年におこなわれた説明会では、当時、大阪府知事だった松井氏は「特定の政党が間違った情報を流布してますけど、これだけははっきり言っときます。IR、カジノに税金は一切使いません。民間事業者が大阪に投資してくれるんです」と断言。吉村知事も昨年7月、「IRは民設民営事業ですから、1兆円規模の投資とは民間が出すおカネ。何か公でおカネを出すものではありません」と述べていた。
 ところが、昨年12月になって、大阪府と大阪市はカジノ建設予定地の夢洲の土壌汚染対策に790億円かかるとし、その全額を大阪市が負担すると発表。ようするに、約800億円もの巨額をカジノのために市が負担して公金をつぎ込もうというのである。

税金800億円投入は松井市長の強い意向、“コネクティング不倫”の和泉洋人元首相補佐官を雇いカジノ利権化の尖兵に
 しかも、土壌汚染対策の費用を市が負担することの背景には、“松井市長の強い意向”があった。昨年、毎日新聞が情報公開請求で入手した内部資料によると、昨年3月に事業者側は「液状化リスクのある土地ではIRのような大規模開発は極めて困難」と伝達し、対策を実施することを要求。この時点では府市のIR推進局も「費用負担は判断が難しい論点だ」などと回答していたのだが、その後も事業者側は「(IR実現に必須となる)実施協定締結の前提条件だ」「地盤改良が未定の状態で開発を進めることは困難だ」と要求。そして、松井市長が「誘致を決めた以上、IRが成り立つ土地を提供するのが市の責務だ」と言い、市が負担することが決定したというのだ。
 税金はカジノに一切使わないと言い切ってきたのに、嘘をついて府民・市民を欺いただけではなく、唯々諾々と事業者側の要求に従う──。言っておくが、行政が地盤改良の費用を負担するのは異例中の異例のこと。実際、3月27日付の毎日新聞によると、〈東京都は、台場などの臨海副都心の土地を利用する建築主が液状化対策を行うようガイドラインで示している〉〈愛知県と名古屋市でつくる名古屋港管理組合、神戸市、福岡市も確認できる限り、行政側が負担したケースはない。建築基準法などに基づき、液状化対策は建築主が実施するのが前提と考えているためだ〉と指摘している。
 しかも、つぎ込まれる公金は800億円からさらに増える可能性も高い。桜田照雄・阪南大学教授は「夢洲には、建設残土や浚渫土砂の廃棄を規制する法律がなかった時期に、大量の土砂が埋められており、そもそも商業施設が建設されることを想定していません。この程度の額で対策がすむとは思えません」(「週刊文春」3月24日号/文藝春秋)と述べている。
 その上、もっと恐ろしいのは、吉村知事と松井市長はこの大阪カジノを“利権の温床”にしようとしていることだ。
 実際、松井市長は今年1月、和泉洋人氏を大阪府・市の特別顧問に就任させた。和泉氏といえば、安倍・菅政権で首相補佐官を務め、厚労省の大坪寛子・大臣官房審議官と公費を使った不倫出張疑惑が浮上、“コネクティングルーム不倫”として大きな批判を浴びた人物。さらに、「週刊現代」(講談社)4月2・9日号に掲載されているノンフィクション作家・森功氏の記事によると、松井市長が和泉氏を特別顧問に選任するよう指示した同時期に、和泉氏は10社以上の大手住宅メーカーや建設、不動産関連の有名企業に月100万円のアドバイザリー契約を持ちかけていたという。
 松井市長は「(和泉氏には)夢洲の街づくりに能力を発揮してほしい」などと語っているが、国土交通省出身で横浜カジノ参入でも菅義偉・前首相の右腕として暗躍し、さらには関連企業の代理人になろうとしている和泉氏が入り込んだことで、これまで以上に建設業者などの要求ばかりが呑まれ、公金をさらにじゃぶじゃぶと使いまくることになるのは目に見えているだろう。

吉村「政治家に近い人にだけ利益がいく政治はやめましょう」、それは維新のことだ!
 いや、そもそも大阪府・市がカジノ事業者に選定し、約800億円もの公金を投入する土壌改良を要求したのは、米MGMリゾーツ・インターナショナルとオリックスの共同グループ。オリックスといえばあの竹中平蔵が社外取締役を務めている企業であり、パソナが大阪の行政を食い物にしているのと同様、吉村知事と松井市長はカジノでも竹中氏に甘い汁を吸わせようというのだろうか
 「身を切る改革」と言いながら、維新政治によって府民・市民の税金がカジノの食い物にされる一方の大阪──。だが、信じられないのは、吉村知事が26日、西宮市長選の街頭演説でこんなことを主張したことだ。
 「政治家に近い人にだけ利益がいくような昭和型の政治はやめましょう」
 本サイトでは既報で、コロナ対応でも松井市長をはじめ維新議員の支援企業が優遇されている実態を伝えたが(https://lite-ra.com/2022/03/post-6174.html)、吉村知事はこうしていけしゃあしゃあと大嘘をつき、党勢拡大を図ろうとしたのである。
 幸い西宮市長選では維新候補者が落選となったが、大阪カジノにかんしてもNOを叩きつける方法はある。いま大阪では、カジノに反対する市民団体がIRの賛否を問う住民投票の実施を求める署名運動を実施しているが、市民が声を上げ続けることで、維新政治にストップをかけていかなければならないだろう。 (編集部)

31- ウクライナ戦争の遠因はインターマリウムや米英の長期戦略(櫻井ジャーナル)

 櫻井ジャーナルが、「クーデターで始まったウクライナ戦争の遠因はインターマリウムや米英の長期戦略」であるとする記事を出しました。

 「歴史を振り返れば、ウクライナを舞台にした戦争が2月24日に始まったとする考え方には大きな問題があると言わざるをえない。少なくとも2014年2月のクーデターから戦争は続いているのである」と述べています。
 マスコミに載らない海外記事の「再びナチズムを偉大にする」を併せて紹介します。
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クーデターで始まったウクライナ戦争の遠因はインターマリウムや米英の長期戦略
                          櫻井ジャーナル 2022.03.31
 ロシア軍は2月24日にウクライナを攻撃し始めるが、その直前、ウクライナの軍、あるいは親衛隊はドンバス(ドネツクとルガンスク)に対する攻撃を強めていた。OSCE(欧州安全保障協力機構)によると、2月17日にはウクライナ側からドンバスへの攻撃が激しくなり、18日、19日とエスカレートしている
 その前からウクライナ側は停戦合意を守らず、ドンバス周辺には親衛隊のほかアメリカやイギリスの特殊部隊やアメリカの傭兵も集結、攻撃態勢が整いつつあると言われていた。そうした中、アメリカ政府はロシア軍が偽旗作戦を目論んでいる、暗殺リストを配っているなどと宣伝している。
 ロシア軍と戦っているウクライナ側の主力は親衛隊のようだが、この戦闘集団は内務省の指揮下にあり、隊員はネオ・ナチが中心。ネオ・ナチは自分たちを「民族主義者」、あるいは「愛国者」と呼んでいるが、どのようなタグをつけようと、ネオ・ナチであることに変わりはない。
 アメリカの白人至上主義者に関する裁判でFBIの特別捜査官が2018年10月に提出した宣誓供述書でも、アゾフ大隊はネオ・ナチ思想と結びつき、ナチのシンボル主義を使っていると認めている。アメリカの白人至上主義者だけでなく、世界各国にネオ・ナチのネットワークは張り巡らされているのだ。

 バンデラは1920年代からOUN(ウクライナ民族主義者機構)の幹部だった人物だが、この組織は41年3月に分裂、反ロシア感情の強いメンバーがバンデラの下に集まった。これがOUN-Bだ。
 このOUN・Bをイギリスの情報機関MI6のフィンランド支局長だったハリー・カーが雇う一方、ドイツが資金を提供し、バンデラの側近だったミコラ・レベジはクラクフにあったゲシュタポ(国家秘密警察)の訓練学校へ入っている。
 ナチスやOUN・Bの背後には「インターマリウム」という計画が存在していた。バルト海とエーゲ海に挟まれた中央ヨーロッパにカトリックの帝国を作ろうというもので、その発想の源はポーランド・リトアニア連邦の1600年頃の領土にある。
(中 略)
 ローズが『信仰告白』を書く13年前、トーマス・ハクスリーを中心として「Xクラブ」が作られている。その中には支配階級の優越性を主張する社会ダーウィン主義を提唱したハーバート・スペンサー、チャールズ・ダーウィンの親友だったジョセフ・フッカー、このダーウィンのいとこであるジョン・ラボックも含まれていた。彼らの思想の根底には優生学や人口論があり、ローズやマッキンダーにつながる
 1981年1月にアメリカ大統領となったロナルド・レーガンは82年6月にローマ教皇庁の都市間でヨハネ・パウロ2世とふたりで会い、ポーランドや東ヨーロッパについて話し合い、ソ連の解体を早める秘密キャンペーンを実行することで合意した。その目的を「神聖ローマ帝国」の復興と表現する人もいた。(Carl Bernstein, “The Holy Alliance,” TIME, Feb. 24, 1992)
(中 略)
 ウクライナのネオ・ナチを率いているひとりに​オレナ・セメンヤカ​なる人物がいる。ウクライナ民族主義の「ファースト・レディ」とも呼ばれている。この人物もインターマリウムの信奉者であり、白人(北欧人)至上主義者だ。
 このように考えているのは特殊な人だけだと言うことはできない。今回、ウクライナからポーランドへ脱出した人について、西側メディアは「目が青く、ブロンドのキリスト教徒」、要するに北欧系の難民は助けなければならないと叫んでいた。その一方でインド人やアフリカ系の人びとは脱出を妨害されたり、棍棒で殴打された人もいる。アジア人も差別の対象だ。
 西側メディアが言うところの「医療天使」に所属する弁護士、ジャナディ・ドラザンコはウクライナのメディアに対し、部下の医師たちに対し、ロシア人捕虜は全員去勢するよう命じたと語った。ロシア人は人間でなくゴキブリだからだという。のちにドラザンコは発言を取り消すが、ロシア人捕虜に対する去勢命令は本気だろう。ここにきてウクライナ軍がロシア人捕虜を拷問、足などを撃ち、射殺している光景を撮影した映像がインターネット上で公開されている。ウクライナのネオ・ナチはロシア人を劣等人種だと考えている

 マリウポリなどから脱出した市民が「アゾフ大隊(アゾフ特殊作戦分遣隊)」の実態を告発しているが、そうした市民によると、アゾフ大隊によって建物は破壊され、人びとは拷問され、殺された人も少なくないようだ。若い女性はレイプされているという。
(中 略)
 歴史を振り返れば、ウクライナを舞台にした戦争が2月24日に始まったとする考え方には大きな問題があると言わざるをえない。少なくとも2014年2月のクーデターから戦争は続いているのであり、中期的には1999年3月のNATO軍によるユーゴスラビアへの先制攻撃から続いている。そして、その背景には19世紀から続くアングロ・サクソン支配層の世界制覇プランがあるのだ。


再びナチズムを偉大にする
                マスコミに載らない海外記事 2022年3月29日
                    ペペ・エスコバール 2022年3月24日
                     著者の許可を得て公表、広くクロス投稿
 最高の目標はロシアにおける政権転覆で、ウクライナは、単なるゲームの駒、あるいはもっと酷く、ほんの砲弾の餌食だ。
 全ての目がマリウーポリに注がれている。水曜日夜の時点で、住宅地域の70%以上がドネツクとロシア軍の支配下にあり、他方ロシア海兵隊員、ドネツクの第107大隊とカリスマ的なアダム・デリムハノフ率いるチェチェン特殊部隊がネオ・ナチ・アゾフ大隊の司令部であるアゾフ製鉄工場に入った。
 アゾフに最後通牒が送られた。真夜中までに降伏せよ。さもなくば捕虜にはしない地獄へのハイウエイ。
 それはウクライナの戦場での主要な形勢を一変させる出来事を意味する。マリウーポリは最終的に徹底的に非ナチ化されようとしている。アゾフ分遣隊は、長い間、この都市に立てこもり、一般人を使った人間の盾が、彼らの最も強力な戦闘部隊だったから。
 一方、ウソの帝国からの反響は、あらゆる馬脚を現している。ウクライナでの和解策を促進する意図はワシントンには皆無で、それがコメディアン、ゼレンスキーの休みなしの引き延ばし戦術を説明している。最高の目標はロシアにおける政権転覆であり、それゆえロシアと、あらゆるロシアのものに対する国家総力戦のために、全てが正当化される。ウクライナは、ゲームの駒に過ぎない-あるいはもっと酷く、単なる砲弾の餌食だ。
 これは、過去8年間のドンバスにおける14,000人の死が、直接例外主義者の責任であることも意味する。あらゆる種類のウクライナ・ネオ・ナチは、アルカイダあるいはダーイシュ、いずれとつながっていようともシリアの「穏健反政府派」と同様、使い捨てだ。最終的に生き残る連中は、1980年代のアフガニスタン聖戦株式会社の安っぽいリミックス(⇒再統合版)である新進のCIAが資金援助するネオ・ナチに常に加わることができる。彼らは適当に「調整される」だろう。

簡単なネオ・ナチ要約
 今や大勢いるのだが、NATOスタンの脳死状態連中だけが、2014年のマイダンに気付いていない。ディナモ・キエフを応援したSect 82サッカー・フーリガンから、12,000人の準軍事的組織の実現を承認したのは、当時ウクライナのアルセン・アバコフ内務大臣、元ハルキウ知事だったことは、わずかな人々しか知らない。それは、2014年5月、ウクライナのネオナチ・ギャング「ウクライナの愛国者」前代表、別名White Fuhrerとしても知られるアンドリー・ビレツキー率いるアゾフ大隊の誕生だった。
 NATO残置工作員のドミトリー・ヤロシと共に、ビレツキーはウクライナ・マフィアのゴッド・ファーザーでユダヤ人億万長者のイホル・コロモイスキー(二流コメディアンから二流大統領への後のゼレンスキーのメタ変換後援者)から資金を得て右派セクターを設立した
 右派セクターはたまたま過激な反EUで(ウルスラ・フォン・デア・ライエンに言ってやろう)、政治的に、中欧とバルト諸国を、新たな安っぽいミジモリャ(Intermarium)で結びつけることに取りつかれている。極めて重要なのは、右派セクターや他のナチ・ギャングはNATO教官に正式に訓練されていることだ。
 ビレツキーとヤロシュは、もちろん悪名高い第二次大戦時代のナチ協力者、彼にとって、純粋なウクライナ人は、ゲルマンの祖先かスカンジナビア人で、スラブ人は劣等人種であるシュチェパーン・バンデラの弟子だ。
 アゾフはウクライナのほとんど全てのネオ・ナチ集団を吸収し、ドンバスと戦うため派兵された。彼らの追随者連中は正規兵より多く金を稼いでいる。ビレツキーともう一人のネオ・ナチ代表オレフ・ペトレンコはウクライナ最高議会議員に選ばれた。White Fuhrerは自立していた。ペトレンコは、当時のポロシェンコ大統領を支援すると決めた。まもなくアゾフ大隊はウクライナ国家警備隊にアゾフ連隊として合併された。
 彼らは外国人傭兵採用の動きを続け、西ヨーロッパ、スカンジナビアや南米からさえ人々は来ている。
 それはフランスとドイツに保証された(今は事実上、機能していない)ミンスク合意によって厳しく禁じられている。アゾフは10代の青年のために訓練所を設置し、間もなくメンバーは10,000人に至った。2020年、エリック「ブラックウォーター」プリンスは改名した彼の団体、Academiがアゾフを監督できるよう、ウクライナ軍と取り引きをまとめた。
 ちなみに彼ら二人ともウクライナのユダヤ人だが、ゼレンスキーに公然ナチのヤロシュを、ウクライナ軍最高司令官ヴァレリー・ザルジニーの補佐官に任命するよう示唆したのは他ならぬ邪悪なマイダンクッキー配給屋ビッキー「EUくそ食らえ」ヌーランドだった。狙い:ドンバスとクリミアへの電撃攻撃の組織、ロシアの外国諜報機関SVRが、2月22日に開始されるはずだと結論した、この電撃攻撃は、かくして作戦Zの開始を推進したのだ。
 実際簡単なまとめで、上記連中全員ウクライナ白人ネオ・ナチと茶色肌のアルカイダ/ISIS/ダーイシュとの間には、ネオ・ナチは「キリスト教徒」で、タクフィル・サラフィー主義ジハード戦士は「イスラム教徒」ではあるものの全く違いがないことを示している。
 プーチンがキエフで政権を掌握している「ネオ・ナチ集団」を非難した際、コメディアンは、自分はユダヤ人だから、それは不可能だと答えた。ばかげたことだ。ゼレンスキーと彼の後援者コロモイスキーは、実際、シオニスト-ナチなのだ。
 アメリカ政府の諸部門が、キエフ機構にネオ・ナチが根付いていることを認めたが、例外主義機構は、8年間毎日ドンバスに砲撃することを、ひたすら無視した。これら何千人もの民間人被害者は決して存在しないのだ。
 アメリカ主流メディアは、アゾフとアイダル・ネオ・ナチについて、あえて半端な記事や報道さえした。だが、その後、新オーウェル言説が確定したのだ。ウクライナにはナチはいない。CIAの分派NEDは、アイダル・メンバー訓練に関する記録さえ削除し始めた。最近、ゴミのようなニュース・ネットワークが、NATOが訓練し、兵器化した、ナチの図像を身につけたアゾフ指揮官の動画を宣伝した。

何故「非ナチ化」に意味があるのか
 バンデラスタン・イデオロギーは、ウクライナのこの地域が、実際オーストリア・ハンガリー帝国、ロシア帝国とポーランドに支配されていた時代に遡る。シュチェパーン・バンデラは1909年にオーストリア-ハンガリー帝国の当時自立していたガリシア王国のイバノフランコフスク近くで生まれた。
 第一次世界大戦は、ヨーロッパ諸帝国の手足をばらばらにし、しばしば存続不能な小さな組織にした。帝国の交差点である西ウクライナでは、それは必然的に極端に不寛容なイデオロギーの拡散を招いた
 バンデラスタン・イデオロギー論者は、独立領を宣言するため、1941年ナチの到来で、恩恵を得た。だがベルリンはそれを阻止したのみならず、彼らを強制収容所に送った。1944年に、ナチは戦術を変えた。彼らはバンデラ主義者を解放し、彼らを反ロシア憎悪へと操り、ウクライナ・ソビエト社会主義共和国連邦で不安定化を引き起こした
 だからナチズムはバンデラスタン狂信者と全く同一ではない。それらは実際競い合うイデオロギーだ。マイダン以来起きたのは、利用できるどんな周辺的集団であれ、ロシア憎悪を刺激することにCIAが大変な集中力で焦点をあて続けていることだ。控え目な言い方をすれば、ウクライナは「白人国家主義」の例ではないが、反ロシア・ウクライナ愛国心は、実際上、ナチ式敬礼とナチ式シンボルによって示されている。
 だから、プーチンとロシア指導部が、ウクライナのナチズムに言及する際、それは概念的には100%正しくはないかもしれないが、それは全てのロシア人の琴線に触れるのだ。
 ほとんど全てのロシア人家族が、少なくとも先祖の一人が大祖国戦争の間に死亡したことからして、ロシア人は本能的にナチズムを拒絶する。戦時心理学の見地からして「ウクライナ-ナチズム」あるいは、単刀直入に「非ナチ化」キャンペーンを語ることは実に辻褄があうのだ。

イギリスとアメリカは、いかにナチを愛したか
 ウクライナで公然とネオ・ナチ応援団を務めるアメリカ政府は勢力均衡の理由で、1933年イギリスと並んでヒットラーを支持した手口を考えると決して新しいものではない。
 1933年、ルーズベルトはヒットラーに金兌換の10億ドルを貸し、イギリスは20億ドル貸した。今日の不換ドルに換算するには、200倍する必要がある。イギリスとアメリカは、ロシアに対する防波堤としてドイツを築き上げたいと望んでいた。1941年、ルーズベルトはヒトラーに、もし彼がロシアを侵略したら、アメリカはロシアを支持する、スターリンに、もしスターリンがドイツを侵略したら、アメリカはドイツを支持すると書いた。マッキンダー風の勢力均衡の図解のような話だ。
(中 略)
 ヒトラーは『我が闘争』におけるイギリスに対する彼の好意的な言葉のおかげで、1920年代以来、MI6(⇒英国秘密情報部)に財政的に支援されていた。MI6は、事実上ヒトラーにロシアを侵略するよう奨励したのだ。
 2022年に早送りすると、再び、喜劇として、イギリスとアメリカが、弱々しいショルツ下のドイツに、(ドイツが持っていない)1000億ユーロで軍事的に自身を元通り修復するよう「奨励し」、理論的に、後に対ロシア戦争をするよう改良ヨーロッパ戦力を作りつつあるのだ。
 ロシア-中国戦略的提携に関する英米メディアによるロシア嫌悪ヒステリー開始だ。
(中 略)
 だから、ウクライナは、哀れなネオ・ナチギャングと共に、ワシントンの視点からして、受け入れ難いどころでないもの、まったく平和なドイツ・ロシア・中国の新シルク・ロードを阻止する窮余の衝動における使い捨ての駒に過ぎない。
 欧米人のDNAに大量にすり込まれているロシア嫌悪は決して本当には消え去らない。エカチェリーナ2世以来、更にグレート・ゲームで、イギリス人が育んだ。ナポレオン以来、フランス人によって。赤軍はベルリンを解放したがゆえに、ドイツ人によって。スターリンが彼らにヨーロッパ勢力区分を強制したがゆえに、アメリカ人によって。そして、それは冷戦を通じて続いた。
 死に瀕した帝国が、歴史の流れを止めようと試みる最後のひとふんばりの初期段階に我々はいるのだ。彼らは出し抜かれつつあり、世界で既にトップの軍事大国に彼らは打ち負かされており、彼らはチェックメイトに追い込まれるだろう。実存的に、彼らは熊を殺す能力を備えていない。そしてそれは痛む。途方もなく。

記事原文のurl:https://thesaker.is/make-nazism-great-again/ 

2022年3月30日水曜日

物価急騰 年金減らすな 共産党 田村氏、消費税減税検討迫る

 共産党の智子副委員長は28日の参院決算委で、賃金指標消費税増税やコロナの影響でマイナスとなっているなかで、4月から公的年金が04%減額される問題を取り上げ、「物価が上がっても年金が減るという制度の欠陥を認めて、減らない年金制度へと変えるべきだ」と主張しました。そして広がる物価高への対策として「消費税の緊急減税を検討すべきだ」と迫りました岸田首相は「消費税については触れることを考えていない」と開き直りました。
 また大企業・富裕層に税金も社会保険料も応分の負担を求めて、年金・社会保障を立て直す。それこそが暮らしも日本経済も立て直す道だ」と主張しました。
 田村氏は、2004国立大学が独立行政法人化された結果「大学の財政基盤切り崩され、日本の研究力低下をもたらした」と追及。労働契約法に定められた無期雇用転換権の発生前に多くの研究者の「雇い止め」が懸念されている問題も指摘し、政策の抜本的転換を求めました。
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物価急騰 年金減らすな 田村氏、消費税減税検討迫る 参院決算委
                       しんぶん赤旗 2022年3月29日
 日本共産党の田村智子副委員長は28日の参院決算委員会で、物価高が暮らしを直撃するなか4月から公的年金が04%減額される問題を取り上げ、「物価が上がっても年金が減るという制度の欠陥を認めて、減らない年金制度へと変えるべきだ」と主張しました。論戦ハイライト 下掲
 ロシアのウクライナ侵略戦争によって、さらなる物価急騰が危惧されています。田村氏は、ウクライナ侵略に対する2度目の国連非難決議が採択されたことをあげ、戦争被爆国の日本は、ロシアに「核を使うな」と迫る国際世論を喚起する外交が求められていると主張。同時に、広がる物価高への対策として「消費税の緊急減税を検討すべきだ」と迫りましたが、岸田文雄首相は「消費税については触れることを考えていない」と開き直りました
 田村氏は、直近6カ月の消費者総合物価指数が前年同月比で軒並み増加し、賃金指標は消費税増税やコロナの影響でマイナスとなっていると指摘。「これほどの物価急騰のときに年金支給額を減らすのか」とただしました。岸田首相は「(現行年金制度の)仕組みは尊重しなければならない」と述べるだけで、まともに答えませんでした。
 田村氏は、年金支給額を減らしながら自公が年金生活者に5000円の臨時給付金を政府に要望したことも「あまりに筋が通らない」と批判。「大企業・富裕層に税金も社会保険料も応分の負担を求めて、年金・社会保障を立て直す。それこそが暮らしも日本経済も立て直す道だ」と主張しました。

国立大の運営費交付金減額 日本の研究力が低下
抜本的転換を 田村氏追及
 また田村氏は、国立大学が独立行政法人化された2004年度以降、国からの運営費交付金が毎年減らされ続けたことが「大学の財政基盤を切り崩し、日本の研究力低下をもたらした」と追及。労働契約法に定められた無期雇用転換権の発生前に多くの研究者の「雇い止め」が懸念されている問題も指摘し、「基礎的経費を国が削ってきたことに大きな責任がある」と述べ、政策の抜本的転換を求めました。


論戦ハイライト 参院決算委 田村副委員長の質問
                       しんぶん赤旗 2022年3月29日
 日本共産党の田村智子副委員長は28日の参院決算委員会で、物価高のなか4月から減額となる公的年金の制度的欠陥を指摘し、減らない年金制度へと変えるよう提案しました。また、大学の財政基盤を掘り崩したことが日本の研究力を危機的状況に追い込んだことを指摘。「任期付き」研究者が大量に「雇い止め」されようとしている問題も取り上げ、政府の姿勢を追及しました。

年金の減額
田村「減らない制度へ変えよ」
首相「この仕組みは政府として尊重」
 ロシアによるウクライナ侵略戦争でエネルギーや穀物価格など、さらなる物価急騰が懸念されています。
 田村氏は物価について、ウクライナ侵略の影響が出る前から食パンはプラス8・2%、食用油はプラス29・8%、電気代はプラス19・7%となり「価格転嫁できない」「これ以上食費をどうやって節約するのか」などの声が寄せられているとして、国民全体に届く暮らしの支援策をどのように検討しているかと追及。岸田文雄首相は「緊急対応策を4月末までに取りまとめたい」としか答えませんでした。
 田村氏は、今後の物価高によって年収300万円未満の世帯では消費税8%への引き上げ時と同程度の負担率になるというみずほリサーチ&テクノロジーズの推計を示し、消費税の緊急減税を検討すべきだと迫りました。
 さらに、物価高が暮らしを直撃している時に岸田政権は4月から公的年金を0・4%減額しようとしていると批判。直近6カ月の消費者総合物価指数は前年同月比で上がり続けているにもかかわらず、岸田首相は1月の本会議で「物価・賃金がマイナスとなったことを反映した」などと述べたとして、次のようにただしました。
 田村 物価のどこがマイナスなのか。
 首相 2021年の物価変動率がマイナス0・2%。計算に基づくものだ。
 田村 年金引き下げのもとになった21年の物価指標は、スマートフォン料金値下げの
    影響だ。
 田村氏は、物価高に加え、実質賃金は消費税増税で下がり、賃金指標はコロナの影響でさらにマイナスとなっており、生活実態と大きくかい離していると指摘。年金を減らしながら自民・公明党が政府に、年金生活者へ5000円を支給する臨時給付金を求めるのは筋が通らないと批判しました。
 田村 物価が上がっても年金が減るという制度の欠陥を認め、減らない年金制度へと変
    えることではないのか。
 首相 この仕組みは政府として尊重しなければならない。
 田村氏は、この20年間、年金は名目で3・3%も減り、政府のモデル世帯(夫婦2人で月22万円)で、年9万円も減額したと指摘。一方、年金から天引きされる医療・介護の保険料などは驚くほど負担増だとして、大企業・富裕層に税金も社会保険料も応分の負担を求め、年金・社会保障を立て直すことこそ暮らしも経済も立て直す道だと訴えました。

研究力後退
田村「研究者雇い止め放置か」
文科相「法人が適切に定めたものだ」
田村「文科省が指導監督しなくては」



 田村氏は、日本の研究力が20年近く低迷しているとして、大学への運営費交付金の削減を止めるよう求めました。
 田村氏は、研究力を図る指標の一つとされる論文数が日本は2000年代半ばから減少していると指摘。「運営費交付金が減らされ、04年度と比べて自由に使える研究予算、人件費などは1割以上減ったままだ。大学の財政基盤を掘り崩したことが日本の研究力の低下をもたらした」と強調しました。
 小林鷹之科学技術担当相は「外部資金獲得の経営基盤の強化や資金の効率的・効果的な活用を促す」などと答弁。田村氏は「ごく一握りのトップだけ強化しても全体の強化にはならない。一部の大学や研究を『選択』して予算を『集中』させる、安倍政権以降やってきた結果が今日の低迷だ」と批判しました。
 そのうえで田村氏は、国立大学に勤める40歳未満の研究者のうち7割近くが非正規だと告発しました。
 田村 運営費交付金の削減がそのまま人件費の削減にもつながっている。
 末松信介文部科学相 運営費交付金のみならず、競争的な研究費や民間から人件費をね
           ん出する取り組みの周知をはかりたい。
 田村氏は競争的な資金は期間限定だと指摘。「基盤的経費を削減したままでは若手研究者は育たない」との科学者の声を無視した科学技術政策では、研究力の低迷は克服できないと訴えました。
 さらに、いま国立大学や国立研究機関の任期付きの研究者が大量に雇い止めされようとしています。
 田村氏は、13年4月改定の労働契約法特例で研究者は通算10年を超えると本人の申し出で無期雇用に転換されるため、理化学研究所では10年を超える手前で多くの「任期付き」研究者を雇い止めしようとしていると指摘。「上限10年」とされた研究者296人の中には研究チーム(ラボ)を率いるリーダーが60人以上おり、チームリーダーが「雇い止め」になればラボそのものが消滅し、約600人が「雇い止め」の危険があると告発しました。
 田村氏は、理研で新型コロナウイルス関連の研究も行う神戸市の生命機能科学研究センター(BDR)では24のラボが解散、うち17は移転先も決まらないとして「これまでの研究、何年も積み重ねてきた研究設備もすべて廃棄となったらあまりにも大きな損失だ」と批判しました。
 田村  こんな乱暴な研究者の「雇い止め」、研究チームの廃止を放置するのか。
 文科相 労働関係法令に基づいて、法人において適切に定めたものと承知している。
 田村  文科省が指導監督しなくてどうするのか。
 田村氏は、国立大学でも理研と同じことが起こっているとして、国立大学で18年勤務してきたテクニカルスタッフが「いったん辞めて半年明けて、クーリングオフして戻ってきたら、また10年雇えるから戻ってくるように」と言われたことも告発。「人件費を抑える、雇用の流動化だという政策が研究にまでもちこまれた。この新自由主義政策こそが日本の成長する力を奪っている」と、政策の抜本的転換を求めました。