アベノミクスが失敗していることは経済指標が軒並み悪化していることで明らかということですが、まだ必ずしも国民周知の事実にはなっていません。
政府はいまさらアベノミクスが間違いだったことを認めるわけにいかないので、さらに2度目の黒田バズーカ砲を撃ちましたが、事態は更に底なしの深みに嵌りつつあります。
異次元といわれ、財政の健全化に逆行する施策である超金融緩和政策がいつまでも続けられるはずがありません。果たして「正常な次元」にスムーズに帰る方法はあるのでしょうか。
そんな方法はなく、阿鼻叫喚の地獄に落ちるのではというのが識者の意見です。
安倍首相は、株価が上がり(円安が極度に進み)株主や一部の大企業が大儲けをしたことに有頂天になって、「アベノミクスが選挙の争点だ」と堂々と述べましたが、なんとも救いようのない誤った現状認識です。
ブログ「よらしむべし知らしむべからず」の「異次元から帰れずに阿鼻叫喚~」と題する記事を紹介します。
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異次元から帰れず阿鼻叫喚 ~
利権を断ち切れる強い政権を作るほかないのだが
よらしむべし知らしむべからず 2014年11月27日
甘い汁を吸い続けてきた霞ヶ関&自民党が、利権を手放して、自分から放漫経営、借金経営に終止符を打つことは、まず考えられない。
なにやるにもカネがいるので、その為に国債を発行しつづけたいと思っていても、肝心の買ってくれる国内の銀行など金融機関も無尽蔵に買い続けることはできず、その前に制御不能なハイパー(=超)インフレが勃発してしまう。
で、国内で消化できないならヘッジファンドなど外国に大規模に買って貰うという手もあるが、同時に、爆殺させられる危険性が一挙に高まるという皮肉なことになる。
要するに出口を考えずに大規模な金融緩和を始めてしまった結果がこのざまであって、ハッピーエンドで異次元から帰ってこられる道は限りなく細い。
国債依存という麻薬中毒から抜け出せれば道は見えてくるが、利権に塗れ、利権の巣窟となっている霞ヶ関&自民党がこのニッポンを支配し続ける限り、それは考えられない。(悲劇的な)終末を避けるのは困難と思える。
元日銀 早稲田大学 岩村充教授
ただ手じまうシナリオを全く考えないでスタートしてしまったというのが、アベノミクスなり超金融緩和の特色で、出口なんか考えると効果がなくなると言い放っているわけ。
昔の旧陸軍とか旧海軍とかそういういくつかの作戦を想像させるわけです。
撤退なんか考えるから考えたらちゃんと戦わないではないかと言って、インパール作戦なんていうのを始めるわけですけども、結果として裏目が出たときの悲惨さはとんでもないものになった。
と出口戦略がないと指摘‐‐
同志社大学大学院 浜矩子教授
“出口自体 作れないかもしれない”
“異次元緩和です”と異次元に出て行っちゃったわけですけど、異次元にでていくと、異次元から帰ってくるのはものすごく難しいです。
異次元から帰ってくるということは、この大規模な量的緩和をやめるということですね。
そうなれば要は国債をいまのようには買い支えられないから、国債相場暴落で金利暴騰・・・ だからそう簡単に止めることができる話ではない。
仮に2%の物価目標が達成されてしまった場合、目標が達成されているのに別の理由でやめられないとなれば、国債買い支えの方が本当の理由だったんだな”と、“インフレ目標は単なる隠れみのだったんだな”ということが、その時点でわかってしまうわけです。
大規模な金融緩和 どんなリスクがあるのか‐‐
早稲田大学ファイナンシャル総合研究所顧問 野口悠紀夫氏
円安が進むということはどういうことかというと、日本人が資産を円で持っていては危ないということ。
これが進んでいきますと結局「日本売り」と言われていますが、資産が日本から逃避して外国に行ってしまうという問題が起きます。
(その結果)国内でインフレが起こることになります。
インフレが起これば(国債の)金利も上昇するわけです。
金利が上昇するということは国債の利払いが増えるということで、従って財政面で見ても非常に危険な状況に入っていくということになります。
同志社大学大学院 浜矩子教授
円安にすれば外国の投資家が割安になった日本株を買うので値上がりするのは当然。
それを狙った、すなわち増税の環境作りの為に円安を作っているだけのこと。
だから、あとがどうなろうと知ったこっちゃない。(という考え方)