2026年8月10日月曜日

10- 緊急連載(上)~(下)それでもバカ-高市早苗-とは戦え

 適菜収氏が日刊ゲンダイに題記の連載記事(3編)を載せました。
 全編に、呆れるばかりの高市氏の実像が簡潔に記述されています。敢えて要約すると(上)では、高市氏の特徴は「肥大した自己愛と承認欲求、底なしの虚言癖、知性の決定的な欠如」であり、こうした妖怪を生み出し増長させたのはわれわれの腐った社会なのだと述べます。
(中)では、アジアの買春ツアーに行く男が女を「モノ」として扱うのと同様に、高市氏は男を人間でなく「モノ」として扱うと見做して、政治家になってからも新進党から自民党へと渡り歩き、時の権力者に近づき「つまみ食い」を繰り返したと述べます。
(下)では、こういう異常極まりない人間が国家の中枢に潜り込んでしまったとして、「高市問題は国家の安全保障の問題である」と結びます
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緊急連載(上)それでもバカ-高市早苗-とは戦え 適菜収
安倍難去ってサナエ禍蔓延 なぜ日本人は妙ちくりんな女に騙されてしまったのか
                        日刊ゲンダイ 2026/08/04
                     (記事集約サイト「阿修羅」より転載)
 憲政史上初の女性首相誕生から9カ月あまり。嘘とデタラメを押し通す異常な人物がなぜ権力を握り続けるのか。新著「高市早苗という病」が話題の作家による緊急寄稿をお届けする。
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 衝撃的な一文がある。「私、自分は日本の軍事問題の権威だって、ウソ書いたの」(「CLASSY.」1992年4月号)
 高市の「元米連邦議会立法調査官」という経歴詐称に関しては、これまでも騒ぎになってきたが、これはそれ以前の話。虚偽の経歴をつくるための経歴が虚偽だったのだ。高市は履歴書に嘘を書いて、パトリシア・シュローダー下院議員の事務所に潜り込んだ。経歴詐称問題においてはここが出発点である。
 高市の人生は嘘により構築されている。それを前提に、詐欺師がインターンだったか、詐欺師がフェローだったかの議論に進まなければならない。
 本書「高市早苗という病」を執筆するにあたり、私は高市が登場する過去の著作や雑誌記事をまとめて読んだが、疑惑は確信に変わった。
 高市はメディアのあちらこちらで「調査官」を詐称、1992年の参議院選挙公報には「日本で初めての米国連邦議会立法調査官として活躍」とある。すでに報道されているように「日本で初めて」も「調査官」も完全な嘘である。
 高市は嘘に嘘を重ね、「高市早苗」という虚像を作りあげてきた。肥大した自己愛と承認欲求、底なしの虚言癖、知性の決定的な欠如……。
 不祥事が発覚しても、「私はやっていない」「全くの捏造だ」「心外だ」と繰り返し、事実を突きつければ「睡眠不足」を理由にすねてみせ、ついには答弁を拒絶して「陳述書」による逃亡を図る。その陳述書すら、約束通りに出さず、遅れに遅れて出した陳述書には、自分勝手な言い訳しか書いてなかった
 すべて他責、「私はかわいそうな被害者」のアピールだけは忘れない。
 高市がやってきたのは、特に小泉純一郎政権以降加速したプロパガンダによる世論操作の集大成である。そして現在自民党はバカをターゲットにして扇動することで悪法の数々を押し通している。
 では、なぜ日本人はこんな妙ちくりんな女にだまされてしまったのか?
 いや、だまされたのではない。だまされることを、望んだのである。
 その証拠に問題が次々と発覚しても、内閣は倒れていない。
 詐欺師が悪いのは当然だが、だまされ続ける側にも問題がある。高市のような妖怪を生み出し増長させたのはわれわれの腐った社会なのだ
 安倍難去ってまた一難。コロナ禍を挟んで蔓延したサナエ禍は、日本を下品のどん底に突き落とした。=敬称略 (つづく)


緊急連載(中)それでもバカ-高市早苗-とは戦え 適菜収
「騙された有権者」は「おめでたい」存在…他人は利益のための存在、崇めなければ排除
                         日刊ゲンダイ 2026/08/05
                      (記事集約サイト「阿修羅」より転載)
 高市早苗の根幹にあるのは人間という存在に対する徹底した侮蔑的な態度である。高市にとって他人は自分の利益のために存在するのであり、自分をあがめない人間は排除の対象でしかない。異性も単なる性欲のはけ口にすぎない。「CLASSY.」(1992年4月号)のインタビュー記事の写真キャプションにはこうある。
「好きな男性は、年上、年下関係なく、頭の良し悪し、性格も問わない。とにかく、顔(笑)。美少年、大好きです」
 自伝的エッセー「30歳のバースディ その朝、おんなの何かが変わる」では、「三〇歳を過ぎて、二五歳の若いピチピチした男の子をたぶらかすなんて、犯罪じゃないかという気がしていた」と述べている。
 こうした言動から見えてくるのは、男を人間でなく「モノ」として扱う態度であり、これは女を「モノ」として扱う、アジアに買春ツアーに行く昭和のオッサンのメンタリティーそのものだ。
 結婚観も同じ。
「カッコイイ人を連れて奈良に帰って、故郷に錦を飾りたい。三上博史を連れて帰ってみなさいよ、高校の同窓会とか肩で風切って歩ける(笑)」
 1992年の参院選に出馬したときには、選挙中に男に「目ェつけてた」(本人談=以下同。「週刊現代」1992年9月19日号)。落選することがわかると、高市は「待てよ。今晩、私は世界一悲しい女になれる日なんだわ」と思い、男に電話して同情を買い、支持者や新聞記者が捜し回る中、「ある場所」に行っていたという。「私はかわいそうな女」とアピールし、同情を利用する手口もこの頃からだった。
 高市は「コスモポリタン」(1991年2月号)で、「一人とつき合っていてもほかにおいしそうな男がいたらつまみ食いしてみたいとかね」と語っている。これは高市が政治家になってからの行動パターンそのものだ。新進党から自民党へ渡り歩き、時の権力者に近づき、「つまみ食い」を繰り返す
 先述の「30歳のバースディ」には、こんな話がある。高校時代、大学生の彼氏に、デパートで買ったマフラーを「手編み」だと偽ってプレゼントした。彼の母親は「機械編み」だと見抜いたが、それでも彼は毎日そのマフラーをして高市に会いに来てくれた。高市は「おめでたい男だった」と記している。騙される人間は「おめでたい」のである。自分が仕掛けた嘘を信じ、けなげに思いを示し続けた相手を嘲笑する。高市は公約を平気な顔で破るが、高市は「騙された有権者」をせせら笑っているのだろう。=敬称略 (つづく)


緊急連載(下)それでもバカ-高市早苗-とは戦え 適菜収
不都合な過去を消し「ブレない」を自称する人間は未来に責任を持たない
                         日刊ゲンダイ 2026/08/06
                      (記事集約サイト「阿修羅」より転載)
「私の過去を知ってるもんは全部死んでくれへんかなあ」(「マルコポーロ」1993年12月号)
 かたぎの人間の言葉とは思えない。
 俳優の辰巳琢郎が神戸大学時代の高市について「学生時代の話も、なかなか派手な人だったそうで」と話を振ると、高市は「選挙に出るようになると、私の過去を知ってるもんは全部死んでくれへんかなあと思うようになりますよ。しゃべるもんは全部死んでくれへんかなあ。ほんまに。(笑)」。
 冗談めかした口調だが、本音が漏れ出たのだろう。そこにはなんのためらいもない。自分の暗い過去を知る人間、そして自分にとって不都合な過去は消さなければならないという衝動は、その後も形を変えて繰り返されてきた。
 1995年、戦後50年の謝罪決議をめぐる国会審議で、高市は「私自身は当事者とは言えない世代ですから、反省なんかしておりません」と発言。都合の悪い事実は、すべて「なかったこと」にする。総理就任後は、歴史認識に関する歴代内閣の立場を全体として引き継ぐなどと言っているが、やっていることはもちろん正反対だ。
 2026年2月には、長年書き続けてきた公式サイトのコラム約1000本を、消費減税をめぐる過去の投稿との矛盾を指摘された直後に削除した。
 経歴、戦争責任、放送法の政治的公平性をめぐる総務省の内部文書、自分の発言。対象はさまざまだが、そこに貫かれているのは、歴史を無視し、記録を削除し、正式な文書を捏造と決めつける「異常さ」である
 自伝的エッセー「30歳のバースディ その朝、おんなの何かが変わる」によると、高市は20代のころ、自分にとって都合の悪いことが起こると、「だって、私、女の子だもん。わかんなーい」と言って逃げていたという。
 今でも手口は変わらない。統一教会(現・世界平和統一家庭連合)の教祖の文鮮明の名前を出されても「分からない」。高市の名前が32カ所登場する教団の内部文書「TM特別報告書」については「明らかに誤り」「出所不明の文書」と発言。これも高市のいつものその場しのぎのデマである
 高市は「ブレない」政治家を自称してきた。しかし、単に過去を振り返り、検証し、間違いを認めることができないだけだ。都合の悪い過去を消し去る人間が未来に責任を持つことはない。
 異常極まりない人間が、国家の中枢に潜り込んでしまった。
 高市問題は国家の安全保障の問題である。 (おわり)
 =敬称略

適菜収 作家
1975年生まれ。近著に「高市早苗という病」「クソジジイ!ショーペンハウエル」「安倍晋三の正体」など。著書60冊超。「適菜収のメールマガジン」は<https://foomii.com/00171>、オフィシャルサイトは<https://tekinaosamu.com/>。本紙連載を書籍化した「それでもバカとは戦え」シリーズも好評発売中。