シリーズ「イチからわかる憲法9条」の第4部 強まる改憲策動 は前報で終了し、第5部 日本と人類の未来 に移ります。日本と人類の未来 (1)~(2) を紹介します。
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イチからわかる憲法9条 第5部 日本と人類の未来(1)憲法は宝
「戦争を克服する」力に
しんぶん赤旗 2026年7月27日
20世紀に、戦争は国家と社会全体を巻き込んだ「総力戦」と化しました。戦車や毒ガスなどの兵器の出現や一般市民の軍事動員は、甚大な犠牲を世界にもたらしました。第1次世界大戦では約2000万人、第2次世界大戦では約6000万人が死亡したと推計されています。15年におよんだ日本の侵略戦争は、310万人以上の日本人死亡者、そしてアジア・太平洋各国に2000万人以上の死亡者を出しました。
2度の世界大戦は、軍事対軍事の「勢力均衡」では平和はつくれないという教訓をもたらしました。また、核兵器の出現と保有国拡大は、人類滅亡の危機を高めました。米国は60年代、ソ連・中国と核戦争が勃発した場合の死者を3億2000万人超と推定。戦争と人類は共存できないことが明白となりました。
パリ不戦条約(28年)や国連憲章(45年)など、戦争を違法化する取り組みは20世紀から続けられ、その努力の到達の上に、憲法9条の「戦争放棄」「戦力不保持」という崇高な理念があります。
21世紀に入ってもなお戦禍は絶えません。しかし、戦争を根絶し、絶対的な平和を獲得するための努力は世界中で続いています。現代を「戦争を克服する時代」にするための理想を体現しているのが平和憲法、憲法9条です。
9条の理想は、戦地に送られた兵士にも響いています。ベトナム戦争で大量虐殺に加担させられ、帰国後は心的外傷後ストレス障害(PTSD)に苦しんだ元米海兵隊員のアレン・ネルソンさん(故人)は、自身の従軍経験から「すべての戦争は悪」と訴え続けました。憲法9条と出会い、その「戦争放棄」の理念を「地球に住むすべての人間にとって大切なもの」と高く評価しました。
ネルソンさんは「皆さんはこれまで9条に守られてきた。今度は皆さんが9条を守るために立ち上がり、声をあげなくてはならない」と訴え続けました。ネルソンさんが「人類の宝」と呼んだ平和憲法を守るのは、私たち日本国民の「不断の努力」です。
イチからわかる憲法9条 第5部 日本と人類の未来(2)軍拡と破滅
平和は「豊かさ」の土台
しんぶん赤旗 2026年7月29日
ウクライナ戦争、イラン戦争は多くの人々の命を奪い、各国の経済に深刻な影響を与えています。平和こそが国民の豊かさの土台であることは明らかです。
日本は天然資源に恵まれている国ではありません。戦前は、武力によって他国の領土・資源を強奪することで「列強」の仲間入りをしましたが、日本の対外膨張政策は最終的には自国の破滅につながりました。戦後は、米国主導の経済秩序に組み込まれ、食料・エネルギー主権を奪われる一方、憲法9条に基づく「平和国家」の看板を掲げ、戦前とは異なる国家となったことをアピールし、資源の輸入と工業製品の輸出で経済を成長させてきました。
さらに戦後の日本は、違憲の自衛隊を抱え、右肩上がりの軍拡を進めながらも、国内総生産(GDP)比で他国より相対的に軍事費を抑えることで国民生活に一定の予算を振り向けることができました。その背景には、教育、社会保障など各分野での国民のたたかいがありました。
ところが高市早苗政権は、これまでの日本のあり方を根本的に変えようとしています。
高市首相は「防衛と経済の好循環」などといい、軍事を「成長戦略」の柱に位置づけました。大量の武器を自衛隊に配備するとともに、他国への武器輸出も推進しようというのです。軍事を「経済成長の力」と位置づけることで、軍事費に巨額の予算を振り向けることを「合理化」する異常な経済政策です。
しかし、破壊・殺傷のために用いる武器は、国民生活を豊かにする一般的な消費財や生産設備とは質的に異なります。しかも、武器で“稼ぐ”には、戦争と軍事的緊張が絶えず必要となります。その財源を確保するため、教育、社会保障などの予算を削減し、軍拡大増税を強行せざるをえなくなります。
「中国脅威」論が軍拡の口実として使われますが、中国は日本にとって最大の貿易相手国です。軍事的緊張の高まりは日中両国にとって経済的打撃となり、破滅への道です。憲法9条を持つ日本を「戦争待望国家」に堕落させることなど絶対に許されません。
「湯の町湯沢平和の輪」は、2004年6月10日に井上 ひさし氏、梅原 猛氏、大江 健三郎氏ら9人からの「『九条の会』アピール」を受けて組織された、新潟県南魚沼郡湯沢町版の「九条の会」です。