2024年6月1日土曜日

ラファ避難所 再攻撃 21人死亡 ICJ命令を無視

ラファ避難所 再攻撃 21人死亡 ICJ命令を無視
 24日の国際司法裁判所(ICJ)のラファでの軍事攻撃の即時中止の暫定命令を無視して、28日もラファの避難所を戦車で砲撃し21人を殺害しましたイスラエル軍は即座に攻撃を否定する声明を発表したようですが、一旦は凶行を否定するのはイスラエルの常套手段です。
・「最も強い言葉で非難」 国連総長が声明
 国連のグテレス事務総長は28日、イスラエルがラファの避難所を攻撃したことに対し、「最も強い言葉で非難する」と述べる声明を出し、イスラエル当局に対し、ガザヘの人道支援物資を、「即時、安全に、中断することなく搬入をさせるべきだ」と要求。国運安保理決議にそって、すべての検問所を開放するとともに、人道支援団体の活動を保障するよう求めました。
パレスチナを国家承認 欧州3カ国 軍事作戦中止へ圧力
 スペイン、アイルランドjノルウェーの欧州3カ国政府は28日、パレスチナを国家として承認することを正式決定しました。イスラエルにガザでの軍事作戦を中止するよう圧力をかけるねらいです。
米UCLAスト拡大 学生労働者処分撤回求める
 米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の学生労働者は28日、ガザ連帯キャンプを張っていた学生らが4月末に親イスラエル派のデモ隊に暴行された際に大学が適切な対応を取らなかったことに抗議してストライキを行いました。
 ロサンゼルス校では4月末、学生らが抗議キャンプを張っていたところ、親イスラエル派のデモ隊が侵入し、学生らが暴力を受ける中警察は数時間対応しませんでした。その一方で数日後にはキャンプを行っていた学生ら200以上を逮捕しました。
イスラエルヘの投資中止 学生抗議受けコペンハーゲン大学
 デンマークのコペンハーゲン大学は28日、イスラエルが占領するパレスチナ自治区ヨルダン川西岸で営業するイスラエル企業への投資やめることを明らかにしまレだ。この間、同大の学生がイスラエルとの財政的、組織的な関係を断つよう大学に求めて抗議していたことを受けたものです。
ラファ攻撃停止 決議案を提出へ 安保理にアルジェリア
 アルジェリアのベンジャマ国連大使は28日、イスラエルに対しガザ最南部ラファヘの攻撃を停止するよう求める安保理決議案を提出すると明らかにしました。イスラエルの後ろ盾である米国が拒否権を行使する可能性があり、採択されるかは不透明です。非常任理事国のアルジェリアは安保理でアラブ諸国を代表しています。
エジプトとの境界 イスラエルが掌握 支援物資搬入困難さらに
 イスラエル軍は29日、パレスチナのガザ地区とエジプトの境界にある回廊状の区画を掌握し、支配下に置きました。人道支援物資の搬入がますます困難になるとみられ、ガザ住民の人道状況のさらなる悪化が懸念されます。
 イスラエル軍のハガリ報官は29日、イスラム組織ハマスが区画を利用してエジプトから武器を密輸していると主張しましたが、高いレベルのエジプト情報筋はイスラエル軍の主張を否定し、「イスラエルはラファでの作戦を継続し、政治的な目的で戦争を長引かせるためにこうした疑惑を利用している」と批判しました。
・ラファ虐殺を非難 イスラエル各地がデモ
 イスラエル各地で27、28の両日、ガザでの戦争終結を求めるデモが行われました。26日にラファのパレスチナ人の避難所への攻撃で、テントが炎上して45人が亡くなったことを受けて、参加者は「ガザ爆撃をやめろ」「戦争終結を」「占領終結を」と唱和しました。
 28日には、「平和と平等の民主戦線」(ハダシュ)に参加する学生が各地の大学で、ガザのパレスチナ人に対する虐殺に抗議する時間のストライキを呼びかけストには、800人以上の教授や講師が参加する「平等のためのアカデミア」も合流しました。
・無意味な戦争 もうやめて イスラエルの母 血染めの抗議
 パレスチナ・ガザ地区で戦闘に従事するイスラエル兵の母親たちが29日、イスラエルの商都テルアビブの道路を封鎖し、イスラム組織ハマスとの戦争を終わりにするよう求めました。母親たちは手や顔に赤いインクを付け、政府指導者たちの手は血塗られている、と抗議しました。
 しんぶん赤旗の9つの記事を紹介します。
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ラファ避難所 再攻撃 21人死亡 ICJ命令を無視
                       しんぶん赤旗 2024年5月30日
 パレスチナ自治区ガザの保健当局は28日、イスラエルがガザ南部ラファの避難所を戦車で砲撃し、21が死亡したと発表しました。ロイター通信が報じました。一方、イスラエルは、攻撃を否定する声明を発表しました。
 砲撃を受けたのは、イスラエルがラファのパレスチナ人に避難先として強制しているマワシ地区のテント村です。ガザの緊急対応サービスは、戦車の砲弾4発が着弾したと述べました。ガザの医療当局者によると、少なくとも死者の12人が女性でした。
 イスラエルは同日、ラファ中心部に戦車や機関銃を装着した装甲車を進めました。ロイター通信に目撃者が語ったもの。
 国際司法裁判所(ICJ)は24日、ラファヘの攻撃即時中止を命じる暫定命令を発出。しかしイスラエルは26日夜、ラファの避難所を空爆して45人を殺害し、世界からごうごうたる非難を受けました。同国は、それを意に介さずさらに攻撃を拡大しています。
 米ホワイトハウスのカービー国家安全保障担当報道官は28日、ラファでのイスラエルの攻撃は「大規模な地上作戦」とはなっていないと擁護しまじた。
 カービー氏は、米国がイスラエルに対する政策を変更しなけれぱならないようなラファでの「大規模な地上作戦」とは、「大規模な部隊、大人数の部隊が隊列を組み、地上の複数の目標に対して調整された作戦を行う」との定義を明らかにし、「それはまだ目にしていない」と述べました。
 米国は、「民間人保護の計画をともなわないラファ侵攻は支持しない」などとイスラエルに述べてきましたが、この間のラファでの虐殺行為を不にし、「お墨付き」を与えた形です。


「最も強い言葉で非難」 国連総長が声明
                       しんぶん赤旗 2024年5月30日
 国連のグテレス事務総長は28日、イスラエルがガザ南部ラファの避難所を攻撃したことに対し、「最も強い言葉で非難する」と述べる声明を報道官を通して発表しました。
 グテレス氏は、小さな子どもを含む多くの市民が殺害された画像に「胸が張り裂ける」と述べ、「恐怖と苦しみは今すぐ止めなければならない」と表明。24日の国際司法裁判所(ICJ)の命令に言及し、同命令は「法的拘束力があり、順守なければならない」と強調しました。ICJの命令は、イスラエルに対し、ラファ攻撃の即時停止を求めています。
 グテレス氏は、イスラエル当局に対し、ガザヘの人道支援物資を、「即時、安全に、中断することなく搬入をさせるべきだ」と要求。国運安保理決議にそって、すべての検問所を開放するとともに、人道支援団体の活動を保障するよう求めました。


パレスチナを国家承認 欧州3カ国 軍事作戦中止へ圧力
                        しんぶん赤旗 2024年5月30日
【ベルリン=吉本博美スペイン、アイルランドjノルウェーの欧州3カ国政府は28日、パレスチナを国家として承認することを正式決定しました。3カ国はイスラエルとパレスチナの「2国家共存」を求め、イスラエルにパレスチナ自治区ガザでの軍事作戦を中止するよう圧力をかけるねらいです。
 3カ国による同時承認を主導したスペインのサンチエス首相はテレビ演説で、パレスチナの国家承認は「平和な未来を獲得するための唯一の可能な解決策」たと強調。アイルランドのハリス首相はパレスチナ国家承認は「希望を絶やさないための決定だ」と述べ、イスラエルのネタニヤフ首相に向けて「世界の声を聞き、ガザでの非人道的な破壊をやめるべきだ」と訴えました。
 パレスチナを国家として認める国加盟国は193カ国146カ国となりました。欧州連合(EU)加盟国ではスウェーデン、キプロス、ハンガリー、チェコ、ポーランド、スロパキア、ルーマニア、ブルガリアも承認しています。今後マルタとスロベニアも続く見込みです


米UCLAスト拡大 学生労働者処分撤回求める
                       しんぶん赤旗 2024年5月30日
 米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の学生労働者は28日、ガザ連帯キャンプを張っていた学生らが4月末に親イスラエル派のデモ隊に暴行された際に大学が適切な対応を取らなかったことに抗議してストライキを行いました。
 現地からの報道によると、同校キャンパスでは「ガザ連帯の抗議者を守れ」などと書いたプラカードを持った人が集会を開催。参加者は大学がイスラエル関連企業との関係を断絶することに加えて、ガザ連帯行動に参加した学生に科した処分の撤回も求めました。
 同大で働く大学院研修生や学生助手ら4万8千人が加盟する全米自動車労組(UAW)4811支部は15日、スト実施を圧倒的多数の賛成で承認しました。20日には同大デービス校、サンタクルーズ校の組合員ガスト入りしました。
 ロサンゼルス校では4月末、学生らが抗議キャンプを張っていたところ、親イスラエル派のデモ隊が侵入。学生らが暴力を受ける中警察は数時間対応せず、一方で数日後にはキャンプを行っていた学生ら200以上を逮捕しました


イスラエルヘの投資中止 学生抗議受けコペンハーゲン大学
                       しんぶん赤旗 2024年5月30日
コペンハーゲン=ロイター】デンマークのコペンハーゲン大学は28日、イスラエルが占領するパレスチナ自治区ヨルダン川西岸で営業するイスラエル企業への投資やめることを明らかにしまレだ。この間、同大の学生がイスラエルとの財政的、組織的な関係を断つよう大学に求めて抗議していたことを受けたものです。
 学生数百人は今月上旬、イスラエルによるガザヘの軍事攻撃に反対する抗議行動を開始。イスラエルとの学術的な結びつきを断つことや、パレスチナで営業する企業への投資をやめるよう求めていました。
 大学はX(旧ツイッター)で、29日から、民泊を仲介するエアビーアンドビー、オンライン旅行サイトブッキングドットコム、イードリームズに対する総額約100万デンマーク・クローネ(約2285万円)の投資をやめると表明しました。
 大学は、投資管理者と協力し、ヨルダン川西岸へのイスラエルの違法な入植にかかわっている企業を列挙した国の一覧表に加わる企業には投資しないと述べています。


ラファ攻撃停止 決議案を提出へ 安保理にアルジェリア
                       しんぶん赤旗 2024年5月31日
【ニューヨーク=時事」
 アルジェリアのベンジャマ国連大使は28日、イスラエルに対し、パレスチナ自治区ガザ最南部ラファヘの攻撃を停止するよう求める安保理決議案を提出すると明らかにしました。イスラエルの後ろ盾である米国が拒否権を行使する可能性があり、採択されるかは不透明です。
 安保理は28日、多数の避難民が犠牲となったイスラエルによるラファヘの空爆を受け、緊急の非公開会合を開催。ベンジャマ氏はその後、報道陣に「決議案はラファでの殺りくを止めるためだ」と語りました。非常任理事国のアルジェリアは安保理でアラブ諸国を代表しています。


エジプトとの境界 イスラエルが掌握 支援物資搬入困難さらに
                       しんぶん赤旗 2024年5月31日
 イスラエル軍は29日、パレスチナのガザ地区とエジプトの境界にある回廊状の区画を掌握し、支配下に置いたと発表しました。人道支援物資の搬入がますます困難になるとみられ、ガザ住民の人道状況のさらなる悪化が懸念されます。
 イスラエル軍が支配下に置いたのはガザとエジプト境界にある全長約14km約100にわたる区画です。ロイター通信によると、同区‐はガザ地区のなかで唯一、イスラエル軍が直接支配下に置いていない上の境界地域でした。
 イスラエル軍のハガリ報官は29日、イスラム組織ハマスが区画を利用してエジプトから武器を密輸していると主張。同区画がハマスの「生命線」になっているとして、支配下に置いたことを正当化しました。イスラエル軍は回廊沿いにロケット弾の発射台が設置されていたとしています。
 一方、BBC放送によると、高いレベルのエジプト情報筋は、発射台に関するイスラエル軍の主張を否定。「イスラエルは(ガザ最南)ラファでの作戦を継続し、政治的な目的で戦争を長引かせるためにこうした疑惑を利用している」と批判しました。
 イスラエル車は29日、ラファ中心部と西部で戦車による砲撃を続けました。パレスチナ保健当局によると、ガザ全域で、砲撃や空爆で民間人19人が死亡しました。
 国連人道問題調整事務所(OCHA)は29日、イスラエル軍がラファの検問所を制圧した7日以降、ガザに入る人道支援物資のトラック数が67減ったと発表しました。4月1日~5月6日には1日平均176台がガザに入っていましたが、5月7日~28日は58台に落ち込みました。
 OCHAは原因について、ラファ検問所の封鎖や、ガザ南部のケレム・シャローム検問所から安全かつ継続的に物資を調達できなくなっていることなどを挙げました。


ラファ虐殺を非難 イスラエル各地がデモ
                       しんぶん赤旗 2024年5月30日
 イスラエル共産党からの情報によると、イスラエル各地で27、28の両日、ガザでの戦争終結を求めるデモが行われました。26日にガザ南部ラファのパレスチナ人の避難所への攻撃で、テントが炎上して45人が亡くなったことを受けて、参加者は「ガザ爆撃をやめろ」「戦争終結を」「占領終結を」と唱和しました。

 デモは、商都テルアビブやエルサレム、ハイファ、アラプ系住民の多く住北部のウンムアルファハムやカフルカセムで行われました。
 西エルサレムでは、200人が、ラファの避難所でのパレスチナ避難民の虐殺を非難。ある参加者は「悲しみと怒りを込めて、この戦争の終結と人質の帰還を求める」と述べました。
 ハイファの27日のデモには300人が参加。しかし警察が、デモを強制解散させ、9人を逮捕。「虐殺をやめろ」「これこそがジェノサイドだ」といったプラカードやパレスチナの旗も押収しました。
 28日には、「平和と平等の民主戦線」(ハダシュ)に参加する学生が各地の大学で、ガザのパレスチナ人に対する虐殺に抗議する時間のストライキを呼びかけました。
 ストには、800人以上の教授や講師が参加する 「平等のためのアカデミア」も合流しました。
 エルサレムのヘブライ大学では、アラブ人、ユダヤ人の学生数百人が、ラファの軍事作戦に抗議し、パレスチナの旗を振り、占領反対のスローガンを唱和しましたハイファ大学、ベングリオン大学、テクニオン・イスラエルエ科大学でもデモが行われました。


無意味な戦争 もうやめて イスラエルの母 血染めの抗議
                       しんぶん赤旗 2024年5月31日
 パレスチナ・ガザ地区で戦闘に従事するイスラエル兵の母親たちが29日、イスラエルの商都テルアビブの道路を封鎖し、イスラム組織ハマスとの戦争を終わりにするよう求めました。母親たちは手や顔に赤いインクを付け、政府指導者たちの手は血塗られている、と抗議しました。

 ガザ地区で戦闘に従事するイスラエル兵の息子(21)を持つ母ヌーリット・バーガーさんはこのほど、イスラエル紙ハーレツに投稿し、「今こそ無意味な戦争の終結を」とイスラエル政府に訴えました。
 息子は、ハマスの昨秋の奇襲に対応した後、ガザ地区北部から南部ハンユニスを経て現在、最南部ラファで戦い、友人を失っています。バーガーさんは「息子が何カ月も戦闘に参加している恐ろしさを表す言葉がない」「常に恐怖と不安の中にいる」とし、政治指導者へのメッセジは「やめて、もうたくさんだ」と強調しました。
 イスラエル軍によると、昨年10月以来、ガザ地区の戦闘で亡くなった兵士は300人近く。バーガーさんは、ハマスの奇襲には軍事的対応が必要だと信じたが、今や解決策を見いだせないまま、人質も解放されず、兵士もパレスチナ人も死んでいると指摘しました。

 彼女は「もうたくさんだと叫ぶ戦闘兵の親」というグループの一員。バーガーさんを含めガザ地区に派遣された兵士の親たちは2日、国防相らに手紙を送り、息子たちの命に責任を持ち、正当な政治的解決なしに彼らを犠牲にしないよう求めています。手紙には同じ境遇の親900人と支援者2000人が署名しました。