2024年6月5日水曜日

アメリカ帝国は絶え間なく続く戦争が政府を運営しているのだ

「マスコミに載らない海外記事」でケイトリン・ジョンストンが掲題の趣旨の記事を出しました。米国が史上空前の戦争国家であることは既に下掲の記事でも明らかなところです。
   (15.2.28)アメリカは建国後合計222年間=93%の年間 戦争をしてきた
 今度の記事は、それは歴代の政府が戦争を引き起こしてきたのではなく、「絶え間なく続く戦争が政府を運営しているのだ」とするものです。大統領が代わろうとも戦争は決して止めない実態をみれば、そう表現するのが的確かも知れません。
 かつてノーベル平和賞に輝いたオバマこそは在任中に最大数の侵略戦争を行った大統領であり、逆に強気で知られたトランプは在任中新たな戦争を一つもしなかったといわれています。
 それは兎も角として では米軍は高級な軍隊かというと、実態はそれとは真逆のボロボロの軍隊のようで「耕助のブログ」に下記の記事が載りました。

   6月3日) 米軍が物理的に崩壊しつつある理由
   6月4日) 米軍はどのように崩壊しているのか
 興味をお持ちの方は原記事にアクセスしてください。
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アメリカ帝国は絶え間ない戦争をしている政府ではない。絶え間なく続く戦争が政府を運営しているのだ
              マスコミに載らない海外記事 2024年6月4
   アメリカ帝国は、たまたま絶え間ない軍事作戦を続けている国家政府ではなく、
  絶え間ない軍事作戦こそが国家政府を運営していると理解すれば、多くの混乱が解
  消する。            ケイトリン・ジョンストン 2024年6月1日
 アメリカ帝国は、たまたま絶え間ない軍事作戦を続ける国家政府ではなく、絶え間ない軍事作戦こそが国家政府を運営していると理解すれば、多くの混乱が解消する。
 アメリカの利益のために戦争が計画されるのではなく、戦争利益に奉仕するようにアメリカが作られているのだ。国家としてのアメリカは、大規模軍事暴力とその脅威で地球を支配するための絶え間ない作戦用の資金や人員や資源や外交的隠れ蓑の供給源に過ぎない
 この作戦は、アメリカ国民やその安全の利益のために行われているのではなく、世界支配作戦が支持する継続的な暴力、搾取、搾取の世界秩序を前提とした富と権力を持つ金権政治家や選挙で選出されない帝国経営者連中の緩やかな国際同盟の利益のために行われている。この世界支配作戦とその顕現は、全体として、アメリカ帝国と呼ばれることがあるが、これは個別の国としてのアメリカとは、ほとんど共通点がない。
 皆様がこれを理解するまで、アメリカ政府アメリカ軍事機構がしていることは全く意味がわからない。アメリカ国民には何の利益ももたらさず、むしろアメリカの国家安全保障上の利益を損なう軍事作戦がなぜ遂行されるのか皆様は理解できないはずだ。誰が政権に就こうと、政党や政策に関係なく、アメリカ外交政策が変わらないのはなぜか皆様理解できないはずだ。アメリカと同盟諸国が、益々不評になりつつあるガザでの大量虐殺を支援したり、中国との冷戦を開始したり、ロシアとの核戦争を誘発しようとするなど、政府が行うべきでない狂気の沙汰をなぜ行うのか皆様理解できないはずだ。
 答えは、こうした侵略行為は、それがアメリカという国家に利益をもたらすがゆえに起きているのではなく、選出された議員連中の政治目的にかなうから起きているわけでもないのだ。絶え間ない暴力行為は、全く別の目的を達成するための手段で、それ自体がほとんど目的なのだ。つまり、戦争で儲ける連中に利益をもたらし、地政学的支配を強化し、アメリカ帝国特有のグローバル資本主義の範囲を拡大することだ
 世界中で軍事作戦が絶え間なく行われ、前景には、我々が目にする戦争や軍国主義と何らかの関係があるかのように見せかける公式政府という芝居がかった大道具が並べられている。現実には、戦争機構はすべきことをしているだけで、中絶やドナルド・トランプについて議論する演技をワシントンの議員連中が繰り広げ、実際決定を下す本物の政府がアメリカにあるかのように見せかけているのだ。
 ずっと以前、有権者の意志に任せるには戦争は重要すぎると決定されたため、今ではアメリカ国民が帝国機構の歯車に干渉しないようにするため、偽のダミー政治体制を弄ばせている。自分たちの名の下に世界中で行われていることと真実に基づく関係を持つためには、地球規模帝国の中心地で暮らす国民は余りにプロパガンダにさらされ、娯楽に溺れ、気を散らされ、忙しく、貧しく、病気にさせられている。そして、たとえ生活の中で政治に関わる時間を作っても、どちらの派閥も戦争や軍国主義や帝国主義や金権政治や環境破壊的資本主義を支持しながら、実際に権力を持つ連中の誰も気にしない問題を巡る空虚な文化的争いに膨大なエネルギーを注ぐ、偽りの二大政党制に彼らは追いやられている
 主流の帝国主義的世界観に依然囚われている人々に、このことについて話そうとするのは、「Andy Amazon & Friends」という子供向けアニメ番組をAmazonが放送し、一般の人々がそのアニメ番組がAmazonと信じ込み、世界経済を食い尽くしている純資産1兆以上の企業に関しては何も知らずにいるようなものだ。超巨大電子商取引企業について皆様が話そうとすると、皆様がアニメについて話していると彼らは思い、皆様が言っていることは番組や登場人物について彼らが知っていることと一致しないと反論するだろう。
 このアニメの背後にある大企業、そして公式政治の見せかけ人形劇の背後にある帝国を一度見とおせば、それがどこでも見えるようになる。帝国戦争機構の動きの中にそれが見える。ニュース見出しの中にそれが見える。欧米政治メディア支配階級が吐き出す偽りの正当化や言説の中にそれが見える。教育制度の中にそれが見える。果てしなく続く娯楽や資本主義の洗脳という気の抜けた主流欧米文化の至る所にそれが見える。
 そして、人形劇のことなど皆様は気にしなくなる。大統領選挙や、彼と不倫したストーミー・ダニエルズとドナルド・トランプのことや、日々の文化戦争分断問題や、立場を表明すべきだと皆が言う最新の注目話題など皆様は気にしなくなる。それは皆様にとって、家の緊急事態に対処するのに皆様が忙しい時に、子どもが背景に流すYouTube動画と同じ程度の関心事になる。
 そして帝国の行動はまさに緊急事態なのだ。これら変人連中が推進するロシアと中国に対するエスカレーションは我々全員死に至らしめる軌道に世界を乗せており、ガザやその他の場所で連中が引き起こしているテロは今まさに世界中で悪夢を生み出している。世界支配が益々脅かされるにつれ帝国は益々狂気と暴力を増すばかりで、帝国の真の姿を人々が知るまでは、帝国に対して必要な国民反対運動を作り上げ、人数の力を使って連中を止めさせるのは非常に困難だろう。
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記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com.au/2024/06/01/the-us-empire-isnt-a-government-that-runs-nonstop-wars-its-a-nonstop-war-that-runs-a-government/


虐殺を伝えるため田中はパレスチナを反芻する
                田中宇の国際ニュース解説 2024年6月4日

(写真上)少女は血まみれで瞳孔が開き、頭からは脳しょうが飛び出していた。~戦争の現実を伝えるために敢えて凄惨な画像の公開に踏み切りました。=ガザ 撮影:田中龍作=


(写真下)父親をイスラエルの空爆で殺された少女は絶叫し遺体にすがりつこうとした。=ガザ 撮影:田中龍作=

 戦場を離れて早や6ヵ月が経つ。耳と鼻が鈍ってきた。たまに戦場に行くのが一番危ない。「これくらい大丈夫だ」とタカをくくるからだ。
 カンを鈍らせないためにも時々、パレスチナを反芻する
 難民キャンプとその周辺は真っ昼間なのに死んだように物音ひとつしない。聞こえてくるのは唸り声をあげて上空を旋回するドローンのエンジン音だけだ。
 「ガガガガ・・・」イスラエル軍名物の超大型ブルドーザーが道路や建造物を破壊する音が耳に飛び込んでくる。
 四方八方から響いてくる発砲音や爆発音の方角から戦域を割り出し、戦域ド真ん中に入れば
 イスラエル軍が何を攻めようとし、ハマスやファタハが何を守ろうとしているのかが分かる。この目で確かめることができるのだ。
 ガザであろうがウエストバンクであろうが、病院は最大の攻防となる。
 鼻を利かせていれば、イスラエル軍の臭いが分かる。
 逃げ道を確保しながら前進する。取材が一段落したら、撃ち殺されないようにしてホテルまで辿り着かねばならない。
 虐殺の実態を読者に伝えるのだ。それが田中の使命だと思っている。

    ~終わり~

   
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