2025年6月30日月曜日

NATO会議首相欠席 突然の判断、自民から批判 防衛費増の議論を懸念か

 新潟日報に掲題の記事が載りました。
 石破首相は24日~26日の北大西洋条約機構(NATO)首脳会議への出席を突然取りやめました(NATOのパートナー国「IP4」の日本、韓国、オーストラリア、ニュージーランドのうち、韓国とオーストラリアのトップも参加を見送りました)。それに対して自民党から、覇権主義的行動を強める中国をにらみ欧州との安全保障連携の強化を図ってきた外交方針にそぐわない対応だと批判が出ているということです。
 日本が米国の意向に沿って隣国の中国と事ごとに対立する必要はないし、そもそもNATOは、米国が1949年に、「ソ連」を敵対国として欧州と結んだ軍事同盟で本来はソ連が崩壊した時点で消失すべき同盟でした。
 岸田前首相はそんなパートナー国IP4」に嬉々として参加しましたが、それは大いなる勘違いで、米国から防衛費=米国兵器の購入費の莫大な増額を要求されるのがオチです。
 NATO首脳会議は25日、加盟国の防衛支出を35年までにGDP比5%とする新目標に合意しました。政府高官は26日「結果として首相が出席せずに良かった」と述べたということですが、まさにその通りですいまや経済的にも劣等国に落ちぶれた日本が、無理に米国に尻尾を振る必要などありません。

 併せて新潟日報の記事「ウクライナ和平を悲観 トランプ氏、ゼレンスキー氏と会談 仲介『中東よりも困難』」を紹介します。かつてミンスク合意で西側首脳らから騙されたプーチンが、曖昧でいい加減な内容でウクライナ終戦に踏み切る筈はありません。
 トランプにノーベル平和賞受賞への希望があると取り沙汰されています。和平に取り組むこと自体は良いことですが、トランプのやり方はあまりにも「雑」でイランが反発するのは当然のことです。
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NATO会議首相欠席 突然の判断、自民から批判 欧州との安保強化方針にそぐわず 防衛費増の議論を懸念か
                         新潟日報 2025年6月27日
 石破茂首相が北大西洋条約機構(NATO)首脳会議への出席を突然取りやめた判断に自民党から批判が出ている。覇権主義的行動を強める中国をにらみ、欧州との安全保障連携の強化を図ってきた外交方針にそぐわない対応のためだ。首脳会議ではトランプ米大統領が求める加盟国の防衛費増額が協議される予定だったため、日本も議論に巻き込まれかねないとの懸念も判断に影響したとみられる
 政府は20日、首相が24~26日の日程でオランダ・ハーグを訪れNATO首脳会議に出席すると発表した日本、韓国、オーストラリア、ニュージーランド4カ国はインド太平洋地域におけるNATOのパートナー国「IP4」を構成。IP4加盟国にトランプ氏やNATOのルッテ事務総長も加えた多国間首脳級会合を開く方向で調整していた。
 ところが米国は21日、トランプ氏のIP4会合欠席を関係国に伝達。韓国の李在明大統領やオーストラリアのアルバニージー首相が参加を見送る中、石破首相も出発前日の23日朝に出席取りやめを決定した。代理で岩屋毅外相が各会合に参加した。

 NATO首脳会議には、ロシアがウクライナを侵攻した2022年に当時の岸田文雄首相が初めて出席。欧州とインド太平洋の安保は不可分だとして連帯を訴えた。以降、毎年参加を重ねていただけに、自民中堅は「協力関係を深め、今年も参加に向けて準備していたのに見送る理由が理解できない」と疑問を呈した。
 首脳会議は25日、加盟国の防衛支出を35年までに軍関連インフラの整備費などと合わせて国内総生産(GDP)比5%とする新目標に合意した。政府高官は26日「結果として首相が出席せずに良かった」と述べた。
         NATO首脳会議への主な出欠

   日 本

 石破茂首相

欠席

 オーストラリア

 アル二ージー首相

欠席

   韓 国

 李在明大統領

欠席

 ニュージーランド

 ラクソン首相

出席

   米 国

 トランプ大統領

出席

 ウクライナ

 ゼレンスキー大統領

出席

          青字はIP加盟国


ウクライナ和平を悲観 トラン氏、ゼレンスキー氏と会談 仲介「中東よりも困難」
                         新潟日報 2025年6月27日
【ハーグ共同」トランプ米大統領は25日、北大西洋条約機構(NATO)首脳会議が開かれたオランダ・ハーグでウクライナのゼレンスキー大統領と会談した。終了後に記者会見し、ウクライナ侵攻の和平仲介は、中東の紛争よりも困難との認識を示した。「正直、もっと早く終わると思っていたので驚いている」と述べ、早期の和平実現に悲観的な見方を示した
 トランプ氏は「中東での紛争を12日間で終わらせ、インドとパキスタンを電話で緩和させた」と主張。トランプ氏は就任前、1日でウクライナの戦争を終わらせると豪語していた。会見で就任から既に5カ月が経過したと指摘され「プーチン(ロシア大統領)は予想以上に手ごわい」と弁解した。
 両首脳の対面会談は4月下旬にバチカンで実施して以来、2ヵ月ぶり。会談は約50分間続き、ゼレンスキー氏は通信アプリに「停戦や和平を協議し、米国製の防空兵器購入や無人橋の共同生産の可能性についても話し合った」と投稿した。
 一方、トランプ氏は会で、停戦について踏み込んだ議論はしていないと説明。「戦争はロシアにとても良くない。プーチンは戦争を終わらせたいと思っている」と述べ、今後話し合う考えを示した。ウクライナ人記者に防空システム「パトリオット」売却について聞かれ「一部を提供できるかどうか検討する」と答えた。