2021年11月1日月曜日

右も左も関係ない。国のかたちを歪める連中を退場させよう(バカとは戦え)

 衆院選の結果は下表の通りとなりました。自民は確かに議席を減らしましたが、単独過半数はおろか「安定多数(244議席)」を超えて「すべての常任委員会で委員の過半数を確保する「絶対安定多数(261議席)」に達しました。前回の「取り過ぎ」は修正されたものの大勢に影響がない範囲で、残念なことです。
 それに対して大幅に議席を伸ばすと見られていた立民は、109議席から96議席に逆に大幅に減らしました。

            21/10  衆院選結果

 

党 名

合 計

選挙区

比例

解散前

 

自 民

261

189

72

276

 

立 民

96

57

39

109

 

公 明

32

9

23

29

 

共 産

10

1

9

12

 

維 新

41

16

25

11

 

国 民

11

6

5

8

 

れ 新

3

0

3

1

 

社 民

1

1

0

1

 

N 党

0

0

0

1

 

10

10

0

12

 

希 望

0

0

0

1

 

欠 員

0

0

0

4

 議席を減らしたことが殆どない共産党も今回は2議席減らしました。立民に協力した挙句が共々に減らすということになったのであれば元も子もありません。

 枝野代表のやり方は「立民だけが伸びればいい」という姿勢に徹していて「野党共闘」は元々眼中にありませんでした。ニュースの時間に報じられる枝野氏の絶叫調の選挙演説は、あたかも勝利を確信して舞い上がっているかようで、奇異に感じられたものです。一貫して何かを勘違いしていたのではないでしょうか。
 何もかも「連合」様さまで、そこと一体で進めた選挙戦がこの有様ではもう先行きに期待は持てません。これを機に立民の代表を変わるのが野党の前進のため不可欠と思われます。

 適菜 収氏のシリーズ「それでもバカとは戦え」より、「右も左も関係ない。国のかたちを歪める連中を退場させよう」を紹介します。
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それでもバカとは戦え 適菜 収
右も左も関係ない。国のかたちを歪める連中を退場させよう
                      日刊ゲンダイ 2021/10/30
 自公政権の9年間は、新自由主義勢力と政商、反社会勢力、カルトの複合体による国家・社会に対する総攻撃だった。周辺のメディアや広告会社は、心理学から動物行動学まで駆使し、国民の洗脳・誘導をはかってきた。
 言い過ぎだと思う人もいるかもしれないので、以下、具体的事実を示す。メルクマールは3つある。
 1つ目は、省庁をまたがる形で発生した国家の根幹の破壊である。森友事件における財務省の公文書改ざん、防衛省の日報隠蔽、厚生労働省のデータ捏造により国家の信用を地に落とした。「桜を見る会」には、安倍晋三に近い統一教会の関係者、悪徳マルチ商法の「ジャパンライフ」会長、反社会的勢力のメンバー、半グレ組織のトップらが呼ばれていたが、その後、内閣府が国会に出した「桜を見る会」の推薦者名簿も加工されていた。
 2つ目は、2015年の安保関連法案を巡る騒動の際、首相補佐官の礒崎陽輔が「法的安定性は関係ない」と発言したことだ。この時点でわが国は法治国家から人治国家へ完全に転落した。
 3つ目は、17年に当時防衛相だった稲田朋美が、「(南スーダンの戦闘で)事実行為としての殺傷行為はあったが、憲法9条上の問題になる言葉は使うべきではないことから、(日報で)武力衝突という言葉を使っている」と発言したことだ。現役の閣僚が国が憲法を無視していることを公言したわけだ。

 客観的事実として自民党は国体に攻撃を仕掛けてきた。つい最近は、自民党の特定の政治家に有利になるデマや歪曲動画を個人(Dappi)を装った企業に制作させ、世論形成・世論誘導を行っていた疑惑が発生。広島では大規模買収事件が発生し、元法相の有罪が確定した。自民党の存続の可否が問われるような話なのに、岸田文雄はこの2つの大事件についてまともに説明しようとしない。
 先日、バカが「旧民主党の連中は民主党政権の3年間でやったことに対する反省がないから自民党に投票する」と言っていた。民主党よりはるかにデタラメだった9年間の反省のない自民党に!
 周辺メディアが投下するプロパガンダに騙されるのはもうやめよう。右も左も関係ない。シンプルに考えればいい。政治を私物化し、国のかたちを歪めてきた異常極まりない勢力は退場させなければならない。

適菜 収 作家
近著に「日本人は豚になる」「ナショナリズムを理解できないバカ」など。著書40冊以上。購読者参加型メルマガ「適菜収のメールマガジン」も始動。詳細は適菜収のメールマガジンへ。