2021年11月11日木曜日

安倍元首相の「派閥復帰・会長就任」は歓迎一色とはほど遠い

 安倍元首相11日の細田派総会で「派閥」に復帰し、正式に会長に就いて名称も“細田派”から“安倍派”に衣替えします。本人は大満足のようなのですが、派内の空気は決して歓迎一色ではないということです。
(源流である)清和会はもともと岸信介と福田赳夫にルーツがあり、細田派は安倍系と福田系に色分けされているので決して安倍一色ではありません。安倍氏が総理の座にいればこそ細田氏の下で派内もまとまったし安倍氏も権力を振るえましたが、単なる派閥の領袖ではそうはいきません。
 何よりも先の総裁選では安倍氏は派内の面々には何の配慮もしないまま、極右の高市早苗氏を担いで彼女への支持を強要したのですから、派内が無風である筈がありません。おそらく下村氏をはじめとする主だったメンバーの間に不満が渦巻いていることでしょう。
 安倍氏は、別に政治家として高い見識を持っているわけでもなく、唯ただ日本会議風の極右路線(改憲と軍事増強)と対米従属をあからさまに喚くだけなので、本来人望などが集まる筈はありません。( ⇒ 15.3.25)「宰相 A」 安倍晋三の実像と虚像 
 それに一部の人たちに取って「極右=対米従属」が絶対的な命題になっているという点も何とも不思議なことで、不可解さであり情けなさです。
 日刊ゲンダイの記事「安倍元首相の『派閥復帰・会長就任』は歓迎一色とはほど遠い ~ 」を紹介します。
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安倍元首相の「派閥復帰・会長就任」は歓迎一色とはほど遠い…派内に流れる複雑な空気
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 本人はうれしくて仕方ないらしい。予定通り、安倍元首相は「派閥」(清和会)に復帰し、会長に就くことになった。11日の派閥総会で正式決定し、自民党の最大派閥“細田派”は“安倍派”に衣替えする予定だ。
 細田派の西村康稔事務総長は「全会一致で歓迎する」とコメントしているが、派内は“歓迎一色”とはほど遠いという。
「安倍さんの派閥復帰と会長就任に対して、派内には複雑な空気が流れています。もともと清和会は、岸信介と福田赳夫にルーツがあり、安倍系と福田系に色分けされている。安倍一色ではありません。なのに、安倍さんは10年近く派閥を離れていた時も、オーナー気取りだった。福田系は“なに、エラソーに”と思っていたはずです。9日の役員会で細田さんが、“安倍さんに会って、ぜひ派閥に戻って会長をやって欲しいとお願いしている”と話した時も、歓声は上がらず、シーンとしていたようです」(自民党関係者)
「清和会」の事情を知る早川忠孝元衆院議員は、9日付の自身のブログにこう書いている。
<細田さんだから一つに纏まっていたようなもので、ここで安倍さんが入会して安倍派に衣替えしようとしても果たしてすんなりそうなるか><安倍さんが派閥の長になっても大したことは出来ない。表向き何も言わなくとも、腹に一物も二物も持っている人が今は多いはず><安倍さんの政治生命は、そんなに長くない

高市早苗氏を入会させたら派内に亀裂も
 実際、安倍元首相の求心力は予想以上に落ちているらしい。
「安倍さんが派閥復帰と会長就任を渇望したのは、危機感の裏返しだと思う。やはり決定的だったのは、9月の総裁選で高市早苗氏を担いだことでしょう。派内にも総裁候補は、萩生田光一氏、西村康稔氏、下村博文氏と数人いるのに、無派閥の高市さんを必死に推した。派閥が割れることを回避したかったという気持ちもあったのでしょうが、なぜ無派閥の議員なのか。とくに、手を挙げたのに冷たく無視された下村さんは、内心、怒り心頭なのではないか。さんざん尽くしたのに、ただの子分扱いですからね。もし、安倍さんが高市さんを派閥に入れて総裁候補に指名したら、派内に亀裂が走る恐れがある。それと、派内のプリンスであり、将来の総裁候補である福田達夫総務会長が潰されないか、心配する声もあります」(清和会事情通)
 どんなハレーションが起きるのか。