2025年9月14日日曜日

14- 不毛さMAX自民総裁選(植草一秀氏)

 植草一秀氏が掲題の記事を出しました。
 自民党の総裁選は10月4日(土)が投票日ということで巨大な政治空白が生まれました。
「石破おろし」を主導したメディアに取っては恰好の報道材料が出来た訳ですが、国民に取って殆ど関心の対象にもなりません。
 予想されている総裁候補者は全部が24年の総裁選の時の顔ぶれなので「敗者復活戦」と揶揄されるのは当然です。いずれにしても、先の参院選で明らかになった国民の「自民党離れ」が今度の総裁選によって戻ることは考えられず、むしろその逆のような気がします。
 植草氏は新しい政権が求められているテーマは大きく分けて4つあるとして、その「第1に取り組むべき」は「国民の暮らし。経済の問題」であると述べます。
 自民党が国民から「愛想を尽かされた」最大の理由は、2世~3世の自民党議員たちには国民生活の困窮に対する「認識が殆どなく」「関心もない」ことのように思われます。
 他の3つのテーマは、「国民の安全。原発や環境の問題」、「外交と安全保障。日本の平和をどのように守るか」、「政治の浄化。金のために政治に携わる者が多すぎる ~」で、植草氏は常にこの4つを指摘しています。
 では新総裁・新政権によってそれらのテーマが改善されるかについてですが、それは期待すること自体が無理と思われます。
 かくして自民党はさらに没落して行く運命を辿りますがそれ自体は大いに望ましいことです。
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不毛さMAX自民総裁選
               植草一秀の「知られざる真実」 2025年9月13日
総理大臣に誰が就任するのかは極端に言えばどうでもいい。
大事なことは新しい政権が何をするかだ。
問題は山積している。その問題にどう取り組み、何をどう変えるかだ。

大きなテーマが四つある。
第一は国民の暮らし。経済の問題。
第二は国民の安全。原発や環境の問題だ。
第三は外交と安全保障。日本の平和をどのように守るか。
第四は政治の浄化。金のために政治に携わる者が多すぎる。政治家もそうだが財政資金に群がる企業や個人も同じ。その浄化が求められている。

総理大臣が変わっても政策が変わらないなら意味がない。
石破氏が首相に就任して何かを変えるのかと期待されたが何も変えなかった。
とりわけ大きな議論になったのは経済問題と政治浄化問題だ。
経済問題の核心は財政と金融。
私は『財務省と日銀』(ビジネス社)に論点を整理した。https://x.gd/nvmU9
ぜひお目通し賜りたい。

日本財政に致命的欠陥がある。それは、庶民からお金をむしり取り、それを政府と利権事業者が食い尽くしていること。これでは国民は浮かばれない。財政資金の使い方に問題がある。
他方で税収が激増している。取り過ぎだから国民に還元するべきだ。
ところが、財政の論議を財務省が歪める。これを抑止して財政運営を根本から変えることが必要

やるべきことは明確だ。利権支出を切って社会保障支出に回す。
消費税を減税して大資本と富裕層に対する課税を適正化する。
これを誠実に実行する総理大臣が求められている。
石破氏は財務省の言いなりだった。だから、減税に取り組まなかった。
この点を見落として「石破やめるな」を叫ぶ人が多いことに驚く。
「石破やめるなデモ」は財務省に利用されただけ。

金融政策ではインフレ抑止を基本に据えなければならない。
黒田日銀が引き起こしたインフレで財務省は大喜びだ。
インフレ分だけ国の債務が実質的に減った。
債券保有者が損失を強要された。

政治の浄化では「企業献金禁止」が核心。石破首相はこれも葬った。
全面的に協力したのが玉木氏の国民民主であったことを主権者国民は見落とすべきでない。
日本の平和を維持するために米国に依存するのは誤りだ。米国は人為的に戦争を創作して金儲けすることしか考えていない
平和ではなく戦争を創作するのが米国の基本路線。これに従属すれば日本は平和ではなく戦争に巻き込まれる。

フクシマの教訓を踏まえれば原発は廃止の一択だ。
ソーラーは利権の塊と化し、環境破壊の元凶になっている。

自民が党首を変えても何も変わらないだろう。党首選ではなく、日本政治の刷新を議論することが重要だ。
続きは本日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」4188号
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財務省と日銀 日本を衰退させたカルトの正体』(ビジネス社)https://x.gd/LM7XK
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