しんぶん赤旗に掲題の記事が載りました。
イスラエル軍が進めるガザ地区北部・ガザ市の制圧作戦は、多くの悲劇を生んでいます。
ガザ地区保健局長のムニール・バルシュ医師は「ガザは世界の面前で燃えている」と訴えました。これまでに医師や看護師、薬剤師ら1671人の医療従事者が犠牲となりました。南部でわずかに稼働する病院も病床占有率は300%に達し、飢餓も深刻です。過去24時間で5人が餓死し、累計404人に上り、そのうち141人は子どもです。
イスラエルの蛮行はヨルダン川西岸のジエニン難民キャンプでも行われ、8日夜、イスラエル占領軍の銃撃により、難民キャンフに帰宅中の14歳の子ども2人が死亡し、複数の住民が負傷しました。イスラエル軍がジェニン侵攻を開始した1月21日以降、死者はこれで47人に達しました。これまでに600戸以上の住宅が全壊し、約1000戸が部分損壊。住民約2万2000人が住まいを失い、避難を余儀なくされています。
欧州委員会のフォンデアライエン委員長は10日「人為的な飢饉を戦争の武器としてはならない」、「イスラエルに対する支援を凍結する。イスラエルの市民社会やホロコースト記念館の活動に影響を与えることなく、これらの分野のすべての支払いを停止する」と述べました。アムネスティ・インターナショナルのカラマール事務局長は、同日のXへの投稿で、欧州委員長の提案は「恥ずべき遅さだ」、「この23カ月にわたりイスラエルの犯罪を非難してきた多くの抗議者の声を無視できなくなったから」と述べました。
アムネスティ・インダーナショナルは、イスラエル軍が9日にパレスチナ・ガザ地区北部のガザ市の全住民に発出した退避命令について、「残酷かつ違法であり、攻撃を激化させてジェノサイド(集団殺害)による市民の苦しみを一層深刻にする」として撤回を求めました。国際的な人道・人権団体の警告や、十分な支援と保護を求めた国際司法裁判所の命令を無視するイスラエルの姿勢は「ジェノサイド継続の意図を示す証拠」と非難しました。
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医療機関に空爆続く ガザ市制圧作戦「体系的な集団殺害」
しんぶん赤旗 2025年9月12日
【カイロ=米沢博史」イスラエル軍が進めるガザ地区北部・ガザ市の制圧作戦は、多くの悲劇を生んでいます。
ガザ地区保健局長のムニ-ル・バルシュ医師は10日、本紙の取材に「ガザは世界の面前で燃えている」と訴えました。
7日にはガザ市の義肢・麻蝉(まひ)リハビリセンターが空爆で破壊され、数千人が治療の場を失いました。バルシュ医師は「病院、診療所、救急車、医療従事者、医薬品倉庫まで標的とする体系的なジェノサイド(集団殺害)という戦争犯罪が公然と行われている」と強調しました。
9日にはガザ市のシファ病院でボランティア医師として働いていた医学部6年生のヤラ・フサリさんが攻撃で殉職しました。人命救助の志を胸に患者を支え続けましたが、その白衣は死者の白衣へと変わってしまいました。
またガザ市の自宅が爆撃された2歳児ユーセフ・バクルーンくんはがれきの下から奇跡的に救出されましたが、姉と弟、祖父を失い、母も重傷を負いました。ユーセフくん自身も左脚に重度の損傷を抱え、切断の危機にあります。父親は「子どもたちを失ったうえに、唯一生き残った息子の脚まで奪われるのか」と苦悩しています。
バルシュ医師によれば、これまでに医師や看護師、薬剤師ら1671人の医療従事者が犠牲となっています。救急車が攻撃されるため重症患者の搬送は不可能で、病院も機能不全に陥っています。南部でわずかに稼働する病院も病床占有率は300%に達し、飢餓も深刻です。過去24時間で5人が餓死し、累計404人に上り、そのうち141人は子どもです。
14歳の2人殺害 西岸ジェニン 侵攻後死者47人に
しんぶん赤旗 2025年9月12日
【カイロ=米沢博史】パレスチナ・ヨルダン川西岸のジエニン難民キャンプで8日夜、イスラエル占領軍の銃撃により、難民キャンフに帰宅中の14歳の子ども2人が死亡し、複数の住民が負傷しました。殺害されたのはイスラム・マジャルマさんとムハンマド・マス刀ラさんです。
パレスチナ通信によると、この2人以外に、17歳の少年が肩を撃たれ、22歳の男性が腹部に銃撃を受けて病貌に搬送されたとパレスチナ赤新月社が報告しています。占領軍に追われた12歳の少女も転倒し手に傷を負いました。さらに占領軍は、住民数人を拘束し、民家に放火したと報じられています。
イスラエル軍がジェニン侵攻を開始した1月21日以降、死者はこれで47人に達しました。これまでに600戸以上の住宅が全壊し、約1000戸が部分損壊。住民約2万2000人が住まいを失い、避難を余儀なくされています。
イスラエルの平和団体「スタンディング・トゥゲザー」は9日、「ムハンマドさんとイスラムさんはわずか14歳だった。子どもたちの命を使い捨てのように扱い、暴力が安全をもたらすと国民に信じ込ませる政府の政策の直接的な結果だ」と強く非難しました。
イスラエルに制裁を EU委員長、欧州議会に提案
しんぶん赤旗 2025年9月12日
欧州連合(EU)欧州委員会のフォンデアライエン委員長は10日、イスラエルによるガザでの軍事作戦に対し、EUとして制裁を行う考えを示しました。同日の欧州議会での演説で明らかにしました。ロイター通信などが伝えました。
フォンデアライエン氏は、強硬派閣僚への制裁と貿易協定の一部凍結をEU議会に提案。実施に必要な加盟27カ国の過半数の賛成が得られるかは現時点では不明ですが、欧州委員会の裁量で可能な対イスラエル支援の凍結などは実施する考えを示しました
フォンデアライエン氏は「人為的な飢饉(ききん)を戦争の武器としてはならない」と表明。「イスラエルに対する支援を凍結する。イスラエルの市民社会やホロコースト記念館の活動に影響を与えることなく、これらの分野のすべての支払いを停止する」と語りました。
国際人権団体アムネスティ・インターナショナルのカラマール事務局長は、同日のX(旧ツイッター)への投稿で、欧州委員長の提案は「恥ずべき遅さだ」と指摘。「この23カ月にわたりイスラエルの犯罪を非難してきた多くの抗議者の声を無視できなくなった」と述べ、特にドイツ、イタリアを名指しし、EUの制裁措置に反対しないよう求めました。
ガザ退避命令は残酷 アムネスティが撤回要求
しんぶん赤旗 2025年9月14日
【カイロ=米沢博史」国際人権団体アムネスティ・インダーナショナルは10日、イスラエル軍が9日にパレスチナ・ガザ地区北部のガザ市の全住民に発出した退避命令について「残酷かつ違法であり、攻撃を激化させてジェノサイド(集団殺害)による市民の苦しみを一層深刻にする」として撤回を求めました。
アムネスティは、ガザ地区内でのパレスチナ人の強制移動や国外追放は国際人道法違反にあたると繰り返し強調してきたと指摘。国際的な人道・人権団体の警告や、十分な支援と保護を求めた国際司法裁判所(ICJ)の命令を無視するイスラエルの姿勢は「ジェノサイド継続の意図を示す証拠」と非難しました。
同団体のヘバ・モラエフ中東・北アフリカ地域局長は「イスラエルに影響力を持つ国が武器や外交で支援を続けていることは不道徳」だと批判。「嘆くべきことに、企業や投資家もイスラエルのジェノサイドから利益を得ている。武器供与を続ける国や企業はジェノサイドに加担する危険がある」と警告し、「影響力を持つ全ての者は直ちにジェノサイドを止め、人道支援の確保をイスラエルに迫るべきだ」と訴えました。
「湯の町湯沢平和の輪」は、2004年6月10日に井上 ひさし氏、梅原 猛氏、大江 健三郎氏ら9人からの「『九条の会』アピール」を受けて組織された、新潟県南魚沼郡湯沢町版の「九条の会」です。