NGO「国際救済委員会」(IRC)は24日、イスラエルによるガザ地区への2年近い攻撃とガザ市への地上侵攻の影響で、砲弾の披弾により手足を切断せざるを得ない子どもが急増し、心身に深刻な傷を負う子どもが増加していると報告しました。
ガザ地区はすでに人口比で世界最多の小児切断者を抱え、約4000人がイスラエルの爆撃で手足を失っています。IRCが先月、北部ガザ市、中部デイルバラ、南部ハンユニスで行った調査では、3歳未満の乳幼児の3人に1人が調査前24時間に食事を取っていませんでした。
NGO「パレスチナ人権センター」は23日、イスラエルによる空・陸・海からの攻撃を受けてガザ市内の医療施設や住宅が相次いで破壊され、ランティシ小児病院や眼科医院は機能停止に追い込まれ、さらに避難先とされた中部・南部では避難民キャンプまでも爆撃されて、9月16~22日の空爆と砲撃で561人が死亡したことを告発する声明を発表しました。
声明は国際社会と国連安保理に対し、市民の保護、人道回廊の確保、医療・食料支援の搬入、そしてイスラエルに対するジェノサイド停止の義務付けを求めました。
NGO「グローバル・スムード・フロティラ」(GSF)の船団は、イスラエルによる封鎖を突破しガザへの支援物資を運ぶべくギリシャ沖まで到達しましたが、そこで12機のドローンから攻撃を受けました。GSFはイスラエルによる妨害だと批判しています。
船団には約45力国から医師、法律家、議員ら約500人の市民が乗船していました。イタリアのクロセット国防相とスペインのサンチェス首相は救援のために軍艦を差し向けると述べました。
しんぶん赤旗の3つの記事を紹介します。
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手足失う子急増4000人 ガザ 悪夢にうなされ叫び声
しんぶん赤旗 2025年9月26日
【カイロ=米沢博史】科学者アインシュタインらが創設し、米国に本部を置く国際NGO「国際救済委員会」(IRC)は24日、イスラエルによるパレスチナ・ガザ地区への2年近い攻撃と、今月本格化したガザ市への地上侵攻の影響で、心身に深刻な傷を負う子どもが増加していると報告しました。
特にここ数週間、砲弾の披弾により手足を切断せざるを得ない子どもが急増していると告発しています。報告によると、ガザ地区はすでに人口比で世界最多の小児切断者を抱え、約4000人がイスラエルの爆撃で手足を失っています。
IRCのキアラン・ドネリ上級副代表は、「手足を失った子どもたちは家庭内ですら安心できず、悪夢にうなされ叫び声を上げている」と説明。また、「家族を失った子どもたちは深い心の傷を抱え、不安や悪夢、突発的な攻撃性、孤独への恐怖に苦しんでいる」と述べ、子どもの7割に睡眠障害、2割に自閉的症状が見られると報告しました。
さらに、「心の傷は飢餓によって悪化している」と警告。IRCが先月、北部ガザ市、中部デイルバラ、南部ハンユニスで行った調査では、3歳未満の乳幼児の3人に1人が調査前24時間に食事を取っていませんでした。飢餓は今月さらに深刻化しています。
避難先までも爆撃 イスラエル軍
しんぶん赤旗 2025年9月26日
【カイロ=米沢博史」パレスチナのNGO「パレスチナ人権センタ-」は23日、イスラエル占領軍がパレスチナ・ガザ地区北部のガザ市への攻撃を強化し、避難先とされた中部・南部では避難民キャンプまでも爆撃していると告発する声明を発表しました。
声明によると、占領軍は空・陸・海からの攻撃を続け、市内の医療施設や住宅を相次いで破壊。ガザ市のランティシ小児病院や眼科医院が機能停止に追い込まれました。9月16~22日の空爆と砲撃で561人が死亡、その85%がガザ市の住民です。
21日未明にはガザ市サブラ地区の住宅地が爆撃され、少なくとも23人が死亡、40人以上ががれきの下に残されています。同日、ガザ市中心部の避難民テントや医師の自宅が攻撃され、多数が犠牲となりました。22日には、中部ワディガザ(ガザ渓谷)の難民キャンプが爆撃され死傷者が出ました。南部でも日常的に空爆や砲撃が続いています。
声明は「病院などの民間施設や市民を狙う行為は国際人道法違反であり、ジェノサイド(集団殺害)の一環だ」と非難。国際社会と国連安保理に対し、市民の保護、人道回廊の確保、医療・食料支援の搬入、そしてイスラエルに対するジェノサイド停止の義務付けを求めました。
ガザ支援船団に無人機攻撃 イスラエルが妨害か
しんぶん赤旗 2025年9月26日
イスラエルによる封鎖を突破し、支援物資を運ぼうとスウェーデンの活動家グレタ・トゥンベリ氏らが船団でパレスチナのガザ地区に向かうなか、イスラエルによるとみられる妨害が23日、ギリシャ沖で発生しました。これを受け、スペインとイタリアが24日、救援のために軍艦を派遣すると明らかにしました。
国際NGO「グローバル・スムード・フロティラ」(GSF)による船団には、約45力国から医師、法律家、議員ら約500人の市民が乗船。8月末にスペインを出発し、チュニジアを経由し、ガザに近づく最終段階に入っていました。
ロイター通信によると、GSFの船団は、ギリシャの南、ガブドス島沖56kmの公海上で12機のドローン(無人機)から攻撃を受けたといいます。ドローンが船団の上空で爆発。乗員にけがはありませんでした。GSFは、イスラエルによる妨害だと批判しています。
イタリアのクロセット国防相は、声明を出し、加害者は「現時点で正体不明」としながら、船団への攻撃を強く非難。イタリア人の乗員を救援するために、クレタ島北部を航行していたフリゲート艦に対し、GSFのいる海域に向かうよう指示したことを明らかにしました。
スペインのサンチェス首相も、救援のための軍艦を派遣すると表明。国連総会が開かれている米ニューヨークで記者団に対し、「スペイン政府は、国際法と、市民が地中海を安全に航海できる権利が尊重されるよう主張する」と語リ、25日にも、必要な資源を積んだ軍艦が同国南東部のカルタヘナから出航すると述べました。
「湯の町湯沢平和の輪」は、2004年6月10日に井上 ひさし氏、梅原 猛氏、大江 健三郎氏ら9人からの「『九条の会』アピール」を受けて組織された、新潟県南魚沼郡湯沢町版の「九条の会」です。