2023年10月23日月曜日

万博会場建設費 また膨張 当初見込みの1・9倍 2350億円に

 254に大阪・夢洲で開催される大阪・関西万博の会場建設費をめぐり、日本国際博覧会協会20日、政府と大阪府市、財界に建設費の精査結果を報告しました建設費は当初見積もりの約19倍2350億円に膨れ上がりました。
 建設費は、国と大阪府市、経済界で3分の1ずつ負担するので、3分の2を割り当てられる国や府市の負担も2倍近くになります。
 SNSでは維新に対して、『そもそもそんな場所を選んだのが間違い』、『維新は費用を自前で確保出来ず維新は国に責任転嫁した』、『海外パビリオンは建設に消極的。血税を投入してまでやることか!』、『血税の無駄遣い 負債が大きく出る前に、即刻中止しろ』、『違約金な では維新の党とその支持者らが払うべきだろ!』などの辛辣な批判が浴びせられています。

 カジノ誘致と一体で万博を推進してきた維新に対し、「万博は『身を切る改革』の例外なのか」などの批判が出るのは当然のことです(しんぶん赤旗)

 ところで大阪・関西万博の「目玉」が次々と消滅する危機に晒されています。
 まず日本初の商用運航を目指す「空飛ぶクルマ」は、機体量産が開幕に間に合わ 最大でも数機に留まる見通しです。
 これまで豪華さが評判になった海外「パビリオンA」は、当初56か国を見込んだのに対して 20か国ほどに留まる見込みです
 軟弱地盤の夢洲では40の深さまで杭を打つ必要がある上に、万博終了の数カ月以内に杭を撤去するよう義務付けられています。維新が敢えてそんな場所を開催地に決めた理由はカジノを誘致する上で、カジノ誘致のためのインフラ整備「国策」である万博に担わせられるからです。
 現時点で次々に明らかになった不都合は、維新にほぼ全ての責任があります。
 夢洲に資材を運ぶ動線2本しかないのも工事のピッチを上げるうえで致命的です。いまでは工期的に間に合うと思っている万博関係者は皆無に近く、このままでは万博会場は空き地だらけになるということです。

 こんなありさまでは7500円もの入場料を払って、人々が押し寄せるとはとても思えません(日刊ゲンダイ)。しんぶん赤旗と日刊ゲンダイの記事を紹介します。
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  (9月27日)泥船化する大阪万博・カジノ構想 国に泣きつくも膨らむのは公的負担のみ
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万博会場建設費 また膨張 当初見込み19倍 2350億円に
                       しんぶん赤旗 2023年10月21日


 2025年4月から大阪市此花区の人工島・夢洲(ゆめしま)で開く予定の大阪・関西万博の会場建設費をめぐり、日本国際博覧会協会は20日、建設費の精査結果を政府と大阪府市、財界に報告しました。建設費は、当初見積もりの約19倍の約2350億円に膨れ上がりました。
 建設費は、国と大阪府市、経済界で3分の1ずつ負担することになっており、3分の2は国や府市の公金です。負担は2倍近くになり、カジノ誘致と一体で万博を推進してきた維新に対し、「万博は『身を切る改革』の例外なのか」などの批判が起きています
 建設費は、18年の誘致決定時は1250億円を見込んでいましたが、資材費高騰や施設計画の変更などを理由に20年12月に1850億円に増額。今回、精査の結果、資材費や人件費の高騰などを理由にさらに約500億円の増額となりました。
 日本共産党大阪府委員会は同日、「万博中止、いますぐ決断を」「税金は万博よりくらしに」と府内各地でいっせい宣伝しました。

合意もなく 中止しかない
 党大阪府カジノ万博プロジェクトチーム責任者の、たつみコータロー元参院議員・衆院近畿比例予定候補の話 国民も府民の合意もないこのような支出は到底容認できず、またこれが最後の増額となる確証はありません。
 上振れの背景には資材の高騰や人手不足だけでなく、軟弱地盤、地盤沈下が起こり、PCB(ポリ塩化ビフェニール)、ダイオキシン、ヒ素などの猛毒が地中に存在する人工島、夢洲特有の問題があります。
 維新の会がこのような場所を開催地に決めた理由はカジノです。カジノを夢洲に誘致するにあたり、税金で実施するインフラ整備を「国策」である万博に担わせることを狙ったのです。
 万博関連予算はすでに1兆円を超えており、国民生活がこれだけ苦しい中、たった半年間の万博にこれだけの巨費をつぎ込むことは許されません。万博は中止しかありません。


万博より暮らしに税金 党大阪府委がいっせい宣伝
                      しんぶん赤旗 2023年10月21日
「大阪・関西万博は中止を」と日本共産党大阪府委員会は20日、府内いっせい宣伝に取り組み、衆院予定候補、議員らを先頭に各地で、府委員会が作成した「万博中止 今すぐ決断を!」「税金は万博よりくらしにツコて!」と呼びかけるビラを配り、対話を広げました。22日までの3日間をいっせい宣伝デーとして呼びかけています。
 清水ただし衆院近畿比例・大阪4区予定候補はこの日、大阪市城東区の女性後援会とともに宣伝。JR鴫野(しぎの)駅前では、当初の19倍の2350億円に膨れ上がった建設費に府民の税金がつぎ込まれることや、建設労働者の残業規制を外して長時間労働を押し付けようとしている問題、万博を隠れみのにカジノ誘致と一体に予定地の夢洲(ゆめしま)開発に突き進んでいる問題を指摘し、「カジノ・万博より福祉、くらし支援を」と訴えました。
「カジノ反対」のプラスターを見て「私もこれに賛成。頑張ってください」と話しかけてくる女性や、「応援しています」などの激励が相次いで寄せられました。


大阪万博は「回転ずし」コーナーだらけに? 
        吉村知事の豪語虚しく“目玉消滅”で会場はスカスカ必至
                          日刊ゲンダイ 2023/10/17
 2025年大阪・関西万博の「目玉」が次々と消滅危機だ。まず日本初の商用運航を目指す「空飛ぶクルマ」の機体量産が、開幕に間に合わない見通しだと判明した。
「府と大阪市は会場の夢洲と、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンなど大阪の観光地5カ所を空飛ぶクルマで行き来する計画でした。しかし、委託された4つの企業グループのうち、2つは量産に必要な安全認証の取得が遅れ、26年の取得を目指すと発表。1つは商用運航を断念し、万博までに調達できる機体数は最大数機にとどまる見込みです」(運営主体の日本国際博覧会協会関係者)

空飛ぶクルマも海外パビリオンも頓挫
 大阪府の吉村知事は8月のイベントで「大阪のベイエリアを、普通の人が自転車に乗るみたいに、空飛ぶクルマに乗ってぐるぐる回っているのを、万博でやります」と豪語していたが、13日の会見では「飛べば十分だ」「地下鉄のようにすごく飛び交うようなイメージにはならない。万博がゴールではなく、レガシーとしてどう残していきたいか、だ」と思いっきりトーンダウン。未来の暮らしを変える「移動革命」の象徴のはずが、「しょぼい万博」のシンボルとなりかねない。
「万博の華」の海外パビリオンも自前での建設を断念する国が続出。当初は60カ国による計56施設の出展が見込まれていたが、各国が独自に建てる「タイプA」の建設を諦める国が相次いでいる
 背景にあるのは建設業界の資材高騰や人手不足で、建設費の予想額を上回り、契約が難航。多くの国が他国と共同使用の「タイプC」や、日本側によるプレハブ建て売りの「タイプX」に移行する意思を表明し、建物自体が展示物で万博の目玉となるタイプAは最終的に当初予定の半分以下、20カ国程度になってしまう可能性もある。

大手ゼネコンのホンネは「万博に近づきたくない」
 そのため、建設予定地の区画が想定通りに埋まらず、スカスカとなる懸念も出始めている。15日付の朝日新聞は「(大阪発祥の)回転ずしコーナーにすればいい」と万博協会幹部の投げやりな声を伝えていたが、そもそもタイプAの建設も開幕に間に合いそうもない。大手ゼネコン関係者が言う。
「事実上の工期は来年いっぱいなのに、会場の夢洲に資材を運ぶ動線は現状2ルートしかなく、軟弱地盤の夢洲では40メートルの深さまで杭を打たなければ強固な地盤に届かない。おまけに、その杭を万博終了の数カ月以内に撤去するよう義務付けられています。杭工事は安全に引き抜く方が大変なんです。建設が間に合うと思っている関係者は皆無に近く、大手ゼネコン各社は皆、万博に近づきたくないのがホンネです」
 このままでは、開幕しても万博会場は空き地だらけ。まさか、更地同然のスペースを回転ずしコーナーで埋め尽くす気なのか。7500円もの入場料を払って、回転ずしを食べに行くアホはどこにもいない。