2023年10月16日月曜日

ガザ南部退避は「不可能」 国連総長「国際法順守を」/世界中でガザ攻撃に抗議するデモ

 イスラエル軍は14日朝、ガザ北部の住民100万人以上に南部への24時間以内の退避命じた期限を迎えたとして、住民に日本時間午後4時~10時の間に軍が示した経路で退避するよう求めるメッセージを出し、この経路を使えば危害を加えないなどと述べました。

 ネタニヤフ首相は「前例のない力で敵を攻撃している」これは始まりにすぎない」と述べました。
 現地ジャーナリストによれば「南部も空爆されてい安全な場所はない」ということです。パレスチナの人びとには、1948年のイスラエル建国で約75万人が故郷を追われたナクバ(大災厄)を繰り返したくないとの強い思いがあります(しんぶん赤旗)

 グテレス国連事務総長は13日、イスラエル軍がガザ市の全住民に対して24時間以内に南部へ退避するよう求めたことについて「まったく不可能なことだ」と語り、撤回を要請しました。また「戦争にもルールがある」と語り、国際人道法などの順守、民間人の保護、ガザで拘束されているすべての人質の即時解放を求めました。
 グリフィス国連事務次長は同日、で、イスラエルの退避要請について「戦争のルールと人道の基本を無視するものだ」と厳しく批判しました
 イスラム教徒の集団礼拝日の金曜日だった13日、中東をはじめ世界各地で、パレスチナに連帯し、イスラエルのガザ攻撃に抗議するデモが行われました。

 しんぶん赤旗の2つの記事を紹介します。
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ガザ南部退避「不可能」 国連総長「国際法順守を」
                       しんぶん赤旗 2023年10月15日
【ワシントン=島田峰隆】グテレス国連事務総長は13日、イスラエル軍がガザ市の全住民に対して24時間以内に南部へ退避するよう求めたことについて「まったく不可能なことだ」と語り、撤回を要請しました。ニューヨークの国連本部での記者会見で述べました。
 グテレス氏は、ガザ南部の病院がすでに患者であふれており、医療体制が崩壊の瀬戸際にあることなどを指摘。「人口密集地の戦争地帯で地域全体が包囲されている時に、100万人以上の人々を食料や水、宿泊施設のない場所へ移動させることは、極めて危険だ。場合によってはまったく不可能だ」と強調しました。
 グテレス氏は「戦争にもルールがある」と語り、国際人道法などの順守、民間人の保護、ガザで拘束されているすべての人質の即時解放を求めました
 グリフィス国連事務次長(人道問題担当)は同日、X(旧ツイッター)で、イスラエルの退避要請について「戦争のルールと人道の基本を無視するものだ」と厳しく批判しました。「ガザは激しい空爆のもとにある。退避できる安全な場所はない」「大勢の民間人の移動は人道上の破滅的な結果と長期にわたる影響をもたらす」と警告しました。


流血の連鎖 終わりに ガザ攻撃に世界中で抗議
                       しんぶん赤旗 2023年10月15日
 イスラム教徒の集団礼拝日の金曜日だった13日、中東をはじめ世界各地で、パレスチナに連帯し、イスラエルのガザ攻撃に抗議するデモが行われました。

中 東
【カイロ=秋山豊】中東」各国からの報道によると、エジプトやヨルダン、レバノン、イラク、シリア、カタール、イエメン、イラン、トルコでデモが行われました。
 イラクの首都バグダッドでは、シーア派指導者のムクタダ・サドル師の呼ぴ掛けた「ガザ支援」集会に数万人が集まり、「占領ノー」「アメリカにノー」などと唱和しました。主催者は「この集会は占領されたパレスチナで起きている流血や権利侵害を非難するために開かれている」と述べました。
 ヨルダンの首都アンマンでは、主要モスクの前で数万人がデモ。エジプトでは、首都カイロにあるアズハル・モスクでデモが行われました。イスラムスンニ派の最高権威機関アズハルは11日に「アラブとイスラム諸国に対し、ガザのパレスチナ人への人道支援を急ぐ宗的および歴史的責任を自覚するよう求める」との声明を出していました。
 パレスチナのヨルダン川西岸北部ジニンでも礼拝後、イスラエルによるガザの人たちの虐殺に抗議する行動が取り組まれました。参加者はパレスチナ人が団結し、イスラエルの占領と教争犯罪に対する抵抗を強化しようと訴えるスローガンを唱和しました。
 同日、西岸各地で衝突が起き、イスラエル治安部隊の発砲によりパレスチナ人16人が死亡したと伝えられました。
 イスラエルの人権団体ベツェレムは13日、西岸で非武装のパレスチナ人を銃で殴り、至近距離で発砲するユダヤ人入植者を映した動画をX(旧ツイッター)に投稿しました。

東南アジア
【ハノイ=面川誠」インドネシアマレーシアでは13、14の両日、多くの市民がイスラエルによるガザ攻撃を非難し、パレスチナヘの連帯を訴えるデモに参加しました。両国ともイスラム教徒が多数を占めています。
 インドネシアの首都ジャカルタでは、参加者がイスラエルによるパレスチナ占領の終結を要求。インドネシア労働組合総連合は、米国大使館前で集会を開き、「パレスチナとイスラエルの戦争を終わらせよ」と書かれた横断幕を掲げ、米軍によるイスラエル支援をやめるよう訴えました。
 マレーシアの首都クアラルンプールで開かれたデモの参加者は、「スラエルによるパレスチナ人虐殺を阻止せよ」と書かれた横断幕を掲げてガザ攻撃の停止を求めました。デモにはムヒディン元首相ら国会議員も参加しました。

南アジア
 パキスタン各地では、イスラエルによるガザの包囲と爆撃に抗議し、パレスチナ人に対する抑圧の終結を求めるデモが行われました。
イスラム政党などが呼び掛け、女性や子どもらも参加しました。北部のカイバル・パクトゥンクワ州ではバイクによるデモも行われました。
 バングラデシュのダッ力では、金曜礼拝後にイスラム諸団体が合同でデモ行進しました。各地で同様のデモが実施され、パレスチナに対するイスラエルの報復攻撃反対、パレスチナ独立国家への世界の団結を呼び掛けました。
 スリランカのコロンボで行われたデモでは「パレスチナ、あなたたちは決してひとりではない」などのプラカードが掲げられ、パレスチナに連帯を示しました。

  で双方攻撃を非難 パレスチナとイスラエル支持者
【ニューヨーク=時事」米ニューヨーク・マンハッタンの繁華街タイムズスクエアで13日、パレスチナ自治区ガザで空爆を続けるイスラエルに反発する抗議活動が行われました。進路を挟んでイスラエルの国旗を掲げた人々も集結。双方がにらみ合いとなりました。
 現場には多数の警察官が警備のために出動。パレスチナ支持者は柵で囲まれたエリア内で、プラカードを掲げたり、パレスチナの旗を振ったりして、「パレスチナに自由を」などと叫び続けました。参加した地元の男子大学生(24)は「イスラエルは支持できない。この国に対立の原因がある」と言い切りました。
 一方、道路を挟んだ別の柵内ではイスラエルの国旗を振りながら、イスラム組織ハマスによるイスラエル攻撃に抗議する人々の姿がられました。パレスチナ支持の通行人がイスラエル支持者に食ってかかり、警察官が制止するなど一帯が緊張感に包まれる場面もありました。