2023年10月25日水曜日

25- 地図からパレスチナを一掃するイスラエルの卑劣な好機

 「マスコミに載らない海外記事」に掲題の記事が載りました。

 これは別掲の記事と同様に、現在のガザにおける悲劇は、イスラエルが1948年に国家となる以前から一貫してパレスチナ人を排除=民族浄化目指してきたことの一環であることを、実態に即して明らかにしています。
           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
地図からパレスチナを一掃するイスラエルの卑劣な好機
               マスコミに載らない海外記事 2023年10月24日
                 フィニアン・カニンガム 2023年10月19日
                    Strategic Culture Foundation
 バイデンとイスラエルが民間人の苦しみを軽減することを本当に心配しているなら、彼らはイスラエルに通じるガザの検問所を開くはずだ。
 敵のアラブとイランが「イスラエルを地図から一掃する」ことを望んでいるとイスラエル指導者連中が非難することがよくある。この告発は、暗黙にナチスを含意し、相手はイスラエル国家を全滅させる邪悪な計画を抱いていると描きだすのを狙っている。
 皮肉なことに、過去二週間にわたるイスラエルとパレスチナの暴力エスカレーションは、何十年にもわたってシオニストの夢を悩ませてきたパレスチナ問題を最終的に解決する機会をイスラエル過激派に与えているようだ。

 10月7日のハマスの大量殺戮をイスラエルの「9/11の瞬間」とベンヤミン・ネタニヤフは呼んだ。
 ハマスの銃とロケット攻撃以来、ネタニヤフ政権は毎日いつものイスラエルの血の欲望を遙かに超えた復讐でガザ地区を攻撃している。広範囲にわたる無差別空爆とパレスチナ民間人殺害は、イスラエルの基準から見ても衝撃的だ。
 10月7日にハマスに殺された1,300人のイスラエル人と比較して、パレスチナ人の死者数は、これまでのところほぼ3,000人近い。更に1,000人のパレスチナ人が瓦礫の下に埋もれ行方不明になり、10,000人近くが負傷している(編集部注=19日現在)。暴力と病院破壊から逃れようとする民間車列へのイスラエル爆撃は、今後数日間で死者数をさらに増やすだろう。

 ハマスが犯した凶悪な殺人にもかかわらず、パレスチナ民間人のこの虐殺の正当化は絶対にあり得ない
 イスラエル国家によるこの毎日の虐殺に直面したアメリカとヨーロッパ政府の沈黙はぞっとする。欧米はイスラエルの戦争犯罪を支持し教唆に加担している
 重要なことに、恐ろしい爆撃は、パレスチナ人が飛び地にとどまるのを不可能にする食料、水、燃料など基本的な人道上の必要性に対するガザ地区の完全封鎖を伴っている。彼らはエジプトと国境を接するガザ南端に一斉に移動するよう命じられている。

 ガザの領土に国境検問所は三カ所しかない。北のエレズ検問所と南のケレム・シャローム検問所はどちらもイスラエルに入るものだ。この二つの検問所は閉鎖されている。ガザ南部にありエジプトに通じるラファの第三検問所は、イスラエルがガザで作り出している爆撃地獄から抜け出す唯一の経路として交渉されている。
 ネタニヤフが言及した「9/11の瞬間」は最も陰険な計画、つまりパレスチナ人を領土から完全排除する「最終的解決策」を実施する好機に思える。テルアビブの現政権を構成するファシストにとって、これはパレスチナの国家的存在を領土から消すシオニスト・プロジェクトを完成する重要な好機だ。ガザが消滅すればパレスチナ国家は消滅するだろう。

 密かに望んでいた外国戦争を開始し、地政学的な敵に対し全面的支配力を行使し、自国民に対し広範な国家監視力を発動する口実として、2001年9月11日のテロ攻撃をアメリカ帝国の計画者連中が利用したように、イスラエル国家は、10月7日のハマスの残虐行為を、より大きな目的のために利用しているのだ。彼らの真っ只中にいるパレスチナ人を根絶するという鬱積していた計画を解き放つために

 ほぼ30年間、アメリカが支援した歴史的和平プロセスは、パレスチナ人にとって身勝手な行き詰まりに他ならなかった。問題は、その間、終始ワシントンとテルアビブが口先だけで支持したパレスチナ国家創設という少なくとも名目上の選択肢があったことだ。
 だが今やイスラエルはパレスチナを地図から完全に一掃する可能性がある–永遠に。
 今世界が目にしているのは、もう一つの「ナクバ」、つまりイギリス植民地パレスチナ委任統治領からイスラエル国家が最初に形成された1948年にパレスチナ人が受けた大惨事だ。その後、約700万人のパレスチナ人が土地を奪われ家を失った。彼らの多くは、ヨルダン、レバノン、シリアなど近隣諸国で恒久的難民になった。今日に至るまで、彼らの子孫は彼らのパレスチナの故郷に戻ることを禁じられている。

 卑劣な歴史の木霊の中、75年後、今ガザの230万人の人々は爆弾が降り注ぐ中、脱出を余儀なくされている。ガザの一部パレスチナ人は、これが隠された永久追放計画なのを恐れ、周囲の爆撃テロにもかかわらず、退去するのを拒否している
 パレスチナの民間人は安全のためガザを離れるように命じられているとイスラエルとジョー・バイデン大統領のアメリカ政権は皮肉なことに主張している。アメリカは今後数日で起きると予想されるイスラエルによる地上侵攻を支持している。東地中海にアメリカ空母打撃群が二つ存在しているのは、パレスチナ人を支援するため軍事的に介入しないようにと言う他の地域諸国に対する警告だと思われる。

 尊敬される調査ジャーナリスト、シーモア・ハーシュは、ネタニヤフの戦時内閣がハマスの存在を消し去るためガザ地区全体の抹殺を計画していると言うイスラエル情報筋を引用している。イスラエル軍はアメリカが供給した地下50メートルで爆発可能な二トンのバンカーバスター爆弾の投下準備をしているとハーシュは報じている。
 この延長で、極悪非道な基本計画の一部は、パレスチナ人をエジプトのシナイ砂漠に大量追放し、1948年のナクバで、ヨルダンやレバノン、シリアに逃亡した後の難民に降りかかったと同様の恒久的テント村で暮らすよう期待しているのだ。

 「民間人死傷者を最小限に抑える」ためガザに人道回廊を設置する方法を模索しているとバイデン政権は主張している。民間人の大量殺戮を含む、イスラエルが望むあらゆる復讐行動をとるための完全かつ無制限の軍事的支援を与えながらだ。
 バイデンとイスラエル人が民間人の苦しみを軽減したいと本当に心配しているなら、彼らはイスラエル領に通じるガザの他の二つの検問所を開くはずだ。しかし彼らはそれをしていない。明らかに、検討されている唯一の検問所はエジプトの検問所だ。それはネタニヤフ政権が長い間切望してきた民族浄化を促進するためだ。

記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2023/10/19/israels-despicable-chance-to-wipe-palestine-from-the-map/