2023年10月11日水曜日

暴力の悪循環を止める自制を強く求める イスラエルでの戦闘で共産党が談話

 7日、パレスチナのイスラム組織ハマス数百人の特殊部隊をイスラエルに侵入させ、ロケット砲などで大規模攻撃を仕掛け音楽イベントの参加者など約200人のイスラエル人と外国人を人質としてガザに拉致しました
 これに対しイスラエルのネタニヤフ首相は「長期の厳しい戦争」を言明し、ガザ地区を大規模に破壊しつくす構えで、同地区への電力、食料、燃料などの一切の遮断措置も発表しました。
 共産党の志位氏はこの戦闘について10日、「暴力の悪循環を止める自制を強く求める」とする談話を発表しました
 談話は、ハマスによる無差別攻撃と民間人の連行は、国際人道法の明白な違反であり決して許されないとする一方で、今日の事態の根底にはイスラエルがこの間、住民の強制排除をおこないながら国際法違反の入植を拡大し続け、ガザ地区には封鎖と、空爆や侵攻を繰り返してきたという問題があるとして、イスラエルのネタニヤフ首相「長期の厳しい戦争」を言明し、ガザ地区を大規模に破壊しつくす構えで、同地区への電力、食料、燃料などの一切の遮断措置したことは、占領下にあって保護されるべき人々に対する集団的懲罰であり、正当化できない強く非難しました。

 パレスチナ人民の悲劇は、第2次世界大戦後に祖国を持たないユダヤ人に英米などの強国が国土を与えようと、(現在のイスラエル国に相当する地区に)それまで居住していた人民を強制的に立ち退かせてイスラエル国家を樹立した反動で、住居地を失ったパレスチナ人民を強制的にガザの地に追いたてられたという理不尽に拠っていたのでした。
 ハマスが突然イスラエルを攻撃した経緯等については別掲の記事を参照ください。
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暴力の悪循環を止める自制を強く求める 
      パレスチナのハマスとイスラエルの戦闘について
                       しんぶん赤旗 2023年10月11日
志位委員長が談話
 日本共産党の志位和夫委員長は10日、パレスチナのイスラム組織ハマスとイスラエルの戦闘について、「暴力の悪循環を止める自制を強く求める」とした談話を発表しました。

 一、パレスチナのイスラム組織ハマスによるイスラエルへの大規模な攻撃と、イスラエルの報復攻撃で、多数の死傷者が出ており、紛争の拡大が強く憂慮される深刻な事態となっている。
 一、ハマスの無差別攻撃と民間人の連行は、国際人道法の明白な違反であり、いかなる理由があっても決して許されず、強く非難する。
 一、これに対し、イスラエルのネタニヤフ首相は、「長期の厳しい戦争」を言明し、ガザ地区を大規模に破壊しつくす構えで、同地区への電力、食料、燃料などの一切の遮断措置も発表した。おびただしい犠牲を生む無差別の攻撃は、占領下にあって保護されるべき人々に対する集団的懲罰であり、正当化できない
 暴力の応酬の悪循環を止めるため、双方は最大限の自制をすべきである。
 一、今日の事態の根底には、イスラエルがこの間、住民の強制排除をおこないながら国際法違反の入植を拡大し続け、ガザ地区には封鎖と、空爆や侵攻を繰り返してきたという問題がある

 日本共産党は、中東和平をめざすうえで、
 (1) イスラエルの占領地からの撤退
 (2) パレスチナ独立国家樹立を含む民族自決権の実現
 (3) 両者の生存権の相互承認
という三つの原則を主張してきた。これらは、国連の一連の決議にみられるように、国際的なコンセンサスとなってきた。
 暴力の連鎖と紛争の拡大は、パレスチナ国家の実現とイスラエルとの平和共存につながる交渉を通じてのみ、終わらせることができる。事態を打開し、国際的な合意を踏まえた中東和平への道を拓(ひら)くためにも、わが党は、関係各国と国際機関が今、あらゆる外交努力をおこなうよう強く呼びかける。


戦闘激化 死者1600人超す イスラエル「ガザ包囲」 ハマスは「人質」拉致
                       しんぶん赤旗 2023年10月11日
【カイロ=秋山豊】パレスチナのイスラム組織ハマスとイスラエルとの戦闘で9日、双方の死者が約1600人を超えました。イスラエルは30万人の予備役兵招集を発表するとともに、ガザへの食料や電気、燃料の流通を止める「完全包囲」をおこなうと発表しました。イスラエル軍によるガザへの地上侵攻が予想されるなか、ハマスは、イスラエルが警告なしにパレスチナ人の家屋を爆撃するたびに人質を処刑すると警告しました。
 イスラエルメディアによれば、ハマスの攻撃で900人以上が死亡し、2700人以上が負傷しています。ハマスの戦闘員は音楽祭の会場も襲撃し、約260人が死亡しました。イスラエル軍は、一時的にハマスによって制圧されていたガザとの境界近くのすべての町の支配を再確立したと述べました。一方でハマスに拉致された人々は100人を超えています
 イスラエル軍はガザへの空爆を続け、これまでに687人が死亡し、3726人が負傷しました。約13万7000人が国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の運営する施設に避難しています。
 イスラエルによる「完全包囲」について、国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチは「占領地の住民から食料と電気を奪うことは集団的懲罰であり、戦争犯罪だ」と批判しました。
 イスラエルとレバノンの国境では、イランを後ろ盾とするレバノンの武装組織ヒズボラのメンバー少なくとも3人がイスラエルの攻撃で死亡。ヒズボラはイスラエルにロケット弾を発射しました。

 グテレス国連事務総長は9日、国連本部で記者会見し、ハマスの攻撃を「全面的に非難」し、「攻撃の即時中止とすべての人質の解放を求める」と述べました。同時にイスラエルによる報復攻撃について、「国際人道法を厳格に守って行わなければならない」と警告し、イスラエルが行おうとしているガザの完全封鎖について、強い懸念を表明しました。