平和の輪について


目 次 

はじめに
A 「湯の町湯沢平和の輪」申し合わせ事項
B 入会手続き
C 「九条の会」アピール
D 非核平和の世界へ -湯沢町の歩み- 
E 2012年度“平和の輪”活動方針
      F 2012年度“平和の輪”総会アピール
G 非核平和の取り組みに関する要請
H 第46回総選挙に当たって呼びかけます
 I  2013年度“平和の輪”活動方針(骨子)
 2013年度“平和の輪”総会アピール



はじめに 

「湯の町湯沢平和の輪」は、2004610日に井上 ひさし氏、梅原 猛氏、大江 健三郎氏ら9人からの「『九条の会』アピール」を受けて組織された、新潟県南魚沼郡湯沢町版の「九条の会」です。

当会では、組織の規約に当たるものとして「湯の町湯沢平和の輪 申し合わせ事項」を定めています。会の目的に賛同し、入会金500円を納入していただけば、どなたでも会員になれます。


A 「湯の町湯沢平和の輪」申し合わせ事項 

1.この会は、湯の町湯沢平和の輪(略称「平和の輪」)といいます。

2.この会は、「平和なくして幸せなし」 「観光も保養も平和でこそ」を合言葉に、平和憲法を守り活かすことをめざして、平和の輪をつくり、広げていくことを目的にします。

3.会の目的に賛同し、入会金(500円)を納入すれば、誰でも会員になることができます。

4.会の運営のために世話人を置きます。世話人は話し合いで代表を決め、そこに事務局を置きます。

5.この会は、月に一度の例会と、年に一度の総会を中心として会員の創意と総意に基いて運営し、活動します。

6.この会は、入会金と募金等によって運営します。
  収支の状況は総会に報告して、承認を得るものとします。

7.その他必要な事項は、会員の話し合いで決め、いきいきとした明るい会運営に努めることとします。 

B 入会手続き 

B6判程度の用紙に下記の事項を記載して、入会金500円を添えて事務局にお出しください。

(タイトル)
湯の町湯沢平和の輪 入会申し込み

(文  面)
「湯の町湯沢平和の輪」に入会したいので、入会金を添えて申し込みます。

(日付・氏名・住所等)
     年  月  日  (氏名)           
住所                  Tel          
  
      (アーカイブに掲載した「入会申込書」を印刷して記入されても結構です)


C 「九条の会」アピール 

  日本国憲法は、いま、大きな試練にさらされています。

ヒロシマ・ナガサキの原爆にいたる残虐な兵器によって、五千万を越える人命を奪った第二次世界大戦。この戦争から、世界の市民は、国際紛争の解決のためであっても、武力を使うことを選択肢にすべきではないという教訓を導きだしました。

侵略戦争をしつづけることで、この戦争に多大な責任を負った日本は、戦争放棄と戦力を持たないことを規定した九条を含む憲法を制定し、こうした世界の市民の意思を実現しようと決心しました。 

しかるに憲法制定から半世紀以上を経たいま、九条を中心に日本国憲法を「改正」しようとする動きが、かつてない規模と強さで台頭しています。その意図は、日本を、アメリカに従って「戦争をする国」に変えるところにあります。そのために、集団的自衛権の容認、自衛隊の海外派兵と武力の行使など、憲法上の拘束を実際上破ってきています。また、非核三原則や武器輸出の禁止などの重要施策を無きものにしようとしています。そして、子どもたちを「戦争をする国」を担う者にするために、教育基本法をも変えようとしています。これは、日本国憲法が実現しようとしてきた、武力によらない紛争解決をめざす国の在り方を根本的に転換し、軍事優先の国家へ向かう道を歩むものです。私たちは、この転換を許すことはできません。 

アメリカのイラク攻撃と占領の泥沼状態は、紛争の武力による解決が、いかに非現実的であるかを、日々明らかにしています。なにより武力の行使は、その国と地域の民衆の生活と幸福を奪うことでしかありません。一九九〇年代以降の地域紛争への大国による軍事介入も、紛争の有効な解決にはつながりませんでした。だからこそ、東南アジアやヨーロッパ等では、紛争を、外交と話し合いによって解決するための、地域的枠組みを作る努力が強められています。

二〇世紀の教訓をふまえ、二一世紀の進路が問われているいま、あらためて憲法九条を外交の基本にすえることの大切さがはっきりしてきています。相手国が歓迎しない自衛隊の派兵を「国際貢献」などと言うのは、思い上がりでしかありません。 

憲法九条に基づき、アジアをはじめとする諸国民との友好と協力関係を発展させ、アメリカとの軍事同盟だけを優先する外交を転換し、世界の歴史の流れに、自主性を発揮して現実的にかかわっていくことが求められています。憲法九条をもつこの国だからこそ、相手国の立場を尊重した、平和的外交と、経済、文化、科学技術などの面からの協力ができるのです。

私たちは、平和を求める世界の市民と手をつなぐために、あらためて憲法九条を激動する世界に輝かせたいと考えます。そのためには、この国の主権者である国民一人ひとりが、九条を持つ日本国憲法を、自分のものとして選び直し、日々行使していくことが必要です。それは、国の未来の在り方に対する、主権者の責任です。日本と世界の平和な未来のために、日本国憲法を守るという一点で手をつなぎ、「改憲」のくわだてを阻むため、一人ひとりができる、あらゆる努力を、いますぐ始めることを訴えます。

2004610

井上 ひさし(作家)   梅原 猛(哲学者)   大江 健三郎(作家)
奥平 康弘(憲法研究者) 小田 実(作家)    加藤 周一(評論家)
澤地 久枝(作家)    鶴見 俊輔(哲学者)  三木 睦子(国連婦人会)


D 非核平和の世界へ -湯沢町の歩み- 

2010年(平成22年)6
「湯沢町非核平和都市宣言」を行う

2011年(平成23年)4
平和市長会議(非核平和をめざす国際NGO)に加盟

2011年(平成23年)12
     「非核平和宣言のまち」の看板を“ふるさと納税”の活用で設置

2012年(平成24年)3
     「柏崎・刈羽原発の再稼働を認めない為の決議」を議会採択
 (2012.4 現在)


E 2012年度“平和の輪”活動方針 

1 憲法9条が輝きを増している平和と民主主義への世界的な流れを分かりやすく伝え、憲法9条こそ現実的な平和の力であり、平和の保障であることを広く共通の認識にしていくために力を尽くします。併せて、平和を脅かす軍事同盟強化、9条改憲の危険な動きについても広く知らせ、それを阻む平和の世論を強めていくために努力します。

2 “平和の輪”をもう一まわり大きくし、「湯沢町まちづくり基本条例」の第4章第12条の「コミュニティー」の一つとして「非核平和宣言のまち」の太い心棒となるよう、集中した意識的な取り組みを行います。

3 「湯沢町非核平和都市宣言」に基く町の取り組みに関する要請活動を引き続き行い、「宣言」が具体的に平和の力を発揮するよう努力します。

  今年度行われることになっている湯沢中学校での平和講演会が、父母や一般湯沢町民にも開かれたかたちで開催されるよう提案・要請を行います。また新たな提案・要請も積極的に行って行きます。

4 月例会、春・秋の平和キャンペーン、8月と1月の特別企画、「通信平和の輪」の定期発行など、これまで定着させてきた活動の継続と発展をめざします。

  音楽、芸能、スポーツ、旅行などと結んで、創意ある楽しい企画に心掛けるとともに、運営の面についても大勢の人が参加できるよう改善を図ります。

5 「九条を持つ日本国憲法を自分のものとして選び直し、日々行使していくこと」(「九条の会」アピール)をめざして、引き続き学習に力を入れていきます。

  連続学習では、前年度の取り組みを引き継ぎ、「『憲法を変えて戦争に行こう』という世の中にしないための18人の発言」(岩波ブックレットNo.657)を手掛りに“平和”と平和憲法について話し合い、勉強していきます。

6 戦争体験とそれに根ざした平和への想いを、世代を越えて伝えていく活動に本腰を入れて取り組みます。

  「私の戦争体験-平和への想いを込めて-」の記事の蒐集に会として組織的に力を注ぎます。

7 若い世代との結びつきを広げることをめざし、ホームページ、ブログ、ツィッターなどの活用について研究・検討を進めます。

8 近隣「9条の会」との情報交換に努め、無理のないかたちでの相互協力を行っていきます。



F 2012年度“平和の輪”総会アピール 

 「個人の最高の物質的幸福が健康であるように、平和は人間社会最高の物質的幸福である。」-これは『戦争と平和』で知られる文豪トルストイの言葉ですが、平和は幸せを求める全ての人の共通の願いです。そして世界は、戦争の違法化、軍事同盟の解消、核兵器の廃絶、集団安全保障体制の確立など平和への流れを強め、また「専制と隷従、圧迫と偏狭」を除去しようとする動きも大きな前進を見せています。まさに「平和憲法」と呼ばれる日本国憲法の指し示す不戦、非職、反戦と人権・民主主義擁護の方向こそが、現実的な未来ある流れであることを示しています。 

 ところがわが国では、こうした世界の流れ、日本国憲法が指し示している現実的で希望ある方向に反して、「防衛力強化」「日米同盟深化」「国際貢献」などの名のもとに、自衛隊海外派兵の恒久化、集団的自衛権行使の容認、非核3原則や武器輸出3原則の見直しなど戦争への動きが強められ、また政治、経済、社会の閉塞状態を利用して歴史を逆戻りさせようとする動きも目立ってきています。そして、憲法審査会の始動で新しい段階に入った憲法「改正」の動きは、このような“歴史の逆流”を背景に、いよいよ具体的、本格的なものになってきており、平和を願う私たちにとって油断のできない状況になっています。 

 「戦後レジームからの脱却」を標榜して出発した安部内閣のもと、9条を中心に日本国憲法を「改正]して日本を「戦争をする国」に変えようとする動きがかつてない規模と強さで台頭してきたなかで、平和を求める切実な思いから発足した私たちの会も7年目を迎えました。 

 この間、私たちの努力が実を結び、湯沢町でも「非核平和都市宣言」が行われ,「平和市長会」への加盟も実現するなどの前進をみていますが、憲法「改正」の動きが再び強まりを見せてきた状況のなか、改めて平和への取り組みを強めていかなければと考えています。

いま心から呼びかけます、「『非核平和宣言のまち』湯沢にふさわしく“平和の輪” をもっともっと大きく広げていきましょう」と。

2012年4月15
「湯の町湯沢平和の輸」2012年度総会
 

G 非核平和の取り組みに関する要請 

 2010年6月に非核平和都市宣言を行って以降、「非核平和宣言のまち」として様々な取り組みを重ねてこられたことに対し敬意を表します。

 私たちの会も、「湯沢町まちづくり基本条例」第12条にいう“コミュニテイ”としての自覚のもと、湯沢町が「非核平和宣言のまち」にふさわしい前進・発展をするよう努力を重ねていきたいと考えているところです。

 さて、新しい年度に入って2ヵ月となりますが、「非核平和宣言のまち」湯沢のさらなる前進にむけ以下のことを提案させていただきますので、その実現のためご努力くださいますようお願い申し上げます。 

1 今年度湯沢中学校で開催される予定になっている平和講演会を、生徒だけでなく父母や一般町民も参加できるかたちで実施していただきたい。 

2 本年1月に開催された平和市長会議の会合に出席されての感想や決意などを、何らかの方法で広く町民に知らせていただきたい。
 
3 8月に行われる町の成人式が「非核平和宣言のまち」にふさわしいものとなるよう、町として特別に配意をしていただきたい。 
                             2012年6月1日   
                            湯の町湯沢平和の輪
  沢 町 長 様
湯沢町教育長 様


H 46回総選挙に当たって呼びかけます 

                            平和を愛し、平和憲法を大切に思う「通信」読者の皆さんヘ
- 第46回総選挙に当たって呼びかけます -

46回総選挙が12月4日に公示され、16日には投票日を迎えます。

この総選挙を、NHkを始めとしてマスコミの多くは「民主か、自・公か、それとも『第3極』か」と、またも3年前と同様に「政権選択」の選挙に仕立て上げようとしていますが、私たちにとって本当に大切なのは“政治の中身”であり、その選択です。そして“政治の中身”の問題で、総選挙の大きな争点として浮上しているのが戦争と平和をめぐる日本の進路の問題です。 

 ・「自衛隊をちゃんと軍として認め、海外と交戦するときは交戦規定(ROE)にのっとって行動する」、「あくまでも憲法を改正していく。(改正に必要な衆参両院の)3分の2を得る道程を経て、多数を形成するj(自民党・安部晋三総裁)

 ・「憲法9条2項を子どもが読めば、自衛隊は違憲だと思ってしまう。2項を変え、自衛権を明記す八きだ」(民主光・前原誠司国家戦略担当相)

 ・「占領軍が一方的に与えた、あの醜い日本語でつづられた憲法は、いろいろと悪い影響を日本に与えてきた」、「(現行憲法は)廃棄したらいい」(日本維新の会・石原慎太郎代表)

 ・「安全保障基本法の制定と国連平和維持活動への参加を進める」(日本未来の党・「政策要綱」) 

    などと、自民、民主両党を始め、「第3極」と言われる新党も軒並み明文改憲を掲げるとともに、「現行憲法の下でも集団的自衛権は行使できる」とする解釈改憲を行って、アメリカとともに海外で戦争をする国にしようとする方向を打ち出していることは重大です。 

 第46回総選挙に当たって呼びかけます。「戦争への道か平和の継続か一明日の日本の明暗を分けるこの重要な課題にしっかりと向き合い、子どもや孫たちに胸を張れる誤りのない選択をしましょう」と。 

2012年12月8日 ・ 「不戦の日」に
           「湯の町湯沢平和の輪」 世話人会


I 2013年度活動方針骨子
 (1)重点を置いて取り組む課題
   イ 9条を持つ日本国憲法の素晴らしさを深く学び広める
   ロ 「集団的自衛権ノー」の世論を広げる
   ハ 「96条改憲(改憲要件の緩和)ノー」の世論を広げる
 (2)具体的な活動の進め方
   イ 月例会などの骨格となる活動をしっかり継続し、内容の充実をはかる。
   ロ 平和と憲法についての基本学習を大切にしながら、時々の動きに噛み合った 実践的な学習にも力を入れる。
   ハ 「非核平和のまち」づくりに向けて、町への提案・要請活動を積極的に行う。
   ニ 憲法に多くの人々の目が向く「憲法記念日」を重視し、日本国憲法の素晴らしさやそれを守り活かすことの大切さを広くアピールする取り組みを行う。
   ホ 緊迫の情勢にふさわしく会員や「通信」読者を増やし、「平和の輪」を大きくしていく。
   ヘ 戦争体験を引き継ぎ平和の礎にしていく取り組みを継続する。
   ト 伝統芸能とのコラボなどで“平和のアピール”力の向上に努める。
   チ 「九条の会」、「県9条の会」、魚沼地域各「9条の会」との相互協力・相互連携に引き続き取り組む。
 

J 2013年度“平和の輪”総会アピール(全文)

 昨年12月に行われた総選挙で自民党が単独過半数を獲得し、かねてから「戦後レジームからの脱却」を標榜して憲法「改正」に執念を燃やしてきた安倍晋三総裁を首班とする第2次安倍内閣が誕生しました。そして政権与党である自・公の議席が衆議院の3分の2を超え、この7月に行われる参議院選挙の結果によっては、国会での改憲発議を可能にする条件が整うという極めて危険な状況となっています。

 既に2007年、第1次安倍内閣の時に、憲法改正国民投票法が強行成立させられ、改憲原案の審査権限をもつ憲法審査会が稼動していて、9条改憲に向けて外堀が埋められた状態となっていますが、現在改憲の発議要件を衆参各議院の総議員の「3分の2以上の賛成」から「過半数の賛成」へと緩和する憲法96条の「改正」が次のステップとして目指されています。これは、9条改憲に向けて内堀を埋めるものとして極めて重大な動きです。

 解釈改憲の動きもまた重大です。これまで現憲法のもとでは集団的自衛権の行使は認められないとしてきた解釈を自ら踏みにじって、「認められる」とする解釈に転換し、自衛隊から“専守防衛”の足枷を外して米軍とともに地球的規模で海外での軍事行動を行えるようにしようというのです。この動きは、憲法9条を完全に骨抜きにする「究極の解釈改憲」とも言うべきものです。

 9条改憲へのこうした動きは、はかり知れない犠牲と被害をもたらしたアジア・太平洋戦争の痛苦の経験を踏まえて「日本国民は、・・・われらとわれらの子孫のために、・・・政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないやうにすることを決意し、・・・この憲法を確定する」(憲法前文抜粋)とした憲法制定の初心、原点に照らせば、到底許されるものではありません。まして憲法96条を「改正」して改憲要件を緩和し、容易に憲法が変えられることが出来るようにするなど、立憲主義そのものを空洞化させるもので、とんでもないことです。

 私たちはこの国の主権者として、「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」と定めた憲法99条を国務大臣や国会議員にきっちりと遵守させ、憲法9条(戦争の放棄、戦力及び交戦権の否認)の規定にしっかりと従わせる必要があります。それは、今を生きる私たちの、子供や孫たちに対する責任とも言えるのではないでしょうか。

 平和憲法が危急にあるこの時、お互いに知恵を出し合い力を合わせて、「国の未来の在り方対する主権者の責任」(「九条の会」アピール)を果たしていこうではありませんか。

                    2013年4月21日
                         湯の町湯沢平和の輪 2013年度総会