2014年8月31日日曜日

国会デモ規制 権利の剥奪は許されない

 自民党は28日、人種差別的な街宣活動「ヘイトスピーチ」(憎悪表現)を規制するとともに、国会周辺の大音量のデモ活動の規制強化を検討し始めました
 
 同日開かれたヘイトスピーチ規制プロジェクトチーム(PT)の初会合で、高市早苗政調会長は、国会周辺のデモや街宣について「(騒音で)仕事にならない」などと指摘し、「秩序ある表現の自由を守っていく観点から議論を進めてほしい」と求めました
 しかし国会や外国公館周辺での拡声器の使用制限は既に、1988年に「静穏保持法」で定められており、新たに制定する必要はありません。
 
 デモは有権者が政治に対して意思表示をするための重要な手段で、それに伴って多少の音量が発せられることくらいは立法府の受忍義務の範囲内です。れをさらに規制するというのは、原発や憲法などの問題をめぐる安倍政権批判を封じる狙いに他なりません。
 
 上智大の田島泰彦教授(メディア法)は「国会周辺は、あらゆる言論が最も許容されなければならず、その規制強化は民主主義の在り方にかかわる」と話していま(東京新聞)。
 
 琉球新報の社説を紹介します。
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社説 国会デモ規制 権利の剥奪は許されない
琉球新報 2014年8月30日  
 国策に異議を唱(とな)える国民を抑え付けようとする政権党の傲慢(ごうまん)さにあぜんとする。憲法で定められた主権者の権利を奪い取る横暴を断じて許すわけにはいかない。
 自民党は「ヘイトスピーチ」と呼ばれる人種差別的な街宣活動への対策を検討するプロジェクトチーム(PT)の初会合で、国会周辺でのデモや街宣に対する規制も併せて議論する方針を確認した。
 PTの方針は特定秘密保護法や集団的自衛権の行使、原発再稼働に反対するデモを想定しているようだ。しかし、明白な人権侵害であるヘイトスピーチと言論の自由に根差すデモを同列に扱う姿勢は理解できない。
 人種や出自を理由とした差別的なヘイトスピーチを続ける団体に対しては街宣禁止と損害賠償を命じる司法判断が出ている。国際社会の目も厳しい。それに対し、秘密保護法や集団的自衛権、原発再稼働は国民の判断が割れる事案だ。反対を訴えるデモが起こるのは民主国家では自然なことだ。
 街宣やデモの規制は憲法が保障する言論や集会・結社の自由を奪い取る行為にほかならない。そもそも政府の政策を批判するデモを禁ずるような先進国がどこにあるのか。「不都合な声を封じ込める言論統制だ」という懸念の声が与野党から上がるのも当然だ。
 現在の自民党は言論の自由に対する認識が浅すぎる。秘密保護法案を国会で審議していた昨年11月、石破茂幹事長は国会周辺のデモについて「単なる絶叫戦術は、テロ行為とその本質においてあまり変わらない」と自身のブログで批判した。デモとテロを同一視する石破氏の認識は国民のひんしゅくを買った。今回のPTの方針もその延長上にあると言えよう。
 高市早苗政調会長に至っては、PTの会合で「(大音量のデモで)仕事にならない状況がある。仕事ができる環境を確保しなければいけない」と発言した。政治家としての資質を疑わざるを得ない発言だ。国民のさまざまな声に耳を傾けて、政策に反映させることこそが政治家の仕事ではないのか。
 51年前の1963年8月28日、米国で黒人差別撤廃を訴える「ワシントン大行進」が行われ、翌年の公民権法の制定につながった。日本国内でも国民の声が政治を動かしてきた。これこそが民主国家の本来の姿であるはずだ。自民党はその姿に立ち返るべきだ。
 

沖縄の民意尊重を 国連人種差別撤廃委が日本に勧告

 国連の人種差別撤廃委員会は29日、日本政府に対し、沖縄の人々は「先住民族」だとして、その権利を保護するよう勧告する「最終見解」を発表しました。
 「彼らの権利の促進や保護に関し、沖縄の人々の代表と一層協議していくこと」勧告し、琉球・沖縄の言語や歴史、文化についても、学校教育で教科書に盛り込むなどして保護するよう対策を促しました
 
 沖縄は太平洋戦争後アメリカの統治下に置かれ、1972年(昭和47年)にようやく施政権が日本に返還されるという、差別的な歴史を歩みました。
 もともと沖縄は琉球王朝下の国家でしたが、約500年前の1609年に薩摩の島津軍が3000名余りで琉球国を征服し、徳川家康から琉球の支配権を承認されるなどし、その後も琉球は日本と中国(清国)との二重支配下にありました。
 そして1894年(明治27年)の日清戦争後、戦争に敗れた清国は台湾を日本に割譲するともに琉球に対する日本の主権を認めざるを得なくなりました。いまから120年前のことです。
 忘れてはならない歴史的事実です。
 
 こうした歴史的背景を踏まえていないことを海外から指摘されるのは恥ずべきことで、安倍政権に全くそうした感覚がないのは、辺野古基地建設に向けての強行ぶりからも明らかです。
 
   (関係記事)
8月22日 国連で、糸数参院議員が辺野古基地建設中止を訴え 
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沖縄の民意尊重を 国連人種差別撤廃委が日本に勧告
琉球新報 2014年8月30日  
 国連の人種差別撤廃委員会は29日、日本政府に対し、沖縄の人々は「先住民族」だとして、その権利を保護するよう勧告する「最終見解」を発表した。「彼らの権利の促進や保護に関し、沖縄の人々の代表と一層協議していくこと」も勧告し、民意の尊重を求めた。琉球・沖縄の言語や歴史、文化についても、学校教育で教科書に盛り込むなどして保護するよう対策を促した。委員会は日本政府に対し、勧告を受けての対応を報告するよう求めている。
 同委員会は2010年に、沖縄への米軍基地の集中について「現代的な形の人種差別だ」と認定し、差別を監視するために、沖縄の人々の代表者と幅広く協議を行うよう勧告していた。今回は米軍基地問題に言及しなかった。
 最終見解は、ユネスコ(国連教育科学文化機関)が琉球・沖縄について特有の民族性、歴史、文化、伝統を認めているにもかかわらず、日本政府が沖縄の人々を「先住民族」と認識していないとの立場に「懸念」を表明。「彼らの権利の保護に関して琉球の代表と協議するのに十分な方法が取られていない」ことに対しても懸念を表した。
 また、消滅の危機にある琉球諸語(しまくとぅば)の使用促進や、保護策が十分に行われていないと指摘。教科書に琉球の歴史や文化が十分に反映されていないとして、対策を講じるよう要求した。
 最終見解は今月20、21日にスイス・ジュネーブの国連人権高等弁務官事務所で開いた対日審査の結果を踏まえ、まとめられた。
 対日審査では沖縄の米軍基地問題に関して、委員から「地元に関わる問題は事前に地元の人たちと協議して同意を得ることが大変重要だ」「政策に地元住民を参加させるべきだ」といった指摘が相次いだが、最終見解では触れなかった。
 日本に対する審査は、日本が1995年に人種差別撤廃条約の締約国になって以来、2001年と10年に次ぎ、今回が3回目。
 

2014年8月30日土曜日

「国分寺まつり」で9条の会の出店を拒否、神戸市は後援を拒否

 国分寺市で11月に開かれる「国分寺まつり」で、「国分寺9条の会」と「バイバイ原発/国分寺の会」が今年の参加を拒否されました。
 
 国分寺9条の会は、2008年から毎年ブースを出し、憲法9条に関するパネル展やシール投票をしてきましたが、今年は市などでつくる実行委から「内容が政治的である」からという理由で断られました。9条の会は「到底承服できない」と、実行委と市長に参加を認めるよう要請書を提出しました。バイバイ原発の会も29日に対応を協議しました。
 
 昨年総務委員会で委員の一人から「特定の政治思想を帯びた内容の出店は問題」とする発言があり、市は今年、ブース出店者の募集要項に「政治・宗教的な意味合いのある出店の場合は参加を不可」とする文言を加わえました。「市が補助金をたてに主導したのではないか」とする見方もあります。
 
 また憲法公布記念日の11月3日に、神戸市で憲法集会を開催する予定の護憲市民団体が市に後援の名義使用を求めたところ「総合的に判断して差し控える」と断られたことが30日、分かりました。
 神戸市は5月3日の憲法記念日の集会でも「政治的中立性を損なう恐れがある」との理由で同団体を後援しませんでした
 
 憲法の尊重・擁護義務のある公務員たちが、憲法擁護の市民団体の活動を妨害したり、後援を拒否するのは不可解で あってはならないことです。
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9条の会の出店拒否 「国分寺まつり」毎年参加一転
東京新聞 2014年8月29日 
 東京都国分寺市で十一月に開かれる「国分寺まつり」で、毎年ブースを出している護憲団体「国分寺9条の会」が今年の参加を拒否されたことが二十八日、分かった。市などでつくる実行委員会は、内容が政治的であることを理由としている。9条の会は「表現の自由のじゅうりんで、到底承服できない」と同日、実行委と井沢邦夫市長に参加を認めるよう要請書を提出した。 (林朋実)
 
 同会は立川市内で記者会見した。まつりには二〇〇八年からブースを出し、憲法九条に関するパネル展やシール投票をしている。
 まつりは今年から、ブース出店者の募集要項に「政治・宗教的な意味合いのある出店」の場合は参加を不可とする文言が加わった。
 実行委の島崎幸男会長は「市民が親睦する場で賛否両論あるものを取り上げ、いざこざが起きるのは好ましくない」と説明する。
 これに対し、9条の会事務局の増島高敬(たかよし)代表(74)は「政治的内容についても市民が意見交流してコミュニケーションを深めることは、まつりの趣旨にも沿うはず」と話す。過去にトラブルはないという。
 市議会の議事録によると、昨年十一月の総務委員会で委員の一人が、特定の政治思想を帯びた内容の出店が続くなら市は五百万円の補助金支出をやめるべきだ、との趣旨の発言をし、市側は「指摘の趣旨に沿う対応を検討する」と回答していた。
 増島さんは「市が補助金をたてに出店拒否を主導したのでは」と疑念を募らせている。
 今回のまつりでは9条の会の他にも、「バイバイ原発/国分寺の会」も同じ理由で参加を拒否された。同団体は二十九日に対応を協議するという。
 国分寺まつりは十一月二日、国指定史跡「武蔵国分寺跡」に近い都立武蔵国分寺公園で開催。今年で三十一回目。歴史行列や多数の模擬店があり、例年三、四万人が訪れる。
 
 
神戸市、憲法集会また後援せず 「総合的に判断して差し控える」
共同通信 2014年8月30日
 憲法が公布された11月3日に、神戸市で憲法集会を開催する予定の市民団体が、市に後援の名義使用を求めたところ「総合的に判断して差し控える」と断られたことが30日、市民団体への取材で分かった。市は5月3日の憲法記念日の集会でも「政治的中立性を損なう恐れがある」との理由で後援しなかった。
 
 市民団体は護憲派の「神戸憲法集会実行委員会」。6月に市に後援を依頼した。申請書には「憲法の意義、役割を学び、憲法の大切さの認識を深めるため」と目的を記載していた。
 市は8月下旬、文書で理由は示さずに後援は控えると通知し、問い合わせには「総合的に判断した」と答えた。

ウクライナが15分でわかる

 「ウクライナでいま何が起きているのか
 
 プーチンの顧問で友人のセルゲイ・グラジエフが、15間の動画で、アメリカの政治家たちが自分達の権力支配を維持しようとして、ヨーロッパで戦争を起こそうと死に物狂いの試みをしている、と語っています。
 彼はアメリカの意図を冷静に分析し、それに躍らされている欧州連合の政治家たちを批判しています。更にいま起きているウクライナの惨状は、アメリカの意図が集約されたものであり、もっと巨大な不幸に向かう発火点であると見ています。
 
 しかし我々が真実を拡散し続ければ、ヨーロッパを戦争の脅威から救えるだろうと結んでいます
   (以下はその動画を書き起こした記事です。原文は日本語5600字でやや長文なため、事務局で約3000字に要約しました
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ウクライナが15分でわかる
マスコミに載らない海外記事 2014年8月29日
はじめに
 もしウクライナで一体何が起きているのか理解したいとお考えであれば、プーチンの顧問で友人のセルゲイ・グラジエフのこの15分ビデオを見る必要があるだろう。
 いま、アメリカ人政治家たちは自分達の権力支配を維持しようとしてヨーロッパで戦争を起こそうと死に物狂いの試みをしている。読者がこの分析に同意されるか否かは別として、グラジエフが聡明で、博識で、信念の上で、熱心であることをご理解されよう。それだけでも、ビデオは一見に値する。ビデオを私自身で書き起こした
Mike Whitney
 
1 グローバル経済の構造的変化の前に、大きな危機と戦争が先行することが多い
"Counterpunch" 2014年8月22-24日
 過去30年間経済成長を押し進めてきた経済構造は、寿命を迎えつつある。我々は、新たなテクノロジー体制に移行する必要があるが、不幸なことにこうした移行は、これまで常に戦争を通して実現してきた。
 30年代大恐慌が、軍拡競争を起し結局第二次世界大戦を引き起こした。冷戦時代には、宇宙における軍拡競争が過去30年間世界経済を動複雑な情報・通信技術を生み出した
 現在、我々は同様な危機に直面している。
 
2 プーチンは、新たなグローバル経済への移行を容易にする自由貿易圏を推進している
 もしもプーチン大統領が常に提案している様に、リスボンからウラジオストックに至る特恵貿易圏という広範な開発区域の共同計画、共通経済空間の形成にEUと合意できれば、共通開発地域を生み出すことで我々は、医療から、宇宙からの脅威撃退に至るまで、十分な数の画期的プロジェクトを見いだし、安定した需要を生み出すことができる。
 
3  アメリカはヨーロッパにおける戦争をアメリカ覇権維持のための最上策と考えている
 ところがアメリカは、彼等による世界支配を維持するため、ヨーロッパでの次の戦争を画策している。戦争は常にアメリカにとって好都合なのだ。5000万人の人々が亡くなった第二次世界大戦によって、アメリカは世界の大国として登場したソ連崩壊で終わった冷戦もアメリカにとって好都合だった。
 現在アメリカはまたしてもヨーロッパを犠牲にして、自らの指導力を維持しようとしている。勃興する中国や他のアジア諸国との競合に直面して、自分の主導的な立場を維持するために、アメリカはヨーロッパでの戦争を既に始めている。ヨーロッパを弱体化させ、ロシアを分裂させ、ユーラシア大陸を丸ごと支配下に置こうとしている
 
 全ヨーロッパを戦争に巻き込みヨーロッパ資本の価値を引き下げれば、アメリカが既にその重みの下で崩壊しつつある債を帳消しにし、ヨーロッパとロシアからアメリカの借金を帳消しにできる。そして巨大なユーラシア大陸の資源に対する支配確立できる。
 
 各国をお互いに争わせ紛争に巻き込み世界大戦を引き起こすというのは、まさに19世紀の地政学でそれがアメリカの考え方だ。
 アメリカ人は、ロシアから分離させるためにまずウクライナを標的にた。ユーラシア空間を丸ごと乗っ取るため、ロシアを紛争に巻き込むことを狙ったものだ。ロシアは、ウクライナ無しでは超大国とはなりえず、ウクライナをロシアと反目させることでアメリカと西欧は利益を得るいうのがアメリカの考え方だ。
 
 実際過去20年間、アメリカは、ロシアを狙ってウクライナ・ナチズムを入念に仕込んできた。東方諸国とロシアとの絆を断ち切るため、グルジアが最初の犠牲になった。今やウクライナが犠牲になり、間もなくモルドバも犠牲となろう。東方パートナーシップは、ウクライナのユーラシア統合プロジェクトへの参加を妨害するために、作り出されたのだ。
 ウクライナのポロシェンコ大統領が、ヨーロッパ指導者達と署名した連合とは一体なんだろう? それは、ウクライナのEu植民地への転換だ。EU協定に署名することによって、ウクライナは主権を喪失する。貿易、関税、技術上・金融上の規制や、国家調達の支配権をEUに譲渡する。
 
4  ウクライナ・ナチス軍事政権は、アメリカ政策の手先
 ウクライナは、欧州連合の従属的パートナーであることが、EUとの協定の中ではっきりと述べられている。ウクライナはEUの指導の下で、地域紛争の解決に参加する義務を負うのだ。かくしてポロシェンコは、ウクライナをEUの植民地にし、ヨーロッパにおける戦争に火をつけようという狙いから、ロシア戦争に引きずり込もうとしている。
 
 アメリカの狙いはできるだけ多くの犠牲者を生み出すことで、ウクライナ・ナチス軍事政権はこの政策の手先だ。彼らは都市を爆撃し、一般市民、女性や子供達を殺害し、住宅から強制的に追い立てている。それはロシアを挑発するために、そしていずれは全ヨーロッパを戦争に引きずりこむために、ポロシェンコに課せられている任務だ。
 ウクライナはナチス国家に等しく、18歳から55歳までの男性国民全員を徴兵し、拒否する人々は15年間の懲役を課している。この犯罪的ナチス権力が、ウクライナ全国民を犯罪人にしてしまうのだ。
 
5  アメリカ政府は、自らの利益のため、ヨーロッパを戦争に突入させる
 ヨーロッパ経済は、現在アメリカが押しつけている経済制裁のおかげで、約1兆ユーロを失うだろう。ドイツは、2000億ユーロを失うだろう。バルト諸国の最も過激な友人達は最悪の損失を被るだろう。エストニアの損失はGDP以上だ。ラトビアにとっての損失は、そのGDPの半分だ。彼らはそれでもアメリカが一体何をしているかを問わずに、アメリカに同調している。
 ロシアとウクライナアメリカ戦略の犠牲者なのであるが、同時にそれはヨーロッパを不安定化させるためのものでもある。それなのにヨーロッパの指導者達がアメリカに同調しているのは実に奇妙なことである
 
6  依然、被占領地域のドイツ
 反ソ連主義の政治エリート連中は冷戦後時代に、ヨーロッパで育てられたそして連中は、あっと言う間に反ロシアになった。現在我々が目にしているのは、自らの国益に反して行動している政治家連中だ。
 これは主として、ヨーロッパ成長のエンジンであるドイツが、依然アメリカの占領下の国であるという事実による。
 古い世代のヨーロッパ政治家達は、アメリカ占領の軛(くびき)を外し損ねたのだ。
 
7  ナチズムの勃興
 ソ連はもはや存在していないにもかかわらず、連中は熱狂的に、アメリカ政府に従って、NATO拡張、自らの支配下にすべく新領土獲得を続けている。欧州連合はソ連(亡き)後の地域に対する攻撃的拡張継続を止めはしない。
 
 しかし欧州議会の最新の選挙は、この親米反ロシア・プロパガンダや、ヨーロッパの人々に対して降りかかるウソの絶えざる流れで、全員が騙されるわけではないことを示している。既存のヨーロッパ諸政党は、欧州議会選挙で敗北した。
 
 ウクライナで起きているのは、ナチズムの復興なので、我々が真実を語れば語るほど、それへの反撃も大きくなる。ヨーロッパは、第二次世界大戦の教訓から、ファシズム復興の兆しを覚えている。我々は、この歴史的記憶を目覚めさせ、現在キエフで権力の座にいる、ウクライナ・ナチスが、バンデラや、シュヘヴィッチや、他のナチス協力者の崇拝者であることに気がつくようにする必要がある。
 
 もし我々が真実を拡散し続ければ、ヨーロッパを戦争の脅威から救えるだろうと私は願っている。
 

ロシア軍がウクライナへ侵攻したとするNATOの宣伝はおかしい

 28日、ウクライナNATOなどは、ロシア軍部隊がウクライナに侵攻したもののそれを殲滅したと報道しましたが、ウクライナが侵攻してきたロシア軍部隊を殲滅したという報道は、これでもう何度目かのことになります。
 
 29日の「櫻井ジャーナル」は、西側が公表する衛星写真などがいかがわしいものであることともに、ロシアが侵攻をすることなどありえないことを論証し、こうした西側のすぐ飛びつくようなことをしてはいけないと警告しています。
 
 「櫻井ジャーナル」の記事を紹介します。
 
追記) 記事の中で触れているPaul Craig Roberts氏の論文は、8月30日付「マスコミに載らない海外記事」 =  「ウソの上にウソを重ねるアメリカ政府」
   で読むことが出来ます。
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露政府が外交攻勢をかける中、NATOは露軍がウクライナへ侵攻したと宣伝するが、信憑性に疑問 
櫻井ジャーナル 2014年8月29日
 ウクライナにロシア軍の部隊が軍事侵攻したことを示す写真なるものをNATOが公表した。ウクライナ東部、ドネツクにある戦略的に重要なノボアゾフスクが反キエフ軍(ドネツク人民共和国の義勇軍)に制圧されたことを受けてキエフのペトロ・ポロシェンコ政権は「ウクライナにロシア軍が導入された」と発表、アメリカ政府は曖昧な表現で同じことを主張していた。
 
 言うまでもなく、NATOが持っている情報はアメリカも持っている。ほかのNATO加盟国の中に知らない国があったとしても、アメリカに情報が伝わっていないということは有りえない。にもかかわらず、アメリカ政府が曖昧な表現しかできなかったのは、NATOが公表したという写真に問題があるということだろう。
 約1カ月前、タイム誌がロシア領からウクライナ領に向けて砲撃している様子だとする衛星写真を載せていたが、似たような展開だ。その時は、ロシア領からウクライナ領に向けて砲撃していることを示す衛星写真だとするものをウクライナ駐在のジェオフリー・パイアット米大使がツイッターで広めていた。
 写真の出所はDNI(国家情報長官室)で、それを国務省が電子メールで流し、それをパイアット米大使がツイッターで広めたとされていたが、ポール・クレイグ・ロバーツPaul Craig Roberts元米財務次官補は即座に不自然だと指摘していた。その写真が本物ならロシア軍が自国領からウクライナへ向かって砲撃していることを示す重要な証拠であり、それを電子メールで公表するということは考えにくいというのだ。それなりの立場の人物が記者会見を開き、ミサイルの発射地点など詳細を説明するのが自然だ。実際、インチキだった。
 そのロバーツ元財務次官補は今回の写真もインチキだろうと推測、その3つの根拠を挙げている。
 
 ひとつは、ウラジミル・プーチン露大統領が外交攻勢をかけている中でロシア軍の小規模な部隊をウクライナ(ドネツク人民共和国)へ入れるというリスクを犯さないだろうということ。8月26日、プーチン大統領はベラルーシのミンスクでポロシェンコ大統領やEUの幹部とウクライナ問題について協議している。
 
 ふたつめは、もしプーチン大統領がロシア軍を派遣して住民を守る決心をしたなら、グルジアの時のように十分な規模の部隊を動かすだろうということ。この時はグルジアが南オセチアを奇襲攻撃、その反撃だった。今回も、1000名ではなく空軍も参加した10万名規模のロシア軍だという話なら信憑性は高かったとロバーツは書いているが、その通りだろう。
 本ブログでも何度か書いたが、当時のグルジア政府はイスラエルときわめて緊密な関係にあり、軍はイスラエルとアメリカから支援を受け、兵士は軍事訓練を受けていた。ロシア側では、グルジアの奇襲攻撃作戦はイスラエルが立案したものだと見ていた。
 
 第3の理由は、キエフ軍の住民に対する攻撃を止めるためなら、ロシア空軍がウクライナ軍を粉砕すれば良いとしてる。両国の軍事力を比較すれば、ロシアにとって容易いことだ。
 前から書いているように、キエフ政権は軍を掌握し切れていない。ネオ・ナチの指揮でウクライナ人を殺すことに疑問を持つ将兵も多いだろう。最近では徴兵をめぐって住民の抗議も始まっている。西側の要求が具体化してくると、ウクライナ西部でもポロシェンコ政権に対する反発は強まる可能性が高い。
 
 今年2月、アメリカ/NATOがネオ・ナチを使って実行したクーデターを「民主化」と言い張るためには嘘に嘘を重ねなければならなくなっている。今回もそうした嘘のひとつだったのだろう。ロシアが攻撃したというような話にすぐ飛びつく「ロシア嫌い」は少なくないようで、クリミアがウクライナから離脱したときもロシアの駐留軍を「侵略軍」だと表現していた。今回も同じことを繰り返している人がいる。 
 

2014年8月29日金曜日

実教出版教科書 東京・埼玉・神奈川で来年度採用なし

 東京都教育委員会、埼玉県教育委員会、神奈川県教育委員会は平成27年度に都立及び県立高校で使用する教科書を原案通り採択しましたが、結果的に実教出版の高校歴史教科書は1校も採択しませんでした
 
 産経新聞によれば、埼玉県では「原案では、26年度に8校で採択された国旗掲揚と国歌斉唱を“強制”と記述した実教出版の歴史教科書を希望した高校はなかった」とされていますが、実際には各都県の高校において様々な圧力が加えられた結果です。
 
 神奈川県における実教出版の高校歴史教科書の採用に対する、県や市の教育委員会の干渉については、820の当ブログ記事:「実教日本史教科書に都・県教委の規制」に寄せられたコメントで、神奈川の「公正な教科書採択を求める県民の会」のメンバーから、要旨次のような報告をいただいています
 
 『神奈川県教委会議ではここまでの県民・当該校職員からの請願をすべて退けた上で、実教出版の当該教科書を排除した形での教科書採択を強行しました。事実上の強制的な事前検閲の責任を各学校長の責任に押しつけた訳です。
 一方川崎市教委は同じく実教の教科書「高校日本史A」を希望した2髙校に「再考」を求め、委員会で審議を強行しようとしています。同教科書は地元川崎、多摩川に関わる調べ学習の事例を豊富に盛った適切な教科書です。あからさまな攻撃が始まっています
 
 いま東京を中心とする関東地方で、教育委員会  校長 を通じての教科書採択に対するこうした干渉が強められています。
 
 日本出版労連の吉田典裕氏は、「実教出版はいわば見せしめにされただけではないか」として、これをきっかけに、戦時中の周辺諸国への加害責任に関する記述に関しても、出版社に萎縮が広がる可能性があるとみています
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実教「日本史」来年度も都立高ゼロ 教育内容へ介入懸念
東京新聞 2014年8月25日
 東京都教育委員会は二十八日の定例会で、二〇一五年度に都立学校が使用する高校教科書を採択した。国旗掲揚や国歌斉唱をめぐり「強制の動きがある」と記述した実教出版(千代田区)の日本史教科書を選んだ学校は昨年に続きゼロだった。記述を問題視する都教委は今年も「使用は適切でない」と各校に通知していた。検定済み教科書のわずかな記述をやり玉に挙げ、使用に待ったをかける都教委の方針に学校側が従った格好で、教育現場などから批判の声が出ている。
 
 実教出版の教科書「高校日本史A」「高校日本史B」は、国歌斉唱などに関する注意書きで「一部の自治体で公務員への強制の動きがある」と記述している。これに対し「教員の責務とする都教委の考え方と異なる」として、都教委は昨年六月、一四年度使用の教科書選定でこの二冊の使用を不適切とする見解を議決。今年六月には、一五年度用選定でも同じ見解を維持することを確認した。
 
 教科書選定は使用する前年に実施される。都立学校の高校教科書の場合、各校が検定教科書から使用を希望するものを選んで都教委に報告し、都教委が最終的に採択する。公立高校の採択権限について文部科学省は「設置する教委にある」としているが、実際には学校の選択を尊重することが多かったという。
 都教委の姿勢に反発する市民団体は今年二月、「教育現場への不当介入」と主張し、都に「使用不適切」とした議決の取り消しを求め東京地裁に提訴した。
 
 実教出版の日本史教科書をめぐっては、神奈川県教委も「教委の方針と相いれない」との見解を学校側に伝えており、一五年度用にこの教科書を選んだ県立高はなかった。
 
◆自主規制拡大の恐れ
 「教育内容への不当な介入だ」「出版の自由を侵す恐れがある」-。東京都教育委員会の見解がまかり通る形で、国旗掲揚、国歌斉唱に関する「強制の動き」に言及した実教出版の日本史教科書を選んだ都立学校は今年もなかった。教育現場や出版業界からは、教科書使用に対する自粛の拡大を危ぶむ声が出ている。
 都立高で長年日本史を教えてきた男性(65)は「都教委の見解が、教員に『実教出版の教科書を選ぶのは無理』と思わせたのではないか」と推測する。さらに「この問題がエスカレートすれば、教科書の記述への批判を避けるため、出版社が内容を自主的に変える動きにもつながりはしまいか」とも懸念した。
 
 都高校教職員組合は七月、都教委に対し「具体的な教科書名をあげて、各学校で選定しないことを事実上強要している」と抗議した。藤野正和・執行委員長は「そもそも国の検定に通った教科書を使うなと言うのはおかしい。いずれ解釈や考え方に対する介入にとどまらず、史実をねじ曲げる事態にもつながりかねない」と指摘する。
 
 日本出版労働組合連合会の吉田典裕・副中央執行委員長は「実教出版はいわば見せしめにされただけではないか。これをきっかけに、戦時中の周辺諸国への加害責任に関する記述に関しても、出版社に萎縮が広がる可能性がある」とみている。
 
 
国旗国歌「強制」、実教出版教科書 埼玉県立高で来年度採用なし
産経新聞 2014年8月28日
 県教育委員会は27日、平成27年度に県立高校139校で使用する教科書を原案通り採択した。原案では、26年度に8校で採択された国旗掲揚と国歌斉唱を「強制」と記述した実教出版の歴史教科書を希望した高校はなく、同教科書は27年度は使われない。県教委の千葉照實委員長は各校の教科書選定について「校長自ら教科書を読み比べ、校長の責任のもと、選定作業を進めた」と評価した。
                   ◇
 26年度に8校で採択された実教出版の歴史教科書は文部科学省の検定済みで、今回も選定の対象になっていた。各校では教員らによる教科書選定委員会が採用する教科書を選び、最終的に校長の決裁で決定した。
 26年度採択では、実教出版の歴史教科書が学習指導要領で指導を義務付ける国旗掲揚と国歌斉唱について「一部の自治体で公務員への強制の動きがある」と記述。採択した県教委に対し、県議会が再審査を求める決議を行うなど反発が広がった。
 これに対し、県教委は採択のやり直しはせず、「地理歴史科指導資料集」を作成して教科書を補完する態勢をとった。
 関根郁夫教育長は今回の教科書採択について「教育委員会は校長と意見交換し、選定の手順を確認した。この教科書はどうだ、こうだと言っていない」と選定への関与を否定。その上で、「生徒、保護者になぜこの教科書を選んだか、校長としての責任が問われる。しっかり選ぼうという思いが昨年以上に強かったのだろう」と指摘した。
 
 上田清司知事は26日の定例会見で、明治時代の伊藤博文首相について歴史教科書で「射殺」という記述があることに触れ「日本の教科書で総理大臣暗殺ならいいが、射殺は決して許されない」と厳しく批判した。県教委によると、今回の採択では上田知事が問題視した「射殺」と記述した4社の歴史教科書について、42校で採択されたという。