2016年2月29日月曜日

名古屋でシールズ東海がデモ 1500人が参加

 安全保障関連法などに反対する若者らでつくる「シールズ東」は28日、名古屋市中心部で「自由と民主主義を守るための名古屋デモ」を行いました。
 デモには約1500人(主催者発表)が参加しました。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
未来選ぼう、平和叫ぼう 名古屋でシールズがデモ
中日新聞  2016年2月28日
 安全保障関連法などに反対する若者らでつくる「SEALDs TOKAI(シールズ東海)」は二十八日、名古屋市中心部で「自由と民主主義を守るための名古屋デモ」を行った。
 
 シールズの奥田愛基(あき)代表はじめ、シールズ東海のメンバーや市民有志ら千人以上が参加。中区の栄や大須商店街などで、ヒップホップ調のリズムの音楽を流し「選挙に行こうよ 一緒に歩こう」や「民主主義ってなんだ これだ」などのコールを響かせた。
 メンバーで愛知学院大二年の玉置文弥さん(20)はデモの先頭を走るトラック上でマイクを握り、「国民と憲法を無視し、命を大切にしない政権をこのままにしておけない。選挙に行って、『何かおかしい』という思いを一票に託そう」と訴えた。
 沿道でデモを眺めていた岐阜市出身の明治大二年、小出紘大さん(21)は「祭りやイベント感覚で気軽に参加できそうな雰囲気で共感できた」と話した。
 デモ前に白川公園であった集会では、民主党の近藤昭一衆院議員(愛知3区)や共産党の小池晃参院議員、社民党の吉田忠智党首がマイクを握り、野党共闘への支持を呼び掛けた。

「9条は幣原総理の発案」の可能性が高い

 日本国憲法に戦争放棄の憲法第9条が盛り込まれたことに関しては、終戦直後に首相を務めた幣原喜重郎がマッカーサーに直接提起したと、幣原自身が1951年に出版された「外交五十年」の中で記述しています。

 提起された側のマッカーサーもそれに呼応するように、1951年5月の米上院軍事外交合同委員会の公聴会に対して、「戦争を禁止する条項を憲法に入れるようにという提案は、幣原総理が行ったのです」と書簡で回答しています。

 こうして当事者二人の述懐が完全に一致している以上、事実関係についてはもはや何の補強も要りません。
 
 因みに幣原の秘書も務めた元側近議員・平野三郎1951年2月、幣原逝去の直前に直接聞き取った言葉を問答形式で記載した「平野文書」(国会図書館蔵)も、岸内閣憲法調査会に提出されていますし、当時幣原新聞記者にオフレコで自身が9条の発案者” であることを認めていたという証言もあります
 
 問題は何故当時幣原内閣下で組織されていた松本委員会にそのことを提起しなかったのかということですが、終戦後も明治憲法の軍規定の存続を主張した美濃部達吉を顧問に戴いて理論的支柱としつつ、松本烝治が強い個性を発揮して仕切っていた松本委員会には、そんな幣原の提言を受け入れる余地は皆無でした。そうした雰囲気は 「史録 日本国憲法」 (児島襄)などからも読み取れます。
 それで幣原としては窮余の一策としていわゆる「外圧」を利用するしかなかったのでしたが、結果的にそれは見事に成功しました。
 
 これほど明確な歴史的事実に対して、この2、3日インターネット上で、「憲法9条幣原総理の発案というのは未確定」というような記事が散見されるようになりました。しかしそれは2月25日『報道ステーション』(テレビ朝日)が日本国憲法の成立過程についての特集を組み、この幣原発案説を補強する「新証拠をテレビで初公開したことに対する反撃だったのでした。
 いくら改憲論者にとってそのことが「不都合な真実」だったとしても、事実である可能性は高いと言えます。

           (関係記事)
2013年6月7日 幣原首相がマ司令官に9条を進言
2014年5月9日 「憲法9条の成立過程について」 BLOGOS記事の紹介 
~~~~~~~~~~~~~~~~~
改憲派の「日本国憲法は米国から押し付けられた」はデマだった! 
9条が幣原総理の発案だったとの証拠が明らかに
LITERA 2016年2月28日
 先日の国会でも「戦力の不保持」を明記した9条2項を含む改憲を示唆した安倍首相だが、彼を筆頭とする改憲タカ派や保守論壇がしきりに喧伝しているのが、“日本国憲法はアメリカから強要された”という、いわゆる「押し付け憲法論」だ。
 安倍首相自身、2012年末にネット番組で「みっともない憲法ですよ、はっきり言って。それは、日本人がつくったんじゃないですからね」と、現行憲法への敵意を剥き出しにしている。
 また、昨日の『朝まで生テレビ!』(テレビ朝日)でも、安保法制は違憲ではないと主張していた日本会議常任理事の憲法学者・百地章氏が「日本が二度と連合国やアメリカの脅威とならざる、というのがアメリカの占領目的でした。その一環としてまさにこの日本の憲法はつくられた」と主張していた。
 
 しかし、彼らが言う「日本人がつくった憲法じゃない」というのは、実のところ、まったくのデマゴギーなのである。
 2月25日放送の『報道ステーション』(テレビ朝日)が、日本国憲法の成立過程についての特集を組み、この「押し付け憲法論」を反証する新証拠をテレビで初公開した。それは、今から約60年前、「自主憲法制定」を掲げた岸信介内閣で設置された憲法調査会における音声テープ” の存在。元テレビ局報道部出身のジャーナリスト・鈴木昭典氏が国立公文書館で発見したものだ。
 そこには、はっきりと、こんな証言が残されていた。“憲法9条の提案者は、ときの内閣総理大臣・幣原喜重郎によるものだ”と──。
 
 まずは軽く時代背景を説明しておこう。1950年代は、岸らを始め、A級戦犯として公職追放されていた政治家が続々と政界復帰を果たしていたころ。憲法調査会は英米法学者の高柳賢三氏を会長に発足し、岸内閣から池田勇人内閣まで約7年間続いたが、このなかで最大の議題となったのが憲法制定の経緯だった。
『報ステ』では、若かりし中曽根康弘ら改憲派が「異常な状態でつくられた占領下の憲法」「外国の権力者がつくった憲法でありますから」「もう今日それに引きずられる必要はない」などと弁舌をふるう様が放送された。その狙いは冷戦下における9条の変更、軍隊保持を明記し、海外派兵を可能にすることだった。いうまでもなく、これは岸信介の孫・安倍晋三や昨今の改憲論者が論拠とする「押し付け憲法論」や「安全保障の急速な変化に対応」とまったく同質である。
 
 だが、鈴木氏が発見した音声テープには、こんな証言が記録されていた。憲法制定当時に中部日本新聞の政治部長だった小山武夫氏による、憲法調査会公聴会での発言だ。
「第9条が誰によって発案されたかという問題が、当時から政界の問題になっておりました。そこで幣原さんにオフレコでお話を伺ったわけであります。その『第9条の発案者』というふうな限定した質問に対しまして、幣原さんは、『それは私であります。私がマッカーサー元帥に申し上げて、そして、こういうふうな第9条という条文になったのだ』ということをはっきり申しておりました」
 つまり、9条はGHQ側による一方的な「押し付け」ではなく、幣原首相がマッカーサーに直接に提言したものだったのだ。このことは、51年5月の米上院軍事外交合同委員会の公聴会でマッカーサー自身も証言していることだ。そして、マッカーサーは岸内閣の憲法調査会に対しても「戦争を禁止する条項を憲法に入れるようにという提案は、幣原総理が行ったのです」と書簡で回答していた。
 
 それでは、幣原はいったいいつ、どのようにして「戦争放棄」を新憲法に組み込むよう、マッカーサーに提言したのか。64年刊行のマッカーサーの回顧録によれば、〈旧憲法改正の諸原則を、実際に書き下ろすことが考慮されるだいぶ前のこと〉、ちょうど幣原内閣の国務大臣・松本烝治らが新憲法草案作成にとりかかろうとしていた46年1月24日、幣原は私的な挨拶を名目に、マッカーサーの事務所に訪れていたという。
〈首相はそこで、新憲法を書上げる際にいわゆる「戦争放棄」条項を含め、その条項では同時に日本は軍事機構は一切もたないことをきめたい、と提案した。そうすれば、旧軍部がいつの日かふたたび権力をにぎるような手段を未然に打消すことになり、また日本にはふたたび戦争を起す意思は絶対にないことを世界に納得させるという、二重の目的が達せられる、というのが幣原氏の説明だった。〉
                                (『マッカーサー大戦回顧録』津島一夫・訳/中公文庫より)
 このマッカーサーの回顧録は長らく議論の的となってきた。実際、表向きにはアメリカ側が松本草案を明治憲法と大差ないとして突き返し、戦争放棄を含むGHQ草案を作成、そして、これを日本側が調整したものが国会に提出されたというのが通説ではある。
 しかし、9条の基盤についての「幣原説」を裏付けるのは、マッカーサー回顧録だけではない。実は、他ならぬ幣原自身が著書で「押し付け論」を明確に否定していた。
 回顧録『外交五十年』(読売新聞社のち中央公論新社、初版1951年)のなかで、幣原は、総理就任直後にこんな風景を思い出したと記している。それは、敗戦の日に、幣原の乗る電車のなかで、ひとりの男が「なぜこんな大きな戦争をしなければならなかったのか、ちっとも判らない」などと怒鳴り散らしていたことだ。
 
述懐はこう続く。
〈これはなんとかしてあの野に叫ぶ国民の意思を実現すべく努めなくちゃいかんと、堅く決心したのであった。それで憲法の中に、未来永劫そのような戦争をしないようにし、政治のやり方を変えることにした。つまり戦争を放棄し、軍備を全廃して、どこまでも民主主義に徹しなければならん(略)。よくアメリカの人が日本にやって来て、こんどの新憲法というものは、日本人の意思に反して、総司令部の方から迫られたんじゃありませんかと聞かれるのだが、それは私の関する限りそうじゃない、決して誰からも強いられたんじゃないのである。〉(『外交五十年』より)
 
 また、幣原の秘書も務めた元側近議員・平野三郎による証言も残っている。平野は、前述の岸内閣憲法調査会に対して「平野文書」と呼ばれる報告書を提出したが、それは1951年2月、幣原逝去の直前に、平野が幣原から直接聞き取った言葉を問答形式で記載したものだ。これによれば、やはり幣原は平野に対し、象徴としての天皇制存続と9条の同時実現というプランをマッカーサーに進言した、と語っている。これを読むと、日本側、アメリカ側、ソ連をはじめとする天皇制廃止を求めた諸外国、そしてマッカーサーその人のさまざまな思惑を見越しての提言だったことが窺い知れる。
 
 そして、今回『報道ステーション』が報じた、幣原が新聞記者にオフレコで、自身が“9条の発案者”であることを認めていたという証言。これもやはり、「幣原説」を補強するひとつの傍証である。こうした証言が複数存在する以上、少なくとも、日本国憲法はじめとした戦後の民主主義、基本的人権、平和主義のすべてをひっくるめて、GHQによる「押し付け」という乱暴な理屈に回収してしまう改憲タカ派の主張は、どう考えても暴論と言わざるをえないのである。
 前述のマッカーサー回顧録にはこうある。幣原から「戦争放棄」を新憲法に盛り込むことを提案された総司令はひどく驚いた。なぜならば、〈戦争を国際感の紛争解決には時代遅れの手段として廃止することは、私が長年熱情を傾けてきた夢〉だったからだという。〈現在生きている人で、私ほど戦争と、それが引き起こす破壊を経験した者はおそらく他にあるまい〉とマッカーサー。彼が戦争を嫌悪する気持ちを吐露すると、幣原は──。
 
〈私がそういう趣旨のことを語ると、こんどは幣原氏がびっくりした。氏はよほどおどろいたらしく、私の事務所を出る時には感きわまるといった風情で、顔を涙でくしゃくしゃにしながら、私の方を向いて「世界は私たちを非現実的な夢想家と笑いあざけるかもしれない。しかし、百年後には私たちは予言者と呼ばれますよ」といった。〉(前掲・『マッカーサー大戦回顧録』より)
 果たして、このふたりだけの“会合”から70年。それは、この国が、直接的に戦争に参加し、それによって人を殺すことも、殺されることもなかった70年である。それだけは、確実に言える。
 
 だが、これからは分からない。安倍首相は9条の解釈改憲ではあきたらず、いよいよ明確に“軍隊による殺戮”を合憲化しようとしている。戦争当事者である幣原とマッカーサーは、この日本の現状をどう思うだろうか。残念ながらもう、彼らに訊ねる術はない。 (宮島みつや)

29- 千葉市で600人が反戦の集会 花巻市では戦争の悲惨さを訴える創作劇

 27日、千葉市で 「再び戦争をさせない千葉県1000人委員会」による「安全保障関連法の廃止と安倍政権の退陣を求める集会」が開かれ、約600人が集まりました。
 
 27~28日には、岩手県花巻市民劇場「未来への肖像(ポートレート)」が上演され、戦争中の勤労奉仕や空襲などのすさまじい光景再現されました
 初日は300人余りが来場し、迫力ある上演に盛大な拍手が送られました
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「戦争をさせない」 千葉市で600人訴え
東京新聞 2016年2月28日
 「再び戦争をさせない県1000人委員会」は二十七日、千葉市中央公園で安全保障関連法の廃止と安倍政権の退陣を求める集会を開いた。県内各地で護憲活動などに取り組む約六百人(主催者発表)や現職国会議員らが参加。安保法廃止を求める署名活動を、加速させることなどを誓った。
 
 ゲストの「週刊金曜日」編集委員で、評論家の佐高信氏は「改憲に向かう安倍晋三首相は、第二次大戦への反省がない。連立を組む公明とともに退陣してもらうしかない」と訴えた。参加者は「戦争反対」などのプラカードを掲げ応えた。
 
 「安保関連法に反対するママの会@ちば」の村田マユ子さん(46)=同市花見川区=は「安保法廃止へ共闘するはずの野党五党が、会場にそろっていない。こんな状態で安倍政権と戦えるのか。一丸にならないといけないのに」と危機感をアピールした。
 
 最後は主催者が「地域、職場などで多くの署名を集めよう」と呼び掛け、全員で「戦争法廃止、安倍政権退陣」のシュプレヒコールを行った。取材に村田さんは「同じ思いの人が、こんなに集まり心強い」と話した。 (渡辺陽太郎)
 
 
悲惨な戦争 創作交え (花巻)市民劇場きょうまで (岩手県花巻市)
岩手日日新聞 2016年2月28日 
 第40回花巻市民劇場「未来への肖像(ポートレート)」(市主催、実行委制作)の公演は27日、同市若葉町の市文化会館で始まった。出演者は勤労奉仕や空襲など戦時中のすさまじい光景を再現。悲惨さを訴える物語を熱演し、観客を魅了した。
 
 同劇場は郷土の文化や歴史を題材に、脚本やキャスト、スタッフの全てを市民が担う。今回は出演者やスタッフ約50人に加え、地元の花巻学童クラブの児童が参加した。
 写真家を目指す千秋が、花巻駅で謎の老婆と出会い、釜石へ向かうSLに乗ったことから物語は始まる。タイムスリップし、終戦前の情景を目の当たりにする。花巻―釜石間を舞台に、艦砲射撃や花巻空襲など歴史上の事実と創作を交えてストーリーが繰り広げられる。
 現代の花巻駅に戻った場面では、悲惨な戦争を体感した千秋が、花巻空襲などの被害を知らない多くの住民に訴えるシーンもあり、改めて市民に戦争について問い掛けている。
 
 初日は300人余りが来場。迫力ある上演に、会場から盛大な拍手が送られた。花巻市十二丁目の伊藤光優さん(花巻南高1年)は「今では考えられないほど、戦争はひどいことだと知った。戦争のことを調べてみたいと思った」と話し、小学生時代に市民劇場に出演したという母千穂子さん(40)は「花巻のことを題材にしているので親しみがある。これからもずっと続いてほしい」と願った。
 千秋役の和田ひかりさん(20)=同市藤沢町=は「花巻でも戦争があったことを忘れないでほしい。冷静な気持ちで千秋を演じ切りたい」と意気込みを新たにした。
 
 公演は28日午後2時からも行われる。当日券は大人1300円、小中高生700円。問い合わせ先は同館=0198(24)6511=。

2016年2月28日日曜日

この年金制度改革法案は噴飯物だ(天木直人氏)

 天木直人氏が、「年金制度、年金積立開始時期と年金受給開始時期の間に、何十年もの大きな年月の差があるので、積立金はどんなふうに使っても問題になることはない」と、年金制度をつくった厚生官僚のリーダーがうそぶいたと言う話を伝えました。
 この話は以前に武田邦彦氏も同じように厚生省のトップが「年金積立開始時期と受給開始の時期とでは貨幣価値が変わっているから、無駄遣いしても構わない」と述べたと語っていましたので真実なのでしょう。これは犯罪です。
 
 それはそれとして、「将来世代が受け取る年金水準を確保するため、高齢者への給付を抑える仕組みを2018年度から強化する」という言い分は、全く理屈に合わないものであることはよく認識すべきです。
 いま政府がするべきことはそんな理不尽な口実で年金支払い額を下げることではなくて、巨額の損失を出した責任を取ることでしょう。
 
 天木氏のブログ:「もはや腹も立たない安倍政権のTPP批准の強行」も併せて紹介します。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
この年金制度改革法案は噴飯物だ
天木直人 2016年2月26日
 きょう2月26日の東京新聞が書いた。政府が今国会に提出する年金制度改革関連法案の全容が25日わかったと。
 私がその記事で注目したのは次のくだりだ。
 すなわち、「将来世代が受け取る年金水準を確保するため、高齢者への給付を抑える仕組みを2018年度から強化する」となっている。
 とんでもない年金制度改悪だ。自分が高齢者になるから怒るのではない。これはいかさまだから指摘するのである。
 
 将来世代と高齢者たちの間の年金格差をなくせ、というのは、一見もっともに聞こえる。
 しかし、年金制度の決定的なからくりは、年金支払い開始時期と年金受給開始時期の間に、何十年もの大きな年月の差があることにある。
 年金制度をつくった厚生官僚がこううそぶいたと言う話は、年金積立基金が厚生官僚の無駄遣いに食い物にされている事が話題になった時に、暴露されたことだ。
 はたして何人の国民がそれを知っているかだ。つまり年金を支払う時はずっと先の事だから、今使える金は余るほどある、だから何に使ってもかまわない、どんどん使えと。
 
 そうなのだ。
 年金積立金は、当面の年金支払いには何の支障もないほど巨額であり、いまでも余っている。
 だからこそ株の運用などという無駄遣いが許されるのだ。そして大損をしても当面の年金支払いには何の支障もない。だから、実は高齢者の年金支払いなどは減らす緊急必要性はどこにもないのだ。
 その一方で、若い世代に年金支払いを開始するのは数十年先だ。しかも年金は容赦なく若者から取り立てている。
 
 そして、年金支払いはここ10年がピークだ。一番人口の多い団塊の世代はやがて消滅し、あとは年金支払い額は減る一方だ。
 予算はゆとりがでてくる。
 年金積立の運用、管理さえまともに行えば、高齢者の年金抑制など行わなくても、そして世代間格差なしに、十分可能なのである。
 若者が将来年金を受け取れなくなるという話は、いまの高齢者の年金支払い負担とは、何の関係もない話なのだ。
 年金制度改革という国家的詐欺が再び2018年度から大手を振って行われようとしている。
 年金制度の抜本的改革がいつまでたっても行われないのは、政治の怠慢であり、官僚の作為的な国民への裏切りである。国民の暮らしは、政治家と官僚のために苦しくさせられている(了)
 
 
もはや腹も立たない安倍政権のTPP批准の強行
天木直人 2016年2月26日
 安倍政権はTPP批准の為の関連法案を一括して提出して審議を急ぐらしい。
 安保法の時と同じだ。まとめて押し切れば、野党の追及がかわせるといわんばかりだ。
 本来なら、とんでもない暴挙だと怒るところだ。
 
 しかし米国大統領選挙がその怒りを笑いに変えてくれた。
 躍進を続ける共和党候補のトランプ氏がTPPでも吼えているらしい。
 「いま提案されているTPPはゴミ箱に放り込む事を皆さんに誓約する」と。
 トランプ氏が共和党候補になるとは限らない。たとえなっても民主党候補に勝って米国大統領になるとは限らない。
 
 しかし、民主党の最有力候補で、米国大統領になる可能性が最も高いとされているクリントン候補も、ついに言い出した。
 中国や日本は通貨の価値を下げて輸出の価格を人為的に高くしていると。
 TPPは賃金引き上げや安全保障の強化につながらないから反対だと。
 共和党も民主党も、いや他の候補ですら、皆TPPに反対だ。
 これでどうやって米国でTPPが批准されるというのか。
 
 米国で出来ないものを日本が批准してどうする。もはや国会のTPP審議は、その事だけを追及すればいい。
 そう思えば、安倍政権がTPP関連法案を一括して審議したところで腹も立たない。
 かってにやってろ、と一笑すればいい(了)

消費税再増税の先送りは当然のはなし

 どうやら消費税再増税先送りの可能性が濃厚ということです。
 消費税増税ができるような状況でないことは、植草一秀氏がこれまで再三再四強調してきたことです。
 ごく最近、元官僚の高橋洋一氏も全く同じことを述べました。
 
 安倍内閣がほとんど内政に目を向けないでいる間に、日本はいま相対的貧困率16・1~16・3%で先進20か国中ワースト4位、ひとり親世帯の貧困率に至っては54・6%で、これはOECD加盟33ヵ国中ワーストワン)」ということです。
 こうした国民の中の貧富の格差は2001年にスタートした小泉内閣の新自由主義の経済政策  労働規制の緩和によって促進されましたが、いまの安倍内閣はその政策をそのまま引き継いでいます。
 
 昨年11月には、賃金労働者に占める非正規労働者の割合はついに40%の大台に乗りました。
 正規労働者の平均年収が478万円であるのに対して非正規労働者の平均年収は170万円で。フルタイムで働いても年収が200万円に届かない労働者が既に1000万人を超えています
 
 安倍首相はこうした格差社会に対する問題意識がゼロのままで、これまでは投機筋との協働で生み出された株価バブルに舞い上がっていましたが、それも当然の成り行きとして終焉を迎えました。
 しかし安倍氏は表向きはまだそれを認めずに巨額な国民の財産を消失した責任についての言及はありません。
 
 植草氏は「TPP新自由主義経済政策路線の最終兵器である。TPPに入ると、ISDS条項によって日本の諸制度の米国化が強制されることになり、日本は大資本の収奪の場と化すことになるだろう」、と述べています。
 米大統領予備選の状況を見ても、この先米議会でTPPが批准される可能性はなさそうです。それなのに安倍政権はTPP協定の実態が国民にバレる前に国会の承認を得てしまおうと画策しています。一体どこまで反国民的な政府なのでしょうか。
 
 世論調査によれば、アベノミクスへの国民の幻想ははっきりと薄れてきました。やがて国民の意思で命脈が経たれる秋(とき)が来ることでしょう。

 ブログ:植草一秀の「知られざる真実」を紹介します。
      (関係記事)
2013年7月10日 「アベノミクス」で貧困層と格差がさらに拡大
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
貧困大国日本悪魔の税制消費税再増税を阻止
植草一秀の「知られざる真実」 2016年2月27日
消費税再増税の再先送りの可能性が濃厚になっている。
世界的に格差問題が重要性を増しているが、その中核国のひとつが日本である。
 
相対的貧困率という指標がある。
世帯1人あたりの可処分所得について、それを低い方から並べた時に、人数にしてちょうど真ん中にあたる人を基準として、所得がその半分に満たない人の割合のことをいう。
この比率が日本全体で161%、子供のいる世帯では163%になっている。
国際比較上は、2009年のユニセフ・イノチェンティ研究所の発表では、1人当たりGDPが大きい先進20か国のなかで日本はワースト4にランクされるとのことだ。
 
とりわけ問題は、1人親世帯の貧困率である。
厚生労働省の2012年発表では、ひとり親世帯の貧困率は546%に達している。
OECD報告でも、日本のひとり親世帯の相対的貧困率はOECD加盟33ヵ国中、何とナンバーワン(ワーストワン)になっている。
 
かつて日本は一億総中流社会とも言われたが、いまや、世界有数の格差大国になっている。
格差拡大の大きな要因は新自由主義の経済政策である。
グローバルな巨大資本の利益拡大を優先する経済政策である。
その中核が労働規制の緩和である。
企業が利益を拡大するためにもっとも力を注いでいるのが労働コストの削減だ。
正規労働を減らし、非正規労働にシフトさせることによって、労働コストの大幅な引き下げが可能になる。
 
2001年に樹立された小泉純一郎政権の時代から、この新自由主義経済政策が猛威を奮い始めた。
その路線を継承し、強化しているのが第二次安倍晋三政権である。
安倍政権が掲げる「成長戦略」とは、大資本の利益を「成長」させる戦略である。
その柱とも言えるのが労働規制の緩和だ。
派遣労働法の改正は企業による正規労働から非正規労働へのシフトをさらに後押しするものである。
国税庁調査では正規労働者と非正規労働者との間に埋めようのない格差が広がっている実態が明らかにされている。
正規労働者の平均年収が478万円であるのに対して非正規労働者の平均年収は170万円である。
非正規労働者が労働者全体の4割を占めるに至っている。
フルタイムで働いても年収が200万円に届かない労働者が1000万人を超えている。
このような状況を作り出しておいて、出生率を高めようなどと唱えるのは、西に進みながら、東を目指そうと号令をかけているのに等しい。
 
こうした新自由主義経済政策路線の最終兵器がTPPである。
TPPに入ると、ISDS条項によって、日本の諸制度の米国化が強制されることになる。
日本は大資本の収奪の場と化すことになるだろう。
 
冒頭の話題に戻るが、日本の格差拡大を強化している大きな要因に税制の改変がある。
25年前、日本の税収構造は次のものだった。
所得税 27兆円
法人税 19兆円
消費税  3兆円
これが2015年度には次のように変質した。
所得税 16兆円
法人税 11兆円
消費税 17兆円
所得税は平均世帯で年収325万円までは無税であるのに対して、高額所得者は55%の税率(住民税を含む)を課せられる。
これに対して、消費税は、所得ゼロの国民からも、貧困者からも、超富裕者と同じ税率で税金をむしり取る。「悪魔の税制」と言って差し支えないだろう。
零細事業者は消費税を価格に転嫁できないから、本来ならば納税義務ゼロであるのにもかかわらず、多額の消費税負担を転嫁させられてしまう。
2017年4月に消費税率を10%に引き上げることはあり得ないことだが、安倍政権がその方向に急激に接近を図っている。
以下は有料ブログのため非公開

28- 野党共闘で戦争法廃止へ 

市民連合と総がかり行動実行委が集会
しんぶん赤旗 2016年2月27日
 「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」と「総がかり行動実行委員会」は26日、東京都中野区のなかのZEROホールで「野党共闘で戦争法廃止へ! 2・26集会」を開きました。
 
 会場をうめた参加者を前に、立憲デモクラシーの会の山口二郎さん(法政大学教授)が開会あいさつ。5野党合意を受けて「元気を出して、安倍政治とのたたかいを続けていきたい」とのべました。
 
 各政党から日本共産党の小池晃副委員長(参院議員)、民主党の小川敏夫参院議員、維新の党の初鹿明博衆院議員、社民党の又市征治参院議員があいさつ。小池氏が5党の確認事項を紹介すると大きな拍手がわき、「今こそ力を合わせよう」と訴えました。
 
 立憲デモクラシーの会の水島朝穂さん(早稲田大学教授)、安全保障関連法に反対する学者の会の酒井啓子さん(千葉大学教授)が講演。シールズの諏訪原健さんがスピーチ、総がかり行動実行委の高田健さんが行動提起しました。

2016年2月27日土曜日

「景気回復を実感していない」が84% 読売調査

 読売新聞による「アベノミクス」に関する全国世論調査(郵送方式)の結果は下記の通りでした。
 
 アベノミクスを「評価しない」は57%、今後、景気回復を「期待できない」は65景気回復を「実感していない」は84%に達しました
 アベノミクスに対して厳しい評価が下りました。
 
 「孤立無援」ながら何故か意気軒昂な安倍氏の記事も併せて紹介します。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
アベノミクス「評価せず」57%…読売世論調査
読売新聞 2016年02月26日
 読売新聞社は、安倍内閣の経済政策「アベノミクス」に関する全国世論調査(郵送方式)を実施した。
 この3年余りの経済政策を「評価しない」は57%で、「評価する」の42%を上回った。評価しない理由(複数回答)のトップは「収入が増えない」の60%で、評価する理由(同)は「大企業を中心に業績が改善した」の44%がトップだった。
 
 今後、景気回復を「期待できる」と答えた人は34%、「期待できない」は65%だった。景気回復を「実感していない」は84%に達した。
 
 アベノミクスへの厳しい評価が多数となったのは、企業の業績改善の効果が家計に及んでいないことや、年明けからの株価の乱高下で日本経済の先行きに懸念が広がったことが影響したとみられる。
 
 
アベノミクス批判に反論 労働改革「最大のチャレンジ」―安倍首相
時事通信 2月25日
 安倍晋三首相は25日午前、東京都内で講演し、最近の株価急落や円高に関し「日本経済のファンダメンタルズ(基礎的条件)はしっかりしており、経済の好循環は確実に生まれている。『アベノミクスが失敗した』などという言説は全く根拠がない」と述べ、経済政策への批判に反論した。
  
 首相は、女性や高齢者が活躍できる労働市場改革が「安倍内閣の次の3年間の最大のチャレンジだ」と強調。「同一労働同一賃金の導入に本腰を入れて取り組み、正規雇用と非正規雇用の壁を取り払う。少子高齢化という日本の構造問題に内閣一丸で真正面から立ち向かう」と訴えた。

27- 「狂歌と川柳」の紹介 (「リベラル21」より)

 ブログ 「リベラル21」に秀逸な「狂歌と川柳」が載りました。
 
 安倍内閣のメンバーたちは、安倍首相をはじめとして間違った認識を持ちながらそれを指摘されても理解することができずに、決して改めようとしません。最近、特に女性閣僚において顕著となったそういう頑迷さは驚くばかりです。
 
 理屈でダメなら、あとは狂歌で揶揄するしか・・・という訳でもないのでしょうが、掲載された作品はどれも見事でとてもうなずかされます。
 
 川柳の方では主に原発事故と再稼働などを扱っていますが、一対のものとして紹介します。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
狂歌と川柳
乱鬼龍 リベラル21 2016年2月24日
                                  (川柳作家)
◆狂歌 
 
 歯舞も読めぬ島尻北方相 アイコですまぬパーの丸出し
 
 丸川は丸出駄目代とバレてくる 根拠ないのはお前の方だ
 
 歯舞も読めず除染は知らなんだ 輝く女性聞いてあきれる
 
 電波停止そういうお前議員停止 鼻もちならぬ高市の位置
 
 羊かんの次は不倫の甘い蜜 育休よりも励む性事家
 
 自民党こんな程度が揃い踏み 暴言妄言吠えてやかまし
 
◆川柳
 
 フクシマの春ボロボロもう五年
 
 あれから五年震える怒りとめどなし
 
 フクシマの野山怒りの芽を育て
 
 放射能春風すらも喜こべず
 
 復興も除染も所詮もうけ口
 
 除染除染とよってたかって税を喰い
 
 できもせぬ除染神話の嘘と銭
 
 凍土壁そのインチキに凍りつき
 
 凍土壁しっかり見ればバカの壁
 
 免震も耐震もなく再稼働
 
 再稼働あなた明日が視えますか
 
 原発報道電波停止となる予感
 
 原発の嘘デタラメも秘密法
 
 安倍暴政あげくの果ては核武装
 
 人類の存亡賭けて脱原発
 
 脱原発文明を変え我を変え
 
 電力を選び未来もまた選ぶ
 
(2016年2月11日、整記・謹撰)

2016年2月26日金曜日

「コメント」 : 受付情報

 
2月に入り下記の記事にコメントをいただきました。
 
コメントは、記事の最下段の「2件のコメント」などと書かれているところをクリックすると、ご覧になれます。
記載のURLをクリックすれば記事にジャンプします。
 
受付日付順に掲載)
 
記  事  の  タ  イ  ト  ル
掲 載 日
受付日
黒田総裁がアベノミクスの失敗を認める 高橋洋一氏も
16/02/26
02/26
自民党改憲案に見る緊急事態条項の恐怖
15/05/04
02/07
安倍首相にまつわる「悪魔の証明」問題
16/02/06
02/06