2023年1月31日火曜日

ウクライナ=正義 ロシア=悪魔 の見立ては事実誤認(植草一秀氏)

 ウクライナ戦争ではウクライナがNATO諸国に武器の提供を求め、現在、世界最優秀とされる欧米の戦車が最終的には100台以上提供されようとしています。ウクライナは他にもロシア国内に到達する長距離砲を求めているし、いずれ戦闘機が供給される可能性もあります。要するにいまやNATO対ロシアの戦争に様変わりしています。

 西側は、去年の2月24日ロシア軍がウクライナとの国境を乗り越えて侵攻したことは絶対に許されない「悪」であるとして、どういう経緯があったのかを論じるのは「双方に責任がある」という間違った論建てだとして無条件で排撃されてきました。
 その結果トルコなどを除いて仲介出来る国はない有様で、ウクライナ国民がどれほど困窮を極めていても「正義の戦争」は貫徹されなくてはならないということに『結果的に』なっています。
 まさか『正義』を貫くためには核戦争になることも厭わないというのではない筈です。西側が一糸乱れず徒党を組んでいればそれでいいというようなことでもありません。

 本当は日本はロシアとも一定の信頼関係があったので、仲介役も出来たかもしれないのですが、よりによって岸田首相が対ロシア軍事同盟であるNATOに参加したいかのような言動を行った以上、そんな資格は勿論ありません。
 植草一秀氏が「ウ=正義 ロ=悪魔 見立ては事実誤認」とする記事を出しました。それは現下の日本の「言論空間」では勇気のいることなのですが、植草氏は一貫してその主張を貫いています。
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ウ=正義 ロ=悪魔 見立ては事実誤認
               植草一秀の「知られざる真実」 2023年1月30日
ウクライナがNATO諸国に対して武器提供を執拗に求め、NATO諸国がこれに応じる図式が構築されている。
日本のメディアは欧米によるウクライナへの武器供与に賛同する報道を展開する。
ウクライナが正義でロシアが悪である図式に基づく報道。
戦争は人力と装備力によって勝敗が決せられる。
とりわけ重要な意味を持つのが装備力。
ウクライナの装備がウクライナによる自前の装備でないなら現在の戦争はウクライナとロシアの戦争ではないということになる。
ロシアとNATOの戦争である。
NATOが全面的に武器供与を行うならロシアは厳しい状況に追い込まれる。
そのことが戦争のエスカレーションを招く蓋然性が高い。
ロシアが厳しい状況に追い込まれるなら核兵器使用も検討対象になるだろう。
NATO全体を敵として戦うことになればロシアは総力戦に移行せざるを得ない。
ウクライナ戦争が核戦争に移行すればその影響は計り知れない。

『原子力科学者会報』の研究者たちが毎年、世界終末時計の針の位置を決めている。
世界の終末が午前零時。
本年1月24日、午前零時までの残り時間が90秒とされた。
2022年までの2年間は残り時間が100秒とされた。
2023年の残り時間90秒は過去76年間で最も破滅に近付いたことを意味する。
NATOのスタンスはウクライナ戦争を終結させることではなく、ウクライナ戦争を拡大させる方向を目指すもの。
その延長線上に世界の滅亡が視界に入る。

ウクライナが正義でロシアが悪魔であるなら、総力を結集して悪魔退治を行うというのも理解は不可能でない。
しかし、過去の歴史的経緯を踏まえるなら
ウクライナ=正義、ロシア=悪魔 の図式はまったく成り立たない。
戦乱が勃発した原因の多くはウクライナが負っている。
問題解決のために全面的な武力行使に踏み出した点でロシアは批難されるべきだが、戦乱勃発までの経緯においてはウクライナの不正義、不正が際立っている。
また、問題解決にあたってはウクライナの国情を考慮することが不可欠だ。
米国元国務長官キッシンジャー博士の指摘が正鵠を射ている。
ロシア=悪、ウクライナ=正義の図式でロシアを殲滅するまでNATOが戦乱拡大を推進する方針は大きな誤りである。

冷戦終焉に連動してウクライナが独立した。1991年のこと。
ウクライナは独立して31年余の時間しか保持しない。
この期間に2度の政権転覆があった。
2004年と2014年である。
いずれも親ロシア政権が破壊され親米政権が樹立されたもの。
この政権転覆を工作したのは米国であると見られる。
2004年は大統領選挙が不正選挙であったとアピールされて再選挙が強要され、結果が覆されたもの。
2020年の米国大統領選がやり直しされてトランプが当選を果たしたと考えればわかりやすい。
再選挙に向けて親米候補ユシチェンコの顔がただれた。
ダイオキシン中毒によるものだった。
ユシチェンコ陣営は親ロ勢力による謀略と主張したが、実際はユシチェンコ陣営の自作自演だった疑いが強い。

2014年には暴力革命によってヤヌコビッチ政権が破壊された。
暴力革命を主導したのは米国と米国の支援を受けたウクライナ・ネオナチ勢力だった。
ウクライナ・ネオナチ勢力は第二次大戦後に戦争犯罪追及を受けるべき存在だったが対ロシア攻略を重視する米国が戦争責任を追及せずに温存したものである。
政権転覆後のウクライナ非合法政府はウクライナ国内のロシア系住民に対する人権侵害、暴虐行為を展開した。この結果として内戦が勃発。
内戦を終焉させるために2015年にミンスク合意が締結され、ドンバス地域への自治権付与が決定されたが、このミンスク合意を踏みにじったのがゼレンスキー大統領である。
これらの経緯を踏まえずに、ロシア=悪、ウクライナ=正義の見立てですべてを論じるのは根本的な誤り。
NATOの無制限・無尽蔵の武器供与は戦乱のエスカレーションを招く主因になる。
この誤りを正すことが最優先課題である。

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             (以下は有料ブログのため非公開)

統一協会 自民党にみっちり〝指南″ ~ (赤旗日曜版)

 統一協会は、1968年に笹川良一、児玉誉士夫、岸信介の3人の元A級戦犯容疑者が発起人になって国際勝共連合を日本でつくった時から日本で本格的に根を持つようになりました。

 1976年の総選挙で、自民党はロッキード事件の影響で過半数を割る大敗をする中、共産党は1979年の総選挙で議席を19議席から41議席に躍進し、自民党にとって共産党対策は喫緊の課題となりました。
 自民党調査局に「〝優秀な学者グループがいる″〝自民党のシンクタンクとして生かしてほしい″〝学者たちも熱望している″」という話が入ってきたのはそんな時期で、そのグループが統一協会の関連団体の「世界平和教授アカデミー」(以下 アカデミー)でした。
 自民党はそれを契機に統一教会との関係を深めていき、1980年には自民党調査局主催の勉強会が28回開かれたうち、アカデミーに属する学者らが講師を務めたのが12回で、テーマは「共産党批判」や「憂うべき教科書の問題」などでした。
 自民党が機関紙「自由新報」で共産党攻撃や教科書攻撃キャンペーンを大々的におこなうようになったのは、そのようにして統一教会による〝指南″を受けてからで、以後、反共と反動の政治に一層傾斜していきました。
 しんぶん赤旗日曜版の1月29日号に「統一協会 自民党にみっちり指南 ~ 自民党と癒着」という記事が掲載されました。自民党の精神的支柱が「日本会議」であることは知られていますが、統一教会もそれに負けず劣らずに、個々の議員との関係を深めただけでなく反共宣伝、教科書攻撃、有事法制、軍備強化、防衛予算GNP1%の撤廃、家族制度等々で自民党の政策に影響を与えてきたことが分かります。
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統一協会 自民党にみっちり指南 関連団体の世界平和教授アカデミー
共産党攻撃、政策づくり 自民党元本部関係者が組織的癒着証言
                   しんぶん赤旗日曜版 2023年1月29日号

 〝安倍晋三元首相と統一協会は大昔から関係が深い″-。細田博之衆院議長の証言(24日)で改めて、統一協会と自民党の癒着の解明が問われています。癒着について自民党元本部関係者などが初めて、日曜版編集部に衝撃の証言をしました。自民党が1980年代、統一協会の関連団体の学者グループを招いた勉強会を党本部内で開き、共産党攻撃や教科書攻撃の″指南″を受けていた、というのです。同党は学者グループに毎月、数十万円の資金を提供。当時の中曽根政権はこの学者グループから政策提言を受けていました。 取材班

80年代に定期勉強会
 統一協会の関連団体「世界平和教授アカデミー」(以下、アカデミー)。そこに属する学者グループは80年ごろ、シンクタンク「80年代ビジョンの会」(以下、ビジョンの会)をつくりました。自民党元幹事長室関係者は「アカデミーやビジョンの会の学者を招いての勉強会は、自民党調査局が運営していた政治資料研究会議(政資研、政治資料研究センターと呼ぱれていた時期も)でおこなわれた」と証言します。
 「私たちは当時、いろいろな学者と定期的に懇談していた。その成果を国会議員らに広める目的もあり、政資研で勉強会を開いた。勉強会は定期的に自民党本部7階の会議室で関かれ、常時60人から100人前後が集まった。講師はビジョンの会、統一協会に近い学者が多かったな」
 自民党が年間の活動をまとめた「自民党年報」。80年版に「『政資研』は、衆参両院議員、秘書、党各機関の幹部を対象に… 各層の学識経験者を招致し、研究会議を開催し、資料を作成して、所属国会議員…に配布した」と記しています。
 自民党元幹事長室関係者によると、自民党本部とアカデミーやビジョンの会との関係がスタートしたのは80年ごろ。「自民党年報」(80年版)によると、同年に政資研の勉強会は28回開かれました。うちアカデミーに属する学者らが講師を務めたのは12回。「共産党批判」「憂うべき教科書の問題」などのテーマでおこなわれました。この〝指南″を受け、自民党は機関紙「自由新報」で共産党攻撃や教科書攻撃キャンペーンを大々的におこないました
 自民党元幹事長室関係者はいいます。「アカデミーやビジョンの会の学者との懇談での提言はメモにした。幹事長がそれを見ながら記者会見することもあった。統一協会系の学者の主張が、党の意思として発信された。幹事長など党三役も年に何回かビジョンの会と懇談した。茂木(敏充)幹事長は″調査をしたが(統一協会と)党としての関係はない″といっているが、大ウソだ。自民党はアカデミーやビジョンの会に月に数十万円の資金提供をしていた」

統一協会との深い関係

79年総選挙 共産党大躍進に対策図る
 統一協会系学者と〝定例会”

          「世界平和教授ア力デミー」
 統一協会創始者の文鮮明の提唱による国際会議を経て、1974年9月に創設され、学者らを組織しています。初代会長となった松下正寿氏(立教大学元総長)は75年のソウルでの統一協会の集団結婚式(1800組)に出席。集団結婚式が「神の創造されたときに帰るものであり、人類の幸せの基になる」と最大限の賛辞を述べています。(「世界日報」75年2月9日付)
 アカデミー参加者は77年の時点で正会員、研究会員、参与で「一千人以上」と発表。財界団体との研究会や、自衛隊高級幹部らを招いた安全保障問題での研究会などを開催し、現在も政府や自民党への「政策提言」活動をしています。

 自民党とアカデミーの関係が深まるきっかけとなったのは、1979年の総選挙。ロッキード事件の影響で自民党は76年総選挙で初めて過半数を割る大敗をしました。79年の総選挙ではさらに1議席減らしました。
 一方、日本共産党は79年の総選挙で、前回総選挙の19議席から41議席(推薦含む)へと大躍進。自民党にとって日本共産党対策は喫緊の課題でした。
 統一協会が日本で本格的に根を持つようになたのは68年。笹川良一、児玉誉士夫、岸信介という3人の元A級戦犯容疑者が発起人になって国際勝共連合を日本でつくりました。これが自民党と統一協会=勝共連合の癒着の出発点。以来、自民党は統一協会=勝共進会を反共の先兵として利用し続けました。それが… 。
 自民党本部元関係者は話します。「79年、自民党直属の機関である調査局に〝優秀な学者グループがいる″〝自民党のシンクタンクとして生かしてほしい″〝学者たちも熱望している″という話が入ってきました。すでに当時の幹事長の決裁も下りていました。ビジョンの会といっても〝看板″だけで、実態は統一協会の関連団体のアカデミーでした。東京・千代田区紀尾井町にあったアカデミー事務所を訪ねると、20入ぐらいのスタッフが働いていました。アカデミーの事務局長をやっていたのが、早稲田大学の原理研究会の初代責任者の尾脇(のちに大脇に改名)準一郎氏です」
 アカデミーやビジョンの会の学者グループと自民党幹部・国会議員らのディナーミーティング(通称ステーキ会)を都内のホテルで始めたといいます。ステーキ会には「松下正寿立教大学元総長・アカデミー会長(当時)、統一協会と関係が深いことで有名な福田信之・筑波大学学長(当時)、慶応大学の気賀健三名誉教授、慶応大の中村勝範教授(当時)らがよく来ていました」(自民党本部元関係者)

自民党の勉強会、自由新報にたびたび登場
 学者が共産党攻撃を〝指南″
 80年4月16日の政資研の勉強会。「参院選における共産党批判」のテーマで講演したのは、「共産党をつぶすために生きてきた」が口癖の慶応大学の中村教授(当時)でした。中村氏は同年、自民党の機関紙「自由新報」でほぽ毎月のように共産党攻撃のコラムを書いていました。「自由新報」に同年末に掲載された「日本共産党及び国際共産主義の一年」と題した、弘津恭輔氏(当時、「アカデミー」理事、「スパイ防止法制定国民会議」運営委員長)らとの座談会は、反共の大合唱でした。
 中村氏は、85年には勝共連合機関紙「思想新聞」に「日共主催の 『反核国際シンポ』を切る」を連載。自民党元政務調査会関係者は 「中村氏はもともと、旧民社党系の学者だったが、『反共』で一致してアカデミーやビジョンの会に参加していた」と語ります。
 アカデミーやビジョンの会がおこなったのは、共産党攻撃の〝指南″だけではありませんでした。

80年代 自民党が教科書攻撃を大々的に
火付け役もネタ元も統一協会
 「教科書は偏向している」-政府・自民党は1980年代初め、教科書攻撃キャンペーンを展開しました。自衛隊、原発、家族のあり方などの教科書の記述を変えさせるなど教育基本法が禁じる教育への「不当な支配」そのもの。教科書攻撃キャンペーンのバックにも統一協会がいました。
 80年11月6日に開かれた自民党の政資研の勉強会。「憂うべき教科書の問題」のテーマで講演したのは石井一朝氏でした。石井氏は有名な反日教組活動家。55年にパンフレット「うれうべき教科書の問題」を執筆し、右派からの教科書攻撃の火ぶたを切った人物です。
 自民党元本部関係者も「石井氏もアカデミーから派遣された講師。彼は千代田区紀尾井町のアカデミーの事務所にいつもいました。一日中、教科書に赤線を引いてチェックしていました」と語ります。
 講演で石井氏は、小学校の国語教科書の表紙のいわさきちひろの絵について「共産党の松本善明氏(当時衆院議員)の細君の書いた絵だ」と反共攻撃。「国語と社会科の教科書は共産党員の独壇場」とデマを飛ばし、教科書検定では巻末に並んだ著者の名前だけを見て「内容は見ないでボツ」にすべきだと放言しました。
 80年の「自由新報」は、「いま教科書はー教育正常化への提言」を半年間連載。石井氏が匿名で執筆したもので、自民党は同年12月、連載を本にまとめ全国で無料配布しました。
 石井氏の講演と前後して、自民党は大々的な教科書攻撃をはじめました。81年1月の自民党大会では「偏向教科書の見直し運動推進」をかかげ、民社党とともに国会で教科書攻撃キャンペーンをおこないました。アカデミーから自民党に送り込まれた石井氏は、教科書攻撃の火付け役を演じたのです。
 当時、自民党による教科書攻撃の最大の「ネタ本」だったのが『疑問だらけの中学教科書』。統一協会と深い関係にあった福田信之筑波大学長(当時)が中心となってアカデミーの会員らが書いた本です。
 自民党政務調査会元関係者は証言します。「石井氏は福田信之氏の秘書役のようなことをしていた。統一協会とアカデミーの大きな影響のもとで自民党が、教科書攻撃を始め、『侵略』を『進出』に書き換えさせた」
 80年代の自民党の教科書攻撃の火付け役もネタ元もそのすべてが統一協会だったのです。
 半世紀にもわたる自民党と統一協会=国際勝共連合との癒着。編集部が今回明らかにしたのはその一端にすぎません。自民党は、半世紀の歴史をさかのぼって全面的な調査を、責任を持って行う必要があります。
 編集部の取材に自民党本部幹事長室は、「お答えできることはない」と回答しました。

82年 中曽根首相に国鉄民営化など「提言」
関連団体事務局長「いくつかは実行された」
 中曽根康弘元首相が政治活動の記録として国立国会図書館に寄託した冊子があります。「自民党と新内閣への提言」(82年12月17日付)。ビジョンの会が第1次中曽根内閣発足(同年H月27日)の直後に提出したものです。代表者に名前が記されていたのが、統一協会と深い関係で有名な福田信之氏です。
 「提言」では〝日本人に最も欠けているのは、心理情報戦を特色とする現代の『戦争』の性格を知らないことである。この面での共産側からの攻勢は、今後ますます活発になってくるであろう。西側民主主義社会にとり、国民の世論の支持を如何にとりつけるかは最大の重要課題である″と指摘しています。▽行革はまず国鉄再建(分割・民営化)▽有事法制、空軍の強化▽防衛予算の別枠化。GNP(国民総生産)1%枠は早急に撤廃-などを求めています。
 提言で言及した国鉄再建(分割・民営化)は、中曽根政権が86年11月、関連8法を成立させました。同政権は、軍事費のGNP1%枠についても同年12月に撤廃しました。
 統一協会の主張が政策に影響を与えてきたことを否定する自民党。しかし統一協会の関連団体・アカデミーの事務局長だった大脇準一郎氏は、中曽根氏が亡くなった際、自身のホーームページにこう書きました。
 「研究の成果が自民党政府に高く評価され、70年代から80年代、10年以上にわたり、自民党政府の政策のお手伝いをした。特に、中曽根総理の在任時代は、その提言のいくつかは政策として実行された」
 ビジョンの会は85年に「ビジョン21世紀の会」と名称変更し、後継団体が現在も活動を継続しています。

自民党は徹底調査し、公開すべき
             自民党議員の経歴を持つ 元参議院議員 平野貞夫さん
 安倍晋三元首相の銃撃事件後、自民党幹部らは、〝統一協会との組織的関係はー切ない″と繰り返してきました。
 しかしそれは大うそでした。今回、自民党関係者の証言や資料で、自民党と統一協会、世界平和教授アカデミーの深い関係のー端が明らかになったことは極めて重要です。
 自民党は個々の議員が統一協会とズブズプの関係があっただけでありません。自民党本部は統一協会と組織的関与を持ち、その癒着関係は今も続いているとみるのが相当です。最近の政治劣化の根本原因はここにあります。
 岸田文雄首相は、法的にも問題がある反社会的団体との癒着について何の反省もなく、疑惑にフタをする姿勢です。
 統一協会と自民党の50年間の癒着の歴史はどうだったのか。自民党は徹底調査し、公開すべきです。自民党の政策にも統一協会が影響を与えていたことが明らかになった以上、国民への最低限の責任です。

31- 岸田首相「育休中の学び直し」の大的外れ  まるこ姫 / くろねこ

 27日の参院本会議の代表質問で、自民党の大家敏志議員が「産休・育休中のリスキリング学び直しによって、一定のスキルを身につけたり、学位を取ったりする人々を支援できれば  云々」と提案したのに対して、岸田首相が、賃金上昇やキャリアアップに向け、産休・育休中の学び直しを「後押しする」と答弁しまし
 これは産休や育休を通常の休暇と同様に捉えたもので、育休が、育児に追われて睡眠時間の確保も難儀するような現実を知らない人たちの呆れた問答であると酷評するツイートが溢れました。
 こういう認識の首相や与党議員であるなら少子化問題の解決などは到底無理です。
 「まるこ姫の独り言」と「くろねこの短語」の2つのブログを紹介します。
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岸田「育休中の学び直し」育児をした事が無いからこそのマヌケな答弁
                        まるこ姫の独り言 2023.01.29
岸田は黙っていた方がまだまともに見える。
喋れば喋るほど傷口が広がって行く救いようのない総理だ

「育休中の学び直し」と言う発言も大批判されている。

岸田首相「育休中の学び直し」答弁に批判 「育児してない人の発想」
                     1/28(土) 18:40配信 毎日新聞
> 岸田文雄首相が27日の参院本会議で、賃金上昇やキャリアアップに向け、産休・育休中のリスキリング(学び直し)を「後押しする」と答弁した。これに対し、SNS(ネット交流サービス)では「育児してない人の発想」「オッサン政権」などの痛烈な批判が広がった。
 (中 略)
>これに対し、首相は「育児中などさまざまな状況にあっても、主体的に学び直しに取り組む方々をしっかりと後押ししていく」「(大家)議員の提案を参考にしながら取り組んでいく」と答弁した。

多分、ドヤ顔で質疑したであろう自民党の大家も、答弁をした岸田も、その答弁書を書いた官僚も、育児をした事が無いのではないか。

この人達は妻に育児の全責任を負わせて来た人達じゃないか?
「学びなおし」が必要なのはお前らだろうという話だ。

「育児休業」はただの休暇で時間があると勘違いしている恵まれた政治家たち。

育児と言うものは、日々息が付けない程子供に振り回される。

今思い返すと、小学校に上がるまでは、オーバーに言えばこの地獄のような日がいつまで続くのだろうかと思うほど自分の心に余裕が無かった。

うちの上の男の子は夜泣きが酷くて、自分はいつ寝たのだろうと思うほどしんどかったし、保育園児の時も気まますぎて枠に入らなかったからしょっちゅう園から電話がかかって来て泣きたくなる日も多々あったし、育て難い子供だった。

子育てがあんなに大変とは気が付きもしなかった独身時代。
あれほど嫌だった仕事をしていた時の方がどれだけ楽か、思い知らされた。

自民党の大家や岸田が言うような「学びなおし」なんてことは頭の片隅にもなかった。
とにかく今日を乗り切る事しか考えられなかった。

お金に恵まれた人や、政治家は実際に子育てをしてこなかったからこそ、「学びなおし」と言う発想になるのだろうが、少なくとも子育てをした人は岸田や質疑をした自民党大家に反発を覚えるのではなかろうか。

子育てをしなかったような人から、「学びなおし」と言われれば言われるほど腹が立つ。
したくてもそんな余裕などみじんもなかった。

子育ての辛さを何も知らない人が、「異次元の少子化対策」でどれだけ実態に合った対策が出来るのか疑問だ。

またトンチンカンな方向へ莫大な金を使うのが関の山だ。
庶民の暮らしを知らない自民党の世襲政治家は、浮世離れした発想しかしないし無駄金しか使わない


「育休中に学び直し」(岸田文雄)だとさ・・・これだけ育児を舐めてるから息子が公用車で観光しちまうようになるのだ。
                       くろねこの短語 2023年1月29日
 子育て支援のひとつに育休がある。それはまた、働き方改革の重要なファクターでもある。ところが、ヘタレ総理や自民党の議員にとっては、育休はどうやらただの休暇らしい。
自民党・大家敏志参院議員「子育てのための産休・育休がなぜ取りにくいのか。この間にリスキリングによって、一定のスキルを身に付けたり、学位を取ったりする方々を支援できれば、逆にキャリアアップが可能になることも考えられます」
岸田総理大臣「育児中など様々な状況にあっても、主体的に学び直しに取り組む方々をしっかりと後押しして参ります」
 育休中に「学び直し」しろってさ。これって、子育てにまったく関与しなかったからこその発言だよね。子育てってのは片手間でできることではなくて、そのための「休業」が「育休」なんだよね。それが理解できていないから、こんな能天気なこと言ってられるのだ。

 くろねこの畏友であるKappamanさんが「まずお前が総理大臣を辞めて学び直して来い」ってツイートしてたが、おっしゃる通り。
 こんな男を父親に持ったバカボンだもの、そりゃあ公用車使って観光しちゃうわけだ。
柴山昌彦議員「耐えられるDV」発言に、批判の声が相次ぐ

ツイート3件 (主文のみ掲載

M.kyoya @kappaman
まずお前が総理大臣を辞めて学び直して来いという話。

異邦人 @Narodovlastiye
育児に追われて睡眠時間の確保も難儀するような育休中すら、まるで通常の「休暇」であるかのように「学位取得」で「キャリアアップ」しろと議員が公然と主張し、それを首相が良しとしてしまうような政党が政権党として居座っている内は、少子化は悪化こそすれ改善など到底見込めないでしょうね。

中沢けい @kei_nakazawa
ばかなのか?なんのための産休、育休だ。乳幼児期は時間がどれだけあっても足りないからの休暇なのに。ノータリンめ。
賃金上昇に向け 産休・育休中の“学び直し”を「後押し」岸田総理

2023年1月29日日曜日

僅か1週間の検討でコロナを第5類に 公的責任後退 医療体制強化こそ

 岸田政権は27日、新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけを、季節性インフルエンザと同じ「5類」に引き下げることを正式決定しました移行は5月8日)。
 これは専門家に検討を依頼してから僅か1週間のことで拙速の誹りを免れません。
   ⇒(1月28日)新型コロナ「5類」で東京都が本当に心配していること
 岸田首相は、同日の厚労相諮問機関感染症部会で引き下げが了承されたことを根拠にしていますが、同部会では委員から懸念の声が相次ぎ谷口清州・国立病院長は「1年に3回も流行を起こし、そのたびに医療体制が逼迫する疾患を5類に当てはめていいのか」コロナ診ない施設が増えるリスクもある」と述べ、釜萢敏・日本医師会常任理事、山田章雄・東京大学名誉教授も、危険な変異株が出た場合の対応の難しさなどに触れ、本来は新型コロナに特化した類型をつくるべきだと主張しました。
 こうした点をクリアした後でなければ変更すべきではないのですが、それが何もないまま国民の生命に直接関係する事柄がまたしてもズサンなやり方で進められようとしています。

 共産党の田村智子政策委員長は27日記者会見し、政府の決定について「医療提供体制の強化が求められているときに、国の責任を後退させていくことは認めるわけにいかない」医療体制に関する具体策は何も示されていない「5類への移行は、医療に対する公的な財政措置をやめていくことに他ならない」類型の変更ではなく、医療提供体制をどうするのかを示すべきだ」と批判しました。
 しんぶん赤旗の2つの記事を紹介します。

    お知らせ
   都合により30日、31日は記事の更新が出来ません。ご了承ください。
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コロナ5類 政府決定 検討指示からわずか1週間 公的責任後退の姿勢
                       しんぶん赤旗 2023年1月28日
 岸田政権は27日、新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけを、季節性インフルエンザと同じ「5類」に引き下げることを正式決定しました。移行は大型連休明けの5月8日の予定です。専門家への検討指示からわずか1週間。1日当たりの死者数が依然高止まりするなか、公的責任を後退させる姿勢を改めて示しました。

 現在は2類以上の対応が可能な「新型インフルエンザ等」に分類され、感染者の全数把握や、医療機関や感染者への公的支援などの根拠となってきました。岸田文雄首相は同日の政府の対策本部で、治療費の公費支援について「期限を区切って継続する」と表明。3月上旬をめどに具体的な方針を示すとし、段階的な縮小・廃止を明確にしました
 マスクの着用は「屋内・屋外問わず個人の判断を基本とする」としました。
 新型コロナの感染力は季節性インフルよりはるかに高く、昨年末からの第8波では感染者数の急増で医療体制が逼迫(ひっぱく)し、1日当たりの死者数が500人を超える日もでています。
 岸田氏は、同日の厚生科学審議会(厚生労働相の諮問機関)感染症部会で引き下げが了承されたことを根拠にしています。しかし、同部会では委員から懸念の声が相次ぎました
 谷口清州・国立病院機構三重病院院長は、5類では国民の自助努力が基本になるとし「1年に3回も流行を起こし、そのたびに医療体制が逼迫する疾患を5類に当てはめていいのか」と指摘。政府が5類化で医療の担い手が増えるとしていることにも、コロナ専用病床を一般病床に戻す動きが出るなど「診ない施設が増えるリスクもある」と語りました。
 釜萢敏(かまやち・さとし)・日本医師会常任理事、山田章雄・東京大学名誉教授も、危険な変異株が出た場合の対応の難しさなどに触れ、本来は新型コロナに特化した類型をつくるべきだと主張しました。


新型コロナ「5類」引き下げ 国の責任後退させるな 田村氏「医療体制強化こそ」
                       しんぶん赤旗 2023年1月28日
 日本共産党の田村智子政策委員長は27日、国会内で記者会見し、新型コロナウイルスの感染症法上の分類を、季節性インフルエンザと同じ「5類」に移行する政府の決定について「医療提供体制の強化が求められているときに、国の責任を後退させていくことは認めるわけにいかない」と主張しました。
 田村氏は、新型コロナ第8波のもとで、死亡者数が過去最多を更新し、医療崩壊や高齢者施設での集団感染の多発など深刻な事態が続いていると指摘。医療体制を抜本的に強めることが今一番問われているにもかかわらず、医療体制に関する具体策は何も示されていないと述べました。
 医療現場ではすでに困惑の声が上がっているとして、「5類への移行は、医療に対する公的な財政措置をやめていくことに他ならない」と批判しました。

 田村氏はまた、新型コロナはインフルエンザよりも感染力が強い上、後遺症の問題もあり、高齢者の致死率等を見ても「季節性インフルエンザと同等といえるのかという疑問がある」と指摘。感染を広げないためには病院の外来などで発熱した人の動線を区別するための財政措置などが求められるとして「(政府は)医療現場の実態を見ていないと言わざるを得ない。類型の変更ではなく、医療提供体制をどうするのかを示すべきだ」と求めました。 

29- 三浦瑠麗氏の夫が「10億円トラブル」 政界に飛び火する可能性も

 第2次安倍政権以降 保守派の論客として鳴らしてきた三浦瑠麗氏の、夫である三浦清志氏代表を務める投資会社「トライベイキャピタル」が展開する太陽光発電事業をめぐり、東京地検特捜部に本社や自宅を家宅捜索された問題は、瑠麗氏の人脈と、清志氏のビジネスが混然一体となっていた疑いが浮上してきました。

 「トライベイキャピタル」を巡っては民事訴訟が起こされているので、その決着がつくまで検察は動かないのではないかと見られていましたが、特捜部がいきなり家宅捜索したということで、司法記者の間では特捜部が何か決定的な証拠を掴んだのではないかという見方が広がっているということです。
 瑠麗氏は夫の「トライベイキャピタル」とは一切関係がないとしていますが、TV界ではそれは通用しないとして瑠麗氏はレギュラー番組から降ろされました。しかし出版界では、月間雑誌の連載記事などで深い関係を持っているのでそうはならないと見られているようです。
 日刊ゲンダイとLITERAの記事を紹介します。
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三浦瑠麗氏の夫の会社「10億円トラブル」 東京地検の捜査が政界に“飛び火”する可能性
                          日刊ゲンダイ 2023/01/29
 国際政治学者の三浦瑠麗氏(42)の周辺がどんどんキナ臭くなっている。夫の三浦清志氏(43)が代表を務める投資会社「トライベイキャピタル」が展開する太陽光発電事業をめぐり、東京地検特捜部に本社や自宅を家宅捜索された問題は、政界に飛び火する可能性が出てきた。第2次安倍政権以降、“保守派”の論客として鳴らしてきた瑠麗氏の人脈と、清志氏のビジネスが混然一体となっていた疑いが浮上しているのだ。

■武田元総務相のパーティー券を大量購入
瑠麗氏はこれまで多くの大物政治家と対談するなど、人脈は相当広い。清志氏は妻のツテを頼って政官界に食い込み、ビジネスに有利な状況をつくろうとしたのではないか。太陽光発電はFIT(固定価格買い取り制度)の導入で高収益が見込め、設備ID(事業計画認定番号)が利権化していた」(永田町関係者)
 日刊ゲンダイの調べで、清志氏との接点があった国会議員が発覚。自民党の武田良太元総務相だ。武田氏が代表を務める政党支部の政治資金収支報告書によると、2015年2月24日付で清志氏が当時代表だった「Saferay japan株式会社」から100万円を受領。政治資金パーティーのパーティー券収入として計上している。
 清志氏はその8カ月前にトライベイを設立している。一方の武田氏は党副幹事長に就き、頭角を現しつつあった。パー券大量購入にどんな経緯があったのか。2人には福岡県出身という共通点がある。

■ファミリービジネスの様相
 武田事務所に問い合わせると、〈当該パーティー券の購入に関して、ご質問の代表者はまったく関係しておりません〉と文書で回答。トライベイは担当者が「三浦本人が不在なため答えられない」と電話で応対した。
 ガサ入れをめぐり、瑠麗氏は代表を務めるシンクタンク「山猫総合研究所」のHPに〈夫の会社経営には関与しておらず、一切知り得ない〉とする文書をアップしたが、額面通りに受け止めるのは難しい。というのも、夫の事業を後押しするような発言を繰り返していたからだ。
 例えば、2018年3月放送の「朝まで生テレビ!」(テレビ朝日系)。議論のテーマは「可能性と課題“再生可能エネルギー”」だった。原発と太陽光の発電コストを比較する中で瑠麗氏は「うちは事業者ですから現場を見てるので、いくらかかるのかも、何にかかるのかもわかってるんですよ」と、事業への関わりを示唆していた。瑠麗氏と「生テレビ」した経済学者の池田信夫氏はオピニオンサイト「アゴラ」(26日配信)で〈「うち」というのはトライベイ以外に考えられないので、彼女は経営に関与していたわけだ〉と指摘している。
 家族つながりで言えば、清志氏が代表理事だった一般社団法人「エネルギー安全保障研究所」(閉鎖)の理事に瑠麗氏の実妹濱村百合氏が名を連ねていた。そもそも、トライベイと山猫総研は東京・永田町に立つビルの同じフロアに拠点を置いている
 瑠麗氏は菅政権下の「成長戦略会議」のメンバー入りし、太陽光発電を猛プッシュ。「利益相反」との指摘もある。司直の手が入った再生エネルギー事業をめぐっては、さまざまな政治家の名前が取りざたされた。“ファミリービジネス”をどこまで手広く展開していたのか。


夫の会社が家宅捜索で三浦瑠麗に説明責任 自分の会社と夫の会社のつながり、夫のビジネス「太陽光発電」を後押しする発言
                             LITERA 2023.01.21
「東京地検、三浦瑠麗氏の夫代表の会社捜索」──。昨日20日に報じられたこのニュースが、ネット上で大きな関心を呼んでいる。
 報道によると、東京地検特捜部は三浦瑠麗氏の夫・三浦清志氏が代表取締役を務め、太陽光発電ビジネスを手掛ける投資会社「トライベイキャピタル」や自宅などを家宅捜索。共同通信は〈トライベイキャピタルの代表は、都内の別の会社の代表に兵庫県での太陽光発電所の建設計画を持ちかけ、建設の見込みがないにもかかわらず、出資金およそ10億円をだまし取ったとして、この代表から告訴されていた〉と伝えている。
 この報道を受けて、清志氏の妻である瑠麗氏も自身が代表を務めるシンクタンク「山猫総合研究所」のHPでコメントを公表。〈私の夫である三浦清志の会社が東京地方検察庁による捜索を受けたという一部報道は事実です〉と認めた上で、〈私としてはまったく夫の会社経営には関与しておらず、一切知り得ないことではございますが、捜査に全面的に協力する所存です〉とした。
 ご存知のとおり、瑠麗氏は『朝まで生テレビ!』(テレビ朝日)や『めざまし8』『ワイドナショー』(フジテレビ)などテレビでもおなじみのコメンテーター・論客であり、SNSや雑誌などでは華麗な日常を披露してきた。ところが、夫の会社が10億円の詐欺容疑で家宅捜索が入ったと報じられ、大きな話題になったようだ。
 だが、今回の「10億円の詐欺容疑」については以前から、会員制情報誌である「ZAITEN」や「FACTA」、ニュースサイト「HUNTER」など一部メディアで取り上げられており、マスコミの司法担当者のあいだでも密かに注目を集めていた。
「今回、トライベイキャピタルが家宅捜索をされた兵庫県の太陽光発電所の建設計画をめぐっては、トライベイキャピタルと投資した会社の間ですでに民事訴訟になっていました。民事はトライベイが起こしたのですが、そのなかで、訴えられた投資会社がトライベイキャイタルを詐欺罪で刑事告訴すると宣言していた。そのため、一部のメディアは検察の動きに注目していたのですが……」(大手紙司法担当記者)
 では、一体、トライベイキャピタルをめぐる「10億円の詐欺」疑惑とはどんなものなのか。
 まず、三浦清志氏の経歴から振り返ろう。清志氏は東京大学教養学部を卒業し、外務省に入省。東大の4年生だった瑠麗氏と結婚した。2年で外務省を退職した清志氏は、マッキンゼー・アンド・カンパニーやベインキャピタルなどを経て、2014年にトライベイキャピタルを共同設立し、現在は代表取締役に就任している。

三浦瑠麗の夫“太陽光発電所建設めぐる10億円詐欺疑惑”の中身とは?
 今回の「10億円の詐欺」疑惑の発端は2019年に遡る。「ZAITEN」2021年10月号の報道によると2019年1月ごろ、トライベイキャピタルは前出の投資会社「META Capital」(以下、メタ社)に兵庫県福崎町のメガソーラー発電所への投資を勧誘。このとき、トライベイ側は「周辺住民の同意はほぼ取れている」「太陽光発電所の権利や土地の所有者とも話がついている」などと説明していたという。この勧誘を受け、同年6月、メタ社は関連会社を通じ、トライベイキャピタルが用意した合同会社「STC3」に10億円を出資。〈将来、出資の8割相当分をトライベイ社が10億円で買い戻す約束〉だったという(「FACTA」2021年10月号)。
 だが、その後も開発は進まなかった。トライベイキャピタル側は発電所の土地や権利を所有する京都市の会社から権利を5億円で買い取る契約を交わしていたものの、2019年2月にこの契約はご破産に。土地の所有権は2019年2月末には大阪の業者へ移っていたというのだ。メタ社が10億円の出資をおこなったのは、契約解消から約4カ月後のことだ。
 そして、土地の権利がトライベイキャピタル側の名義になっていないことをめぐり、2020年5月にメタ社とトラブルに発展。10億円の出資を受けた当時、トライベイキャピタル側はメタ社側に資金調達の手数料である1億800万円と、余剰資金の2億円を還流・返金しているが、開発が進んでいない現在も残りの約6億8000円はトライベイキャピタル側に流れたままだという。そのため、メタ社側が詐欺罪で刑事告訴し、今回の家宅捜索に発展したというわけだ。
 これまでも、資金繰りが苦しくなった企業が追い詰められて、詐欺的な手口で融資を受け、立件されるという経済事件は結構あったが、経緯を見るかぎり、今回もその典型といえる。
 しかし、一方で、前述したように、トライベイキャピタル側は逆に、メタ社に対して民事訴訟を起こしている。
 「実際、検察は民事訴訟の決着がはっきりするまで動かないのではないかと言われていた。それが、いきなり特捜部が家宅捜索したということで、司法記者の間では、特捜部が何か決定的な証拠を掴んだのではないか、という見方が広がっています。しかも、メタ社は、昨年亡くなったソニー元会長の出井伸之氏が創業時から取締役に就いてきた会社で、元東京地検特捜部長である大鶴基成弁護士が顧問に務めている。そうした後押しもあって、本気で立件に向けて動いているのでないかと言われていますね」(前出・大手紙司法担当記者)

三浦瑠麗と問題のトライベイキャピタルの関係は? 三浦瑠麗は説明すべき
 今後、捜査がどのように進展するかは推移を見守る必要があるが、気になるのは、三浦瑠麗氏の姿勢だろう。
 前述したように、瑠麗氏は〈私としてはまったく夫の会社経営には関与しておらず、一切知り得ないことではございますが、捜査に全面的に協力する所存です〉と述べているが、これで説明責任を果たせたといえるのだろうか。
 もちろん、夫と妻は別人格であり、夫の経営する会社が犯罪をおかしていたとしても、その会社と何の関係もないのであれば、妻が謝罪したり道義的責任を感じる必要はない。
 しかし、瑠麗氏の場合は、“なんの関係もない”と言えるのだろうか。
 瑠麗氏は、〈平和のための課題に加え、内外の政治経済・社会問題の調査分析や政策提言〉(HPより)をおこなったり〈社会的な啓蒙活動を使命〉とするシンクタンク「山猫総合研究所」という会社を設立。現在はその代表者でもあるが、この「山猫総合研究所」の所在地は、問題になっている夫のトライベイキャピタルと同一の場所にある。
 しかも、「山猫総合研究所」は、以前まで清志氏も代表取締役として名を連ねていた。登記では清志氏が退任したのは2019年3月となっているが、トライベイキャピタルがメタ社に出資を持ちかけたのは同年1月。つまり、今回特捜部が家宅捜索した案件が進んでいるときに、清志氏はまだ山猫総合研究所の代表取締役だったということだ。
 また、前述した山猫総合研究所とトライベイキャピタルの同一の住所の現在のオフィスは、2018年12月に竣工。登記では山猫総合研究所が2019年3月1日に同住所に移転、つづけて同年10月31日にトライベイキャピタルが移転している。
 2019年3月1日に開かれた「(株)山猫総合研究所代表就任&新オフィス披露カクテルパーティー」に参加した山本一太・群馬県知事(当時は参院議員)は、自身のブログで〈元外務省職員で、現在は投資ファンドの代表を務めるご主人にも、初めてお目にかかった。実物は、Facebookの写真より更にカッコ良かった!〉と綴っている。
 さらに、清志氏が取締役を務める、エネルギー事業の企画・開発をおこなう「トライベイ」も所在地が同住所に登記されているだけでなく、やはり清志 氏が代表理事となっていた「一般社団法人エネルギー安全保障研究所」も同じ住所が所在地となっていた。この研究所では、瑠麗氏の妹が理事に就任していた(同研究所は2020年末に解散)。
 こうした接点を見ていると、両社は「無関係」というより、ファミリー企業かグループ会社的な関係だったような印象さえ受ける。いずれにしても、瑠麗氏は資本関係や経営者の重複も含めて、両社がどういう関係にあったかをきちんと説明すべきではないか。

政府の有識者会議メンバーとして太陽光発電を後押ししてきた三浦瑠麗
 もうひとつ、瑠麗氏には説明すべきことがある。それは、今回、問題になった清志氏のビジネスである「太陽光発電」について、瑠麗氏がそれを後押ししていたことだ。
 本サイトでも指摘してきたように、瑠麗氏は2020年に菅義偉政権が新設した「成長戦略会議」の有識者メンバーに抜擢されたが、同会議で瑠麗氏は荒廃農地の太陽光発電への転用や規制の緩和など、太陽光発電の推進を強く主張してきた
そのため、今回の報道を受けて、SNS上では「利益相反ではないのか」と指摘する声が上がっているのだ。
 もちろん「原発から太陽光発電など再生可能エネルギーへの転換」は、まっとうな主張であり、それ自体には何の問題もない。しかし、ふだんは自民党政権の政策をアクロバティックな論理で無理矢理に擁護している瑠麗氏が、この政策については自民党保守派とはかなりズレのある主張をしているというのは、違和感をもたざるをえない。
 また、仮に瑠麗氏が夫の事業と関係なく、太陽光発電への転換が正しいと考えていたとしても、瑠麗氏は報道番組や情報番組、新聞などで評論家として発言し、安倍政権以降、政権のブレーンとして重用されてきた。そんな人物が自分や家族が関係している事業をめぐる政策について一方的な発言することは、倫理的に考えてありえない行為だ。
 もっとも、瑠麗氏のこうした責任は、マスコミで大きく取り上げられることはないだろう。いまや瑠麗氏はテレビはもちろんのこと、新聞でも朝日から産経までがご意見を拝聴している“大先生”。その倫理的な責任を追及することなんてできるはずもない。
 それは、「週刊文春」(文藝春秋)や「週刊新潮」(新潮社)といったコワモテ週刊誌も同様だ。
 「三浦氏は文藝春秋から多数の著書を出版しており、月刊誌『文藝春秋』の常連で、『文藝春秋digital』では三浦氏のオンライン対談イベントを主催するなど深い関係にある。また、『週刊新潮』では連載を持っているだけでなく、著書『孤独の意味も、女であることの味わいも』などの版元も新潮社。動くことはまずないでしょうね」(週刊誌記者)
 メディアの動きはどうあれ、三浦瑠麗氏には説明責任を果たすことを強くのぞみたい。
(編集部)