2013年2月28日木曜日

TPPで公的医療が揺らぐと


 日本医師会の横倉会長は27日、安倍首相とオバマ大統領との日米共同声明を受け、「TPP(環太平洋連携協定)交渉参加判断に対する意見」を発表し、「日本の国益に反する形でのTPP交渉参加には反対」と表明しました。
 日本医師会はアメリカからTPP参加の強い要請があった直後から、TPPが日本の医療体制を破壊する惧れについてインターネットなどで精力的に宣伝活動を行っています。 

 以下にしんぶん赤旗の記事を紹介します。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
TPP 公的医療が揺らぐ 日本医師会会長が表明
    しんぶん赤旗  2013228 

 日本医師会の横倉義武会長は27日、安倍晋三首相とオバマ大統領との日米共同声明を受け、「TPP(環太平洋連携協定)交渉参加判断に対する意見」を発表しました。
「TPP交渉参加によって、公的医療保険制度が揺るがされることを懸念」するとし、「日本の国益に反する形でのTPP交渉参加には反対」と表明しました。 

 日本医師会は、TPPの対象として仮に公的医療保険そのものが俎上(そじょう)にのらなくても、
(1)知的財産分野における薬価や医療技術など
(2)金融サービスにおける私的医療保険の拡大
(3)投資分野における株式会社の参入
の三つが対象になれば、「国民皆保険の崩壊につながる」と指摘。 

国民皆保険を守るためには、
(1)公的な医療給付範囲を将来にわたって維持すること
(2)保険外診療の拡大につながる「混合診療」を全面解禁しないこと
(3)営利企業を医療機関経営に参入させないこと
が必要だと強調しています。 

 会見で横倉会長は「国民医療を守る上で、(TPPに)参加することでどういう影響があるか、しっかりと見ていかないといけない」と語りました。
 
 
 

TPP 安倍首相のごまかし


自民党は先の衆院選で「TPP交渉参加の判断基準」を政権公約にして政権を勝ち取りました。具体的には次の6項目です。

1. 「聖域なき関税撤廃」を前提とする限り、交渉参加に反対する。
2. 自由貿易の理念に反する自動車等の工業製品の数値目標は受け入れない。
3. 国民皆保険制度を守る。
4. 食の安全安心の基準を守る。
5. 国の主権を損なうようなISD条項は合意しない。
6. 政府調達・金融サービス等は、わが国の特性を踏まえる。 

TPP交渉参加に当たっての日本側の留意点(条件)が要領よく適切にまとめられています。

しかし政権についた安倍首相は、いつの間にか国会等であたかも「聖域なき関税撤廃」の回避のみが条件であるかのような説明をし出しました。そして日米首脳会談に臨むに当たっては「大統領から聖域保証の“感触”が得られれば・・・」と、その基準すらも大幅に緩和しました。
安倍首相が訪米前からTPP参加を決めていたことは、218日付 日経ビジネス「安倍首相、TPP交渉参加決断へ」(安藤毅 日経ビジネス編集委員)でも明らかです。 

そして首脳会談が終わると、メディアとともにあたかも「聖域」が認められたかのような演出をして、帰国後には交渉参加判断の政府一任を党内で取り付けました。自民党内には交渉参加に慎重な意見の人が200人を超えていた筈ですが不思議なことです。

共同声明は、「交渉参加に当たって『関税の全面撤廃』を言明する必要まではないが、どうするかは交渉の中で決めよう」というきわめて当たり前にことを述べているに過ぎません。そもそもオバマ大統領はTPP交渉委員会の主宰者というわけではないので、そんな言質を与えられる筈もありません。 

共同声明の「自動車部門や保険部門に関する残された懸案事項に対処し、その他の非関税障壁に対処し、TPPの高い水準を満たすことについての作業を完了することを含め、解決する作業が残されている」という文言から読み取れるものは、むしろ
「米国が要求している自動車と保険の問題にはまだ決着がついていない。TPPが求めている『非関税障壁』の完全な撤廃を実現するための作業が残っている」とする、米企業が日本で自由に活動が出来るようにしようとするアメリカの魂胆であり本性です。

アメリカが強い医療保険・医薬、さらには診療業務分野で業績を伸ばしていくに当たって、日本の国民健康皆保険制度が何よりの「非関税障壁」であると言い出さない保証はどこにもなく、それが目的で日本にTPP参加を強いてきたアメリカがためらう筈もありません。 

27日付のしんぶん赤旗に「TPP 安倍首相 このごまかし・・・・」と題する鈴木 宣弘(のぶひろ)東大教授のインタビュー記事が載りました。
同教授は農学が専門で、数年前にTPP問題が生じた時から一貫してTV等でTPPの問題点を指摘する論陣を張って来られた方です。
                     ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
TPP  安倍首相 このごまかし “聖域なし”確認しながら“聖域あり”?         東京大学大学院教授 鈴木 宣弘さんに聞く
     しんぶん赤旗 2013227 

 安倍晋三首相は、オバマ米大統領との会談を受け、環太平洋連携協定(TPP)交渉参加に大きく踏み出そうとしています。この事態をどうみるか。東京大学大学院農学生命科学研究科の鈴木宣弘教授に聞きました。(聞き手 渡辺 健)
----------------------------------------------------
交渉参加反対の声 総結集を
 安倍首相は、TPP交渉について「(日米首脳会談で)聖域なき関税撤廃が前提ではないことが明確になった」などとして「なるべく早い段階で決断したい」と表明しています。 

「関税も非関税も撤廃」明記
 “聖域なき関税撤廃が前提でない”というのは、まったくのごまかしです。日米首脳会談後に発表されたTPPに関する共同声明をみると、日本がTPP交渉に参加する場合には「全ての物品が交渉の対象とされる」としています。また、日本は、TPP交渉参加国首脳が表明した「TPPの輪郭」で示された「包括的で高い水準の協定」を達成していくことになるとなっています。2011年11月12日に発表された「TPPの輪郭」は、「関税ならびに物品・サービスの貿易および投資にたいするその他の障壁を撤廃する」と明記しています。 

 TPP交渉とは、関税も非関税障壁も全て撤廃するものだと、日米首脳は改めて確認したわけです。「聖域」がないことを確認しておきながら、「聖域」があるかのようにいうのは、ごまかしそのものです。 

 何をもって「聖域」というかという議論もあります。これまでの日本の自由貿易協定のなかで例外にしてきた重要品目、コメ、酪農品、畜産、畑作、砂糖などが「聖域」と理解されます。仮にコメだけが例外になるという話があったとしても、「聖域」を守ったことにはなりません。関税分類上、重要品目は840もあります。 

米国も例外を認められず
 いままでにない例外のない協定をやる。それがTPPの出発点です。関税について合意されているのは、例外なしにすべて撤廃する。重要品目についてはそれぞれの国で、ゼロにするまで7年から10年ぐらい猶予期間があるにすぎません。アメリカはごり押しで、乳製品と砂糖について、オーストラリア、ニュージーランドにたいして例外扱いさせようとしています。両国は反発し、そんな例外を認めるのであればTPPに署名しないといっています。アメリカでさえ、例外が認められないところまで、交渉は進んでいます。 

 しかも、日本が参加するための条件として、アメリカは現交渉参加国が決める協定に、日本がどの段階で入ってこようが、従うだけで交渉の余地も逃げる余地もないとはっきりいっています。最近、参加が承認されたカナダ、メキシコは念書を交わしましたが、これまでに決まった内容について文句をいわない、これから決まる条文についても基本的に口をはさまないという屈辱的な念書です。日本だけが交渉で例外をつくれるはずがありません 

許されぬ国民への裏切り
 総選挙での自民党の公約は6項目ありました。「聖域」問題はもちろんほかの公約も守られる保証は何もありません。例えば「自由貿易の理念に反する自動車等の工業製品の数値目標は受け入れない」と公約しています。ところが、アメリカは日本の交渉参加の条件、“前払い”“頭金”として、アメリカの自動車をもっと輸入するようにしろと迫っています。保険も残っていると“頭金”を求めています。米国産牛肉の輸入については、すでに規制を緩めてしまいました。「国民皆保険制度を守る」「国の主権を損なうようなISD(投資家対国家紛争)条項は合意しない」という公約も守られる保証はありません 

 総選挙で自民党の多くは「TPP交渉参加反対」を公約して当選しました。その舌の根が乾かないうちに、国民を裏切ることは許されません。 

 農業については、ゼロ関税にしてしまえば、ばく大な金銭補償がなければ、いまの生産水準を維持することなどできません。1兆円規模の補償という話もあるようですが、毎年4兆円ぐらいかかるのですから、まったく足りない。失うものが大きすぎ、“条件闘争”などは成り立ちません。参加反対しかありません 

互恵的な貿易ルールこそ
 政府や財界は「アジアの成長を取り込む」といっています。しかし、中国、インド、インドネシア、韓国も参加しないといっています。アジアのいい貿易ルールをつくるとか、「成長戦略」というのであれば、強いものだけが勝つTPPのような暴力的な協定であってはなりません。日本が東南アジア諸国連合(ASEAN)と協力し、日中韓もいっしょになってアジアに適した柔軟で互恵的なルールをつくることが大切です。そこにアメリカも参加したいというのであれば、乗せてあげればいい。 

 日本がTPPに参加すれば食料自給率が13%に下がるなど国民の命がかかっています。医療も崩壊しかねません。仕事も奪われます。地域、各界各層に広がったTPP交渉参加反対の声をいまこそ総結集する時です。
 
 
 

「コメント」 : 受付情報


2月以降現在までに、下記の記事にコメントをいただいています。
青字の部分が今回新規にいただいたものです。 

コメントは、記事の最下段の「2件のコメント」などと書かれているところをクリックすると、ご覧になれます。 

件数には事務局からの返信の分は含めてありません。 

(記事の日付の降順に掲載)
      
掲 載 日
日 付
石原氏・安倍首相・維新の会・自民党は・・・
2013/2/23
1
2/27
自民改憲案 : 「公益及び公の秩序」と・・・
2013/2/8
1
2/3
 
 
 
 
 
 
 
 

2013年2月27日水曜日

政府・環境省がまたしても水俣病で偽証工作


 水俣病は、熊本県水俣市にあった「チッソ㈱」(当時は「新日本窒素肥料㈱」)水俣工場の、アセトアルデヒド製造工程からの排水中に含まれるメチル水銀(有機水銀)1が原因物質で、それを体内に取り込んだ魚介類を食べた人間(やネコ)の脳・神経が侵されて悲惨な健康障害を起こしたものです。
   1 アセトアルデヒド合成反応の触媒に使う無機水銀の一部がメチル水銀に変化して排水中に流出したもの

 水俣病が公式に確認されたのは1956年で、チッソが必要な情報の提供を一切拒否する中で1958年には熊本大学がチッソから排出された有機水銀が原因だと解明しましたが、チッソ、国、学界、産業界が総がかりでその結論を否定したために、その間も工場排水が水俣湾に流され続け、そこの魚介類を摂取し続けた住民が水俣病に罹患しました※2
2 高度経済成長の基材であるアセトアルデヒドの生産体制を維持するために、結果的に住民を犠牲にしたとも言えます

 メチル水銀が原因であることが明らかにされたのは、1965年に今度は昭和電工の鹿瀬工場のアセトアルデヒド製造排水により汚染された新潟県 阿賀野川流域の住民の間にも、水俣病(新潟水俣病)が発生していることが分かってからでした。
優に1万人を超える水俣病患者が発生した(世界最大の公害)のは、ひたすら政府(と関係団体)が長期にわたって工場排水が原因であることを隠蔽したことによるもので、3.11の放射能災害に関する東電や政府の隠蔽が、水俣病への対応と酷似しているとしばしば言われる所以です。 

 こうしたなか、政府・環境省がまたしても水俣病訴訟で医師に虚偽の証言を求めたことが明らかにされました。以下に毎日新聞の記事を紹介します。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
水俣病患者認定訴訟:環境省が医師に「虚偽証言」要請か
毎日新聞 20130226

 熊本県水俣市出身の女性(87)=大阪府=が水俣病患者としての認定を求めた訴訟の控訴審で、「女性は水俣病」と法廷で述べる予定だった医師に環境省が、認定申請を棄却した県側の判断は妥当と証言するよう要請していた疑いがあることが分かった。医師が拒否したため出廷は見送られ、大阪高裁は別の医師による「水俣病ではない」とする意見書を採用した。 

 高裁は昨年4月、女性を水俣病患者と認めるよう熊本県に命じた1審・大阪地裁判決を覆して請求を棄却。女性は上告しており、代理人弁護士は「国は虚偽証言をさせようとした」として26日、医師本人が経緯を説明した文書を最高裁に提出した。 

 この医師は、千葉県市川市の国立精神・神経センター国府台病院院長などを務めた神経内科医の佐藤猛さん(80)。原告側が最高裁に提出した書面などによると、佐藤さんは70年代、関東地方の水俣病の検診などに携わり、環境省は116月、医師証人としての出廷を要請した。佐藤さんが検診結果などを基に「水俣病」とする症例検討記録を提出したところ同省職員らが何度も自宅を訪問。「申請を棄却した熊本県認定審査会の判定が間違っていたとなるのは困る」として「判定は妥当だった」と証言するよう要請したという
 佐藤さんは拒否。同年9月に省内であった面談でも拒否後、接触は途絶えたという。結局、佐藤さん作成の記録は高裁に提出されなかった。判決後、佐藤さんが「明確に水俣病と診断できる症例が否定され同情を禁じ得ない」と弁護団に訴え発覚した。環境省は「要請した事実はない。係争中でありコメントできない」と述べた。佐藤さんは「取材は受けない」としている。 

 女性は78年、県に認定申請したが棄却され、07年に大阪地裁に提訴。亡くなった母親の認定を求める別の裁判とともに係争中で、いずれも国の認定基準の是非を争点にしている。2件の原告と被告双方の意見を聞く弁論が315日、最高裁である。 【西貴晴、石川淳一】
 
 

2013年2月25日月曜日

米無人機攻撃による死者総数は4700人

 無人機による攻撃はオバマ政権になってから激増し、特にパキスタンでは武装勢力を駆逐するためと称して大々的に用いられ、子供を含む多数の民間人が犠牲になりました。この件ではパキスタン政府もアメリカを非難する声明を出しています。
国連は1月、アメリカの無人機攻撃の実態の調査に乗り出すことを決め、アメリカがどのような法律の枠組みで無人機の攻撃を実行しているのか検証し、国際法に違反していないかどうか年内に報告書を提出することになっています。 

 そうしたなかアメリカの上院議員が、これまでアメリカの無人機による攻撃で計4700人が殺害されたことを明らかにしました。メディアに載った無人機攻撃による世界規模での犠牲者をまとめた数字ということですが、このうちの何人がアメリカが殺害しようとした対象で、関係のない民間人が何人なのかは明らかではありません。

 10,000kmも離れた外国領空上の無人機をテレビゲームさながらにアメリカ本土で遠隔操縦し、ミサイルを発射して無関係な子供を殺害した経験を持つ若者の述懐が先にインターネットに載りましたが、民家や民間の施設を標的にして、しかも確認も警告もなくミサイルを撃ち込むのですから、民間人の犠牲者が出ない方がおかしいと言えます。
126日付「米 無人攻撃機の犯罪性にようやく国連のメスが」
 以下に同記事をはじめ無人機関連のニュースを3つ紹介します。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
無人機攻撃による死者総数は4700人 米上院議員明かす
CNN 2013224
 米連邦上院のグラハム議員(共和党)は24日までに、米国がパキスタンやイエメン、ソマリアなどで実行する無人機によるアルカイダ系組織幹部らへの攻撃でこれまで計4700人が殺害されたことを明らかにした。
    地元選挙区であるサウスカロライナ州のインターネットメディアによると、同州イーズリーでの講演で述べた。

米政府は無人機攻撃について諜報に関わる機密性の高い作戦などとして詳細に立ち入ることは一貫して避けている。パキスタンでは無人機攻撃による民間人死亡も多いことから反米批判も広がっている。無人機攻撃は米中央情報局(CIA)が実施しているとされる。

同議員は4700人との数字について、諜報や国家機密を暴露したわけではないと主張。CNNの取材には、メディアに載った無人機攻撃による世界規模での犠牲者をまとめた数字と説明した。
CNNのテロ問題専門家は、無人機攻撃による死者数は19003300人、うち民間人は261305人と指摘。米国の調査報道団体はこれまでの総数は4756人と推定している。
海外での無人機攻撃は、オバマ政権誕生後に激増した経緯もある。国家安全保障問題担当のドニロン大統領補佐官は、無人機攻撃は米国に深刻な脅威をもたらす集団と個人だけが対象と主張している。
 

米、テロ組織監視で無人機運用 ニジェールで
東京新聞 2013224
 【ワシントン共同】オバマ米政権は23日までに、アフリカ西部マリでイスラム過激派の掃討作戦を展開しているフランス軍との情報共有に向け、マリの隣国ニジェールに派遣している米軍部隊を100人規模に増強した。オバマ大統領が議会に通知した。テロ組織を監視するため無人偵察機を運用するとみられる
 議会への書簡によると、ニジェール政府の了承を得て20日に40人の米兵を新たに派遣した。米国はこれまで兵員輸送や空中給油などでフランス軍を後方支援していた。
 

イラン、無人偵察機捕捉と発表 革命防衛隊
東京新聞 2013224
 【テヘラン共同】イランの革命防衛隊は23日、同国南部で実施している軍事演習の区域内に侵入しようとした外国の無人偵察機1機を捕らえたことを明らかにした。どの国の偵察機かは言及していない。イランのメディアが伝えた。
 革命防衛隊によると、無人偵察機の航行システムを乗っ取り、演習区域近くの「地上に着陸させた」としている。

 イランは2011年12月、同国東部の領空を侵犯した米無人偵察機を撃墜したと発表。同機は敵のレーダーに探知されにくい高度のステルス性能を持つRQ170とされ、米側は高度な技術情報の流出を懸念している。
 
 

2013年2月24日日曜日

2月例会が開催されました


217日(日)13:3016:00、「湯の町湯沢平和の輸」の2月例会が開催されました。 

1. 連続学習―「『18人の発言』に学ぶ」(第15回)
テキスト:「憲法を変えて戦争へ行こうという世の中にしないための18人の発言」
(岩波ブックレットNo.657  2005.8.2発行)
  「18人の発言」の連続学習は、今回の黒柳徹子さんと品川正治さんをもって最終回となりました。
17人目に登場の女優・黒柳徹子さんの
「子どもたちは戦争に苦しめられることなく、夢や希望をもっていきることができなければならない一それは世界共通の思いです。憲法9条は、私たちのそのような思いとそれを具体化するための規定です。子どもの幸せを願う心を原点に、憲法9条の大切さを考えることこそが必要なのではないかと、私は考えます。」
との発言は、長くユニセフ親善大使として世界の子どもたちのために働いてきた人の言葉として多くの参加者から共感の声が出されました。 

18人目に登場の品川正治さんは経済同友会の終身幹事という財界人。
「今、東アジアの平和と友好の中でこそ、企業活動も円滑に推進されていくのですから、憲法9条を変えてしまうことはその点でも大きな妨げになるものです。」
とその発言を締めくくって憲法9条の現実性・有効性を強調しましたが、経験豊富な経済人の発言だけにとても説得力を感じました。 

次年度からは新しいテキスト「中高生のための憲法教室」(伊藤真著・岩波ジュニア新書)を軸に、「解剖・自民党改憲案」をサブテキストとして連続学習を進めますが、3月例会では平和憲法との矛盾がいよいよ極限にまで達した日米安保について勉強します。(テキスト : 「1からわかる日米安保」 @200)

2. 2013年度総会に向けて
(1) 開催日について
湯沢町公民館定期使用申請書の提出期限を225日にひかえて、総会も含めた月例会の開催方法について検討をおこないました。
出来る限り多くの会員が参加しやすい設定の仕方について検討した結果、新年度も現行のとおり「毎月第3日曜日の13:3015:30」とすることが決まり、総会は421日(日)開催予定となりました。

(2) 2012年度の活動を振り返って
この1年の活動を振り返って参加者から出された主な意見を紹介しますと・・・・

① 「湯沢町まちづくり基本条例」の“コミュニティー”の自覚に立った町への平和取り組みについての提案・要請活動は、多くの実りある結果につながった。
新年度も引き続きこうした活動を続けるべきだと思う。特に広島平和記念式典への湯中生の代表派遣については、粘り強く要請し続けていく必要があると考える。

  新たに会のブログを開設し、内容を充実させてきたことは画期的な前進だと思う。ブログに掲載された記事を例会での学習資料として使うなど、もっともっと積極的に活用していくことを考えていくとよいのではないか。

③ 会員・「通信」読者を増やし「平和の輪」を大きくしていく取り組みが足踏み状態なので、毎月の例会に1人が1人を誘って参加するよう心掛けてはどうだろうか。

  「新春平和の集い」での山ロ節子さんの江戸里神楽はとても良かった。習う 機会を作って春・秋の平和キャンペーンなどでのアピールカを高め、楽しく効果の上がる活動をめざすことも大切なのではないか。

(3) 2013年度の活動方針について
新年度の取り組みについての主な意見を紹介しますと・・・・

① 集団的自衛権行使の容認、改憲発議要件の緩和などの動きが活発化してきている中、憲法記念日に憲法を守り生かすことの大切さを訴える取り組みを何としてもやらなければならないと思う。
今年の5月3日を皮切りに、毎年憲法記念日には新聞折り込みで「平和の輸」のアピールを行うようにしていったらどうだろうか。

② 8月の特別企画として、前々から希望の出されていた桂南々師匠の落語会を開催してはどうか。今から連絡を取って準備を進めれば実現できるのではないか。
憲法9条をめぐる新たな情勢を多くの人に知ってもらうことと併せて企画することを提案したい。

(4) 総会記念企画の内容について
年度総会と併せて行う記念行事の企画としては、「新潟県9条の会」事務局長の工藤和雄弁護士に県下各地の「9条の会」の進んだ取り組みの紹介なども含めて講演をお願いしてはということになり、早速連絡・依頼をすることになりました。 

. 報告・その他
例会では最後に、1月例会以後に実施されたことの報告やこれから実施される予定の連絡が行われ、16時ちょっと前に終了しました。主な連絡事項は次のとおりです。

① 「新潟県9条の会」第39条セミナーの開催についてのお知らせ
・日時: 323日(土)1330分~16
・会場: 「クロスパルにいがた」 4F 映像ホール(新潟市中央区礎町3ノ町)
・内容: 講演「アジアの中の日本一北朝鮮・中国脅威論を考える」 

  「小出裕章(京都大学原子炉実験所助教)講演会」の開催についてのお知らせ
・日時: 420日(土)14時開演
・会場: 南魚沼市民会館大ホール
*入場料は500円です。

詳細については、世話人(「連絡先」に掲示)にお問い合わせください。 

4. 映画「渡されたバトン ー さよなら原発」 完成披露試写会の報告
   「原発をなくす湯沢の会」事務局の南雲敏夫さんがお出でになって、23日に新潟市で行われた上記劇映画の完成披露試写会の様子や今後の取り組みなどについて報告していただきました。
   同映画は、巻町に建設計画のあった原発の是非をめぐって4半世紀にわたる巻町民のみなさんの闘いで住民投票を実現して、原発建設を阻止した実話をドラマに仕立てたものです。「原発をなくす湯沢の会」では今後湯沢町での上映を目指した取り組みを行うようですので、当会もタイアップして行きたいと思います。
 
 

2013年2月23日土曜日

統治者がルールを変えてもよいのか と


どのマスメディアも安倍政権の批判は一切しないという極めて異常な状況のなかで、地方紙の「河北新報」が安倍首相の改憲姿勢を厳しく批判する社説を載せました。

安倍首相が憲法96条を変えて改憲のハードルを低くしようとしているのは、スポーツで言えば勢力のある側が試合のルールを自分に有利なように変更するのに等しく、専横であり立憲主義に対する理解不足であるとしています。 

安倍首相が衆院選前に「たった3分の1を超える国会議員の反対で、(憲法改正を)発議できないのはおかしい。そういう(改憲に消極的な)横柄な議員には退場してもらう選挙を行うべきだ」と述べたことも紹介されていますが、それこそは何とも理解しがたい非論理的な言説で、それがいまだに無批判的に通用しているのも理解しがたいことです。
    101日付「安倍自民党総裁の話はおかしいのでは・・・」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【社説】 憲法96条/統治者には拘束が必要だ
河北新報 20130223 

 スポーツで、試合のルールを自分に有利なように変更することは許されない。
 例えば野球で、貧打に悩むチームが「三振」を「四振」に変えてくれと相手チームに持ち掛けても、通るはずがなかろう。

 憲法改正手続きをめぐって、安倍晋三首相がルール変更の必要性を繰り返し主張している。理由は「ハードルが高すぎる」。
 最高権力者が簡単に緩和を口にするようでは、専横とのそしりは免れない。何より、立憲主義に対する理解不足を疑われても仕方がない。
 首相が改憲を志向することの是非は、あえて問わない。だが、衆院選大勝の余勢を駆ってルール変更に動くことは無謀であり、国民的理解も得られない。

 議論になっているのは、憲法改正手続きについて規定している96条。改憲には衆参両院とも総員の3分の2以上の賛成で国会が発議し、承認には「国民投票で過半数の賛成が必要」としている。
 首相はかねて96条を問題視してきた。衆院選前には「たった3分の1を超える国会議員の反対で、発議できないのはおかしい。そういう(改憲に消極的な)横柄な議員には退場してもらう選挙を行うべきだ」と述べた。

 発議に「3分の2以上」という特別多数を求めている点で、日本国憲法は「硬性憲法」といわれる。自民党など改憲肯定派は、これを過半数という単純多数に引き下げることで、改憲に向けた環境整備を図ろうとしている。「軟性憲法」化だ。
 仙台市出身の憲法学者、樋口陽一東大名誉教授は「憲法は権力を持っている人たちを縛り、持たない人の自由を確保するのが主眼」と述べている。
 統治者を拘束する国の最高法規であるからこそ、発議要件は厳格に。これが「硬性」に込められたメッセージだろう。

 発議要件を過半数とした場合、確かに発議は容易になる。だが、今度は政権交代があるたびに与党の意向でいとも簡単に改廃できるようになる。
 「不磨」と同様、「朝令暮改」も憲法を害する行為であることを指摘しておきたい。

 首相にとってのジレンマは96条を変えるにしても、差し当たりは現行の規定に沿って事を進めなければならないことだ。つまり、衆参で3分の2以上の改憲勢力を確保する必要がある。
 自民、公明両党は衆院で325議席を獲得。数字上は可能だが、公明党は発議要件の緩和に慎重だ。このため、改憲に前向きな日本維新の会などとの連携を視野に入れる。

 焦点は参院だ。自民党はことし夏の参院選で「ねじれ状態」の解消はもちろんのこと、民主党内にも一定数いる憲法改正派を糾合して、改憲を政治日程に載せる戦略を描いている。
 であるなら、参院選を「憲法とは何か」という根底的な問いをめぐる国民的議論の場としなければならない。

 「横柄な議員」とは誰のことを言うのか、見極めるのは私たち国民である。
 

石原氏・安倍首相・維新の会・自民党は憲法違反と


 伊藤真氏が主宰している法学館憲法研究所のホームページに、同所顧問 浦部法穂氏の論文「憲法尊重擁護義務」が掲載されました(21日付)。
 
 そこでは日本国憲法第10章「最高法規」の意味から説き起こされ、石原慎太郎氏をはじめ安倍首相や多くの大臣や国会議員、日本維新の会や自民党などが公務員の憲法尊重擁護義務99条)に違反していることが、極めて明快な論理で語られています。

 そしてそもそもあらゆる「改正」が憲法上許容されているのではなく、許容されない「改正」を首相や党首が声高に叫び、それに対して政権自体やメディアが何の批判も加えていないのは驚くべきことだとしています。

 以下に事務局で要約した同論文の要旨を紹介します。(詳細は下記のURLをクリックして原文をご覧ください)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
憲法尊重擁護義務 (浦部法穂の憲法時評)
浦部法穂・法学館憲法研究所顧問  2013221
(上記URLをクリックすれば同記事にジャンプします。以下同) 

 (要旨 事務局で要約)
 憲法第10章「最高法規」には、基本的人権の永久不可侵性97条)、憲法に反する法律等は無効であること(98条)、そして公務員の憲法尊重擁護義務99条)を定めているが、この3箇条の条文は憲法の最も重要な基本的性格を明らかにしたものである。

 99条の条文では、とりわけそこに名指しされている「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官」という国の中心的な権力を委ねられた者は、「その他の公務員」に率先して、この義務に忠実であることが求められている。
それなのに最近の国会議員や大臣のなかには憲法上のこの義務をまったく無視している輩が少なくなく、国家として異常な姿である。 

 その代表格が知事時代から「現行憲法は無効だ、憲法を破棄せよ」と公言していた日本維新の会代表の石原慎太郎氏で、今月12日の予算委員会でもこの持論を展開し、事実上「内閣総理大臣が憲法破棄を宣言すればそれによって現憲法の無効が確定する、だから憲法破棄宣言をすべきだ」と首相に迫った。
こういう発言が国会の場で堂々となされ、それを戒める発言が国会の場でも内閣からも、またメディアからも出てこないということは驚くべきことである。石原氏は憲法99条の義務に明らかに反しており、もはや衆議院議員としての資格を有しないとされるべきである。 

 かりに内閣総理大臣が「憲法破棄」を宣言しそれによって現行憲法の無効が確定するとしよう。憲法が無効だということになれば内閣総理大臣や他の大臣も、国会議員も、その地位の法的根拠を失う。だからその瞬間に当の内閣総理大臣は内閣総理大臣でいられなくなり、他の大臣も国会議員もその地位を失う。
それでも彼らがなお総理大臣や大臣あるいは国会議員の地位にとどまり続けたとしたら、それは非合法的に権力を奪取する行為、すなわちクーデターである。
石原氏の質問はクーデターの唱道にほかならない。 

 一国民であればそういうことを唱える自由はあるが、公職にあるものには憲法99条によって「憲法尊重擁護義務」を課せられているからその自由はない。石原氏がみずからの思想・持論を貫きたいと考えるのなら、彼は都知事にも衆議院議員にもなってはならず、日本維新の会も在野の政治団体にとどまるべきであった。
これは「自主憲法制定」を唱える安倍首相や少なからぬ大臣・国会議員、また、それを党是とし「新憲法草案」を発表している自民党も同類である。自民党の改憲案「自主憲法制定論」が現憲法を廃棄して新憲法を制定すべきだとする議論である以上、それは「憲法尊重擁護義務」とは相容れない。 

「国会議員が国の一番基本となる憲法のあり方を議論するのは当然で、むしろ国会議員の最も重要な任務ではないのか」という反論は、「憲法尊重擁護義務」の範囲内にとどめられるべきで、「憲法破棄」などという議論は明らかに一線を越えている。
国会の憲法改正の発議権はあくまで「改正」の発議権であって「憲法廃棄」や「新憲法」の発議権ではない。
 
 

2013年2月22日金曜日

中国人は日本をどんな風に?


 中国のインターネット掲示板に載った意見の一部がサーチナニュースで紹介されています。日本人に読まれることを意識していないで書かれたものなので、中国人の率直な気持ちが分かって参考になります。
    (テーマを設定して意見を募ることを「スレッドを立てる」と言い、テーマを設定して意見募集の掲示板を立てた人を「スレ主」と呼ぶようです)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
日本はいまだに男尊女卑…中国人が議論
サーチナ  2013221

中国大手検索サイト百度の掲示板に「日本は男女平等なのか?」というスレッドが立てられた。スレ主は、日本は男女平等ではないと考えているようだが、同話題について中国人ネットユーザーが議論を交わした。

スレ主は、日本のドラマや映画などで描かれる女性には尊厳がないように見えると主張し、日本の男女間には厳格な階級制度があり、女性は男性に決して反抗しないようだとの見解を述べたところ、次のようなコメントが寄せられた。
 
・「日本ではいまだに男尊女卑の考えだね」
・「日本は間違いなく男尊女卑」
・「日本女性の地位はやはり高くないように思う。バラエティ番組を見ているとそう感じる」

などといった意見が寄せられた。一方で、「今では日本もずいぶん良くなったよ」、「日本人女性の地位はすでにかなり高くなっている。奥さんや彼女が恐いという男性が増えている」、「日本では結婚すると給料をすべて妻の口座に入れるんだよ」など、日本女性の地位は決して低くはないという意見もあった。

また、中国における女性の地位についても議論しており、「中国はすでにフェミニスト社会に突入した」、「これは日本だけでなく世界的な問題だ。この点では中国は自慢できる。中国の女性解放運動は世界でもっともスゴイ」と、中国では女性の地位が高いという意見が寄せられた。

国連が実施した女性の社会進出に関する調査によれば、日本は世界135カ国中101となり、女性の社会進出が遅れていることが浮き彫りとなった。日経新聞によれば、2011年の日本の全就業者に占める女性の比率は42.2%と欧米諸国と同水準となったが、女性管理職の割合はわずか11.9%と極めて低水準にとどまるなど、スレ主の指摘をあながち間違っているとは言えないだろう。

一方、中国では「女性が強すぎる」とぼやく男性も少なくない。中国人はメンツを重んじるため、金銭面を中心に男性は女性に負担をかけたがらない。女性に何かを負担させることは男性にとってメンツが立たないことだからだが、メンツが仇となって中国人女性が強くなりすぎたという意見も存在する。(編集担当:畠山栄) 
 

日本に失望したという中国人たちが日本について語る
サーチナ20121020

中国大手検索サイト百度の掲示板に「オレと同じように日本に失望したって奴はほかにいる?」というスレッドが立てられた。スレ主の質問に対して、中国人ネットユーザーからさまざまなコメントが寄せられた。

スレ主は、「昔は日本を高く評価していたが、現実の日本を知るにつれて、自分が偉大だと思っていた日本への理解は、幼稚だと思うようになった」と主張。さらに、「中国が上流社会に入り始めた平民であるならば、日本は落ちぶれようとしている上流社会の中年貴婦人のようであり、政治が特に気分を悪くさせる」と主張している。

スレ主と同じように感じたというコメントには「同感だ。前は盲目的に日本が好きだったが、今は少しずつはっきり見えてきた。でもそれでも好感は持っているが」、「そのとおりだな。オレは今、韓国のほうがかわいいと思えるようになったよ。少なくとも危害はない」といった意見があった。
スレ主のような意見が出た理由については「スレ主は日本のことを完璧だと見ていたからだ」、という分析があったほか、「スレ主は以前に知らな過ぎただけだ」というコメントもあった。しかしスレ主とは反対の意見の方が大勢を占めていた。

・「それでもやっぱり日本が好き」
・「釣魚島(尖閣諸島の中国側通称)の対立があっても日本が好きであることに影響はない。戦争にならない限り政治にはかかわらない」
・「日本には学ぶ価値のある点が多いから、何があっても日本から学ぶのは悪いことではないと思う」

そのほかの意見には「むしろ中国に対してますます失望している」というコメントが複数あったほか、「中年貴婦人というのはうまい」、「文化愛好者にとって文化は文化であり、政治とは関係がない」、などのコメントがあった。(編集担当:畠山栄)
 

みんな日本製品は大好き、「でも買えないんだ!」
サーチナ20121012

中国大手検索サイト百度の掲示板に「本当にみんな日本製品が嫌いなのか?」というスレッドが立てられた。スレ主の質問に対して、中国人ネットユーザーからさまざまな回答が寄せられた。

尖閣諸島(中国名:釣魚島)の問題をめぐり、中国では日本製品の不買運動が広がっているが、スレ主は「みんなは本当に日本製品が嫌いなのか」と尋ねている。
スレ主の質問に対し、中国人ネットユーザーからは次のようなコメントが寄せられた。

・「日本政府は嫌いだが、日本製品は嫌いじゃない。本当のことを言えば日本製品は非常に使いやすい」
・「日本製品が大好き!電器、カメラ、自動車、うちではどれも日本企業の製品だ。品質の保証があるし、お薦めだ!」
・「安くて高品質。オレは撮影を学んでいるが、日本製品を買わないならドイツ製になるが高すぎる。中国にはデジタルカメラは作れないし」

など、日本製品は嫌いではないという意見が多かった。しかし、購入するとなると話は別だという意見が多く、「嫌いではないが、特殊な状況ゆえにボイコットは必然だ」、「日本製品は良いよ。でも買っちゃだめなんだ」、「好きでも買わない」、「嫌いではないが、気骨ゆえに買わない」などの意見があった。

ほかには、スレ主のような奴がいるから中国はバカにされるのだと批判する意見や、日本製品は嫌いなのではなくて憎いのだ、などの反日的な意見も寄せられた。
中国で9月に発生した大規模な反日デモの影響で、中国に進出している各日本企業の売上が大幅に落ち込んでいる。一方で、日本企業のライバルである欧米メーカーや韓国メーカーも売上を大きく伸ばしているとは言いがたく、日本製品の買い控えによって消費者がライバル企業に流れているわけではなさそうだ。(編集担当:畠山栄)
 

もし日本が尖閣と蒼井そらを交換しようと言ったら?番外編です
サーチナ 20121023

中国大手検索サイト百度の掲示板に「もし日本が釣魚島(尖閣諸島の中国側通称)と引き換えに、蒼井そらをくれると言ったらどうする?」というスレッドが立てられた。スレ主の質問に対して、中国人ネットユーザーからさまざまな回答が寄せられた。

蒼井そらは中国でも活動するAV女優で、中国では極めて高い知名度を持つ。「両方とも日本のものじゃん」というツッコミが見られたが、こうしたツッコミはほかのユーザーから「日本の犬」と批判されていた。また、「オレは蒼井そらと交換したい」というコメントもあり、これに対しては「なんて正直な子だ」というコメントがあった。蒼井そらと交換するという意見は次のようなものがあった。

・「蒼井先生と交換だな。これは必須だ。蒼井そらを手に入れれば世界を手に入れることになる」
・「釣魚島は現状で俺たちのものじゃない。蒼井先生と交換してくれたらオレは大喜びだな。その後も釣魚島は依然として釣魚島は俺たちのものではないが、蒼井先生は俺たちのものになる」

しかし、島の方をとるというコメントの方が比較的多く、「戦争になったとしても島を取られるべきではない!この島は中国の戦略的地位は重要だ!」、「蒼井そらなんていらない。そもそも蒼井そらは何の役に立つんだ」、「釣魚島は蒼井先生より使い道がある」などの意見があった。

そのほかの意見には「両方取ることはできないのかな」というコメント、「釣魚島は中国のもの 蒼井そらは世界のもの」、「釣魚島は日本のもの 日本は中国のもの」などのお決まりのフレーズもあった。(編集担当:畠山栄)
 
 
 

2013年2月21日木曜日

生活保護:申請拒否は違法の判決


 さいたま地裁20日、埼玉県三郷市に住んでいた女性(54)と家族(夫と二人の子供)の生活保護申請を拒否したのは違法として、保護費の不払いなどによる損害の賠償を命じる判決が出されました。 

この事では、市の職員が常識では考えられない程冷酷に対応しました。
2004年末、大黒柱の夫が白血病で倒れて入院したのを介護していた女性は、自らも度重なる心労から精神を病み精神科に通院するようになりました。派遣労働者の長男の月約10万円の収入ではとても家賃と入院費を払えないので、女性は度々三郷市役所福祉課に足を運びましたが、その都度職員から「国に頼るな。働きなさい」、「自分でどうにかするしかない」、「親族に助けてもらいなさい」等と生活保護の申請を拒否されました。 

夫が入退院を繰り返すなか長男も遂に20065月に失職しました。それであらためて申請に行ったときにも、「働かないのがいけない」などと言われて拒絶されました。しかしそのあと弁護士が同行すると職員の態度が一変し、申請が受理され月14万円弱の生活保護が決定しました。しかしなぜか住居費は不支給とされ、その直後から葛飾区への転居を職員が指示するようになりました。
それで女性は8月末に葛飾区へ転出することにしましたが、職員は「転居後は保護を受けないように」と念押ししたうえで母子を保護の対象から外し、その後まもなく保護を全面的に廃止しました。(全くの違法行為です) 

 そのあたりの経過を時系列的に示すと下記のとおりです。(原告弁護団資料より)
・2006年6月、弁護士が同行して生活保護申請し、受理。
・2006年7月14日、保護開始決定
    この直後から三郷市職員、妻に葛飾区への転居を指示
・2006年8月23日、葛飾区へ妻と次女が転居する旨の保護変更申請書に署名を強要。その際、妻に転居先の葛飾区で生活保護申請をしないよう指示。
・2006年8月28日、葛飾区へ妻と次女が転居。同2名を保護から外す。
・2006年9月17日、三郷市、夫の一時退院とともに保護廃止決定

 なおその後弁護士が交渉して2006年9月29日に葛飾区での生活保護受給が決まりました。 

 生活保護申請者に対するこのような対応が、この三郷市福祉課・職員にとどまっているとはとても思えません。
メディアはときどき生活保護の不正受給をあたかもそれが横行しているかのように取り上げますが、その額は全体の0.4%未満であるといわれています。それよりもいまも全国の市町村で行われている『水際作戦』=生活保護申請の受付拒否の方がはるかに重大な問題です。 

問題はもう一つあります。この訴訟は1審判決まで実に5年半が掛っています。この単純な事案の審理にどうしてこんなにも長い時間が掛るのでしょうか。日本の裁判のこの並み外れた悠長さではとても弱者の権利など守れません。
司法関係者にも是非共そうした視点に立って欲しいものです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
生活保護:申請拒否は違法 埼玉県三郷市に賠償命令
毎日新聞 20130220 

 埼玉県三郷市に068月まで住んでいた女性(54)と家族が生活保護申請を拒否されたのは違法として、市に生活保護費の不払い分など約1045万円の損害賠償を求めた訴訟で、さいたま地裁(中西茂裁判長)は20日、市側が女性らの申請する権利を侵害したと認め、計約540万円の支払いを命じた。原告側の弁護団によると、申請権の侵害を認めた判決は全国初という。 

 判決によると、生活に困窮したこの女性は052月から約1年半、市福祉事務所で生活保護を申請しようと4回面接したが、「身内からの援助を確認するように」などと拒否され続けた。066月に弁護士が同行し、申請が受理された。 

 判決は「申請の意思があることを把握しながら、誤解を与える発言などの故意や過失により申請権を侵害すれば、申請を審査・応答する義務に反するため、賠償する責任がある」と指摘。その上で「市側は女性から収入増が見込めないと聞いていたのに、さらに身内からの援助を求めなければ生活保護を受給できないと誤信させた」などとして申請権の侵害を認めた。 

 三郷市は「判決内容を十分精査した上で、弁護士や関係機関などと対応を協議する」としている。 【狩野智彦】