ラベル ・災害 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル ・災害 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2016年5月8日日曜日

安倍政権の震災対応の酷さを 安倍応援団の「週刊新潮」が大批判

 極右論客の櫻井よしこ氏や菅官房長官が、熊本大地震を良い機会だとばかりに緊急事態条項の導入を叫びましたが、TVで政府の対応の拙さを見せつけられた国民に対しては何ほどの説得力もありませんでした。逆に、大震災の場合に的確に対処するために同条項が必要という政府の言い分の欺瞞が明らかにされただけでした。
 実際、熊本大地震における政府の対応はお粗末で、東日本大震災における不手際の経験が全く生かされていませんでした。また阪神淡路大震災での成功体験の部分も生かされませんでした。
 被災者になかなか食事や支援物質がスムーズに届かないことがTV映像から読み取られる一方で、政府のTPPの審議強行、北海道衆院補選への注力、そして災害の政治利用に腐心する姿勢ばかりが目立ちました。
 この度もそうした政府の対応をマスメディアが殆ど批判しない中で、これまで安倍政権の応援団メディアとして知られていた『週刊新潮』が、ナント、ゴールデンウイーク合併号に「『安倍内閣』熊本支援の失態失策大失敗」なる記事を掲載したということです。
 
 そこでは「安倍総理が過大評価している松本文明内閣副大臣を現地対策本部長にした人選ミス」の詳細をはじめ、激甚災害指定の遅れによる弊害など様々な失態が詳細に報じられています。
 LITERAの記事を紹介します。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
安倍政権の震災対応のヒドさに“応援団”の「週刊新潮」までが
告発記事掲載!  安倍首相と閣僚の失態が次々と…
LITERA 2016年5月7日
 熊本大地震発生から3週間。今も震度4クラスの余震が頻発しているが、安倍首相といえばゴールデンウイークに被災者そっちのけで欧州を歴訪、相変わらず震災に対する冷淡な姿勢を見せつけている。
 
 本サイトでは震災発生以降、安倍政権のあまりにお粗末な対応を一貫して指摘、批判してきた。だが、安倍政権の圧力と懐柔に飼いならされた大新聞・テレビはこの事実をほとんど追及していない。
 たとえば、現地対策本部長を務めていた松本文明副大臣が自分への差し入れを要求し更迭された問題についても、新聞が報じたのは第一報だけ。更迭は松本副大臣が被災地でしでかしたさまざまな横暴が原因であったにもかかわらず、「体力的な問題による交代」という政府発表をそのまま垂れ流して、官邸と総理の任命責任を不問にしてしまった。
 救援物資輸送の遅れ、震災最中の国会TPP審議強行安倍首相の現地視察と激甚災害指定を選挙利用のために遅らせた問題なども同様だ。マスコミはこうした政府の対応を直接的に批判することはせず、せいぜい国会での民主党の質問を取り上げる程度、テレビにいたっては、報道することさえほとんどなかった。
 そして、ネットでは政権の対応を批判する意見に対して、「災害に乗じて流言蜚語を流してる」「安倍さんのあら探しをしているだけ」「激甚災害指定の意味がわかっていない」などといった攻撃が浴びせられる状況になっている。
 
 ところが、そんな中、意外なメディアが安倍官邸の震災対応を告発した。それは、このゴールデンウイーク合併号(5月5・12日号)に「『安倍内閣』熊本支援の失態失策大失敗」なる記事を掲載した「週刊新潮」(新潮社)だ。
週刊新潮」といえば、安倍政権発足以来、頻繁に官邸のリークに乗っかって、野党や政権批判の動きをけん制する報道を繰り返している典型的な“安倍応援団”メディア。ところが、この記事には、タイトル通り安倍政権の失策がこれでもかとばかりに書かれている。
 たとえば、松本文明内閣副大臣については、報じられた発言だけでなく、更迭された際のぶらさがり会見でこんな呆れた弁明をしていたことを暴露している。
「現地での食事はみなコンビニで弁当を買っているというので、自分の分を1万円渡したが、本震で1軒も開かなくなった。だからテレビ会議で大臣にコンビニを開けてくださいと頼んだ」
 「私の部下がカップラーメンを持ってきたが、お湯が出ないので食べられないとも(大臣には)言った」
 また、対策本部に自衛隊が到着した際、松本副大臣が作業中の自治体職員に作業を中断させて拍手を強いたという疑惑を指摘。「現地本部長にしたのは人選ミス」「安倍総理が過大評価した面は否めません」と安倍首相の任命責任にも言及している。
 
 さらに、「新潮」は、支援物資がなかなか被災者に届かなかった問題についても、「政府の不作為」が原因であるとはっきり書いている。福岡、大分、宮崎、鹿児島の隣県に拠点を作り、仕分けボランティアや医療機関への被災者受け入れ態勢をつくっていれば、もっとスムーズに救援、支援ができたという分析したうえ、専門家に以下のような批判をさせるのだ。
「現状では物資が役所に届くだけで、そこから各避難所への配達態勢が整っていません。阪神淡路大震災の時、長田区にある真野地区では、(中略)適切な優先順位のもとで物資が行き渡った。そういう大切な教訓が、今回は生かされていません」(防災科学技術研究所・佐藤隆夫氏)
 「政府は『プッシュ型支援』と銘打ってトップダウンで被災地に物資を届けていますが、一方的に送りつけているだけで、先立つべき仕組み作りができていません」(危機管理コンサルタント・田中辰巳氏)
 「政府はこれまでその仕組み作りを怠ってきました。東日本大震災時に野党だった自民党は、民主党政権の対応を厳しく批判しましたが、それに学んで次に備えてこなかった」(同)
 
 しかも、「新潮」のいう「政府の不作為」は支援の遅れだけではない。50代女性がエコノミークラス症候群によって亡くなったが、これも車中泊が多いことがわかっていながら、注意呼びかけを怠り、飲み水の供給が遅れた政府の責任であると断じている。
 もちろん、震災を無視した国会TPP特別委員会の開催も厳しく批判している。
 この問題を国会で追及した民進党の緒方林太郎議員を登場させ、震災発生から4日後のTPP特別委員会の開催強行について、与党側が「総理の強い意向」と説明したことを暴露。その結果、震災対応の責任者が7時間も審議で拘束され、震災対応の遅れを生んだことを指摘した。
 
 また、安倍首相やその応援団が「予算措置なんだから急ぐ必要はない」と弁明していた「激甚災害指定」についても、阪神淡路大震災では7日後、東日本大震災では翌日に、時の政府が指摘を決めていたことを紹介し、「遅い」とばっさり。専門家のこんなコメントを掲載している。
「河野(防災担当)大臣が地方税収入との関係を説明していましたが、映像ニュースなどで被害状況はつぶさにわかっているわけで、そんなものは後講釈です。指定を早く行えば、(略)方向性を打ち出すことができ、被災者に希望を与えられる。それが安倍さんは全く出せていません。一連の震災対応からは、やはり政権の緩み、弛みがちらつくのです」(政治アナリスト・伊藤惇夫氏)
 「災害時の対応はます『総論』から始めるべきです。激甚災害指定として扱うか否か、(中略)食料は何食分を何日間で配布するのか、といったことです。これがないまま、各大臣や担当者がそれぞれ『各論』を喋ってしまっているので、行き違いや国と被災者の要望にミスマッチが生じてしまうのです」(危機管理コンサルタント・田中辰巳氏)
 
 さらに、「新潮」が問題にしたのは、閣僚たちのいい加減な情報の扱い方だ。たとえば、森山裕農水相は18日、90万食を確保できるとした上で、その後の3日間で180万食を追加すると言ったにも関わらず、これが伝達ミスであることが発覚。90万食に訂正した。また、中谷元防衛相は菅官房長官が発表すべき死亡者数を勝手に口にし、それがでたらめな数字だったため、マスコミが統合幕僚監部に確認に走り、防衛省が大混乱に陥ったという。
 そして、「新潮」はこうした混乱、失態の原因は、安倍首相が震災対応よりも北海道補選を優先しようとしたことにあると断じ、こんな官邸担当記者のコメントを掲載している。
「そもそも安倍総理はこの間、ずっと補選に心を砕いており、前震が襲ってもなお、応援で北海道入りしようとしていたほど。そんな浮き足立ったムードが伝播した」
 
 まさに本質をつく批判だが、それにしても、安倍応援団の「週刊新潮」がなぜ、ここまで厳しく安倍政権の責任を追及したのか。
「今回の地震の特集記事は政界ものをやる班とは別の、事件もの中心の班が取材に動いたようなんです。当初は、普通に、地震時の混乱ぶりを紹介しようと取材していた。そうしたら、安倍政権の失態、お粗末な対応の事実が次から次に出てきた。『新潮』は今、部数も話題性も『(週刊)文春』に大きく水をあけられ、赤字転落ぎりぎりのところにきていますから、政治的イデオロギーばかりで記事をやるわけにはいかない、という空気が強くなっている。今回も、新事実が幾つも出てきて、書くしかない、という判断になったんでしょう」(週刊誌関係者)
 ようするに、応援団さえも批判せざるをえないほど、安倍政権の今回の震災対応はひどかったということだろう。
 
 多くの被災者が今なお困難な状況にいるにもかかわらず、そのことに何の配慮もせず、自らの政治的野望のために、震災を政治利用する。この国民不在の自己中心的姿勢こそが安倍首相と今の政権の本質だということは、もはや疑いようがない。 (伊勢崎馨)

2016年5月3日火曜日

03- 災害時名目の「緊急事態条項」 22弁護士会が異議

 自民党によって東日本大震災の後に強調されるようになった緊急事態条項は、いま熊本地方を襲っている大地震においても、「同条項があれば非常に有効であった」として櫻井よしこ氏らが必要性を強調しました。
 しかし「緊急事態条項の何によってどんな混乱が防げたのか」と記者から問われると、櫻井氏はそれに答えることが出来ませんでした
 4月28日 大震災に緊急事態条項が必要? 誰も納得しない
 もともと震災に関しては「災害対策基本法」などで完璧に対処できるというのが識者が既に指摘しているところであって、櫻井氏は災害をこの際脅迫的に活用しようという意識だけが旺盛で、そうした基礎知識がなかったのでした。
 
 神戸新聞が、全国22の弁護士会が「緊急事態条項(国家緊急権)」の新設に対して反対の声明を出していることを報じました
 その中には、東日本や阪神・淡路、新潟県中越地震を経験した、兵庫など被災5県の弁護士会も含まれていて、「災害対応を理由にした改憲論議は災害法制の無理解に基づいていると批判していると述べています
 以下に紹介します。      
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
災害時名目の「緊急事態条項」 22弁護士会が異議
神戸新聞 2016年5月2日
 東日本大震災の後、憲法改正の焦点の一つに浮上した「緊急事態条項(国家緊急権)」の新設について、全国の22弁護士会が反対の声明を出している。東日本や阪神・淡路、新潟県中越地震を経験した兵庫など被災5県の弁護士会も含まれ、「災害対応を理由にした改憲論議は災害法制の無理解に基づいており、国民の不安をあおっている」と批判している。(木村信行)
 
 緊急事態条項は、地震などの巨大災害やテロ、武力衝突が発生した場合に憲法秩序を一時的に停止して首相の権限を強化し、国民の権利を制限する内容。
 自民党は東日本大震災後の2012年、「非常事態に対応する条項がいる」として改憲草案に盛り込んだ。津波被災地でがれきが救助を阻んだ事例があり、「私有財産が障害となり救助が遅れた」との主張が必要論の根拠の一つだ。安倍晋三首相は今年1月の参院予算委員会で「大切な課題」と指摘。菅義偉官房長官も熊本地震後、必要性に言及した。
 
 日本弁護士連合会などによると、15年以降、全国の22弁護士会(連合会を含む)が反対の声明を提出。福島第1原発事故で被災した福島県弁護士会は「政府の初動対応が不十分だったのは、『安全神話』の下、大規模な事故の発生を想定してこなかった対策の怠り」と指摘し、「被災者の救援と被災地の復興に必要なのは、政府への権力集中ではなく、既存の法制度を最大限活用すること」とする会長声明を出している。
 兵庫県弁護士会も「災害対策を理由にした緊急事態条項は不要」と表明。今年3月に声明を出した京都弁護士会は「権力分立、立憲主義といった憲法の基本原理を破壊する大きな危険がある」としている。
 
 同条項に詳しい永井幸寿弁護士(兵庫県弁護士会)は「日弁連が東北の自治体に実施したアンケートでは、ほぼ全ての自治体が災害対応で憲法が障害になった事例はないと回答している。災害の現実を踏まえた冷静な議論が必要だ」と指摘。菅官房長官の発言を踏まえ、「熊本地震を経験した九州の弁護士会でも今後、反対声明が増えるだろう」と話す。
 
【緊急事態条項】 国家緊急権と呼ばれ、フランスやロシア、韓国などが憲法に定める。米国、英国は「マーシャル・ロー」という不文の制度で国家緊急権を認める。日本の明治憲法は、緊急勅令や天皇の非常大権といった緊急権を定めていた。

2016年4月28日木曜日

大震災に緊急事態条項が必要? 誰も納得しない

 ジャーナリストの櫻井よしこ氏早期の憲法改正を求めるグループが26日、記者会見を開いて熊本地震挙げながら緊急事態条項の制定を主張しました。
 特に櫻井氏は、仮に緊急事態条項があれば、熊本地震は「最初から国が前面に出て」「事態に対処することができたであろうと思われる」と主張しました。しかし熊本地震への対応をTVで見ている国民にとって、それは余りにも観念的であって、妄想に近いもので何の説得力もありませんでした。
 
 現実に記者から「具体的に緊急事態条項があった場合、熊本地震で、どんな新たな対応が可能だったのか」と問われると、単に国の対応の方が早い「筈」だという「思い込み」を語るだけで、県より国の方が迅速に対応できる根拠などは示すことはできませんでした。
 また別の記者が、「緊急事態条項の何によってどんな混乱が防げたのか」と問うとそれには答えることが出来ずに、同席した百地章・日大教授からも、熊本地震はすべて現行の法律内で対応できたと、否定される始末でした。
 そうした記者たちの思いは当然国民の思いでもあります。
 
 今回の熊本地震は極めて激甚な地震ですが、地域的には東日本大震災に比べれば限定されているのに、政府の対応を見ているとあの時からほとんど進歩の跡が見られません。5日間で更迭された松本現地対策本部長の体たらくを見ても、明敏な頭脳を持ち周到な知的訓練を経て来た人でないと、仮に大きな権限を持っていたにしても何の役にも立たず、むしろ有害であって一利もないということになります。
 
 大災害時に緊急事態条項が有効という説明は、櫻井グループの思いがけない暴走で逆に説得力を失いました。尤も彼らの言い分は識者によって最初から否定されていたことなので、今回、はしなくもそのことが証明されたということです。 (^^)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
櫻井よしこ氏、憲法改正して「緊急事態条項」を
熊本地震」に触れつつ「国がパッと対処できる」
J-CASTニュース 2016年4月26日
 櫻井よしこ氏は熊本地震の例も挙げながら緊急事態条項の制定を主張した 
 ジャーナリストの櫻井よしこ氏ら早期の憲法改正を求めるグループが2016年4月26日、都内で記者会見し、「緊急事態条項」の制定に向けた憲法論議を改めて求めた。特に櫻井氏は、仮に緊急事態条項があれば、熊本地震は「最初から国が前面に出て」「事態に対処することができたであろうと思われる」と主張。現行憲法が災害対応の妨げになっているとの持論を改めて主張した。
 だが、会見に同席していた百地章・日大教授は、熊本地震は現行の法律内で対応できたとの立場を表明。登壇者間の温度差も浮き彫りになった。
 
■自民党が野党時代にまとめた憲法草案で明記
 「緊急事態条項」は、自民党が野党時代の12年にまとめた憲法草案で新設を明記。首相が大災害や武力攻撃時に閣議で緊急事態を宣言すれば、法律と同じ効果を持つ政令を定められることをうたっている。政府の対応が迅速化する可能性がある一方で、行政がフリーハンド化することで基本的人権が制限されるという懸念も根強い。
 櫻井氏は冒頭、
 「熊本の地震を例に見るまでもなく、様々な自然災害に対応するために、どうしても憲法を改正して、そこに緊急事態条項という、これが正式な名称になるかは分からないが、起こりうる緊急事態に対処するための条項を新たに設ける必要があるだろうということで、私たちは意見を一致させている」
などとして緊急事態条項の制定を訴えた。当然、記者からは
 「具体的に緊急事態条項があった場合、熊本地震で、どんな新たな対応が可能だったのか
などと具体的な効果を問う声があがった。
 櫻井氏は、
 「注意をして私も話すが、(記者の側も)注意をして書いていただきたい。決して地方自治体を責めるということではない、という大前提に立っていただきたい」
と前置きしながら、緊急事態条項があれば災害発生直後から政府が関与して迅速な対応が可能だったはずだと主張した。
 櫻井氏によると、4月14日夜の地震の段階では、「県で何とか対応できると思ったと思う」が、16日未明の「本震」で、
 「すさまじい破壊が起きてしまって、『これはとてもできない』ということで、そこから家屋の倒壊も増えたし、避難する方も桁違いに増えた」
として、県だけでは対応が困難になった可能性を指摘した。
 
百地氏「東日本大震災では憲法上の根拠なく運用上問題になった」
 その上で、
「この時に、もし緊急事態条項があったと仮定するならば、最初から国が前面に出て、必要な自衛隊、警察、消防隊を含めて、事態に対処することができたであろうと思われる。物資も、物資が届いても現場で色々なところに滞っていて、本当に必要なところに届けられないという状況があって、かなり混乱した。それが今、じょじょに解消されつつある。熊本県は本当に一生懸命やったが、やっぱり全体の状況が把握できなかったのが事実。そういうことも含めて、緊急事態条項というものがあれば、最初から国がそこにパッと行って対処できるということが、おそらく大きな違いなんだろうと思う」
と話したが、県より国の方が迅速に対応できる根拠などは示されなかった。別の記者は
 緊急事態条項の何によってどんな混乱が防げたのか
と質問し、百地氏が回答。百地氏によると、緊急事態条項をめぐる問題には(1)憲法で定めなければ動けない問題(2)法律は現在あるが、憲法上の根拠が明確でないために、色々と運用上支障があった問題(3)法律で対応出来るケース、の3つがあるとした上で、
 「今回は法制度の問題として言えば、(熊本地震は)非常災害で(東日本大震災のような)緊急災害ではない。いずれも法律の範囲内で対応する事柄。ただ、対応の仕方に色々問題があったか、そういった問題は別として、(熊本地震は)一応法律の範囲内で行動できるものと位置づけられた」
などとして、熊本地震は(3)にあたると指摘。東日本大震災は(2)にあたると説明し、緊急事態条項を新設することで憲法上の根拠を整備しておくべきだとの考えを示した。
 「それに対して東日本(大震災)の時は、例えば災害対策基本法に基づいて、がれきを処理することは、一応条文上は可能だった。可能だったが、憲法上の財産権の不可侵との関係で、なかなか自治体としても判断がつきかねる。政府自体も、官房長官あたりも、財産権の問題として緊急立法が必要だと言っている。現在、緊急事態法制はあるが、やはり憲法上の根拠が明確でないために、なかなか動かない場合がある」
 
百地氏は「私は今回は法律で対応できると思っていますし...」
 この回答に記者が「櫻井さんの話とは若干違うような気がする」と突っ込むと、百地氏は
 「例えば緊急事態を発動、宣言するような事態であれば、そういうことをすることによって国民の意識を喚起する、といった効果はあると思う。正直、私は今回は法律で対応できることだと思っていますし、櫻井先生、ご専門ではありませんので...」
と答えに窮しながらも、考え方の違いを否定しなかった。
 
 会見は、憲法記念日の5月3日に予定されている「憲法フォーラム」のPRを目的に開かれた。
 自民党以外にも、日本青年会議所(JC)が12年度に独自の憲法草案を作成しており、憲法改正の前提となる国民投票を念頭に置いた「国民投票シミュレーション」を7月10日まで行っている。「憲法フォーラム」前日の5月2日には投票結果の中間発表も行われる。会見に同席していたJCの松原輝和・憲法意思確立委員会委員長は、
 「賛成・反対の立場を乗り越えて、この国の未来について国民の皆さんが真剣に考え、憲法をもっと身近なものとしてとらえていただければ」
と話していた。

2014年9月7日日曜日

気象会社が広島市に8回の警戒電話 県は危険性を事前に把握

 豪雨による土砂災害で64人の犠牲者を出した広島市に対して、気象情報会社「ウェザーニューズ」が、20日未明の災害発生直前まで、市消防局に大雨への警戒を促す電話を回かけていたことが分かりました。
 
 最初の電話は前日の午後51で、その後20日午前1時57分~午前3時4分の間に7回かけたということで、消防局もそれを認めています。
 豪雨が始まってしまった夜間に避難警報を出しにくかった事情はあるにしても、結果的に、市民に対して事前の警報を発しないまま大災害を引き起こした市の責任は免れません。十分に検証して欲しいものです。
 
 それとは別に、広島「県」はおととしから去年にかけて、今回事故を起した広島市安佐南区の八木地区と緑井地区などで土砂災害の可能性があるか調査を行っており、その結果を災害後の今月3日に公表しました。
 県は去年12月の時点で該当する区域を把握していましたが、住民への説明会を開いていないといった理由で公表していませんでした。
 これもせめて市に伝わっていれば対応が変わっていた可能性はあり、公表の遅れの結果責任は問われます。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
気象会社が市に8回の警戒電話 広島土砂災害の直前 
日経新聞 2014年9月6日 
 広島市の土砂災害で、気象情報会社「ウェザーニューズ」が、8月20日未明の災害発生直前まで、市消防局に大雨への警戒を促す電話を8回かけていたことが6日、同社への取材で分かった。大きな被害が出た安佐南、安佐北両区には最高レベルの警戒情報を出したが、市による避難指示・勧告は出なかった。
 
 同社によると、最初の電話は19日午後8時51分。その後、20日午前1時57分に、6回目の電話で「(安佐南区を含む)南西部の積算雨量が100ミリを超えた」と連絡。7回目の午前2時36分には、南西部に最高レベルの警戒が必要と伝えた。8回目の午前3時4分には安佐北区を含む北西部に関しても同様の情報を伝えた。
 
 市消防局は8回の電話を認め「情報を生かし切れていなかったのかは検証する」とした。〔共同〕
 
 
避難場所6か所が土砂災害警戒区域に
NHK NEWS WEB 2014年9月6日
広島市の土砂災害で大きな被害が出た2つの地区で、土砂災害の避難場所のうち6か所が、災害のおそれがある「土砂災害警戒区域」に該当する区域にあったことが分かりました。
広島県が該当区域を公表したのは今回の災害のあとで、広島県は「今後はできるだけ早く情報を伝えていきたい」としています。
 
今回の土砂災害で64人が死亡した広島市安佐南区の八木地区と緑井地区では、広島県がおととしから去年にかけて土砂災害の可能性があるか調査を行っていて、災害後の今月3日に結果を公表しました。
公表を受けて広島市が確認を進めたところ、市の地域防災計画で土砂災害の避難場所に選定された23の施設のうち6か所が、災害のおそれがある「土砂災害警戒区域」に該当する区域にあったことが分かりました。
「土砂災害警戒区域」は、危険な場所を記したハザードマップの作成など、災害に備えた対応が市町村に求められる区域で、広島県は去年12月の時点で該当する区域を把握していましたが、住民への説明会を開いていないといった理由で土砂災害が起きるまで公表していませんでした。
6か所のうち1か所では今も52人が避難生活を送っているということです。
広島県の松永悟土木整備部長は「今後はできるだけ早く情報を伝えていきたい」と話しています。
防災対策に詳しい広島経済大学の松井一洋教授は「防災対策を二重に担当する形になっている広島県と広島市の間で、情報共有に問題があったのではないか。土砂災害警戒区域の指定は住民の理解が得られにくい面もあるため全国的に指定が進んでいないが、行政は災害の危険性に関する情報を速やかに開示し、必要な情報かどうかは住民が判断するという考え方に改めるべきだ」と話しています。