2021年5月31日月曜日

組織委の「五輪開催で大きな経済効果」はウソ 五輪特需はすでに終了

 野村総研が、過去の緊急事態宣言の経済損失について、1回目は約6兆4000億円、2回目は約6兆3000億円、現在の3回目は約1兆9000円で、延長によって約3兆円などさらに増加すると弾いた一方で、東京五輪を中止した場合の損失は1兆8000億円と遥かに小さいとする試算を出したことは衆知の通りです。
 ところで五輪誘致の際には、その経済効果は10兆円から数十兆円と言われていました。それが1兆8000億円と見做されたのは、五輪特需」とも呼ばれる経済効果の中心がインフラ整備とインバウンドによってもたらされるものであり、既にその効果が終わっているからです。
 第一生命経済研究所の永濱利廣氏は〈19年までに13.8兆円程度の経済効果が出ており、株価もすでにそれを織り込み済みである可能性が高い〉と指摘し、「開催直前の方がGDPの押し上げ額が高く、19年までに8割近くの経済効果は出ていると言える」と述べています。
 要するに五輪特需は大企業や投資家に莫大な利益をもたらす形で既に大半が終了し、対して一般庶民は目下 対コロナ無策の菅政権のお蔭で生死の瀬戸際に立たされているという訳です。
 もしも今後“対コロナ無策のままで五輪を強行するか、あるいは国民の医療を犠牲にして無理やり五輪を強行するならば、その後に予想される未知の新型コロナの爆発により国民(や関係国の人民)が受ける災厄は計り知れず、更に巨大な損失を生むことになります。
 LITERAが取り上げました。
                 お知らせ
      都合により6月1日は記事の更新が出来ません。ご了承ください。
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組織委「五輪開催で大きな経済効果」はやはり嘘! 五輪特需はすでに終了、強行して感染拡大したら逆に損失6兆円
                             LITERA 2021.05.30
 28日におこなわれた記者会見で、緊急事態宣言下での東京五輪開催について否定しなかった菅義偉首相。そればかりか、「緊急事態宣言下で野球やサッカーをおこなっていることも事実」などと述べ、観客を入れての開催にまで意欲を見せた。
 まさに狂っているとしか言いようがない。東京に3 回目の緊急事態宣言が発出されて1カ月を過ぎたが、新規感染者数はいまだに高止まりの状態。しかも、オリンピックは野球やサッカーとまったく規模が違って、世界中からものすごい数の選手や関係者が集まってくるのだ。
 インド型変異株が拡大傾向に入っていることも踏まえれば、東京五輪の開催が火に油を注ぐことになるのは明々白々だ。にもかかわらず、まさかの観客を入れての開催に突き進もうとは……。
 しかも、菅政権と軌を一にして開催を強行したい東京五輪組織委員会の最高幹部である武藤敏郎事務総長からは、こんな発言まで飛び出した。
「日本経済全体のことを考えたら、五輪を開催することのほうがはるかに経済効果があると思う」
 この国に暮らす人びとの命と健康を守ることよりも「経済効果」を持ち出すこと自体、下劣にもほどがあるが、それ以前に、武藤事務総長は事実を捻じ曲げている
 武藤事務総長の発言の2日前である25日に野村総合研究所が「東京大会を中止した場合の経済的な損失は1兆8000億円規模」という試算を公表した。武藤事務総長の発言はこの数字を意識してのものだろうが、じつは、試算をまとめた当の野村総研はまったく逆の分析をしている。
 試算を発表した同レポートには、約1兆8000億円という経済損失の額が〈2020年度名目GDPと比べると0.33%の規模であり、景気の方向性を左右する程の規模ではない〉と書かれているのだ。
 たしかにそのとおりだ。経済損失1兆8000億円規模とだけ言われると、大きな金額のようにも感じるが、この数字はむしろ、予想以上に影響は小さいというべきものだ。
 そもそも、オリンピック誘致の際には、その経済効果は10兆円から数十兆円と言われていた。それが10 分の1以下になっている。
 これは、「オリンピック特需」とも呼ばれる五輪の経済効果の中心がインフラ整備とインバウンドによってもたらされるものであり、とっくにその効果が終わっているからだ。

野村総研のレポートも〈大会中止の経済損失は、緊急事態宣言1回分よりも小さい〉
 実際、第一生命経済研究所の首席エコノミストである永濱利廣氏は〈2019年までに13.8兆円程度の経済効果が出ており、株価もすでにそれを織り込み済みである可能性が高い〉と指摘し、「開催直前の方がGDPの押し上げ額が高く、2019年までに8割近くの経済効果は出ていると言える」と述べている(「Forbes JAPAN」3月13日付)。
 ようするに、武藤事務総長の発言はたいしたことのない効果の残りカスにしがみついて、開催強行のための口実にしているに過ぎないのである。
 しかも、もっと問題なのは、野村総研のレポートが、強行して感染拡大した場合の経済損失のほうがはるかに大きいと指摘していることだ。
 同レポートでは過去の緊急事態宣言の経済損失についても推計し、1回目は約6兆4000億円、2回目は約6兆3000億円、現在の3回目は約1兆9000円で、延長によって約3兆円などさらに増加すると計算。こう言及している。
〈大会を中止する場合の経済損失は、緊急事態宣言1回分によるものよりも小さい〉
〈緊急事態宣言による経済損失などと比べると、国内観客を制限して大会を開催、あるいは大会を中止する場合の経済損失は必ずしも大きくはない。大会開催をきっかけに、仮に感染が拡大して緊急事態宣言の再発令を余儀なくされる場合には、その経済損失の方が大きくなるのである〉
 つまり、東京五輪開催によって感染が再拡大して緊急事態宣言が発令されれば、1.8兆円の3倍以上になる6兆円もの経済損失が出る可能性があるのだ。それでどうして「五輪を開催するほうがはるかに経済効果がある」などと言えるだろう。
 だが、この国は「Go To」をはじめとして目先の「経済効果」を持ち出して、むしろ経済を悪化させてきたという“前科”がある。この間、安倍晋三・前首相と菅首相が感染防止対策よりも経済を優先させ、何から何まで後手後手に回ってきたが、その結果、ありえない程の経済損失を叩き出してきたからだ。

菅政権のGo Toによって多大な経済損失、過ちが再び繰り返される
 実際、内閣府が18日に発表した2020年度の国内総生産(GDP)は前年度比4.6%のマイナスとなり、リーマン・ショックがあった2008年度のマイナス3.6%を上回る戦後最大の落ち込み幅を記録。2021年1〜3月のGDP速報値も前期比マイナス1.3%、年率換算でマイナス5.1%となった。
 この末期的な数字に対し、「コロナの影響を考えれば仕方がない」と見る向きもあるが、しかし、同じようにコロナの影響を受けた他国と比較すれば日本の失策は明らかだ。事実、あれほどの感染者・死亡者を出してきたアメリカでも、2020年度GDPは前年比マイナス3.5%だったが、今年1〜3月期(速報値)ではワクチン接種が進んだ効果で前期比プラス1.6%、年率換算でプラス6.4%にも達している。また、日本と同様にロックダウンをおこなわなかった韓国の場合、2020年度GDPはマイナス1.0%、今年1〜3月期(速報値)は前期比プラス1.6%で3期連続プラスとなっている。
 こうした数字を考えれば、日本の感染防止対策の失敗が経済損失を膨らませているのは明白。そして、東京五輪開催によってさらに感染を拡大させれば、開催による経済効果などはるかに上回る、さらなる打撃を受けることになるのである。
 それでなくてもワクチン接種が遅れに遅れて経済の立て直しに暗雲が立ち込めているというのに、東京五輪の開催は人びとの命と安全を脅かすだけではなく、経済的にも大きな損失を生む。経済面だけを考えても、五輪開催は中止すべきという結論しかないのだ。
 だが、菅政権はそれでもなお、「百害あって一利なし」の東京五輪を開催するという。この暴走政権を止めなければ、わたしたちの生活はかつてない危険に晒されることになるだろう。 (編集部)

五輪用に消防のべ3万人 救急車各会場2台超の臨戦態勢

 東京五輪開催時の救急体制について、当時の五輪招致委員会(解散)は13年にI OCに「約6000人の要員を配置」し、消火活動や救急業務などをすると表明しています。
 共産党都議団の調査に対し東京消防庁は、競技会場に大会期間中、のべ約3万人の消防職員救急隊員含む)と消防団員を配置し、「平均すると1日1000人くらいで、他県からの応援はない」としています。救急車については都内に24ある競技会場に「観客用1台、選手用1台」を配置し、大きな会場にはさらに配置する予定としています。ただし6月中に観客数まれば計画に変更が生じることも想定されます。
 もしも五輪を強行するのであれば、国際公約以前の問題として、選手、関係者、観客の安全のために必要な要員を配備する必要がありますが、注意すべきは計画当時は「コロナ禍」は夢想だにしていなかったことでした。
 そうした「臨戦態勢」をとれば、今後更にコロナ感染が拡大し医療が逼迫する中で、その分 国民(都民)の救急医療体制が圧迫されることになります。
 しんぶん赤旗が報じました。
 政府や五輪委員会はこうした事態をどう考えているのでしょうか。
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五輪消防 のべ3万人 救急車 各会場2台超 都計画 共産都議団が調査
                        しんぶん赤旗 2021年5月30日
 東京五輪・パラリンピックの救急体制として東京都が競技会場に、のべ約3万人の消防職員と消防団員を配置する計画をたてていることが、29日までに、日本共産党東京都議団の調べで分かりました。また都内の各競技会場に少なくとも2台ずつ救急車を配置するとしています。新型コロナウイルスの感染拡大のなか、救急搬送を担当してきた消防職員らの負担が、いっそう増すことが懸念されます。(丹田智之、三浦誠)
 救急体制をめぐっては五輪招致委員会(解散)が2013年に国際オリンピック委員会(IOC)に提出した立候補ファイルで、「約6000人の要員を配置」し、消火活動や救急業務などをすると表明していました。ただ現段階の具体的な体制について東京消防庁は、「セキュリティー」を理由に公表していませんでした。
 党都議団の調査に対し東京消防庁は、競技会場に大会期間中、のべ約3万人の消防職員と消防団員を配置すると説明。「平均すると1日1000人くらいで、他県からの応援はない」としています。消防職員には救急隊員も含まれます。『東京の消防白書』(20年版)によると、東京消防庁の職員は約1万8700人。消防団員は約2万6700人です。
 救急車については都内に24ある競技会場に「観客用1台、選手用1台」を配置し、大きな会場にはさらに配置する予定としています。五輪組織委員会は6月中に観客数を決めるとしており、今後の計画に変更が生じることも想定されます。
 東京消防庁は党都議団に、予備や廃棄する予定だった救急車を使う計画で通常の救急体制に影響を与えないと説明しています。

コロナで搬送困難に
五輪で救急隊は負担増か
 総務省消防庁の資料によると、東京都の救急隊は274で救急隊員は2640人(2020年4月1日現在)。都内はもともと救急出動の回数が多く、19年は約82万6千件にのぼります。
 新型コロナウイルス感染拡大の波が繰り返されるなかで、救急隊員の負担も増えています。消防庁によると、緊急患者の受け入れ先がなかなか決まらない都内の「搬送困難」事例は、今月17日からの1週間で684件。うち新型コロナの感染が疑われるのは、177件でした。

 搬送困難とは、医療機関への受け入れ照会が4回以上で、かつ現場滞在時間が30分以上の事例です。昨年4月から1週間あたり400件を下回ったことがありません。ピークは今年1月の第3週で、1500件を超えています。(図参照) 


 コロナ患者を搬送するためには、救急隊員も防御が欠かせません。救急隊を指揮する救急救命士の男性は「容体が悪化した新型コロナ患者を病院に搬送することもあり、搬送後の救急車内の消毒など業務の量が増えている。隊員が感染しない、感染源にならないように万全な対策をしている。精神的にもハードな面がある」と語ります。
 この男性が勤務する都内の消防署の管内には、五輪の競技会場となる施設があります。
 競技会場での業務については「まだ具体的な人員体制は決まっておらず、通常の救急搬送に影響が生じない範囲で対応するしかない」としています。

 別の消防署に勤める職員の男性は「管内に競技会場が多数あるので、(どう対応するかという)検討を始めている」といいます。
 五輪を開催すれば人出が増え、都内だけでなく全国に感染が再び広がることが懸念されています。他県のある自治体の消防幹部は「私たちは自治体消防であり、五輪というイベントのために応援を派遣することなんてありえない。コロナ拡大のなか、日本の誰も五輪で得をしない。得をするのはIOCではないか」といいます。
 東京五輪・パラリンピック組織委員会は救急体制について、本紙の取材に「大会延期に伴い、体制については検討中」としています。

都民のコロナ苦理解しているか
 星見てい子 共産党都議
 すでに東京消防庁から五輪組織委員会に消防職員を派遣するなど、五輪開催のために体制が割かれています。IOCのコーツ副会長は、緊急事態宣言下でも五輪を開催できると発言しましたが、コロナで苦しむ都民の状況や現場の苦労を理解しているのでしょうか。都は開催都市としてきっぱり五輪の中止を決断し、新型コロナウイルス対策に集中すべきです。

31- ポンコツ首相は会見で吊し上げるしかない

 「ポンコツ」という言葉は相当昔に中古車をそう呼んだ新聞小説があって、それから普及したように思います。ネットで「ポンコツの由来・語源」を引くと、「役に立たないような人のことを呼ぶ」となっていて、その特性として「話を理解することができない」などが挙げられています。

 国会の答弁や記者会見で、聞かれたことに的確に答えられない菅首相はさしずめそう呼ばれるべきです。それにしても国会答弁の記録は末永く歴史に残るものなのに、全く恥ずかしげもないのはどうしてなのでしょうか。余程「国語」の力が劣っているからとしか考えられません。
 しかし国語力こそはあらゆる学問の基礎であると同時に社会生活上必須の基礎能力なのに国のトップがそんなことでいい筈がありません。安倍前首相がそうであったのに引き続いて菅首相もそうであるだけでなく、改善の兆候は全く見られません。

 そしてそんな状況が温存されたままなのは、偏にメディアが全く政権批判能力を喪失しているからです。そして記者会見でも、官邸が記者の「更問い」(答弁が不十分な場合に更に訊き直すこと)を禁じているからです。これでは「何でもいいから発言さえすれば答えたことになる」ということに他ならず、国語力が落第でもそのまま放置される状況が官邸によって作られたのでした。
 日刊ゲンダイが、「この顔とやり取りに国民の怒りと苛立ち ポンコツ首相は会見で吊し上げなきゃダメだ」とする記事を出しました。
 実際吊るし上げでもしなければ国会や首相会見時の「没論理」状態は改善されません。
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この顔とやり取りに国民の怒りと苛立ち 
    ポンコツ首相は会見で吊し上げなきゃダメだ
                       日刊ゲンダイ 2021年5月29日
                       (記事集約サイト「阿修羅」より転載)
 案の定、9都道府県に発令されている「緊急事態宣言」が、6月20日まで延長されることになった。もともと6月20日が期限だった沖縄県も含めて、飲食店の営業は引き続き夜8時までとなり、酒類の提供も禁止される。ルールを破った店舗には、30万円の過料が科せられる。
 しかし、いったい菅政権は、何度「緊急宣言」と「まん延防止等重点措置」を繰り返せば気が済むのか。東京都の場合、1月8日に2回目の「緊急宣言」が発令されて以降、「緊急宣言」と「重点措置」が繰り返され、当たり前の日常は、ほとんどない。しかも、いつ新型コロナの感染拡大が収束するのかメドさえ立たないのだから絶望的であるこの5カ月間、なにをやってきたのか。
 さすがに、国民の我慢も限界に達しているのではないか。政府の無策と、長引く自粛に、とうとうルールに従わない動きも出始めている。しかも、ルール違反に賛同する声が勢いを増している。
<「ルール破りしてごめんなさい」……酒提供で“通常営業”再開 居酒屋の迷いと決断>
 日本テレビが、酒類提供禁止のルールを破る居酒屋について報じると、ネット上には、共感と激励のメッセージが殺到した。
<居酒屋が謝る必要なんてない 謝って責任を取らなければいけないのは無能な政治家連中だ><ろくな補償もせず、ただオリンピックのために無理強いをする政府や東京都のやり方に異議を唱えるとともに、再開するお店屋さんを応援したいと思います>
 以前なら、少しでもルールを破ると「自粛警察」のターゲットになったものだが、怒りの矛先は、無能無策の菅政権に向いている状況だ。
「ここまで失敗を繰り返したら、国民が菅首相に苛立つのは当然です。国民に自粛をお願いするだけで、効果的なコロナ対策をまったく打とうとしない。水際対策に失敗し、PCR検査も拡大しようとしない。しかも、五輪開催だけは強行しようとしている。これでは新型コロナの感染拡大だってストップするはずがありません」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)

国民の声に向き合う気がないのか
 度し難いのは、ここまで国民の怒りと苛立ちが強まっているのに、菅首相が国民の声にマトモに向き合おうとしないことだ。
 28日の会見でも、無表情に手元のメモを読み上げるだけだった。五輪開催の基準を問われても「国民の命と健康を守る」「対策を徹底する」などと、関係ない話を展開。「正面から答えてほしい」との要望にも一切応えなかった
 国民に5カ月間も不自由な暮らしを強いていることをどう考えているのか。なぜ、感染拡大を止められないのか。いつ感染は止まるのか。国民が聞きたいことは、一切語らなかった。
 これでは、国民が怒るのも当たり前だ。立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)は言う。
「国家が危機に陥った時、一国のトップに求められるのは、国民に誠実に語りかける『言葉』です。科学的根拠に基づき、都合の良いことも悪いことも正直に語れば、国民も納得します。本来、記者会見は、国民に語りかける絶好の舞台のはずです。なのに、菅首相は会見を嫌がっているのがミエミエです。恐らく、最初から国民と向き合う気がないのでしょう。これでは、国民の信頼を得られるワケがない」
 失敗を繰り返してきた菅政権に、また同じ対策を続けさせていいのか。

無策の責任を問う声はなし
 もし、欧米先進国だったら、菅は28日の記者会見で立ち往生していたに違いない。失敗を繰り返すトップが、国民の疑問に答えようともせず、記者会見を終わらせるなど欧米民主国ではあり得ないことだ。記者から質問攻めにあうのは間違いない。それもこれも、日本の大新聞テレビが権力に弱いからだ
 28日の会見でも、宣言延長を繰り返している責任を問う質問は一切なかった。どうして政治責任を問わないのか。
 菅政権に一言モノ申したい国民はゴマンといるに違いない。本来、会見に参加した記者は、そんな国民の代弁者のはずだ。なのに、「半導体確保に向けてどう取り組むか」などと、「緊急宣言」の延長と関係ない質問をして菅をアシストする記者までいるのだから話にならない。
記者クラブに所属する大手メディアは、官邸サイドが作ったルールに、がんじがらめにされている状態です。質問も1人1問に制限されているから、菅首相の答弁が見当外れでも、重ねて質問することができない。本当は、記者クラブがルールを作ればいいのですが、官邸と良好な関係を続けるために、官邸の意向に従っている。ルールを変えない限り、首相を立ち往生させることなど不可能です」(政界関係者)
 追及できない大メディアは、菅政権と共犯と指摘されても仕方がないのではないか。政治評論家の森田実氏が言う。
「戦後のメディアは、今とは比較にならないほど政権に手厳しかった。首相の対応がヒドイと、記者は会見をボイコットしたほどです。ロシアのプーチン大統領だって、会見で約4時間にわたって報道陣の厳しい質問に対応しています。ところが、今の日本の大手メディアは腰が引けている。本来、正面から答えない菅首相に『さっきの〇〇社の質問に答えていない』と何度も追及すべきです。そこまでしなければ国民は納得しません。ゴマすりメディアは、菅首相の横暴に加担しているも同然です」
 ポンコツ首相を会見で吊るし上げなければダメだ。

このままでは社会は荒廃
 このまま無能無策の菅政権に任せていたら、果てしなく「緊急宣言」と「重点措置」を繰り返すことになるのではないか。実際、東京五輪を強行開催したら、五輪終了後、変異株が猛威を振るう恐れがある。感染拡大が続けば、景気も回復せず、国民生活も悪化する一方だ。
 東京商工リサーチによると、コロナ関連破綻は、すでに1539社に達している。なんとか踏ん張っている飲食店やホテル、旅行、小売店も、資金が底を突き始めている状態だ。あと3カ月、半年と国民の自粛生活が続いたら、バタバタと倒産しておかしくない
 足元の失業率もジワジワと上昇している。4月の完全失業率は前月から0・2ポイント上昇し、2・8%だった。失業者は15カ月連続で前年同月を上回っている。
 最悪なのは、このままでは国民が疲弊し、社会が荒廃しかねないことだ。
「健全な社会は、いざという時、国家が助けてくれるという信頼感がなければ成り立ちません。信頼があれば、ギリギリの生活でも、国民はルールを守り、なんとか耐えられるものです。ところが“自助”を強調する菅首相は、国民に自粛を強いるだけで、手を差し伸べようとしない。国民に寄り添う気持ちが見えない。これでは、これまでルールを守り、我慢してきた国民だってバカらしくなりますよ。このまま菅政権が続いたら、日本社会は破壊されかねません」(五十嵐仁氏=前出)
 一刻も早くポンコツ首相を辞めさせないと、この国は取り返しのつかないことになる。

2021年5月30日日曜日

コロナで死亡も自己責任 I OCの五輪参加同意書が世界で大波紋

 米ヤフーは29日、I OCが用意している同意書を入手しましたが、それには「選手が新型コロナウイルスや猛暑で死亡した場合も自己責任」という項目が加わっているということです

 ジカ熱が問題となった2016リオデジャネイロ五輪ですら、感染症や熱の項目はなかったということで、今回敢えてコロナや猛暑に言及したことは、それにより選手が死亡する危険性をI OCが認めている証しです。まことに恐ろしい話で、世界各地でブーイングが起きているのは当然のことです。
 世界で最も権威ある医学誌・米医学誌NEJM「選手に自己責任で参加することを強いながら、選手が直面するさまざまなレベルのリスク評価が不十分」と述べました。主催国の日本はそれに応えられるのでしょうか、
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コロナで死亡も自己責任! 五輪参加同意書が世界で大波紋
「選手の命を軽視」「これは生死同意書か」
                           東スポWeb  2021/05/29
コロナで死亡も自己責任。国際オリンピック委員会(IOC)が、東京五輪に参加する選手らに求める同意書の無責任体質が、世界中で大きな波紋を呼んでいる。
米ヤフーは29日、IOCが用意している同意書を入手。これには「新型コロナウイルスや猛暑で死亡した場合も自己責任」という項目が加わっている。ジカ熱が問題となった2016年リオデジャネイロ五輪ですら、感染症や熱の項目はなかったという。
同メディアによると、もし選手が署名を拒否した場合について質問すると、IOCから直接の回答はなかった。ある選手代表者は「選手は文書上での発言権も、同意書を押し戻す交渉力も、東京で実施されるコロナ対策も何も与えられていない」と指摘。主催者のみならず、選手に対しても絶対的なIOCの姿勢に疑問を呈している。
同意書を巡っては、世界各地でブーイングだ。すでに世界で最も権威ある医学誌・米医学誌ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(NEJM)が「選手に自己責任で参加することを強いながら、選手が直面するさまざまなレベルのリスク評価が不十分」とバッサリ。米「ESPN」やインド「ビジネス・スタンダード」、豪「ウエスタン・オーストラリア」中国「界面」などは「IOCは自己責任の同意書にサインさせる」と大々的に報道した。中国SNS上では「みんな来て来て~、あとはあなたの運次第ってこと?」「これは生死同意書か」「選手の生命を軽視している」とIOCの姿勢を非難する声が寄せられている。
IOCのトーマス・バッハ会長は27日、オンラインで行われたアスリート委員会主催のフォーラムで「自信を持って東京に来てほしい」訴えたが、どこまでも無責任な貴族軍団の体質が露見したと言えそうだ。

緊急事態再延長 誤りを認め命優先へ転換せよ/全国から怒りと怨嗟

 菅政権は28日、9都道府県に出していたコロナ対応の緊急事態宣言を620日まで再延長することを決めました。緊急事態宣言を2度も延長することになったのは菅政権の大失政で、昨年来、政府緊急事態宣言を出しては延長し、解除してはリバウンドを招いて再び宣言を発することを繰り返してきたのは、すべてやるべきことをしてこなかった結果です。

 ワクチン接種、検査、医療機関支援、補償のどれをとっても菅政権の対応はまったく不十分で営業自粛や時短で苦しむ中小業者への支援は実態に合っていません。
 そうでありながら菅政権は今夏の東京オリンピック・パラリンピックを強行する姿勢を一貫して変えません。
 しんぶん赤旗は、「緊急事態再延長 誤りを認め命優先へ転換せよ」とする「主張」を出し、日本国民の命を何とも思わない人たちに五輪を主催する資格はなく、今夏の五輪開催には日本国民多数が反対しているとして、五輪の中止を主張しました。

 日刊ゲンダイは「ポンコツに全国から怒りと怨嗟 宣言延長  」とする記事を出しました。
 そこでは、氏のコロナ対策は後手後手、泥縄の失策続き。年明けの2回目の宣言を前のめりで解除したため、アッという間にリバウンドを招いたことをはじめとしてコロナの感染を抑えるどころかむしろ拡大を招いたとしました。
 そしてこの半年というもの飲食店がマトモに営業できた時期はなく、特に非正規労働者や自営業者は「コロナで死ぬか、経済苦で死ぬか」の究極の二者択一を迫られていると述べました。欧州では規制と補償がセットで実施されるのに対して、日本ほぼ補償ナシで協力を求めるのみなので、それでは経済弱者は生きていけません。
 国民の私権を制限し、飲食店とその関連業者などには塗炭の苦しみを強いながら、なぜ東京五輪のお祭り強行するのか、首相は一度たりとも合理的な理由を口にしたことがないとも述べています。
 日刊ゲンダイの怒りの記事を併せて紹介します。
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主張 緊急事態再延長 誤りを認め命優先へ転換せよ
                       しんぶん赤旗 2021年5月29日
 菅義偉政権は9都道府県に出していたコロナ対応の緊急事態宣言を6月20日まで再延長することを決めました。4月25日に始まった3度目の宣言が2カ月近くに及ぶことになります。昨年来、政府は緊急事態宣言を出しては延長し、解除してはリバウンドを招いて再び宣言を発することを繰り返してきました。やるべきことをしてこなかった結果です。菅政権は対策の誤りを認め命と暮らしを守る姿勢へ転換しなければなりません。

封じ込めを戦略目標に
 新規感染者数は東京都、大阪府などで若干減っているとはいえ高い水準で推移しています。重症者数が増え、医療提供体制がひっ迫の度を強めています。現場では「命の選別をせざるをえなくなっている」と悲痛な声があがっています。「短期集中」といって始めた今回の緊急事態宣言を2度も延長することになったのは菅政権の大失政にほかなりません。
 ワクチン接種、検査、医療機関支援、補償のどれをとっても菅政権の対応はまったく不十分です。逆に「Go To」事業を強行して感染拡大を招きました。菅首相はこの無為無策を反省しようとしません。何よりも感染を封じ込める戦略を政府がいまだに持っていないことが国民を先の見えない不安に陥れています。まずは、コロナ封じ込めに向けた国の戦略を国民にはっきりと示すべきです。
 ワクチン接種は世界的に大きく立ち遅れました。安全・迅速な接種が急務です。政府が実態に即した工程を示し自治体を支援することが重要です。国は裏付けのない目標期日を上から押し付けて混乱させてはなりません。
 感染拡大の予兆をつかむモニタリング検査は1日1万件の政府目標に対して直近でも約5300件しか実施されていません。大規模な拡充への転換が必要です。すべての医療機関の減収を補填(ほてん)することも必須です。
 営業自粛や時短で苦しむ中小業者への支援は実態に合っていません。民間信用調査会社によると、2020年の居酒屋・ビアホールの倒産は過去最多です。多くの事業者は運転資金を取り崩して耐えています。わずかな協力金で店を存続させることはもう限界です。打撃を受けているすべての中小企業、個人事業主、労働者への十分な補償と生活支援は急を要します。持続化給付金、家賃支援給付金の再支給も不可欠です。
 菅政権は今夏の東京オリンピック・パラリンピックを強行する姿勢を変えません。五輪に固執する姿勢をやめなければコロナ対策への国民の協力は得られません

今夏の五輪は中止が当然
 国際オリンピック委員会(IOC)の幹部から「緊急事態宣言のもとでも開催する」「菅首相が中止を求めても、大会は開催される」と常軌を逸した発言が続出しています。日本国民の命を何とも思わない人たちに五輪を主催する資格はありません。今夏の五輪開催中止は日本国民多数の世論です。
 五輪憲章の根本原則は「人類の調和のとれた発展にスポーツを役立てる」ことです。開催国も世界もコロナで苦しんでいる時に感染拡大のリスクをおかして行うべきでないことは憲章に照らして明確です。IOC幹部の発言に抗議しないのであれば菅氏は主権国家としての首相の資格が問われます。


戦略持って出口示せ 宣言再延長 田村政策委員長が強調
                        しんぶん赤旗 2021年5月29日
 日本共産党の田村智子政策委員長は28日、国会内での記者会見で、新型コロナウイルスの緊急事態宣言延長について問われ、「感染抑制のために政府が何をやっているかが見えない状態が続いている」と批判しました。
 田村氏は、宣言延長に伴う時短営業や休業要請が続く中で、事業者に対する支援の仕組みが問われると指摘。「持続化給付金や家賃支援給付金など減収に応じた補償を求めてきたが、政府の答弁は現行制度を答えるだけだ」と批判し、「それではもう限界だという事業者の声にどう応えるのか。十分な補償を行うべきだ」と強調しました。
 同時に、迅速・安全なワクチン接種、大規模検査など「『コロナ封じ込め』戦略を持って本気の感染抑止で出口を示すべきだ」と主張しました。
 東京五輪・パラリンピックについては、東京都の宣言発令期間が6月20日まで延長されるとして、「その1カ月後に五輪を開催できる状況か」と指摘しました。「感染抑制の厳しい措置を取った後、どう解除をするかが問われ続けてきたにもかかわらず、解除で人の接触が増加し、感染の波が前の波を越えるという事態を繰り返してきた」として、「五輪開催は客観的にみて不可能だ」と強調。「日本国内の感染を抑制し、国民の命を守る立場で政府として今夏の開催の中止を決断するべきだ」と主張しました。


ポンコツに全国から怒りと怨嗟 宣言延長 想像を超える大混乱になる恐
                       日刊ゲンダイ 2021年5月28日
                       (記事集約サイト「阿修羅」より転載)
 3回目の緊急事態宣言もやはり再延長だ。
 菅政権は27日、9都道府県を対象に先行発令された宣言について6月20日までの延長を決定。23日に追加された沖縄県に合わせ、今月末までとした期限を延ばす。宣言に準じるまん延防止等重点措置を適用している8県については、埼玉、千葉、神奈川、岐阜、三重の5県を同様に延長。28日に開かれる専門家らによる基本的対処方針分科会に諮り、政府対策本部で決定を受け、衆参両院の議院運営委員会で新型コロナウイルス担当の西村経済再生相が政府方針を報告し、菅首相が会見を開く見通しだ。
 菅の新型コロナ対策は後手後手、泥縄の失策続き。年明けの2回目の宣言を前のめりで解除したため、アッという間にリバウンドを招き、たった3週間で重点措置を初適用。そこから2週間で3回目の宣言発令に追い込まれた。当初、菅は「短期決戦」とうそぶき、専門家らの意見を無視して期間を中途半端な17日間に設定。感染を抑えるどころか、むしろ拡大を招いた。ほぼ半年にわたって、緊急事態が続く異常。ポンコツに全国から怒りと怨嗟の声が上がり、宣言再延長は想像を超える大混乱を招く恐れがある。

要請破り続出で自制心プッツン
 再延長に伴う対策はほぼ同じ。酒類を提供する飲食店には休業を、ノンアルコールでも午後8時までの営業時間短縮を要請。この半年というもの、飲食店がマトモに営業できた時期はない。政府の無為無策にシビレを切らし、要請破りに走る飲食店がゾロゾロ。路面店の居酒屋がこうこうと明かりをつけて酒を出し、仲間内で集まった若者らがビールジョッキ片手に盛り上がり、のどを潤している光景は珍しくもなんともない。街ぐるみかと思うほど、飲食店が堂々営業している繁華街もある。
 通常営業している飲食店の最新情報をまとめたネットサイトは日々更新され、件数もうなぎ上りだ。コロナで死ぬか、経済苦で死ぬか。究極の二者択一が現実のものとなっているのだから、正義感を振りかざして責めることはできない。
 立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)は言う。
「日常生活に多大な制約を強いる宣言を発令しても、新型コロナの感染拡大を抑止できないのが日本の特徴です。自民党はそこを非難されると欧州のロックダウン(都市封鎖)を持ち出し、強制力に差があるためだと主張しますが、それは筋違い。欧州では規制と補償がセットで実施されるため、ほぼ補償ナシで協力を求める日本のやり方とは根本的に異なる。PCR検査の徹底、保健所を含む医療提供体制の拡充など、日常生活を補償する観点からの政策は実行されない。菅首相肝いりの『Go Toキャンペーン』で移動や飲食を促し、危機的場面でも遊びまわっていいのだと国民にインプットしてしまった。ギリギリまで追い詰められた国民の自制心がプツッと切れ、政府に反発して要請破りが常態化し、欧州のように暴動が起きる事態にならないとは限りません」

診療ネグレクト招く実弾戦でワクチン接種加速
 都道府県知事は要請に応じない飲食店などに対し、新型コロナ特措法に基づいて30万円以下の過料を科せる。3回目の宣言下で都が出した休業命令は42件に増え、応じない飲食店に個別に文書で協力を要請したケースは計198店に膨らんでいる。
 国民の私権を制限し、飲食店に塗炭の苦しみを強いながら、なぜ東京五輪のお祭りは強行なのか。誰もが抱く本質的な疑問に対し、菅は一度たりとも合理的な理由を口にしたことがない。それ以前に、説明らしきものすらしていない。「安心安全な大会が開催できるよう、全力を尽くす」とナントカのひとつ覚えを繰り返すだけ。問いに真正面から答えたことはない。そこには理屈が全くないからだ。あるのは私利私欲のみ。五輪のお祭り騒ぎに乗じて政権浮揚を図り、秋までに必ず実施される衆院選で勝つ。そして9月末に任期切れとなる自民党総裁選を無投票再選で乗り切り、長期政権の足掛かりをつくる。そうした妄想を強め、国民を巻き込み、コロナ禍の出口を塞いでしまっている。ポンコツの政治的保身と失政の尻拭いのためになぜ、弱者がここまで犠牲になるのか。
 東京商工リサーチ(TSR)によると、新型コロナ関連破綻は1529件(27日午後4時現在)に増加。2回目の宣言下にあった2月122件、3月139件と2カ月連続で月間最多件数を更新し、3回目の宣言が発令された4月は154件が倒産。初めて月間150件を突破した。業種別では飲食店が263件で断トツ。建設業135件、ホテルや旅館79件が続く。TSRは「事態の長期化による過剰債務の問題や、息切れ、事業継続をあきらめて破綻に至るケースも多い。コロナ関連破綻は引き続き、増勢を強めるものとみられる」と分析している。
 国民の健康や命を守るためではなく、五輪を強行するために熱を上げるワクチン接種も遅々としたものだ。接種を完了したのは医療従事者が6割弱、65歳以上の高齢者は1%足らず。五輪開催から逆算して菅がブチ上げた「高齢者接種7月末完了」「1日100万回」を実現するため、自衛隊を動員して運用している東京の「大規模接種センター」では1日1万回の予約枠が埋まらず、対象拡大を前倒し。診療所に対する接種報酬も大幅増額し、実弾戦を展開している。▼週100回以上の接種を4週間以上実施で1回2000円 ▼週150回以上は1回3000円――などの上乗せを提示しているが、診療所は医師1人、看護師1人態勢が珍しくない。菅の思惑通りに動けば、通常診療のネグレクトにつながりかねないのに、そんなことはお構いなしだ。

集団行動、公権力発動で深まる分断
 政治ジャーナリストの角谷浩一氏はこう言う。
「菅首相が五輪をあきらめる気がサラサラないのは明白です。しかし、『安心安全な大会を開催する』根拠は薄弱なのに、日本代表によるメダルラッシュでも起きれば、反対していた国民も拍手喝采で大いに盛り上がると思い込んでいる。コロナ禍で苦しむ国民の思い、ひいては人の気持ちが分からないのではないか。IOC(国際オリンピック委員会)幹部の不用意発言も、日本がどうなっても痛くもかゆくもないという腹の内が透けて見える。コーツ調整委員長が宣言下の開催について『答えはもちろんイエスだ』と言い、バッハ会長も五輪実現のために『犠牲を払わなければならない』とスピーチし、最古参委員のパウンド氏は『前例のないアルマゲドンに見舞われない限り、東京五輪は計画通りに進むだろう』と言い放っている。責任を取るべき人物が定まっていないことがナントカを増幅させてしまっている」
 ワクチン接種は五輪開催のため、宣言延長は観客を入れるため。国民はそれをお見通しだ。政府が五輪五輪と言うたびに国民の怒りは募る一方だが、こんな状況で人流を抑え、感染を封じ込めるのか
「五輪開催を前提とした菅政権の新型コロナ対策は破綻し、打ち出した国民との約束は全く守られない。無政府状態と言っていい。五輪取材で来日する海外メディア関係者が行動制限に違反した場合、入管難民法に基づく不正入国者の国外退去命令の解釈を広げた強制的退去が浮上していますが、実行性はゼロ。日本が呼び込んでおきながら、都合が悪くなれば追い出すようなことをすれば国際社会の批判にさらされ、窮地に追い込まれる。要するに、五輪を開催するタイミングではないということ。これ以上無理を重ねれば、国民が集団行動を起こさざるを得なくなり、そうなれば警察や自衛隊が駆り出される。社会の分断が深まるのは必至です」(金子勝氏=前出)
 デタラメ政治のせいで、日本の社会はもうメチャクチャだ。菅首相が責任を取って五輪中止と総辞職を表明することが、コロナ禍脱出の最短ルートなのは間違いない。