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2019年6月27日木曜日

米大統領「安保破棄」発言 安全保障を考える契機にすべき

 トランプ大統領が日米安保条約廃棄に言及した真意について、日本政府は本気ではないと必死に否定していますが、毎日新聞の記事によればトランプは26日にも米FOXテレビの電話インタビューで、日米安全保障条約での「防衛義務の片務性に関し不満を述べているし、同じく24日にはツイッターで日本や中国を名指しし、原油輸送の要衝となっている中東ホルムズ海峡を通過する石油タンカーについて「それぞれが自国で防衛すべきだ」と述べています。
 トランプ氏が本気で不満を持っていることは明らかで、当面はそれを如何にして米国の経済的利益に繋げようかと考えているというのが真相と思われます。
 
 琉球新報は27日の社説で、「米国が本当に破棄を望むのなら、沖縄の米軍基地を平和につながる生産の場に変えることも可能で、辺野古の新基地建設も不要になる。政府はむしろ、これを奇貨として対応を検討すべきだ」と述べました。
 
 まさにそうすべきものです。安倍首相が考えているかもしれない「金で解決しよう」というのは余りにも卑屈で暗すぎて間違っています。
 必要であれば中東ホルムズ海峡の警備について中国と協議すべきですし、米国との追従関係がなくなれば、同海峡の警備自体が不要になる可能性もあります。
 
 琉球新報と毎日新聞の記事を紹介します。
知らせ
都合により28日は記事の更新が出来ませんのでご了承ください。
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<社説> 米大統領「安保破棄」 安全保障を考える契機に
琉球新報 2019年6月27日
 米国が本当に破棄を望むのなら、沖縄の米軍基地を平和につながる生産の場に変えることも可能だろう。辺野古の新基地建設も不要になる。政府はむしろ、これを奇貨として対応を検討すべきだ。
 
 菅義偉官房長官は「報道にあるような話は全くない。米国の大統領府からも米国政府の立場と相いれないものであると確認した」と述べ、打ち消しに躍起になっていた。
 米国政府の立場はその通りだろう。だが予測不能といわれるトランプ氏だ。このような発言をしたとしても一向に不思議ではない。だからこそ事実ではないかという憶測が一時、外務省内でも広がった。
 本当だったとしても、個人的見解の域を出ず、現実に安保を破棄する事態は起こらないとの見方が強い。貿易交渉を有利に進めるための取引材料として持ち出す可能性はあるかもしれない。
 
 報道によると、トランプ氏は「日本が攻撃されれば米国が援助することを約束しているが、米国が攻撃された場合に日本の自衛隊が支援をすることは義務付けられておらず、あまりにも一方的だ」と不満を示したとされる。
 日本政府は在日米軍関係経費として毎年巨額の予算を計上している。防衛省の公表資料によると2019年度は基地従業員の労務費、施設借料を含め、駐留に関連する経費だけで3888億円に上る。それ以外にSACO関係経費(256億円)、米軍再編関係経費(1679億円)もある
 トランプ氏は日本が負担する経費をどこまで理解しているのだろうか。普天間飛行場を巡る認識に至っては、事実を百八十度ねじ曲げている。
 
 飛行場のある場所は戦前、集落が点在する農村地帯だった。住民を収容所に押し込んでいる間に土地を奪い、戻った時には立ち入りができないようにした。敵国の領土で私有財産の没収を禁じるハーグ陸戦条約にも違反している
 米大統領がこのような自明の事実さえ理解していないのだとすれば、基地問題の解決などおぼつかない。日本政府はトランプ氏の啓発に努めた方がいい。
 
 在日米軍専用施設面積の7割が集中する沖縄は日米安保体制の重荷を最も多く背負わされている。基地から派生する事件・事故は後を絶たず、軍用機がまき散らす騒音は我慢の限度を超える。
 米軍の権益を維持・拡大してきたのが安保の実態であり、その不平等性は日米地位協定に端的に表れている。
 今回の報道を契機に、安全保障への関心が高まり、安保を巡る国民的な議論が深まるのならいいことだ。
 
 
トランプ氏「米国が攻撃されても日本は助ける必要はない」安保条約に不満
毎日新聞 2019年6月27日01時11分
 トランプ米大統領は26日、米FOXテレビの電話インタビューで、日米安全保障条約について「もし日本が攻撃されたら、米国は第三次世界大戦を戦う。あらゆる犠牲を払って戦う。しかし、米国が攻撃されても日本は助ける必要はない。ソニーのテレビで、攻撃されているのを見ていられる」と述べ、防衛義務の片務性に関し不満を述べた。 
 
 トランプ氏は、2016年大統領選の選挙集会でもほぼ同趣旨の発言をしていた。主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)で訪日する前にあえて不満を漏らし、駐留米軍経費のさらなる負担や対日貿易赤字削減に向け圧力をかける狙いがあったものとみられる。安倍晋三首相との会談で、こうした点に触れる可能性がある。 
 トランプ氏は「ほとんどすべての国が米国を利用してきた」とも語り、北大西洋条約機構(NATO)についても米軍の財政負担の割合が大きすぎるとして、ドイツを名指ししながら他の加盟国がもっと負担すべきだとの考えを示した。【ワシントン古本陽荘】 
 
 
トランプ氏 ホルムズのタンカー「自国で防衛すべきだ」日本、中国を名指し
毎日新聞 2019年6月24日
 トランプ米大統領は24日、ツイッターで日本や中国を名指しし、原油輸送の要衝となっている中東ホルムズ海峡を通過する石油タンカーについて「それぞれが自国で防衛すべきだ」と述べた。「米国は今や最大のエネルギー生産国になっており、(この地域に)とどまる必要もない」とも指摘した。日本などのタンカーが攻撃された事件や米無人偵察機の撃墜を受けて急速に高まった対イランの緊張状態を緩める意図があるとみられる。 
 
 トランプ氏はツイートで「中国は91%、日本は62%の原油を(ホルムズ)海峡を経て輸入している」と指摘。「何の補償もなく、なぜ米国が他国の輸送路を守っているのか」と述べた。引用した統計の根拠は不明だ。 
 ホルムズ海峡では今月13日、日本の海運会社などが運航するタンカー2隻が攻撃を受けた。米国は「イランによる犯行」と断定。同海域に展開する米海軍第5艦隊が救援活動にあたった。20日にはイランが米無人偵察機を撃墜。米側は大規模な追加制裁に加え軍事報復を示唆するなど一気に緊迫した。一方でトランプ氏は「戦争は望まない」と述べ衝突回避を模索している。 
 24日のツイートでも「イランへのメッセージはシンプルだ。核兵器開発とテロ支援をやめてくれ」と呼びかけた。【ワシントン高本耕太】.

2014年4月25日金曜日

解釈改憲は憲法精神にもとると公明代表が明言

  これまでも与党公明党の幹部たちは、集団的自衛権の行使を容認するための解釈改憲について批判的な見解を述べてきましたが、ついに公明党代表もテレビ番組の中で「憲法の制定権者は国民だ。それを政府が独断で解釈変更するのは憲法の精神にもとる(要旨)と述べて、自民党の考えに賛成できないことを明言しました。
 
 山口代表はまた、首相が「解釈改憲を閣議決定しても、関連法案を整備しない自衛隊は活動できないから」としていることについても、「法律は過半数という多数決で変化するから、本当の限定になるのか疑問だ」とし、行使容認には改憲が必要だとの考えを示しました
 
 また自民党との連立政権について「経済再生や東日本大震災からの復興加速を差し置いて分裂するのは、国民が許さない」と強調し、そのためにも首相に自制をするように求めました。
 
 政府は「政府方針」や「閣議決定」を公明党の合意の下に進めるとしているので、これは大きな抑止力になりそうです。
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解釈改憲 「憲法精神にもとる」 公明代表が批判
東京新聞 2014年4月24日
 公明党の山口那津男代表は二十三日夜のBS番組で、安倍晋三首相が意欲を示す集団的自衛権の行使を容認するための解釈改憲について「憲法の制定権者は国民だ。政府の解釈変更は、国民に何も聞かないで一方的にやることになるから、憲法の精神にもとる」と強く反対した。「海外で武力を使う(ようになる)のは大きな変化。単に政府が憲法解釈を変えましたと閣議決定してしまうことには、異論が大きい」とも述べた。
 
 首相は解釈改憲を閣議決定しても、自衛隊法など関連法案を整備しない限りは、直ちに自衛隊は活動できないと説明している。これについて、山口氏は「法律は(衆参両院の過半数という)多数決で変化するから、本当の限定の意味があるのか疑問だ」と指摘。行使容認には改憲が必要だとの考えを重ねて示した。
 自民党内には、砂川事件の最高裁判決を根拠に、現行憲法でも集団的自衛権の行使が限定的に認められるとの主張があるが、山口氏は「これまでの(行使を認めないとしてきた歴代)政府の考え方と整合性があるのか。木に竹を接ぐというのでは、まったくの断絶になりかねない」と懸念を示した。
 
 自民党との連立政権について「経済再生や東日本大震災からの復興加速を差し置いて分裂するのは、国民が許さない」とも強調。集団的自衛権の問題が与党の関係悪化につながらないよう首相に自制を求めた。
 
 

2014年4月7日月曜日

集団自衛 行使容認反対が63%に増加 朝日世論調査

 朝日新聞社が行った憲法に関する全国郵送世論調査で、集団的自衛権について「行使できない立場を維持する」が昨年の調査の56%から63%に増え、「行使できるようにする」の29%を大きく上回りました
 「行使出来るようにする」とした人のうち「解釈を変更することでよい」と考える人は回答者全体12%なので、安倍首相の方針に同意する人は1割しかいないことになります
 
 憲法9条を「変えない方がよい」も昨年の調査の5%から6%に増え、「変える方がよい」の29%との差を広げました。
 
 その他の項目については下記のとおりです。
   ・自衛隊を国防軍にすることに  「反対」64%、 「賛成」25%
   ・非核三原則を       「維持すべき」82%、 「見直すべきだ」13%
   ・武器輸出の拡大に        「反対」77%、 「賛成」17%
   ・憲法を変える必要が       「ない」50%、 「ある」44%
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集団的自衛権、行使容認反対63%に増 朝日新聞調査
朝日新聞 2014年4月6日
 安倍政権が集団的自衛権の行使容認に向けた姿勢を強めるなか、朝日新聞社は憲法に関する全国郵送世論調査を行い、有権者の意識を探った。それによると、集団的自衛権について「行使できない立場を維持する」が昨年の調査の56%から63%に増え、「行使できるようにする」の29%を大きく上回った。憲法9条を「変えない方がよい」も増えるなど、平和志向がのきなみ高まっている。
 
 安倍内閣支持層や自民支持層でも「行使できない立場を維持する」が5割強で多数を占めている。
 安倍晋三首相は政府による憲法解釈の変更で行使容認に踏み切ろうとしているが、行使容認層でも「憲法を変えなければならない」の56%が「政府の解釈を変更するだけでよい」の40%より多かった。首相に同意する人は回答者全体で12%しかいないことになる。

写真・図版
集団的自衛権について

 

2014年3月18日火曜日

自民総務懇で集団的自衛権容認に慎重論続出 +

 自民党は17日、党の意思決定を担う総務会のメンバーによる総務懇談会を開き、安倍首相が目指す憲法解釈変更による集団的自衛権の行使容認問題を議論しました。
 自民党の「総務懇談会」には特別な意味があり、党を二分するような大きなテーマに限って開催する位置づけられ、2005年郵政民営化問題が議論されて以来です
 
 約2時間に及んだ議論では行使容認への賛否は分かれましたが、今国会中の閣議決定への慎重論が噴出し、結論を急がないよう求める声が大勢を占めました。
 慎重論「十分に話し合うべきだ」「本来は憲法改正が必要だ」、「集団的自衛権の行使が本当に必要かどうか、個別の事例ごとに厳しく検証して判断すべきだ」などとするものでした。
 行使容認をめぐる党内の対立が顕在化し、意見集約が難航する可能性も出てきました。
 
 それを受けて安倍首相は役員会で総裁直属機関を新設して党内論議を続ける方針を表明しましたが、もしも首相の好みのメンバーで私的懇談会の結論を検討するということになれば二の茶番になりますし、仮に執行部が総裁直属機関で議論を押し切っても、個別法案は総務会の了承がなければ党議決定にはならないので、そう簡単に行くものではありません。
 
+公明党山口代表の見解を追加
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集団的自衛権で自民9年ぶり総務懇談会 解釈見直し異論噴出 
産経新聞 2014年3月18日
 安倍晋三首相(自民党総裁)は17日の自民党役員会で、憲法解釈見直しによる集団的自衛権の行使容認に向け、総裁直属機関を新設して党内議論を進める方針を表明した。ただ、同日の党総務懇談会では今国会中の閣議決定への慎重論が噴出。執行部は反対派の牙城となりつつある総務会はガス抜きの場にとどめ、議論を総裁直属機関に一本化する構えだが、反対派からは関連法案の造反を明言する議員が出るなど、対立はエスカレートしている。(比護義則)
 
 総務懇談会の開催は平成17年4月の郵政民営化法案をめぐる議論以来、約9年ぶり。懇談会は約2時間続き、約20人が発言した。村上誠一郎元行政改革担当相は「解釈変更は憲政に汚点を残す。憲法改正で堂々と議論するのが筋だ」と解釈変更への反対を表明。「解釈変更に基づいて関連法が提出されるなら反対せざるを得ない」と明言した。
 
 第2次安倍内閣発足以降、高い支持率を背景に総務会で首相に対する不満は鳴りを潜めてきたが、この日の懇談会では「なぜ今なのか」「安定性、継続性、透明性を確保すべきだ」などの慎重論が目立った。
 石破茂幹事長ら首相サイドは、ベテラン議員の異論を総務懇談会で丁寧に聴取することで、高まる不満のガス抜きを図りたい考え。石破氏は同日の記者会見で「意見を述べ合うのが懇談会だ」と述べ、党内手続きによる政策決定とは無関係であることを強調した。
 
 ただ懇談会が発火点となり、派閥の勉強会などで慎重論が党内全体に広がる可能性は否定できない。岸田派はすでに派内に勉強会を立ち上げる方針を決定。行使容認に慎重姿勢の公明党と太いパイプを持つ大島理(ただ)森(もり)前副総裁率いる大島派も20日に勉強会を開催する。
 
 憲法解釈変更自体は内閣の判断で可能だが、それに基づく自衛隊法の改正などの関連法案は国会での採決が必要となる。執行部が総裁直属機関で議論を押し切っても、個別法案は総務会の了承がなければ党議決定にはならず、反対派がこれを逆手にとって抵抗する事態も予想される。
 秋に予想される関連法案採決までを見据えれば、反対派の抵抗手段は事欠かないことになる。
 
 岸田派の古賀誠名誉会長は17日の横浜市内での講演で、集団的自衛権の解釈変更の閣議決定について「そういうルール違反、姑(こ)息(そく)なことは絶対やってはいけない」と牽(けん)制(せい)した上で、首相が憲法解釈をめぐり「最高責任者は私だ」と発言したことを「愚かな坊ちゃん的な考え方だ」と批判した。
 
 
集団的自衛権行使容認、与党に強い慎重論 自民懇談会
朝日新聞 2014年3月17日  
 集団的自衛権行使のための憲法解釈変更を今国会中に認めるのか。自民党が17日、約9年ぶりに開いた総務懇談会で、安倍晋三首相と与党との攻防が幕をあけた。首相は今国会中の解釈変更の閣議決定に強い意欲を示すが、憲法の「平和主義」の根幹にかかわるだけに、与党には慎重論が強い。
 
 自民党の「総務懇談会」には特別な意味がある。大きなテーマに限って開催する、という位置づけだが、前回は小泉政権下の2005年、郵政民営化問題が議論された。過去のテーマはいずれも解散・総選挙などの大きな政局に発展した。
 約2時間に及んだ議論では行使容認への賛否は分かれたが、結論を急がないよう求める声が大勢を占めた。この問題は戦後の歴代自民党が堅持してきた路線を大きく転換する。そうした認識が広く党内にあるからだ。懇談会では出席者から「この問題は憲法の『平和主義』に抵触する。慎重の上にも慎重にやらないといけない」と指摘が出た。
 
 
自民総務懇談会での発言要旨
時事通信 2014年3月17日
 自民党総務懇談会での出席者の発言要旨は次の通り。
 村上誠一郎氏 (集団的自衛権行使容認に向けた憲法解釈の変更について)見解が対立したら正面から憲法改正するのが筋だ。解釈変更は法の安定性を害する。(自衛隊法改正案などの)法案が出てきたら、議場で反対せざるを得ない。
 船田元氏 憲法解釈すら変更できないと政治が停滞する。現状を考えると解釈変更せざるを得ない。ただ、ケースはかなり限定しないといけない。地球の裏側(での行使)という話が出るようでは、国民が理解するのは難しい。
 野田毅氏 必要なら解釈を変えざるを得ないが、いろんな角度からのチェックが必要だ。なぜ今なのか、行使する地域はどこか、専門的な議論をしなければならない。
 衛藤征士郎氏 個別的自衛権だけで国を守れるのか。集団的自衛権が必要だ。
 金子一義氏 必要な政策でも有権者が理解できないと悪法になる。何をやりたいのか、具体例を示した方が有権者に分かりやすい。わが国憲法は平和憲法そのもので、行使が可能になっても制約を付けざるを得ない。
 小坂憲次氏 議院内閣制だから、内閣がどのような決定をするか(党側が)意見を述べる機会を確保するのも重要だ。党内議論なくして閣議決定に至ってはいけない。
 武見敬三氏 党公約の国家安全保障基本法を制定し、シビリアンコントロール(文民統制)を明確にすべきだ。
 溝手顕正氏 国民に丁寧に説明するのも大事だが、党内にも丁寧に説明すべきだ。
 
山口代表 解釈変更で行使容認に慎重
NHK NEWS WEB 2014年3月18日
公明党の山口代表は記者会見で、憲法解釈の変更による集団的自衛権の行使容認について、「否定的に捉えてきたのが政府の一貫した姿勢だった」と述べ、慎重な考えを重ねて示しました。
安倍総理大臣が目指している憲法解釈の変更による集団的自衛権の行使容認を巡っては、17日開かれた自民党の総務懇談会で、賛成する意見が出る一方で、「国民の支持が得られるまで時間をかけて議論すべきだ」といった指摘も出されました。
これについて、公明党の山口代表は記者会見で「自民党内でも、内外の理解を得るためのプロセスを踏もうという意見が出るのは当然だ」と述べました。
そのうえで、山口代表は「『自衛隊の存在は認めるが海外で武力を行使しない』というのがこれまでの憲法解釈の柱だ。重要な憲法規範の解釈を一内閣で変更するのは極めて慎重でなければならないと、否定的に捉えてきたのが、これまでの政府の一貫した姿勢だった」と述べ、憲法解釈の変更による集団的自衛権の行使容認に慎重な考えを重ねて示しました。
 
 

2014年3月17日月曜日

竹富町教科書是正要求は、国の強圧 

 沖縄県竹富町の中学校公民教科書問題は、ついに国が町の教育委員会に教科書の是正要求を突きつけるという前代未聞の事態となりましたが、太平洋戦争末期、住民が軍命で強制移住させられ、三千人以上がマラリアで死亡した八重山諸島にある竹富町慶田盛教育長は「平和の大切さを伝えるのが教育の役目だ」と動じる様子はありません。
 
教科書問題の経過
 ここであらためて竹富町の中学校公民教科書問題の経過を振り返って見ます。
 石垣・竹富・与那国3市町の教科書を話し合う八重山採択地区協議会会長の玉津氏(=玉津博克石垣市教育長2011年6月、教科書調査員を独断で選任できるよう規約を改正しようとしましたが、協議会で反対されました
 調査員は役員会で選任することになったのですが、玉津氏はその役員会を開くことなく独断で調査員を委嘱しました。
 しかしその調査員も、玉津氏が採用を目指した、保守色の極めて強い育鵬社版の中学・公民の教科書は、「文中に沖縄の米軍基地に関する記述がない」など難点があるとして、複数を推薦した中に育鵬社版は入れませんでした
 それなのに同年8月23日、採択地区協議会は玉津氏の主導で育鵬社版を選ぶよう答申しました。

 玉津会長が調査員が推薦しなかった教科書を採択候補に挙げたことと言い、それを採択協議会で追認したことと言い、何んとも異常で不可解なことです。
 竹富町教委は同27日、選考過程に不審な点があるとして、育鵬社版でなく東京書籍版の教科書を選びました
 一方、石垣・与那国2市町教委は育鵬社版を選定したので、3市町教委は同31日に採択地区協議会を開いて再協議しましたが、まとまりませんでした。それで9月8日、3市町教育委員全員で協議し、多数決で東京書籍版を選びました
 
 それに対して文科省は「全員協議はどこにも規約がない」とこの選定を無効としました。その結果竹富町のみが東京書籍版を採用することになりました。文科省は教科書の費用を出さなかったので、教科書代は竹富町が寄付金を募り負担しました。
 政府は同年11月、「自ら教科書を購入して生徒に無償で給与することは、無償措置法でも禁止されるものではない」との答弁書を閣議決定しました
 
沖縄県・竹富町教委の対応/国は手詰まり
 文科省昨年10まず沖縄県教委竹富町教委へ是正を要求するように指示しましたそれに対して県教委は回協議しましたが「教育環境に混乱を招く」と判断を留保しました。そして解決策として県教委は、教科書の採択地区を竹富町と他の二市町とに分ける案を検討中に、竹富町教委に対して文科省から直接、是正要求が行われました。
 竹富町教委も前述したように、文科省の要求に応じる気配はありません。要求に応じなくても罰則はなく、国が違法確認訴訟を起こし勝訴しても育鵬社版の使用を強制はできません。文科省幹部は「保守色が強い安倍政権のパフォーマンスの意味合いが強い」と述べています。
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安倍政権 沖縄に強圧 竹富町教科書「是正要求」
 東京新聞 2014年3月16日
 中学公民教科書の採択をめぐり、地区協議会が選んだ保守色の強い育鵬社版を拒否する沖縄県竹富町教育委員会に、下村博文文部科学相が是正要求を突きつけた。地区内での同一教科書の採択を義務づけた法律に違反するとの判断だが、戦時中の惨事が伝わる町は、今後も独自に東京書籍版を使う構えだ。対立は先鋭化し打開策は見えない。
 
■戦禍の島
 「生徒は平穏に授業を受けている。狙いはどこにあるのか」。文科省が是正要求を出した十四日、竹富町教委の慶田盛安三(けだもりあんぞう)教育長はいぶかった。
 竹富町のある八重山諸島は太平洋戦争末期、住民が軍命で強制移住させられ、三千人以上がマラリアで死亡した。「平和の大切さを伝えるのが教育の役目だ」と慶田盛教育長は言う。
 竹富町と石垣市、与那国町の教育長らでつくる八重山地方の採択地区協議会は二〇一一年、教科書を調査した教員が推薦しなかった育鵬社版を決定。選定方法に反発する竹富町側は、教育委員全員で複数社の教科書を読み込み、東京書籍版を採択した。
 戦争放棄を定めた憲法九条や米軍基地問題の記述を「東京書籍版は軍事力に基づかない平和に重点を置いている」と評価。慶田盛教育長は何枚もの付箋が付いた教科書を手に「皆でよく勉強した」と振り返った。
 竹富町教委は各教科書がどのように授業で使われているかを重視。学校を訪れ授業一コマを最初から最後まで視察する。竹盛洋一教育委員は「教員と生徒のやりとりをじっくり見ているから、自信を持って教科書を選べた」と話す。
 
■ためらい
 文科省は昨年十月、竹富町教委へ是正を要求するよう沖縄県教委に指示。県教委は五回協議したが「教育環境に混乱を招く」と判断を留保した。県教委メンバーの多くが国の強硬姿勢に反発、委員の一人で経済界重鎮の石嶺伝一郎・沖縄電力会長も「教育は地域の自主性が尊重されなければならない。話し合いで解決すべきだ」と発言してきた。
 県教育庁幹部も「先延ばししたわけではない」とした上で「心情としては、竹富町に今の教科書を使わせてあげたいと思ってきた」と擁護する。
 解決策として県教委は、教科書の採択地区を竹富町と他の二市町とに分ける案を検討中だ。その最中の是正要求に、教育委員の富川盛武・沖縄国際大教授は「なぜこの時期なのか。教育は人間の尊厳に関わることだ。政治介入で押しつけるものではない」と非難した。
 
■頭越し
 「タイムリミットが今日であるということであります」。是正要求を記者会見で発表した下村文科相は、指示に従わない沖縄県教委を「重大な事務の怠り」と批判。県を頭越しにした要求を正当化した。
 ただ、竹富町が要求に応じなくても罰則はなく、国が違法確認訴訟を起こし勝訴しても育鵬社版の使用を強制はできない。文科省幹部は「状況が変わらないことは大臣も分かっている。保守色が強い安倍政権のパフォーマンスの意味合いが強い」と明かす。
 
 手詰まりの下村文科相をよそに、竹富町では、新年度で使う東京書籍版四十六冊の配布準備が進む。十四日午後、記者会見を終えた慶田盛教育長は「やはりわれわれは正しい」と静かに話し、地域の教育を担ってきた自負をにじませた。
 
 

2014年3月15日土曜日

文科省が竹富町教委に直接是正要求 公民教科書問題で

 沖縄県竹富町教育委員会が八重山採択地区協議会(石垣市、竹富町、与那国町)の決定とは異なる中学公民教科書を使用している問題で、下村文科相は14日、竹富町教委に対して地区協決定の教科書を使うよう是正要求を出しました
 国が市町村に直接要求するのは初めてのことです。
 
 国から市区町村への直接的な是正要求は、国家権力が小さな自治体を追い詰める事態を避けるため「緊急事態」に限られています(本来、都道府県を通じて実施する仕組み)。それを敢えて国が「直接是正要求」を選んだ背景には、国家主導で教育政策を進めたい安倍政権の意向があると見られています。
 なお、政務官レベルでは、2013年3月に義家弘介政務官(当時)が竹富町に出向き、採択地区協議会の決定に従うよう恫喝的な指導をしました。
 
 今国会で審議予定の教育委員会改革関連法案では、国の関与強化は、いじめ自殺などの場合に限定されているということです
 政府には今後も慎重な判断が求められます
 
注.竹富町教科書問題
 沖縄八重山地区の中学公民教科書は、不明朗な経過のもと、沖縄の米軍基地問題に触れていないなど保守色の強い育鵬社版採択されました。この経緯に納得できない竹富町の教育委員会は独自に東京書籍の教科書を採択しましたが、文科省は竹富町を教科書無償措置法の対象から除外したため、町は住民から寄付を募って教科書代を負担しながら使用してきました
 それに対して安倍政権は、2013年3月に文科省政務官を竹富町に派遣して是正を指導させたほか、沖縄県教委に竹富町教委へ是正要求をするように指示しましたが、県教委は対応について5カ月間審議を継続していました。
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竹富町「東京書籍」継続へ 国の是正要求に反発
沖縄タイムス 2014年3月15日
 【東京】八重山地区で異なる中学校公民教科書が使用されている問題で文部科学省は14日、教科書無償措置法に基づいた採択をしていないとして、竹富町教育委員会に地方自治法に基づき是正要求を出した。下村博文文科相が同日の会見で明らかにした。国が市町村に直接要求するのは初めて。町教委の慶田盛安三教育長は「法律上、採択権は町教委にある」と反発。これまで全教育委員も同様の見解を示していることから、新年度も「東京書籍版」の教科書を継続使用する可能性が高い。 
 竹富町教委は24日に委員会を開き、国地方係争処理委員会への審査申し出なども含め、今後の対応を検討する。 
 
 是正要求は、新年度から八重山採択地区協議会が答申した保守色の強い「育鵬社版」に統一させるのが狙い。竹富町教委は新年度も本年度同様、東京書籍版の教科書を購入する手続きをとっている。 
 是正要求を受けると自治体側は対応を見直す法的義務が生じるが、従わなくても罰則はない。異例の措置を取ったことについて下村氏は「新年度が迫っているのでぎりぎりの時期。緊急性がある」と説明した。 
 
 竹富町教委へ是正の要求を指示された県教委が、5カ月間審議を継続していることに対して下村氏は「法律上の義務を負っているにもかかわらず、要求しなかったのは極めて遺憾。重大な事務の怠りである」と指摘。14日、県教委へも指導する通知も送った。 
 
 地方教育行政法に基づき竹富町教委は、育鵬社版ではなく東京書籍版を採択。無償措置法に基づかない場合は国の無償給付の対象外となるため、寄付金で独自に教科書を購入して2012年度から生徒に配布している。 
 無償措置法では、共同採択地区内で同じ教科書を採択しなければならないと定めていることから、菅義偉官房長官は同日の会見で「法治国家なので一日も早く従ってもらいたい」とし、政治介入には当たらないとの認識を示した。 
 下村氏は竹富町教委の動向を見守るとしつつ、竹富町教委が要求に従わない場合の違法確認訴訟について「適切に判断をしていくことがあるかもしれない」と述べた。 
 
国の要求は残念 
 諸見里明県教育長 竹富町教委に対する国からの是正要求の指示への対応については、県教委において慎重に検討していたところ。今回、竹富町教委へ直接是正要求が行われたことは残念に思う。対応については、引き続き県教委で検討していきたい。
 
 
「指導に断固抗議」 反対派住民が文科省非難
八重山日報  2013年3月(2日)
 竹富町教育委員会の指導に訪れた文科省の義家弘介政務官に対し、育鵬社の公民教科書採択に反対する「竹富町の子どもに真理を教える教科書採択を求める町民の会」「子どもと教科書を考える八重山地区住民の会」のメンバーらが1日、「不当な『指導』に断固抗議する」などとした文科相あての要請書を手渡した。
 
 要請書では、竹富町の公民教科書が有償とされた原因は「文科省の法律や前例に反する対応にある」などと主張。採択地区協議会の調査員の報告書を尊重し、関係者の要請に応えた「同一教科書」の無償給付、それが実現するまでの間の竹富町に対する教科書の無償給付を求めた。
 「住民の視点で教科書をえらぶ会」も「竹富町を無償給付の対象としていなかった違法性を恥じるべき」などとする抗議文を提出した。
 メンバーは、竹富町教委を指導した義家政務官に対し「竹富町は悪くない。画期的なことをした」「政治権力の恫喝(どうかつ)だ」などと口々に声を上げた。