2015年6月30日火曜日

内閣支持率28% 安保法案 違憲は54% (合憲15%) 福島県

 福島民報社福島テレビと共同で行った福島県民世論調査で、安倍内閣を「支持する」は28・4%で、3月前回調査から10・7ポイント急落しました。
 
 安全保障関連法案が憲法に照らして「違反している」との回答は54・3%と半数を超え、「違反していない」は15・3%でした。
 集団的自衛権の行使容認に「反対」は51・7%で、「賛成」の14・5%を大きく上回りました。
 
 安保法案を今国会で成立させるという安倍内閣の方針は、県民から完全に「ノー」を突きつけられたということです。丁寧に説明するというような次元の問題ではありません
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安保法案「違憲」54.3% 本社県民世論調査
福島民報 2015年6月29日
 福島民報社は福島テレビと共同で県民世論調査(第10回)を行った。安全保障関連法案が憲法に照らして「違反している」との回答は54・3%と半数を超え、「違反していない」は15・3%だった。集団的自衛権の行使容認に「反対」は51・7%で、「賛成」の14・5%を大きく上回り、県民の法案への疑問や懸念が浮き彫りになった。安倍内閣を「支持する」は28・4%で、今年3月の前回調査の39・1%から10・7ポイント急落した。
 
 安全保障関連法案が憲法に照らしてどう思うかを聞いた結果は下表の通り。
 
違反している
54.3%
違反していない
15.3%
どちらともいえない
20.6%
わからない
9.8%
 
「違反している」との回答は「違反していない」の3倍強だった。「どちらともいえない」の20・6%、「わからない」の9・8%を合わせると約3割を占め、法案への理解が十分に浸透していないこともうかがえる。
 年代別では、「違反している」は30代の70・0%が最高。次いで50代63・6%、60代61・3%だった。「違反していない」は40代の29・5%が最も高く、80歳以上24・8%、30代20・0%と続いた。
 
 集団的自衛権の行使容認について聞いた結果は下表の通り。
 
賛成
14.5%
反対
52.7%
どちらともいえない
25.7%
わからない
8.1%
 
「反対」が50%を超える一方、「賛成」は1割強にとどまった。
 年代別では、「反対」は30代の70・0%が最も高く、50代60・6%、60代59・3%と続いた。「賛成」は40代が29・5%、次いで80歳以上が21・8%だった。
 安保法案をめぐっては、衆院憲法審査会で参考人の憲法学者全員が「違憲」と主張し、与野党の見解が対立している。一方、安倍晋三首相は「国際情勢に目をつぶって、従来の憲法解釈に固執するのは政治家としての責任放棄だ」などと主張。26日の衆院平和安全法制特別委員会で、安保法案を会期延長後の今国会で採決し、成立を目指す方針を明言している。
 
■内閣支持30%割り込む
 安倍内閣を支持するかを聞いた結果は下表の通り。
 
支持する
28.4%
支持しない
50.
わからない
21.0%
 
「支持する」が30%を割り込んだのは、同じ内容を質問項目とした平成25年3月の第4回調査以降初めて。「支持しない」は50・6%で、初めて半数を超えた。
 男女別では、「支持する」は男性35・2%、女性22・6%、「支持しない」は男性51・2%、女性50・0%となった。
 安倍政権に望む復興政策は「景気経済対策」が29・3%で最も多く、前回調査より4・3ポイント増えた。次いで「県民の健康管理」14・6%、「除染」11・2%、「風評被害対策」10・8%と続いた。

戦争法案「反対」等意見書可決議会195 反対署名165万人

 国会に提出された安保法案に対して反対や慎重審議を求める意見書を可決した地方議会は、28日現在で34都道府県の195議会に達しました。
 このうち長野県では78自治体の半数を大きく超える46自治体が廃案・反対、慎重審議の意見書を採択しています。
 
 それとは別に、集団的自衛権行使容認に反対する市民団体「戦争をさせない千人委員会」は29日、行使容認の閣議決定撤回などを求める約165万人分の署名を、安倍晋三首相と衆参両院議長あてに提出しました
 同委員会は昨年、約257万人の署名を提出しています。
 29日に記者会見した会のメンバーは、「来月中には三百万人をめざしたい」としています
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戦争法案「反対」「慎重審議」意見書議会195 1週間余79増
しんぶん赤旗 2015年6月29日
 5月に戦争法案が国会に提出されて以降、各地方議会で法案に「反対」「慎重審議」などを求める意見書の可決が、急速に広まっています。日本共産党自治体局の調べでは、今月19日時点で30道府県116議会でしたが、79増え28日現在で34都道府県の195議会に達しました。
 
 このうち長野県では78自治体の半数を大きく超える46自治体が廃案・反対、慎重審議の意見書を採択しています。
 
 また、埼玉県本庄市議会では23日、会派を超えて共同提案された「慎重審議」を求める意見書が、全会一致で可決されました。
 意見書は、衆院憲法審査会(4日)で政府与党が推薦した参考人(憲法学者)からも「違憲」が指摘されていることに触れ、「国会の中でも混迷を極めている」と指摘。これに日本共産党市議が賛成討論を行っただけでなく、国政与党の公明党が戦争法案賛成の立場を示しつつも、意見書に賛成の討論を行う異例の事態となりました。
 
 さいたま市は、自民、公明、民主、共産の各党で「慎重審議」を求める意見書を共同提出。政令市で初めて、全会一致で可決しました(17日)。
 同市では、5月31日に「集団的自衛権行使容認の閣議決定撤回を求めるオール埼玉総行動」が呼びかけられ、同実行委員会が市議会全会派に案内をだすなど働きかけを重ねるなかで、幅広い立場の1万人超が参加。政府は説明不足が7割を超えるなどの世論調査や、弁護士らから廃案・慎重審議を求める請願が出されたことなどが後押しした形です。
 
 
安保法案反対署名165万人 千人委員会、首相らに提出
東京新聞 2015年6月29日 
 安倍政権の集団的自衛権行使容認に反対する市民団体「戦争をさせない千人委員会」は二十九日午後、行使容認の閣議決定撤回などを求める約百六十五万人分の署名を、安倍晋三首相と衆参両院議長あてに提出。東京・永田町で記者会見したメンバーは「来月中には三百万人をめざしたい」と強調した。
 
 「千人委員会」は、昨年三月、憲法学者の故・奥平康弘東大名誉教授やルポライターの鎌田慧さんらが呼び掛け人となって発足。安倍政権が国会に提出した安全保障関連法案の廃案を求める集会などさまざまな活動を各地で展開してきた。昨年は約二百五十七万人分の署名を提出している。
 
 今回の署名文は「このままでは、日本は戦争をする国になり、自衛隊が外国で殺し殺されることになる」などと危惧を表明。閣議決定撤回のほか、戦争参加を可能にする立法、条約締結をしないことや、海外での武力行使をせずに平和憲法に基づく外交を進めることなどを求めている。
 
 会見には、呼び掛け人の鎌田さん、評論家の佐高信さん、法政大学教授の山口二郎さんらが出席。山口さんは、自民党の勉強会で報道機関に圧力をかける趣旨の発言が相次いで批判を招いた点に触れ「政府与党がぼろを出し、安保法案反対の世論が強まっている」と指摘した。

2015年6月29日月曜日

護憲や反戦訴え、新潟でデモ行進 若者の力で平和守れ

新潟日報 2015年6月29日
 国会で安全保障関連法案の審議が進む中、若者の立場から護憲や反戦などを訴えるデモ行進が28日、新潟市中央区で行われた。約50人が参加し、JR新潟駅前から古町十字路を経由して白山公園までの道を「平和を守れ」と声を上げて歩いた。
 
 県青年9条の会が企画。会員制交流サイト(SNS)などで参加を呼び掛けた。
 参加者らは小雨の降る中、「戦争反対」「憲法守れ」と書かれたプラカードを掲げ、「若者を守れ」「自由を守れ」などと訴えた。通り掛かった人から「頑張れ」などと声を掛けられる場面もあった。
 参加した燕市の会社員男性(31)は「安全保障関連法案が国会を通過しそうだということを知らない人も多い。デモを見て、一人一人が考えるきっかけにしてほしい」と話した。
 
「戦争反対」などと訴えたデモ行進=28日、新潟市中央区
戦争反対」などと訴えたデモ行進=28日、新潟市中央区

メディアは日米支配層の意向に反する報道をしない

 28日付の櫻井ジャーナルは、日本を含むいわゆる西側のメディアに対して極めて辛辣な論評を載せました。
 日本のメディアが劣化しているのは明らかなことで、メディアのトップと首相との食事会も常態化しています。いまや海外の報道陣の目に映る、日本のメディアの「政権からの自由度」のランキングは60位台にまで落ちました。
 
 日本ではずっと以前から、メディアは政権が倒れるという見込みが立たないうちは批判をしないという不思議さがありました。唯一の例外は民主党の鳩山政権の打倒でしたが、それは官僚などの働きかけに従ったもので、やはり「真の権力」にはメディアは従属していたのでした。
 
 識者の解説によって西側メディアの実態を管見するなかで、日本のメディアの実態もそうした視点で見直す必要がありそうです。 
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TPPにしろ原発にしろ戦争にしろ、日米支配層の意向に反する「報道」をマスコミは例外なくしない
櫻井ジャーナル 2015年6月28日
 今年2月までNHKの経営委員を務めていた百田尚樹は「本当につぶれてほしい」新聞として朝日新聞、毎日新聞、東京新聞を挙げたという。この3紙の評価は上がったかもしれないが、日米支配層のプロパガンダ機関という点で読売新聞、産経新聞、日経新聞と大差はない。百田はリベラルを装いたい朝日新聞の回し者ではないか、と思われても仕方がないような発言をしている。
 
 ジャーナリストのむのたけじは1991年に開かれた「新聞・放送・出版・写真・広告の分野で働く800人の団体」が主催する講演会の冒頭、「ジャーナリズムはとうにくたばった」と発言、その後、マスコミから疎んじられるようにようになったらしいが、この指摘は事実。(むのたけじ著『希望は絶望のど真ん中に』岩波新書、2011年)竹中労の表現を借りるならば、「言論」は「強権のドレイ」にすぎない。
 
 最近の「報道」を見ても、TPP/TTIP/TISAの問題点、例えばISDS条項の話は避けているほか、イラク、リビア、シリア、イラン、ウクライナなどでの戦闘に関する話はアメリカ(ネオコン)が作り上げた偽情報を垂れ流しているだけ。アル・カイダが何を意味しているのか、あるいはIS(イラクとレバントのイスラム首長国。ISIS、ISIL、IEIL、ダーイシュとも表記)にどのような歴史があるのかといったことは知らん振り。日米支配層にとって都合の悪い事実は決して伝えてこなかった。
 
 IMFの元ギリシャ代表によると、IMFは自分たちに都合の悪い事実を隠し、都合の良いストーリーを広めるためにギリシャのジャーナリストをワシントンDCで訓練してきたそうだが、日本の記者も同じだという話を聞く。それだけでなく、国内では記者クラブという仕組みでシステム化されている
 
 ウォーターゲート事件を暴き、リチャード・ニクソン大統領を辞任に追い込んだワイントン・ポスト紙を「言論の自由」の守護神であるかのように考え、信奉している人もいるようだが、その事件を実際に取材していたカール・バーンスタインは1977年にワシントン・ポスト紙を辞め、その直後に「CIAとメディア」という記事をローリング・ストーン誌に書いている。それによると、まだメディアの統制が緩かった当時でも400名以上のジャーナリストがCIAのために働き、1950年から66年にかけて、ニューヨーク・タイムズ紙は少なくとも10名の工作員に架空の肩書きを提供しているとCIAの高官は語ったという。(CarlBernstein,“CIAandtheMedia”,RollingStone,October20,1977)
 
 ちなみに、デタント(緊張緩和)へ舵を切ったニクソンが排除された後、ジェラルド・フォード政権ではドナルド・ラムズフェルドやリチャード・チェイニーを中心とする好戦派が主導権を握り、デタント派は粛清された。ポール・ウォルフォウィッツなど後にネオコンと呼ばれる「イスラエル第1派」が台頭したのもこのとき。
 
 昨年8月にはドイツの経済紙ハンデスブラットの発行人、ガボール・シュタイガートは「西側の間違った道」と題する評論を発表したが、その中で軍事的な緊張が高まったのはロシアがクリミアを侵略したためだったのか、それとも「西側」がウクライナを不安定化したからなのかと問いかけている。
 
 勿論、仕掛けたのはアメリカ。2013年11月に始まった反政府行動は翌年2月中旬から暴力的になるが、その中心グループはNATOの訓練を受けたネオ・ナチだった。2月18日頃からネオ・ナチはチェーン、ナイフ、棍棒を手に、石や火炎瓶を投げ、ブルドーザーなどを持ち出し、ピストルやライフルを撃つ人間も現れた。
 
 2月21日にヤヌコビッチ大統領と反ヤヌコビッチ派が平和協定に調印したが、22日に狙撃で多くの死者が出始め、議会の議長を務めていたボロディミール・リバクは「EU派」の脅迫で辞任した。この日、後任のアレクサンドル・トゥルチノフを議会は大統領代行に任命するが、これは憲法違反。このクーデターを日本では「護憲派」も支持していた。
 
 事態を劇的に悪化させた狙撃を行ったのが反ヤヌコビッチ派だということはEUも知っていた。2月25日にキエフ入りして調査したエストニアのウルマス・パエト外相は翌日、キャサリン・アシュトンEU外務安全保障政策上級代表(外交部門の責任者)に対し、反政府側が実行したと強く示唆しているのだ。
 
 こうしたことを念頭に、シュタイガートは問いかけたということ。「西側」は戦争熱に浮かされ、政府を率いる人びとは思考を停止して間違った道を歩み始めたと彼は批判している。
 
 西側の「ジャーナリスト」が事実に反する「報道」をする理由について、ドイツのフランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング紙で編集者を務めていたウド・ウルフコテは、ドイツを含む多くの国のジャーナリストがCIAに買収され、例えば、人びとがロシアに敵意を持つように誘導するプロパガンダを展開していると告発している。
 
 そうした仕組みを作り挙げるため、アメリカの支配層はドイツの有力な新聞、雑誌、ラジオ、テレビのジャーナリストをあごあしつきでアメリカに招待、そうして築かれた「交友関係」を通じてジャーナリストを洗脳していく。日本にも「鼻薬」を嗅がされたマスコミ社員は少なくないと言われている。
 
 ウルフコテは今年2月、この問題に関する本を出しているが、その前からメディアに登場し、告発に至った理由を説明していた。ジャーナリストとして過ごした25年の間に教わったことは、嘘をつき、裏切り、人びとに真実を知らせないことだという。彼が告発を決意したのは、ドイツやアメリカのメディアがヨーロッパの人びとをロシアとの戦争へと導き、引き返すことのできない地点にさしかかっていることに危機感を抱いたからのようだ。
 
 こうした買収工作がなくてもメディアはプロパガンダ機関になる構造的な問題がある。マサチューセッツ工科大学のノーム・チョムスキー教授はその原因として5つの理由を挙げている。
 
 第1に、新聞にしろ放送にしろ、相当の資金力がないと情報を発信する体制を整えることができないため、中低所得層の立場から報道するメディアは少なくなる。巨大資本にしてみるとメディアを維持するコストは小さく、規制緩和でメディアは巨大資本に所有されるようになった
 第2に、主な収入源である広告主に逆らうことは困難だということ。手間ひまかけて内容のある報道をするよりも、当たり障りのない記事を書き、番組をつくって広告を取った方が「コスト・パフォーマンス」が良いと考えるマスコミ経営者は少なくない。2008年11月にはトヨタ自動車の相談役だった奥田碩は首相官邸で開かれた「厚生労働行政の在り方に関する懇談会」で、「正直言ってマスコミに報復してやろうか。スポンサーでも降りてやろうか」と発言している。
 第3に、メディアは支配層とのトラブルを避けるためにも情報源を政府や大企業、あるいはそうした支配層からお墨付きを得た「専門家」たちに頼っていることがある。東電福島第一原発の炉心溶融事故やイラク戦争で嘘を言っていたことが判明している「専門家」が今でもマスコミで重用されていることを見ても、マスコミが事実に興味がないことは明白だ。
 第4に、支配層からの圧力や脅しへの恐怖がある。特に日本のマスコミ関係者はそうした圧力や脅しに弱い。
 第5に、「反コミュニズム」というイデオロギー。大企業のカネ儲けシステムにとって障害になりそうな人物、団体、システムは「コミュニズム」のレッテルをはって攻撃してきた。ウクライナの問題では「反ロシア」、あるいは「嫌露」の感情が事実を封印している。事実を直視して分析するのではなく、感情を正当化するために事実をねじ曲げている人も少なくない。
 
 もし、百田が本当に朝日新聞、毎日新聞、東京新聞を潰したいと考えているとするならば、彼は現状を把握できていないと言えるのだが、ほかの問題でも彼は事実を軽視しているので、自分が入り込んでいる妄想の世界に浸っているだけなのだろう。その妄想に合ったストーリーを語っている。フィクションの語り手としては優秀なのかもしれない。

安倍政権は報道への干渉をやめるべき

 25日の自民党若手議員「文化芸術懇話会」で、安保法案を批判するメディアを懲らしめるために、広告料収入をなくすべきだなどと議員たちが発言したことは、政権与党が言論統制に言及したもので、このままでは済まされません。当然今後の国会運営=安保法案審議にも大きく影響します。
 自民党執行部は、急遽責任者の木原稔青年局長を1年間の役員停止処分に、また問題発言をした大西英男、井上貴博、長尾敬の3議員を厳重注意処分にしました。そして28日のNHK討論会で野党から追及を受けると、谷垣幹事長は「大変軽率でご迷惑を掛けた。誠にけしからん事件だ」と野党に陳謝しました。
 
 それに対して安倍首相の方は、国会で民主党などから責任を追及されても、言を左右にして明確に謝罪はしませんでした。
 
 この言論統制発言は、翌日、朝日新聞、毎日新聞、東京新聞は1面トップで、読売新聞、産経新聞、日本経済新聞中面のトップや2番手記事として報じました。朝日と毎日、東京は社会面でも大きく取り上げ、地元沖縄からの抗議の声掲載ています
 また多くの地方紙も社説で批判しています 
 6月28日 各紙及び新聞・民放労連が批判の社説と抗議声明・・・・懇談会
(追記 28日付でさらに6紙が社説・声明で取り上げました)
 
 安倍政権になってから報道に対する干渉が異常に激しくなりました。
 先の選挙のときもTV局などに対して事実上の報道規制を行い、それを国会で追及されると安倍首相は「その程度のことでメディアが萎縮する筈はない」などと抜けぬけと答弁していました。
 今度の件は明らかに報道の自由への干渉を意図したものであり、「その場に居合わせたわけではない。あくまでも当人たちの問題で、私が当人たちに代わって陳謝するわけにはいかない」(安倍首相)というようなことで済まされる問題ではありません。
 
 山形新聞が1面に「言論封殺の暴挙許すなする緊急声明を掲載したことを、日刊スポーツが報じました。
 日刊ゲンダイは、「木原氏更迭では済まない 安倍政権は『勉強会発言』が命取りに」とする記事を出しました。 (註 木原氏=自民党青年局長
 
 もともと安倍氏は小泉政権時代のときにもNHKの番組に対して直接的な干渉を行っていて、それを全く恥じないところがありました。
 今度こそ安倍政権はこれまでのメディアに対する干渉を改めるべきです。
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山形新聞が1面で「言論封殺許すな」と緊急声明
日刊スポーツ 2015年6月28日
 山形新聞は28日付朝刊1面に、安全保障関連法案をめぐり自民党勉強会で沖縄県の地方紙2紙の報道に圧力をかける議論があったことを受け、「言論封殺の暴挙許すな」との見出しで寒河江浩二主筆・社長名の緊急声明を掲載した。
 
 声明は、勉強会で政権に批判的なマスコミには広告料収入の締め付けが必要などとの意見が交わされたことを「誠に遺憾で、残念なこと」とした上で、沖縄2紙だけでなく、民主主義の根幹である言論・報道の自由、新聞の独立にかかわる問題と指摘。「(山形)県民にその是非を問いたい」と訴えた。
 また、報道の自由のために新聞が倫理綱領を制定して自己規制していることを強調し、「自分の意見にくみしないからつぶしてしまえ、収入を絶ってしまえ、というのではあまりにも暴論過ぎはしまいか」と批判した。(共同)
 
 
木原氏更迭では済まない 安倍政権は「勉強会発言」が命取りに 
日刊ゲンダイ 2015年6月28日 
 自民党の若手議員が25日に開いた勉強会で、「マスコミを懲らしめるには広告収入をなくせばいい」などの暴論が相次いだことが、安倍政権の大ダメージになりそうだ。安倍首相は26日の国会で「事実であれば大変遺憾」と答弁、佐藤勉国対委員長は会を主宰した党青年局長の木原稔衆院議員(熊本1区、当選3回)を呼び、「大変なことをしてくれたな」と怒鳴りつけた。自民党は木原青年局長の更迭し、1年間の職務停止の処分に。問題の発言を行ったのは大西英男(東京16区)、井上貴博(福岡1区)、長尾敬(比例近畿ブロック)の各衆院議員(いずれも当選2回)だとして、3人を厳重注意とするなど火消し躍起なのだが、これで一件落着になると思ったら大間違いだ。
 
  問題の会合に出席していたのは加藤勝信官房副長官(岡山5区・当選5回)をはじめ、約40人。「マスコミを懲らしめるには……」以外にも「不買運動を働きかけてほしい」などの暴言が相次いだ。会合に呼ばれた作家の百田尚樹氏は「沖縄の2つの新聞社は絶対に潰さなあかん」「もともと普天間基地は田んぼの中にあった。そこに商売あると住みだした。そこを選んで住んだのは誰やねん。沖縄は本当に被害者やったのか。そうじゃない」などと語った。
「マスコミを懲らしめるには……」と発言した大西英男衆院議員は、過去に維新の会の上西小百合議員に対するセクハラやじで陳謝した“フダツキ”だ。
 
  とんでもない会合があったものだが、これは幼稚な若手議員の暴走ではない。この会は安倍応援団の会合で、官房副長官や安倍側近の萩生田光一筆頭副幹事長(東京24区・当選4回)が出席していた。実質的に会を仕切ったのは萩生田氏とされている。
 
 「そこでこういう発言が出たということは、安倍首相の考え方を代弁するんだ、総理の代わりに我々が言おう、そうすれば、首相の覚えもめでたくなる。こんなムードがあったのは間違いないと思います」(ジャーナリストの横田一氏)
 
■言論弾圧政党の正体暴露
  実際、安倍自民党と官邸はメディアコントロールと言論機関への“圧力”に血道を上げている。「報道ステーション」で古賀茂明氏が官邸からの圧力を暴露し、菅官房長官は否定していたが、やっぱり圧力はあったわけで、だから、若手からこういう発言が出る。
「安倍首相自らがジャーナリストとの会合で、アベノミクスを批判した藻谷浩介氏を酷評、“アイツだけは許さない”と言っているわけですからね。この政権が最大限に力を入れているのがメディア対策と断じてもいいくらいです。自民党の外交・経済連携本部国際情報検討委員会は昨年出した報告書で“報道の自由”を“制約”と表現し、そういう“制約”のない国際放送の設立をうたった。安倍応援団のメディアの記事を翻訳発信することにも取り組んでいる。気に入らないメディアは排除し、世の中、安倍シンパメディアだけにしたいのでしょう」(横田一氏)
 
  言論の自由を否定するような安倍・自民党で、若手の暴論が飛び出すのは必然というわけだ。ついでに言うと、百田氏の発言の裏にはこれまた安倍首相のお友達、桜井よしこ氏が昨年11月に沖縄で行った講演会が見え隠れする。
 
 「日本を取り巻く状況というのを、地元の琉球新報も沖縄タイムスもほとんど報道しない。新聞と言わないのです。琉球新報も沖縄タイムスも翁長さんを応援している。翁長さんを応援しているのは誰ですか。共産党じゃないですか」
 桜井氏はこう言って、地元紙を批判した。こうしたお友達に支えられている政権が秘密保護法を通し、戦争法案をゴリ押ししたらどうなるのか。さすがに国民も「ヤバイ」と気づくはずで、案の定、自民党には抗議が殺到しているという。今後は内閣支持率がさらに下がるのは必至で、要するに追い詰められている政権がまた墓穴を掘った。この政権のいかがわしさは口先でごまかし切れるものではない。

2015年6月28日日曜日

「戦争したくなくてふるえる」 19歳女性が呼びかけたデモに700人

 札幌市で生活している女性が9日前にフェイスブックで呼びかけたデモは、戦争したくなくてふるえるデモと名づけられ、3000人以上から「いいね!」の反応がありました。
 26日、札幌で行われたデモには学生、勤め人、セーラー服の高校生、親子連れ、年配の夫婦など700人が参加しました。
 
 下記のURLをクリックすると動画が見られます。
 はじめに数秒コマーシャルが流れることがあります。
 その後画面右下に「広告をスキップ」の表示が出たらそれをクリックすれば動画が始まります。
 動画の画面下に文字広告が出る場合は、広告枠の右上にある「×」マークをクリックすれば消えます(「×」マークは小さく表示されます)。
 
 「戦争したくなくてふるえるデモ行進 動画 
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「戦争が怖い」 19歳女性が呼びかけたデモに700人
朝日新聞 2015年6月26日
 茶髪にラメが輝くまぶた、たっぷりのつけまつげ。19歳の高塚愛鳥(まお)さんが26日夜、札幌市の繁華街・すすきののネオンを背にマイクを握った。「デモなんかうるさいだけだと思っていた私がここに立っているのは、戦争が怖いからです」
 
 大学を半年で中退。留学したり飲食店のアルバイトをしたりしている。安保関連法案反対のデモを思い立ったのは9日前。戦争の当事者になるのは若い自分たちなのに、人任せでいいのか――。「法案について知ってる若者ってどれくらいいるんだろ」。SNS「インスタグラム」に書き込んだ。「アクションしなきゃ」。友人の反応に勇気づけられた。
 
 翌日、警察にデモを申請。その夜、バイト仲間が友達を10人集めてくれた。デモの名は「戦争したくなくてふるえる」。人気歌手西野カナさんの歌詞「会いたくて震える」にかけた。フェイスブックで参加を呼びかけると「いいね!」が3千を超えた。
 
 当日の参加者は約700人(主催者発表)。若者とともに親子連れも高齢の夫婦も練り歩いた。(伊木緑)

百田氏の沖縄関連発言はすべてウソ

 自民党の若手議員が立ち上げた「文化芸術懇話会」の25日の初会合で、講師に招かれた百田尚樹氏「沖縄の二はつぶさないといけない」などと述べたことが大問題になっていますが、彼はほかにも「普天間飛行場元は田んぼだった沖縄の基地地主年収何千万円」、「沖縄の性的暴行の件数は米兵よりも地元民によるものの方が多い」などと、沖縄を貶める発言を繰り返しました。
 
 琉球新報はその一つひとつが完全に偽りであることを明らかにしています。
 百田氏は何んとも無責任で罪深い人間というしかありません。
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普天間飛行場:米軍が住民排除戦前は村役場も
琉球新報 2015年6月27日
 【宜野湾】宜野湾市内13区にまたがる米軍普天間飛行場は沖縄戦で1945年4月に本島に上陸した米軍が住民を強制排除し、占拠した。同月下旬に本土決戦に備え、滑走路建設が始められた。
 
 現在の飛行場施設内には宜野湾村役場(当時)や住居、畑、馬場、国の天然記念物に戦前指定されていた「宜野湾並松」などがあり、住民の生活風景が米軍によって奪われた。
  米軍は土地接収後、居住していた住民を野嵩収容所などに送り、立ち入りを禁止した。宜野湾市史によると、住民は46年9月に出された宜野湾村嘉数への帰村許可を皮切りに、沖縄戦前に居住していた地域に帰ることが許された。だが、現在の飛行場区域内で暮らしていた人々は帰ることが許されず、周辺への居住を余儀なくされた。神山、中原、新城、宜野湾などの地域ではいまでも多くの土地が接収されたままだ。
 
  また百田尚樹氏が取り上げた普天間飛行場の騒音訴訟で、那覇地裁沖縄支部は(1)騒音の特質から騒音実態を把握することは容易でない(2)地元回帰意識の強さや地理や交通、住宅事情を考慮するとやむなく住み始めた人が相当数いる(3)騒音はいずれ解消されると合理的な見通しで住み始めた人が相当数いる-との判決を下している。
 基地周辺に「選んで住んだ」との指摘は当てはまらない
 
 
軍用地料:200万円未満が大半
琉球新報 2015年6月27日 
 百田尚樹氏は「基地の地主たちは年収何千万円だ。だから地主が六本木ヒルズに住んでる。大金持ちだから、彼らは基地なんて出て行ってほしくない。もし基地移転ということになったら、えらいことになる」とも述べた。
 だが県基地対策課のまとめ(2013年)によると、県内の軍用地主のうち、軍用地料の受取額は100万円未満が54・2%、100万円以上200万円未満が20・8%を占める。大部分が200万円未満で「年収何千万円」と懸け離れている。
  県軍用地等地主会連合会(土地連)の真喜志康明会長は26日、「大きな額をもらっているのはほんの一部。事実とは少し異なる」と述べ、発言は事実誤認だとの認識を示した。
 
  一方、これまで実施されてきた米軍用地の跡地利用は、むしろ県経済を引っ張る発展モデルとして成功を収めてきた。
  県企画部は地代収入や軍雇用者所得、基地交付金など返還前に得ていた経済取引額と、商業店舗や製造業の売上高、不動産賃貸額といった返還後の経済取引額とを比較した「直接経済効果」をまとめている。それによると返還前にハンビー飛行場だった北谷町桑江・北前地区で108倍。那覇市小禄金城地区で14倍、那覇新都心地区で32倍とそれぞれ経済活動が大幅に上がっている。
 
 
性的暴行件数:単純比較できずに疑問
琉球新報 2015年6月27日
 百田尚樹氏は性的暴行の発生率について、在沖米兵に比べて県民の方がはるかに高いとの発言をした。2012年、13年、14年に米軍人・軍属が性的暴行で県警に摘発された件数は1件、0件、1件だった。12年に摘発された日本人は16件に上るなど件数だけで比較すれば、米兵が特別に凶悪との印象は受けない。
 だが公務員であり日米地位協定で守られている米兵と、一般県民を同列に比較することを疑問視する声がある。米兵による性犯罪に詳しい宮城晴美氏は「性的暴行の起訴率も十数%という米兵と日本人とは罰せられ方が違う」と話す。
  性的暴行の発生件数と認知件数には大きな開きがあるとの指摘もある。捜査関係者は「性犯罪は通報されない事案も多く、認知件数は氷山の一角だ。殺人のように発覚しやすい犯罪の発生率が低いというならともかく、性犯罪の発生率が低いから良いという話にはならない」と語る。
  基地内で発生した性犯罪は「基本的には見えない」(同捜査関係者)との声もある。
  実際、県警の犯罪統計に基地内で発生した性的暴行は含まれていない。10年10月~11年9月の1年間に在沖海兵隊基地内で発生した性的暴行事件は67件だったと米海軍省と海兵隊本部が発表している。
  宮城氏は在沖米兵の性的暴行の発生率は不明としながら「そもそも単純に比較するものではなく、戦後70年間、米兵が女性に好き放題してきた歴史を考えなければいけない」と強調した。