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2020年1月18日土曜日

地震切迫度 31の活断層で“阪神淡路大震災直前と同じか それ以上”

 日本の31の活断層で阪神・淡路大震災の直前とおなじ切迫度を示しているということです。25年前の阪神・淡路大震災は、「30年以内の大地震発生確率が0.02%~8%」の範囲と見られていた時点で発生しました。現在そのレベルにある活断層が31あるということです。
 地震調査委員会が全国114の主要活断層の大地震切迫度を「S」や「A」などの4つのランクに分けました。NHKのニュースを紹介します。

 それとは別に週刊ポストは、測量学の世界的権威で「MEGA地震予測」(概要は記事中に説明)を主宰する村井俊治・東大名誉教授による、現在の日本列島の地表の動きには「東日本大震災の直前と同じ兆候が出ている」とする所見を報じました。
 6日付の「NEWSポストセブン」に、週刊ポストの記事「測量学の権威が警鐘『東日本大震災の直前と同じ兆候出現』」が掲載されましたので、併せて紹介します。
 ここではテキスト文(文言)のみを紹介しますので、関連地図などは記載のURLから原文にアクセスしてご覧ください。
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地震切迫度 31の活断層で“震災直前と同じか それ以上” 
NHK NEWS WEB 2020年1月17日
25年前の阪神・淡路大震災を教訓に国は全国で活断層の調査を進め、発生確率などのリスクを評価してきました。現在、地震が起きる切迫度が阪神・淡路大震災の直前と同じかそれを上回る活断層が31あり、改めて活断層地震への備えが重要になっています。
阪神・淡路大震災をもたらしたのは、兵庫県南部を震源とするマグニチュード7.3の大地震で、大阪府北西部から兵庫県の淡路島にかけて位置する活断層の一部がずれ動いたことが原因でした。

これを教訓に、国は地震調査研究推進本部を設置し、全国の活断層のうち、長さがおおむね20キロを超え、地震が起きた場合に社会的に大きな影響が出る114の活断層を重点的に調査、今後30年の地震の発生確率などリスクを評価してきました。

地震発生の切迫度は4つのランクに分けられ、確率が3%以上の活断層を、最も高い「Sランク」としていて、阪神・淡路大震災が起きる直前の発生確率は0.02%から8%で現在のSランクにあてはまります。

去年1月1日の時点で「Sランク」と評価されているのは、全国の31の活断層で、このうち「糸魚川ー静岡構造線断層帯」や「中央構造線断層帯」、「三浦半島断層群」など8つの活断層帯の一部では、発生確率が8%を超え、阪神・淡路大震災の発生前より切迫度が高まっています。

また、次いで危険度が高い「Aランク」の活断層は全国に35あり、平成28年に熊本地震を引き起こした「布田川断層帯」は、地震直前の評価は「Aランク」でした。

一方で、平成16年の新潟県中越地震や、平成20年の岩手・宮城内陸地震など、これまで知られていなかった活断層がずれ動いて地震が発生したケースも相次いでいます。

地震調査委員会の平田直委員長は「実際におきるリスクをよく理解できるような表現のしかたは今後とも検討していきたい。2、3年地震がないとか、ここ数日多いとか一喜一憂するのではなく、改めて生きている間に大きな地震があると考え備えてほしい」と話しています。

特に切迫度が高いSランクの活断層は 
活断層が引き起こす地震は、南海トラフや日本海溝などのプレート境界型の地震と異なり、発生間隔が数千年程度と長いため30年の発生確率が数字として大きな値になりません。

しかし阪神・淡路大震災をもたらした大地震が発生する直前の確率は0.02%から8%だったように、確率が小さくても警戒が必要です。

このため114の主要活断層は「S」や「A」などの4つのランクに分けられ、30年以内に地震が発生する切迫度が示されています。

地震の発生確率が3%以上ある活断層は最も高いSランクに分類され、去年1月1日の時点で全国に31あります。

このうち確率が阪神・淡路大震災が発生する直前の8%を超え、特に切迫度が高いとされているのは次の8つの活断層帯の一部区間です。
切迫度が高い順に、
▽長野県と山梨県にある「糸魚川ー静岡構造線断層帯」
▽静岡県にある「富士川河口断層帯」
▽熊本県の「日奈久断層帯」
▽長野県にある「境峠・神谷断層帯」
▽近畿から四国北部、九州北部にある「中央構造線断層帯」
▽岐阜県と長野県にある「阿寺断層帯」
▽神奈川県にある「三浦半島断層群」
▽広島県と山口県の沖合にある「安芸灘断層帯」
となっています。

主要活断層以外にもリスク 
この25年で114の主要活断層の調査や評価が進んだ一方で、評価の対象になっていなかった活断層による地震も相次ぎ、どのようにリスクを伝えるのかが課題になっています。

平成16年に発生したマグニチュード6.8の新潟県中越地震や、平成20年に発生したマグニチュード7.2の岩手・宮城内陸地震では、これまで確認されていなかった活断層が引き起こしたとされています。

また、おととし発生したマグニチュード6.7の北海道胆振東部地震も未知の活断層が引き起こしたという専門家の指摘があります。

このため地震調査研究推進本部では、主要活断層だけでなくマグニチュード6.8以上の地震を引き起こす活断層も加え、活断層ごとではなく地域ごとの地震のリスクを評価し、これまで九州と四国、中国地方、関東で公表しています。

今後30年にマグニチュード6.8以上の地震が発生する確率は、
▽関東全域で50%から60%
▽中国全域で50%
▽九州全域で30%から42%
▽四国全域で9%から15%
と推計されています。

地域ごとの評価では複数の活断層が含まれることから、必然的に確率は上がりますが、かえって範囲が広くなって警戒が弱まるデメリットもあり、住民にいかにリスクを伝え、備えてもらうのか課題となっています。


測量学の権威が警鐘 「東日本大震災の直前と同じ兆候出現」
NEWSポストセブン 2020.01.06 
※週刊ポスト2020年1月17・24日号
 2019年の年末は日本各地で地震が頻発した。12月19日、青森県東方沖を震源とする最大震度5弱の地震が発生。同3日から5日にかけては、関東北部(茨城県、栃木県)を震源とする震度3以上の地震が6回起き、そのうち3回で最大震度4を観測した。
 測量学の世界的権威で「MEGA地震予測」を主宰する村井俊治・東大名誉教授は、現在の日本列島の地表の動きには「東日本大震災の直前と同じ兆候が出ている」という。
「11月中旬、東日本大震災の約2か月前と同じ兆候が現われました。震災以降初めての出来事で、2020年は東日本大震災と同規模の地震が起こる可能性があると危惧しています」
 村井氏が指摘するのは、伊豆諸島にある電子基準点「青ヶ島」の上下動だ。
「11月10日から16日までの1週間で『81cm』の高低変動が見られました。これは、東日本大震災前年の2010年12月26日~31日の1週間に同じ青ヶ島の基準点で観測された『76cm』を大きく超える異常変動です。
 青ヶ島と宮城県沖は600km以上離れていますが、遠く離れた基準点での異常変動が、大地震の引き金となるケースは珍しくありません。さらに、秋田県の電子基準点『鹿角2』や『鳥海』でも7cm以上の異常変動が現われています」
 この「異常変動」とは、全国1300か所に設置された国土地理院の電子基準点のGPSデータをベースに、1週間ごとの基準点の上下動を調べたデータだ。それに加え、地表の長期的な「隆起・沈降」、地表が東西南北のどの方向に動いたかの「水平方向の動き」の3つの指標を総合的に分析し、地震発生との関連性を予測するのが「MEGA地震予測」である。

村井氏が「2020年に最も警戒すべき5つの地域」を危険度順に分析
【1】東北地方警戒ゾーン
 青ヶ島「81cm」の異常変動の他にも、東北地方には注意すべき兆候が出た。水平方向の動きを見ても、大地震発生前の兆候が現われているという。
「東日本大震災以降、日本列島の大半の地域は南東方向に動いています。しかし、それとは真逆の北西方向への動きが、北海道の根室・釧路地方、千葉県の房総半島南端などの一部地域で大きくなっている。
 地表の動きが逆転する境目にあたる青森県、岩手県北部や福島県、茨城県、栃木県に歪みが溜まり、年末にかけて地震が頻発したと考えられる。エネルギーはまだ放出されきっていないと見るべきでしょう」
 東日本大震災以降、太平洋側は隆起し、日本海側は沈降する傾向があったが、昨年末に秋田県、山形県での沈降傾向が強まっている点にも注意を要するという。
「隆起と沈降の境目となっている奥羽山脈に歪みが溜まっています。東北地方は震度5クラスの地震の常襲地帯ですが、隆起・沈降、水平方向、上下動のすべてを鑑みると、今年は新たな大地震の危険度が高いと言わざるを得ません」

◆“危険水域”を超えた
【2】首都圏・東海警戒ゾーン
 村井氏は首都圏にも警戒を促した。伊豆諸島や伊豆半島に異常変動が集中しているからだ。
「10月以降、伊豆諸島と小笠原諸島は異常な変動を繰り返し、不安定な状態です。特に隆起・沈降では、隆起傾向の三宅島と沈降傾向の神津島は約30km程度と近距離ですが、年末の両島の高低差は6cmを超えており、“危険水域”と言えます」

【3】九州南部・南西諸島警戒ゾーン
 九州南部も鹿児島県の電子基準点「垂水」の8.3cmを中心に異常変動が集中している。
「年末は鹿児島県の大隅半島と宮崎県南部で、地震発生前に見られることが多い大きな沈降が見られた。九州南部ではこの1年間、水平方向の動きでも大きな変動があった。2016年の熊本地震の余震ではなく、新たな地震が発生する可能性があります」

【4】北陸・信越警戒ゾーン
 長野県の「白馬」で9.5cm、福井県の「大野」で7cmの異常変動があった。
「長期的な隆起・沈降では、年末に福井県の『和泉』や『福井池田』、石川県の『白峰』が大きく沈降しており、ここも注意が必要です」

【5】北海道東部警戒ゾーン
 12月18日には、最大震度3の根室半島南東沖地震が起きているが、さらに警戒を強めるべきだという。
「『根室4』が沈降する一方、『阿寒2』は隆起しています。その差は1年前から10cmを超えており、依然として“危険水域”のままです。その境目に歪みが溜まっており、引き続き要注意です」
 MEGA地震予測は、今後6か月にわたる警戒地域を示す予測だ。政府の地震調査委員会が発表する「30年以内に〇%」という“雲を掴むような確率”のレポートとは一線を画する。
「MEGA地震の予測方法はアップデートを続けていて、いずれ1か月以内の予測を可能にしたいと考えています」
 予測をもとに冷静に備えたい。

【MEGA地震予測 MAPの見方】
 地図中では、2019年6月1日から11月23日の間に、要警戒とされる「1週間で5cm以上の上下動」があった地点を示した。それに加え、地表の長期的な「隆起・沈降」と、地表が東西南北のどの方向に動いているかの「水平方向の動き」の分析を加味し、過去の地震発生の前兆現象と比較した上で「震度5以上の地震が発生する可能性があるエリア」を警戒ゾーンとしている。

●JESEAでは毎週水曜日にスマホ用アプリ「MEGA地震予測」(月額380円)で情報提供している。詳しくは http://www.jesea.co.jp

2019年10月29日火曜日

「八ツ場ダムが利根川を守ったというのは誤解」(西島和弁護士)

 今回、日刊ゲンダイが直撃インタビューした人は、八ツ場ダム住民訴訟やスーパー堤防差し止め訴訟など、治水問題の訴訟で活躍している西島和(いずみ)弁護士です。
 冒頭で八ツ場ダムの効能に関する話が出てきますが、治水の中心はダムではなく、河道の整備(堤防の構築や川底の掘削、拡幅)が基本であると冷静な口調で語っています。
 実際にこれまでダムからの緊急放流で堤防からの越水が起こり、越水によって堤防の裏側が削られて決壊につながった事故が多く見られています。
 また現行の堤防が盛土構造になっているのは、国交省の河川管理施設等構造令が土堤を原則にしているからで、基準をアーマー・レビー工法(鎧型堤防方式)に変更しなくてはならないとしています。
 
 西島弁護士は裁判で「安全度が低い堤防などの整備を後回しにして、ダム整備を優先するのは人命軽視だ」と主張しますが、裁判所は「ダムの効能はゼロではない」として退けるのだそうです。
 なるほど「ゼロではない」でしょうが、そうした苦し紛れの言い方をするのは、如実に政権への忖度を思わせるものです。西島氏は、住民の命を最優先で守る治水への方針転換を実現したいが、「その前に現政権が代わらないと無理だとつくづく思います」と語っています。
 
 併せて日刊ゲンダイの記事「森田千葉県知事に危機意識ゼロ 災害対策10年ホッタラカシ」を紹介します。
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注目の人 直撃インタビュー  
西島和氏「八ツ場ダムが利根川を守ったというのは誤解」
日刊ゲンダイ 2019/10/28
 大型台風が次々に日本列島を襲い、甚大な水害をもたらしている。一方、巨大ダムやスーパー堤防があったから被害を食い止められたという自民党政治礼賛の声がネットで飛び交っている。果たしてそれは事実なのか。河川公共事業の住民訴訟に取り組んできた専門家に話を聞いた。
◇  ◇  ◇
 ――台風19号は記録的な大雨を降らせましたが、八ツ場ダムがギリギリまで貯水した画像がネットで拡散され、おかげで利根川の氾濫を防げたという意見もあります。これは事実なのでしょうか。
 誤解です。八ツ場ダムがなくても、利根川の河道で流せる程度の降雨量でした。治水というと、ダムを連想する人が多いと思いますが、基本は堤防や河道掘削などの河道整備です。雨がどこにどれだけ降っても、一定量を流せる河道整備が進められてきたことにより、利根川では氾濫が起きませんでした。これに対し、ダムの効果は不確実で、限定的です。降雨が「想定した場所」「想定した規模・降り方」で発生し、かつ、放流のタイミングを誤らないという場合に河川への流入量を減らせるにすぎないのです。
 
 ――八ツ場ダムが本格稼働していなかったことも背景にありましたね。
 今回ラッキーだったのは、八ツ場ダムが試験湛水中だったため貯水量が少なく、本来より多くの水を貯めることができたことです。
 
 ――もし八ツ場ダムが本格稼働していて今回のような雨量になったらどうなっていたのでしょうか。
 危なかったと思います。ダムは無限に水を貯めることができるわけではありません。ダムが貯められる以上の降水が発生した場合、ダムはダム自体の決壊を防ぐために緊急放流を行うことがあります。それで失敗したのが昨年の西日本豪雨で大規模な浸水被害を引き起こした愛媛県の鹿野川ダムです。緊急放流をしたため肱川が氾濫し死者を出しました。今回もいくつか緊急放流をしたり、準備をしていたダムがあります。ダムの限界には注意する必要があります。
 
 ――八ツ場ダムの住民訴訟の弁護団に加わっていましたが、どのようなきっかけでしょうか。
 八ツ場ダムは治水と利水という相反する目的をもつ多目的ダムです。東京都は約500億円の利水負担金で新たな水源を得ようとしていました。しかし東京は人口は増えていますが、水需要は頭打ちで減少傾向ですから、負担金支出は違法だという訴訟を住民が起こしたのです。弁護団に加わるきっかけは「岸辺のアルバム」で知られる多摩川水害訴訟を手がけた高橋利明弁護士のお話を聞いて、ダムのイメージが変わりショックを受けたことです。
 
 ――訴訟は敗訴しました。
 裁判所は八ツ場ダムが治水で役に立つ可能性が皆無ではないなどと判断しました。
 
 ――秋田県・雄物川の成瀬ダム訴訟もされていましたね。
 緑にかこまれた美しい沢もある自然豊かな場所に造る計画で、農家の方などが子や孫に自然を残したいと起こされた訴訟です。成瀬ダムは最上流にあり、流域面積の1%の集水面積しかなく、治水効果がきわめて限定的です。堤防整備が相当遅れている状況で利水負担金約200億円を支出してダムを造ってもらうメリットは秋田県にはありません。しかし、裁判所は、治水に役に立つ可能性はゼロではないし、利水負担金は支出しない民意が明らかではないから公金支出は違法ではないとしました。
 
「ダム優先」「人命軽視」の国策で堤防整備は後回し
 
 ――「可能性はゼロではない」と繰り返す裁判所の理屈は暴論ですね。
 盛り土をともなう再開発で立ち退きが必要になりますから、計画が進まないのです。北小岩では強引に進めて「まちこわし」になりました。
 
 ――ところで国交省の堤防は土を盛ることしかしないのですか。
 今回の長野県・千曲川も洪水が土の堤防を越水し破壊したことによる決壊だといわれています。堤防を越えると水が反対側に落ちて、滝つぼができるように土の堤防を削って決壊させるのです。ですので、国交省がかつて研究してきたアーマー・レビー工法のような堤防強化が必要なのですが、今の国交省は河川管理施設等構造令の土堤原則だからと土を積むだけです。
 
 ――堤防に矢板(鋼板)を入れるのもダメですか。
 矢板やセメントなど異物を入れてはいけないそうです。土堤原則には例外もあり、場所によっては堤防強化されている例もあるのですが、決壊を防ぐには原則と例外を逆にすべきです。理解に苦しみます。
 
■国土強靭化は“やってる感”のスローガン
 
 ――安倍政権は国土強靱化を掲げていますが、水害対策は強靱化されましたか。
 国土強靱化は“やっている感”を出すためだけのスローガンです。公共事業批判を封じ込めたいのでしょうが、事業の中身は問わず規模を大きくするだけでは問題は解決しません。“忖度道路”(安倍・麻生道路と呼ばれる下関北九州道路)など民主党政権時代にできなかったような事業も復活させる一方で、堤防決壊を回避するための本当に必要な対策は後回しにされています。
 
 ――河川水害はどうしたら防げるのでしょう。
 水害を100%防ぐことはできませんが、氾濫しても人命が失われることのないよう、越水しても決壊しない堤防を整備していくことです。日本全国の堤防は土を盛っただけの“土まんじゅう”で、安全度も低いところが多いんです。2015年の豪雨で利根川水系の鬼怒川が決壊し、死者が出ました。10年に一度くらいの規模の雨でしたが、堤防を強化して氾濫だけで済んでいれば、あれほど深刻な被害にならなかった可能性があります。数時間の越水に耐えられる堤防を造って、少なくとも短時間に大量の水があふれないようにすることです。
 
 ――今後はどのような活動をされていきますか。
 安全度が低い堤防などの整備を後回しにして、ダム整備を優先するのは人命軽視だと成瀬ダム訴訟でも主張してきました。広範囲で大規模な災害が起こる気候危機の一方で、災害対策の予算・人手は限られており、整備の順番はとても大事なんです。国交省にいる志のある人などを後押しして、住民の命を最優先で守る治水への方針転換を実現したいと思います。ただその前に現政権が代わらないと無理だとつくづく思います。
(聞き手=平井康嗣/日刊ゲンダイ)
 
 ▽にしじま・いずみ 
1969年、長崎県生まれ。東京外国語大学卒。2006年から弁護士。八ツ場ダム住民訴訟、スーパー堤防差し止め訴訟など治水問題や福島原発事故の避難者訴訟の弁護団に加わってきた。 
 
 
森田千葉県知事に危機意識ゼロ 災害対策10年ホッタラカシ
日刊ゲンダイ 2019/10/28
 台風15号、19号、21号と立て続けに記録的な豪雨に見舞われた千葉県。複数の河川が氾濫し、浸水や土砂崩れなどによる死者が続出する中、県民の間からは森田県知事の危機管理能力を問う声が相次いでいる。
 
「土地の脆弱さを目の当たりにした。国には根本的な対策を考えてもらいたいし、県も全力で頑張りたい」
 26日、長南町や茂原市などをヘリコプターで視察した後、国に対応を迫る考えを示していた森田県知事。だが、この発言に対し、県民は「おまえは傍観者か」「人任せにするな」とカンカンだ。そりゃあそうだろう。先週末に千葉を直撃した台風21号による大雨は、早い段階で予測されていた。それまでの台風被害の状況を考えれば、一刻も早く県が司令塔になり、森田県知事が先頭に立って避難や警戒を呼び掛けるべきだったのは言うまでもない。ところが、森田県知事は県庁を表敬訪問した山下泰裕JOC会長と東京五輪の成功を祈ってガッチリと握手。「千葉県らしい心のこもったおもてなし」なんてニヤついていたのだ。
 
 大体、森田県知事は「土地の脆弱さ」に今頃気付いたかのような口ぶりだったが、2009年から10年間も知事のイスに座りながら、今まで何をやっていたのか。災害対策の必要性についても議会では以前から指摘されていたこと。今年6月の県議会定例会でも、立憲民主の矢崎堅太郎議員がこう質問しているのだ。
 
〈大雨や台風に備えた水害・土砂災害対策が求められています。(略)千葉県に目を向けてみると、(略)梅雨や台風など、これから出水期を迎えるに当たり、万が一に備えて地域住民の生命や身体を守るために、県や市町村が中心となって減災に向けた対策を実施していかなければならないと考えます。土砂災害時の住民避難に関し、県ではどのように取り組んでいるのか〉
 
■さらば知事のイスと言おう
 まさに議員が懸念していた事態が今回、起きたワケだが、アングリするのは森田県知事の答弁だ。
 
〈平常時から消防団、自主防災組織などと情報を共有するとともに、個々の要支援者ごとに支援を行う者や避難経路などを定めた個別計画を作成しておくことが重要。(略)個別計画については、作成方法を盛り込んだ手引を市町村に示し、ヒアリングを通じて早期の作成を促すとともに、地域防災力向上総合支援補助金の活用についても照会しているところ〉
 
 県の主体的かつ、具体的な取り組みを問われているのに、「市町村に作成を促す」「照会している」というのだから、当事者意識も危機意識もゼロと明かしたに等しい。要するに県も森田県知事も災害対策を本気で考えていなかったのではないか。
 振り返れば「自民党支部長」の肩書がありながら、「完全無所属」と有権者をだまして知事のイスを分捕った森田県知事。千葉県民もそろそろ、この男の「無能」に気付くべきだ。

2018年7月19日木曜日

安倍政権の被災地支援は中身が空っぽ

 安倍政権は13日、被災した10府県58市町に普通交付税の一部約350億円を繰り上げ交付すると決定し、「各被災自治体におかれては、財政的に躊躇することなく、全力で応急対応や復旧対応にあたっていただきたいと思います」とさも“重大決定”であるかのように語りました。そして大手メディアは「東日本大震災などを除くと平成以降最大の額」と仰々しく報じました。
 しかし純粋に政府の身銭を切ったのは予備費から出す約20億円だけで、それ以外はもともと支給する予定の現金を2カ月早めて渡すだけなのでした。日刊ゲンダイは、「躊躇することなく」使えるわけがないと書いています。
 
「まるこ姫の独り言」は、「政府は、ボランティアとか子供食堂とか個人の善意に頼ってばかりじゃなく予算を付けよ。どうして国がどんどん支援して行かないのだろう」と述べています。
 併せて紹介します(太字強調は原文に拠ります)。
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矢継ぎ早発表もポーズ 安倍政権の被災地支援は中身空っぽ
日刊ゲンダイ 2018年7月18日
 西日本豪雨への対応が完全に後手に回り、挽回に必死の安倍政権。ここへきて「支援策」を矢継ぎ早に打ち出したが、ごまかされてはいけない。安倍首相が純粋に政府の身銭を切ったのは、今年度予算の予備費から出す約20億円だけ。よーく見ると、交付税の前倒し支給や災害関連融資の5年間無利子化など、ケチな支援ばかりだ。それを「安倍の英断」のように垂れ流すメディアもどうかしている。
 
  安倍政権は13日の閣議で、被災した10府県58市町に9月分の普通交付税の一部、346億5100万円を繰り上げ交付すると決定した。17日支給される。閣議に先立ち、非常災害対策本部会議で安倍首相は「総額約350億円の普通交付税の繰り上げ交付を本日決定致します。各被災自治体におかれては、財政的に躊躇することなく、全力で応急対応や復旧対応にあたっていただきたいと思います」と、覚悟を決めた“重大決定”のように語った。
 
 すると、大メディアは「東日本大震災などを除くと平成以降最大の額」と仰々しく報じたのだが、ちょっと待ってほしい。総務省財政課はこう言った。
 「災害初期の段階で現金が必要です。借金をしないで済むように、すでに決まっていた9月分を前倒しで配るだけです。もちろん9月の支給はその分減額されます」
  何のことはない。もともと支給する予定の現金を2カ月早めて渡すだけなのである。そんなので「躊躇することなく」使えるわけがない。
 
  13億6500万円繰り上げ交付される広島県呉市の山上文恵市議(社民)が憤る。
 「何が『躊躇することなく』ですか。国が普通交付税とは別に災害向けの新たな財源を増やしてくれるのならともかく、単なる支給の前倒しです。9月に支給される交付税は、すでに使い道が決まっています。今回、災害向けに支出すると、本来の使途に穴があくわけです。不安だらけですよ。安倍首相は、中身がない支援策なのに、格好をつけているだけです」
 
■大メディアは政府の“印象操作”に加担
  安倍首相は16日も、農家、中小事業者向け「支援策」を発表したが、こちらもショボイものばかり。農家向けに災害関連融資の5年間無利子化や、中小事業者の債務返済猶予など、利子や返済期限を少し緩めているに過ぎない。米国製の武器爆買いの“気前よさ”とはえらい違いである。
 
 「宴会問題で初動を批判された安倍政権ですが、その後も危機感を持って災害対応しているようには見えません。支援策を次々と発表していますが、中身が伴ったものではなく、お得意のポーズです。メディアは、発表された支援策をそのまま垂れ流し、安倍政権の印象操作に協力してしまっている。総額350億円の交付金支給前倒しが大したことないのは、被災自治体の受け止めを取材すればすぐにわかることです。メディアは、支援策が本当に被災者や被災自治体にとって役立ち、元気が出るものなのか、ひとつひとつ検証して報道すべきなのです」(法政大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)
 
  宴の後もポーズだけ。無批判に垂れ流すメディアの罪も重い。 
 
 

ボランティアとか子供食堂とか個人の善意に頼ってばかりじゃなく予算を付けよ どうして国がどんどん支援して行かないのだろう。

まるこ姫の独り言 2018年7月17日
もちろん、個人の善意は必要だしボランティアも必要だと思うが国は、災害復旧ボランティアや「子供食堂」の善意に頼りすぎなのではと思う今日この頃。
 
子供の貧困対策に国の予算を使う発想はなく、財界に寄付を募ったが、又この財界がケチの塊と来ていて、発足当初ほとんど寄付が集まらなかった。
欧米では、災害時など富裕層や企業がチャリティーを呼び掛けたり、自ら多額の寄付を行う。
それが社会的に恵まれた方の責務と思っているような節がある。

が、日本の場合は、富裕層がやたら強欲で冷酷だ。
自分達の利になる事には血道を上げても、底辺にいる人への視点が一切ないか、欠けている。
そういえば韓国ドラマを見ていても、富裕層のチャリティ意識が欧米と同じく強い感じを受けるが、日本の場合、恵まれた人にそんな動きを感じることは少ない。
本来なら国を担う子供に対して、寄付ではなく真っ先に予算を付けてもよさそうなものを、民間の善意に頼る安倍首相。
よほど、国民に予算を付けることが嫌いなようだ。
 
  (以下 4コマ マンガ ブロックされ掲示できないため割愛)
綺麗ごとばっかり言う前に、国が何とかするべきだろうに。
それには予算を付ける事じゃないのか。
 
海外でのバラマキを少し減らせば、すぐにも解決する話なのに。
外国には目が向いても、自国民への支援の発想が極端にないのが安倍首相や、その取り巻きたち。
河野外相の勘違い度に拍車がかかっている。
自分を雲の上の人のような気持になっているのかもしれない。
被災者そっちのけで、心無いツィートはするわ、批判した国民をブロックするわ。
 
今回の西日本豪雨の復興支援のボランティアさんには頭が下がるし、もちろんボランティアも絶対に不可欠な事だが、その前に自衛隊を大々的に投入とか、予算も20億と言わず、もっと付けて復興を進みやすくするべきじゃないのか。
この未曽有の炎天下の中、個人の善意に頼るのも限界がある。
 
東日本大震災と、今回の豪雨を比べるのもなんだが、東日本の自衛隊動員数は10万人で、一方の西日本豪雨は2万人。
怖い程の酷暑の中、やはり人海戦術で行かないとボランティアの人達の負担は増すばかりだ。
しかも復興予算が20億は、どれだけショボいのか。
アメリカに2000億貢ぎ、加計学園に440億支援、イバンカ基金に57億もの拠出。
いかにこの20億がけち臭いか分かろうというものだ。
 
国も個人の善意に頼り過ぎじゃないのか?
しかも、コンビニを買い上げて被災者やボランティアへ無償配布をしたらいいのでは?とツィートした人に、安倍信者たちはボランティアは勝手に来ているのだから、無償で配る必要はないと誹謗中傷・罵詈雑言。
安倍首相に似て、人に対しての思いやりのかけらもない。
トンだ国だよ。この国は。