2013年4月30日火曜日

4月28日が「沖縄切り捨ての日」とされる理由

 
 28日、安倍政権は沖縄県民や民主勢力の強い反対を押し切って「主権回復を記念する式典」を開催しましたが、その日沖縄では「4・28政府式典に抗議する『屈辱の日』大会」が宜野湾海浜公園で開かれ、1万人を超える参加者(主催者発表、同実行委主催)が怒りの拳を上げました。
 
 そして29日の地方紙各紙には次のような見出しが並びました。
 4・28式典 1万人抗議 「沖縄 捨て石のまま」沖縄タイムス)、沖縄切り捨て再び 1万人が式典抗議琉球新報)、沖縄 いまだ主権ない 「屈辱の日」 1万人集会東京新聞)、福岡でも 「主権回復の日」 反対集会 元読谷村議も参加西日本新聞)、主権回復の日 亀裂と疑問残した式典北海道新聞)・・・以下略

 29日付けの植草一秀氏のブログに、この「4.28問題」について「ポツダム宣言」と「サンフランシスコ講和条約」の条文に基づいて非常に分かりやすく解説した記事が載りました(関連する「日米安全保障条約」の位置づけも)。
 同氏のブログは有料のために最初の部分しか公開されませんが、公開されている部分だけでも基本的なところは大体理解できるようになっています。タイトルは「シンデレラの運命をたどってきた日本国憲法」となっていて、残念ながら公開された部分だけではその意味するところは分からないのですが・・・・(^○^)

 以下に同ブログを紹介します。一部太字化は事務局
~~~~~~~~~~~~~~~
シンデレラの運命をたどってきた日本国憲法
植草一秀の『知られざる真実』2013年4月29日
安倍政権が「主権回復の日」記念式典を実施した4月28日は、日本政府が沖縄を日本から切り離した「沖縄切り捨ての日」である。
同時に、この4月28日は「対米従属の日」であって「主権回復の日」ではない。
1952年4月28日、サンフランシスコ講和条約が発効した。このことをもって安倍政権は4月28日を「主権回復の日」としているが、これは表向きの説明でしかない。

4月28日に発効したもうひとつの重要な条約と協定がある。日米安保条約と日米行政協定である。この条約と協定により、日本は米国の従属国家となった。
被占領国家を抜けてたどり着いたのは米国の従属国の地位であったのだ。表向きは「主権回復の日」とされているが、実態は「対米従属の日」である。

自民党が昨年、憲法改正草案を提示したのは4月27日であった。憲法施行は1947年5月3日に施行された。だから、国民の祝日である「憲法記念日」は5月3日である。
これまでの憲法試案は5月3日に提示されていた。しかし、昨年提示された自由民主党の日本国憲法改正草案は4月27日に提示された。安倍晋三氏は5月3日を否定し、4月28日に日本の軸を定めたいと考えているのだと思われる。4月28日とは、「主権回復の日」ではなく「対米従属の日」なのだ。

敗戦によって日本は連合国軍=GHQに占領下に置かれた。そして、1952年に日本は独立を回復したとされる。この「独立」とは何か。
「独立」を考える上で基準になる規定がある。「ポツダム宣言」と「サンフランシスコ講和条約」である。領土主権については「カイロ宣言」がある。
「ポツダム宣言」第12条に以下の条文がある。

十二、前記諸目的カ達成セラレ且日本国国民ノ自由ニ表明セル意思ニ従ヒ平和的傾向ヲ有シ且責任アル政府カ樹立セラルルニ於テハ聯合国ノ占領軍ハ直ニ日本国ヨリ撤収セラルヘシ

そして、サンフランシスコ講和条約の第6条には以下の条文が置かれた。
第六条
(a)連合国のすべての占領軍は、この条約の効力発生の後なるべくすみやかに、且つ、いかなる場合にもその後九十日以内に、日本国から撤退しなければならない

これらの条文に従って解釈するならば、日本の「独立」とは、「日本から占領軍が撤退すること」である。しかし、米ソの冷戦が激化するなかで、米国は日本の「独立」を許さなかった。
そのために置かれたのがサンフランシスコ講和条約第6条の但し書きである。
第六条
(a)(本規定に続いて)但し、この規定は、一又は二以上の連合国を一方とし、日本国を他方として双方の間に締結された若しくは締結される二国間若しくは多数国間の協定に基く、又はその結果としての外国軍隊の日本国の領域における駐とん{前2文字強調}又は駐留を妨げるものではない

また、サンフランシスコ講和条約第三条には以下の規定が置かれた。
第三条
日本国は、北緯二十九度以南の南西諸島(琉球諸島及び大東諸島を含む。)孀婦岩の南の南方諸島(小笠原群島、西之島及び火山列島を含む。)並びに沖の鳥島及び南鳥島を合衆国を唯一の施政権者とする信託統治制度の下におくこととする国際連合に対する合衆国のいかなる提案にも同意する。このような提案が行われ且つ可決されるまで、合衆国は、領水を含むこれらの諸島の領域及び住民に対して、行政、立法及び司法上の権力の全部及び一部を行使する権利を有するものとする。

二つの点が重要である。
ひとつは、サンフランシスコ講和条約によって日本が主権を回復することと「引き換え」に、南西諸島および南方諸島が日本から切り離されたこと。沖縄を切り捨てることによって日本は主権を回復したのである。
そして、沖縄を米国に提供することを提案したのが昭和天皇であった。いわゆる「天皇メッセージ」によって、沖縄は日本から切り捨てられ、沖縄が米軍基地の島になった。

もうひとつのポイントは、サンフランシスコへ講和条約第六条によって、占領軍の日本からの撤退が示されたにもかかわらず、実際には米軍が日本に居座ったこと。米軍の日本駐留継続の根拠となったのが「日米安全保障条約」である。
この「日米安全保障条約」とともに、日本国土でありながら、日本の法令が適用されない「治外法権」を定めた「日米行政協定」が、1952年4月28日に発効した。
つまり、表向きは「主権回復」であるが、本当の核心は「米軍の駐留継続」、「沖縄の米国への提供」、「治外法権の容認」が発効したのが4月28日なのである。

すなわち、4月28日の本質は「主権回復」ではなく「対米従属」にある。
安倍晋三氏が4月28日を新たな日本の基準日と定めようとしているのは、現行の「日本国憲法」ではなく「対米従属」を日本の根本に置くことを意図したものであると考えられる。
(以下は有料のため非公開)
 
 

「春の平和キャンペーン」を行いました

 
 良く晴れ渡った29日、湯沢町の花まつりが開かれました。9条の会「湯の町湯沢平和の輪」も会場入口のメイン道路脇などで恒例の平和キャンペーンを行いました。内容は、グリーンリーフの配布、子供たちへの“風ぐるま”の手渡し、募金そしてシールアンケートなどでした。
 募金していただいた方にはお礼にいつものように手作りの平和グッズをお渡ししました。

 200本準備した風ぐるまと500枚準備したグリーンリーフは、最初の30分あまりで無くなりました。こんなに短時間の内に皆さんに受け取っていただいたのは初めてでした。

 因みにグリーンリーフはいつものようにB5判二つ折りの体裁で、表紙には「祝・花まつりゆざわ」の表題と平和への呼びかけの文を掲げ、その下には「“湯沢平和の輪”会員」と「“通信平和の輪”読者」へのお誘いを載せました。
 リーフの内側はB5判縦長の1ページ仕立て(横書き)になっていて、最上段には“憲法を変えて戦争に行こう” となっては大変です」の横断幕風のタイトルがつけられ、本文は次の「中見出し」を交互に左詰め、右詰めに振り分けるという構成にしました。
   (これらはすべてワープロ打込みを担当した会員の工夫によるものです)
・すでに憲法改正の外堀は埋められています (⇒ 国民投票法の制定)
・今、憲法改正の内堀も埋められようとしています (⇒ 憲法96条の改定)
・戦争放棄をうたった憲法9条の力
・戦争はしない、させない、子らのため
 そして最後のページには憲法前文の抜粋と憲法9条の条文を載せました。

 シールアンケートのテーマは、「憲法96条の憲法改正発議要件を、現行の『両院それぞれ3分の2以上の賛成で発議できる』から、新しく『両院それぞれ過半数の賛成で発議できる』に改定しようとしていることに対して、賛成か反対かを問うものでした。
 結果は、『改定することに反対』が70人弱、『改定することに賛成』は8人程度で、賛成は反対の約8分の1でした。また今回はメモによるコメントもお受けし、全部で10件以上のコメントをいただきました。「国民を守る憲法が簡単に変えられてはいけない」などとする真摯な内容でした。
 できればさらに多くの方々に参加していただきたかったのですが、その場合でも賛成・反対の比率は多分変わらないだろうと思います。

 町の皆様 ご協力いただきましてありがとうございました。
 
 

2013年4月29日月曜日

侵略に関する定義は国際的に明確

 
 米紙ニューヨークタイムズフォーリンポリシーなどにつづいてワシントン・ポストも26日の社説で、安倍首相が「侵略の定義は国際的に定まっていない」と発言したことについて「歴史を直視していない」、「日本が韓国や中国、マレー半島を侵略したのは疑いのない事実」、「安倍氏自己破壊的な歴史の修正主義に陥っている」、「戦前の帝国主義への郷愁に浸っている」などと批判しました。

 侵略の定義は既に国連決議3314(1974年)で明確にされています。
 もしも安倍首相がそれらを否定する学説?に与するというのであれば、まずはそれを明確にして国際的に認知され得るものなのか、国際世論に耐え得るものなのかを検証すべきでしょう。

 以下に侵略に関する定義」についての国連決議を紹介します。
~~~~~~~~~~~~~~~
侵略に関する定義 1974年:国連総会決議 3314

第一条(侵略の定義)
 侵略とは、国家による他の国家の主権、領土保全若しくは政治的独立に対する、又は国際連合の憲章と両立しないその他の方法による武力の行使であ って、この定義に述べられているものをいう。
第二条(武力の最初の使用)
 国家による国際連合憲章に違反する武力の最初の使用は、侵略行為の一応の証拠を構成する。ただし、安全保障理事会は、国際連合憲章に従い、侵略行為が行われたとの決定が他の関連状況(当該行為又はその結果が十分な重大性を有するものではないという事実を含む。)に照らして正当に評価されないとの結論を下すことができる。
第三条(侵略行為)
 次に掲げる行為は、いずれも宣戦布告の有無に関わりなく、二条の規定に従うことを条件として、侵略行為とされる。
(a) 一国の軍隊による他国の領域に対する侵略若しくは、攻撃、一時的なものであってもかかる侵入若しくは攻撃の結果もたらせられる軍事占領、又は武力の行使による他国の全部若しくは一部の併合
(b) 一国の軍隊による他国の領域に対する砲爆撃、又は国に一国による他国の領域に対する兵器の使用
(c) 一国の軍隊による他国の港又は沿岸の封鎖
(d) 一国の軍隊による他国の陸軍、海軍若しくは空軍又は船隊若しくは航空隊に関する攻撃
(e) 受入国との合意にもとづきその国の領域内にある軍隊の当該合意において定められている条件に反する使用、又は、当該合意の終了後のかかる領域内における当該軍隊の駐留の継続
(f) 他国の使用に供した領域を、当該他国が第三国に対する侵略行為を行うために使用することを許容する国家の行為
(g) 上記の諸行為い相当する重大性を有する武力行為を他国に対して実行する武装した集団、団体、不正規兵又は傭兵の国家による若しくは国家のための派遣、又はかかる行為に対する国家の実質的関与
第四条(前条以外の行為)
 前条に列挙された行為は網羅的なものではなく、安全保障理事会は、その他の行為が憲章の規定の下で侵略を構成すると決定することができる。
第五条(侵略の国際責任)
 政治的、経済的、軍事的又はその他のいかなる性質の事由も侵略を正当化するものではない。
 侵略戦争は、国際の平和に対する犯罪である。侵略は、国際責任を生じさせる。
 侵略の結果もたらせられるいかなる領域の取得又は特殊権益も合法的なものではなく、また合法的なものととし承認されてはならない。
第六条(憲章との関係)
 この定義中のいかなる規定も、特に武力の行使が合法的である場合に関する規定を含めて、憲章の範囲をいかなる意味においても拡大し、又は縮小するものと解してはならない。
第七条(自決権)
 この定義中のいかなる規定も、特に、第三条は、「国際連合憲章に従った諸国家間の友好関係と協力に関する国際法の諸原則についての宣言」に言及されている。その権 利を強制的に奪われている人民の、特に植民地体制、人種差別体制その他の形態の外国支配化の下にあ る人民の、憲章から導かれる自決、自由及び独立の権利を、また国際連合諸原則及び上記の宣言に従いその目的のために闘争し、支援を求め、かつ、これを受け入れるこれらの人民の権 利をいかなる意味においても害するものとするものではない。
第八条(想定の解釈)
 上記の諸規定は、その解釈及び適用上、相互に関連するものであり、各規定は、他の規定との関連において解されなければならない。
 
 

2013年4月28日日曜日

外国特派員が日本メディアの報道姿勢を批判

 
 27日、マスコミ労組会議主催のシンポジウム「外国特派員が見る今の日本」が開かれ、3人の外国特派員から問題提起の報告があり、日本メディアの“大本営発表”体質などが批判されました。
 現在の大手メディアは各官庁の広報担当が行うブリーフィング(報道機関に対して行う説明)を殆どそのまま報道します。その結果全社がほぼ同じ報道のし方になるので、戦時中になぞらえて「大本営発表」といわれています。

 日本には他国では見られない「記者クラブ」(大手メディアを中心に組織)と呼ばれる独特の制度があって、官庁内に控え室を持ちフリージャーナリストはできるだけ排除するなどの自己規制をして、役人に対して迎合的に対応してきました。
 また官僚も、官庁の意向に反する批判的な記事を掲載するメディアに対しては、ブリーフィング記者会見への出席を長期間禁止するなどして報道陣を制御してきました。
 これでは国の政策や官僚の特権構造などを批判する報道を期待するのはとても無理です。

 以下にしんぶん赤旗の記事を紹介します。
~~~~~~~~~~~~~~~~~
日本メディアの“大本営発表”に批判 米英韓の特派員
しんぶん赤旗 2013年4月28日
 日本マスコミ文化情報労組会議(MIC)は27日、東京都内でシンポジウム「外国特派員が見る今の日本」を開催し、市民やマスコミ関係者ら140人をこえる参加者で、会場は熱気にあふれました。

 3人の外国特派員は流ちょうな日本語で問題提起。安倍首相を「ラディカルな国家主義」と評したデイビット・マクニールさんはフリーでイギリスの『エコノミスト』誌などに執筆しています。日本での13年の取材を振り返りながら、「安倍さんや自民党はさほど変化していないと思う。以前と違うのは右に対するブレーキが日本社会で弱くなっていること。かなり危険」と指摘しました。

 昨年、『「本当のこと」を伝えない日本の新聞』を著したマーティン・ファクラーさん(ニューヨーク・タイムズ東京支局長)は「大本営発表みたいな日本の報道に3・11以降、国民は距離を感じているのでは」と指摘。

 韓国の京郷新聞の記者、徐義東(ソ・ウィドン)さんは、自国での米韓FTAの報道に比べ、「日本の大手マスコミがTPPに総じて賛成というのは理解に苦しむ」と発言。「日本のマスコミはアメリカが絡むと聖域になる」と述べました。

 3人は、日本の記者クラブの弊害や市民の役割などを縦横に語り、「日本の新聞記者はサラリーマンになる前に一人のジャーナリストになって」(ファクラーさん)などと語りました。
 
 

安倍首相の軽さ・無責任さ

 
 「侵略に関する定義は未定でどの観点から見るかによって異なる。いかなる脅しにも屈しない」と述べていた安倍首相は26日になって、こんどは「歴史認識が外交や政治問題化するのは望まない。歴史の専門家に任せるのが適当だ」と述べ呆気にとられる展開を見せました。そこにあるのは言葉の軽さと無責任さです。
 26日付の中央日報(韓国)は「韓国が日本を支配した後侵略でないと言えば…」と題する論説委員によるオピニヨン記事を載せました。含蓄のある挿話から始まり深く考えさせるものです。

 また朝鮮日報は27日付の社説「安倍首相の妄言を見過ごす段階は過ぎた」で、安倍首相が問題の収束を図ろうとしているのは、米国が首相の発言に憂慮する意向を伝え国内からも批判の声が相次いでいるためで、前後のつじつまが合わない発言で問題をあいまいなまま終わらせようとするのは、日本帝国により被害を受けた数億人のアジア各国国民をばかにしたものだと批判しました。
 
 以下に二つの記事を紹介します。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【噴水台】 韓国が日本を支配した後「侵略でない」と言えば…
ノ・ジェヒョン論説委員        
中央日報日本語版 2013年04月26日
 ある会社員がいた。出勤の途中、地下鉄駅の階段に毎日もの乞いをするホームレスが座っていた。1週間に1回ずつこのホームレスに紙幣を積善した。3年が過ぎたある日、ホームレスが頭を上げて会社員に話した。「先生、一昨年は1万ウォンをくださったのに、昨年は5000ウォン、そして今年は1000ウォンとは、どういうことですか」。会社員が答えた。「私はその間に結婚をして子どもまでいるので…」。ホームレスは怒った表情でこう返した。「いや、では私のお金で家族を養うということですか」。 

 一瞬、正しい言葉のように聞こえる。周期的に受けてきたので自分のものと感じていたのだ。私のお金で自分の家族を養う? という反感が生じるものかもしれない。しかし本来は誰のものか考えればすぐに答えが出てくる。こういう問答がユーモアならまだしも、実際に再現されれば問題が深刻化する。意図的に便利なものだけ取捨選択する詭弁の弊害だ。 

 1990年代後半の東京特派員時代、自民党の国会議員2人と一緒に食事をしたことがある。ある議員が日帝時代の植民地の朝鮮であった強制徴兵について釈明したその言葉を今でも忘れない。「当時、私たちも家に赤紙(徴集令状)が送られてくれば否応なく戦場に引き出された」。植民地だけでなく内地(日本本土)の日本人も戦場に連れ出されたのだから差別したのではない、という意味だった。果たしてそうだろうか。韓国人と日本高齢者世代の間のこの上なく大きな認識の違いを実感した。 

 自分を中心に考えたいが、人に認めてもらえないから、心急いて詭弁を動員することになる。この数日間にあふれ出た日本発の発言がそうだ。麻生太郎日本副総理兼財務相は2月、朴槿恵(パク・クネ)大統領の就任式に特使として出席し、南北戦争に対する米国南・北部の見解の違いを例にあげながら韓国・日本もお互い歴史認識が異なるしなかいと話したという。23日には安部晋三首相が「侵略の定義は学界的にも国際的にも定まっていない。(国によって)どちらから見るかによって違う」と主張した。相対主義論理を極大化した言葉遊びだ。 

 このように認識は国ごとに違い、侵略もなかったとすれば、例えばのケースとして対馬を韓国が35年間ほど支配するという想像はいかがなものか。もちろん形式的に併合条約を締結し、適法性の是非を最小化する。住民に国語常用という美名の下で韓国語だけを使用させ、男性は韓国軍として徴集し、魚族資源を韓国がすべて持っていき、反発する人は拷問して死刑にし、全住民を金氏・李氏など韓国名に変えれば? そして「侵略はしなかった。どちらから見るかによって違う」と言えば・・・・

【社説】 安倍首相の妄言を見過ごす段階は過ぎた
朝鮮日報日本語版 2013年04月27
 日本の安倍晋三首相は26日「歴史認識に関する問題が外交や政治問題化するのは望まない」「(歴史認識の問題は)歴史家や専門家に任せるのが適当だ」と発言した。安倍首相は「日本が過去に多くの国家、とりわけアジア諸国の人たちに多大な損害と苦痛を与えたという認識においては、歴代の内閣と同じ立場だ」「歴史には確定が難しい点があり、自分は神のように判断はできない。(侵略とは何かに関する)定義はさまざまな観点から今なお議論されている」などと述べた。

 日本のメディア各社は安倍首相の発言について「最近の一連の発言により韓国、中国との深刻な外交摩擦が拡大するのを阻止するため」との見方を示し、一定の評価を与えた。安倍首相は23日、日本帝国主義による侵略戦争について「侵略に関する定義はどのような観点から見るかによって異なり得る」と述べた。また、韓国や中国が日本の閣僚や議員たちによる靖国神社参拝に抗議すると、安倍首相は「いかなる脅しにも屈しない」と語った。

 安倍首相が自らの発言をあいまいにはぐらかしたのは、日本による侵略の被害を受けた国からの批判に配慮したためではなく、これまで状況を見守ってきた米国が安倍首相の発言に憂慮する意向を伝え、また日本国内からも批判の声が相次いでいるからで、安倍首相は自らの発言が間違っていたとは認めていない。その一方で「長期にわたり専門家によって新たなファクトが発見されており、この問題は専門家や歴史家に任せよう」との考えを述べた。このように前後のつじつまが合わない発言で問題をあいまいなまま終わらせようとするのは、韓国や中国など日本帝国により被害を受けた数億人のアジア各国国民をばかにするのと何ら変わりがない

 米国はこれまで、日本の歴史問題について一歩下がった立場から仲裁者の役割に徹してきた。しかし安倍首相が「日本帝国による侵略の定義」に根本的な疑問を提起したことで状況は変わった。米国は第2次大戦で日本から無条件降伏を勝ち取り、その後1951年のサンフランシスコ講話条約までの戦後処理を行ってきた。しかし日本の右翼によるロビーを受け、サンフランシスコ講話条約の当事国から韓国を除外した米国は「安倍首相の日本」が侵略戦争を事実上擁護していることに対し、自らの立場を明確にする歴史的、道徳的責任がある

 日本と同じく第2次大戦の戦犯国となったドイツは、終戦から68年が過ぎた今も93歳のナチス容疑者を捜し出し、また機会があるたびに被害を受けた国への謝罪を行っている。それでも各国はドイツに対して警戒の目を緩めていない。安倍首相がドイツと正反対の道に日本を引っ張り、現状をごまかしの言葉で終わらせようと考えるのなら、それは大きな誤算だ。歴史の健忘症から今や侵略の正当化に進む日本に対し、韓国政府は確固たる姿勢で対応すべき時を迎えている。
 
 

2013年4月27日土曜日

春の平和キャンペーンにお出で下さい

29日は湯沢の「花まつり」です
 春の平和キャンペーンにお出で下さい

  4月29日は湯沢町の花まつりの日です。
 「湯の町湯沢平和の輪」でも、会場で、
   恒例の『春の平和キャンペーン』を行います。

 参加される方は10時半に笛木さん宅前にお集まり下さい。
 そこから先日みんなで準備した「風ぐるま」その他の資材を会場に運び、
 11:00から 約2時間ほどの予定で平和キャンペーンを行います。
 どうぞご参加ください。


日本は孤絶の道を進む

 
 マスメディアがアベノミクスと持ち上げている安倍政権の経済政策に対して、「浦島太郎の経済学」とする批判がありますが、安倍政権は外交分野でも時代錯誤的な言動が顕著です。
 国会ではいわば書生論的な言辞を繰り広げ、村山談話そのまま踏襲しているわけではない侵略という定義は学界的にも国際的にも定まっておらずどちらから見るかによって異なるとしました。その上で中・韓両国は途中から靖国参拝批判をし出したもので「脅迫」には屈しないなどとして、これまで歴代の日本政府が何とか維持してきた近隣諸国とのいわば『諒解的な関係』を弊履のごとくに捨て去りました。
 マスメディアが作り上げた60%、70%という高支持率がそうさせたともいわれています。その結果近隣国との関係はどうなったのでしょうか。

 26日(以下日付:共通)の時事通信は、韓国外相が「安倍政権時代錯誤の言動嘆かわしい」と語ったことを伝えました。同じく時事通信は中国の習指導部安倍政権の閣僚会わないと決めた」として、これから中国との関係が一層冷える一方であることを、東京新聞は「中国尖閣列島は『核心的利益』=譲れない国益 とめて明言」したので、やはり今後は日本に対し一層強硬に出る可能性が高まったことを伝えています。

 さらに東京新聞は「米政権安倍首相発言に懸念を示し、自制している」ことを、朝鮮日報「日米は最も重要な同盟ではなく、中国と韓国が対米関係では優位にある」 とする米特派員の記事を伝えています。

 また韓国の中央日報は「米メディア日本周辺国を逆なでする間違った行為をしている」として、ニューヨークタイムズ「日本政府周辺国の歴史的な傷に触れている」と主張したことや、フォーリンポリシー外交専門誌)が「日本政府の人たちが靖国神社を参拝するのは、この時期に非常に間違った考え日本は今、敵ではなく友人が必要な時だ」と指摘したことを伝えています。 

 安倍政権はいま不可解な高揚のもとで「孤絶」の道を突き進んでいます。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
時代錯誤の言動、冷や水=安倍政権「嘆かわしい」-韓国外相
時事通信2013426
 【ソウル時事】韓国の尹炳世外相は26日、日中韓3カ国協力に関する国際シンポジウムであいさつし、「過去のアジアでの不幸な歴史について、日本の一部指導者らの時代錯誤的な言動は、新たな東北アジアの未来を共に築こうとする域内の国家の努力に冷や水を浴びせるもので、嘆かわしい」と安倍政権を批判した。
 さらに「歴史に対する正しい認識を土台に、周辺国と信頼を構築しながら、東北アジアの平和と発展を成し遂げることが必要だ」と注文を付けた。 
 外相は「3カ国は世界経済のけん引役を果たしている。3カ国の協力は地域を超え、国際社会全体の安定と発展の核心的要素となっている」と強調。一方で、「歴史と領土問題、軍拡競争、核の脅威などで域内国家間の協力に多くの障害が生じている。3カ国が早急に克服しなければならない最も大きな障害物だ」と述べた。
 その上で、朴槿恵政権が目指す「東北アジア平和協力構想」に言及し、「相互に利益になる分野で協力の習慣を形成していき、少しずつ信頼を蓄積していこうというものだ」と語った。

「安倍政権」と会わない習指導部=尖閣・靖国、冷え切る関係-中国
時事通信2013426
 【北京時事】中国共産党・政府の中央指導者は、沖縄県・尖閣諸島をめぐる摩擦に加え、麻生太郎副総理らの靖国神社参拝を受け、安倍晋三首相に直結する閣僚らと会談しない姿勢が鮮明になっている。中国側は経済交流を中心に関係改善を模索したい意向もあるが、「安倍首相は会談するため中国に妥協することはないだろう」(日中関係筋)とも見ている。譲歩しない両国指導者間の信頼がなくなり、関係は冷え切っている。
 太田昭宏国土交通相は日中間の観光交流回復に向け、日本の大型連休中の5月上旬に訪中したい考えを中国側に伝達した。公明党代表時代、積極的に対中交流を進めた太田氏は強い意欲を燃やし、「最低でも(観光担当の)汪洋副首相と会談したい」意向だったが、中国外務省関係者によると、汪副首相らが会談に難色を示し、訪中は見送られた。
 日中間では、5月下旬に予定された日中韓首脳会談が中国の意向で先送りになったほか、高村正彦自民党副総裁が率い、5月初旬に予定された日中友好議員連盟の訪中団も中止。高村氏らが希望した習近平国家主席や李源潮国家副主席らは会談に応じなかった。(以下省略)

中国、尖閣は「核心的利益」 初の明言、対日さらに強硬に
東京新聞 2013年4月26日
 【北京共同】中国外務省の華春瑩副報道局長は26日の記者会見で、沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)について「釣魚島の問題は中国の領土主権問題に関係している。当然、核心的利益に属する」と明言した。
 中国政府が尖閣について、譲れない国益を意味する「核心的利益」と位置付けていることを外交当局者が公式に確認したのは初めて。習近平指導部が尖閣問題を国家の最重要課題に格上げしたことを意味しており、今後、日本に対し一層強硬に出る可能性が高まった。
 指導部内では尖閣を核心的利益と位置付けるかどうかをめぐり議論があったとされるが、日本に妥協しない方針を確定したとみられる。


米政権、安倍首相発言に懸念 中韓にらみ自制促す
東京新聞 2013年4月26日 08時57分
 【ワシントン共同】歴史認識をめぐる安倍晋三首相の発言や閣僚の靖国神社参拝に対し、オバマ米政権が東アジア情勢の不安定化を招きかねないとして、日本政府へ外交ルートで非公式に懸念を伝えていたことが分かった。日米外交筋が25日、明らかにした。
 国務省のベントレル報道部長は「公式な抗議」はしていないとした上で「中国や韓国のように他国も懸念を表明している。各国間の強く建設的な関係が地域の平和と安定をもたらすことを、われわれは今後も訴えていく」と述べ、安倍政権に中韓を刺激しないよう自制を促した

「日米は最も重要な同盟ではない」 米国の微妙な変化
朝鮮日報 2013/04/26 09:05
 米国オバマ政権幹部が今年初め「日米関係はもはや全世界で最も重要な同盟関係ではない」と韓国側に語っていたことが25日までに分かった。ソウルの外交筋によると、同幹部は当時、ワシントンを訪れた韓国側関係者に中国が浮上した北東アジアの状況を説明しながら「日米同盟は依然として重要だが、最も重要だとは言えない」と指摘したという。
 韓国側関係者によると、米国は当時、日米関係の重要性を認めながらも、アジアは大きく変化しており、最も重要な国は中国だと判断していることを明かしたという。韓米関係に詳しい消息筋は「米国は昨年12月に発足した安倍政権の誤った歴史認識で北東アジアに大きな混乱が起きることを懸念している」と述べた。
 オバマ政権の関係者は「韓国は大陸にある国の中で唯一の、米国の同盟国だ」と述べ、韓米同盟を引き続き発展させていく意向も示したという。
 毎日新聞によると、日本を訪れているバーンズ米国務副長官は加藤勝信官房副長官と会い、日本の閣僚による靖国神社参拝に対する日本政府の立場をただし、韓国と中国の反応に関する意見を交換したという。バーンズ国務副長官は席上、安倍内閣の歪曲(わいきょく)した歴史認識は好ましくないとの米国の立場を伝えたとみられる。
 東京= 車学峰(チャ・ハクポン)特派員 朝鮮日報日本語版

米メディア 「日本、周辺国を逆なでする間違った行為」
中央日報 2013年04月26日 
 (前 略) 
 ニューヨークタイムズ(NYT)など米国メディアも日本を強く批判をした。NYTは「日本の不必要な国粋主義」と題した24日付の社説で、「日本政府が周辺国の歴史的な傷に触れている」と主張した。 
  NYTは「昨年12月就任した後、安倍首相と自民党は長期的な沈滞に陥った日本経済を復活させ、北朝鮮問題などを解決するために力を注いできた」とし「しかし今は、当面の懸案とは関係ないことで韓国や中国など周辺国と対立していて、これは安倍首相が自ら招いた」と批判した。 
  特に「日本国会議員168人が集団参拝した神社には第2次世界大戦の戦犯も含まれている」とし「北朝鮮の核・ミサイルなどに周辺国がお互い協力して対処すべき時期に、日本が中国と韓国の敵対感情を助長するのは無謀な行為」と強調した。 
 外交専門誌フォーリンポリシーも24日の記事で、「日本政府の人たちが靖国神社を参拝するのは、この時期に非常に間違った考え」とし「日本は今、敵ではなく、友人が必要な時だ」と指摘した。 
  同誌は「安倍首相と閣僚は日本を助けられる周辺国を侮辱する行為をなぜこの時期にするのか分からない」とし「それは危険で無謀な国内政治用」と主張した。さらに「オバマ大統領は安倍首相にもう靖国神社を参拝すべきでないと直接忠告するのがよい」と強調した。