2026年2月14日土曜日

高市自民大勝利の狂気とカルト - 中道新党の衝撃的惨敗とその責任を考察する(世に倦む日々)

「世に倦む日々」氏が掲題の記事を載せました。
 衆院選の結果について、「高市自民と同じ改憲をめざす猛毒の右翼反動勢力が415議席を占め、衆院全体の90%を超えた。共産は4議席の4議席、れいわは7議席の1議席。気絶しそうな戦慄の選挙結果だ。選挙でヒトラー政権を誕生させ、民主主義の制度下でファシズムを招来した1930年代のドイツの悪夢が再現されている」「ファシズムの時代への突入であり、令和の大政翼賛会の時代の到来だ」と述べます。

 そして早くから立憲と公明の連合を予測し要請してきた「世に倦む日々」氏は、それが急遽実現したものの、指導部が戦略のプログラムを何も準備していなかったため、1/23 までの短い1週間に、華々しく矢継ぎ早に選挙プログラムを繰り出し、サプライズの連続弾で政治のニュースを埋めることが出来ないまま、逆にマスコミから中道新党への支持の広がりが不発であるとダメ押しされ、その通りの大敗北になりました。
 同氏は「新党のシンボルは、退屈な野田から吉田晴美にモデルチェンジする必要があった」として、その点では参政党などは「誰をカメラの前に出せば好印象を獲得できて支持率を上げられるか」を鋭敏に感得していたと述べます。
 低次元の話ではあるもののそれが現実であり、別掲の記事で植草一秀氏が強調する「人間の感情的部分に働きかけるシンボル」の重要性であり、「若者の支持を得る変革を革新勢力が演じられなければ、日本から革新勢力は消滅する」という見通しに通じるものです。
 そしてネット上では、左派の支持者から猛烈な「中道批判」が行われ、さながら「中道叩きの大合唱」が展開されて「中道連合」は大敗しました。
 問題は「中道」に行く筈の票が何処に行ったのかですが、明らかなことは左派へではなく、逆に今回躍進した自民党や参政党などの極右政党に流れたと考えるしかありません。
 こうした「帝政勢力よりも『社会民主党』こそが当面の敵」とすることの誤りはこれまでも常に繰り返されてきたところです。そもそも「中道」に「不徹底」という弱点があるのは当然のことなので、それを徹底的に叩くというのは戦術的にも疑問です。
 なお、比例名簿で公明候補を上位に3人並べて議席を確保したことにも左派は噛みついて旧公明党をコキ下ろしたようですが、「世に倦む日々」氏は「それはナンセンスな誹謗中傷で、この新戦略は立憲が公明の比例議席を保障し、公明が立憲の小選挙区候補に組織票を提供するという、合理的で打算的なバーター取引が基礎になっている」と公正な判断を示しています。もしも「中道」に改選前の票が集まっていれば、旧立民党は旧来の勢力以上を保有できた筈でした。
 ともあれ事態は「世に倦む日々」氏が投票日前に絶望的に予測した通りの結果となりました。
 彼は「高市が大勝利したことにより、高市の驕慢な態度がさらに増長し、中国に対する挑発のエスカレートが予想される。中国を挑発すれば中国が反発する。マスコミが中国を批判して扇動する。それをバネに、右翼化した衆愚の国民がいちだんと高市への狂信と帰依を深める。その成功法則を高市は知り抜いた。統一教会問題にせよ、裏金問題にせよ、どんな汚い醜聞の局面になっても、暴支膺懲を煽って憎悪のボルテージを上げれば、たちどころに国民の関心がスピンして支持率が上がるコツを覚えた。そうして、スパイ防止法を成立させ、9条改憲の環境を整備し、中国との戦争(台湾有事)に踏み出す」「国防の義務が課され、徴兵制が敷かれて 若者は戦場に送られる羽目になる」と述べ、
衆愚政の狂気とカルトと倒錯を恨み厭う。衆愚政治は懲り懲りだ」と慨嘆します。
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高市自民大勝利の狂気とカルト - 中道新党の衝撃的惨敗とその責任を考察する
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2/8、大雪が降る中、衆院選の投票があり、高市自民が衆院3分の2を超える316議席を獲得する大勝利を収めた。現有より118議席増。マスコミは歴史的大勝と報じている。事前予想を超える恐ろしい結果に眩暈を覚え、狼狽の気分を禁じ得ない。高市自民のアクセル役を任じる与党の維新は+2の36議席。高市自民と政策は同じだと強調する国民民主は+1の28議席。極右の参政は+13の15議席。みらいが11議席。高市自民と同じ改憲をめざす猛毒の右翼反動勢力が415議席を占め、衆院全体の90%を超えた。共産は-4の4議席、れいわは-7の1議席。あらためて数字を確認して気絶しそうな戦慄の選挙結果だ。大衆が選挙でヒトラー政権を誕生させ、民主主義の制度下でファシズムを招来した1930年代のドイツの悪夢が再現されている。くっきりと。これが今の日本の現実だと思うと心が凍りつく高市も 2/9 の記者会見で憲法改正に挑戦すると明言した

中道は現有から-123の49議席。3分の1になった。これほど議席が激減する図は過去の選挙で一度も目撃経験がない。カナダとか海外の選挙の報道で知る出来事だ。いくら小選挙区制とはいえ、極端な変化を嫌う日本人の選択とは思えず、今回の衝撃の事態に愕然とさせられる。岡田克也、枝野幸男、安住淳、玄葉光一郎、海江田万里、小沢一郎、逢坂誠二、馬淵澄夫、近藤昭一、江田憲司、山井和則、亀井亜紀子、川内博史、大串博志、民主党の結党当時から議員を続けてきた大物を含む、顔なじみの議員たちが悉く落選、永田町から去る運命となった。後藤謙次が小括していたが、1993年の細川連立政権のときから始まったところの、民主党という「政治改革」で生まれた政党が野党第一党を常に占め、自民党と政権交代を争った、30年以上続いた一つの時代が幕を下ろしたと言える。日本政治は新しい時代を迎えた。ファシズムの時代への突入であり、令和の大政翼賛会の時代の到来だ

私は昨年夏の参院選の後から、立憲と公明の連合を予測し提案し要請してきた無名ブロガーであり、中道新党の誕生に「我が意を得たり」と心躍らせた市民であり、今回の惨劇に「製造物責任」を感じる立場である。新党立ち上げなどするべきではなかったと恨めしく憤っている者は多いだろう。正直、本当に意外だったのは、これだけの乾坤一擲の勝負に出ながら、戦略の中身を構成するプログラムを指導部が何も準備していなかった点だ。1/14 に新党設立合意を発表し、1/16 にロゴを示して記者会見し、週末を含んだ3日後くらいまでは、新党が旋風を起こして話題を独占し、期待を集め、高市の不意打ち解散を無力化するクロスカウンターとして嘱望されていた。ところが、何日経っても野田佳彦と斉藤鉄夫の同じ顔がテレビに出続け、聞き飽きた話を繰り返し垂れるばかりで、エバンジェリスト⇒福音伝道者)登場せず、有望新人の発掘と紹介もなかった。有権者の期待に応える絵は何もハプンせず、ムーブメントを興せないまま 1/23 の解散を迎えた。

そこまで日程が進むと、すぐにマスコミが世論調査を打ち、高市支持の高さを言い、中道新党への支持の広がりが不発である事実が伝えられた。中道新党の選挙での苦戦がスタート時点で与件となってしまった。1/23 までの短い一週間、すなわち1月第4週が勝負だったのである。この時期に華々しく矢継ぎ早に選挙プログラムを繰り出し、サプライズの連続弾で政治のニュースを埋め、Xのトレンド欄を独占する動きを作らなければならなかった。もし新党の参謀に優秀な広告代理店が入っていたら、そうした仕掛け花火が華麗に打ち上げられ、新党勝利への初期プロモーションが劇的に演出されていただろう。それを企画するのは当然だし、そうした布石を打たなければ新党立ち上げの戦略など絶対に成功しない。マスコミが解散時の世論調査を打つ前の一週間にそれを洪水させ、好感度と興奮度を高め、テレビのキャスターやコメンテーターに影響を与えないといけなかった。新党のシンボルは、退屈な野田から吉田晴美にモデルチェンジする必要があった

この大事な一週間(1//18 - 1/24)に、野田と斉藤は同じ賞味期限切れの演目を繰り広げ、新党の清新さはすっかり逆転して古臭い評価に落ちた。実際は中身が空っぽで、興趣を惹くコンテンツ⇒情報)が何も用意されていない真実がマスコミと有権者に察知された。私は過去のブログで何度か、野田佳彦はテレビに出れば出るほど党の支持率のポイントを下げると辛辣な批判を述べてきた。野田のイメージが悪いからである。イメージが悪い理由は二つで、第一に野田が消費税増税論の確信犯であることと、第二にテレビ時代の政党党首に必要な要件(visual branding)を根本的に欠落させている点にある。一昨年の立憲民主の党首選に野田が再登板してきたとき、まさかと耳を疑い、この男の勘違いの甚だしさに嘆息したものだ。党の看板として肝要な視覚的資質に欠け、マイナスイメージの効果をもたらし、不適切で不具合だからである。なぜ自己の欠陥を自覚し、重鎮として後見役に徹するという役割判断ができなかったのだろう。現代はラジオで政治をやる時代ではない

例えば、参政党などの候補者のラインアップを見れば瞭然だが、誰をカメラの前に出せば好印象を獲得できて支持率を上げられるか、党側の選別と配列の根拠が言わずもがな明快である。基準はシンプルなのであり、それは人間一般の自然な心理や嗜好に依拠して最適化を図った審査の帰結だ。政党が、選挙という大衆から選ばれる機会の競争に勝つためには、当該価値基準のセレクトで臨むのが戦略の定石と言えるだろう。古典的な政治学理論であるメリアムのマイランダの概念⇒権力の正統化)を持ち出すまでもなく、政治は相手や成員からの同意や共感を調達するため、人間の感情的部分に働きかけるシンボルを使うのである。政治はラジオではなくテレビの舞台で演じられている。テレビで行われる政治は、視聴者にとってはある意味でショーのコンテンツ⇒出し物)であり、党首討論会も娯楽の一つという側面を持つ。そこで優劣が競われる場合、視覚的要件は必須の課題だ。野田がなぜそのセオリーを無視したのか理解できない

勝敗を分けた一週間(1//18 - 1/24)、中道新党は無為無策で何も手を打たなかった。ネット上では、左派が中道に対するネガキャン工作を始めた。Xの編集で左派系ポストが多く表示される私のタイムラインは、中道叩きの大合唱が響く空間と化していた。1/20 頃までの時点では、中道は注目の期待の新星であり、高市自民にとっての強敵の出現であり、政治記者たちが小選挙区で自民党現職を数十議席ひっくり返すだろうと予測を述べる存在だった。なので、共産やれいわの支持者にとっては、党利党略上邪魔なライバルと映ったのかもしれない何より、中道が安保法制を合憲と認め、原発再稼働を認める方針を打ち出し、従来の立憲の左派的立ち位置を変えた点が許せないという動機で、猛然たる非難が燃え盛り、中道への揶揄や罵倒が充満する状況が現出した。本来、この大事な時期、左派は中道をエンドースして小選挙区での連携を言うべきで、中道は左派の支援を請うべく政策を左寄りに路線修正すべきだった

共産やれいわの候補が小選挙区で当選するはずがない。であれば、左派の小選挙区票はすべて中道に流し込むべきだったし、安保法制の解釈や原発再稼働は一時的に譲っても、スパイ防止法と9条改憲を阻止するべく、大局に立った観点から中道新党に積極的な態度で接するべきだった。そのとき中道新党は生まれたばかりの赤ちゃんで、目の前の選挙で高市自民が勝つ目的で一点集中だったのであり、新党の基本政策もその戦略から設計されている。慌ただしい火事場で作成された。選挙が終わった後、中道が選挙に勝った後で、あるいは選挙の途中ででも、左派が介入してその政策を左寄りに変更させればよかった。それは可能だっただろう。選挙直前に立ち上げた新党の基本政策など、紙切れのような暫定的な証文であり、そのことは、何度も党を作っては壊して離合集散に慣れた立憲議員たちが一番よく知っている。左派のネガキャンは大きな悪影響を生み、逆風要素となり、中道のスタートダッシュのモメンタムを潰してしまった

選挙で勝つことを一点の目的として、その戦略で立ち上がった新党だから、選挙で負ければ推進力を失い、墜落か空中分解の運命になるのは必然だ。公明は、そのディザスタープラン⇒惨事計画)を考えて、比例名簿で公明候補を上位に並べて議席を確保する保険を賢くかけていた。左派はこれに噛みつき、公明は卑怯だと言い、乗っ取りが目的だったと逆恨みして悪罵しているが、それはナンセンスな誹謗中傷だ。愚かな八つ当たりだ。危険な博打に乗るのだから、最悪の場合の安全装置を担保しておくのは当然だろう。今回の新党戦略は、立憲が公明の比例議席を保障し、公明が立憲の小選挙区候補に組織票を提供するという、合理的で打算的なバーター取引が基礎になっていた。その契約で双方が合意して結成された政治同盟の新党形態である。そして、選挙分析の報道によれば、公明は小選挙区で自らの支持票(学会票)の7割を中道候補(立憲)に入れたと言われている。契約の義務は一応履行している。かかる選挙分析が事実なら、公明の側に不当性や瑕疵はあるまい

選挙分析で言われている中道の敗因は、むしろ、立憲の小選挙区での支持票が溶けたとされる点である。要するに、立憲が基本政策を右に寄せたため、地域の小選挙区で左派の支持者が失望して票離れしたという見方に他ならない。Xタイムラインを見ていると、連合左派のある単組が、今回は中道(立憲)への投票を控える指示を出していたという暴露があった。また、共産党も同様の指令を支部党員に出していたという裏話も載っていた。SNSで派生した左派のネガキャンがそのまま投票行動に直結していた。左派のネガキャンも、序盤は忌み慎むべき悪評工作に違いなかったが、中盤からは意味が変わり、真実を衝いた正論に化学変化していた。野田の失策と緩怠と自滅が明らかとなり、中道の敗北が確実視される状況に変ったからだ。政治は生きものである。自治労が不活性だったという仮定も浮上する。北海道、東北、甲信越、立憲が強い地盤は雪国が多い。自治労(や昔の国労)が票を作ってきた地域だ。大雪の影響が重なって自治労の動きが鈍かったのではないか

以上。中道について今後どうあるべきかの現時点での結論を言えば、新党を解消し、元の立憲と公明に分かれ、その上で「中道連合」として二党の結束と連携を継続し強化する方向性を確認すればいいと思う。数年前の「野党共闘」のような形態で、立憲と公明がブロックを組み、国政選挙を常に共同で戦い、国会でも密着して行動するというスタイルを提起したい。高市自民の反動と厳しく対決する野党連合としての存在感を発揮し、国民から支持と信頼を拡大すればよく、2年後の参院選を準備すればいいだろう。「中道連合」はひとまず国政だけに活動範囲を限定し、地方は其々独自に旗を立てて活動、時間をかけて「連合」の内実を作ればよい。それは、地方の公明を自民から徐々に引き剥がす過程を作るという意味であり、反高市の「中道連合」の基盤を全国ベースで形成し確立するという意味である。それは多くの国民が待望する野党の姿だろう。高市の勢力が大きくなりすぎ、不安を覚えている国民は多い

高市が大勝利したことにより、高市の驕慢な態度がさらに増長し、中国に対する挑発のエスカレートが予想される。中国を挑発すれば中国が反発する。マスコミが中国を批判して扇動する。それをバネに、右翼化した衆愚の国民がいちだんと高市への狂信と帰依を深める。その成功法則を高市は知り抜いた。統一教会問題にせよ、裏金問題にせよ、どんな汚い醜聞の局面になっても、暴支膺懲⇒暴れる中国を懲らしめる)を煽って憎悪のボルテージを上げれば、たちどころに国民の関心がスピンして支持率が上がるコツを覚えた。打ち出の小槌を手に入れた。猿のマスターベーションのように、快楽を覚えた高市は何度でも射幸的成功の反復に耽る。そうして、スパイ防止法を成立させ、9条改憲の環境を整備し、中国との戦争(台湾有事)に踏み出す。この選挙の結果、中国との戦争の可能性は高まった。回避の希望は小さくなった。真面目に、20代男性は国外脱出を選択肢として考えるべきだと思う。私がその年齢なら豪州あたりを疎開先として選び、リスクやハンディを計算する

国防の義務が課され、徴兵制が敷かれて、召集令状が届いたら逃げられないから。軍隊に強制的に入れられ、戦場に送られる羽目になるから。特に文系の若者は。一方、われわれ高齢者は、資産を持った富裕層でなければ、自動的に社会保障削減の「PLAN75」で殺されるだろう。兵隊として役に立たない国民だから殺処分されるはずだ。今はそれが信じられなくても、戦争が始まり、国家の財政が窮極に逼迫したら、集団切腹”を選べという黙示録的世界になる。今ですら、腰の曲がった80代の後期高齢者に労働を強い、世界から異常視されているではないか。衆愚政の狂気とカルトと倒錯を恨み厭う。オクロクラシー⇒衆愚政治)は懲り懲りだ 

基本政策明確化が中道最優先/課題焼け野原活用する逆転の発想(植草一秀氏)

 植草一秀氏の掲題の2つの記事を紹介します。
 1つ目の記事では、
 植草氏は立憲と公明の合流は、「高市自民圧勝を阻止するための選択肢の一つだったと言えるが、『呉越同舟』で基本政策のすり合わせは不十分だった」として、「新代表が真っ先に明示すべきは基本政策明確化だ」と述べます。
 そして「中道改革連合」基本政策に、「原発容認、安保法制合憲、憲法改正推進」が明記されたのは誤りで、「仕切り直しをする際にこの問題を放置することは許されない」として、「この3点を容認するグループと容認できないグループの同居はあり得ない」ことなので、「『焼け野原』に新たな構造物を再建するなら、まずは根本矛盾を取り除くことが先決だ」と述べます。明快です。

 2つ目の記事では、
 植草氏は、「巨大な建造物の意識的な解体に膨大なエネルギーがかかるが、自然なかたちで立民党が解体するに至った」ことを「ピンチはチャンス」と捉えるべきだとして、「選挙が終わり『中道改革連合』は所期の目的を達成できなかったので、しっかりとけじめをつけるべき」である述べます。
 そして「この際、原発、憲法、安保法制は『国論を二分する重要テーマ』なので、容認グループと非容認グループは袂を分かつべきだ」と述べます。
 さらに「日本の主権者に 原発廃止、憲法改定阻止、安保法制廃止、消費税減税・廃止 の考えを持つ者が圧倒的少数なら、この主張を掲げる政治勢力の存在意義はないが、その考えを持つ者が多数存在するなら、その主権者の意思を代表する政治勢力が必要なので、対米隷属の右翼、対米隷属の中道、対米自立のリベラル の三極鼎立が求められる」と述べます。
2017年に立民が創設されたときは、対米自立リベラルの中核になることが期待され伸長したが、2021年に枝野幸男氏が転向し、共産、れいわ、社民との共闘を否定したことから没落が始動し、今回の選挙で枝野氏も落選した」ので、「焼け野原」は「復興を実現するためには好都合な環境」であると述べます。
 そして「若年層の支持を取り付けることが近年政治勢力の伸長を決定付けている。高齢世代にのみ依拠する支持構造は絶滅を早めるだけ。若者の支持を得る変革を革新勢力が演じられなければ、日本から革新勢力は消滅する」と指摘し、
「高市首相が最重要視するのが憲法改悪のために必要な参院での3分の2勢力の確保」であり、「憲法改定は9条と緊急事態条項がカギで、緊急事態条項は『全権委任』の性質を帯びる。~『ナチスの手口に学ぶ』が高市自民の合言葉。日本が地獄絵図に突き進むのかどうか。日本は重大な岐路に立っている」と警告します。
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基本政策明確化が中道最優先課題
             植草一秀の「知られざる真実」 2026年2月13日
総選挙で「焼け野原」になった旧立民。旧立民と旧公明が合流して創設された「中道改革連合」。獲得議席は49で、旧立民が21、旧公明が28だった。
比例代表選で自民は当選枠に充当する候補者が足りず、14議席が他党に流れた。
旧立民はこの「お流れ」で6議席を獲得。これがなければ旧立民獲得議席は15だった。

高市自民圧勝を阻止するための「背に腹は代えられぬ」戦術として合流は選択肢の一つだったと言えるが「呉越同舟」で基本政策のすり合わせは不十分だった。
新党の名称は陳腐で党の看板になる党首も旧態依然だった。
このため選挙の勝敗を分ける若年層と無党派層の取り込みに完全に失敗した。

最大の問題は基本政策の合意が不完全だったこと。選挙のための緊急対応だったから基本政策をあいまいにした面があった。しかし、選挙後にそのあいまいさは容認されない。
2月13日に中道が新しい代表選を実施。旧立民の小川淳也氏が新代表に選出された。
新代表が真っ先に明示すべきは基本政策明確化だ。

比例代表の順位問題は党内の利害調整でしかない。内輪の問題。
主権者との関係で最重要であるのが基本政策。総選挙中は新党が提示した「基本政策」に反する主張を明示する候補者が多数存在した。
選挙のための急造新党であるから「包摂」という言葉で「あいまい戦術」が取られた。緊急事態に鑑みればあり得る選択肢ではあった。
しかし、選挙後に正式に新党を確立する際には基本政策を明確にしなければならない。

「中道改革連合」基本政策に次の表現が明記された。
・将来的に原発へ依存しない社会を目指しつつ、安全性が確実に確認され、実効性のある避難計画があり、地元の合意が得られた原発の再稼働
・平和安全法制が定める存立危機事態における自国防衛のための自衛権行使は合憲
・立憲主義、憲法の基本原理を堅持した上で、国民の権利保障、自衛隊の憲法上の位置付けなどの国会での議論を踏まえ、責任ある憲法改正論議の深化
[原発容認、安保法制合憲、憲法改正推進]が明記された。

この点について中道に合流した旧議員の多数が反対の見解を表明していた。
17年の「希望の党」と異なり、「排除の論理」が採られなかったため、基本政策に同意しない候補者も新党に合流した。
しかし、選挙が終了して仕切り直しをする際に、この問題を放置することは許されない
新代表に就任した小川淳也氏が明確に上記三方針を新党の基本政策に位置付けるなら、この基本三政策に反対する者は新党を離脱するしかない。
基本政策があいまいなままで主権者に責任ある政策公約を示すことはできない。実はこの部分が旧立民においても最大の問題だった。

「国論を二分する重要問題」について異なる基本政策を有する者が同居してきた。
立民にはかつての社会党から合流した者もいる。これらの人々は基本政策をどのように考えているのか。大きな政党に所属して議員の身分を維持できるなら基本政策などどうでもいいという考えだったのか。議員たちの矜持(きょうじ)が問われる問題だ。
[原発容認、安保法制合憲、憲法改正推進]は国民民主、旧公明と同一のものだから、これら勢力が一つにまとまるのが分かりやすい。

最も重要なことは[原発容認、安保法制合憲、憲法改正推進]に反対のメンバーの同居はあり得ないということ。「焼け野原」に新たな構造物を再建するなら、まずは根本矛盾を取り除くことが先決だ。

続きは本日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」4337号
「「基本政策」肯定なら新党は墓場」 でご高読下さい。
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焼け野原活用する逆転の発想
             植草一秀の「知られざる真実」 2026年2月12日
「ピンチはチャンス」と捉えるべきだ。解体が必要な巨大な建造物。
建造物がそのままなら解体に膨大なエネルギーがかかる。
しかし、大爆発で「焼け野原」になったなら不幸中の幸い。

中道改革連合は選挙のための急造組織だった。
高市自民を大勝させないための窮余の一策としては理解できる。最悪を回避するためには普通悪に目をつぶる必要も生じるからだ。
しかし、仕掛けが杜撰だった。若年埋蔵票の取り込みが勝敗を分ける。その若者の支持を取り付ける工夫が皆無だった。急造であったから政策のすり合わせが不十分だった。

原発、憲法、安保法制。公明案で原発容認、憲法改正容認、安保法制容認の綱領が示されたが、「踏み絵」方式は取られなかった。新党に参加しながら、原発廃止、憲法改定反対、安保法制違憲の主張を示す者が多数存在した。「包摂」という言葉が使われた。
しかし、選挙が終わり、新党は所期の目的を達成できなかった。ここで、しっかりとけじめをつけるべきだ。

原発、憲法、安保法制は「国論を二分する重要テーマ」。容認グループと非容認グループは袂(たもと)を分かつべきだ。
原発容認、憲法改正容認、安保法制容認なら国民民主と変わらない。
国民民主と合流して、政党名を正式に「ゆ党」として連帯するのが良いと思われる。

旧立民で原発廃止、憲法改定阻止、安保法制廃止の主張の者は「中道連合」から離れるべきだ。
離れて、共産、れいわ、社民と合流して「革新新党」を創設すべきだ。
これまでもこの提言を示し続けた。しかし、大きな障害があった。
立民が巨大化して、立民から離脱する決断をできない者が圧倒的に多かったのだ。
しかし、立民自体が崩壊したことで離脱は容易になる。

最大の問題は「カネ」だ。26年は立民に巨大な政党交付金が投下される。
落選議員が当面の活動資金を確保するには、この政党助成金に頼るしかない。
したがって、当面は立民=中道にぶら下がる者が多いと推察される。
しかし、27年は中道の政党交付金が激減する。落選議員に回る資金も激減するだろう。
これが人材の流動化をもたらすことになる。

日本の主権者に 原発廃止、憲法改定阻止、安保法制廃止、消費税減税・廃止 の考えを持つ者が圧倒的少数なら、この主張を掲げる政治勢力の存在意義はない。
しかし、原発廃止、憲法改定阻止、安保法制廃止、消費税減税・廃止の考えを持つ者が多数存在するなら、その主権者の意思を代表する政治勢力が必要だ。
対米隷属の右翼、対米隷属の中道、対米自立のリベラル の三極鼎立が求められる。

2017年に立民が創設されたときは、立民が対米自立リベラルの中核になることが期待された。この期待で立民は伸長した。ところが、2021年に枝野幸男氏が転向。共産、れいわ、社民との共闘を否定した。ここから立民の没落が始動した。今回選挙で枝野氏も落選した。
「焼け野原」は復興を実現するためには好都合な環境である

米国の命令に隷従する先にどのような運命が待ち構えるのか。
ウクライナこそ典型的なモデルケースだ。対米隷属一択ではないことをすべての主権者に知らせる必要がある。
その最大の理由は革新三勢力がバラバラであること。弱小革新勢力が「おれがおれが」で進めば一段とジリ貧になる。連帯しない限り絶滅を免れない。

同時に重要なことは革新勢力が若年層の支持を取り付けること若年層の支持を取り付けることが近年政治勢力の伸長を決定付けている
高齢世代にのみ依拠する支持構造は絶滅を早めるだけだ。「団塊の世代」はすでに最多人口年齢層でなくなっている。
若者の支持を得る変革を革新勢力が演じられなければ、日本から革新勢力は消滅する。

高市首相が最重要視することになるのが参院での3分の2勢力確保。
憲法改正発議には衆参両院での3分の2以上の賛成が必要。衆院で改憲勢力は3分の2を確保したが、参院ではまだ確保していない。維新に加えて、国民、参政、保守、みらいを3分の2勢力に組み込むことに総力が注がれる。

憲法改定は9条と緊急事態条項がカギだ。緊急事態条項は「全権委任」の性質を帯びる。
ナチス党が全権委任法を制定してドイツが暴走した。「ナチスの手口に学ぶ」が高市自民の合言葉日本が地獄絵図に突き進むのかどうか。日本は重大な岐路に立っている。
 
続きは本日の メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」4336号
「行き先は地獄を若者に伝える」 でご高読下さい。
               (後 略)

14- 統一協会 「闇のTM文書」(8)

 統一協会(世界平和統一家庭連合)が日本での政界工作などを韓鶴子総裁に報告した内部文書「TM特別報告3200頁、TMとはTrue Mother〝まことの母の略で、韓総裁のこと韓総裁は、夫で教祖・故文鮮明とともに協会内でメシア救世主として位置づけられていますしんぶん赤旗(統一協会取材班)は入手しました。
 しんぶん赤旗がシリーズ「統一協会 「闇のTM文書」8)を報じました。以下に紹介します。
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闇のTM文書」(8本拠地ツアーで億単位勧誘 献金しないと〝敗北感
                       しんぶん赤旗 2026年2月13日
 統一協会(世界平和統一家庭連合)の内部文書「TM特別報告」では、億単位の献金を集める手法が露骨に記されています。しかも献金の目標や集まり具合を頻繁に韓鶴子総裁へ報告。献金に関する本部への報告がこれほど詳細に明らかになったのは初めてです。
                                 (統一協会取材班)

100億円の人も
 2018年には韓国清平にある統一協会本部を訪れる巡礼ツアーに「篤志家」を繰り返し連れ出しています。篤志家とは高額献金をした人のこと。同年4月には26が参加。文書では日本協会の徳野英治会長(当時)は、「篤志家全員を今後よく教育すれば、1あたり日本円で5000万円以上献金することができる人々だ」と韓総裁へ報告しています。「教育」、つまり洗脳をして献金させるとしています。
 18年9月には、これまで100億円を献金してきた「名古屋に住んでいる80歳のハルモニ(おばあさん)」が参加したと特記。同年12月までにツアーを6回開催し「3000、5000、1億という実績があがった」とする記載もあります。
 篤志家はどのぐらいいるのか-。文書には、献金3億円以上が「130家庭」、4億円以上は「80家庭」だとあります。
 統一協会元幹部は本紙の取材に「配偶者をなくし資産がある女性を協会は篤志家にしようと狙ってきた」と証言します。
 信者も常に献金を求められます。徳野氏は得意げにこう報告しています。「日本食口(信者)は献金ができなければ、天の摂理(理想世界の実現)に貢献したという実感がなく、何といっても虚しさと敗北感、もどかしさを痛感しており、それが身についた習性になっている」
 なぜ敗北感を覚えるほど追い詰められるのか-。
 統一協会は「母の国」である日本が、「父の国」である韓国=教祖文飾明につくせと信者を洗脳しています。文書では、日本が朝鮮半島を植民地支配した過去の歴史を清算し、「日本が生きるため」献金が必要であると信者に檄を飛ばしています。このため信者は必死になって献金します

 母親が多額の献金をしてきたという元信者2世はこう指摘します。「植民地支配の罪滅ぼしという意昧合いと同時に、文鮮明の献金の願いに応えられないのは、妻が夫に背くようなものだという認識がある。だから私の母親や安倍晋三元首相を銃撃した山上徹也氏の母親のような女性たちが献金する」 

2026年2月12日木曜日

「国論二分する政策」 高市首相 語らず逃げた 「白紙委任」は得ていない

 しんぶん赤旗が掲題の記事を載せました。
 高市首相は異例の通常国会冒頭の解散・総選挙をする言い訳に、「国論を二分する政策」を目指すに当たり「高市が首相で良いのかを問いたい」という理解不能の発言をしたものの、肝心の「政策」については何も説明しませんでした。それでは「白紙委任状」を求めるもので、到底あり得ない選挙の在り方でした。
 その一方で選挙期間の終盤では、南鳥島方面の水面下6千mの海底の泥が採取できたことで「レアアース問題が直ぐにでも解決」するかのように述べたり(実際はサンプルした泥中のメタルの分析だけでも2年掛かる)、「食糧自給率を100%にする」と訴えるなど(100%にするのは絶対に不可能。現在は30%台。精々10数%アップが限度)、勇ましくは聞こえるものの(それだけが取り柄?の)ことごとく「非常識」の度が過ぎていて首相が口にすべきものではありませんでした。
 そもそも高市氏が繰り返し強調する「責任ある積極財政」の内容が皆目不明であるだけでなく、高市氏がその種の発言をするたびに市場が「円安に振れる」というのが実情です。
 それが大々的に国債を発行して、その金で大企業向けに「大判振る舞いの投資」を行うということであれば(失敗が確定済みの)「アベノミクスの2番煎じ」であり、経済学者は勿論経済通の人たちの中でそれを評価している人はいません。
 加えて救いがないことは高市氏が何よりも軍事の拡充を最優先していることで、軍事費に11兆円/年は愚か直ぐにも20兆円/年にし、さらにトランプが望む年額30兆円超にアップさせることを全く厭いません。そうした天文学的額の国費を投入する口実として無理やり仕立てたのが「中国脅威論」ですが、いまや高市氏の頭の中では「自分の希望なのか」「現実なのか」の区別がつかない状態になっているのではないでしょうか。そうでなければこの「異常さ」は理解できません。
 その結果 日本がどうなるかは火を見るよりも明らかで、民生は極度に圧迫され、国民は貧困を極めいずれは満足な食事も取れなくなります。それこそは「戦前」の再来であって 最終的には国債が紙切れになって国家が破綻し、国民は塗炭の苦しみを味わうことになります。
 今度の選挙で高市自民党を支持した人たちには 本当にその覚悟があるのでしょうか。
「戦争への道」ではなく、なぜ憲法9条が求めている「平和外交に徹することで近隣諸国との友好を深め、国家予算は軍事費にではなく民生の安定に使われる」道を望まなかったのでしょうか。本当に理解しがたいことです。

 併せて同紙の記事「保険外し拡大の危険 OTC類似薬以外も」を紹介します。
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「国論二分する政策」 高市首相 語らず逃げた 「白紙委任」は得ていない
                       しんぶん赤旗 2026年2月11日
 高市早苗首相は総選挙を受けた9日の記者会見で、「国論を二分する政策」を巡り、「国民のみなさまからの信任をいただいた」と述べました。さらに「憲法改正に向けた挑戦も進める」と、9条を念頭に改憲にまで言及。しかし、高市首相は選挙戦で、「国論を二分する政策」についてまともに語らず、各党との政策論戦からも逃げ続けました。肝心の内容を明らかにしないまま、選挙に勝ったことをもって「白紙委任状」を得たかのように振る舞うことは許されません

 会見では「国論を二分する政策」を巡り、記者から「選挙戦では具体的に語られる機会が少なかった」「具体的にどのような政策なのか」との質問が出ました。高市首相は「街頭演説で、ほとんどの時間を割いて訴えてきたつもりだ」などと居直りました。
 首相が会見で「国論を二分する政策」としてあげたのは(1)「責任ある積極財政」(2)安全保障政策の抜本的強化(3)インテリジェンス(情報活動)機能の強化です。
 しかし、「責任ある積極財政」については、総花的な話に終始し、具体的な内容も、財源も何一つ示していません安全保障分野でも、武器輸出の全面解禁や軍事費増額の財源、「非核三原則」の見直しといった重大問題について説明を避け続けました。インテリジェンス強化も重大課題ですが、予算審議を後回しにしてまで国民に是非を問うテーマだったのか、納得いく説明はありません。

 一方、首相は選挙期間中、唯一予定されていたNHK「日曜討論」を欠席しました。会見では、手の症状の悪化に伴う治療を理由にあげ、「逃げる理由は何もない。チャンスと捉え、しっかり準備し、洋服も決めていた」などと発言しました。しかし、欠席後、午後の遊説は予定通りこなし、討論の再設定には応じていません。「逃げた」と批判されても仕方のない対応です。
 戦後最短の期間で解散・総選挙を強行し、都合の悪い争点は隠したまま、選挙に勝てば自分の思いのままに政治を進める―。数の力を頼みにした強権的な政治が進められれば、社会の分断を招くだけです。今回の自民党の「圧勝」も、十分な説明と論戦を欠いたままつくられた、虚構の多数だと言わざるを得ません。

消費税減税 国民会議に丸投げ
 総選挙では、ほとんどの党が消費税減税を公約。自民党も2年限定の食料品の消費税ゼロを公約しました。消費税減税を望む国民の声は明らかです。
 ところが、高市首相は9日の会見で「国民会議でスケジュールや財源など課題の検討を進めていく」というだけ。「野党の協力が得られれば、夏前には国民会議で中間とりまとめを行いたい」と述べたものの、財源を含む細かい制度設計は、すべて、超党派で構成される国民会議に丸投げしているのが実態です。
 高市首相は、選挙前は消費税減税を「私自身の悲願」とし、「財源が確保できるか、スケジュール感の最速はどうなのか、自分のなかでシミュレーションしている」とまで述べていました。しかし、総選挙後の記者会見では、積極的に消費税減税を進める意志は見られません。野党にも責任を押しつけることで、消費税減税を実現できなかった時の言い訳づくりにしようとしています。
 さらに、高市首相は9日の会見で「高市政権で進める政策転換の本丸は『責任ある積極財政』だ」と強調。「行き過ぎた緊縮志向、未来への投資不足から完全に脱却しなければならない」「国が一歩前に出て大胆に国内投資を推進していく」と訴えました。
「責任ある積極財政」自体、その具体性を欠いており、唯一明確なのは投資の推進です。高市首相のいう「積極財政」で潤うのは、投資支援を受ける大企業となるのは目に見えています。
 しかも、財源も明確ではなく、国債依存で国の財政を借金づけにする可能性があります。その結果、株価は上昇しても、国民は円安・物価高のツケ払いばかりを押し付けられる危険があります。

安保政策 数の力で憲法改悪
 高市首相は9日の会見で、インテリジェンス(情報活動)機能の強化といった安全保障政策の転換について、「国民のみなさまから何としてもやり抜いていけと、力強い形で背中を押していただいた」と主張しました。「国家情報局」設置のための法案を18日召集予定の特別国会に提出する意向を表明。「無人機の大量運用を含む新しい戦い方」や「長期戦への備え」を急ぎ、安保3文書を前倒しで改定するとして、大軍拡を進める姿勢を改めて打ち出しました
 しかし、選挙期間中、高市首相がこうした政策について国民に説明を尽くしたとは言えず、選挙で多数を得たことをもって「何としてもやり抜けと力強く背中を押された」と言うのは、あまりに強引な曲解です。
 最大の問題は、選挙が終わったとたん、「憲法改正に向けた挑戦も進めていく」として、改憲の是非を問う国民投票まで踏み込む発言を9日の会見でしたことです。「これまでの論点整理や議論の蓄積を踏まえ、各会派の協力を得て改正案を発議する」とし、「少しでも早く憲法改正の賛否を問う国民投票が行われるよう環境をつくっていく」と述べました。
 高市首相が選挙中改憲を訴えたのは選挙終盤になってからで、2日に新潟県で「実力組織として位置づけるため憲法改正をやらせてください」とした屋内での演説の1回きりでした。
 高市首相のこの発言を受け、国民の間に不安が広がり、SNSで「#ママ戦争止めてくるわ」との投稿がトレンド入りしました。
 自民党は単独で、改憲発議が可能となる3分の2の議席を衆院では得ました。しかし、改憲が国民の信任を得たとはとても言えません。


保険外し拡大の危険 OTC類似薬以外も
                       しんぶん赤旗 2026年2月11日
 衆院選後の国会で医療費の患者負担増を巡る議論が本格化します。高市早苗政権が狙う、市販薬と同等の効能があるとされる処方薬(OTC類似薬)の大幅患者負担増は、医療全般の保険外しに道を開きかねない問題をはらんでいます
 国民皆保険の日本では、必要な医療は保険診療でまかなうのが大原則で、保険がきかない医療と保険がきく医療を併用する「混合診療」は禁止されています。自民党政権は1984年、医療費の抑制を口実に「保険外併用療養」を強行してしまいました。
 保険外併用療養は ①先進医療など、将来の保険適用を前提としたもの ②差額ベッドなど、患者の選択で保険外と併用するもの-に例外的に認められています。
 ところが、高市政権のOTC類似薬の見直しは、医師が必要だと判断した薬であっても強引に保険対象から外す、OTC類似薬以外もこれまでとは特異なものです。日本維新の会が主張していたOTC類似薬の保険外しは断念に追い込まれましたが、保険対象は価格の75%分に限られ、その~3割の自己負担を課し、残りの25%は保険がきかない「特別の料金」として丸々患者の負担となります。いったんこの仕組みを導入すれば、数字を操作することで、たやすく患者負担増大が可能になります。
 片山さつき財務相と上野賢一郎厚生労働相の合意文書(昨年12月24日)は、OTC類似薬以外の薬剤にも「対象範囲を拡大」することや、特別料金の「割合の引き上げ」も明記しています。
 1月25日号の愛知保険医新聞は、保険外しの仕組みが医薬品にとどまらず「検査などその他の診療行為に導入されることも懸念される」と指摘。同日号の京都保険医新聞も「『療養の給付の空洞化を志向する過去最悪の制度改定となるのは必至」と警鐘を鳴らしています
 高市氏は、保険診療範囲を変更する新たな法改定案の提出を狙っています。皆保険制度を揺るがしかねない国民負担増をくい止める論戦が求められます。