2026年3月26日木曜日

イラン、ホルムズ「完全封鎖」警告 発電所攻撃表明受け/米軌道修正、発電所攻撃を延期

 対イラン軍事作戦として沖縄駐留の第31米海兵遠征部隊の2千5百人(3月27日出発)を含む計5千人規模の米海兵隊員が、力-グ島などのペルシャ湾内の島への上陸を目指し中東へ向かっています。これは当初から予想されていることなので、イランから強硬な反撃を受けて急激に泥沼化する恐れがあります。
 米国・イスラエルとイランの交戦が続く中、トランプは ガソリン価格高騰への対策として21日、イランが封鎖しているホルムズ海峡を「48時間以内に開放しなければ、原発を皮切りに多数の発電所を攻撃する」とSNSで警告しました。
 これは海峡封鎖の解除に向けた最期通告と言えますが、イラン当局は22日、攻撃を受ければホルムズ海峡を完全に封鎖し、かつ中東にある米イスラエル関連のエネルギー施設や海水淡水化施設に報復攻撃すると言明し、イエメン沖のバベルマンデブ海峡や紅海などの不安定化も「選択肢になる」と警告しました。
 トランプは23日、イランの全ての発電所とエネル千-施設に対する攻撃を5日間延期するよう国防総省に指示したと表明しました。イランの反撃が予想外に広範囲に及ぶことを勘案して一旦中止することになったものと思われます。
 イランには米本土への攻撃力はないものの、イラン周りの米軍協力国への攻撃により、中東における米軍の存在感を大きく毀損させます。これは米国として避けたい筈なので イランは有効な反撃手段を持っていると言えます。
 しんぶん赤旗と新潟日報の関連記事を紹介します。
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米海兵隊の上陸作戦視野 在日米軍など増派 湾内の島占領も
                         新潟日報 2026年3月23日
 トランプ米政権が対イラン軍事作戦を巡り海兵遠征部隊を増派している。イラン本土での本格的な地上作戦にはなお否定的とされるが、エネルギー輸送の要衝ホルムズ海峡の安全確保や原油の輸出拠点を押さえるため、ペルシャ湾の島に上陸させる可能性が浮上。ただ反撃を受ければ米兵に多くの死傷者が出るのは必至で、泥沼化の懸念も現実株を帯びる。

▽力-グ島
「われわれが望めば、いつでもあの島を破壊できる」。19日、ホワイトハウス。トランプ大統領は日米首脳会談の冒頭で、イランの主要な石油積み出し拠点カーグ島を念頭に、こう主張した。
 カーグ島はイラン本土の約30キロ沖合にある小島。主要な油田とパイプラインでつながり、イランの原油輸出の約90%を担う重要拠点の一つだ。
 トランプ氏は13日、米軍の攻撃で島にある軍事目標を「完全に破壊した」と宣言。石油インフラは狙わなかったとしたが、イランがホルムズ海峡で船舶の航行を妨害すれば攻撃すると警告した。

▽シナリオ
 地上部隊を送り込む場合、有力な選択肢となるのが海兵隊だ。米メディアなどによると、米海軍佐世保基地(長崎県佐世保市)配備の強襲揚陸艦トリポリが中東方面に航行中で、沖縄駐留の即応部隊、第31海兵遠征部隊(31MEU)の海兵隊員を含む計5千人規模が参加。米西部カリフォルニア州から同規模の別部隊も中東へ向かっている。

反撃受け、泥沼化の恐れ
 これらの戦力にはF35Bステルス戦闘機や輸送機オスプレイなどが含まれ、上陸作戦能力を持つドック型輸送揚陸艦が随行する。イランのミサイル発射拠点を空から破壊した上で、上陸部隊が主要施設を占拠するなどのシナリオが考えられる。
 カーグ島へのタンカー接岸を防ぐため海上封鎖する案や、ホルムズ海峡に近いホルムズ島、ケシム島、キーシュ島を占領する案も取り沙汰される。海兵隊を大使館員の退避支援といった
別の任務に充てる可能性もあり、米政権は複数の計画を検討しているもようだ。

▽いつまで
 仮に上陸作戦に踏み切り占拠が成功した場合でも課題は多い。対象の島はいずれもイラン本土から近く、ミサイルや無人機が届く距離にあり、部隊が攻撃にさらされるリスクがある。海
や空から補給する必要もあり、いつまで占領を続けるかという問題もある。
 交戦開始から3週間を過ぎ、米イスラエルの激しい攻撃を受けながらも、国家存亡が懸かるイランの抵抗の意志は折れず、攻撃能力は残る。
 4回の実戦経験を持つ米陸軍退役中佐は「イラン側は決意を固めており、戦争の拡大と長期化につながるだろう」と警告した。    (ワシントン共同)


48時間以内に海峡解放を」米大統領発電所攻撃を警告
                         新潟日報 2026年3月23日
【ワシントン、イスタンブール共同】トランプ米大統領は21日、イランが事実上封鎖しているホルムズ海峡を「48時間以内に開放しなければ、多数の発電所を攻撃する」と自身の交流サイト(SNS)で警告した。投稿は日本時間22日午前8時44分。イラン国営テレビによると、イラン軍事当局は22日、攻撃を受ければ中東にある米イスラエル関連のエネルギー施設や海水淡水化施設に報復攻撃すると言明した。イラン情勢はさらに緊迫の度を増した。

イラン「エネ施設に報復」
 11月に中間選挙を控えるトランプ氏は、米国民の負担感を大きく左右するガソリン価格が海峡封鎖の影響で高騰していることにいら立ちを募らせている。「さまざまな発電所を攻撃し壊滅させる。最大の発電所から始める」と強調。米メデイアは「最大の発電所は南部ブシェーール原発とみられる」と伝えた。非軍事施設への攻撃は国際法で原則禁止されている。
 トランプ氏は海峡の航行の安全確保に向け北大西洋条約機構(NATO)加盟国などに艦船派遣を繰り返し求めているが、各国は応じていない。
 イラン軍事筋はタスニム通信に対し、米軍がイランの石油積み出し拠点カーグ島の占領に踏み切れば、イエメン沖のバベルマンデブ海峡や紅海などの不安定化も「選択肢になる」と警告した。
 イスラエルメディアによると、南部ディモナとアラドに21日、ミサイル攻撃があり計170人以上が負傷した。ディモナには原子力施設がある。22日にも中部テルアビブなどに攻撃があった。
 一方、英海事当局は22日、アラブ首長国連邦(UAE)のシャルジャ沖で飛翔体が船舶の近くで爆発したと発表した。
 イラン保健吉は21日、米イスラエルの攻撃による負傷者が約2万1千人になったと発表した。中東の衛星テレビ、アルジャジーラは1444人が死亡したと報じている。


ホルムズ「完全封鎖」警告 イラン、発電所攻撃表明受け
                       しんぶん赤旗 2026年3月24日
【カイロ=時事】イラン軍中央司令部報道官22日、同国の発電所が攻撃を受けた場合、原油輸送の要衝ホルムズ海峡を「完全に封鎖する」と警告しました。イランのメディアが伝えました。事実上封鎖状態にある同海峡について、トランプ米大統領は21日、48時間以内に開放しなければイランの発電所を攻撃すると表明していました。
 同報道官は封鎖は発電所が再建されるまで続けると強調さらに、米イスラエルに関係するエネルギーや情報通信関連施設を攻撃するとともに、米軍が駐留する湾岸諸国の発電所も「正
当な標的となる」と述べました
 また、イランのガリバフ国会議長は(旧ツイッター)への投稿で「軍事予算に資金を提供している」として、米国債を購入する金融機関も攻撃対象だと主張。湾岸諸国への威圧を強めています。
 英海事機関UKMTOによれば、米イスラエルとイランの衝突が始まった2月28日以降、ホルムズ海峡周辺やペルシャ湾では飛翔(ひしょう)体による船舶攻撃などが20件以上発生。インド船籍の船など一部を除き、ほとんどの船舶が航行を取りやめています。
 イランメディアは3月22日、国際海事機関(IMO)のイラン代表者の話として「イランの敵」に該当しない船舶であれば同国と調整した上で通航できると伝ました。
 米イスラエルとイラン交戦は22日も続きました。AFP通信によると、インのアリアバディ・エネギー相は「テロ・サイバー攻撃により、国家にとっ重要な水や電気関連のンフラが甚大な被害を受けた。水供給網の一部が破壊された」と発表しまた。一方、イスラエル中心テルアビブではミサイル攻撃人が重傷を負いま


米、発電所攻撃を延期 トランプ氏軌道修正
                         新潟日報 2026年3月24日
【ワシントン、イスタンブール共同】トランプ米大統領は23日、イランの全ての発電所とエネル千-施設に対する攻撃を5日間延期するよう国防総省に指示したと表明した。交流サイト(SNS)に投稿した。発電所攻撃を警告していたが、軌道修正した。米国がイランと過去2日間「敵意の完全な解決に向けて大変良好で生産的な対話」を行ったと主張。延期はイランとの協議が進展することを条件とした。協議は今週中続くとの見通しを示した。

「生産的対話」イラン否定
 イランメディアによると、イラン外務省は23日、米国との間に「対話はない」と表明して投稿を否定した。トランプ氏は21日、封鎖状態のホルムズ海峡を「48時間以内に開放しなければ多数の発電所を攻撃する」と警告していた。
 イラン外務省は「エネルギー価格を下げ軍事計画を実行するための時間稼ぎだ」と批判した。イラン高官は発電所攻撃の5日間延期は攻撃継続の意思の表れだとし「徹底抗戦する」と表明した。
 中東情勢の緊張が緩和するとの見方が広がり、23日のニューヨークの原油先物相場は、指標となる米国産標準油種(WTI)5月渡しが一時、1バーレル=84ドルに急落した。
 イラン軍事当局の報道官は22日、米国がイランの発電所を攻撃すれば報復として「ホルムズ海峡を完全封鎖する」と警告していた。米軍駐留基地のある中東各国の発電所も正当な標的だとした。国営テレビが伝えた。
 イランには首都テヘラン近郊ダマバンドの火力発電所などの他、南部にブシェペール原発がある。非軍事施設への攻撃は原則、国際法違反となる。イランのタスニム通信は23日、アラブ首長国連邦(UAE)のバラカ原発などが報復攻撃の対象となると伝えた。イラン軍事当局報道官はビデオ声明で、自国の発電所が攻撃されれば、イスラエルの発電所や情報通信技術(ICT)関連施設を標的とすると明言。中東にある米国資本の同種企業も「完全に破壊する」と威嚇した。
 交戦は23日も続いた。イラン学生通信によるとイラン保健省は22日、2月28日の交戦開始後に約210人の子どもが殺害されたと発表した。


イスラエル、橋壊し南レバノン隔離 大統領「地上侵攻準備」と非難
                       しんぶん赤旗 2026年3月24日
【カイロ=米沢博史】イスラエルのネタニヤフ首相とカッツ国防相は22日、イスラエル国境から北に約30キロに位置するレバノンのリタニ川に架かるすべての橋の破壊を命じました。イスラエルは、イランの支援を受けるレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラヘの軍事作戦を進めています。
 リタニ川はレバノン南部と首都ベイルートなどの中央部を分ける川であり、その橋は両地域を結ぶ陸上物流の生命線です。軍は命令を受け、幹線道路が通るカスミエ橋をはじめ橋を破壊しています。
 レバノンのアウン大統領は声明を発表し、橋の破壊を深刻な主権侵害と非難しました。橋の破壊は人道支援を妨げるとともに、本格的な地上侵攻の前兆と指摘。イスラエルがレバノン南部を「緩衝地帯」として隔離し、占領を既成事実化するなど、領土拡張の足掛かりになると強い警戒感を示しました。
 さらに、インフラや民間施設、住宅地の破壊は集団的懲罰にあたり、国際人道法に違反すると強調し、国連など国際社会に対し、イスラエルの攻撃を抑止するため直ちに行動するよう求めました
 国際人道法は、民間人や民間施設を攻撃対象とすることを禁じています。国連人権局等弁務官は、イスラエルによる1OO万人以上におよぶ避難強制、医療施設や橋などのインフラ破壊、救急隊員への攻撃を国際人道法違反と非難し、民聞人への集団懲罰にあたると警告しています。
 レバノン保健省は22日、イスラエルの攻撃による2日以降の死者は少なくとも1029人、負傷者は2786人と発表しました。

ザイム真理教に関する誤解/高市訪米成功報道のデタラメ(植草一秀氏)

 植草一秀氏の2つの記事を紹介します。
1番目の記事)
 財務省(ザイム真理教)の権力とは財務省の一存で予算査定を行うことで、「この予算要求は認めるが、この要求は認めない」と裁量する権限が権力の源泉で、この財務省の権力と利益の増大を追求することが財務省の目標であり行動の原理になっています。
 財務省が財政赤字の拡大を嫌うのは、財政健全化のためではなく 財務省の裁量権限が低下するからです。財務省が切り込む歳出の中心は常に社会保障支出で、それは制度によって財政支出が自動的に決定され裁量が入り込む余地がない「プログラム支出」であるからです。
 社会保障支出の受け取り手は一般国民なので、霞ヶ関官庁へのキックバックは生まれません。こうした利権を生まない財政支出を財務省は徹底的に嫌い、社会保障支出は少なければ少ないほど好都合であるとします。逆に霞ヶ関官庁と利権政治勢力へのキックバックを生む利権財政支出の拡大は大歓迎、というのが「ザイム真理教」の本質です。
2番目の記事)
 高市訪米に対する評価は著しく低いのが実態ですが、それを無理に高く評価しているのが日本のメディアで、ここでも目を覆うばかりの偏向報道が行われています。
 ホワイトハウスに到着した高市首相を大統領は握手で迎えようとしましたが、高市は愛人に抱きつくかのような振る舞いをました。政府公表の動画はこの場面削除されました
 夕食会で高市氏絶叫しなからダンスを その写真は米国公式サイトに掲載されました。
 高市氏は大統領との会談の冒頭で「世界中に平和と繁栄をもたらせるのはドナルドだけ」と持ち上げましたが、国際法、国連憲章を無視してイランへの軍事侵攻を指揮した人物をこのように褒め上げるのは正気の沙汰ではありません。
 メディアはそうした批判が出ないように御用コメンテーターを出演させ、いち早く「高市訪米大成功論評」を流して「訪米成功」というフィクションを作り上げました。
 植草氏は「高市首相がイランへの自衛隊派遣要請に即応できなかったのは、日本国憲法第9条が盾となって無法な戦争への参画を免れたもので、憲法を守ることによって日本国民は守られることが明らかにされた」と述べ、長崎への原爆で妻を喪い、自身も被爆して死の瞬間まで医師として被爆者の救済に力を尽くした永井隆博士が自分の子に未来を託した「いとし子よ」という「護憲の詩」を紹介しています。
 そして戦争をしないために必要なものは「軍事力」ではなく「外交力」だと結びます。
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ザイム真理教に関する誤解
             植草一秀の「知られざる真実」 2026年3月23日
ザイム真理教の教義を再確認したい。一般にザイム真理教の教義が「緊縮財政」と理解されているが正しくない。財務省は「緊縮財政」を基礎に据えていない
私がかつて勤務した民間シンクタンク。経営トップには大蔵省OBが在籍した。
直属の上司は大蔵省信奉者。自分の夢はいつか大蔵省審議会の委員になることだと述べていた。

実際にこの上司はのちに夢を実現する。その上司から滾々(こんこん)と説明を受けた。
当時、大蔵省は「シーリング方式」で予算編成を行っていた。「シーリング方式」とは各省の予算要求について定率での削減を設定するもの。投資的経費5%削減、経常的経費10%削減などの枠が設定された。財政赤字が拡大し、財政赤字削減が喫緊の課題だった。

大蔵省の本音は次のものだった。「二度とこの過ちを繰り返してはならない」
どういうことか。財政赤字が膨張すると「シーリング方式」のような予算編成が常態化する。
このことによって大蔵省の権力が落ちることが最大の懸案だったのだ。「シーリング方式」によって大蔵省の権力は地に堕ちた。この過ちを繰り返してはならないということだった。

「一律削減」は大蔵省の権力を削ぎ落す。大蔵省の権力とは、大蔵省の一存で予算査定を行うこと。この予算要求は認めるが、この要求は認めない。その「権限」こそが大蔵省の権力の源泉。「一律削減方式」で大蔵省が裁量を振るう余地が狭まることは大蔵省の権力の低下に他ならない。

大蔵省高官OBの経営トップが上司に強く説明した内容を聞かされた。
大蔵省=財務省は財政健全化のために財政赤字削減を目指しているのではない。
達成目標は大蔵省=財務省の権力増大である。これが基本中の基本
財務省は国家国民のために行動しない。あくまでも財務省の利益増大のために行動する。
これが霞ヶ関官庁の基本姿勢。国民はこの事実を十分に認識する必要がある。

財務省は財政赤字の拡大を嫌う。それは財政健全化のためではない。財務省の裁量権限低下を警戒するのである。
財務省が切り込む歳出の中心は常に社会保障支出。社会保障支出はプログラム支出と呼ばれる。
制度によって財政支出が自動的に決定される。裁量が入り込む余地がない。

社会保障支出の受け取り手は一般国民。一般国民が社会保障給付を受け取っても霞ヶ関官庁へのキックバックは生まれない。利権政治勢力へのキックバックも生まれない。
このような利権を生まない財政支出を財務省は徹底的に嫌う。社会保障支出は少なければ少ないほど彼らに好都合なのだ。

逆に利権財政支出の拡大は大歓迎である。利権財政支出は霞ヶ関官庁と利権政治勢力へのキックバックを生む財政支出。霞ヶ関官庁と利権政治勢力が共謀して利権財政支出の拡大を推進する。これが「ザイム真理教」の本質の一つ。
これは税制をめぐる基本路線にも当てはまる。

続きは本日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」4373号
「日経の消費税減税阻止大運動」 でご高読下さい。
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                  (後 略)


高市訪米成功報道のデタラメ
               植草一秀の「知られざる真実」 2026年3月24日
偏向報道と世論調査数値の創作。メディアの堕落が目を覆うばかりだ。
高市訪米に対する評価は著しく低い。これを無理に高く評価する。戦前の報道そのもの。
ホワイトハウスに到着した高市首相をトランプ大統領が握手で迎えようとした。
高市首相は愛人に抱きつくかのような振る舞いを演じた。政府公表の動画にはこの場面がない。編集で削除した模様。

トランプ大統領がバイデン大統領の肖像の代わりに揶揄の意味を込めてオートペンの写真を貼り付けたのを見て大笑いした高市首相。トランプの子息をイケメンと表現。
夕食会での高市絶叫ダンス写真は米国公式サイトに掲載された。

高市首相はトランプ大統領との会談冒頭、英語で話そうとして撃沈。
極めつきはトランプ大統領との会談冒頭で「世界中に平和と繁栄をもたらせるのはドナルドだけ」と言い放ったこと。国際法、国連憲章を無視してイランへの軍事侵攻を指揮した人物にこの言葉を示すのは正気の沙汰でない。

日本の心ある識者が正当な論評を示し、メディアがそれを伝えるなら世論調査で高市訪米は徹底的に叩かれる。これを回避するためにメディアが御用コメンテーターを出演させて「高市訪米大成功論評」だけを先制して垂れ流した。
メディアの世論調査ほどいかがわしいものはないが、そのいかがわしい世論調査を活用して「高市訪米成功」というフィクションを打ち立てようとしている。

高市首相がイランへの自衛隊派遣要請に即応できなかった理由は日本国憲法第9条にある。
憲法が日本が無法な戦争に巻き込まれることを防いだ。高市首相は憲法が邪魔したと考えているだろう。日本国民は喜ぶべきだ。憲法が盾となって無法な戦争への参画を免れた

ここから得られる教訓は日本国憲法を守ることの重要性。憲法を守ることによって日本国民は守られる。高市首相が憲法の存在は邪魔だと考えるなら、なおさら憲法を壊してはならない
こうした状況に直面するにつけて思い起こされるのは永井隆博士の言葉だ。

永井博士は原爆で妻を喪い、自身も被爆して死に追い込まれた。
死の瞬間まで医師として被爆者の救済に力を尽くした。
その永井隆博士が自分の子に未来を託した。
「いとし子よ」に痛切な思いが綴られている。
「私たち日本国民は憲法において戦争をしないことに決めた。」
「これこそ、戦争の惨禍に目覚めたほんとうの日本人の声なのだよ。
しかし理屈はなんとでもつき、世論はどちらへでもなびくものである。日本をめぐる国際情勢次第では、日本人の中から憲法を改めて、戦争放棄の条項を削れ、と叫ぶ声が出ないとも限らない。
そしてその叫びがいかにも、もっともらしい理屈をつけて世論を日本再武装に引きつけるかもしれない。
もしも日本が再武装するような事態になったら、そのときこそ…誠一(まこと)よ、カヤノよ、たとい最後の二人となっても、どんな罵りや暴力を受けても、きっぱりと〝戦争絶対反対〟を叫び続け、叫び通しておくれ!
たとい卑怯者とさげすまされ、裏切り者とたたかれても〝戦争絶対反対〟の叫びを守っておくれ!」

日本が誇る最大の価値。それが日本国憲法である。憲法を壊し、戦争をする国になるべきでない。国民を守る方策は「戦争」ではない。「戦争をしないこと」が国民を守る最良の方策だ。
戦争をしないために必要なものは「軍事力」ではなく「外交力」だ。

続きは本日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」4374号
「国民を戦争に送り込む高市首相」 でご高読下さい。
                  (後 略)

「イランとの取り引きは不可能」 初歩的無知がトランプの戦略的大惨事を招いた

 トランプによるイランへの不法な先制攻撃は、攻撃開始の日が救世主に捧げられるべき土曜と重なっていたことと、聖なるラマダン月にイランの最高位宗教指導者を殺害したことでイラン国民を「殉教者」にさせました。
 トランプにはそうした認識はないので適当なタイミングでこの戦争を終わらせる積りのようですが、最高位の宗教指導者を失い、市街地を壊され、沢山の国民を殺害されたイラン国民が、簡単に停戦に応じることはなく、停戦期間を利用して武器弾薬を補充しようという米国のやり方を知った以上なお更実現は困難です。目論見が外れたトランプは深みに嵌る一方です。
 そもそも米国では中東情勢、特にイラン情勢の詳細な分析を提供できる僅かな組織は既に阻外されているので、政治的偏見に左右されずにイラン情勢を客観的に分析できる研究機関やシンクタンクは事実上存在しないという状況にあります。
 トランプは取り巻きに囲まれ、ベネズエラで実際に起きたように、もう少し圧力をかければ「イラン政権は崩壊する」という報告を受け取っていまし。しかしイランとベネズエラを同列に扱うのは致命的誤りなので トランプ陣営の根本的無知を露呈しました。
 特にイラン人のアイデンティティをトランプ政権は全く理解していませんでした。冒頭で紹介しましたがトランプが無知ゆえに犯した最も恐ろしい冒涜は宗教的聖地攻撃でした。「象徴」の意味を理解していなかったため、イラン国民を「自己犠牲という宗教的恍惚状態」にしてしまいました。
 イラン国民の90%は反政府勢力への制裁に不満を抱いているものの、3000年にわたる国家の歴史に誇りを持ち、国民としての強い帰属意識を持っているので、社会を「抗米精神」のもとに結束させました。
 その結果招来されるトランプの失敗は 後世、超大国の「分析上の大失敗」の典型例として「米国史上最大の過ちの一つ」として歴史に刻まれるだろうと著者は見ています。
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「イランとの取り引きは不可能」:イランに関する初歩的無知がトランプの戦略的大惨事を招いた経緯
                マスコミに載らない海外記事 2026年3月23日
      ムハンマド・イブン・ファイサル・アル=ラシード2026年3月20日
                      New Eastern Outlook
「認知機能の欠陥」と、政治的に偏った専門家への依存に苦しむアメリカ大統領チームは、ベネズエラで成功した手法を、3000年の歴史を持つ文明に適用しようと試みた。
 その結果、数十億ドル規模の賭けが、ラマダンを聖戦に変えてしまった。イドナルド・トランプとの非公開会話の詳細をジャーナリストに明かすとラン担当アメリカ大統領特使スティーブ・ウィトコフが決めた時、彼はおそらく自分が歴史に残る文書を作成していることに気づいていなかったろう。大統領執務室の主の心底からの驚きを彼は次のように描写した。「これほど圧力がかかり、これほど海軍力と軍事力を集中させているのに、なぜまだ彼らは我々のところに来て『我々は核兵器を開発するつもりはないと宣言します。それを証明するため我々はこうするつもりです』と言わないのか?」
 ペルシャ湾に集結する「美しい艦隊」とイラン・イスラム共和国の最高指導部の崩壊という状況下で提起されたこの問いは、超大国の「分析上の大失敗」の典型例として地政学の教科書に載るだろう。イラン人が自らの陣営における合理的当事者として、ゲームが始まる前に降伏するとニューヨーク不動産開発業者の単純な思考回路のトランプは本気で信じていた。本質的な点を彼は理解できなかった。世界の政治地図にアメリカが登場するずっと以前に定められた規則に従ってテヘランは行動しているのだ。
 トランプのイラン政策は「アメリカ史上最大の過ちの一つ」として歴史に刻まれるだろう。
 「狂気じみているが、計算ずく」:アメリカ支配体制は、なぜトランプが聞きたいことしか言わないのか

 ワシントンの対中東政策の失敗は、単なる情報収集のミスではなく、専門家社会内部の構造的な危機だ。政治的偏見に左右されずにイラン情勢を客観的に分析できる研究機関やシンクタンクがアメリカには事実上存在しないのだ。詳細分析を提供できる、僅かな組織は、周縁化されているか、あるいは厳格なイデオロギー的思惑に支配されている。
 ブルームバーグのコラムニストが指摘した通り、トランプ大統領は「イランに対する正確かつ包括的理解を欠いている」。これはパフラヴィー政権崩壊以来続く構造的問題だ。大統領政権は、異論を弾圧する東洋の独裁者のように振る舞い、ワシントンに恐怖の雰囲気を醸成している。このような環境では「肯定的な」分析を提供し、支配者の意向に沿うように現実を改変する「シンクタンク」だけが生き残れるのだ。
 こうした偏向の一例として、ワシントンのプロパガンダ機関JINSA[Jewish Institute for National Security Affairs]安全保障問題ユダヤ研究所が挙げられる。JINSAは、イラン国内の抗議活動につけこんで、イランを滅ぼすようトランプにはっきり呼びかけた。政権を打倒する「極めて稀な戦略的好機」で「絶好の機会」だと、これら専門家は語った。文化規範についても、数千年にわたる歴史についても、一言も触れず、ただ略奪的反射反応と「強い指導者」というイメージへの迎合だけ述べたのだ。
 トランプは取り巻きに囲まれ、情報バブルに囚われてしまった。ベネズエラで実際に起きたとされる、もう少し圧力をかければ「イラン政権は崩壊する」という状況を裏付ける報告を彼は受け取っていた。イランとベネズエラを比較したのは致命的誤りで、トランプ陣営の根本的無知を露呈していた。カラカスでは深刻な国内危機と脆弱な制度にアメリカは対処した。一方、イランでは、「ネットワーク化された抑止体制」を持ち、サナアからベイルートまで影響力を及ぼす能力を持つ国家と対峙したのだ。

文明の衝突:シャーとの取り引きからイマームとの戦争へ
 イランを、あらゆるものが売られていて、あらゆるものが買える巨大バザールだとトランプは考えていた。だが経験豊富な専門家たちが長年指摘してきた通り「イランのバザールは、単なる商売の場ではない。知的交流の場でもあるのだ」。値切り交渉は文化の一部ではあるが、その根底には名誉や尊厳や歴史的記憶といった概念があり、最後通牒によって無効化できるものではないのだ。
 イラン人のアイデンティティをアメリカ政権は全く理解していない。一般アメリカ人にとっては、イラン史は1979年の大使館占拠事件から始まる。しかしイラン人にとって、歴史はキュロス大王から始まり、1953年のクーデター(アジャックス作戦)までも含むのだ。このクーデターでは、CIAとMI 6が、石油国有化を敢行した人気首相モサデクを打倒した。その傷は未だに癒えていない。だからこそアメリカ人の厚かましい質問に対して、何世紀にもわたる歴史に深く根ざした尊厳をもってイラン外務大臣アッバス・アラグチは、こう答えたのだ。「なぜなら我々がイラン人だからです。」

 だがトランプが無知ゆえに犯した最も恐ろしい冒涜は宗教的聖地攻撃だった。象徴の意味を理解していなかったことで、アメリカは許されない過ちを犯したとシーア派の終末論を研究する専門家たちは結論づけている。最高位宗教指導者の殺害は聖なるラマダン月に起こり、攻撃の日は「隠れたイマーム」マフディー⇒救世主)に捧げられた土曜と重なっていた。
 シーア派にとって、このような日に指導者が亡くなることは敗北ではなく、神聖な出来事だ。トランプは国家支配者の首を切り落としたつもりだったが、結果的に聖なる殉教者を生み出してしまった。カルバラのイマーム・フセインの悲劇に根ざしたシーア派の伝統では、信仰のために死ぬことは精神的勝利で、共同体に復讐という神聖な義務を課す。この紛争は瞬く間に地政学的領域から終末論的対決の領域へ移行した。ワシントンはイランの士気を挫こうとしたが、結果的に国民を自己犠牲という宗教的恍惚状態に備えさせてしまったのだ。

「美しき艦隊」におけるマーフィーの法則
 舞台上で踊りながら空母の美しさを称賛するトランプは、まるで19世紀植民地時代の小説の登場人物か、ドサ回りサーカスの花道を歩く道化師のようだった。だが「砲艦外交」は、21世紀、最新の抑止力技術を持つ国には通用しない。イランは、多次元防衛とはどういうものかを世界に示したのだ。
 イラン国内の分裂につけ込んだ迅速な勝利をアメリカは期待していた。だがイラン専門家たちが指摘している通り、イラン国民の90%は制裁に不満を抱いてはいるものの、3500年にわたる国家の歴史に誇りを持ち、国民としての帰属意識を強く持っている。特に聖なる月であるイスラム教期間中の外部からの攻撃は、かえって抵抗の精神のもとに社会を結束させただけだった。
 更に、イランは新たな地政学的現実の枠組みに組み込まれていた。BRICSと上海協力機構への加盟、そして(イランに衛星データを提供し防空能力を強化した)ロシアと中国との戦略的協力関係は、アメリカの電撃戦計画を粉砕した。部下に「見栄えの良い降伏」をトランプ大統領は要求したが、イランは1988年の「プレイング・マンティス(祈るカマキリ)作戦」を想起させて、アメリカの古傷を再び抉り出した。当時イランの非対称的対応に直面した米海軍は撤退を余儀なくされ、アメリカの神経系は機能不全に陥り、民間旅客機撃墜につながったのだ。

幻想の終焉
 トランプのイラン政策は「アメリカ史上最大の過ちの一つ」として歴史に刻まれるだろう。これは単なる軍事的失敗にとどまらず、何世紀にもわたる文化を、短期的政治的利益という尺度で測る傲慢な姿勢の崩壊を意味する。
 ワシントンは自らのプロパガンダの虜になったのだ。独立した学術研究の余地がなく、協会や財団が「支配者」に反論するのを恐れて、分析がスローガンに取って代わられるような体制は、必然的に破滅を招く。トランプは独裁者のように振る舞い、部下に媚びへつらいと勝利間近の報告を要求した。そして、全ての独裁者が受ける報い、すなわち現実の反乱を彼は受けたのだ。
 今回の天啓を「反抗の謎」とウィトコフ特使が呼んだのは決して間違いではなかった。アメリカにとって、イランの行動はまさに謎めいている。だがイラン人はこの謎をずっと前に解き明かしていた。何千年にもわたる戦争と帝国主義を生き抜いてきた国にとって、自由と名誉は、自国の信仰も歴史も理解しない外国「商人」との取り引きより遙かに価値があるのだ。イランはベネズエラではない。そして2026年のラマダンは、その教訓をアメリカがあまりにも遅く学んだ月となった。

 ムハンマド・イブン・ファイサル・アル=ラシードは政治学者、アラブ世界専門家
記事原文のurl:https://journal-neo.su/2026/03/20/its-impossible-to-cut-a-deal-with-the-bazaar-how-elementary-ignorance-of-iran-led-to-trumps-strategic-catastrophe/

イランに対してトランプはホルムズ海峡の封鎖を解けと命じたが、相手にされず

 トランプは21日、イランがホルムズ海峡の封鎖を48時間以内に解くように要求し、もし解かなければイランの発電所を破壊すると脅迫しましたが、イランはその場合にはホルムズ海峡を完全に封鎖し、破壊された施設が再建されるまで再開させないと警告し、さらにイスラエルの発電所、エネルギー関連施設、通信関連施設を標的にし米国系企業も攻撃するとして、トランプの要求には応じませんでした
 ホルムズ海峡を通過するタンカーは石油の20%を占め、化学肥料の製造に不可欠な尿素30%を占めるので、世界の人口の4割以上が影響を受けていて、既に世界の経済は麻痺し始めていてます。
 現在のイスラエルのミサイル迎撃率は5%程度でイランの攻撃に対応できていません。
 トランプはイラン空軍とその防空システムを完全に破壊したと宣言しましたが、イランのミサイルは米軍のF-35、F-15、F-16などに命中しているし、F-35の「ステルス神話」も崩れ去、米軍とイ軍の戦闘機がイラン上空を飛行する頻度急速に減少しています
 米英の金融資本もイランとの戦争を終了させたがっていると思われます。
 記事の後半は、戦争を続けたい勢力は、米国の「キリスト教シオニスト」とイスラエルの「修正主義シオニスト世界連合」だけという話です。旧約聖書では約3000年以上も昔の「今は実在しない『アマレク人』に関する神話」がシオニズムのベースになっているという話です。許される筈がない民族の殺戮をそうしたもので合理化することの異常性は明らかです。
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イランに対してトランプはホルムズ海峡の封鎖を解けと命じたが、相手にされず
                         櫻井ジャーナル 2026.03.24
 ドナルド・トランプ米大統領は3月21日、イランがホルムズ海峡の封鎖を48時間以内に解くように要求、もし解かなければイランの発電所を破壊すると脅迫したが、イランは報復を予告している。条件付きで通過が許されているホルムズ海峡を完全に封鎖し、破壊された施設が再建されるまで再開させないとIRGC(イラン革命防衛隊)は警告。さらにイスラエルの発電所、エネルギー関連施設、通信関連施設を標的にし、アメリカ系企業も攻撃するとしている。
 現在、イスラエルのミサイル迎撃率は5%程度で、イランの攻撃に対応することは不可能だ。アラブ首長国連邦、サウジアラビア、クウェート、カタールなどにはイランを攻撃するために使われているアメリカ軍基地が存在しているが、それらに対する攻撃も続く。裏道で喧嘩に明け暮れているチンピラのような手法はイランにも通じない
 トランプ政権が始めたイランとの戦争により、すでに世界の経済は麻痺し始めている。COVID-19(2019年-コロナウイルス感染症)騒動で破壊しきれなかったサプライ・チェーンがイランに対する攻撃で危機に瀕している。
 トランプ大統領はアメリカ軍の作戦によってイラン空軍とその防空システムを完全に破壊し、イランは「防空能力を一切失った」と宣言したが、イランのミサイルがアメリカ軍のF-35、F-15、F-16などに命中しているようだ。アメリカの「無敵神話」はウクライナですでに崩壊しているが、F-35の「ステルス神話」も崩れ去った。アメリカ軍とイスラエル軍の戦闘機がイラン上空を飛行する頻度が急速に減少しているとも伝えられている。

 ホルムズ海峡を通過するタンカーは世界へ供給されている石油の20%を占める。化学肥料の製造に不可欠な尿素の場合、海峡が封鎖されると30%が供給されなくなってしまい、世界の人口の4割以上が影響を受けるという。トランプ政権の恫喝戦術は事態を悪化させるだけだ。
 そこでトランプ大統領はTruthへの投稿で、アメリカとイランは「過去2日間、中東における敵対行為の完全解決に関して非常に良好かつ建設的な協議を行った」と主張、イランの発電所に対する攻撃を5日間延期するよう国防省に命じたと発表したが、イラン外務省はそうした協議が行われた事実はないと否定した。そうした発言はエネルギー価格を引き下げ、軍事計画を実行するための時間稼ぎが目的だと述べている。
 確かにアメリカをはじめとする西側諸国の「交渉」は新たな攻撃を準備するための時間稼ぎに過ぎないことはウクライナにおける戦争でも明確になっている。

 トランプ政権のイラン攻撃はすでに破綻している。アメリカやイギリスの影響下にあるオマーンで外務大臣を務めているバドル・ビン・ハマド・アル・ブサイディはイギリスのエコノミスト誌にエッセイを寄稿、アメリカの友好国はアメリカを不法な戦争から救い出すために支援しなければならないと主張している。ロスチャイルド家の雑誌と言われているエコノミスト誌にそうした意見が掲載されたのだ。米英の金融資本もイランとの戦争を終了させたがっているのだろう。
 戦争を継続したがっているのはアメリカのキリスト教シオニストやイスラエルの「修正主義シオニスト世界連合」だけのように見える。このふたつは1970年代から手を組み、勢力を伸ばしてきたトランプ政権の「ホワイトハウス信仰に基づく地域連携局」でスピリチャル顧問を務めるポーラ・ホワイト-ケインもそうした一派のひとりだ。
 彼らの掲げる教義によると、キリストに従う「善の軍勢」と反キリストの「悪の軍勢」が「ハルマゲドン」で最終戦争を行い、人類の歴史は幕を閉じる。その際、再臨するキリストによって自分たちは救われるのだという。ジェリー・フォルウエルなど有名なテレビ説教師の大半がこの説を信じている。ポーラ・ホワイト-ケインもテレビ説教師である。
 「四千万を超えるといわれる聖書根本主義者たちは、聖書に書かれた神の都シオンと現代のシオニズム国家イスラエルを中心に信仰体系を打ち立てている」。この信仰体系は天啓的史観と呼ばれている。(グレース・ハルセル著、越智道雄訳、「核戦争を待望する人びと」、朝日選書、1989年)

 イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は2023年4月に警官隊をイスラムの聖地であるアル・アクサ・モスクへ突入させ、ガザにおける住民大虐殺の下地を作った。同年10月3日にはイスラエル軍に保護された832人のイスラエル人が同じモスクへ侵入してイスラム教徒を挑発。ハマスなどの武装集団がイスラエルを陸海空から攻撃したのはその後、10月7日のことだ
 この攻撃では約1200名のイスラエル人が死亡したとされたが、イスラエルのハーレツ紙によると、イスラエル人を殺害したのはイスラエル軍。同軍は侵入した武装グループを壊滅させるために占拠された建物を人質もろとも砲撃、あるいは戦闘ヘリからの攻撃で破壊している。イスラエル軍は自国民の殺害を命令したというのだ。いわゆる「ハンニバル指令」である。

 その攻撃から間もなく、ネタニヤフ首相は「われわれの聖書(キリスト教における「旧約聖書」と重なる)」を持ち出し、パレスチナ人虐殺を正当化している。聖書の中でユダヤ人敵だとされている「アマレク人があなたたちにしたことを思い出しなさい」(申命記25章17節から19節)という部分を彼は引用、「アマレク人」をイスラエルが敵視しているパレスチナ人に重ねたのである。
 その記述の中で、「アマレク人」を家畜と一緒に殺した後、「イスラエルの民」は「天の下からアマレクの記憶を消し去る」ことを神は命じたというわけだ。「アマレク人」を皆殺しにするという宣言だが、このアマレク人をネタニヤフたちはアラブ人やペルシャ人と考えている可能性がある

 サムエル記上15章3節には「アマレクを討ち、アマレクに属するものは一切滅ぼし尽くせ。男も女も、子供も乳飲み子も牛も羊も、らくだもろばも打ち殺せ。容赦してはならない。」と書かれている。これこそがガザでイスラエルによって行われていることだと言えるだろう。ネタニヤフによると「われわれは光の民であり、彼らは闇の民」なのである。ネタニヤフ政権はパレスチナ人だけでなく家畜も皆殺しにした上、彼らの存在を歴史から抹殺すると言っているのだ。
 ネタニヤフのイラン攻撃はこの延長線上にある。おそらく、彼は中東に住むすべてのイスラム教徒を虐殺しようとしている。そのために彼はあらゆる手段を講じる。