2026年11月5日木曜日

軍事費70兆~80兆円も 政府・与党 現行計画の1・8倍案浮上

 しんぶん赤旗の2つの記事を紹介します。
 事情を知る2人の関係者が匿名を条件にロイター通信に語ったところによれば、高市政権が進める大軍拡計画において、27年度から5年間の「防衛力整備計画」に必要な経費を約2倍にする案が政府・与党内に浮上していることが3日までに分かりました。
「防衛力整備計画」は、今後5年間に導入する装備の数量と金額を示したもので、金額は年末の予算編成や安保3文書改定の中で変動はしますが、実現すれば27年度から5年間の軍事費は、現行計画(23~27年度)の約43兆円に比べて、約1・8倍の規模になります。
 ロイターによると、関係者の1人は為替市場で円安が進んだことで、円換算での装備調達コストがかさんでいるとの見方も示し、別の関係者は「最終的に70兆円台の半ばから後半でまとまる可能性がある」とし、東アジアの安全保障環境を考えた場合「さらなる積み増しも視野に、年末に向けて政府・与党内で議論する必要がある」と語り、80兆円台に到達する可能性も否定しませんでした。
 仮に軍事費がGDP比3・5%になれば、26年度名目GDP換算で年24・2兆円になり、国家予算の2割が軍事費になります。国民1人あたりだと年19万円、4人家族で76万円という、途方もない金額です。
 そんな莫大な財源が一体どこにあるというのでしょうか。財源については2番目の記事で検討していますが、何処から生まれてくるわけでもないので、国債に拠るか増税に拠るかしかありません。
 軍事費を国債に依存するのは財政規律違反だし、増税によるのであれば国民の窮乏は明らかに限度を超えます。
 高市氏はひたすら中国などを仮想敵国として国民に軍備拡張の必要性を強調しますが、それは真実なのでしょうか。「東アジアの安全保障環境を考えれば云々」といいますが、一体何処にそれ程の危機が存在するというのでしょうか。
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軍事費70兆~80兆円も 政府・与党 現行計画の1・8倍案浮上
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 高市政権が進める大軍拡計画に絡み、2027年度から5年間の「防衛力整備計画」に必要な経費を約2倍にする案が政府・与党内に浮上していることが3日までに分かりました。事情を知る2人の関係者が匿名を条件にロイター通信に語りました。
「防衛力整備計画」は、今後5年間に導入する装備の数量と金額を示したもので、防衛省の予算編成の指針となります。金額は年末の予算編成や安保3文書改定の中で変動しうるものの、実現すれば27年度から5年間の軍事費は、現行計画(23~27年度)の約43兆円に比べて、約1・8倍の規模になります。
 ロイターによると、関係者の1人は、増額を見込む予算が「大規模なドローン(無人機)の調達などに充てられる」との考えを示しました。また、為替市場で円安が進んだことで、円換算での装備調達コストがかさんでいるとの見方も示しました。別の関係者は「最終的に70兆円台の半ばから後半でまとまる可能性がある」とし、東アジアの安全保障環境を考えた場合、その規模で十分かどうかは疑問が残ると指摘。「さらなる積み増しも視野に、年末に向けて政府・与党内で議論する必要がある」と語り、80兆円台に到達する可能性も否定しませんでした。

 政府は従来、軍事費の目安を国内総生産(GDP)比1%以内とし、防衛省予算はおおむね5兆円以内で推移してきました。ところが、米政府の要求を受け、22年12月に決定された現行の安保3文書に、軍事費の2倍化=GDP比2倍化(約11兆円規模)を明記。26年度の防衛省予算は約9兆円にまで膨張し、違憲の敵基地攻撃能力である長射程ミサイルの導入などに費やされてきました。
 仮に今後の「防衛力整備計画」が80兆円規模に達すれば、防衛省予算は1年あたり16兆円規模になり、教育予算の3倍以上になる可能性があります。


「消費税減税」の一方「防衛増税」か 財源なき高市大軍拡
                       しんぶん赤旗 2026年11月4日
 1面報道(⇒上記記事 以下同)のように、高市政権は年末に予定している安保3文書の改定で、空前の大軍拡を計画しています。現行安保3文書に基づく長射程ミサイルや、F35ステルス戦闘機など米国製高額兵器の導入などに加え、「新しい戦い方」と称して、指揮統制システムヘの人工知能(AI)導入、攻撃型無人機(ドローン)の大量導入、武器の大量生産を可能にするための軍需産業支援などのため、軍事費を大幅に増やす狙いです。

■米国への「奉仕」
 政府は中国の軍事力増強を念頭に、「東アジアの厳しい安全保障環境」を軍拡の□実にあげますが、実際はトランプ米政権の要求に基づくものです。今年1月に公表された「国家防衛戦略(NDS)」は、軍事費の国内総生産(GDP)比3・5%、関連経費とあわせて5%を「世界基準」に設定して、すべての同盟国に達成を求めています。
 ヘグセス国防長官は10月28日、小泉進次郎防衛相との会談で、米中軍事対立の最前線である「第一列島線」を強化するため、日本に軍事費増額を公然と要求しました。トランプ政権は、米国の「西半球重視」を打ち出す一方、「対中国」ではインド太平洋の同盟国、とりわけ日本の負担増大を要求。ここに、大軍拡の根源的な要因があります。

■財源①-国債?
 仮に軍事費がGDP比3・5%になれば、2026年度名目GDP換算で年24・2兆円になり、国家予算の2割が軍事費になります。国民1人あたりだと年19万円、4人家族で76万円という、途方もない金額です。仮に、1面報道の年間16兆円規模であっても、26年度軍事費(防衛省予算)9兆円の1・8倍です。
 問題は財源です。そもそも、現行の「防衛力整備計画」で示された43兆円の財源自体、対象が不明確な「歳出改革」や「決算剰余金」、1回きりの財源である「防衛力強化資金」などを積み重ねており、不安定な構造です。しかも、大量の戦時国債で侵略戦争を誘発した戦前の教訓を踏みにじり、「軍事国債」にまで着手。現在、自衛隊の基地整備と艦船の建造は基本的に国債で賄われています。
 そこから、さらに軍事費を倍増させるのは容易ではありません。選択肢の一つは国債の増発です。しかし、安保3文書改定に向けた政府有識者会議の第5回会合(10月27日)
で、財務省は ①債務残高対GDP比が諸外国の2倍程度と高い ②普通国債残高は1000兆円を超え、利払い費も増えているーことなどをあげ、国債増発に否定的な見解を示しました。
 国債増発に踏み切れば円の信用が低下し、さらなる円安を招くことは避けられません。海外から購入する兵器の円価格が上昇し、軍事費のさらなる積み増しをもたらす悪循環を引き起こします。

■財源②-増税?
 社会保障費や教育費、農業予算など国民生活に不可欠な予算の圧縮や削減も当然、狙われます。しかし、こうした「歳出改革」には限界があります。そうなれば、増税以外に選択肢はありません。
 現在、政府内には法人税増税が選択肢として浮上してます。しかし、財界は反発日本経団連の筒井義信会長10月20日の記者会見で、設備投資や研究開発投資に水をさすとの見解を示しています
 では、庶民増税なのか。市政権は2年間の期限付で、食料品に限って消費税1%に減税する法案を提出ています。これ自体は2年に税率を現行の8%に戻す増税を前提にしており、とうてい物価高対策にはなりませんが、少なくとも「減税」を看板にした法案と並行して「防衛増税」を推進することはおよそ成り立ちません。
 軍拡の財源だけではありません。消費税減税も、「戦略17分野」への370兆円投資も財源を示していません。早晩、高市政権は深刻な矛盾に直面することは避けられません。

憲法の平和理念生かそう 公布80年 国会前1・4万人集結

 日本国憲法が公布されて80年の3日、全国各地で憲法を守り生かそうと求める宣伝や講演会が行われました。国会正門前では「主権者は私たち!11・3憲法大行動(略称)」が取り組まれ、1万4000人が参加しました。
 しんぶん赤旗の記事を紹介します。同紙には、主催者「戦争をさせない1000人委員会」:内田雅敏さん、前沖縄県知事 玉城デニーさん、早稲田大学名誉教授 浅倉むつ子さん、「新外交イニシアティブ」事務局長 巖谷陽次郎さんのスピーチが載りましたので併せて紹介します。
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憲法の平和理念生かそう 公布80年 国会前1・4万人集結
                   しんぶん赤旗 2026年11月4日


「主権者は私たち」「憲法改悪絶対反対」とコールする人たち=3日、国会正門前



 日本国憲法が公布されて80年の3日、全国各地で憲法を守り生かそうと求める宣伝や講演会が行われました。国会正門前では「主権者は私たち!11・3憲法大行動 改憲・軍拡・差別NO!今こそいのちと暮らしを守る政治を!」が取り組まれました。主催は総がかり行動実行委員会と9条改憲NO!全国市民アクション。「輝け憲法 日本の礎」「NO WAR」などのボードを持った1万4000人(主催者発表)が参加し「改憲反対」「市民の声で政治を変えよう」とコールしました。

 主催者あいさつで戦争をさせない1000人委員会の内田雅敏さんは、戦争責任や沖縄の基地負担などが解決されない限り「未完の憲法」のままだと指摘。「中国との友好、平和を確認した平和資源を生かして憲法97条を実践していこう」と述べました。
 スピーチで前沖縄県知事の玉城デニーさんは「非核三原則が見直しされれば再び戦争の恐怖が持ち込まれる。戦争させるきっかけをつくらない大きな声を渦にしていこう」と呼びかけ。早稲田大学名誉教授の浅倉むつ子さんは「議員定数という民主主義の大切な仕組みを党利党略で変えるべきでない」と強調し、新外交イニシアティブ事務局長の巖谷(いわや)陽次郎さんは「安心を届け、戦争の芽を摘む外交に力を入れるよう日本を変えよう」と述べました。


あいさつする田村智子委員長(中央)と小池晃書記局長(左)、山添拓政策委員長=3日、国会正門前




 日本共産党の田村智子委員長、立憲民主党の岸真紀子参院議員、民主改革の会の有田芳生衆院議員、社民党の福島瑞穂党首、「沖縄の風」の伊波洋一参院議員があいさつ。田村氏は、初の女性参政権、20歳以上の普通選挙で選ばれた議会のもと、41回の審議で誕生したのが日本国憲法だと強調。「先の戦争の加害と被害の歴史をあまりにも軽視する高市早苗首相が憲法を変えると言うのは、本当に恐ろしいこと」だと述べ、「戦争国家づくり」と、そのために狙う議員定数削減を止めることを訴え、「国民、野党と連帯して頑張る」と決意表明しました。

 友人2人を誘って参加した東京都内在住のAさん(31)は「権力者を縛る憲法を高市政権に変えられたくない。誰かを殺し殺される当事者になりたくない」と語りました。


命守る政治実現へ 憲法大行動 あいさつ・スピーチ
                    しんぶん赤旗 2026年11月4日
 3日、国会正門前で開かれた「主権者は私たち!11・3憲法大行動」では、高市早苗政権による改憲と大軍拡、差別にノーをつきつけ、市民の力で、今こそいのちと暮らしを守る政治を実現しようと、スピーチが行われました。

憲法97条を実践しよう
主催者あいさつ 戦争をさせない1000人委員会 内田雅敏さん

 亡くなった憲法学者の奥平康弘さんが「日本の憲法は未完の憲法である」と言っておられました。戦争責任の問題、米軍基地の重圧に呻吟(しんぎん)する沖縄の問題などが解決されない限り、日本の憲法は未完の憲法であるということだと思います。
 韓国の憲法は前文に、1919年の三・一独立運動、60年の4・19民主革命、つまり、日本の植民地支配に対する抵抗、李承晩の独裁政権に対する抵抗が書き込まれています。そして今、80年の光州事件を書き込もうとしています。
 日本の憲法も韓国の憲法も日本の敗戦を契機として生まれました。韓国の憲法は闘う憲法です。日本の憲法は「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し」た反省の憲法です。
 憲法97条は「この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利」とうたっています。
 まだ私たちはこの憲法97条を十分に実践しておりません。私たちが97条を実践することによって、私たちの憲法は韓国の闘う憲法に到達するわけです。
 いま日本は、中国と敵対的相互依存関係にあります。しかし、日中は四つの基本文書をもっています。この平和資源を活用し、東アジアの平和をつくっていかなければなりません。
 私たちが97条を実現いたしましょう。


戦争の恐怖持ち込むな 前沖縄県知事 玉城デニーさん


 沖縄と連帯して、このように多くの方が声を上げ続けていることと、憲法について考え、尊重することを力強く進めていくことを今日、共有したいと思います。
 米軍の施政権の中で、沖縄県民は平和憲法である日本国憲法の下に帰ることを求め、1972年に祖国復帰を実現しました。復帰後も米軍基地が沖縄に残され、95年の少女暴行事件、96年のSACO(日米特別行動委員会)最終報告、それから30年たっても基地の返還は遅々として進んでいません。だからこそ、私たちは主権者として声をあげること、憲法を守るという思いを連携することが大事です。その思いを沖縄と一緒に、皆さんとともにつくるために大きな力を貸していただきたいと思います。
 非核三原則が見直されようとしています。沖縄は、かつて1300発余りの核弾頭が保存されていたと言われています。非核三原則が見直されてしまった場合、再び日本に沖縄に戦争の恐怖を持ち込んでくることにほかなりません。
 閣議決定で何でも決めてしまっている政権は国民の声を聞いていない。私たち主権者の思いを国会にも届け、国会でも議論してもらい、多くの地域からの声を東京で、国会議事堂で堂々と主張し続けていこうではありませんか。
 戦争するきっかけが生まれたら、歯止めがきかなくなってしまう。戦争は絶対させないという思いを日本国憲法をもとに、大きな渦にしていきましょう。


国民の声 遠のかせない 早稲田大学名誉教授 浅倉むつ子さん


 8月に「議員定数削減反対! 緊急アクション」を立ち上げました。女性の権利のために活動してきた40人の方たちが呼びかけ人になってくれました。国会議員の数が削減されてしまうと、私たちが求めてきた平和、平等、人権の実現がますます遠のいてしまう危機感をいち早く察知し、全員が共有しました。
 当初、自民党と維新の会は衆院の比例区の議席を45削減する提案をし、野党が一致して反対しました。ところが10月末に、削減数を45から31にする折衷案を出し、国民民主党が受け入れる宣言をしたのです。
 この3党合意によって、11月中旬を待たずに法案が作られ、委員会を通ってしまうかもしれない。今、最大の危機を迎えています。
 人口あたりの議員数でみると、日本はOECD(経済協力開発機構)38カ国中36位という少なさです。3党は人口減少を理由に挙げていますが、人口が減っても国民が抱える問題は解決していません。地域医療の崩壊、物価高、格差の拡大、学費の値上げ、長時間労働や過労死もなくなっていません。議員がやるべき仕事は増えています。
 国会議員を減らせば、国民の声が届かなくなります。議員定数削減は国民の民意を切り捨てることです。経費削減をいうなら、政党交付金を削減し、政治と金の問題を議論すべきです。国会の行政監視機能も強めて政治を前にすすめてほしい。力を合わせて、最後まで声を上げていきましょう。


現実的ではない大軍拡 新外交イニシアティブ事務局長 巖谷(いわや)陽次郎さん


 私たちは、日本の安全保障政策や米軍基地、原子力政策などあらゆる問題の根幹に、従米外交の問題があるということを意識し、日本の外交を変えようと活動しているNPOです。
 年末に、高市早苗政権が予定する安保3文書の改定で、争点の一つは防衛費の増額です。今後5年で80兆円増やすと報道が出ています。2022年の安保3文書で決めた、5年で43兆円をおよそ2倍にする提案です。段階的に上げていくと、31年度は20兆円になる計算です。日本のGDP(国内総生産)の3%に達するように防衛費を増やすよう話がされているようです。
 現行の安保3文書でも防衛費の財源が足りないと、防衛特別所得税、防衛特別法人税などを充てています。80兆円のためにどれだけ増税するのか、あるいは国債を発行するのか。本当に現実的ではありません。
 「トランプさん(米大統領)が3・5~5%に引き上げを要請したからヨーロッパ、韓国が増やした。だから日本も」という議論があります。日本にそんな余裕があるのでしょうか。トランプさんが求めたのだから従わないといけないわけではないんです。スペインは拒否しているんです。拒否しませんか、日本でも。
 武器を輸出して防衛産業がもうけられる計画が示されました。高市さんは、「強く豊かに」といいますが、戦争で豊かになることは許せません。
 戦争を絶対させないために、日本も外交に力を入れるよう変えましょう。

  憲法を守る政治を求めて声を上げる人たち=3日、国会正門前

05- 地滑り崩落したトランプ共和党(植草一秀氏)

 植草一秀氏の掲題の記事を紹介します。
 11月3日に実施された米国中間選挙で共和党は下院で過半数を失っただけでなく、上院でも過半数を割り込むという大敗を喫しました。植草氏はトランプ共和党の敗因についてはかたっていませんが、世上ではトランプがネタニヤフに唆されて2月に突如始めた「イラン攻撃」によって、ディーゼル(軽油燃料)やガソリンなどが世界的に高騰し、米国民の反感を招いたことが大きいとされています。
 植草氏は、中間選挙結果による三つの側面の変化を考察する必要があるとします。
 具体的には下記です。
 ①「経済への影響」として、データセンター建設に対する急ブレーキが生じる可能性が高まることで、本年6月にかけてAI半導体関連株式の大暴騰が生じたものの、これが「バブル崩壊」の局面を迎えることになり経済金融市場に重大な影響を与えると見ています。
 ②「世界の戦乱拡大に対する影響」として、トランプは24年の大統領選に際して「戦争をやめさせる、戦争を起こさない」ことをアピールして当選したものの、トランプ2.0の現実は真逆で、2月末にはイランに軍事侵攻しましたが泥沼化し、ウクライナ戦争については大統領になれば瞬時に戦争を終結させると豪語しましたが、いまだに停戦すら実現していません。ガザの悲劇に対しても抑止力を発揮しませんでした。
 トランプが戦争終結に向けて基本スタンスを修正するのかどうか注視しなければならないとします。
 ③は「米国外交の軌道修正が行われるのかどうか」であり、対中国、対ロシアでの融和路線を推し進めるのであれば、世界の平和と安定に資するので、この点に一定の期待感が残存するとしています。
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地滑り崩落したトランプ共和党
              植草一秀の「知られざる真実」 2026年11月 4日
11月3日に実施された米国中間選挙でトランプ共和党が大敗した。
共和党は下院で過半数を失っただけでなく、上院でも過半数を割り込んだ。
上院では激戦7州=アラスカ、カンサス、テキサス、メイン、ミシガン、オハイオ、アイオワでの勝敗が焦点となったが、7州のすべてで民主党が勝利する見通し。
民主党の地滑り勝利である。

結果として民主党が上院でも過半数を占有することになった。
民主党が上下両院過半数を占有することにより、トランプ大統領の議会運営は極めて厳しいものになる。上下両院での法案可決が困難になる。
大統領には拒否権があるが拒否権を濫用すれば政治決定が滞ることになる。

下院は大統領弾劾訴追権を持つ。大統領弾劾の訴追が行われると議会は調査を行う。
この調査によって疑惑に対してメスが入れられる。このこと自体がトランプ大統領にとって打撃になる。
大統領弾劾は上院での3分の2以上の賛成が必要。現時点で大統領弾劾の可能性は高くないが、共和党上院議員の一部が造反すれば弾劾が成立する可能性も生まれる。
エプスタイン疑惑、不正金融取引疑惑が追及される可能性が高い。

また、重要人事の決定権を上院が握る。米国憲法は同一人物の大統領在職を2期までとしているため、トランプ大大統領が28年大統領選に出馬する可能性はない。
大統領任期は残り2年あるが、議会主導権を民主党が握ることになり、トランプ大統領の影響力が急速に縮小することになるだろう。トランプ大統領のレームダック化が急激に進行することになる。

トランプ共和党大敗を受けて大きな変化が生じる可能性が高い。
三つの側面の変化を考察する必要がある。
第一は経済への影響。
2025年から26年にかけて巨大なAIブームが広がった。
半導体需要が拡大するとともにデータセンター建設を中軸とする巨大投資計画が急拡大した。トランプ大統領はこの分野の投資拡大を積極推進するスタンスを示してきた。
しかし、米国内では急激なデータセンター建設に対する反発が広がってきた。
住民の反発の意向を受け止めたのが民主党。議会の上下両院過半数を民主党が占有したことを受けてデータセンター建設に対する急ブレーキが生じる可能性が高まる。
株式市場では本年6月にかけてAI半導体関連株式の大暴騰が生じたが、これが「バブル崩壊」の局面を迎えつつある。
このことが経済金融市場に与える影響は重大なものになる。

第二は世界の戦乱拡大に対する影響。
トランプは24年大統領選に際して「戦争をやめさせる、戦争を起こさない」ことを宣伝文句にした。このアピールに共感してトランプに投票した有権者が多い。
ところが、トランプ2.0の現実は真逆だった。本年初にベネズエラに軍事侵攻。2月末にはイランに軍事侵攻した。イラン戦争は早期停戦実現の可能性がありながら、米国が上げた拳の下ろしどころを見いだせず、泥沼化している。
ウクライナ戦争については、25年の大統領就任の瞬間に戦争を終結させると豪語したが、いまだに停戦すら実現していない。
ガザに対するイスラエルの軍事的暴走に対してもトランプは抑止力を発揮しなかった。
戦争を終結させるどころか戦争を創作して拡大させてきたトランプ大統領の行動が中間選挙での共和党大敗の主因になったと言える。
中間選挙を受けてトランプ大統領が戦争終結に向けて基本スタンスを修正するのかどうか。
破れかぶれになって戦乱を拡大させる暴挙に進まぬかどうかを注視しなければならない。

第三は米国外交の軌道修正が行われるのかどうか。
対中国、対ロシアでの融和路線を推し進めるのであれば、世界の平和と安定に資する。
トランプがレガシーを残すには外交の大転換が必要。この部分に一定の期待感が残存する。

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2026年11月2日月曜日

維新の“泥舟化”が加速…群馬、岐阜、茨城と県組織「解散」し都市部テコ入れもガバナンスはガタガタ

 日刊ゲンダイの掲題の記事を紹介します。
 史上最悪の高市政権は、極右の「日本維新の会」の吉村代表と野合することによって発足しましたが、衆議院議員の比例部分を31議席削減するという、これまた代表制民主主義の根幹を破壊する最悪の法案を準備しました。
 維新は連立入り後も政党支持率が低迷し続けていますが、今度は群馬、岐阜、茨城3県の組織が、かつて所属していた地方議員が次々と離れて組織の体をなしていない状況になったので解散するということです。
 同党は28日の会見で、党の選対本部に「党勢強化総支部」という仕組みを創設することを明言し、既に兵庫と東京の地元組織を強化総支部として指定したということです。具体的には両組織の代表をこれまでの地元出身議員から「大阪組」の議員に差し替えるというものです。
 それで両組織のモチベーションが上がるのかといえばそれは別問題で、ガバナンスはガタガタで泥船化が加速というのが実情のようです。

記事の追加(2026.11.02)
 2日付のしんぶん赤旗に「維新4年で1/4離党・辞職 道府県政令市議 〝国保逃れ”など不祥事目立つ」が載りましたので、関連記事として末尾に追加します。
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維新の“泥舟化”が加速…群馬、岐阜、茨城と県組織「解散」し都市部テコ入れもガバナンスはガタガタ
                         日刊ゲンダイ 2026/11/01
 日本維新の会が与党入りしてから1年が経過──。目下、連立合意で持ち出した衆院議員の定数削減を巡って、自民党、国民民主党と引っ張り合いを展開し、31削減で合意。吉村代表は「一区切りだ」とドヤ顔だが、足元はお寒い状況である。実は、地方組織をバタバタと解散する一方、都市部の組織をテコ入れ。連立入り後も政党支持率が低迷し続ける中、“選択と集中”を迫られているようなのだ。
 維新が解散するのは、群馬、岐阜、茨城3県の地方組織。いずれも、かつて所属していた地方議員が次々と離れ、組織の体をなしていない状況だった。党本部の公式サイトに張られた群馬維新のHPのリンクをクリックしても「メンテナンスを実施」の文言が表示されるだけ。岐阜維新の公式HPは表示されない状態で、茨城に至っては党本部のサイトにリンクが張られていない状態だ。
 ある県組織の関係者が言う。
「1カ月ほど前に党本部から急に連絡があり、県組織の解散を通達されました。理由について詳しい説明はありませんでしたが、要するに、もう維持できないということ。小規模な地方組織には党本部から月60万円が支給されるのですが、もう支払う余力がないのでしょう。それならそうと、もっと早い時期に通知してほしかった。まあ、ウチはいい加減な政党なのでね……」
 一方で、都市部の組織はテコ入れするそうだ。藤田共同代表が28日の会見で、党の選対本部に「党勢強化総支部」という仕組みの創設を明言。既に、兵庫と東京の地元組織を強化総支部として指定したと明かした。来春の統一地方選に向けて、テコ入れする狙いがあるという。維新の内情に詳しい政界関係者が言う。
「党本部は、党勢回復が無理そうな地方の組織は潰して、まだ期待できそうな兵庫と東京にリソースを割こうというわけでしょう。いわゆる“選択と集中”ですよ」

■上を替えてもモチベーションはあがらない
 ある意味で合理的な判断かもしれないが、やり方がどうもよろしくない。兵庫・東京両組織の代表を、これまでの地元出身議員から「大阪組」の議員に差し替えるというのだ。兵庫は井上英孝選対委員長(大阪1区)に、東京は井上氏か黒田征樹選対委員長代行(大阪16区)のいずれかに交代するという。
「今回の一件は“選択と集中”なんてカッコイイものではありません。兵庫も東京も組織のガバナンスがガタガタ。今の代表ではコントロールできないから“本社”の大阪が手を突っ込んできたというだけの話。でも、こんなことをやって兵庫と東京の議員のモチベーションが上がるとは思えません。結局、うまくいかないんじゃないですかね」(維新関係者)
 維新の党本部に問い合わせると、群馬、岐阜、茨城3県の地方組織が解散手続き中であることを認めた一方、兵庫と東京を「党勢強化総支部」に選定したこととの関連性については〈全く別〉と否定した。“選択と集中”ではなく、ただただ“泥舟化”が加速しているということのようだ。


維新4年で1/4離党・辞職 道府県政令市議 〝国保逃れ”など不祥事目立つ
                       しんぶん赤旗 2026年11月2日
 2023年の統一地方選で、道府県議選と政令市議選で当選した日本維新の会公認の260議員のうち、10月29日現在で約4分の1に当たる64人が4年を待たずに離党もしくは辞職していたことが、「しんぶん赤旗」の調べで明らかになりました。住所要件を満たさず当選無効となった事例や、形式的に法人に所属して国民健康保険料(税)の負担を減らす〝国保逃れ″による除名・離党など、不祥事が目立っています。
 前回の統一地方選での維新公認当選者のうち、党公式ホームページに記載された所属議員一覧から削除されたり、地方議員を辞職した人は計66人でした(2人は任期途中の死亡)。前回の道府県議選で維新は18道府県124人が当選し、現在は95人に減少。政令市議選では浜松市を除く16市で136人当選しましたが、99人まで減りました。

5県1市で0に
 埼玉、千葉、和歌山、香川、愛媛の5県と熊本市では、この4年でゼロとなっています。
 埼玉県では唯一の当選者が住所要件を満たしていないことが判明し、当選無効に。さいたま市では、当選した4人が同じ会派を組んでいますが、うち2人はすでに離党。そのうちの1人は国民民主党公認で27年の統一地方選に臨みます。
 神奈川県では前回6人当選しましたが、1人が衆院選立候補により辞職し、もう1人が「一身上の都合」で離党。残った3人も二つの会派に分かれています。
 前回21人当選した兵庫県では〝国保逃れ″などの不祥事で4人が除名、2人が離党。衆院選立候補に伴い1人辞職したため、14人に減りました。

党の統治揺らぐ
 福岡県では、前回当選した3人のうち、除名処分と離党により残ったのは1人。福岡市は前回、改選前の1議席から7議席に躍進しましたが、国政転出や離党などで半分以下の3人に。吉村洋文代表は、来春の同県議選で20人以上の候補擁立をめざすと意気込みますが、足元のガバナンス(統治)が揺らいでいます。
 維新は、東京でも前回統一地方選当選者の3割超が離党・辞職するなど(本紙10月19日既報)、大阪以外での党勢後退が顕著です。藤田文武共同代表は28日の記者会見で、兵庫県と東京都を「党勢強化総支部」とし、統一地方選に向けてテコ入れする方針を示しました。
 12月の茨城県議選では、県議会唯一の維新現職が離党。来春の統一地方選の公認申請をしていない現職もいるなど〝離党ドミノ″の火種はくすぶっています。

☆維新地方議員の推移表(PDF版)ULR↓ (下記をクリックすると表示されます)

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