2026年8月22日土曜日

周囲が気を揉む高市早苗という奇々怪々(日刊ゲンダイ)

 日刊ゲンダイが掲題の記事を出しました。
 高市政権に代わってからの臨時国会が7月17日に終わりました。28日には2016年から10年をおいて再び熊本を震度7の大地震が襲いました。
 8月に入ると6日に広島原爆忌と9日に長崎原爆忌、15日に全国戦没者追悼式が行われました。
 問題が山積のままで終わった臨時国会では、高市首相の実像の一部が国民に明らかにされた結果高市政権の支持率は急速に落ちました。この後支持が再び上がる可能性はないと見られています。
 遅きには失しましたが 漸く高市氏が退陣し、政治が正常化に向かう期待が持てる段階になりそうです(奇々怪々の高市氏が首相の座にいては正常化など期待出来ませんが)。
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周囲が気を揉む高市早苗という奇々怪々
                         日刊ゲンダイ 2026/08/19
                       (記事集約サイト「阿修羅」より転載)
 マスコミ不信、異様な自己顕示欲と全能感、それでいて、余裕がないのか、「歯を食いしばる」とか言う場違いの大仰。奇行ばかりが話題になる首相が意固地で働く危うさ、怖さ。
 結局、「この人、大丈夫なのか」に行き着くエキセントリックを周囲はどう見ているのか
  ◇  ◇  ◇
 まるで「ツイ廃(ツイッター廃人)」だ。
 高市首相が13日以降、自身のX(旧ツイッター)で長文を連投。お盆期間で公務が少なく、公邸で暇を持て余しているのか、「これでもか」と自らの実績をアピールしまくっているのだ。
 注目されているのは、公邸で終日過ごした14日の投稿だ。午後2時1分から5分間で、「物価高対策」をテーマに5連投。〈高市内閣では、国民の皆様が直面されている「物価高」への対応に最優先で取り組んできました〉との文言を皮切りに、成果をグラフ付きで2900字にわたって延々と書き連ねている。
 例えば、〈高市内閣は、国民の皆様が苦しむ「物価高対策」をないがしろにして、自らの政治的信念の実現を優先しているように見えるとのご意見があるようですが、それは私の認識とは異なります〉と投稿しているのだが、これは先の特別国会で国民が強く求めていない皇室典範改正や国旗損壊罪創設、日本維新の会肝いりの「副首都」構想関連法に血道をあげ、肝心の物価高対策は二の次だった──、複数メディアのこんな指摘を気にしているのは明らかだ。
 どうも、高市周辺は「物価高対策に取り組んでいるのに、マスコミが書いてくれない」なんてこぼしているらしいが、要するにこんなに成果を出しているのに、なんで報じないんだ”と、ブーたれているわけだ。
 一連の投稿からは、高市のマスコミ不信、異様なまでの自己顕示欲と全能感が透けて見える。それでいて、余裕がないのか〈日本列島を強く豊かに〉するため、〈歯を食いしばって頑張る〉と強調。場違いで大袈裟な表現を使って“努力してます”と主張しているわけだが、一般の社会人にとって「歯を食いしばって頑張る」のは当たり前のこと。わざわざ強調するなんて恥ずかしい話で、まるで「中二病」である。まあ、高市は先月にはXで〈首相就任後は0~3時間睡眠が常態化〉と寝てないアピールをしていたくらいだから、さもありなんだ。

「冗漫」な長文を誰が読むのか
 長文投稿は他にもある。18日は〈本日は、「稼げる農林水産業・食品産業」の話もしておこうと思います〉と投稿。16日には、経済安全保障について、ツラツラと書いていた。一体どういうつもりなのか。
 高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)はこう指摘する。
「そんなに自らの政策の成果を強調したいのであれば、会見など、記者の前で自分の言葉で説明すればいい話です。しかし、反論されたり批判されたりするとボロを出してしまうと考えているのでしょう。だから、SNSで一方的な発信ばかり繰り返しているわけです。ハッキリ言って、異常な行動だと思います。ただ、最近は世間一般で長文を読む習慣が薄れてきています。高市首相は支持を得たいのでしょうが、ここまで冗漫な文章をどれだけの国民が読むか。効果は薄いのではないか」
 長文投稿のみならず、高市のおかしな行動は枚挙にいとまがない。3月の日米首脳会談では、トランプ大統領にいきなり抱きつき、手をつなぎながら歩いたかと思えば、大好きな曲の演奏に狂喜乱舞。5月に国賓として来日したフィリピンのマルコス大統領との夕食会では、マルコスが歌声を披露するや「どこかプロダクション紹介しましょうか?」と、失礼なことを言っていた。高市の公式サイトに掲載されていた1000本ものブログには危うい記述もあったが、シレッと全消しである。熊本地震の被災地を利用したPR動画」は悪評ふんぷんで、今なお批判を招いている。
 ここまでくると、もはや「この人、大丈夫なのか」というレベルである。周囲は、高市の奇行をどう見ているのか。先の特別国会では、いわゆる「中傷動画」問題を巡る審議を徹底的に嫌がり、自民党国対の説得にも耳を貸さず、国会を大混乱に陥れていた。「あの時は大変でしたよ……」と言うのは、衆院自民党の国対関係者だ。
「国対は総力をあげて総理に国会審議に対応するよう説得を試みましたが、全く色よい返事がなかった。官邸は『とにかく答弁に立たないで済むように野党と交渉してこい』と言うばかり。うまく話をまとめられないと官邸幹部に嫌な顔をされる。このやり方は禍根を残すと思いました。そもそも、中傷動画を巡っては、初めから総理が低姿勢で一部の非を認めていれば、混乱することはなかった。初動対応から間違っていたということでしょう」

官邸内から漏れる「このままで大丈夫か」の声
 官邸官僚の一部も、高市に距離を置いているという。
官邸官僚が政策面で助言をしても、総理は一顧だにしない。そのため、『話を聞いてくれているのだろうか』との声も聞こえてきます。まあ、側近中の側近としかコミュニケーションをとらないため、他の官邸官僚とは距離ができてしまっている。結果的に『総理が何を考えているか分からない』状態。『このままで大丈夫か』と気をもむ官邸官僚も複数いるようです」(官邸事情通)
 こんな奇行ばかりが話題になる高市に「歯を食いしばって」働かれても、国民にとっては危うさ、怖さしかないのではないか。
「高市首相がおかしな行動を繰り返す原因は、側近以外とは話をせず、外部とも接点を持とうとしないことにあると思います。本来、一国の総理大臣なのですから、耳の痛いことまで含めて幅広く多くの意見を聞き入れなければなりません。ところが、高市首相は聞きたくないことには耳をふさいでしまう自民党との意思疎通も希薄だといいますから、当然ながら考えが独り善がりになり、客観的に見て奇怪な言動も平然とやってのける。全国戦没者追悼式に出席した際、日本武道館の駐車場から遥拝したのも、その表れです。首相が人の意見に耳を貸さなければ、この国はおかしな方向に行きかねません。高市首相が『正しい』と思っている極右的な政策ばかりが進んでいくことになるでしょう」(五野井郁夫=前出)
 立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)はこう言った。
「一国の首相や国会議員にとって最も重要な役割は、くみ取った国民の声を真摯に政策に反映させることです。ところが、高市首相は上から『自分の言っていることこそが正しい』と国民に押し付け、異論を許さないスタンスです。批判や反論を聞く気がありませんから、一方的に主張することができるSNSを多用しているわけです。これは、米国のトランプ大統領と全く同じ。彼もまた異論を許しませんから、2人の政治姿勢はよく似ています。高市首相に関して言えば、先の特別国会でも『異論を許さない』姿勢をあらわにしました。象徴的だったのが、皇室典範改正を巡る議論です。政府は『立法府の総意』を無視する形で『男系男子ありき』の改正案を閣議決定。短時間の審議で可決・成立となりました。これは、国民の代表である国会議員で構成される立法府の総意を踏みにじる蛮行で、議会制民主主義の破壊と言えます。こうした政治姿勢は戦前の大政翼賛会に向かっていくでしょう。極めて危ういと思います

 高市早苗という奇々怪々──、国民は目を凝らすべきだ。

米海軍はいかにして水兵の食料と石鹸を不足させたのか/米艦船乗組員の精神衛生が危機的

 イラン近海に派遣されて約250日間に及ぶ米空母「エイブラハム・リンカーン」(乗組員5000人)の艦内のシャワーはカビだらけ、トイレは壊れ、洗濯機は故障、お湯が出ないうえ、食事はお粗末の極み、石鹸も脱臭剤も歯磨き粉もないという悲惨な状態ということです
 ピート・ヘグセス国防/戦争長官はこの事態について、「フェイクニュースだ」として無視していますが、それこそがフェイクです。これは起こるべくした起きたもので、他の艦内でも似たような状況にあり、終戦ないし停戦が着実に発効しない限り 悲惨の度合いは深まるばかりです。「マスコミに載らない海外記事」がこれに至った必然性について分かりやすく説明しました。
 併せて櫻井ジャーナルの記事「米海軍の艦船で乗組員の精神衛生が危機的な状態」を紹介します。
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追いつけなかったしっぽ:米海軍はいかにして水兵の食料と石鹸を不足させたのか
               マスコミに載らない海外記事 2026年8月21日
                 ラリー・C・ジョンソン 2026年8月16日
                        SONAR21
 映像は、ありふれたものだったが、どんな戦闘映像より衝撃的だった。半分空になった食事トレイ、灰色の加工肉の塊、誰も他の人より多く食べられないよう食料を分け合う水兵たち2026年の春から夏にかけて、空母エイブラハム・リンカーンと強襲揚陸艦トリポリの乗組員たちは、250日以上も海上にいたアラビア海と広大なインド洋で活動する軍艦上で、食料不足、長蛇の列、壊れたトイレ、シャワー室のカビ、故障した洗濯機、石鹸や歯磨き粉といった基本物資不足に苦しめられた。そのストレスは士気に悪影響を及ぼし、最悪の場合には乗組員の安全にも影響を与えた。
 状況が公になった時、海軍の組織的反応は否定だった。卑劣なピート・ヘグセス戦争省長官は、初期の報道を「偽ニュース」と一蹴し、第5艦隊の報道官は、乗組員は「回復力と準備態勢を維持している」とし、艦は「全ての任務を遂行する能力を十分備えている」と主張した。この対応は、失敗への反論というより、失敗の一部であるため、記憶に留めておく価値がある。指揮系統は、水兵たちがなぜ物資不足に陥っていたのかを真摯に受け止めるより、自らの即応体制に関する主張を擁護することに終始していたのだ。状況は現実のものだった。より重要な問題は、世界で最も資金力のある海軍の軍艦が、なぜ食料や衛生用品の不足に陥っていたのかだ。
 答えは、特定の空母や補給担当士官一人だけの問題ではない。それは構造的な問題で、15年かけて徐々に構築されてきたもので、一般には決して目にすることのない艦隊の一部、つまり戦闘艦に食料や燃料を供給する艦船に存在している。

艦隊の後の艦隊
 軍艦は単独では無期限に海上にとどまるのに十分な物資を積載できない。空母打撃群が港に戻らずに食料、燃料、武器を補給し続けられるのは、戦闘兵站部隊(CLF)と呼ばれる専用の補給艦隊のおかげだ。これら航行補給艦は、軍事海上輸送司令部に運用され、主に民間人乗組員構成されている。軍艦と並走しながら、両艦航行中にケーブルやホースを使って燃料、弾薬、食料、物資を輸送する。
 CLFには三種類ある。補給油艦(T-AO)は燃料を輸送する。乾貨物弾薬輸送艦(T-AKE)は兵器、予備部品、食糧を輸送する。高速戦闘支援艦(T-AOE)は最高級の資産で、燃料、弾薬、食料をまとめて輸送し、空母打撃群との間を往復するのではなく、打撃群内を航行できるほど高速だ。この最後の範疇は、単一空母が何ヶ月も遠洋に留まる場合にまさに必要な艦艇だ。そして、海軍はこの範疇を骨抜きにしてしまったのだ。

平板な数字、能力の中空化
 問題の核心はここにある。戦闘兵站部隊の現在の艦艇数は約34隻で、この数は10年以上ほぼ横ばい状態が続いている。書類上、安定しているように見えるが、実際は、部隊への要求が高まる一方、最も有能な艦艇が姿を消していくため徐々に空洞化が進んでいると言える。
 2010年頃、海軍はサプライ級高速戦闘支援艦四隻全てを運用していた。現在残っているのは二隻のみだ。2010年代半ば、海軍は運用経費を年間約3000万ドル節約するため、二隻を予備役に編入した。この決定は表計算上、妥当に見えたが、飢えた艦の甲板から見れば到底擁護できない。その理由は計算にある。高速支援艦一隻の能力を代替するには、通常、給油艦と貨物船一隻が必要となる。つまり、二つの船、二組の乗組員、二つのスケジュールで、かつて一隻の艦が一つのパッケージで運んでいた燃料、弾薬、食糧を輸送しなければならないのだ。高速支援艦隊を半分に減らせば、単独空母による継続的任務への補給は益々困難になる。
 表面的な見出しの裏で、残りの部隊は老朽化が進んでいる。中核を成すヘンリー・J・カイザー級給油艦は1980年代に建造されたもので、後継艦の到着よりも速いペースで退役が進んでいる。新型のジョン・ルイス級給油艦計画は、約20隻で艦隊を刷新することを目的としているが、一番艦が納入されたのは2022年で、2025年半ばまでに完全に運用可能になったのはわずか一隻だった。海軍独自のより新しい解決策である、より小型で多数の「軽補給給油艦」T-AOLは、2027会計年度まで建造が開始されず、2030年代まで本格的に配備されない見込みだ。国防研究者の分析上の共通認識は率直だ。兵站部隊は、現在課せられている要求に対し、十分な規模ではなく、また十分な速度も持ち合わせていない

品不足になるのに、アラビア海が最悪の場所である理由
 地理的要因により、艦隊全体の品不足が、ある船での品不足に発展し、アラビア沖やインド洋では最悪状況に近い状態になっている。
 北アラビア海に停泊する空母は、非常に長いサプライチェーンの最末端に位置しており、例えば地中海での配備のように、友好的な大規模港湾への簡単な寄航を享受できるとは限らない。乗組員が食べるものや使うものは全て展開前に艦に積み込まれているか、あるいは数の不足に悩む補給艦隊で空母まで運ばなければならない。そしてリンカーン級空母は2026年のイランとの戦争に巻き込まれ、展開期間が250日を超えたが、配備期間が長引けば、補給物資の消費は計画より速く、長く続き、まさに補給部隊が遠隔地への追加輸送最も困難な時期に発生した。長期配備と数不足の補給艦隊は、どこであれ悪い組み合わせだ。インド洋では、それが更に重なり、空っぽの棚事態と化している。
 だからこそ、まさにこの戦域で高速戦闘支援艦が非常に重要なのだ。その設計目的は、個別の給油艦や貨物艦を絶えずわずらわせず、空母打撃群を前線に維持することにある。過去二年の紅海作戦は、この教訓を海軍に痛感させた。2010年代に経費削減のため削減してきた多目的艦こそ、持続的かつ遠距離での高頻度展開のために今最も必要とされている艦種だ。この艦種の不足は、それらが建造された任務において最も深刻に感じられ、空母リンカーンに乗艦する水兵たちは、彼らの多くが入隊する10年も前に下された調達決定の代償を支払うことになったのだ。

給油船の数から空の盛り皿まで
 人員削減された物流部門から空の盛り皿に至るまでのラインは、もはや余裕がほとんど残されていないシステム上にある。最も能力の高い艦艇を次々手放しながら規模が横ばいのままの補給艦隊を率いて、遠洋で長期展開を続ける海軍は、限界ギリギリの状態で運用されている。余裕が乏しい場合、最初に問題が発生するのは最も地味な場所だ。発射できないミサイルではなく、動かない洗濯機や、底をつく厨房といった具合だ。食料、石鹸、清潔な水は、補給体制が限界に達していることを示す主要指標で、2026年のアラビア沖では、これらの指標が赤信号を示したのだ。
 人的負担は物質的被害を更に悪化させた。8か月以上にも及ぶ海上での過酷な生活で疲弊し、船上生活を耐えうる最低限の物資さえ不足している乗組員は、単なる不便さ以上の深刻なストレスにさらされている。そのストレスは士気の低下、そして最悪の場合、水兵の自殺への懸念という形で現れた。こうした人的被害を単一原因に還元するのは余りに単純化しすぎで、関係者に対して不公平だ。軍艦における士気と精神衛生は多くの要因に左右される。だが、艦隊が、乗組員の食事や衛生を維持する余裕を削りながら、益々長期化する配備に耐えるよう要求して、それにより艦内の乗組員の福祉に何の影響も及ばないと期待することなどあり得ないと言っても過言ではない。補給は贅沢ではない。乗組員の耐久力を維持するための条件なのだ。

 
 空母リンカーン上で起きた出来事を、一隻の艦船、あるいは一回の配備に関する話として捉えたくなる気持ちもわかる。だが、より有益な解釈は、それが補給チェーンの末端で表面化した症状だったという見方だ。アメリカは15年間、戦闘兵站部隊の規模をほぼ一定に保ちながら、最も有能な補給艦を削減し、給油艦を老朽化させ、後継艦の就役を遅らせてきた。一方、艦隊には、より遠く、より紛争の激しい海域での長期配備を要求してきた。このように引き伸ばされた部隊は、最初は大きな失敗を起こさない。海軍が持つ最も長い補給線の末端で活動する艦船の厨房やシャワー室、洗濯室で静かに失敗していくのだ。
 アラビア沖での物資不足は、偶然でも、噂でも、補給担当士官の不運な一週間でもなかった。それは、物資不足を防ぐための余裕を15年にもわたる決定によって徐々に失っていった結果で、そして、その影響が下級士官にまで及んだ時に、上層部が「全て順調だ」と主張した、まさに必然的な結果だった。安定した補給を受けられない艦隊は、安定して維持することはできない。空母リンカーン艦上での飢餓と物資不足は、その余裕がついに尽きたことを告げる音であり、それを経験した水兵たちは、物資不足と、それを否定する態度の両方より、もっと良い扱いを受けるべきだった。

記事原文のurl:https://sonar21.com/the-tail-that-couldnt-keep-up-how-the-us-navy-ran-its-own-sailors-short-on-food-and-soap/


米海軍の艦船で乗組員の精神衛生が危機的な状態
                        櫻井ジャーナル 2026.08.16
 アメリカ海軍の空母「エイブラハム・リンカーン」で兵士の処遇が問題になっている。ガーディアン紙によると、250日間連続で海上で活動しているこの空母の艦内は劣悪な状態で、シャワーはカビだらけ、トイレは壊れ、洗濯機は故障、お湯が出ないうえ、食事は悲惨な状態。石鹸も脱臭剤も歯磨き粉もないという。乗組員5000人の精神衛生の状態が悪化、乗組員の海への飛び込みが少なくない。同じ問題はほかの艦船でも引き起こされ、乗組員によって告発されているのだが、ピート・ヘグセス国防/戦争長官は「フェイクニュースだ」として無視している。兵士の精神状態をケアする役割のある従軍牧師が排除されているという現実もあるようだ。



 エイブラハム・リンカーンは11月21日にサンディエゴを出港、当初は太平洋に向かう予定だったが、イランとの軍事的な緊張激化にともない、西アジアへ向かった。配備は5月に終了する予定だったが、延長されている
 アメリカ軍とイスラエ軍は2月28日にイランを奇襲攻撃。両国は問題を話し合いで解決するとイラン政府に信じ込ませ、要人を地上の1箇所に集めた上での騙し討ちだった。その攻撃で最高指導者だったアヤトラ・アリ・ハメネイ師、参謀総長のアブドルラヒム・ムサビ、アジズ・ナシルザデ国防相、イラン革命防衛隊(IRGC)のモハメド・パクプール司令官、最高安全保障委員会(SNSC)事務局長でハメネイ師の顧問を務めていたアリ・シャムハニなどイランの要人が殺害された。
 この攻撃でイスラエル軍はミナブ女子小学校も攻撃、168名から180名を殺している。その大半は7歳から12歳の少女。攻撃は数度あり、最初の攻撃で生徒たちが避難した礼拝堂も狙われている。最初の攻撃で人びとを一カ所に集め、救助隊もろとも殺す計画だった可能性が高い。いわゆる「ダブルタップ攻撃」だ。この殺害はカルト的な「儀式」で、生徒たちは生贄になったとする人もいる。

 この「斬首作戦」でイランの体制は崩壊するとアメリカやイスラエルは想定していたようだが、そうした展開にはならず、激しい反撃でアメリカが西アジアで使用していたカタールのアル・ウデイド空軍基地、クウェートのアル・サレム基地、アラブ首長国連邦のアル・ダフラ空軍基地、バーレーンのアメリカ軍第5艦隊基地などが攻撃された。イスラエルではテルアビブやハイファといった都市、ディモナにあるシモン・ペレス・ネゲブ原子力研究センター(ディモナ原子炉)近辺が攻撃され、破壊された。イスラエルもアメリカもミサイルは迎撃用も攻撃用も枯渇状態だ。
 イランのイスラム革命防衛隊(IRGC)が3月1日に発表したところによると、エイブラハム・リンカーンは3月にイラン南部沿岸から約340キロメートルの地点まで接近したが、IRGSが発射した4発の弾道ミサイルによる攻撃を受けたという。
 アメリカ国防総省は否定しているが、IRGCはその後もドローン攻撃や巡航ミサイル「カデル」で空母を攻撃したと発表。エイブラハム・リンカーンはイランから1100キロメートル離れたオマーン沖へ移動せざるをえなくなった
 やはり西アジアへ派遣されていた空母ジェラルド・R・フォードは船内で大規模な火災が発生したとして離脱、修理のためにクレタ島へ向かったと伝えられている。修理に1年以上かかるという。そのかわり、空母ジョージ・H・W・ブッシュが派遣された。
 館内がこうした状態になっている最大の理由はドナルド・トランプ政権の判断ミスにある。ウクライナでの戦争でも言えることだが、アメリカは簡単に勝てると信じて戦争へ突入、泥沼から抜け出せないでいる

22- シリーズ 「第2次高市政権6カ月」(中)

 しんぶん赤旗 連載の「第2次高市政権6カ月」(中)を紹介します。
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第2次高市政権6カ月 (中) 軍事偏重の戦争国家へ加速 維新というアクセル加わる
                    しんぶん赤旗 2026年8月20日
 自民党の改憲・タカ派の代表格で、日米同盟を「血の同盟」にしようとした故安倍晋三元首相の遺志継承をうたってきた高市早苗首相。「憲法9条2項削除による集団的自衛権の全面行使」を主張する日本維新の会と結びついたことで、憲法に基づく「平和国家」を破壊し、軍事偏重の戦争国家への動きを歴代自民党政権以上に加速させました。
 軍事費の国内総生産(GDP)比2%の2年前倒し実施や戦後初の軍拡増税、敵基地攻撃可能な長射程ミサイル配備、南西諸島の軍事要塞(ようさい)化、国家情報会議設置による日米の軍事連携強化と国民監視、スパイ防止法制定の具体化推進 -。とりわけ、殺傷能力の高い兵器を含む武器輸出の全面解禁は、安全保障政策の大転換でした。
 政治学者の五十嵐仁法政大学名誉教授は「右側にしかハンルを切れない高市政権に維新というアクセルが加わり、これまでの自民党政治でさえ抑制してきた政策が最悪の形でむき出しになった」と指摘します。

「経済の軍事化」
 大きな変質が「経済の軍事化」です。高市首相は「防衛と経済の好循環」を主張し、軍事を成長戦略の手段に位置づけました。
 7月に閣議決定した「日本成長戦略」では軍事産業を含む370兆円超の官民投資を柱としました。「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」は、「装備・体制の両面で5年以内に防衛力を変革する」とし、国営の武器生産工場や全面解禁した武器輸出への政府支援を打ち出しました
 五十嵐氏は「軍事を基軸にした経済成長など平和国家日本として取るべき政策ではない」と批判。また、高市政権が長期にわたって戦闘を継続する「継戦能力」の強化を押し出していることについて、「目標が戦争をさせないことではなく、戦争を遂行することになっている」と警告します。
 重大なのが核政策に関する前のめりの姿勢です。高市首は、6日の広島市での記者会見で、年内に予定される安保3文書改定で、「国是」である非核三原則を見直すのか問われ「予断することは差し控える」と見直しを否定せず、持論である「核兵器を持ち込ませず」の見直しへの意欲をにじませました。
 小泉進次郎防衛相も「危感を持ってタブーなく議論なければならない」と述ベいます。維新は安保3文書定に向けた提言で「持ち込せず」について「現実的検討を求めています。背景には米軍が2032年以降に海洋発射型核巡航ミサイルを艦船に配備する計画がります。

行き詰まりの道
 一方、五十嵐氏は、中国を敵視し脅威をあおり「日米同盟絶対」で空前の大軍拡を進める高市自維政権の外交・安全保障政策は「行き詰まる」と指摘します。
 高市首相の「台湾有事は存立危機事態になり得る」との発言で日中関係が悪化。中国はレアアース(希土類)を含む軍民国用品の対日輸出規制を拡大し、高市政権を「新型軍国主義」と批判するなど、関係改善の道は険しいままです。
 五十嵐氏は「米中は5月の首脳会談でお互いを『ライバルではなくパートナーである』とした。米調査機関の世界36カ国・地域を対象にした調査では中国への好感度が米国を抜いた。国際社会の趨勢(すうせい)に日本は逆行している。政策の抜本転換が必要なのは明らかだ」といいます。    (つづく)

図解 高市自維政権の安保・外交政策(PDF版) ↓
https://drive.google.com/file/d/1XZkQwegQptLAUwsNoTL-iI1Yz74iZDGa/view?usp=sharing 

2026年8月20日木曜日

第2次高市政権6カ月 (上) 最悪の政策 数の暴走 維新との連立でむき出し

 高市内閣は史上最低・最悪の政権です。
 第2次高市政権が発足してから18日で半年となりました。この6ヵ月で見えてきたものは・・・ しんぶん赤旗が高市政権の実態を3回連載で検証します。
 異論や批判に耳を傾けず、自らの政策を押し通す独善的な政治姿勢こそ、6ヵ月で浮かび上がった高市政権の本質であると指摘します。
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第2次高市政権6カ月 上 最悪の政策 数の暴走 維新との連立でむき出し
                       しんぶん赤旗 2026年8月18日
 第2次高市政権が発足してから18日で半年となりました。この6ヵ月で見えてきたものは・・・ 。高市政権の実態を3回連載で検証します。

 公明党に代わって日本維新の会を連立相手に迎えた高市政権。第2次政権は、クーデター的な衆院解散・総選挙を経て、衆院で巨大与党を誕生させたことを背景に、その本質″をあらわにしました。
 両党の連立教権合意には、「12本の矢」の計48項目の政策が並びます。自公政権時代の合意が一定の方向性を示すものにすぎなかったのに対し、自維政権では政策ごとに実現時期まで定め、実行を迫る内容となっています。
 五十嵐仁法政人名誉教授(政治学)は、連立政権合意に維新の存在感が色濃く表れていると指摘します。「自民党の中でも国民との関係や世論の反応を気にして言えなかった、右側で逼塞して(引きこもって)いたような内容が、維新を通じて表に出てきた。自民党政治の中で抑制されてきた最悪の政策方針・路線がむき出しになり、臆面もなく実行に移された」
 変わったのは政策の中身だけではありません。政策を実現する国会運営にも、その変化が表れました。
 特別国会終盤では、連立合意に盛り込まれた維新肝いりの法案の成立を優先。衆院比例定数削減法案を巡っては、野党が委員会開催の中止を求めたにもかかわらず、委員長職権で開会し、野党が全員欠席する中、与党だけで審議を進めました。その後、定数削減法案の成立が見送られると、今度は「副首都」法案の成立に向けて国会会期を8日間延長。閉会日まで審議が紛糾する異常事態となりました。

50・1%の治」で世論二分 「維新の手法」で熟議の場破壊
 五十嵐氏は「維新が大阪でやってきた政治手法を国政の場に持ち込んだ」と強調します。「国会運営のやり方がめちゃくちゃで、熟議の場が破壊されてしまった。国民生活が置き去りにされ、タカ派丸出しの右翼的な政策、さらには維新の自己都合を優先する政権私物化か際立った。いかにこの政権が国政を蹂躙(じゆうりん)するかが明瞭になった」
 歴代自民党政権も、野党や多くの国民の反対を押し切って法案を成立させてきました。それでも、党内の異論を調整し、野党との修正協議を重ねることは、長く自民党政権を維持するための政治技術でした。ところが高市政権は、こうした調整能力を失い、数の力で政策を押し通す政治へと変質しています。

499%を無視
 白鳥浩法政大教授(政治学)は高市政権の政治姿勢を50・1%の政治」と表現します。「これまでの日本の政権は、より多くの人の合意を獲得しようと落としどころを探る調整をした。しかし、高市首相は『思った通りに黙ってついてこい』『文句があるなら数の力でねじ伏せる499%が反対しても、その声を無視して50・1%が賛成すれば、自分の考えが通るのだと。まさに『国論を二分』する政治だ」
 その「501%」の政治を支えるのが維新です。白鳥氏は「高市首相は恐らく維新を、自民党内をねじ伏せるための理由に使っているところがある。維新と連立したことをうまく使って、自民党内の499%をも黙らせていく。維新も『アクセル役』を自称し、やりたいことを高市政権にのませていく」とみます。

         連立政権合意に盛り込まれている主な政策
 項  目            内   容          特別国会での対応
「副首都」法   「大災害」に備えた首都機能のバックアップ整備     成 立  
        を名目に「都構想」の復活を狙う維新の 党利党略          
衆院比例定数  与野党の協議で1年以内に結論が出なければ衆院比    見送り  
削減法案    例定数を自動的に45削減し、民意を削る             
国家情報会議  国民監視につながる政府のインテリジェンス(情報    成 立  
設置法     活動)機能を強化                        
国旗損壊処   国旗を損壊するなどした者に刑事罰を科し国民の    成 立  
罰法      現の自由を萎縮させる                      
防衛装備移転  殺傷能力の高い大型攻撃兵器をはじめ全ての武器輸
三原則、運用  出を解禁                       強 行  
指針の改定                                   
旧姓の通称   結婚後の旧姓使用の法制化を検討する一方、選択的    見送り  
使用拡大    夫婦別姓の実現を阻む                      

入閣ねらう維新
 維新は7月の自維幹部会合で連立合意のアップデート(更新)を要求し、さらなる独自政策の実現を狙っています。吉村洋文代表も9月までに想定される内閣改造について「責任を共有して政治を前に進めていこうと判断している。打診があれば閣内に入る」と明言。政極内での影響力を強めようとしています。
 一方、会期末に野党との調整を強いられた自民からは「二度と維新と関わりたくない」との不満も漏れています。頼みの綱だった内閣支持率も急落傾向で、国民要求との矛盾の深まりが数字にも表れています。
 維新との連立をテコに議会制民主主義を課蹟し、数の力を振りかざす強権政治を突き進む異論や批判に耳を傾けず、自らの政策を押し通す独善的な政治姿勢こそ、6ヵ月で浮かび上がった高市政権の本質です。        (つづく)

高市内閣 第1月曜は機密費の日 毎月1億円のペース 発足後8・5億円に

 国会議員に毎年提出が義務付けられている「政治資金収支報告書」は、政治団体の1年間の収入、支出、保有資産などを明確に記録する書類で、これによって政治活動の透明性を確保し、国民に対する説明責任を果たすものです。

 ところが高市議員の報告書については、これまでしばしばしんぶん赤旗によって不審な点を指摘されると、高市氏はその都度「誤記であった」として指摘された箇所を修正することで、不正の指摘を躱す対応をしてきました。
 しんぶん赤旗に掲題の記事が載りました。
 同紙が情報公開請求で入手した文書によると、高市内閣が昨年10月に発足して以降、今年6月までに支出した内閣官房機密費は8億5500万円超で、1カ月あたり1億円のペースで支出しているということです。
 内閣官房機密費の予算額は12億3000万円ほどなのでで月額は1億円強(日額約337万円)、それは領収書なしで自由に使えて使途の説明も不要です。日本人の年収にも当たる額が年間365日、雨の日も風の日も、祭日休日も無関係で毎日自由に使えるという驚くべきものです。こんなに高額な機密費が一体何に使われているのかは、従来から疑惑の的になっているものです。
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高市内閣 第1月曜は機密費の日 毎月1億円のペース 発足から6月までに
5億円
                       しんぶん赤旗 2026年8月19日
 高市早苗内閣が昨年10月に発足して以降、今年6月までに支出した内閣官房機密費(報償費)は8億5500万円超にのぼることが17日、本紙が情報公開請求で入手した文書で判明しました。1カ月あたり1億円のペースで支出していることになります。しかも毎月、特定の曜日に多額の現金を金庫から定期的に支出していることが判明しました。(矢野昌弘)

 使途を明らかにすることも領収書の提出も不要の官房機密費。その支出関連文書によると、高市内閣は昨年10月21日から今年3月末までの2025年度に5億6970万円余の機密費を支出していました。
 石破茂内閣から官房機密費を引き継いだ高市内閣は、年間12億3021万円の枠いっぱいまで使っており、25年度に国庫へ返納した使い残しはわずか30万円余でした。
 年度内に機密費をほとんど使い切るのは第2次安倍晋三内閣の12年度分から14年度連続で続けられており、機密を隠れみのにした党利党略を目的とした使途への流用が疑われます
 26年度の4月から6月上旬までに高市内閣が支出した機密費は2億8580万円余でした。
 機密費の中でも官房長官へ渡したことで支出を終えたことになり、使途を明らかにする必要がない「政策推進費」は8億3150万円と、支出のほとんどを占めていました。
 今年1月19日に高市首相が衆院解散を表明する直前の1月5日には、1億950万円の政策推進費を木原稔官房長官が支出しており、党利党略的利用が疑われています。
 そもそも官房機密費は「国の事務または事業を円滑かつ効果的に遂行するため、その状況に応じて最も適当と考えられる方法により機動的に使用する経費」だと、歴代の官房長官が答弁してきました。
 状況に応じて「機動的」に支出する機密費ですが、木原官房長官が政策推進費を支出する日には共通点がありました。
 首相官邸にある官房機密費の金庫から、政策推進費用の金庫に現金を移した日付がわかる7回分のうち5回はその月の第1月曜日となっていました。
 このうち、火曜日だった25年11月4日は前日の月曜が祝日(文化の日)。今年5月1日は金曜日ですが、第1月曜の同月4日が祝日(みどりの日)だったため、この日に政策推進費を移したとみられます。
 この間の報道でも国政選挙で自民党候補の応援に官房機密費を支出した疑惑が取り上げられてきました。第1月曜に定期的に支出され、上限ギリギリまで使い切るという実態は自民党による機密費私物化の疑惑をますます深めるものとなっています。