政府は21日、「防衛装備移転(⇒武器輸出)三原則」とその運用指針の改定を閣議決定し、国産武器の輸出対象を「救難、輸送、警戒、監視、掃海」の「5類型」に限定するとした制約を撤廃しました。
これにより、戦闘機や潜水艦など殺傷力のあるすべての武器を加えた上、他国と共同開発・生産する武器の第三国への輸出が可能となり、さらに「特段の事情がある場合」は例外的に可能とすることで交戦国への輸出も可能としました。
武器輸出の可否の判断については国家安全保障会議(NSC)が行い、国会には「決定後通知する」としました。
要するに全面的な武器輸出に道を開くものです。
同日、高市内閣が上述の武器輸出の閣議決定をしたことに抗議する緊急行動が21日、首相官邸前で取り組まれました。武器取引反対ネットワーク(NAJAT)、日本平和委員会などの呼びかけで、プラカードを手に90人が鳴り物にあわせて「勝手に決めるな」「国会にはかれ」などとコールしました。
日本平和委の西村美幸常任理事は、「日本の武器輸出が米国を補完し支えることに怒りを感じる」と訴え、NAJATの杉原浩司代表は、「今回の決定は政府の一存で殺傷武器の輸出を可能にした。国会を蹂躙し、独裁政権のような決定だ」と批判しました。
日本共産党の田村智子委員長は同日、政府が防衛装備移転三原則と運用指針を改定し、殺傷武器輸出の制限撤廃を閣議決定したことに対し、「武器輸出全面解禁に強く抗議し、撤回を求める」と題する談話を発表しました。
談話は、今回の閣議決定は、国際紛争を助長する武器輸出は禁止するという憲法9条に基づく国是を捨て去り、殺傷武器の輸出を全面的に解禁するものだと批判し、日本を「国際紛争助長国家」「死の商人国家」へと大きく変質させる暴挙に断固抗議し、武器輸出全面解禁の撤回を求めています。
しんぶん赤旗の記事を紹介します。
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武器輸出を全面解禁 閣議決定 「平和国家」投げ捨て
しんぶん赤旗 2026年4月22日
政府は21日、武器輸出のルールを定めた「防衛装備移転三原則」と、その運用指針の改定を閣議決定し、国産武器の輸出対象を制限する「5類型」の制約を撤廃しました。これにより、戦闘機や潜水艦など殺傷力のあるすべての武器に加え、他国と共同開発・生産する武器の第三国への輸出が可能となり、「平和国家」を投げ捨てる全面的な武器輸出に道を開きました。
高市早苗政権は「平和国家」の理念に基づいて定めていた武器輸出禁止の原則を跡形もなく消し去り、「死の商人国家」への道を突き進もうとしています。
政府はこれまで完成品の武器輸出を「救難、輸送、警戒、監視、掃海」の「5類型」に限定していましたが、昨年10月の自民・維新連立合意に基づき、これを撤廃。殺傷力などを基準に「武器」と防弾チョッキなどの「非武器」に分類し、「非武器」は無制限に輸出。「武器」の輸出先は、日本と「防衛装備品・技術移転協定」を結ぶ米国、英国、オーストラリア、フィリピンなど17カ国を対象としていますが、新たに締約を結べば輸出対象国は拡大します。
また、紛争当時国への武器輸出は「原則不可」としつつも、「特段の事情がある場合」は例外的に可能などと規定しました。小泉進次郎防衛相は4日の衆院予算委員会で、同盟国の米国が戦闘中の紛争当事国である場合「インド太平洋で米軍の態勢を維持するため、装備品が必要になるケース」が想定されると答弁し、米国支援の狙いを明言しました。イランを先制攻撃した米国は迎撃ミサイルの枯渇に直面しています。同様の無法な戦争を引き起こした米軍に日本が武器を提供し、多くの人命を奪う危険があります。
他国と共同開発・生産する武器の第三国への輸出は、従来は英国、イタリアと共同開発する次期戦闘機に限定していましたが、今後は豪州と共同開発する「もがみ」型護衛艦などを第三国に輸出することも可能となります。
武器輸出の可否の判断について、国家安全保障会議(NSC)が行うと限定し、欧州諸国などを例に輸出の際の国会承認を不要とし、国会には決定後に通知するなどとして、国会の関与を形骸化させています。
武器輸出全面解禁 独裁的決定に抗議 官邸前で緊急行動
しんぶん赤旗 2026年4月22日
武器輸出を全面解禁する閣議決定に抗議する人たち=21日、首相官邸前
高市早苗内閣が武器輸出のルールを定めた「防衛装備移転三原則」を改定し、非戦闘目的に限定する「5類型」を撤廃し、殺傷能力のある武器輸出を可能とする閣議決定をしたことに抗議する緊急行動が21日、首相官邸前で取り組まれました。武器取引反対ネットワーク(NAJAT)、日本平和委員会などの呼びかけ。プラカードを手に90人(主催者発表)が鳴り物にあわせて「勝手に決めるな」「国会にはかれ」などとコールしました。
日本平和委の西村美幸常任理事は、オーストラリア国防相と小泉進次郎防衛相がイラン攻撃で激減した米国のミサイル在庫を補うために武器製造で協力することを確認したと指摘。「日本の武器輸出が米国を補完し支えることに怒りを感じる」と訴え、武器輸出反対の署名を広げ、再び禁止を政府に迫ろうと呼びかけました。
NAJATの杉原浩司代表は、今回の決定は政府の一存で殺傷武器の輸出を可能にしたと述べ、「国会を蹂躙(じゅうりん)し、手続きもない。“独裁政権”のような決定だ」と批判しました。
「富士にミサイル止めて!の会」のメンバーは、殺傷武器輸出や日本各地で広がる長射程ミサイル配備・弾薬庫建設など「戦争国家づくり」を押しとどめようと呼びかけました。
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武器輸出全面解禁に抗議 撤回要求 田村委員長が談話
しんぶん赤旗 2026年4月22日
日本共産党の田村智子委員長は21日、政府が防衛装備移転三原則と運用指針を改定し、殺傷武器輸出の制限撤廃を閣議決定したことに対し、「武器輸出全面解禁に強く抗議し、撤回を求める」と題する談話を発表しました。(談話全文は下掲)
談話は、今回の閣議決定は、国際紛争を助長する武器輸出は禁止するという憲法9条に基づく国是を捨て去り、殺傷武器の輸出を全面的に解禁するものだと批判。日本を「国際紛争助長国家」「死の商人国家」へと大変質させる暴挙に断固抗議し、武器輸出全面解禁の撤回を求めています。
その上で、米・イスラエルによるイラン攻撃をはじめ無法な戦争が相次いでいる今こそ、日本は国際紛争を助長するのではなく、日本国憲法に基づく「平和国家」としての行動を示すべきだと指摘。日本共産党は、憲法9条を守り生かし、国際紛争の平和的解決を求める連帯を国内外に広げる決意だと表明しています。
武器輸出全面解禁に強く抗議し、撤回を求める
2026年4月21日 日本共産党委員長 田村智子
日本共産党の田村智子委員長が21日、高市内閣が防衛装備移転三原則と運用指針を改定し、殺傷武器の輸出を全面的に解禁したことについて発表した談話は次のとおりです。
一、高市政権は21日、「防衛装備移転三原則」とその運用指針の改定を強行した。これは、国際紛争を助長する武器輸出は禁止するという、憲法9条に基づく国是を捨て去り、殺傷武器の輸出を全面的に解禁するものである。輸出した殺傷武器により無辜(むこ)の人々の命が奪われるような事態は絶対に許されない。日本を「国際紛争助長国家」「死の商人国家」へと大変質させる暴挙に断固抗議し、武器輸出全面解禁の撤回を求める。
一、今回、武器輸出を救難・輸送・警戒・監視・掃海としてきた「5類型」の撤廃により、戦闘機や艦艇、長射程ミサイルなどの輸出が可能となる。輸出先についても、国家安全保障会議(NSC)が個別の案件ごとに輸出を認め、紛争当事国であっても「特段の事情」があると判断すれば輸出可能となる。政府の一存で殺傷武器の輸出をすすめるなど断じて許されない。
一、そもそも武器輸出禁止は、1976年、三木内閣が「平和国家としての立場」「国際紛争の助長回避」を理由に宣言し、1981年の衆参本会議で武器輸出全面禁止を全会一致で決議し、国是としてきた。2014年に安倍政権が、武器輸出「原則禁止」を「原則可能」とする「防衛装備移転三原則」へと変質させたが、それでも殺傷武器輸出については「5類型」を設けざるを得なかった。今回の政府の決定は、この最後の「制約」さえも取り払うものである。国会決議によって国是としてきた原則を、国会での議論もなく、時の政権の一方的決定で投げ捨てることは議会制民主主義の蹂躙(じゅうりん)である。
一、高市首相は、武器輸出について「日本経済の成長にもつながる」などと国会答弁で主張している。これは、“軍需産業のもうけのためには国際紛争を助長してもかまわない”“紛争を助長すればさらにもうかる”と言うに等しく、「死の商人国家」への堕落に他ならない。
一、米・イスラエルによるイラン攻撃、ロシアによるウクライナ侵略、イスラエルによるガザ攻撃など、無法な戦争が相次いでいる今こそ、日本は国際紛争を助長するのではなく、日本国憲法に基づく「平和国家」としての行動を示すべきである。
日本共産党は、憲法9条を守り生かし、国際紛争の平和的解決を求める連帯を国内外に広げる決意である。