2018年2月20日火曜日

まずは自衛隊明記 次の改憲で9条2項削除 が自民の狙い

 自民党の憲法改正推進本部の船田元・本部長代行は15日、国会内の集会にビデオ出演し、先ずは憲法第9条の1項・2項を残して自衛隊を明記する改憲を行い、続いて2項削除へと進む2段階での改憲を狙っていると語りました。はじめは2項を残して国民の警戒感を弱め、その後に2項を削除するというものです。

 2段階改憲論は、改憲右翼団体「日本会議」から出されていて、日本会議国会議員懇談会の幹部の一人は、「本当はそういう手の内は分からないようにしておきたい。その意味で『2段階論』を暴露したのは余分だった」と語りました
 とんでもない狡猾さです。
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自民、「2段階改憲」暴露
まずは自衛隊明記  2回目以降9条2項削除 国民の警戒緩和狙う
しんぶん赤旗 2018年2月19日
 自民党の憲法改正推進本部の船田元・本部長代行は15日の国会内の集会にビデオ出演し、憲法第9条の1項・2項を残して自衛隊を明記する改憲に続いて2項削除へと進む「2段階改憲」の狙いを語りました。1、2項を残すのは9条改憲への警戒感を弱める策略で、まずは自衛隊明記で戦力不保持規定の2項を「空文化」し、その先で2項そのものを取り去る狙いを語ったものです。

 ビデオで船田氏は「2項を外した方が理屈としては整合性が取れるが、2項を外すとなると自衛隊の役割・機能が無限に拡大してしまうという恐れを国民に与えかねない」とし、「2項を残した形で自衛隊を明記する方が国民の理解が得やすい」と、国民の警戒緩和の意図を語りました。

複数改定前提に
 そのうえで、「もう一つのアイデアで、最初の憲法改正、これから複数回あるという前提で考えると、1回目の憲法改正では9条2項を残したままで自衛隊を書く。しかし2回目以降で、国民もわれわれも憲法改正手続きに慣れてきたところで将来は9条2項を外し、そして自衛隊を書くことにしたらどうか」と述べ、自衛隊明記の先に「2項削除」へと進む2段階改憲のシナリオを明言しました。
 こうした2段階改憲論は、改憲右翼団体「日本会議」から出されています。

 日本会議政策委員の百地章国士舘大学特任教授は1月に都内で開かれた日本会議系の集会で、「70年間一度もなかった憲法を改正する大事業を私どもの力でやりとげれば、この成功体験は必ず次につながる。第一歩としてまずは自衛隊を明記しろと。そこから議論していけば、自衛隊を軍隊にしないといけないとなる」と発言しました。

 さらに同集会で、日本会議国会議員懇談会の木原稔財務副大臣は「一度でも改正したら国民のハードルはぐっと下がる。1回目の改正を成功させた後に、2回目の改正、3回目の改正、当然前文も改正しないといけない。しかし1回目の改正を、今年成功させるためにはどうしたらいいか、私も安倍総理と同じ、結果を出さないといけない」とあからさまに2段階、3段階改憲を語りました。

隠したい手の内
 日本会議国会議員懇談会の幹部の一人は、公明党が2段階論への警戒を示していることもふまえ、「本当はそういう手の内は分からないようにしておきたい。その意味では、船田さんが『2段階論』を暴露しちゃったのは余分だった」と語っています。(中祖寅一)

裁量労働法制は法案の提出を断念すべき

 裁量労働制は「働く時間や仕事の進め方を労働者の裁量に任せ、実際に働いた時間でなく、あらかじめ決めた分だけ働いたとみなして賃金を払う制度」ですが、労働者が見積もった所要時間を高利潤を追求する企業がそのまま認める筈はないので、労働者から見ると無理な数字で折り合う可能性が大です。しかし仕事というのは、やり出すと当初の見通しよりも3割増しや5割増しになるということはいくらでもあります。
 その持ち出し分は全部労働者の負担にするというのがこの制度の目玉で、企業側がこれの採用を切望する理由です。
 このような制度が労働者のためのものであるなどと言えるのは、御用組合幹部と経営者間の建前論議の場面以外では考えられずに、少しでも良心があるひとであればとても口には出来ません。それを堂々と言えるというのはよほど仕事を知らないか、あるいはウソを吐くことに何の抵抗もない人でしょう。

 19日、「裁量労働制の方が実働時間数が少なくなる」と首相が説明した根拠は、3年ほど前に作成されたずさんなデータであり、それをこれまでずっと政府が使い回してきたことが明らかにされました。厚労省は「意図的に数字を作ったものではない」とデータの捏造を強く否定していますが、首相をはじめとして、常識に反するこうしたデータを見ても何の違和感も持たなかった感覚と見識の低さには呆れます。

 3つの社説を紹介します。
 しんぶん赤旗は、裁量労働制の方が一般労働者よりも実働時間数が少なるなるように手を加えたことは明らかだとして、それを撤回したのであれば法案の前提が崩れたとしました。
 神戸新聞は、「残業代は頭打ちにし、健康は労働者が自分自身で守る。現状の裁量労働を見れば、働かせる側の都合ばかりが目立つ」、「裁量労働制の実態を直視せずに対象を拡大するのなら、働く者にとっての改革とは言えない」としています。
 中國新聞は、「働く時間や仕事の進め方を労働者の裁量に任せ、あらかじめ決めた分だけ働いたとみなして賃金を払う方式は、人件費抑制につながるため経済界には対象業務の拡大を求める声が強いが、厚労省所管の独立行政法人の調査では裁量制の労働者の方が長時間労働の割合が高いとの結果だった」として、「客観的な裏付けがなくなった以上、実態把握からやり直すべき曖昧なデータでは議論はできないはず」としています
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主張首相の答弁撤回「働き方」法案の前提が崩れた
しんぶん赤旗 2018年2月19日
 安倍晋三首相が「働き方改革」一括法案に盛り込む「裁量労働制」の拡大をめぐる自らの国会答弁を撤回して謝罪に追い込まれ、大問題になっています。撤回した首相の答弁は「裁量労働制で働く方の労働時間の長さは、平均的な方で比べれば一般労働者よりも短いというデータもある」という、法案の根幹にかかわるものです。答弁の根拠となったデータそのものが大うそだったのです。長時間労働を野放しにする裁量労働制の拡大などを盛り込んだ法案に道理がないことはいよいよ明白です。国会提出はきっぱり断念すべきです。

ずさんなデータを根拠に
 裁量労働制は、いくら長時間働いても、労使で事前に合意した分だけを働いたとみなす制度です。今でも裁量労働制は長時間労働の温床の一つとされており、それを拡大する法案には労働者、過労死遺族の人たちなどから厳しい批判の声が上がっていました。
 首相は先月29日の国会答弁で、裁量労働制の方が一般労働者より労働時間が短いと述べたのは、国民の批判をかわし、裁量労働制の拡大を合理化しようとしたものでした。それを撤回したとなれば法案の前提は成り立ちません

 この答弁の基礎になったとされるデータは、厚生労働省の「2013年労働時間等総合実態調査」です。これをもとに首相は、企画業務型裁量制の労働者は1日9時間16分、一般の労働者は同9時間37分の平均労働時間になり、裁量労働制の方が一般の労働者よりも短いと主張しました。しかしこのデータは、本来なら比較できない数値を都合よく加工したものです。
 裁量制の労働者については、事業所が「労働時間の状況」として把握した時間です。これに対し一般労働者は、実際に働く「所定労働時間」より長い「法定労働時間」(8時間)に、時間外労働を足していました。一般労働者の労働時間を長く見せるために手を加えていたのです。しかも調査は労働者全体の平均値ではなく、抽出した「平均的な者」の労働時間であり、実態を正確に反映していません。

 裁量労働制の労働時間が長いことは多くのデータから明らかになっています。労働政策研究・研修機構が労働者から聞いた調査では、企画業務型裁量制の労働者の1カ月の平均労働時間は194・4時間に対し、一般労働者は186・7時間です。厚労省の労働基準局長は他に裁量労働制の方が短いというデータがあるのかと聞かれ「持ち合わせていない」と国会で答弁しています。根拠のなさは動かしようがありません。実態をねじ曲げたデータを使い、悪法を国民に押し付けようとする安倍政権の姿勢は到底許されません。

法案提出断念へ世論広げ
 安倍政権が今月末にも国会提出を狙う「働き方改革」一括法案は、裁量労働制の拡大だけでなく、「残業代ゼロ制度」の導入、過労死水準の残業の容認―など財界の要求に沿った「働かせ方大改悪」というのが実態です。首相はあくまで「働き方改革」一括法案を国会に提出しようとしていますが、あまりにも無反省です。
 しかし、追い詰められているのは安倍政権です。虚偽データをつくった安倍政権の責任を徹底追及するとともに、法案提出の断念を迫る世論と運動を国会内外で大きく広げる時です。


首相答弁撤回/裁量制の実態に向き合え
神戸新聞 2018年2月18日
 珍しく、安倍晋三首相が国会で陳謝した。看板政策である「働き方改革」関連法案を巡る答弁で示したデータに疑義が生じ、答弁を撤回したのだ。
 裁量労働制で働く人の労働時間は一般の労働者より短い-。法案に盛り込んだ裁量制の対象拡大について首相はそう説明してきたが、裏付けるデータの信ぴょう性が揺らいだ。
 加藤勝信厚生労働大臣は19日に精査した結果を示すと明言した。しかしデータを修正して済む問題ではない。改めねばならないのは、都合のいい統計で印象操作を図ろうとする政権の姿勢である。

 問題となったのは、厚労省が2013年度に発表した全国約1万事業所の調査結果だ。「平均的」な1日の労働時間が裁量労働制では9時間16分で、一般労働者より21分短いという。首相はこれを根拠に労働時間の短縮につながるとした。
 ところが、この数字は正確な「平均値」ではなく、一部のデータを抽出し、それを「平均的」と表現していた。
 しかもよく見ると、一般労働者では法定労働時間の8時間に加え、さらに8時間以上働いているという回答が1%あり、中には15時間以上の例もあった。
 野党が「都合のいい数字だけを出し、恣意(しい)性がある」と反発するのも当然だ。
 厚労省所管の独立行政法人が同じ13年に行った調査結果が示すのは、裁量労働制では1カ月の実労働時間が200時間を超す割合が半数に届く実態だ。深夜や土日勤務が「よくある」との回答も多かった。
 厚労省は既に裁量労働制を導入している事業所に自主点検を求めている。対象外の業務をさせたり、健康確保措置を講じていなかったりする不適切な運用が相次いでいるからだ。

 専門性を生かし、自分のペースで仕事をする。政府は裁量労働制を働く者に有益な仕組みとうたい、「働き方改革」の柱に据えてきた。本当だろうか
 残業代は頭打ちにし、健康は労働者が自分自身で守る。現状の裁量労働を見れば、働かせる側の都合ばかりが目立つ
 そこを直視せずに対象を拡大するのなら、働く者にとっての「改革」とは言えない


裁量労働制 首相答弁撤回 実態把握からやり直せ
中國新聞 2018年2月18日
 対象業務を広げようとする根拠は崩れたのではないか。裁量労働制を巡る国会での質疑について、安倍音三首相が「答弁を撒回し、おわびする」と陳謝した。異例の事態と言えよう。
 問題となったのは、1月29日の衆院予算委員会での発言だった。裁量労働制で働く人の労働時間について「平均的な方で比べれば、一般労働者より短いとのデータもある」と述べた。長時間労働になりかねない、といった批判が絶えない制度の導入にメリツトがあるとアピールしたかったに違いない。

 ところが、データを引用した厚生労働省の調査の信頼性に疑義が生じた。労働時間の算出方法が、この制度で働く人と一般の労働者で異なっていた。これでは比べること自体に無理がある。データ集計時にミスがあった可能性も指摘されている。
 歴代の厚労相の国会答弁でも同じデータが使われていたという。根は深いと言わざるを得ない。「あたかも裁量制なら労働時間が短くなるという印象操作的な答弁」。連合の神津里季生(りきお)会長が、政府を厳しく批判したのも当然だろう。

 裁量労働制は今、弁護士などが対象の「専門業務型」と、企画や調査を担う事務系の 「企画業務型」の2類型に導入されている。働く時間や仕事の進め方を労働者の裁量に任せ、実際に働いた時間でなく、あらかじめ決めた分だけ働いたとみなして賃金を払う点が特徴だ。
 人件費抑制につながるため、経済界には対象業務の拡大を求める声が強い。政府は2015年、営業職などに対象を広げる法案を国会に出した。しかし深夜や休日以外は割増賃金なしで「働かされ放題になる」といった批判が労働組合や野党にあり、審議は進まなかった。労働時間が長くなってしまうとの不安は以前から根強かった。

 答弁を撤回したからといって、済ませるわけにはいかない。なぜ、こんなずさんなデータ処理がなされ、チェック機能も働かなかったのか。そもそも都合良くデータを利用しようという思惑はなかったのか。明らかにする必要がある。
 加藤勝信厚労相は、このデータを精査した結果を19日に示す考えだが、関連法案は手直しせずに国会に出すという。データをまとめた厚労省はじめ政府の信頼が揺らいでいることに気付いていないのだろうか。

 法案について、政府は問題になったデータだけを基礎にして作ったわけではないと、釈明している。一方で、制度導入により働く時間が短くなるという効果を示すデータは、ほかにはないことは認めている。
 それどころか、厚労省所管の独立行政法人の調査では「裁量制の労働者の方が長時間労働の割合が高い」との結果だったという。これでは、懸念の声は増すばかりだろう。
 政府があくまでも、この制度の対象拡大を目指すのであれば、労働者にはどんなメリツトがあるのか、少なくとも不利益にはならないことを客観的なデータで示すことが欠かせない。
 政府が重点政策と位置付ける「働方改革」の柱の―つである。制度の対象を広げる根拠となる客観的な裏付けがなくなった以上、実態把握からやり直すべきだ。曖昧なデータでは議論はできないはずだ。

20- 元々なかったロシアゲート疑惑

 ロシアの米大統領選干渉疑惑を捜査しているマラー特別検察官は16日、メール、フェイスブック、ツイッターなどを通じて共和党候補だったトランプ大統領を応援する集会を組織するなどの干渉を行ったとして、ロシア人13人やロシアのネット企業など3社を連邦大陪審が起訴したと発表しました。
 起訴状には、トランプ陣営がロシア側と「共謀」した事実の記載はないということです

 これがいわゆるロシアゲートに関して「検察側が主張する内容」で、この1年間の大騒ぎはいったい何だったのかということです。そんなことが選挙戦に影響するとはとても思えないし、外国の組織が違法を覚悟でこの程度のことにわざわざ参入するものでしょうか。

 海外の情勢に詳しい「櫻井ジャーナル」は、NSA(米国家安全保障局)史上最高の分析官が、「もしロシアゲートなるものが存在しているならNSAは証拠を持っているので調査は不要」と述べたとしてラーが特別検察官になった段階でこの疑惑がインチキだと言うことははっきりしていたと、この疑惑を一蹴しました。

 また当初から、ロシアゲート疑惑を、FBIやCIA、ヒラリー陣営の幹部連中や体制側メディアが、大統領選挙の結果を覆し大統領を退陣させるために仕組んだクーデターの策謀だと見做していた「マスコミに載らない海外記事」主幹のPaul Craig Roberts氏は、この結末について「9ヶ月間の捜査で得られるものとして、一体何と惨めな結果だろう」、「マラー捜査官によって得られたものは皆無」と片付けました。

 トランプ大統領が当選してからずっと続いていた国家を挙げての大統領罷免の策謀=しかもそれは体制派が憎悪してやまないロシアを絡めたもの=は失敗に終わりました。

「櫻井ジャーナル」と「マスコミに載らない海外記事」の記事を紹介します。
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存在しないロシアゲートを宣伝する米国は軍事侵略やクーデターだけでなく
選挙にも介入してきた  
櫻井ジャーナル 2018年2月19日
13名のロシア人とロシアの3機関を起訴するとロバート・ラー特別検察官は2月16日に発表したが、起訴状の中身は空っぽと言える代物だった。NSA史上最高の分析官のひとりと言われているウィリアム・ビニーが早い段階から指摘しているように、もしロシアゲートなるものが存在しているならNSAは証拠を持っているので調査は不要、つまり特別検察官を任命する必要はなかった。つまり、ラーが特別検察官になった段階でこの疑惑がインチキだと言うことははっきりしていたと言える。

ロシアゲート事件はインチキだが、アメリカ政府は世界中で選挙に介入してきた。それだけでなく軍事侵略、軍事クーデター、1980年代からは傭兵を使った侵略を繰り返している。
2次世界大戦後に行われた有名なクーデターだけでも1953年のイラン54年のグアテマラ、60年のコンゴ、64年のボリビア、ブラジル、66年のガーナ、71年のボリビア、73年のチリなどがすぐ頭に浮かぶ。

そのほか、1961年には亡命キューバ人を使ってキューバへの軍事侵攻を試み、79年から89年にかけてはアフガニスタンで秘密工作を実施、81年から87年にかけてはニカラグアの革命政権を倒すために前政権の戦闘員を使ってコントラを編成して攻撃している。1960年代から80年代にかけてのイタリアではCIAを黒幕とする極左を装った爆弾攻撃(テロ)が繰り返された。その工作を実行したのがNATOの秘密部隊のひとつグラディオだ。

このイタリアは戦略上、重要な位置を占めているのだが、コミュニストの影響力が強い国でもあった。第2次世界大戦中、西ヨーロッパでファシストと戦ったのはレジスタンスで、その中心はコミュニスト。そうしたこともあり、1948年に予定されていたイタリアの総選挙ではコミュニストが優位だと見られていた。そこでアメリカ政府は総選挙に介入している。
その際、創設から間もないCIAが重要な役割を果たした。その工作資金1000万ドルを洗浄するため、無数の銀行口座を経由させている。その資金はドイツがヨーロッパで略奪した財宝、いわゆるナチゴールドの一部が使われたという。
ローマ教皇庁のフランシス・スペルマン枢機卿によると、アメリカ政府は密かに、「イタリアにおける多額の『裏金』をカトリック教会に流していた」。(クリストファー・シンプソン著、松尾弌之訳『冷戦に憑かれた亡者たち』時事通信社、1994年)
このスペルマンの高弟だというブルーノ・ビッター(ビッテル)という神父が日本で活動していた。朝日ソノラマが1973年に出した『マッカーサーの涙/ブルーノ・ビッテル神父にきく』によると、GHQ/SCAPの内部で高まっていた靖国神社を焼き払えとい意見を押さえ込んだのがビッターだという。
ビッターは日本で闇ドルを扱っていたことでも知られ、その資金がリチャード・ニクソンを副大統領にするために使われたとも言われている。副大統領になった最初の年、1953年にニクソンは日本を訪れている。月刊誌「真相」の1954年4月号によると、日本でニクソンはバンク・オブ・アメリカ東京支店の副支店長を大使館官邸に呼びつけて「厳重な帳簿検査と細かい工作指示を与え」ているが、この会談にビッターも同席していたという。
その会談の後、霊友会の闇ドル事件にからんでビッターは逮捕された。外遊した同会の小谷喜美会長に対し、法律に違反して5000ドルを仲介した容疑だった。当時の日本人エリートは海外旅行する際、日本カトリック教団本部四谷教会のビッターを介して闇ドルを入手していたとされている。
この事件を掘り下げていくとCIAの秘密工作やアメリカ政界の暗部が浮かび上がる可能性がある。そこで、ビッターが逮捕された際に押収された書類はふたりのアメリカ人が警視庁から持ち去り、闇ドルに関する捜査は打ち切りになってしまった。秘密裏に犬養健法相が指揮権を発動したと言われている。

オーストラリアで労働党のゴウ・ウイットラム政権がアメリカに潰されたことも知られている。1972年12月の総選挙で労働党が大勝したことで成立したのだが、ウイットラム首相は自国の対外情報機関ASISに対し、CIAとの協力関係を断つように命令した。

1973年9月にチリで実行されたオーグスト・ピノチェトのクーデターで社会党のサルバドール・アジェンデ政権を倒しているが、ジャーナリストのデイビッド・レイによると、チリでASISがCIAと共同でアジェンデ政権を崩壊させる工作を展開していたことをウイットラムが知っていたことを示す文書が存在するという。(David Leigh, "The Wilson Plot," Pantheon, 1988)
1973年3月にウイットラム政権の司法長官は情報を政府に隠しているという理由で、対内情報機関ASIOの事務所を捜索、翌年8月には情報機関を調査するための委員会を設置している。(前掲書)
こうした動きに危機感を抱いたCIAは1975年11月、イギリス女王エリザベス2世の総督、ジョン・カー卿を動かし、ウイットラム首相を解任してしまう。ジョナサン・ウイットニーによると、カーは第2次世界大戦中の1944年、オーストラリア政府の命令でアメリカへ派遣され、CIAの前身であるOSSと一緒に仕事をしている。大戦後はCIAときわめて深い関係にあった。(Jonathan Kwitny, "The Crimes of Patriots," Norton, 1987)


マラー捜査の結果: 皆無
マスコミに載らない海外記事 2018年2月18日
Paul Craig Roberts 2018年2月16日
今日(2018年2月16日、金曜日)13人のロシア人と、3つのロシア組織がソーシャル・メディアを利用して、2016年選挙に影響を与えようと策謀したと起訴して、ロバート・マラーは、彼自身と彼が画策したロシアゲート捜査の信用を傷つけたのだ。連中の狙いは、“アメリカ政治体制に不和の種を蒔くこと”だったとマラーは言う。

9ヶ月間の捜査で得られるものとして、一体何と惨めな結果だろう!
ヒラリーの電子メールをロシアがハッキングしたという喧伝され、毎日聞かされた話題は、マラー起訴のどこにも見あたらない。その代わりに“不和の種を蒔くため、ソーシャル・メディアを使った”のだと言う。本当だ! たとえ起訴が正しいにせよ、民主党がトランプに投票した人々を、人種差別主義者、性差別主義者、同性愛嫌い白人のくずのみじめな連中と呼んだ前回の大統領選挙での大変な不和を考えると、たった13人のロシア人がソーシャル・メディアを使って、一体どれだけ不和を増やせるのだろう?

トランプ/プーチン共謀も、マラーの起訴には含まれていないことにも注目しよう。マラーの起訴は、不和の種を蒔こうというロシアの計画は,トランプが、2017年に大統領に出馬するだろうという何らかの考えが現れる前の2014年に始まったと言う。策謀とプーチンとのつながりは、策謀にはサンクトペテルブルクのレストラン経営者が資金を提供したが、彼とプーチンとのつながりは、彼の会社が、ロシア高官と外国首脳の公式晩餐会の仕出しを一度したことだという主張に成り下がった。

最後に、マラーの起訴公表が、ニュースが無い週末だったのは、トランプに対するプーチンと共謀したという売女マスコミがたっぷり我々に与えてくれた膨大なプロパガンダ猛攻を正当化するものが皆無だと、マラーが知っていたことを意味するのに留意しよう。もし起訴が、なんらかの価値ある代物だったら、月曜日朝に発表されたはずで、売女マスコミはFBIとCIAから、新聞に掲載するためのニュース記事を手渡されていたはずなのだ。

13人のロシア人は、一体どうやって不和の種を蒔いたのだろう? これを聞く用意がおありだろうか? 彼らはアメリカ人を装った政治集会を開催し、彼らは、ある人物(身元不明)に平床型トラックに載せる檻の制作費を支払い、別の人物には、囚人服を着せ、ヒラリーを演じさせたのだ。

この策謀に一体どれだけの金が使われたのだろう。月120万ドルという予算は、前回の選挙で、ヒラリーとトランプが使った26.5億ドルと、連邦議会の全候補者が使った68億ドルからして、遙かに些少な額だ。

マラーは、ロシア人13人の一部の電子メールを入手していると主張している。もし電子メールが本物なら、これはまるで少人数の子供が大きなことをするまねゴッコ遊びのようだ。電子メールの一つは、FBIが彼らを追跡しているので、証拠を隠蔽するのに多忙になったと自慢している。

ポール・ライアン下院議長はマラーの策略に引っかかった。
NSAスパイ・プログラムの設計者、ウィリアム・ビニーが言ったことを想起されたい。もし何かそのようなロシアゲート策謀が存在していれば、NSAは証拠を持っているはずだ。捜査など不要なはずだ。
彼らのスパイのFISA裁判所による承認要求が欺瞞に基づいていたことが知られてしまった以上、マラーとローゼンシュタインは自分たちの命を守るために戦っているのだと結論づけられる。以下を参照。

 マラーは、 FBIによるFISA裁判所欺瞞から注目を逸らせ続けられるだろうと願って、ロシア政府職員ではない人々に対するこのばかげた起訴をしたのだ。
マラーは、FBI長官として実証したのと同様、特別検察官として、道徳の欠如を実証したのだ。

 Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼 の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

記事原文のurl:

2018年2月19日月曜日

言論の府が崩壊しつつあることを新聞はなぜ書かない

 時事通信などの世論調査では内閣支持率が微増しています。これについて日刊ゲンダイは、多くの国民は国会でどんな議論が行われているのか知らないのではないかと、疑問を呈しました。政府側の弁明はデタラメの羅列で、弁明もできないことは木で鼻を括るように開き直るというわけで、言論の府は崩壊しているというのにこれでは、そうとしか考えられないというわけです。

 まず森友学園問題に関しては、佐川宣寿氏の答弁を否定する財務省の内部資料や音声データが次々に出てきて、野党からの佐川氏の国会出席の要求に応じるかどうかで、官邸と財務省の間でひそかにせめぎあいが行われているようで、この件についてはもう勝負がついているのですが。政府がどんな責任の取り方・付け方をするのかは未知数です。
「働き方改革」に関して、安倍首相が最も基本となる労働時間の多寡に関して偽データを用い半月間もその撤回に応じませんでした。当然「撤回します」の一言で済まされる問題ではありません。 

 日刊ゲンダイは、
・共産党の志位委員長が、「政府は生活保護を利用していない低所得世帯の生活水準が下がった』ことを理由に生活保護費のカットを決めたが、『低所得世帯の生活水準が下がった』のなら、アベノミクスは失敗と自ら認めたことにならないかと追及した
・立憲民主党の枝野代表が、政府はいまにも北朝鮮からミサイルが飛んでくると危機が煽っておきながら、自衛隊の安保法違憲の訴訟で、政府が裁判所に提出した書面には『現時点で存立危機事態は発生しておらず、国際情勢に鑑みても、将来的に発生することを具体的に想定し得る状況にない』と書かれている」と、国民向けと裁判所向けで正反対のことを述べていると批判した
 の二つの例を上げ、こうした野党の鋭い指摘をメディアがキチンと報道していないので、多くの国民は知らないでいるのでは、と述べています。

 金子勝立正大名誉教授(憲法)は、「議会の骨抜きは、必ず独裁者がやることで議会が無力化すれば、国民の政治に対する関心が低くなるので、独裁者には好都合して、「日本の大手メディアが、野党が鋭い質問をしても取り上げようとしない」のは、その路線を行っているからと述べています。
 もしも大手メディアがその極めて重い責任を放棄すれば、日本はますますおかしな方向に向かうことになります。
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言論の府は完全崩壊 新聞が書かないデタラメ国会の惨状
 日刊ゲンダイ 2018年2月17日
(阿修羅 赤かぶ 2.17投稿 より転載
 まったく信じられない話だ。微増ではあるが、安倍内閣の支持率がアップしているのだ。時事通信の調査では、支持率は前月比2.1ポイント増の48.7%。不支持率は1.7ポイント減の31.9%だった。
 多くの国民は、国会でどんな審議が行われているのか分かっていないのではないか。大新聞テレビは伝えようとしないが、国会では安倍政権のヒドさ、デタラメが次々に暴露されている。
 アベノミクスの失敗も証明された。政府は生活保護費のカットを決め、その理由を「生活保護を利用していない低所得世帯の生活水準が下がったからだ」と釈明している。そのことについて共産党の志位委員長はこう問いただしている。
「総理は『安倍政権になって貧困は改善』と宣伝してきたが、『低所得世帯の生活水準が下がった』のなら、貧困は改善は嘘で、アベノミクスは失敗と自ら認めたことになりませんか
 痛いところを突かれた安倍首相はグウの音も出なかった。しかし、このやりとりを知る国民は皆無に近いのではないか。大手メディアは、ほとんど取りあげなかったからだ。

 もし、国民が国会審議の中身をすべて把握したら怒り狂うに違いない。安倍政権の対応はヒドすぎるからだ。なかでも「森友疑惑」に対する答弁は、醜悪もいいところだ。
 もはや、佐川宣寿国税庁長官が国会で虚偽答弁をしていたことは明らかだ。
 森友学園との面会記録を「すべて廃棄した」と言い募り、賃料についても「先方に賃料を示すことはない」と明言していたが、財務省の内部資料に「学校法人を訪問し、貸付料の概算額を伝える」「貸付料の水準は1月に伝えている」と、ハッキリ明記されていることが分かった。
 ところが、麻生財務相は、屁理屈をこね回して絶対に虚偽答弁を認めない。野党をバカにするようにニタニタと笑いながら質問を聞き、答弁席に立つと「あくまで省内での法律相談であって面会記録ではない」「具体的な金額は提示していない」と、佐川答弁は問題なしと強弁しているのだから信じられない。

■野党の鋭い質問は報じられない
 かと思うと、豪華な“外相専用機”を要求している河野太郎外相は、国会審議中にグーグーと爆睡する始末である。完全に国会を軽視している。
 とにかく、この国会は異常だ。野党の質問時間は大きく削られ、質問時間が増えた与党議員はヨイショ質問をつづけている。しかも、野党が安倍政権の急所を突く質問をしても、大マスコミは報じようとしない。
 驚いたのは、立憲民主党の枝野代表が「安保法制」について、衝撃的な事実を明らかにしたのに、ほとんど伝えられなかったことだ。
 昨年11月、政府が「存立危機事態」について裁判所に提出した書面を持ちだして、こう追及している。
いまにも北朝鮮からミサイルが飛んでくると危機があおられているド真ん中で、政府が裁判所に提出した書面には『現時点で存立危機事態は発生しておらず、国際情勢にかんがみても、将来的に発生することを具体的に想定し得る状況にない』と書かれている
 なんと、国民の反対を押し切って「安保法案」を成立させておきながら、安倍政権は「存立危機事態」は、将来も発生しないと裁判資料で明言しているのだ。あれだけ危機をあおっておきながら、二枚舌もいいところだ。

 ところが、大新聞テレビは、このビッグニュースを伝えようともしない。法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)が言う。
「本来、この国会は、もっともっと注目されていいはずです。なにしろ、森友疑惑はクライマックスに差し掛かっている。サスペンスドラマだったら、犯人が崖の上に追いつめられた状態です。誰が考えても、佐川長官の虚偽答弁は明らかですからね。佐川長官の虚偽答弁が証明されたら、いよいよ次は昭恵夫人にターゲットが移る。ところが、国会に対する国民の関心が予想以上に低い。理由は、大手メディアが詳細を伝えないからですよ」
「働き方改革」に関して、安倍首相が偽データに基づいて答弁した問題も、「撤回します」の一言で許されそうなムードだ。
  
「国会の無力化」に手を貸す大マスコミ
 大新聞テレビは、自分たちがなにをやっているのか、分かっているのか。なぜ、破廉恥国会の一部始終を伝えないのか。
 安倍首相が総選挙で大勝した後、一番最初にやったことは、野党の質問時間を大きく削ることだった。慣例だった<野党8割・与党2割>の時間配分を、<野党64%・与党36%>に変えている。
 もちろん、モリカケ疑惑を追及される時間を減らしたいという思いもあったのだろうが、隠れた狙いが「国会の無力化」にあったのは間違いない。大手メディアのやっていることは、安倍首相に手を貸すのも同然である。立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)が言う。
「安倍首相は、国会を官邸の下部組織にするつもりなのでしょう。政府が提出した法案をベルトコンベヤーのように成立させる機関にする。議会の骨抜きは、必ず独裁者がやることです。議会が無力化すれば、国会審議がつまらなくなり、国民の政治に対する関心が低くなる。独裁者には好都合というわけです。それでも、メディアが権力を監視し、批判をつづければ、国民の政治への関心は維持されます。ところが、日本の大手メディアは批判精神を完全に失っている。野党が鋭い質問をしても取り上げようとしない。国民の政治への関心は低くなり、結果的に権力者が発信するニュースばかり耳にするようになるだけです」
 これでは、安倍内閣の支持率も上がるというものだ。憲政史上、最悪の国会となっている。

■「働き方改革」のウソも許すのか
 いい加減、大手メディアは目を覚ました方がいい。欧米先進国のメディアだったら、意地でも破廉恥国会の実態を報じているはずである。
 アメリカのメディアは、トランプから「フェイクニュース」と攻撃されても、「OK、かかってこい」とファイティングポーズを取り、記者を増員してトランプ発言の“ファクトチェック”を続けている。
 なのに、日本の大手メディアの幹部は、夜な夜な、安倍首相とうれしそうにグラスをかわしているのだから話にならない。
 政治評論家の森田実氏が言う。
「ジャーナリズムが立脚すべきなのは“健全な常識”と“正義”です。必要なのは、権力者の嘘は許さないという態度です。権力者の嘘を許したら、必ず国は傾きます。安倍首相は偽データに基づいて“働き方改革”を押し進めようとした。“撤回します”の一言で許される問題ではありませんよ。しかも、与党議員にわざと質問させ、アリバイ的に“撤回します”と答弁し、すぐに他のテーマに移っている。やり方が姑息すぎる。ところが、大手メディアは“撤回”したことで、終わりにしようとしている。なぜ、首相の責任を追及しないのか。10年前、20年前だったら、森友疑惑にしろ、働き方改革にしろ、連日キャンペーンを張っていたはず。このままでは、いずれ大手メディアは存在意義を失い、国民から信頼されなくなるだけです」
 大新聞テレビは、自分で自分のクビを絞めていることに気づいた方がいい。

19- 佐川宣寿国税庁長官はホテルに潜伏! 国税庁を1100人が包囲 

 佐川宣寿国税庁長官はいま密かにホテル暮らしをしていて、官庁への出退勤も、尾行されないようにテレビドラマもどきの複雑な遠回りの経路をとっているということです。
NEWSポストセブン」が「雲隠れの佐川・国税庁長官を発見 まるで逃亡犯のようなような行動」と題して、退庁する佐川長官を尾行した一部始終を激写スクープしました。

 それにしても、ここまで人目につくのを恐れているということは、佐川長官自身、国会で虚偽答弁をしたことのやましさを強く感じていることを証明するものです。

 折しも確定申告初日の16日には1100人が国税庁を包囲し、「佐川国税庁長官は国会に出てきて説明しろ」とのシュプレヒコールを行いました

 LITERAと田中龍作ジャーナルの記事を紹介します。
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佐川宣寿国税庁長官がマスコミから身を隠しホテルに潜伏! 
納税者に正直申告を要求しながら逃げ回る卑怯ぶり
LITERA 2018年2月18日
 確定申告の受け付けが全国で始まった。納税者が書類整理や面倒臭い手続きにヒーヒー言っている一方で、徴税側の“トップ”は遁走を続けている。ご存知、森友学園問題をめぐる昨年の国会答弁で一躍有名になった、国税庁長官の佐川宣寿氏だ。
 振り返るまでもないが、佐川氏は当時、財務省理財局長として、タダ同然の国有地取引を「適切だった」と正当化。学園側との面会記録等を「すでに破棄した」「残っていない」と言い張って、疑惑の火消しをはかった。その“論功行賞”として財務省のナンバー2である国税庁長官に栄転したわけだが、就任会見すら行わず、現在に至るまで表から姿を消しているのは周知の通り。
 また、確定申告のシーズンが始まると例年、国税庁長官はそのご威光を見せびらかすかのごとく各地の会場を訪問視察して回るが、今年については、国税庁は佐川長官の視察は行うとしたものの日程や場所は非公表。徹底して佐川氏を市民の目に触れさせないとの魂胆らしい。
 実際、担当記者たちの間からも「登庁しているはずなんだが見かけない」「自宅にもいる様子もない」との声が漏れてくる佐川氏だが、そんななか、昨日17日、この“霞が関の幽霊”を発見したという貴重な報道がなされた。

 小学館のニュースサイト「NEWSポストセブン」が「雲隠れの佐川・国税庁長官を発見 まるで逃亡犯のような行動」と題して、退庁する佐川長官を尾行した一部始終を激写スクープしたのである。
 ポストセブンによれば、佐川氏は14日の夕方、国税庁の建物から一人で出てきて、〈あたりをキョロキョロと見回すと、停めてあった公用車に飛び乗った〉という。財務省のお偉いさんとは思えない挙動不審ぶりだが、車が向かった先は都内のホテルだったらしい。ようするに、自宅でマスコミに詰められないよう、わざわざホテル暮らしをしているようなのだ。これではまるでスキャンダルの渦中の有名芸能人ではないか。

ホテルから厳戒態勢で国税庁に出勤する佐川国税庁長官、公用車でたった10分の距離を…
 さらにポストセブンでは、佐川長官が仮住まいとするホテルに朝まで張り込んで追跡したらしく、その貴重な登庁シーンまで報じているのだが、これがまたギャグレベル。記事によれば、〈午前7時45分に公用車が地下駐車場に入ると、ホテル従業員が10分おきに地下駐車場とホテル正面の車寄せの見回りを始めた〉という。
 思わず麻薬ファミリーのボスか何かかとつっこみたくなるが、しかも、到着から1時間45分も経ってからホテルを出た公用車は霞が関とは別方向へ走り出し、〈普通なら10分もかからない距離を30分以上かけて遠回りして国税庁に入っていった〉という。
 念のため言っておくが、この人、指名手配犯などではない。全市民に奉仕するべきお役人である。本来ならコソコソする必要などないはずだが、逆言えば、ここまで人目につくのを恐れていることこそが、佐川長官自身、国会で虚偽答弁をしたことのやましさを強く感じていることの証左ではないか。

 実際、15日の衆院予算委員会では、麻生太郎財務相が「(佐川氏は)これまでの経歴等々を見ても、いろいろ、虚偽答弁等々あるが」などと口を滑らせ、すぐに「訂正させて頂きます」と言い繕う一幕があったが、佐川氏が虚偽答弁によって隠蔽を図ろうとしたのはほとんどの国民にバレてしまっている。
 周知の通り、近畿財務局は先月19日、毎日新聞などの情報公開請求で局内作成の森友学園側との交渉経緯等を記した文書を開示。また、今月9日には財務省が交渉内容の含まれる計300ページ超の文書を国会に提出した。何度でも言うが、「事前の交渉はない」「破棄した」と強弁してきた佐川氏の答弁はデタラメ、明確な虚偽だったのである。

 誰が納得できるというのか。長官が現在も“逃走中”の身でありながら、国税庁は納税者に確定申告をしに出てこいと命じ、源泉徴収票や領収書、控除証明書等の提出を細かく求め、さらに市民のささやかな節税にまで目を光らせているのだから、もはや悪い冗談である。市民が一斉に納税をボイコットしたって文句を言えないレベルだろう。
 いずれにしても、存在する交渉記録を「破棄した」と嘘をつき、マスコミや市民から隠れて“逃亡生活”を続けるような国税庁長官など前代未聞。公文書管理の問題も含め、今国会への佐川氏の招致は絶対的な国民の要求だが、しかし、それが実現するかどうかはかなり微妙だ。

佐川長官をスケープゴートにしたい官邸と守りたい財務省がせめぎ合い
 マスコミでは、官邸や自民党も裁量労働制の拡大などの法案を通すために佐川氏の国会招致もやむなしという姿勢に転換したといわれているが、そう単純な話ではないらしい。
「関連文書提出で財務省が省ぐるみで佐川氏を庇っていて、頑として首を縦にふらないからです。佐川氏の虚偽答弁は先日の約300ページ提出で言い逃れできない状況なので、国会に出て来れば、袋叩きにあって官僚生命が終わってしまうのは必至。財務省は“将来の次官候補”として佐川氏を温存するために、それだけは避けたいと抵抗しているようです。しかし、一方の安倍首相や官邸側も佐川氏に嘘をつかせたのは自分たちですから、なかなか強く言えないということがあるらしい。それに、トカゲの尻尾切りで佐川氏をスケープゴートにすれば、前川喜平・前文科事務次官のような“反乱”が今度は財務省で噴出する可能性も出てくる。いまは官邸が佐川氏や財務省に水面下で取引条件を提示して、せめぎあいをしているんじゃないでしょうか」(全国紙官邸担当記者)

 ようするに、安倍首相の嘘に蓋をするためにどこで尻尾切りをするか、という話で、いずれにしても、国民への背信行為であることは言をまたない。
 しかし、このまま佐川氏の虚偽答弁を政府が容認して、国税庁長官の椅子に居座るなら、確定申告で納税者が「記録は破棄したので残っていないけど、適切だったと思います」と言い出しても抗弁できなくなる。自分を守るためなら国家の基本である「税」への信用すら平気で破壊する−−−−安倍首相といい佐川国税庁長官といい、本当にこの国のトップはみんなロクでもない。(編集部)


納税者一揆、国税庁を包囲 佐川長官は税務署回りで不在
田中龍作ジャーナル 2018年2月16日
 きょうから確定申告。税務署は納税者に対して領収書一枚に至るまで提出を迫り、5〜7年間の保存を義務付ける。なのにトップは「書類を破棄した」と うそぶく。
 税金を搾り取られる身はたまったものでなない。「佐川国税庁長官は国会に出てきて説明しろ」。怒れる納税者たちが国税庁前に押し寄せた。
 呼びかけたのは醍醐聰・東大名誉教授だ。醍醐氏は税務大学校の教官を指導した経験もある。税務署の実情を知るだけに佐川長官への怒りは ひとしお だ。
 氏はマイクを握り、国税庁に向かって訴えた
 「確定申告初日に納税者一揆をぶつけた。税に対する憤りが私たちの背中を押した。佐川長官、こそこそ逃げ回らないで。あなたのウソ答弁は出尽くしている。税務職員にとってあなたは迷惑な存在になっている。一日も一時間も早く辞めるべきだ」。

 これに先立ち、超党派の野党議員が国税庁を訪れ、佐川長官に面会を求めた。川内博史(立民)、杉尾秀哉(民進)、森ゆうこ(自由)、福島みずほ(社民)、今井雅人(希望)ら6議員。国会で舌鋒鋭く安倍政権を追及している面々だ。
 6人が国税庁に入ると最初に対応したのが、地方課長だった。地方課は陳情を受け付ける担当部署だ。
 野党議員たちは口を揃えるようにして「我々は陳情に来たのではない」と言った。森ゆうこ議員は「失礼な対応ね」と憤ったという。
 すると長官直結の秘書課に通された。来訪を見透かしたかのように佐川長官は不在だった。
 秘書係長の説明によると長官は「税務署を回っている」のだそうだ。ブラックユーモアという他ない。

 野党議員たちは「国会の場で説明責任を果たされたい」とする佐川長官あての要請書を、秘書係長に手渡した。
 福島みずほ議員が「こちらは面会を求め続ける」と言い置き、5人は国税庁を後にした。
 国税庁前の歩道は納税者で埋め尽くされ、財務省の裏手まで人垣は伸びた。1千人はいただろうか。国税庁は包囲された形となり、制服私服の警察官が出動するほどだった。

 「納税者の怒りを思い知れ!」「ふざけた国会答弁許さない!」・・・怒れる納税者たちのシュプレヒコールが日本の中枢に突き刺さった。
〜終わり~