2026年8月10日月曜日

長崎平和宣言 平和祈念式典で長崎市長 核軍縮に逆行する動きに危機感表明

 長崎平和祈念式典関係の4つの記事を紹介します。
長崎平和祈念式典で長崎市長「人類と核兵器は決して共存できない」…核軍縮に逆行する動きに危機感表明(読売新聞)
核抑止論 極めて危うい 長崎平和式典しんぶん赤旗)
2026 長崎平和宣言(長崎市ホームページ)
・核禁条約参加へ行動を 被爆81年・原水爆禁止世界大会閉幕(しんぶん赤旗)
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長崎平和祈念式典で長崎市長「人類と核兵器は決して共存できない」…核軍縮に逆行する動きに危機感表明
                           読売新聞 2026/08/09
 長崎は9日、81回目の「長崎原爆の日」を迎えた。長崎市松山町の平和公園では、長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典が行われた。鈴木史朗市長は「長崎平和宣言」で、大国の「力による支配」が横行し、核軍縮に逆行する動きが加速していると危機感を表明。「『長崎を最後の被爆地に』するため、核兵器廃絶と世界恒久平和の実現に向け、歩み続ける」と述べた。
 式典には、被爆者や遺族、各国の代表者らが参列。原爆がさく裂した時刻の午前11時2分には「長崎の鐘」が鳴らされ、犠牲者に哀悼の誠をささげた。
 鈴木市長は平和宣言で、原爆で顔に大きなやけどを負いながらも被爆の実相を伝え続けた語り部の吉田勝二さん(故人)の体験を紹介。今年5月、核拡散防止条約(NPT)再検討会議で成果文書が3回連続で採択されなかったことなどに触れ、「人類と核兵器は決して共存できない」と訴えた。
 高市首相は式典のあいさつで、「非核三原則を堅持している」とした上で、「核兵器のない世界の実現に向けた現実的かつ実践的な取り組みを推進している」と強調した。
 7月末までの1年間に死亡が確認された2773人の名前を記した原爆死没者名簿3冊の奉安も行われた。1968年からの累計の奉安者数は20万4708人となった。
 厚生労働省によると、広島、長崎で被爆し、被爆者健康手帳を持つ人は今年3月末時点で9万1105人で、平均年齢は86・66歳。被爆の記憶や体験の継承が課題となっている。


核抑止論 極めて危うい 長崎平和式典
                      しんぶん赤旗 2026年8月10日 





黙とうする平和式典参加者=9日、長崎市



 長崎市は9日、平和公園で、被爆81周年の平和式典を開きました。鈴木史朗市長は「長崎平和宣言」で「核抑止論は極めて危うい」と強調。日本政府に対して核兵器禁止条約再検討会議への参加、憲法の平和理念と非核三原則の堅持、核兵器に頼らない安全保障政策への転換を呼びかけました高市早苗首相は広島同様「非核三原則を堅持している」と現状を述べるにとどめ、禁止条約にはふれませんでした


 鈴木市長は、核保有国と核依存国の指導者にむけて「核抑止力に頼れば頼るほど、核戦争の危険もまた高まる現実を直視すべきだ」と指摘。被爆者と認められない「被爆体験者」の一刻も早い救済を求めました
 被爆者代表の本村チヨ子さん(87)は「平和への誓い」で「残された時間を、命の限り平和を叫びつづける」と訴え。国連のアントニオ・グテレス事務総長の来賓あいさつを中満泉軍縮担当上級代表が代読しました。
 平田研県知事は「長崎には、未(いま)だ被爆者として認められていない被爆体験者の方々がいる。なぜ、広島で黒い雨に遭った方々が被爆者として認められ、長崎で同じ事情にあった方々が被爆者として認められないのか」と、被爆者と認めるよう求めました。
 この1年間で確認された原爆死没者2773人を含む累計20万4708人分の名簿が納められ、原爆投下時刻の午前11時2分から1分間黙とうしました


令和8年 長崎平和宣言

              崎 平 和 宣 言

 1945年8月9日、米軍機が投下した一発の原子爆弾は一瞬にして長崎のまちを破壊し、その年の終わりまでに人口の3分の2にあたる15万もの人々が死傷しました。
 13歳で被爆した故・���田勝二さんは、地獄のような惨状をこう語っています。

爆心地の方に向かうと黒焦げで炭化した人、目が飛び出ている人、内臓が飛び出した人、手足がない人たちが右往左往していた。浦上川にたどり着くと、ここも焼けただれた多くの人が、油と血と汚れた水、その水を飲みながら次々に亡くなっていった。私は、全身血だらけ、皮膚は剥がれ体の下の方にだらりとぶら下がっていた。顔も皮膚は付いていたものの、どす黒く焼け焦げていた。

 田さんの顔には生涯消えることのない大きな火傷の痕が残り、周囲からの視線に苦しみ続けました。辛うじて死を免れた人々も、心身に深い傷を負い、放射線の影響でがんなどが発症することへの不安と恐怖を一生抱え続けています。

 今、地球上に存在する核弾頭は、1万2千発以上。
 なぜ、これほど残酷な兵器に固執する国があるのでしょうか。
 国際社会に蔓延する相互不信と対立・分断を背景に、大国の「力による支配」が横行しています。核保有国が当事者となったウクライナや中東の紛争も未だ予断を許さない状況です。さらには、核兵器の近代化や増強など、核軍縮に逆行する動きが加速しています。こうして、相互不信と対立・分断を一層深刻化させる悪循環に陥っているのです。
 これは、核兵器不拡散条約(NPT)再検討会議が核軍縮に向けた成果文書を3回連続で採択できなかったことでも浮き彫りになっています。

 核兵器に依存する国は、核兵器を実際に使用しなくても、保有することで他国に攻撃を思いとどまらせることができるという「核抑止論」を主張します。しかし、戦争という極限状況の中で自国の存亡を懸けた究極の判断を迫られたとき、それでもなお「核のボタン」を押さないと、誰が言い切れるのでしょうか。
 広島・長崎への原爆投下は、人間が人間への核兵器使用という一線すら越えてしまう現実を突きつけました。
 人間の命も尊厳も木っ端微塵に破壊する核兵器の威力を身をもって知る被爆者や被爆地は、その体験から確信をもって訴えます。
 核抑止論は、極めて危うい。核兵器は「必要悪」ではなく「絶対悪」であり、人類と核兵器は決して共存できない、と。

 一つの地球に暮らす「地球市民」の皆さん。平和な世界をつくるために、私たちにはできることがあります。
 「平和の原点は、人間(ひと)の痛みがわかる心を持つこと。」
 これは田さんが被爆体験を語るとき、いつも伝えていた言葉です。
 相手の立場や苦しみに心を寄せ、分かり合おうと努力することは、対立や衝突を避けるための大事な一歩となります。それが人と人、国と国、それぞれの場面で信頼を育み友好関係を築く礎になるのです。
 田さんの言葉を心に刻み、行動につなげていきましょう。

 すべての国の指導者の皆さん。国連憲章の理念に基づく多国間主義と「法の支配」を早急に取り戻してください。人間の尊厳と基本的人権を守り、国際協調を通じて恒久平和と人類共通の繁栄を実現するという国連創設時の精神に立ち返ってください。
 核保有国と核抑止力に依存する国の指導者の皆さん。核抑止力に頼れば頼るほど、核戦争の危険もまた高まる現実を直視すべきです。NPTの義務を履行し、核軍縮に向け着実に前進することを強く求めます。
 とりわけ日本政府は、今年初めて開催される核兵器禁止条約再検討会議に参加し、唯一の戦争被爆国としての歴史的使命を全うすべきです。不戦の決意が込められた日本国憲法の平和の理念と非核三原則を堅持し、国際社会の緊張緩和と軍縮に向けた外交を強化してください。北東アジア非核兵器地帯の実現などを通じて、核兵器に頼らない安全保障政策への転換を求めます。
 さらに、平均年齢が86歳を超えた被爆者への援護の充実と、未だ被爆者と認められていない被爆体験者の一刻も早い救済を強く要請します。

 原子爆弾で亡くなられた方々とすべての戦争犠牲者に、心から哀悼の誠を捧げます。
 被爆者の声を直接聞くことのできる今だからこそ、未来へ向けて被爆の記憶と被爆者の思いをしっかりと受け継いでいきます。
 「長崎を最後の被爆地に」。この誓いを永遠の事実とするために、長崎は世界中の平和を求める人々と連帯し、核兵器廃絶と世界恒久平和の実現に向けて、決してあきらめず歩み続けていくことをここに宣言します。
                        2026年(令和8年)8月9日
                            長崎市長  鈴木 史朗


核禁条約参加へ行動を 被爆81年・原水爆禁止世界大会閉幕
                      しんぶん赤旗 2026年8月10日
 長崎市は9日、米国の原爆投下による惨禍から81年となる「原爆の日」を迎えました。原水爆禁止2026年世界大会は同市内でナガサキデー集会を開き、閉幕。被爆者や核実験被害者の体験に耳を傾けること、核兵器禁止条約に未参加の国は早急に署名、批准・加入することなど、すべての国の政府に核兵器廃絶のための緊急行動を訴える決議「長崎からすべての国の政府への手紙」を採択しました。市主催の平和式典で「長崎平和宣言」を行った鈴木史朗市長は「核抑止論は、極めて危うい。核兵器は『必要悪』ではなく『絶対悪』であり、人類と核兵器は決して共存できない」と強調。「日本政府は、今年初めて開催される核兵器禁止条約再検討会議に参加し、唯一の戦争被爆国としての歴史的使命を全うすべきだ」と求めました。平和式典では日本共産党の小池晃書記局長が献花し、党代表団が出席しました。





うたごえでフィナーレを迎えた原水爆禁止2026年世界大会・ナガサキデー集会=9日、長崎市


 長崎市民会館体育館で開かれたナガサキデー集会には1000人が参加し、244人が視聴。「被爆者とともに、核兵器廃絶へただちに行動に踏み出そう」と誓い合いました。

 冨田宏治国際会議宣言起草委員長が主催者報告。鈴木史朗長崎市長と日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の田中重光代表委員がビデオであいさつしました。田中代表委員は4歳10カ月のとき長崎で被爆した体験を語り、「日本政府がするべきことは、戦争のできる国ではない。核兵器禁止条約を批准することだ」と求めました。
 長崎に原爆が投下された午前11時2分に全員で黙とうしました。
 長崎原爆の映像や被爆者の証言を通して被害の実相に迫る特別企画で、8歳のとき長崎で被爆した森内實(みのる)さんは、親戚6人の凄絶(せいぜつ)な死は「生き地獄だった」と訴えました。
 キューバのヒセラ・ガルシア駐日大使は「核兵器の禁止と完全な廃絶こそ核兵器の使用、威嚇を防ぐ唯一の保証だ」と述べ、「ともに声を上げ、核兵器禁止条約の厳格な実施と、一方的な強権的策動の即時停止を求める」と表明しました。
 核保有国と核依存国での闘いを交流。フランス平和運動のピエール・ビラール名誉会長は「被爆者の証言を広め、フランスを核兵器禁止条約に加盟する最初の核保有国にしたい」と力を込めました。
 地震被害を受けた熊本の代表が全国の支援に感謝を述べ、県内で進む大軍拡に対して「市民の運動をさらに広げる」と語ると、大きな拍手に包まれました。
 玉城デニー沖縄県知事がビデオメッセージを寄せ、日本青年団協議会の杉山和義会長が連帯あいさつ。
 日本共産党の小池晃書記局長ら代表団が紹介されました。

正義は最後に勝たねばならない(植草一秀氏)

 植草一秀氏の掲題の記事を紹介します。
 昨年11月に亡くなられた木谷明元裁判官は、刑事裁判の有罪判決が99・9%以上という異常な日本の裁判所にあって珍しく無罪判決を書くことに積極的だった裁判官として知られ、在職中に30件以上の無罪判決を確定させた実績を持ちます。
 その木谷明氏が編纂された『袴田事件の教訓  冤罪の予防・救済のために』が刊行されたのを記念して8月8日に「刑事裁判と冤罪を考えるシンポジウム―袴田事件の教訓』が開かれました。
 植草氏はかねてから「冤罪を防ぐあるいは冤罪を救済するため方策として、
 1.取り調べの全課程、全関係者に対する完全可視化
 2.裁判所が再審開始決定を示した場合の検察の抗告禁止
 3.証拠全面開示の義務付け
の改善を主張していますが、先の国会で刑事訴訟法が改定されたにも拘わらず、上記3要件は何一つ改善されませんでした。
 植草氏は『紙の爆弾』(鹿砦社)8月号~10月号に3回連続でご自分のインタビュー記事が掲載され、ご自分が巻き込まれた冤罪の全容をほぼ解明されていると紹介した上で、「我が身に降りかかった冤罪の濡れ衣を雪ぐことを決意している」と述べ いずれ単行本にして発刊する考えであると明らかにしました。
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正義は最後に勝たねばならない
               植草一秀の「知られざる真実」 2026年8月 8日
刑事裁判の有罪判決が99.9%以上を占めると言われる日本の裁判所にあって、珍しく無罪判決を書くことに積極的だった裁判官として知られる木谷明元裁判官。
昨年11月に亡くなられた。木谷氏は現役中に30件以上の無罪判決を確定させた実績を持つ。

その木谷明氏が編者となって編纂された『袴田事件の教訓  冤罪の予防・救済のためにhttps://www.iwanami.co.jp/book/b10166247.html が刊行された。
日本の刑事裁判に潜む問題を、袴田事件を素材にして、第一線の裁判官OB、刑事法学者が論じている。
その他、刑事裁判の合議自体に潜む問題についての座談会も収録されている。
同書の刊行を記念して8月8日にシンポジウムが開かれた。
刑事裁判と冤罪を考えるシンポジウム――袴田事件の教訓https://x.gd/4Oc2T

私は冤罪は「魂の殺人」だと思う。社会的生命を抹殺するもの。冤罪を生まないことが、本来は刑事司法の根本の鉄則だ。たとえ、10人の真犯人を逃しても1人の無辜(むこ=無実の人)を処罰してはならない。冤罪の防止を重視したのが初代司法卿(司法大臣)の江藤新平。しかし、江藤新平は大久保利通に抹殺された。これが日本の分岐点になった
「大久保の日本」でなく「江藤の日本」が実現していれば、現在はまったく違う日本になっていたはずだ。

冤罪を防ぐ、あるいは冤罪を救済するために必要な方策を三つ示す。
重要な事項は三つ。
 1.取り調べの全課程、全関係者に対する完全可視化
 2.裁判所が再審開始決定を示した場合の検察の抗告禁止
 3.証拠全面開示の義務付け
村木厚子さん冤罪事件で大阪地検特捜部の特捜部長、副部長、検事が有罪判決を受けた。
これを契機に刑事訴訟法が改定された。袴田巌さんの無罪が確定した。これを契機に刑事訴訟法が改定された。
しかし、肝心なことが何も「改正」されなかった。「猿芝居」は演じられたが「猿芝居」は重要な改正が行われないという事実を覆い隠すためのものだった。何も改善されていない。

私は我が身に降りかかった冤罪の濡れ衣を雪ぐことを決意している。
現行制度の下でその実現のハードルは高い。
しかし、正義は最後には勝たなければならないと思っている。だから闘いをやめない。

『紙の爆弾』(鹿砦社)






https://x.gd/kwNSn 8月号から10月号が3回連続でインタビュー記事を掲載くださっている。インタビュアーは高橋清隆氏。
私が巻き込まれた冤罪の全容をほぼ把握した。その『知られざる真実』を明らかにして参りたいと思っている。いずれ単行本にして発刊する考えである。

週刊文春が続報を伝えたが木原誠二妻元夫の安田種雄さん殺害事件。
本ブログ、メルマガで既報のとおり、新たな重大証拠が確認された。
安田さんが死亡した日、木原氏妻は愛人のY氏を電話で呼び出した。
その通信記録が残されている携帯電話が新たな証拠として浮上している。
こちらは、明らかに犯罪があったにもかかわらず、犯罪がなかったこととして処理された事案。日本の刑事司法の腐敗を明らかにする必要がある。

新著『日本経済の終宴』(ビジネス社)https://x.gd/yNOSpf を上梓しました。
サブタイトルは「絶頂株価後の最強投資戦略」
第1章タイトルは「高市持率工作(こうしじりつこうさく)」
高市暴政の真実を明らかにするとともに株価絶頂を予測し、絶頂株価後の投資戦略を提案する新著。夏休みにぜひご高読をお願いします。

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続きは本日の メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」449号
「木原事件に重大新証拠浮上」 でご高読下さい。
この機会にメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」ご購読をぜひぜひお願いします。
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『ザイム真理教』(森永卓郎著)の神髄を深堀り、最重要政策争点財務省・消費税問題を徹底解説する新著を上梓しました。
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10- 緊急連載(上)~(下)それでもバカ-高市早苗-とは戦え

 適菜収氏が日刊ゲンダイに題記の連載記事(3編)を載せました。
 全編に、呆れるばかりの高市氏の実像が簡潔に記述されています。敢えて要約すると(上)では、高市氏の特徴は「肥大した自己愛と承認欲求、底なしの虚言癖、知性の決定的な欠如」であり、こうした妖怪を生み出し増長させたのはわれわれの腐った社会なのだと述べます。
(中)では、アジアの買春ツアーに行く男が女を「モノ」として扱うのと同様に、高市氏は男を人間でなく「モノ」として扱うと見做して、政治家になってからも新進党から自民党へと渡り歩き、時の権力者に近づき「つまみ食い」を繰り返したと述べます。
(下)では、こういう異常極まりない人間が国家の中枢に潜り込んでしまったとして、「高市問題は国家の安全保障の問題である」と結びます
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緊急連載(上)それでもバカ-高市早苗-とは戦え 適菜収
安倍難去ってサナエ禍蔓延 なぜ日本人は妙ちくりんな女に騙されてしまったのか
                        日刊ゲンダイ 2026/08/04
                     (記事集約サイト「阿修羅」より転載)
 憲政史上初の女性首相誕生から9カ月あまり。嘘とデタラメを押し通す異常な人物がなぜ権力を握り続けるのか。新著「高市早苗という病」が話題の作家による緊急寄稿をお届けする。
  ◇  ◇  ◇
 衝撃的な一文がある。「私、自分は日本の軍事問題の権威だって、ウソ書いたの」(「CLASSY.」1992年4月号)
 高市の「元米連邦議会立法調査官」という経歴詐称に関しては、これまでも騒ぎになってきたが、これはそれ以前の話。虚偽の経歴をつくるための経歴が虚偽だったのだ。高市は履歴書に嘘を書いて、パトリシア・シュローダー下院議員の事務所に潜り込んだ。経歴詐称問題においてはここが出発点である。
 高市の人生は嘘により構築されている。それを前提に、詐欺師がインターンだったか、詐欺師がフェローだったかの議論に進まなければならない。
 本書「高市早苗という病」を執筆するにあたり、私は高市が登場する過去の著作や雑誌記事をまとめて読んだが、疑惑は確信に変わった。
 高市はメディアのあちらこちらで「調査官」を詐称、1992年の参議院選挙公報には「日本で初めての米国連邦議会立法調査官として活躍」とある。すでに報道されているように「日本で初めて」も「調査官」も完全な嘘である。
 高市は嘘に嘘を重ね、「高市早苗」という虚像を作りあげてきた。肥大した自己愛と承認欲求、底なしの虚言癖、知性の決定的な欠如……。
 不祥事が発覚しても、「私はやっていない」「全くの捏造だ」「心外だ」と繰り返し、事実を突きつければ「睡眠不足」を理由にすねてみせ、ついには答弁を拒絶して「陳述書」による逃亡を図る。その陳述書すら、約束通りに出さず、遅れに遅れて出した陳述書には、自分勝手な言い訳しか書いてなかった
 すべて他責、「私はかわいそうな被害者」のアピールだけは忘れない。
 高市がやってきたのは、特に小泉純一郎政権以降加速したプロパガンダによる世論操作の集大成である。そして現在自民党はバカをターゲットにして扇動することで悪法の数々を押し通している。
 では、なぜ日本人はこんな妙ちくりんな女にだまされてしまったのか?
 いや、だまされたのではない。だまされることを、望んだのである。
 その証拠に問題が次々と発覚しても、内閣は倒れていない。
 詐欺師が悪いのは当然だが、だまされ続ける側にも問題がある。高市のような妖怪を生み出し増長させたのはわれわれの腐った社会なのだ
 安倍難去ってまた一難。コロナ禍を挟んで蔓延したサナエ禍は、日本を下品のどん底に突き落とした。=敬称略 (つづく)


緊急連載(中)それでもバカ-高市早苗-とは戦え 適菜収
「騙された有権者」は「おめでたい」存在…他人は利益のための存在、崇めなければ排除
                         日刊ゲンダイ 2026/08/05
                      (記事集約サイト「阿修羅」より転載)
 高市早苗の根幹にあるのは人間という存在に対する徹底した侮蔑的な態度である。高市にとって他人は自分の利益のために存在するのであり、自分をあがめない人間は排除の対象でしかない。異性も単なる性欲のはけ口にすぎない。「CLASSY.」(1992年4月号)のインタビュー記事の写真キャプションにはこうある。
「好きな男性は、年上、年下関係なく、頭の良し悪し、性格も問わない。とにかく、顔(笑)。美少年、大好きです」
 自伝的エッセー「30歳のバースディ その朝、おんなの何かが変わる」では、「三〇歳を過ぎて、二五歳の若いピチピチした男の子をたぶらかすなんて、犯罪じゃないかという気がしていた」と述べている。
 こうした言動から見えてくるのは、男を人間でなく「モノ」として扱う態度であり、これは女を「モノ」として扱う、アジアに買春ツアーに行く昭和のオッサンのメンタリティーそのものだ。
 結婚観も同じ。
「カッコイイ人を連れて奈良に帰って、故郷に錦を飾りたい。三上博史を連れて帰ってみなさいよ、高校の同窓会とか肩で風切って歩ける(笑)」
 1992年の参院選に出馬したときには、選挙中に男に「目ェつけてた」(本人談=以下同。「週刊現代」1992年9月19日号)。落選することがわかると、高市は「待てよ。今晩、私は世界一悲しい女になれる日なんだわ」と思い、男に電話して同情を買い、支持者や新聞記者が捜し回る中、「ある場所」に行っていたという。「私はかわいそうな女」とアピールし、同情を利用する手口もこの頃からだった。
 高市は「コスモポリタン」(1991年2月号)で、「一人とつき合っていてもほかにおいしそうな男がいたらつまみ食いしてみたいとかね」と語っている。これは高市が政治家になってからの行動パターンそのものだ。新進党から自民党へ渡り歩き、時の権力者に近づき、「つまみ食い」を繰り返す
 先述の「30歳のバースディ」には、こんな話がある。高校時代、大学生の彼氏に、デパートで買ったマフラーを「手編み」だと偽ってプレゼントした。彼の母親は「機械編み」だと見抜いたが、それでも彼は毎日そのマフラーをして高市に会いに来てくれた。高市は「おめでたい男だった」と記している。騙される人間は「おめでたい」のである。自分が仕掛けた嘘を信じ、けなげに思いを示し続けた相手を嘲笑する。高市は公約を平気な顔で破るが、高市は「騙された有権者」をせせら笑っているのだろう。=敬称略 (つづく)


緊急連載(下)それでもバカ-高市早苗-とは戦え 適菜収
不都合な過去を消し「ブレない」を自称する人間は未来に責任を持たない
                         日刊ゲンダイ 2026/08/06
                      (記事集約サイト「阿修羅」より転載)
「私の過去を知ってるもんは全部死んでくれへんかなあ」(「マルコポーロ」1993年12月号)
 かたぎの人間の言葉とは思えない。
 俳優の辰巳琢郎が神戸大学時代の高市について「学生時代の話も、なかなか派手な人だったそうで」と話を振ると、高市は「選挙に出るようになると、私の過去を知ってるもんは全部死んでくれへんかなあと思うようになりますよ。しゃべるもんは全部死んでくれへんかなあ。ほんまに。(笑)」。
 冗談めかした口調だが、本音が漏れ出たのだろう。そこにはなんのためらいもない。自分の暗い過去を知る人間、そして自分にとって不都合な過去は消さなければならないという衝動は、その後も形を変えて繰り返されてきた。
 1995年、戦後50年の謝罪決議をめぐる国会審議で、高市は「私自身は当事者とは言えない世代ですから、反省なんかしておりません」と発言。都合の悪い事実は、すべて「なかったこと」にする。総理就任後は、歴史認識に関する歴代内閣の立場を全体として引き継ぐなどと言っているが、やっていることはもちろん正反対だ。
 2026年2月には、長年書き続けてきた公式サイトのコラム約1000本を、消費減税をめぐる過去の投稿との矛盾を指摘された直後に削除した。
 経歴、戦争責任、放送法の政治的公平性をめぐる総務省の内部文書、自分の発言。対象はさまざまだが、そこに貫かれているのは、歴史を無視し、記録を削除し、正式な文書を捏造と決めつける「異常さ」である
 自伝的エッセー「30歳のバースディ その朝、おんなの何かが変わる」によると、高市は20代のころ、自分にとって都合の悪いことが起こると、「だって、私、女の子だもん。わかんなーい」と言って逃げていたという。
 今でも手口は変わらない。統一教会(現・世界平和統一家庭連合)の教祖の文鮮明の名前を出されても「分からない」。高市の名前が32カ所登場する教団の内部文書「TM特別報告書」については「明らかに誤り」「出所不明の文書」と発言。これも高市のいつものその場しのぎのデマである
 高市は「ブレない」政治家を自称してきた。しかし、単に過去を振り返り、検証し、間違いを認めることができないだけだ。都合の悪い過去を消し去る人間が未来に責任を持つことはない。
 異常極まりない人間が、国家の中枢に潜り込んでしまった。
 高市問題は国家の安全保障の問題である。 (おわり)
 =敬称略

適菜収 作家
1975年生まれ。近著に「高市早苗という病」「クソジジイ!ショーペンハウエル」「安倍晋三の正体」など。著書60冊超。「適菜収のメールマガジン」は<https://foomii.com/00171>、オフィシャルサイトは<https://tekinaosamu.com/>。本紙連載を書籍化した「それでもバカとは戦え」シリーズも好評発売中。

2026年8月8日土曜日

核兵器廃絶へ新たな決意 原水爆禁止世界大会 ヒロシマデー集会

 原爆投下から81年となる6日、原水爆禁止2026年世界大会ヒロシマデー集会が開かれました。

「『核兵器のない平和で公正な世界』への希望をきりひらくため、新たな決意で行動に立ち上がろう」と訴える決議「広島からのよびかけ」を採択。国連の中満泉軍縮担当上級代表、メキシコ政府代表がスピーチし、玉城デニー沖縄県知事が連帯のメッセージを寄せました。
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核兵器廃絶へ新たな決意 原水爆禁止世界大会 ヒロシマデー集会
                       しんぶん赤旗 2026年8月7日
 米国が広島に原爆を投下してから81年となる「原爆の日」を迎えた広島市で6日、原水爆禁止2026年世界大会ヒロシマデー集会が開かれました「『核兵器のない平和で公正な世界』への希望をきりひらくため、新たな決意で行動に立ち上がろう」と訴える決議「広島からのよびかけ」を採択国連の中満泉軍縮担当上級代表、メキシコ政府代表がスピーチし、玉城デニー沖縄県知事が連帯のメッセージを寄せました。同日行われた市主催の平和記念式典で松井一実市長は「核抑止力に依存し続け、暴力を肯定する国際社会が出現している」と指摘。日本政府に対し、11月開催の核兵器禁止条約再検討会議にオブザーバー参加し、一刻も早く締約国となることを求めました。平和記念式典、ヒロシマデー集会に日本共産党の田村智子委員長をはじめ党代表団が出席しました。




会場の壁面に飾られた、平和行進支援のペナント(手前)に囲まれるなか、各地からの核廃絶の決意が語られたヒロシマデー集会=6日、広島市中区



 広島県立総合体育館で開かれたヒロシマデー集会には3400人が参加し、706人が視聴しました。
 中満氏は「核兵器の使用は安全保障上の選択肢ではあり得ず、破滅へと直行する道だ」と述べ「核使用による被害を被るのは一般市民だが、核兵器を廃絶する力と責任も私たちは持っている」と激励しました。
 メキシコのエンリケ・ハビエル・オチョア・マルティネス外務副大臣は「核兵器は国際関係を不安定にし、社会全体に対する長引く脅威となる。核兵器の完全廃絶に代わる現実的な選択肢はない」と指摘。「多くの国々が核兵器禁止条約に署名・批准することを期待する」と表明しました。
 デニー知事はビデオメッセージで「軍事的緊張が高まりを見せている国際情勢と核拡散への懸念が高まる状況であるからこそ、私たちはいっそう、平和と核廃絶を訴えてゆかねばならない」と強調しました。
 日本女医会の前田佳子(よしこ)会長(平和を求め軍拡を許さない女たちの会共同代表)は「平和記念式典で高市早苗首相は『非核三原則を堅持している』と発言したが、壊そうとしているのも高市さんではないか」と批判。「医師として、核兵器と共存はできない。ともに行動し、未来をきりひらこう」と呼びかけました。

 被爆体験集『木の葉のように焼かれて』から名越(なごや)操さんの体験が朗読され、広島の被爆者、伊藤正雄さんが証言。広島県原爆被害者団体協議会(広島県被団協)の佐久間邦彦理事長が「日本政府は禁止条約の批准を」と訴えました。
 韓国、米国、スペイン、フランスの代表が発言。壇上を埋めた高校生らが「私たちの未来に核兵器も戦争もいらない」と語り、盛んな拍手が送られました。


条約締約 日本も早く 平和記念式典
                       しんぶん赤旗 2026年8月7日
 広島市は6日、平和記念公園で平和記念式典を開きました。被爆者、遺族、市民、国連や各国代表、政党関係者ら約5万人が参列。松井一実市長は平和宣言で、日本政府に対し、核兵器禁止条約再検討会議へのオブザーバー参加と一刻も早く締約国となるよう求めました。しかし高市早苗首相は「『非核三原則』を堅持している」と現状を述べるだけで、禁止条約にも触れませんでした。

 松井市長は核不拡散条約(NPT)再検討会議で成果文書が不採択だった原因は、他国に責任転嫁し自国の行動を正当化する為政者の言動にあるとし、「NPTの義務を無視するに等しく、世界の平和と安定を根底から揺るがす」と批判。「核兵器廃絶という理想を理想で終わらせない国際社会を創りあげるための行動」をよびかけました

 国連のアントニオ・グテレス事務総長(中満泉軍縮担当上級代表代読)は「平和とは信頼によって築かれる」と強調。核兵器は安全保障の対極に位置するとして、「広島の悲劇が二度と繰り返されない世界へ歩んでいこう」と訴えました
 横田美香県知事は「核抑止」からの脱却を求め、「人類と核兵器は、共存できない」と力を込めました

 原爆が投下された午前8時15分から1分間黙とう。小学生2人が「平和への誓い」を朗読しました。
 この1年間に確認された原爆死没者4393人の名簿が奉納され、累計35万3639人となりました。
 過去最多の121カ国・地域が参加しました。

ゴマと国民は搾れるだけ搾れ/袴田事件の教訓(植草一秀氏)

  植草一秀氏の掲題の記事を紹介します。

「ゴマと国民は搾れるだけ搾れ」の記事では、日本の災害避難所の国際基準である「スフィア基準」をまったく満たしておらず、何度大災害が発生しても、市民が劣悪な避難所に閉じ込められる実情は何も是正されないとして、「安眠できる寝具がない。トイレが不足している。プライバシーが守られない。入浴できない。生活水が足りない。そして、温かな食事が提供されない」とその悲惨な実態を列挙します。
 そして、一刻も早く「避難者を遠隔でも構わないから各種宿泊施設に移送するべき、他県の宿泊施設への避難などを迅速に実施するべきで、最優先で被災者の命と暮らしを守る政策対応を示すべき」と具体案を提示し、「この国では一般市民のために財政資金を使うという発想がない」、「財政資金は利権政治屋と利権官僚機構と癒着大企業が自分たちの利益のために使うもので、一般市民のためには1円も使いたくないというのが基本とされている」と批判します。

「袴田事件の教訓」の記事は、先の国会では刑事訴訟法が改定されましたが最重要の事項についての法改正は実現せず法改悪だったと前置きし、これまで明らかにされてきた検察不祥事を列挙しました。そして日本の検察にはの特権?を発揮することには何の躊躇もないというのが実態であるとして、下記の三つの事項を改革するだけで日本の刑事司法は一変すると断言します。
 1.取り調べの全課程、全関係者に対する完全可視化
 2.裁判所が再審開始決定を示した場合の検察の抗告権を認めないこと
 3.証拠の全面開示の義務付け
           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ゴマと国民は搾れるだけ搾れ
                植草一秀の「知られざる真実」 2026年8月 7日
高市首相が8月3日に短時間、熊本の被災地を訪問した。
首相が訪問すれば余計な仕事が増える。現地は被災者支援で首相訪問に構う人的・時間的余裕などない。それでも、どうしても現地入りするというなら、意味のある行動を示すべきだ

爆発したイオンモールや被災地に対して空調の効いた上空で手を合わせても何も伝わらない。伝える心がなければ地上でも何も伝わらないのは同じだが、空の上で手を合わせるのは「上から目線」そのもの。

撮影隊まで動員してプロモーションビデオを制作していることに批判が沸騰した。
地上に降りたなら、空調のない体育館の避難所に一定時間滞在して被災者の状況を体験しなければ被災者に寄り添う支援などできるわけがない。
空調の効いたオフィスで数分間対話しただけでは被災者の実情など分かるべくもない。

民放で被災者に地下水を配っている女性がインタビューを受けて、「何よりも避難所の水準が低すぎるのを何とかしてほしい」と訴えていたのが印象的だった。
安眠できる寝具がない。トイレが不足している。プライバシーが守られない。入浴できない。生活水が足りない。そして、温かな食事が提供されない。

避難所の国際基準であるスフィア基準を日本の避難所はまったく満たしてない。
何度大災害が発生して、市民が劣悪な避難所に閉じ込められて是正が主張されても、結局何も是正されない。
高市内閣は17分野に15年で370兆円ものお金を注ぐ方針を示した。そんな金があるなら企業に利権補助金としてバラまくのではなく、一般市民の命と暮らしを守るために使うべきだ。

40度を超える酷暑が記録される地の空調の効かない体育館に被災者を閉じ込めるのは殺人行為。
避難者を遠隔でも構わないから各種宿泊施設に移送するべきだ。九州全域が被災地になっているわけではない。
他県の宿泊施設での避難などを迅速に実施するべきだ。「予備費を使う」、「激甚災害に指定する」などの言葉を並べても意味がない。
最優先で被災者の命と暮らしを守る政策対応を具体的に示すべきだ。

要するに、この国では一般市民のために財政資金を使うという発想がないのだ。
財政資金は利権政治屋と利権官僚機構と癒着大企業が自分たちの利益のために使うもので、一般市民のためには1円も使いたくないというのが基本とされている。
消費税の話もまったく同じ。上場企業株式の3分の1は外資が保有。外資は法人税を払いたくない。その分を日本の庶民に押し付けるのが消費税

富裕層は応能負担で所得税を払いたくない。金持ち優遇税制を温存するために庶民に負担を押し付けるのが消費税。だから、2年合計でたった10兆円の消費税減税なのにいちゃもんをつけまくっている。

日本政府が保有する米国国債を売れば60兆円の利益が出る。食品消費税率ゼロを12年実施できる財源になる。しかし、米国債売却は日本政府が米国政府に貸したお金の回収を意味するものだから米国政府がこれを許さない。
ベッセント財務長官が「日米協調介入」を主導したが、その真相を伝える解説は皆無。
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袴田事件の教訓
               植草一秀の「知られざる真実」 2026年8月6日
袴田事件での無罪確定を背景に刑事訴訟法が改定された。
しかし、最重要の事項についての法改正は実現しなかった。法改悪だ。
検察不祥事が相次ぐ。しかし、検察の暴走を止める方策が取られない。

大阪地検では地検トップの犯罪が明るみに出た。
大阪地検のトップだった北川健太郎元検事正が準強制性交の罪で逮捕、起訴された。
被害者は部下だった女性検事。現在は「ひかり」の名でempathyというタイトルのノートで記事を発信されている。
2024年10月25日の初公判で北川被告は起訴事実を認めて謝罪したいと述べた。
ところが、その2ヵ月後に無罪主張に転じた。第2回公判はまだ開かれていない。
ひかりさんは検察組織内のハラスメント実態調査や組織健全化のための第三者委員会の設置を求めている。しかし、検察は応じていない。

また、元東京地検特捜部の西田将仁検事は、自身が捜査に関わった事件の関係者(女性)と不適切な交際を持ち、取り調べ等の目的で公費(税金)により確保していた都内のホテルに女性を呼び寄せて性的行為に及んだとして2026年7月29日付で懲戒免職処分を受けた。

大阪地検特捜部が捜査した業務上横領事件の取り調べで「検察なめんなよ」などの違法な言動があったとして特別公務員暴行陵虐罪で審判に付された元大阪地検特捜部検事の田渕大輔被告の初公判が7月10日に大阪地裁で開かれた

さらに、東京地検特捜部が手がけた刑事事件で不当な取り調べをしたとして、東京地裁は6月24日、元東京地検特捜部検事の堀木博司を特別公務員暴行陵虐罪で審判に付す決定を出した。

検察の不祥事、犯罪は枚挙に暇がない。しかし、検察の不正、犯罪を抑止するための制度改正は進まない。
大阪地検特捜部による元厚生労働省官僚の村木厚子さんに対する冤罪事件。
冤罪が明らかにされて検察改革が叫ばれた。
その結果として刑事訴訟法が改定されたが、大きな進展はなかった。

袴田巌さんの無罪が確定して再審制度に関する制度改正が論議されたが制度改正は実現しなかった。
大阪地検特捜部の証拠改ざん事件では特捜部長、特捜副部長、検事の3名に有罪判決が下され、1名は実刑になった。
この事件を契機に検察改革が叫ばれて2016年に法律が改定されたが大きな前進はなかったのだ。10年が経過して2026年に再び刑事訴訟法が改定されたが、今回も肝心な部分で「法改正」は実現しなかった。

重要な事項は三つ。
 1.取り調べの全課程、全関係者に対する完全可視化
 2.裁判所が再審開始決定を示した場合の検察の抗告権を認めないこと
 3.証拠の全面開示の義務付け
この三つを実現するだけで日本の刑事司法は一変する。

逆に、この制度改正が断行されなければ、日本の刑事司法は暗黒の状態に据え置かれる。
刑事裁判の有罪判決が99.9%以上を占めると言われる日本の裁判所にあって、珍しく無罪判決を書くことに積極的だった裁判官として知られる木谷明元裁判官が昨年11月に亡くなられた。木谷氏は現役中に30件以上の無罪判決を確定させた実績を持つ。
その木谷明氏が編者となって編纂された『袴田事件の教訓 冤罪の予防・救済のためにhttps://www.iwanami.co.jp/book/b10166247.html が刊行された。
日本の刑事裁判に潜む問題を、袴田事件を素材にして、第一線の裁判官OB、刑事法学者が論じている。

その他、刑事裁判の合議自体に潜む問題についての座談会も収録されている。
同書の刊行を記念してシンポジウムが開かれる。
刑事裁判と冤罪を考えるシンポジウム――袴田事件の教訓 https://x.gd/4Oc2T
関心のある方には参加を呼びかけたい。

新著『日本経済の終宴』(ビジネス社) https://x.gd/yNOSpf を上梓しました。
サブタイトルは「絶頂株価後の最強投資戦略」
第1章タイトルは「高市持率工作(こうしじりつこうさく)」
高市暴政の真実を明らかにするとともに株価絶頂を予測し、絶頂株価後の投資戦略を提案する新著。
夏休みにぜひご高読をお願いします。

続きは本日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」449号
「冤罪防止の決定的対策」 でご高読下さい。
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                 (後 略)