2026年3月28日土曜日

外交青書で逆ギレする日本/給付付き税額控除制度の罠(植草一秀氏)

 植草一秀氏が掲題の2つの記事を出しました。
1番目の記事)
 これまで日本外交は「日米同盟」と「日中友好」の二つを基軸として来ました。
 ところが政府が4月に公表する「外交青書」の原案が自民党部会等で公表されましたが、それによると、中国との関係については、これまで「最も重要な二国間関係の一つ」としていたものを「重要な隣国」に変更する方針が示され、悪化した日中関係については「(中国が)日本に対して一方的な批判や威圧的措置を強めている」と表現しているということです。
 これは中国を敵視してきた高市首相の11月7日の衆院予算委での発言が引き起こした「中国との関係悪化」について、「高市氏に非はなく中国側が一方的に悪い」と主張するものに他なりません。
 それは勿論事実に反していて、日中関係悪化の「原因」はこれまで植草氏が繰り返し説明してきたところです。詳細は本文をご覧ください。
 植草氏はまた、「(改めて)米国は信頼に足る存在なのか」を考えると米国のイラン軍事侵攻は明白な国際法違反、国連憲章違反であって、逆に「日米同盟基軸は日本の平和と繁栄を危うくするものでしかない」と述べます。
2番目の記事)
 そもそもすべての国民から搾り取る消費税は逆進性があり、特に所得の少ない階層にとって最も過酷であり、生存権を侵害しています。
 財務省はこれに対応するためとして「給付付き税額控除制度」の導入を検討していますが、支払う税金がない人にはこの恩恵はありません。そこで所得の少ない人に対しては逆に税額控除額を給付するとしていますが、問題は税額控除の規模で、税額控除が不十分であれば中所得層以下の階層での大きな負担軽減になりません。またその導入が消費税増税の口実にされる可能性が極めて高く、それが真の意図ではないかと見られます。
 植草氏は、「最重要の事実は日本の税収が激しく上振れしたことで20年度に60・8兆円だった一般会計国税収入が25年度には80・7兆円に増加し、年額で20兆円もの自然増収が生まれた。従って20兆円規模の恒久減税を実施できるとして、いま直ちに実施するべき施策は消費税率の5%への恒久引き下げでありそのインパクトは大きい」と訴えます。
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外交青書で逆ギレする日本
               植草一秀の「知られざる真実」 2026年3月25日
日本外交が基軸としてきたものが二つある。
第一は日米同盟。
第二は日中友好。
これを車の両輪としてきた。私は日米同盟基軸に反対。それはともかく、二つが基軸とされてきたことは紛れもない事実だ。だが、高市首相は意図して日中友好を破壊した。著しく愚かなこと

日米同盟を基軸にするというが、その米国は信頼に足る存在なのか
日本経済新聞は「イラン軍事衝突」と表現するが、ウクライナのときにはどう表現していたのか。「ウクライナ軍事侵攻」と表現していたのではないか。
事態の経緯を正確に辿るなら正しい表記は逆だ。
「ウクライナ軍事衝突」であり「イラン軍事侵攻」だ。

米国のイラン軍事侵攻は明白な国際法違反、国連憲章違反である。
イランの最高指導者を虐殺した際、イランの民衆が歓喜して体制を転換すると豪語していたが、そのような現実は生じていない。米国が一方的にイランに軍事侵略しただけだ。
この軍事侵略したトランプ大統領に対して「世界中に平和と繁栄をもたらせるのはドナルドだけ」と述べるのは狂気の沙汰。日米同盟基軸は日本の平和と繁栄を危うくするものでしかないと言える。

政府が4月に公表する「外交青書」の原案が自民党部会等で公表された。
中国との関係についての表現を変更する案が示された。
これまで「最も重要な二国間関係の一つ」としていたものを「重要な隣国」に変更する方針が示された。悪化した日中関係について、「(中国が)日本に対して一方的な批判や威圧的措置を強めている」とする。
同時に日本は「中国との様々な対話についてオープンであり、扉を閉ざすようなことはしていない」とする。「盗人猛々しい」とはこのこと

昨年11月7日の衆院予算委員会での高市首相発言の正否を明確にすべきだ。
本ブログ、メルマガで指摘してきたように、発言を精密に検証すれば、「高市発言に非がある」以外の評価は成り立たない

これまで示してきた評価を論破する説明を見たことがない。
メディアが提示する説明はすべて歪んだものだ。
11月30日メルマガ記事「保存版「高市大政翼賛メディア」」https://foomii.com/00050 に詳しい。

1972年の日中共同声明で日本政府は「一つの中国」を承認し、「台湾が中華人民共和国に返還されること」を論理的に認めた。
神田外語大学の興梠一郎氏は「台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部である」とする中華人民共和国の立場に関する日中共同声明の文言について、
「『理解して尊重』ですから『承認』してないんですよ。要するに承認って言ってないんですよ、法的に」と述べた。これがテレビ放送でそのまま流された。

しかし、共同声明の肝の部分はこれに続く記述。「ポツダム宣言第八項に基づく立場を堅持する」この表記により台湾の中華人民共和国への返還を日本政府が認めるとの意味が成立する
歪んだ情報しか流布させない日本の大政翼賛会。日本はけもの道を突き進む。

続きは本日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」4375号
「非を認めぬ品格なき首相」 でご高読下さい。
この機会にメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」ご購読をぜひお願いします。
https://foomii.com/00050
                 (後 略)


給付付き税額控除制度の罠
               植草一秀の「知られざる真実」 2026年3月27日
消費税減税阻止を狙う勢力が二つある。
第一は財務省。財務省は消費税増税を財務省基本戦略の中核に据えている。
財務省の基本は大企業と富裕層の優遇。
理由は大企業と富裕層が財務省への利益提供者であること。財務省の利益とは天下りの確保である。
富裕層は大企業の株主。大企業と富裕層を優遇すると財務省へのキックバックが拡大する。

他方、財務省の利益供与の方策がもう一つある。利権財政支出だ。
大企業に対する補助金、財政支出が大企業に対する利益供与になる。
税についての財務省基本戦略は消費税・大企業優遇税制・金持ち優遇税制である。
他方、財政支出に関する基本戦略は 利権財政支出の拡大と社会保障支出の削減 になる。

消費税はすべての国民から搾り取る税。江戸時代の年貢と同じ。
「庶民と油は搾れるだけ搾れ」これが財務省の税基本戦略。
所得の少ない階層にとって最も過酷な税が消費税。生存権を侵害している。
これに対応するために給付付き税額控除制度導入が検討される。支払う税金を差し引くのが税額控除。しかし、支払う税金がない人はこの恩恵を受けられない。
そこで、所得の少ない人に対しては逆に税額控除額を給付する。悪い制度ではない。

しかし、大きな問題が二つある。
第一は税額控除の規模。税額控除が十分でなければ中所得層以下の階層での大きな負担軽減にならない
第二は「給付付き税額控除制度」導入が消費税増税の口実にされる可能性が高いこと。
二つの問題点は正鵠を射ていると思う。かたちばかりの「給付付き税額控除制度」を導入して、これを口実に消費税増税に突き進む可能性は極めて高い

「給付付き税額控除」を適正に機能させるには正確な所得捕捉が必要。
しかし、現状では所得の種類によって所得の捕捉に大きなばらつきがある。
給与所得者は1円単位まで所得=収入が捕捉されるが自営業者などの場合は収入の捕捉が不完全だ。

そんなことより、まずはやれることをやるべきだ。
最重要の事実は日本の税収が激しく上振れしたこと。
2020年度に60.8兆円だった一般会計国税収入が2025年度に80.7兆円に増大した。20兆円もの自然増収が生まれた。累計で20兆円ではない。年額で20兆円の税収上振れが生じている。
したがって20兆円規模の恒久減税を実施できる。

この最重要事実がまったく指摘されない。いま直ちに実施するべき施策は消費税率の5%への恒久引き下げ。インパクトは大きい。この必要性を強く訴える。

続きは本日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」4377号
「新聞と財務省が減税潰しで画策」 でご高読下さい。
                 (後 略)

28- 「JAPAN IS BACK」の空虚 この先もバカげた米国投資を続けるのか、が市場の関心

 日刊ゲンダイの掲題の記事を紹介します
 首脳会談では、日米共に強く豊かになどとキレイ事を並べていましたが、メリットのない87兆円投資には民間企業も尻込みしていて、まだ2割の17兆3千億円が決まっただけです。このプロジェクトは、売り上げの分配は出資を回収するまでは五分五分ですが、それ以降は米国が9割を取り、日本は1割だけという不平等条約です。米国だけが得する仕組みが続けられるのかと厳しく批判しています。
 経済評論家の斎藤満氏は「日本政府は『自分たちにもメリットがある』と主張しているが、トランプ米国にカネを差し出すだけというのが実態。施設の建設などに関わる一部の大企業には利益が出るものの関与できない企業にはメリットがない。87兆円もの投融資を回収できる保証もない。日本経済は蝕まれていくばかり」と警告します。
 中東からの原油が来なくなったのでアラスカ産原油が云々されていますが、現地では大型タンカーが入れる港も少なく、その生産量は微々たるもので日本の原油調達(日量236万バレル=昨年)に対して僅かに日量40万バレル程度に過ぎません。
 株価は続落中ですが、金子勝・慶大名誉教授(財政学)は、「株価下落程度では済まない」として原油価格が今後3カ月も上昇し続ければ、本格的なオイルショックになり、あらゆる物の値段が上がるので国民は干上がってしまう」と述べます。
 記事は「亡国の首脳会談の影響は、ボディーブローのように効いてくる。国民は覚悟した方がいいだろう」と結ばれています。
 JAPAN IS BACK」は安倍晋三氏の言葉で「強い日本が復活した」という意味です。
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JAPAN IS BACK」の空虚 この先もバカげた米国投資を続けるのか、が市場の関心
                         日刊ゲンダイ 2026/03/24
                      (記事集約サイト「阿修羅」より転載)
 首脳会談では、日本もアメリカも強く豊かに、などとキレイ事を並べていたが、87兆円投資には民間企業も尻込みしている。まだ2割が決まっただけだが、実現性、採算性は疑問だらけ。米国だけが得する仕組みを第3弾、4弾と続けるのか。亡国の首脳会談は今後ボディーブローのように効いてくる
  ◇  ◇  ◇
 トランプ米国のイラン攻撃による中東情勢の悪化を受け、株が暴落している。日経平均は23日、一時、前週末の営業日比2600円以上も下落。終値は同1857円安の5万1515円だった。
 トランプ米大統領が日本時間の22日午前、ホルムズ海峡を48時間以内に開放しなければ発電所を攻撃するとイランに通告。これに、イランが反発するなど、中東情勢の不安定化拡大が警戒され、大幅下落したのだった。
 結局、「5日間の延期」を決めたが、トランプの暴挙で国際社会は大混乱。今後も不確定要素は多く、さらなる株価下落は避けられそうにない。それでなくても、日米関係をめぐり、日本には“別”の不確定要素も横たわる。その筆頭が、日本円にして総額87兆円にも及ぶ対米投資である
 先日の日米首脳会談では、投資プロジェクトの第2弾を発表。次世代原発「SMR」(小型モジュール炉)と天然ガス発電施設の建設が柱で、最大で11兆5000億円規模にもなる。先月、人工ダイヤモンドの製造などで合意した第1弾と合わせ、投融資額は17兆3000億円。日本の民間企業が中心となり、投資を進めることになっている
 共同文書では、米北部アラスカ産を念頭に原油を増産し、日本の調達・備蓄に向けて協力することで合意。今後、インフラ整備を具体化していくことを確認した。
 ただ、これらのプロジェクトはどれも生煮えで、実現性、採算性には疑問符がつきまくっている。例えば、SMRは量産しなければ建造コストの低下が難しいのだが、米国ではまだ商用化すらされていない状況だ。

「ムダ金」に終わりかねない対米投資
 アラスカ産原油も怪しい。確かに日本は、事実上封鎖されているホルムズ海峡経由の原油輸入が全体の90%以上を占めているため、一部をアラスカ産に切り替えることで調達先の多様化につながる。輸送時間を中東産の半分程度に短縮できる利点もある。
 しかし、日本は過去10年、アラスカ産の輸入実績がほとんどなく、現地では大型タンカーが入れる港も少ない。さらに、既存の油田の生産は減退しており、直近では日量40万バレル程度で、日本の原油調達(日量236万バレル=昨年)と比べると、微々たるものでしかない。さらに、開発には数年かかる可能性があり、石油備蓄放出を始めた日本への供給は間に合わない。結局、高いカネをかけても無駄に終わりかねないわけだ。
 それどころか、これらのプロジェクトは「不平等条約」と評されている。売り上げの分配は出資を回収するまでは五分五分だが、それ以降は米国が9割を取り、日本は1割だけ。初めから米国だけが得をする仕組みということだ。
 まだ全体の2割が決まっただけで、今後、第3弾、4弾と続けば、日本はどんどんむしり取られかねない。
 英紙フィナンシャル・タイムズは日本の対米投資について、〈エネルギーや半導体といった米国の重要産業に投じる巨額の資本をトランプに差し出したコストは、最終的にとんでもなく高くつく可能性がある〉と指摘し、〈日本は逃げ場がないと受け入れている〉と皮肉交じりに報じたほどである。

トランプ大統領の狙いは「選挙対策」
 そんな事情が分かっているから民間企業は尻込み。企業関係者からは「投資には、かなり無理がある」といった不安の声が上がっている状況だ。
 経済評論家の斎藤満氏はこう言う。
「対米投資について、日本政府は『自分たちにもメリットがある』と主張していますが、トランプ米国にカネを差し出すだけ、というのが実態です。トランプ氏は『野球選手の契約金のようなものだ』と言い、米国が自由に使えるカネであると発言したほどです。施設の建設などに関わる一部の大企業には利益が出るでしょうが、関与できない企業にはメリットがない。87兆円もの投融資を回収できる保証もありませんから、こんなプロジェクトを続けていったら、日本経済は蝕まれていくばかりです」
 高市首相は日米会談で「日本も米国も豊かに」「JAPAN IS BACK」なんてキレイ事を並べていたが、あまりに空虚だ。そもそも、トランプがここまで吹っ掛けてきた理由は、11月の中間選挙に向けた「実績づくり」だからだ。
 目下、イラン攻撃の是非を巡って、米国民はトランプに厳しい視線を向けている。米国のCBSニュースが今月17日から20日にかけて実施した世論調査によると、攻撃を「支持しない」と答えた人は60%で、「支持する」の40%を大きく上回った。特に、車社会の米国ではガソリン価格の上昇への不満が強い。そうした批判を払拭するため、トランプは「日本とのディールに成功した」と掲げ、戦争によるマイナスを埋め合わせる腹積もりである。

株価下落だけでは済まない
 そんなフザケた思惑で「不平等条約」を突きつけられているのに、高市はトランプに抱きつき、手をつなぎ、夕食会で大好きな曲が演奏されるや「狂喜乱舞」。政権内からは「一言で言うと成功裏に終了した。会談が終わった後、楽しい雑談が進んだ。大変いい雰囲気だった」(尾崎正直官房副長官)なんて声が上がっているのだから、呆れるしかない。巨額をむしり取られるというのだから「成功」どころか「大失敗」だろう。
 この先も、こんなバカげた対米投資を続けるのか--。これが、今後の市場の関心だろう。
「プロジェクトに関与できる一部の大企業の株価は一時的にプラスになるでしょうが、その他の多くの企業にはマイナスしかない。今後、巨額の投融資が回収不能であることが分かったり、日本経済に何の恩恵もないことがハッキリすれば、株価下落は避けられないでしょう。実体経済にも徐々にダメージが広がっていきかねない。こんな不平等な取引をのまされているのだから、日米会談は大失敗もいいところです」(斎藤満氏=前出)
 慶大名誉教授の金子勝氏(財政学)の見方はさらに厳しい。「株価下落程度では済まないでしょう」と言ってこう続ける。
「日米会談で高市首相は、イランへの攻撃を一言も批判することなく、ひたすらトランプ大統領を礼賛、肯定、称賛し続けました。こんなことをしていたら、混乱する中東情勢の『出口』を見いだすことはできません。すると、原油価格の下落も見通せないわけです。今後、3カ月も上昇し続ければ、本格的なオイルショックになるでしょう。国内では、ガソリン価格が上昇することで、輸送コストも上がる。生鮮食料品が上がれば、スーパーの店頭に並ぶ食品や加工食品の価格もアップします。あらゆる物の値段が上がるわけです。その影響を一番先に受けるのは、一般庶民です。トランプ米国に隷従していたら、国民は干上がってしまうでしょう」
 亡国の首脳会談の影響は、ボディーブローのように効いてくる。国民は覚悟した方がいいだろう。

2026年3月27日金曜日

新潟水俣病第2次行政訴訟 県・新潟市が控訴ヘ 認定審査の停滞を懸念

 新潟地裁が原告8人全員を水俣病と認めた新潟水俣病第2次行政認定訴訟の判決を巡り、県と新潟市が控訴する方針を固めました。
 県と市は国の法定受託事務として、国の認定基準に基づいて水俣病の認定審査を担っています。中原八一・新潟市長は地裁判決の後 国に認定基準の見直しなどを求めていましたが、明確な回答はありませんでした。そこで市長は報道陣に「控訴しなければ原告8人は認定されるが、(判決で違法とされた)現行基準では審査ができず、今後被害者救済ができなくなるので」と 控訴に至った事情を語りました。国が地裁の判決に服さない限りそうせざるを得ないということで、ここでも国の罪深さが明らかにされました。
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新潟水俣病第2次行政訴訟 県・新潟市が控訴ヘ 認定審査の停滞を懸念
                         新潟日報 2026年3月26日
 新潟地裁が原告8人全員を水俣病と認めた新潟水俣病第2次行政認定訴訟の判決を巡り、県と新潟市が控訴する方針を固めたことが25日、分かった。今後認定審査が滞る懸念があることなどから控訴する方向となった。控訴期限の26日に正式発表する。地裁判決は県、市の審査を「違法」としたが、国は認定基準の見直しに否定的で、基準や審査の在り方などは東京高裁で再び問われることになる。
 原告側は県と市に地裁判決を受け入れるよう要請。判決後、新潟市の中原八一市長は認定基準の見直しなどを求めていたが、国から明確な回答はなかった
 県と市は国の法定受託事務として、国の認定基準に基づいて水俣病の認定審査を担っている。地裁判決では国の認定基準に沿たとする県、市の審査を「違法」と明確に否定。県と市の対応が注目されていた。
 花角英世知事は25日、会見で「控訴について国と新潟市と協議している。それを待てコメントを出したい」と述べた。
 新潟市の中原市長は24、環境省担当者と面会後、報道陣に「控訴しなければ原告8人は認定されるが、(判決で違法とされた)現行基準では審査ができず、今後被害者救済ができなくなる」と説明。控訴した場合は「上級審の判決によっては国の基準が見直され、より多くの被害者が救えるかもしれない」と話した。
 原告や弁護団などは判決を踏まえて控訴をせず、今後の水俣病認定審査で適切な手続きを行うことなどを県と市に申し入れていた。

27- 高市の猥劣なコンフォートメイド外交 - 無用で無駄な訪米と媚態で世界から嘲笑(世に倦む日々)

 世に倦む日々氏が19日の日米首脳会談における高市首相の態度を痛烈に批判する記事を出しました。
コンフォートメイド」とは「慰安婦」のことです。高市・トランプ会談はまたしても報道を見た人たちから顰蹙を買う事態となりました。
 同氏は、対イラン戦争については
「トランプは米軍だけの手でそれを実行する気はなく、多国籍軍を編成して臨む計画であり、逆に米国が外交戦に負け、多国籍軍の編成に失敗すれば、戦争での敗北が決定的になるので、米国はこの外交戦に負けられない。何があっても自衛隊をホルムズ海峡に引っ張り込もうと強く動くし、そのための日本国内の政治工作(テレビでの世論扇動)に拍車をかけるだろう」
と見ています。
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高市の猥劣なコンフォートメイド外交 - 無用で無駄な訪米と媚態で世界から嘲笑
                       世に倦む日日 2026年3月25日



 




イラン戦争は4週目が進行中。3週目(3/14 - 3/20)はホルムズ海峡をめぐる攻防が焦点となり、3/19 のDCでの日米首脳会談に世界の注目が集まった。関心のポイントは、トランプが日本に対してホルムズ海峡への自衛隊派遣を要請するか、それに対して高市がどう対応するかだったが、形の上の発表では、自衛隊派遣は回避したという結果で無難に収めるところとなった。が、会談直後に、トランプが「日本には憲法上の制約があるが、必要なら我々のために自衛隊を派遣する」とFOXニュースの記者に言い、また 3/22 には米国連大使のウォルツが「日本の総理が海上自衛隊による支援を約束したばかりだ」と堂々発言している。日本のマスコミ報道は、高市と茂木が憲法を盾に要請を拒否したという話で既成事実化しているけれど、私は、DCの会談での非公開の時間に何らか、トランプの意向を汲み要求に沿う密約をしたのではないかと疑っている

前回、小谷哲男の発言を手掛かりに、アメリカは日本自衛隊にゲシュム島攻略作戦に参加させ、戦後も島に駐留させて、ホルムズ海峡の軍事的管轄を半永久的に日本に責任分担させる思惑ではないかと深読みしたが、その信憑性が時間が経つほどに高くなっている感を否めない。3/23 の情報で、アメリカがイスラエルに「ホルムズ海峡の再開放の軍事作戦に数週間を要する」と伝達したとある。ホルムズ海峡をイランの支配から奪還するためには、海峡周辺の島嶼と沿岸部から革命防衛隊を一掃する必要がある。が、トランプは米軍だけの手でそれを実行する気はなく、多国籍軍を編成して臨む計画なのだ。現在、熾烈な外交戦が演じられていて、アメリカとしては、海峡開放作戦に英仏日+α の艦隊の動員を実現しないといけない。多国籍軍艦隊が編成できるかどうか。それがこの戦争の帰趨を決める外交戦の焦点であり、これにアメリカが勝てばイランの敗北が濃厚となる

逆にアメリカが外交戦に負け、多国籍軍の編成に失敗すれば、戦争でのアメリカの敗北が決定的になる。なので、アメリカはこの外交戦に負けられない。必ず、何があっても日本自衛隊をホルムズ海峡に引っ張り込もうと強く動くし、そのための日本国内の政治工作(テレビでの世論扇動)に拍車をかけるだろう。例えば、英仏豪加が派遣に応じる進行になれば、日本も一国だけで孤立できない環境になり、マスコミ世論で派遣賛成が多数となり、高市があっさり派遣を決めるに違いない。もともと、高市は自衛隊派遣に賛成の立場であり、米軍と一緒に自衛隊が戦争して血を流す事態を早く迎えたい政治家である。維新も榛葉賀津也も神谷宗幣も同じだ。今回、トランプの要求に応じず自衛隊派遣回避で動いたのは、国内世論の82% 米似 のイラン攻撃に不支持で、仮に「派遣します」とトランプの前で明言して約束した場合、高市の支持率が急落する状況に陥ったからに他ならない

高市は憲法9条に救ってもらったと言えるし、保身のため憲法9条を巧妙に悪用したと言える。本来なら、このような外交リスクが急に出現した場合、日本の首相は会談延期を申し出ればよく、訪米を中止すればよかった。イラン戦争を起こしたため、トランプは今年の最重要イベントであった訪中の延期を余儀なくされている。また、こんな時期に、自衛隊派遣と軍事支援を直接要請されるのが分かりきった最悪のタイミングで、わざわざDCを訪問する西側の首脳はいない。応じれば高市政権も自衛隊員の命も危機に瀕するし、断ればトランプの面子を潰して遺恨を残し復讐されかねない。もともとの高市の目的であった「台湾問題での日米協調」が議題に俎上するはずもなく、トランプが取り上げるはずもなく、時局的にも米中首脳会談が延期されたからどうでもよい問題になっていた。高市が敢えて火中の栗を拾いに行く意義は何もなかった。一国の外交として、本当にバカらしく損失だらけの外交だ。自衛隊派遣回避の「形式結果」を得るために11兆円も貢いだ

高市がなぜ訪米したかというと、全世界が注目する中でトランプと抱き合って睦まじくする媚態を演じるためであり、身をくねらせて愛妾的なパフォーマンスを興じてトランプと米政権から寵愛を得たかったからだ。安倍晋三とトランプとの関係構築を再現したかったからだ。イラン戦争で外交的窮地に陥っているトランプを、西側同盟諸国の首脳の一人として支えるべく、いの一番に駆けつけてトランプを悦ばせたかったからである。高市にとって、それが政治家としての名誉であり名声であり、使命を遂行して国益を実現する形だった。ホワイトハウスでの首脳外交の間じゅう、高市はトランプに纏わりついて機嫌をとる老妾となってべたべた立ち回り、下品にボディランゲージし、猥劣にボディコンタクトする醜態を晒し続けた。英語でのコミュニケーションができないものだから、目つき仕草で必死にしなをつくり、身をよじって精一杯に阿媚を表現し、不潔で奇矯なコンフォート・メイドを演じ続けた

3/19 の未明から 3/20 午前、さらに 3/20 午後にかけ、タイムライン⇒時系列のSNS記事の表示)は高市への猛烈な非難と攻撃で埋まった。耐えられない恥辱に呻き、感情を爆発させるポストで溢れかえった。その悲鳴と渾身の怒りが噴出するタイムラインを確認することで、ようやく私も精神のバランスを維持して時間を送られた。3/20 は一日中タイムラインを眺めて過ごし、心を動揺させ落ち着かせを繰り返した。冒頭のトランプへの異様な抱きつき②あの何を言っているか不明な、聞き苦しく幼稚で調子はずれな、聞いてて赤面する発音の女子英語。③「真珠湾攻撃」のやりとりの中、実は英語の応答内容をよく掴めないまま、隣の茂木の様子を窺って気配と状況を察し、会話が分かったフリをして、身内記者の千々岩に対して「私の体面を潰してくれたな」と目で凄んで懲罰を警告した様。④「世界に平和と繁栄をもたらせるのはドナルドだけ」と、世界中の誰も思ってない、世界を失望させ憤慨させる滑稽な追従の称揚を、目を見開いて媚売りアピールし、私的な濃い視線でトランプに送った様

⑤トランプを悦ばせるべく、大袈裟な身ぶり口ぶりでバイデンを中傷するオートペンの絵を鑑賞し、何やら言い散らしてトランプの興に応じた様。⑥さらに夕食会前に見せた形容しがたい、テリブルでミゼラブルなヒステリック・ダンスの映像と、その狂態を写真にしてHPに載せた帝国の悪意と属国への愚弄。等々。次々とタイムラインに配信されるそれら最悪のニュースを目撃し、興奮して鼓動を乱し血圧を高め、そして反射的に、それらを糾弾し批判する諸ポストの言葉に目を移し、解毒剤を服薬するようにストレスの癒しを試み、その繰り返しで時間が流れた。今回、日本人として本当に不名誉で羞恥きわまる愚行を高市はやったと思うし、取返しのつかない外交失態を犯して笑いものになったと思う。海外の女性から、bitch⇒メス犬)という単語が入った軽蔑と嫌悪も投げつけられた。この一件は、日本人にとっての窮極の恥晒しであっただけでなく、世界中の女性にとっての許せない侮辱的醜態だったようで、日本にとって未来永劫残る恥の負債となり自責の記念碑となった。

これが日本人が選んだ首相であり、わが国初の女性総理であり、国内支持率70%の指導者が世界の耳目が集まった場で演じたパフォーマンスなのだ。世界中から嘲笑を浴びている。海外在住の日本人女性は特にいたたまれなかった様子で、糾弾のエネルギーとボルテージが凄まじかった。世界が崩壊し、西側とアメリカが崩壊する中、日本の崩壊も異次元的に甚だしい。アラグチはDCの高市を見てどう思っただろう。これが、あの「おしん」の日本の現在の姿なのだ。海外在住の日本人は、特に長く暮らしている者は、本当に恥ずかしく、傷ついた思いをしただろう。いたたまれないだろう。拷問を受けるような気分だろう。同情するし、国内にいる者として責任を感じ申し訳なく思う

2026年3月26日木曜日

イラン、ホルムズ「完全封鎖」警告 発電所攻撃表明受け/米軌道修正、発電所攻撃を延期

 対イラン軍事作戦として沖縄駐留の第31米海兵遠征部隊の2千5百人(3月27日出発)を含む計5千人規模の米海兵隊員が、力-グ島などのペルシャ湾内の島への上陸を目指し中東へ向かっています。これは当初から予想されていることなので、イランから強硬な反撃を受けて急激に泥沼化する恐れがあります。
 米国・イスラエルとイランの交戦が続く中、トランプは ガソリン価格高騰への対策として21日、イランが封鎖しているホルムズ海峡を「48時間以内に開放しなければ、原発を皮切りに多数の発電所を攻撃する」とSNSで警告しました。
 これは海峡封鎖の解除に向けた最期通告と言えますが、イラン当局は22日、攻撃を受ければホルムズ海峡を完全に封鎖し、かつ中東にある米イスラエル関連のエネルギー施設や海水淡水化施設に報復攻撃すると言明し、イエメン沖のバベルマンデブ海峡や紅海などの不安定化も「選択肢になる」と警告しました。
 トランプは23日、イランの全ての発電所とエネル千-施設に対する攻撃を5日間延期するよう国防総省に指示したと表明しました。イランの反撃が予想外に広範囲に及ぶことを勘案して一旦中止することになったものと思われます。
 イランには米本土への攻撃力はないものの、イラン周りの米軍協力国への攻撃により、中東における米軍の存在感を大きく毀損させます。これは米国として避けたい筈なので イランは有効な反撃手段を持っていると言えます。
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米海兵隊の上陸作戦視野 在日米軍など増派 湾内の島占領も
                         新潟日報 2026年3月23日
 トランプ米政権が対イラン軍事作戦を巡り海兵遠征部隊を増派している。イラン本土での本格的な地上作戦にはなお否定的とされるが、エネルギー輸送の要衝ホルムズ海峡の安全確保や原油の輸出拠点を押さえるため、ペルシャ湾の島に上陸させる可能性が浮上。ただ反撃を受ければ米兵に多くの死傷者が出るのは必至で、泥沼化の懸念も現実株を帯びる。

▽力-グ島
「われわれが望めば、いつでもあの島を破壊できる」。19日、ホワイトハウス。トランプ大統領は日米首脳会談の冒頭で、イランの主要な石油積み出し拠点カーグ島を念頭に、こう主張した。
 カーグ島はイラン本土の約30キロ沖合にある小島。主要な油田とパイプラインでつながり、イランの原油輸出の約90%を担う重要拠点の一つだ。
 トランプ氏は13日、米軍の攻撃で島にある軍事目標を「完全に破壊した」と宣言。石油インフラは狙わなかったとしたが、イランがホルムズ海峡で船舶の航行を妨害すれば攻撃すると警告した。

▽シナリオ
 地上部隊を送り込む場合、有力な選択肢となるのが海兵隊だ。米メディアなどによると、米海軍佐世保基地(長崎県佐世保市)配備の強襲揚陸艦トリポリが中東方面に航行中で、沖縄駐留の即応部隊、第31海兵遠征部隊(31MEU)の海兵隊員を含む計5千人規模が参加。米西部カリフォルニア州から同規模の別部隊も中東へ向かっている。

反撃受け、泥沼化の恐れ
 これらの戦力にはF35Bステルス戦闘機や輸送機オスプレイなどが含まれ、上陸作戦能力を持つドック型輸送揚陸艦が随行する。イランのミサイル発射拠点を空から破壊した上で、上陸部隊が主要施設を占拠するなどのシナリオが考えられる。
 カーグ島へのタンカー接岸を防ぐため海上封鎖する案や、ホルムズ海峡に近いホルムズ島、ケシム島、キーシュ島を占領する案も取り沙汰される。海兵隊を大使館員の退避支援といった
別の任務に充てる可能性もあり、米政権は複数の計画を検討しているもようだ。

▽いつまで
 仮に上陸作戦に踏み切り占拠が成功した場合でも課題は多い。対象の島はいずれもイラン本土から近く、ミサイルや無人機が届く距離にあり、部隊が攻撃にさらされるリスクがある。海
や空から補給する必要もあり、いつまで占領を続けるかという問題もある。
 交戦開始から3週間を過ぎ、米イスラエルの激しい攻撃を受けながらも、国家存亡が懸かるイランの抵抗の意志は折れず、攻撃能力は残る。
 4回の実戦経験を持つ米陸軍退役中佐は「イラン側は決意を固めており、戦争の拡大と長期化につながるだろう」と警告した。    (ワシントン共同)


48時間以内に海峡解放を」米大統領発電所攻撃を警告
                         新潟日報 2026年3月23日
【ワシントン、イスタンブール共同】トランプ米大統領は21日、イランが事実上封鎖しているホルムズ海峡を「48時間以内に開放しなければ、多数の発電所を攻撃する」と自身の交流サイト(SNS)で警告した。投稿は日本時間22日午前8時44分。イラン国営テレビによると、イラン軍事当局は22日、攻撃を受ければ中東にある米イスラエル関連のエネルギー施設や海水淡水化施設に報復攻撃すると言明した。イラン情勢はさらに緊迫の度を増した。

イラン「エネ施設に報復」
 11月に中間選挙を控えるトランプ氏は、米国民の負担感を大きく左右するガソリン価格が海峡封鎖の影響で高騰していることにいら立ちを募らせている。「さまざまな発電所を攻撃し壊滅させる。最大の発電所から始める」と強調。米メデイアは「最大の発電所は南部ブシェーール原発とみられる」と伝えた。非軍事施設への攻撃は国際法で原則禁止されている。
 トランプ氏は海峡の航行の安全確保に向け北大西洋条約機構(NATO)加盟国などに艦船派遣を繰り返し求めているが、各国は応じていない。
 イラン軍事筋はタスニム通信に対し、米軍がイランの石油積み出し拠点カーグ島の占領に踏み切れば、イエメン沖のバベルマンデブ海峡や紅海などの不安定化も「選択肢になる」と警告した。
 イスラエルメディアによると、南部ディモナとアラドに21日、ミサイル攻撃があり計170人以上が負傷した。ディモナには原子力施設がある。22日にも中部テルアビブなどに攻撃があった。
 一方、英海事当局は22日、アラブ首長国連邦(UAE)のシャルジャ沖で飛翔体が船舶の近くで爆発したと発表した。
 イラン保健吉は21日、米イスラエルの攻撃による負傷者が約2万1千人になったと発表した。中東の衛星テレビ、アルジャジーラは1444人が死亡したと報じている。


ホルムズ「完全封鎖」警告 イラン、発電所攻撃表明受け
                       しんぶん赤旗 2026年3月24日
【カイロ=時事】イラン軍中央司令部報道官22日、同国の発電所が攻撃を受けた場合、原油輸送の要衝ホルムズ海峡を「完全に封鎖する」と警告しました。イランのメディアが伝えました。事実上封鎖状態にある同海峡について、トランプ米大統領は21日、48時間以内に開放しなければイランの発電所を攻撃すると表明していました。
 同報道官は封鎖は発電所が再建されるまで続けると強調さらに、米イスラエルに関係するエネルギーや情報通信関連施設を攻撃するとともに、米軍が駐留する湾岸諸国の発電所も「正
当な標的となる」と述べました
 また、イランのガリバフ国会議長は(旧ツイッター)への投稿で「軍事予算に資金を提供している」として、米国債を購入する金融機関も攻撃対象だと主張。湾岸諸国への威圧を強めています。
 英海事機関UKMTOによれば、米イスラエルとイランの衝突が始まった2月28日以降、ホルムズ海峡周辺やペルシャ湾では飛翔(ひしょう)体による船舶攻撃などが20件以上発生。インド船籍の船など一部を除き、ほとんどの船舶が航行を取りやめています。
 イランメディアは3月22日、国際海事機関(IMO)のイラン代表者の話として「イランの敵」に該当しない船舶であれば同国と調整した上で通航できると伝ました。
 米イスラエルとイラン交戦は22日も続きました。AFP通信によると、インのアリアバディ・エネギー相は「テロ・サイバー攻撃により、国家にとっ重要な水や電気関連のンフラが甚大な被害を受けた。水供給網の一部が破壊された」と発表しまた。一方、イスラエル中心テルアビブではミサイル攻撃人が重傷を負いま


米、発電所攻撃を延期 トランプ氏軌道修正
                         新潟日報 2026年3月24日
【ワシントン、イスタンブール共同】トランプ米大統領は23日、イランの全ての発電所とエネル千-施設に対する攻撃を5日間延期するよう国防総省に指示したと表明した。交流サイト(SNS)に投稿した。発電所攻撃を警告していたが、軌道修正した。米国がイランと過去2日間「敵意の完全な解決に向けて大変良好で生産的な対話」を行ったと主張。延期はイランとの協議が進展することを条件とした。協議は今週中続くとの見通しを示した。

「生産的対話」イラン否定
 イランメディアによると、イラン外務省は23日、米国との間に「対話はない」と表明して投稿を否定した。トランプ氏は21日、封鎖状態のホルムズ海峡を「48時間以内に開放しなければ多数の発電所を攻撃する」と警告していた。
 イラン外務省は「エネルギー価格を下げ軍事計画を実行するための時間稼ぎだ」と批判した。イラン高官は発電所攻撃の5日間延期は攻撃継続の意思の表れだとし「徹底抗戦する」と表明した。
 中東情勢の緊張が緩和するとの見方が広がり、23日のニューヨークの原油先物相場は、指標となる米国産標準油種(WTI)5月渡しが一時、1バーレル=84ドルに急落した。
 イラン軍事当局の報道官は22日、米国がイランの発電所を攻撃すれば報復として「ホルムズ海峡を完全封鎖する」と警告していた。米軍駐留基地のある中東各国の発電所も正当な標的だとした。国営テレビが伝えた。
 イランには首都テヘラン近郊ダマバンドの火力発電所などの他、南部にブシェペール原発がある。非軍事施設への攻撃は原則、国際法違反となる。イランのタスニム通信は23日、アラブ首長国連邦(UAE)のバラカ原発などが報復攻撃の対象となると伝えた。イラン軍事当局報道官はビデオ声明で、自国の発電所が攻撃されれば、イスラエルの発電所や情報通信技術(ICT)関連施設を標的とすると明言。中東にある米国資本の同種企業も「完全に破壊する」と威嚇した。
 交戦は23日も続いた。イラン学生通信によるとイラン保健省は22日、2月28日の交戦開始後に約210人の子どもが殺害されたと発表した。


イスラエル、橋壊し南レバノン隔離 大統領「地上侵攻準備」と非難
                       しんぶん赤旗 2026年3月24日
【カイロ=米沢博史】イスラエルのネタニヤフ首相とカッツ国防相は22日、イスラエル国境から北に約30キロに位置するレバノンのリタニ川に架かるすべての橋の破壊を命じました。イスラエルは、イランの支援を受けるレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラヘの軍事作戦を進めています。
 リタニ川はレバノン南部と首都ベイルートなどの中央部を分ける川であり、その橋は両地域を結ぶ陸上物流の生命線です。軍は命令を受け、幹線道路が通るカスミエ橋をはじめ橋を破壊しています。
 レバノンのアウン大統領は声明を発表し、橋の破壊を深刻な主権侵害と非難しました。橋の破壊は人道支援を妨げるとともに、本格的な地上侵攻の前兆と指摘。イスラエルがレバノン南部を「緩衝地帯」として隔離し、占領を既成事実化するなど、領土拡張の足掛かりになると強い警戒感を示しました。
 さらに、インフラや民間施設、住宅地の破壊は集団的懲罰にあたり、国際人道法に違反すると強調し、国連など国際社会に対し、イスラエルの攻撃を抑止するため直ちに行動するよう求めました
 国際人道法は、民間人や民間施設を攻撃対象とすることを禁じています。国連人権局等弁務官は、イスラエルによる1OO万人以上におよぶ避難強制、医療施設や橋などのインフラ破壊、救急隊員への攻撃を国際人道法違反と非難し、民聞人への集団懲罰にあたると警告しています。
 レバノン保健省は22日、イスラエルの攻撃による2日以降の死者は少なくとも1029人、負傷者は2786人と発表しました。