2018年7月20日金曜日

子女の命と健康を守らない日本の学校教育現場

 17日、愛知県豊田市小学校で校外学習先から戻った1年の男子児童の意識がなくなり、救急搬送されましたが間もなく死亡しました。重度の熱中症である熱射病と診断されました。
 児童は途中から「疲れた」と話したため教諭が行き帰り手を引いて歩いたそうです。
 この日は「高温注意情報」が気象台から出されていましたが、学校は簡単には予定は中止できない(校長談)として断行し、この悲劇を招きました一体カリキュラムはそれほどに厳守しなくてはならないものだったのでしょうか。
 学校側に悪意はなかったものの現実にこの悲劇を招いた以上、不明の至りの誹りは免れません。家族の悲しみはどれほど深いことでしょうか。学校への恨みがどんなに強かろうとも何の不思議もありません。
 
 家族の声が何も聞こえてこない中で、植草一秀氏が学校側の対応を厳正に批判する文書を発表しました。
そもそも、高温注意報が発令されているなかで校外学習を実施したことが誤りで担任教師に学校行事の中止を決定する権限の有無などの議論以前に、担任教師は保護者から児童を預かっている責任ある立場なのだから、高温注意報が発令されているなかでの校外学習の是非など、判断に迷う余地すらない問題である(要旨)」と断言しています
 誰も反論できない筈です。
 
 ブログ疲れた』『眠いは危険のサインだった (ねとらぼ 7月19日) 」には次のような記述があります。
 ・・・ツイートには「小さい子どもにとって『疲れた』は本当につらいことをうったえる精一杯の表現といったリプライが寄せられていました。
 大人でも同様のことがあったとの報告もあり、語彙力の問題でなく、熱中症で意識がもうろうとすると「疲れた」しか言えなくなるのだと思われます。その言葉を軽く見ずに、異変を感じたらすぐ対応することが大切です。
 
 植草一秀氏のブログを紹介します。
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子女の命と健康を守らない日本の学校教育現場
植草一秀の「知られざる真実」2018年7月19日
7月17日、愛知県豊田市梅坪町の市立梅坪小学校で校外学習先から戻った1年の男子児童の意識がなくなり、救急搬送されたが間もなく死亡した
重度の熱中症である熱射病と診断された。
児童は公園に向かっている途中から「疲れた」と話し、ほかの児童からも遅れ気味になっており、教諭が手を引いて歩いたと伝えられている。
この校外学習では、この男子児童の他にも3人の女子児童が体調不良を訴え、1人は保護者と一緒に早退したという。
この日は最高気温35度以上が予想される「高温注意情報」が気象台から出されており、学校はこの事実を把握していた。
 
同小の籔下隆校長は記者会見で
「これまで校外学習では大きな問題は起きておらず、気温は高かったが中止するという判断はできなかった。結果として判断が甘かったと痛感している」
と述べた。
集中豪雨で河川氾濫の惧れがあるときに、児童を川遊びに連れてゆき、濁流に呑まれて児童が死亡した場合、学校の責任が問われることは言うまでもないことだろう。
この児童が、公園に向かう往路で「疲れた」との意思表示をし、集団から後れをとっていたなら、この時点で参加を取りやめさせるか、校外活動そのものを中止させる必要があった。
 
そもそも、高温注意報が発令されているなかで校外学習を実施したことが誤りである。
担任教師に学校行事の中止を決定する権限があるとかないとかの議論があるが、担任教師は保護者から児童を預かっている責任ある立場である。
熱中症で多数の死者が発生している昨今の情勢を踏まえれば、高温注意報が発令されているなかでの校外学習の是非など、判断に迷う余地すらない問題である。
 
メディアの取材によれば、学校から公園までの道のりは約1キロメートルで、児童の歩行速度では片道20分ほど要するという。
帽子は着用していたとのことだが、直射日光をさえぎるものはなかったという。
また、公園には日陰をつくる大きな木などの障害物がほとんどなく、まんべんなく直射日光が降り注ぐ状況であったという。
公園はあまり広くもなく、かつ遊具も少なく、今回の校外学習では約110人の児童が遊具の前に列を作って並んでいたという状況だったという。
 
東日本大震災の津波で84人の児童と教職員が犠牲になった宮城県石巻市立大川小学校の児童の遺族が、市と県に損害賠償を求めた訴訟では、仙台高裁が14億円超の賠償を命じている。
判決は、学校管理の最高責任者である校長をはじめ、教頭や教務主任らによる組織的な防災対応の不備を明確に指摘している。
石巻市が作成していたハザードマップでは、大川小学校は浸水予想区域外にあり、石巻市側は、これを根拠に津波による被害を予見できなかったと主張したが、判決はこの主張を退けた。
学校は児童の安全に直接かかわる以上、校長らは、地域住民よりもはるかに高いレベルの知識に基づいてハザードマップの信頼性を検討すべきだったとして石巻市の責任を認定し、損害賠償を命じたのである。
 
児童の保護者は、学校が児童の生命を守る意思と体制を備えているとの前提で子弟を学校に送り出している。
学校側は、地球よりも重い命を預かっているという認識の下に、万全の対応を取る責務を負っている。
また、気温が35度を超す日が大量に発生している昨今の気候事情を鑑みれば、学校施設の冷房設備は必要不可欠のものになっている。
首相官邸や国会議事堂に冷房設備がない状況を想定するべきだ。
血税の単なる無駄遣いであるオスプレイやイージスアショアを購入する前に、各地の公立学校の冷房設備を整備することが先決である。
(以下は有料ブログのため非公開)
 
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アベ友と極右教科書をめぐる利権の構造 後編

 これはLITERAによる「八木秀次氏率いる極右教育団体に公費1200万円が横流し!」の後編です。
 前編では「日本教科書(株)」の実質的母体である日本教育再生機構が、教育再生首長会議事務局を委託されたとして、自治体の公金1220万円を流してもらっていたという話でしたが、後編は、安倍首相の極右教育のブレーンである八木秀次・麗澤大学教授が、自分で設立した道徳教育教科書専門の日本教科書(株)(その後、晋遊舎の武田義輝会長に運営を委託)のまだ検定合格前の教科書を、教育再生首長会議の場を利用して、首長に売り込みをしていたという話です。
 
 具体的には「総合教育会議」の場で推薦して欲しいというものです。
 同会議は第二次安倍政権地方行政教育法を改正しを創設したもので、首長と教育委員会により構成される機関です。それによって教育に関する根本方針を策定する際に首長が介入しやすくなり、当然教科書採択においても首長が介入しやすくなりました。
 八木氏のこうした行為は、教科書採択を勧誘するための不正な宣伝活動として、文科省通知が禁じているところです
 
 なお、日本教科書(株)の道徳教科書2年生版には、安倍首相が2016年12月に真珠湾で行った演説を「和解の力」として抜粋引用されているということです安倍晋三氏が登場する道徳教科書とは、それだけでレベルが知れるというものです。
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アベ友・八木秀次とヘイト・晋遊舎の道徳教科書が自治体に事前売り込み 教科書に安倍首相の演説が丸々1ページも
LITERA 2018年7月19日
 前編では、安倍首相の極右教育のブレーンである八木秀次・麗澤大学教授が理事長をつとめる「日本教育再生機構」「(以下、再生機構)に、これまた首相と八木氏の息のかかった自治体首長による「教育再生首長会議」(以下、首長会議)を通じ、巨額の公金が横流しされていたことを紹介した。これは沖縄タイムスが15日付でスクープしたものだが、実はこの“アベ友”団体間の利権構造をめぐっては、もうひとつ重大な疑惑が浮かび上がっている
 それが、八木氏が首長会議をつかって、自前の教科書を文科省への申請中にも関わらず、売り込みをかけていたという疑惑だ。
 前編でも言及したように、教科書をめぐっては、検定・採択の公平性を担保するため、採択期間などにおける宣伝や広告が制限されている。ところが八木氏らは、その前段階である文科省の検定期間中に、公立校での採択に大きな影響力をもつ各自治体首長に対し、露骨に営業をしかけていたことが明らかになったのである。
 
 詳細を伝える前に、まずは背景の説明が必要だろう。
 そもそも、本サイトが今年2月21日の記事児童凌辱のマンガも出版、ヘイト出版社・晋遊舎が“道徳教科書”に参入! 安倍のブレーン・八木秀次がバックかで報じたとおり、八木氏の再生機構は『マンガ嫌韓流』などのヘイト本で知られる晋遊舎の武田義輝会長らと協力して、「日本教科書株式会社」(以下、日本教科書社)なる道徳教科書専門の新会社を運営、2019年度から中学校で始まる道徳教科への参入を目指していた。
 
 日本教科書社の設立は2016年4月28日。設立時の代表取締役には八木氏が就任し、所在地も再生機構と同じだった。そして文科省への申請期間が始まる直前の2017年4月21日に晋遊舎の武田会長が取締役に加わると、住所も再生機構から晋遊舎のビルに移転。八木氏が2017年9月に表向きの代表を辞任すると、武田会長が代表に繰り上がった。昨年4月から文科省による検定が行われているなか今年初頭にはホームページを開設。3月に日本教科書社の教科書に合格が出され、現在、他の7社と並んでの採択期間となっている。
 なお、この道徳教科書の新会社とヘイト本の版元・晋遊舎のただならぬ関係を指摘した本サイトの2月の報道後、ホームページ上からは武田会長の名前が消え、別の人間が代表を務めていることになっているが、会社登記によれば、7月現在も武田会長は日本教科書社の代表取締役社長のままである。
 つまり、八木氏と晋遊舎の武田会長はビジネスパートナーとして道徳教科書の作成と検定合格に取り組んできたわけだが、こうした経緯から分かるように、日本教科書社には“八木隠し”と“晋遊舎隠し”の動きが透けて見えていた。
 
 そうしたなかで今回、その日本教科書社が、なんと文科省の検定期間にもかかわらず自治体首長らに対してゴリゴリの営業をしかけ、さらには“口利き”としか思えない要請までしていた形跡が浮かび上がったのだ。
 筆者の手元に3組の文書がある。大阪の市民団体が、首長会議の現会長・野田義和氏が市長を務める東大阪市など、複数の自治体に情報公開請求をして入手したもののコピーだ。
 
 1枚目は2017年7月12日、教育再生首長会議の会議で配布されたリーフレット。そこには「日本教科書株式会社」とクレジット発行元の表示され、「コンセプト」や「編集の基本方針」「教材形式の特色」などが細かく書かれている。
 2枚目は、「会社案内」と書かれた日本教科書社の冊子だ。武田会長(当時、日本教科書社代表取締役)の「ご挨拶」などが記されており、2017年11月、首長会議で日本教科書社道徳教科書の監修者である白木みどり・金沢工業大教授の講演会が行われた際に配布されたものと見られる。武田会長は「ご挨拶」をこのように締めくくっている。
〈検定合格後は、ひとりでも多くの子供たちに私どもの教科書を届けるために尽力してまいりましたので、一層のご理解と支援をお願いします。〉
 
■検定合格前から不正が疑われる売り込みをかけていた“アベ友”八木の教科書会社
 すなわち、日本教科書社はまだ検定合格していない時期に、他社を出し抜いて、採択へ大きな影響力をもつ自治体首長らに対し「ご理解と支援」を要請していたことになる。
 
 これだけでも驚きだが、3枚目はさらに露骨だ。「ご案内」と題された文書で、首長会議が今年1月24日に行った会議で配布されたものと見られている。〈市長各位〉から始まり、〈日本教科書株式会社 顧問 八木秀次 代表取締役社長 武田義輝〉の連名となっているこの文書は、首長に対して直接的かつ極めて強い要求を行っている。
〈市長が主催をする総合教育会議では教科書採択などについて議論することができるとされています。つきましては、弊社に関する資料を同封致しましたのでぜひご覧ください。
 あわせて、市長、教育長、教育委員の皆様に、直接ご説明の機会をおつくり頂きたく、ご検討賜りたいと存じております。〉
 
 文書に出てくる「総合教育会議」とは、第二次安倍政権が地方行政教育法を改正して制度化した首長と教育委員会により構成される機関。教育に関する根本方針を策定するとされるが、この総合教育会議の新設により、これまで教育委員会の権限が大きかった教科書採択に首長の意見が介入しやすくなった。つまり、この日本教科書社側の文書は、採択にあたっての“口利き”を首長に対してモロに要請しているのである。
 繰り返すが、これらの文書が首長会議で配布されたとされる時期は、いずれも検定申請中であり、合格の可否すら決まっていない段階だ。
 
 教科書採択をめぐっては、これまで教科書会社側から自治体側への金品贈与などが問題化しており、とりわけ、2015年から2016年にかけては育鵬社を含む不適切な採択運動が表沙汰になったこともあって、利益供与の禁止はもちろん、公正性担保を徹底するために宣伝等にも制限がかけられている。
 
 たとえば、文科省の通知では〈検定申請本及びその内容を、教科書採択を勧誘するための宣伝活動(実質的にこれと同視され得るものを含む。)には一切用いないこと〉や、〈採択関係者若しくは公職関係者又はこれらの職にあった者など採択関係者に影響力を及ぼし得る者(教科書発行者の社員である者を除く。)を教科書採択の勧誘を目的とした宣伝活動等に従事させないこと〉などが定められている。
 また、業界団体である一般社団法人教科書協会は「教科書発行者行動規範」において〈会員各社は、公正かつ公平な職務執行を法令により義務付けられている教科書の採択に関与する者〉に対して〈健全かつ適切な関係を保たなければならない〉などの自主ルールを策定しており、文科省もこれを遵守するよう通告している。
 
■中学2年生用道徳教科書に安倍首相の演説がまるまる1ページ解説なしで
 検定申請中にもかかわらず、採択に大きな影響力を持つ首長に対して営業をかけ、ましてや採択権限者らに〈直接ご説明の機会をおつくり頂きたく〉とお願いする。そこに「健全かつ適切な関係」が保たれているはずがないが、しかも、日本教科書社の実質的母体である日本教育再生機構は首長会議から自治体の公金を流してもらいながら、その事務局を委託されていたのである。裏を返せば、事務局的役割を担うことの“対価”として、八木氏の教科書の採択に協力を迫っているという見方もされうるだろう。
 
 少なくとも、再生機構(日本教科書社)と首長会議の癒着構造は明らかであり、八木氏らはその癒着関係を教科書採択に利用しようとしていたと考えるのが自然ではないか。
 逆に言えば、八木氏らはなぜ、これほどまでに露骨な営業を敢行することができたのか。それはやはり、安倍首相の存在抜きには考えられないだろう。
 
 そもそも、本サイトでは以前から指摘してきたことだが、八木氏が検定の結果が出る前の段階で日本教科書社の代表から降りた(裏では「顧問」として首長会議への営業を続けたのだが)のは、2017年4月24日〜27日の申請期間までは誰もが安倍首相のブレーンだということを知っている八木氏の存在を前面に出すことで官僚に忖度させようとし、他方、検定に合格したあとは八木氏の名前を隠しておくことで「お手盛り」との批判を避ける狙いがあった可能性がある。
 
 さらに、日本教科書社の道徳教科書には、他社には見られない特徴がある。もとより道徳の教科化は安倍首相とその周辺が企図する愛国教育の発露であり、その内容の酷さは別の機会に論じたいと思うが、実に日本教科書社の教科書は、合格した全8社のなかで唯一、“安倍首相の演説”を教材に用いているのだ。
 日本教科書社の道徳教科書は2年生版で「和解の力」と題し、まるまる1ページをつかって、安倍首相が2016年12月27日に真珠湾で行った演説を抜粋引用。解説のサブテキストは一切ついておらず、端的に言って安倍晋三の宣伝以外のなにものでもないだろう。まるで、森友学園が経営する幼稚園で、園児たちに「安倍首相ガンバレ!」とエールを送らせていたことを思い出させるではないか。
 
 首相のブレーン・八木秀次氏の教育再生機構および日本教科書社と教育再生首長会議の癒着、そして、この爛れた極右愛国教育利権の中心に鎮座する安倍首相。この問題が看過されるようならば、もはや民主主義国家ではない。全メディアが徹底して究明すべきはもちろん、国会でも強く追及されるべきだ。(編集部)

20- 収入が減る一方で家賃は上がる ─ 日本が過去20年で失った生活のゆとり

 日本の借家事情は深刻化する一方です。
 教育社会学者舞田敏彦氏が、1993年と2013年の「住宅・土地統計調査」結果を分析して、「この間、収入が減る一方で家賃が上がった。日本は過去20年間で生活のゆとりを失った」とする記事をNewsweekに載せました。
 
 住居費(家賃)が収入に占める割合は、生活のゆとりの度合いを測る指標になります。
 図1「借家世帯の『家賃/年収』比マップ」は衝撃的で、20年前には「家賃/年収」が14%以上であったのは東京、京都などのごく一部だったのが、2013年には、北海道・九州・四国のほぼ全域を含め、本州でも広範囲に広がっています。
 表1「若年(25歳未満)世帯の『家賃/年収』比(%)」も同様に衝撃的で、京都府53%、東京45%などをはじめ、全国平均で348%となっています。
 
 因みに国が行う「住宅・土地統計調査」5年に1回行うもので、2013年(平成25年)のデータが最新データになります。今年(平成30年)は5年目の調査を行う年です。
 親元を離れ、独立した若者が将来は持ち家に住むと言うのは、昔からの共通した願いでした。高度経済成長期にはローン返済の見通しが立てやすくなったこともあって、持ち家の取得が進んだと思いますが、このところはどうなのでしょうか。
 
 記事は、「若者の自立を促し、未婚化・少子化に歯止めをかけるためにも、『住』への公的支援が必要だろう」としています。実にその通りなのですが、軍備の拡充しか頭にない今の政権にそんなことを望むのは、残念ながら無理でしょう。
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収入が減る一方で家賃は上がる──日本が過去20年で失った生活のゆとり
舞田敏彦 Newsweek 2018年7月18日
教育社会学者      
<生活費のうち家賃が占める割合は、93~13年の20年間で大きく上昇し全国平均で2割近くにまで達している>
生活の基盤である住居は、持ち家と借家(賃貸)に分かれる。2013年の統計によると持ち家は3217万世帯、借家は1852万世帯となっている(『住宅・土地統計調査』)。比率にすると「3:2」で持ち家世帯の方が多い。しかし若年層では借家が多く、世帯主が20代の世帯の9割、30代の世帯の6割が借家に住んでいる
 
持ち家は住宅ローン、借家は家賃という固定費用が発生する。生活のゆとりの度合いは収入と支出のバランスで決まるが、後者の代表格は住居費だ。食費や遊興費のように節約はできず、毎月定額を払わないとならない。住居費が収入に占める割合は、生活のゆとりの度合いを測る指標になる。
 
上記の資料から、借家世帯の月平均家賃と平均年収がわかる。2013年のデータだと前者が54万円(I)、後者が3583万円(II)だ。家賃の年額が年収に占める割合は,(I×12カ月)/II=181%となる。20年前の1993年の129%と比べて大きく上昇している。収入が減る一方で(4146→3583万円)、家賃は上がっているためだ(45→54万円)。
 
地域差も大きい。地方より都市部で家賃が高いのは誰もが知っている。都道府県別に「家賃/年収」比を計算し、3つの階級で塗り分けた地図にすると<図1(⇒末尾1>のようになる。左は1993年、右は2013年のマップだ。
 
この20年間で地図の色付きのところが増えている1993年では色が付いているのは都市部の9県だけだったが、2013年では全県に色が付いている。両端の値を示すと、1993年は86%(島根県)~172%(東京都)、2013年は131%(青森県)~223%(東京都)、となっている。
 
どの県でも収入は減り家賃は上がっているので、こういう結果になる。収入は減るが生活費は上がる。借家世帯に限ったデータだが、国民の生活にゆとりがなくなっていることがうかがえる。今年は『住宅・土地統計調査』の実施年だが、「家賃/年収」比が2割を超える県が多くなっているかもしれない(2013年では東京、京都、大阪のみ)
 
これはあくまで全体平均で、分布をみると「家賃/年収」比が4割、5割を超える世帯もある。若年層では、こうした無理をしている世帯が多い2013年の若年の借家世帯(世帯主が25歳未満)でみると、月平均家賃が46万円、平均年収が1572万円なので、家賃年額が年収に占める割合は348%になる。地域別に見るともっと凄まじい値が出てくる。<表1(⇒末尾2>は、47都道府県を高い順に並べたランキングだ。
 
最高の京都府では、若年の借家世帯の「家賃/年収」比が50%を超えている。収入の半分以上を家賃で持っていかれることになる。その次が東京都の450%で、北陸の2県も4割を超える。京都府や東京都は単身の学生が多いためだろうが、勤め人であれば家賃を払うために働いているようなものだ。
住居費がここまで生活に重くのしかかると、実家を出て世帯を構えることは難しく、親元にパラサイト寄生せざるを得ない。若者の自立を促し、未婚化・少子化に歯止めをかけるためにも、「住」への公的支援が必要だろう。
<資料:総務省『住宅・土地統計調査』>

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2018年7月19日木曜日

安倍政権の被災地支援は中身が空っぽ

 安倍政権は13日、被災した10府県58市町に普通交付税の一部350億円を繰り上げ交付すると決定し、「各被災自治体におかれては、財政的に躊躇することなく、全力で応急対応や復旧対応にあたっていただきたいと思います」とさも“重大決定”であるかのように語りました。そしてメディアは「東日本大震災などを除くと平成以降最大の額」と仰々しく報じました。
 しかし純粋に政府の身銭を切ったのは予備費から出す約20億円だけで、それ以外はもともと支給する予定の現金を2カ月早めて渡すだけなのでした。日刊ゲンダイは、「躊躇することなく」使えるわけがないと書いています。
 
「まるこ姫の独り言」は、「政府は、ボランティアとか子供食堂とか個人の善意に頼ってばかりじゃなく予算を付けよ。どうして国がどんどん支援して行かないのだろう」と述べています。
 併せて紹介します(太字強調は原文に拠ります)。
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矢継ぎ早発表もポーズ 安倍政権の被災地支援は中身空っぽ
日刊ゲンダイ 2018年7月18日
 西日本豪雨への対応が完全に後手に回り、挽回に必死の安倍政権。ここへきて「支援策」を矢継ぎ早に打ち出したが、ごまかされてはいけない。安倍首相が純粋に政府の身銭を切ったのは、今年度予算の予備費から出す約20億円だけ。よーく見ると、交付税の前倒し支給や災害関連融資の5年間無利子化など、ケチな支援ばかりだ。それを「安倍の英断」のように垂れ流すメディアもどうかしている。
 
  安倍政権は13日の閣議で、被災した10府県58市町に9月分の普通交付税の一部、346億5100万円を繰り上げ交付すると決定した。17日支給される。閣議に先立ち、非常災害対策本部会議で安倍首相は「総額約350億円の普通交付税の繰り上げ交付を本日決定致します。各被災自治体におかれては、財政的に躊躇することなく、全力で応急対応や復旧対応にあたっていただきたいと思います」と、覚悟を決めた“重大決定”のように語った。
 
 すると、大メディアは「東日本大震災などを除くと平成以降最大の額」と仰々しく報じたのだが、ちょっと待ってほしい。総務省財政課はこう言った。
 「災害初期の段階で現金が必要です。借金をしないで済むように、すでに決まっていた9月分を前倒しで配るだけです。もちろん9月の支給はその分減額されます」
  何のことはない。もともと支給する予定の現金を2カ月早めて渡すだけなのである。そんなので「躊躇することなく」使えるわけがない。
 
  13億6500万円繰り上げ交付される広島県呉市の山上文恵市議(社民)が憤る。
 「何が『躊躇することなく』ですか。国が普通交付税とは別に災害向けの新たな財源を増やしてくれるのならともかく、単なる支給の前倒しです。9月に支給される交付税は、すでに使い道が決まっています。今回、災害向けに支出すると、本来の使途に穴があくわけです。不安だらけですよ。安倍首相は、中身がない支援策なのに、格好をつけているだけです」
 
■大メディアは政府の“印象操作”に加担
  安倍首相は16日も、農家、中小事業者向け「支援策」を発表したが、こちらもショボイものばかり。農家向けに災害関連融資の5年間無利子化や、中小事業者の債務返済猶予など、利子や返済期限を少し緩めているに過ぎない。米国製の武器爆買いの“気前よさ”とはえらい違いである。
 
 「宴会問題で初動を批判された安倍政権ですが、その後も危機感を持って災害対応しているようには見えません。支援策を次々と発表していますが、中身が伴ったものではなく、お得意のポーズです。メディアは、発表された支援策をそのまま垂れ流し、安倍政権の印象操作に協力してしまっている。総額350億円の交付金支給前倒しが大したことないのは、被災自治体の受け止めを取材すればすぐにわかることです。メディアは、支援策が本当に被災者や被災自治体にとって役立ち、元気が出るものなのか、ひとつひとつ検証して報道すべきなのです」(法政大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)
 
  宴の後もポーズだけ。無批判に垂れ流すメディアの罪も重い。 
 
 

ボランティアとか子供食堂とか個人の善意に頼ってばかりじゃなく予算を付けよ どうして国がどんどん支援して行かないのだろう。

まるこ姫の独り言 2018年7月17日
もちろん、個人の善意は必要だしボランティアも必要だと思うが国は、災害復旧ボランティアや「子供食堂」の善意に頼りすぎなのではと思う今日この頃。
 
子供の貧困対策に国の予算を使う発想はなく、財界に寄付を募ったが、又この財界がケチの塊と来ていて、発足当初ほとんど寄付が集まらなかった。
欧米では、災害時など富裕層や企業がチャリティーを呼び掛けたり、自ら多額の寄付を行う。
それが社会的に恵まれた方の責務と思っているような節がある。

が、日本の場合は、富裕層がやたら強欲で冷酷だ。
自分達の利になる事には血道を上げても、底辺にいる人への視点が一切ないか、欠けている。
そういえば韓国ドラマを見ていても、富裕層のチャリティ意識が欧米と同じく強い感じを受けるが、日本の場合、恵まれた人にそんな動きを感じることは少ない。
本来なら国を担う子供に対して、寄付ではなく真っ先に予算を付けてもよさそうなものを、民間の善意に頼る安倍首相。
よほど、国民に予算を付けることが嫌いなようだ。
 
  (以下 4コマ マンガ ブロックされ掲示できないため割愛)
綺麗ごとばっかり言う前に、国が何とかするべきだろうに。
それには予算を付ける事じゃないのか。
 
海外でのバラマキを少し減らせば、すぐにも解決する話なのに。
外国には目が向いても、自国民への支援の発想が極端にないのが安倍首相や、その取り巻きたち。
河野外相の勘違い度に拍車がかかっている。
自分を雲の上の人のような気持になっているのかもしれない。
被災者そっちのけで、心無いツィートはするわ、批判した国民をブロックするわ。
 
今回の西日本豪雨の復興支援のボランティアさんには頭が下がるし、もちろんボランティアも絶対に不可欠な事だが、その前に自衛隊を大々的に投入とか、予算も20億と言わず、もっと付けて復興を進みやすくするべきじゃないのか。
この未曽有の炎天下の中、個人の善意に頼るのも限界がある。
 
東日本大震災と、今回の豪雨を比べるのもなんだが、東日本の自衛隊動員数は10万人で、一方の西日本豪雨は2万人。
怖い程の酷暑の中、やはり人海戦術で行かないとボランティアの人達の負担は増すばかりだ。
しかも復興予算が20億は、どれだけショボいのか。
アメリカに2000億貢ぎ、加計学園に440億支援、イバンカ基金に57億もの拠出。
いかにこの20億がけち臭いか分かろうというものだ。
 
国も個人の善意に頼り過ぎじゃないのか?
しかも、コンビニを買い上げて被災者やボランティアへ無償配布をしたらいいのでは?とツィートした人に、安倍信者たちはボランティアは勝手に来ているのだから、無償で配る必要はないと誹謗中傷・罵詈雑言。
安倍首相に似て、人に対しての思いやりのかけらもない。
トンだ国だよ。この国は。