2026年7月8日水曜日

皇室典範改定案撤回を 「国民の総意」と言えず 参院委で小池氏

 しんぶん赤旗の掲題の記事を紹介します。
 小池晃書記局長(共産党)は6日の参院決算委員会で、皇室典範改定案について天皇の制度は憲法の条項と精神に基づいて議論・検討すべきであり、「男系男子」による継承ありきで女性天皇の可能性を閉ざす改定案は「国民の総意」に基づいていないし、「旧宮家」の男系男子を皇族の養子に迎え、そこで生れた男子が天皇になることには国民の理解が得られないと指摘しました。
 そして憲法1条は天皇の地位を「主権の存する日本国民の総意に基く」としているとして、ほとんどの世論調査で女性・女系天皇に賛成が多数で、「男系男子での継承は「国民の理解を得ているとは到底言えない」、国民の総意に基づくべきものを「国会議員の数の力で押し通すものではない」、しかも「朝日」の世論調査で、養子縁組を可能にする法整備を「急ぐ必要はない」が71%であることなどを指摘して、法案の撤回を求めました。

 併せて同紙の記事:「【政治考】比例削減と高市政権 国会軽視の果て 民主主義を破壊 野党は結束して反対」を紹介します。
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皇室典範改定案撤回を 「国民の総意」と言えず 参院委で小池氏
                       しんぶん赤旗 2026年7月7日
 日本共産党の小池晃書記局長は6日の参院決算委員会で、政府が提出した皇室典範改定案について取り上げました。天皇の制度は憲法の条項と精神に基づいて議論・検討すべきで、「男系男子」による継承ありきで女性天皇の可能性を閉ざす改定案は「国民の総意」に基づいておらず、「旧宮家」の男系男子を皇族の養子に迎えることは国民の理解が得られないと指摘し、法案は撤回すべきだと述べました。(論戦ハイライト 下掲

 小池氏は、憲法1条は天皇の地位を「主権の存する日本国民の総意に基く」とし、ほとんどの世論調査で女性・女系天皇に賛成が多数で、「男系男子での継承」は「国民の総意」とはいえないと指摘。首相は「日本の歴史と伝統」と強調するが、同1条が「日本国民統合の象徴」と定める天皇を、男性に限定する合理的理由はなく、天皇は「万世一系」などとする天皇絶対の明治憲法下とは根本的に異なると断じました。
 法案は「旧宮家」の男系男子を皇族の養子にできるだけでなく、養子皇族の子の男子に皇位継承権を認めています。小池氏が、女性皇族の子は民間人になるが、養子皇族の子が天皇になりうるのかと質問したのに対し、高市早苗首相は「なりうる」と答弁しました。
 小池氏は、政府は、養子制度を「皇族数確保のため」と説明してきたが「養子の子を天皇にする法案になった」と指摘し、戦後、民間人となった「旧宮家」の人を特別な身分である皇族とすることが国民の理解を得られるのかと追及。首相が「国民の理解をたまわるべく法案を作成した」と開き直ったのに対し小池氏は「まだ理解を得られていないと認めたということだ」と指摘しました。
 養子が皇族となることは憲法14条が禁じる「門地による差別」に抵触し、「朝日」の世論調査で養子縁組を可能にする法整備を「急ぐ必要はない」が71%であることなどを指摘。「国民の理解を得ているとは到底言えない」「数の力で押し通すものではない」として法案の撤回を求めました。


論戦ハイライト】 皇室典範改定 憲法に基づく議論を 小池議員が批判
                       しんぶん赤旗 2026年7月7日
 日本共産党の小池晃書記局長は6日の参院決算委員会で、男系男子による皇位継承を“不動の原則”とする皇室典範改定案は憲法の精神にも国民の総意にも反すると厳しく批判し、撤回を求めました。
小池 民間人から養子皇族の子「男子なら天皇になれるか」
首相 「なり得る」
小池 「養子の子を天皇にする改定案になった」

 小池氏は、日本国憲法第1条は天皇の地位を「主権の存する日本国民の総意に基く」としていると指摘。どの世論調査でも女性天皇・女系天皇に賛成が多数だが、改定案は養子縁組によって男系男子での継承を明確にしたと批判しました。



(写真)質問する小池晃書記局長=6日、参院決算委





 小池 天皇は男系男子で継承しなければならないことは国民の総意か。
 高市早苗首相 衆参両院正副議長のもと「立法府の総意」として議論の取りまとめが行われ、法案を作成した。
 小池 「国民の総意」とは言えなかった。世論調査を見れば国民の総意ではない。日本共産党や立憲民主党なども反対しており、「立法府の総意」でもない。男系男子ありきで女性天皇をはじめから閉ざす憲法1条の精神に反するやり方は将来に大きな禍根を残す

 小池氏は、憲法1条は天皇の地位を「日本国民統合の象徴」としていると述べ、多様な性をもつ人々によって構成される日本国民の統合の象徴である天皇を男性に限定する合理的理由はないと主張。「憲法の条項と精神に照らせば、女性天皇、女系天皇を認めるべきだ」と迫りました。
 「首相はわが国の歴史と伝統を強調するが大切なのは憲法の条項と精神に基づくことだ」と強調。日本国憲法は大日本帝国憲法の天皇主権を否定したものだと追及すると、高市首相は「日本は国民主権の国だ」と答弁しました。小池氏は、日本国憲法の条項と精神に基づくことが戦後の象徴天皇の制度だと強調しました。最大の問題は、明治の皇室典範でも禁じていた養子制度について、改定案は旧宮家の男系男子を皇族の養子にできるとしていることだと強調。さらに養子皇族に生まれた男子に皇位継承権を持たせるとしたと批判しました。

 小池 女性皇族の子は天皇にならず民間人になる一方、民間人から養子皇族となった人の子は、男子であれば天皇になれるということか。
 首相 なり得る。
 小池 政府は養子制度を皇族数の確保のためとしてきたが、結局、養子の子を天皇にする改定案になった

 小池氏は、2005年の政府有識者会議の報告書では、養子縁組は国民の理解と支持などの視点から問題点があり「採用することは極めて困難である」と完全に否定していたと指摘。理由として旧宮家といまの天皇の共通の祖先が約600年前までさかのぼり、戦後は民間人として生まれ育ってきたことが挙げられていると強調しました。

 小池 こうした人たちを特別な身分である皇族にすることに国民の理解が得られると思うか。
 首相 国民の理解をたまわるべく、法案を作成した。
 小池 「たまわるべく」であって、国民理解を得られていないと認めた

 小池氏は「男系男子での継承を不動の原則にすることで、ひたすら男の子を産むことを迫られる。そんなことがあっていいのか」と述べ、朝日新聞の世論調査では養子縁組をできるよう法整備を「急ぐ必要はない」との回答が71%にのぼることを示し、「改定案が国民の理解を得ているとは到底いえない」と述べました。
 小池氏は、06年の通常国会で女性、女系天皇を認める皇室典範改定案の提出を巡り、高市首相が「国民の理解が進んでいない」「十分な議論の機会をいただきたい」と質問していたことを指摘。今国会の残されたわずかな期間で、数の力で押し通すようなものではないと主張しました。
 小池氏は、改定案を撤回し、憲法に基づく議論をし「国民の総意を形成する努力をすることこそ立法府の責務だ」と強調しました。


政治考比例削減と高市政権 国会軽視の果て 民主主義を破壊 野党は結束して反対
                       しんぶん赤旗 2026年7月6日
 高市自民党と日本維新の会が衆院の比例定数の45削減法案を強行しようとする動きに対し、日本共産党や中道改革連合、国民民主党、参政党などが厳しく抗議し国会審議の空転が続いています。自民党内からも「(高市早苗首相は)いくら何でもやり過ぎだ」という声が出ています。

「審議吹っ飛ぶ」
 元閣僚の一人は「議院内閣制のもとで、内閣の成り立ちの基礎は議院の信認にある。その議院の成り立ちの基礎になるのが選挙制度だ。議員定数をどうするかは選挙制度をどうするかと一体というルールだ。政策や政治路線の違いをおいて、共通の土俵に関わる問題として全ての政党で議論してきた」と指摘。「小選挙区・比例代表並立制の中で、比例定数だけを突然45も一方的に減らすのは筋が通らない。比例の一定割合は民意の反映のために必要だとされた。共産党だけでなく、参政党も国民民主党も中道改革連合も大幅に議席を減らしかねない。多数党の独裁と言われても仕方ない」と語ります。
 別の自民党議員からもこんな声が出ます。
 「比例だけの45削減など、誰も望んでいない。自民党内にも維新にも反対はある。国会全体の意思ではなく、多数派だけで決めて押し通せということ。選挙制度は少数政党にも十分配慮するのがルールだ。今なぜこれをやらなければならないのか。維新は『身を切る』というが日本の議員定数は少ない。本来あるべき議論がどこにもない。強行すれば全ての国会審議が吹っ飛ぶ可能性がある」

再可決も検討へ
 首相官邸は、法案の衆院通過から60日以内に参院で採決がない場合、否決と見なして衆院で3分の2以上の多数で再可決するという「60日ルール」の検討に入ったとされています。参院では多数を確保できないもとで、衆院の圧倒的多数を背景にごり押しする構えを見せています。
 前出の元閣僚は「60日延長で再可決とは『参院は要らない』という態度だ。自民党内でも感情的な対立を呼ぶ。きちんとした議論をせず、議会政治をぶっ壊すやり方だ。責任感など全くない。自民党の幹事長室も国対も状況打開に機能せず官邸のいいなり。自民党本体も劣化し手をこまねいている」と嘆きます。
 年初の高支持率を頼りに、大義も国民への説明もない奇襲解散・総選挙、それで国会の開会が遅れ予算の年度内成立が苦しくなると審議時間の短縮を要求、中傷動画拡散問題では「秘書の陳述書を読め」など公然と答弁拒否―相次ぐ国会軽視の果てに、議会制民主主義の根本をいとも簡単に破壊する「高市独裁」ともいうべき暴走です。

小選挙区制強化 くらし・平和脅かす
 憲法43条は、衆参両院は「全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する」と規定しています。「代表する」とは、社会に実在する民意をできるだけ忠実に反映することと理解されています。選挙制度は、民意の反映を重視してつくられるべきです。

少数意見を軽視
 小選挙区制度は「民意の集約」を目指すものとされてきました。一つの選挙区で1人を選ぶ小選挙区制では、多数政党が議席を独占し、議席構成のうえで「民意の集約」が行われます。そうなれば、国会は多数党に代表される意思で次々と「改革」が進められ、国会での熟議は軽視されます。一方で、比例代表制度は、価値観の多様化する現代社会で少数意見が軽視されず、「多様な民意を反映」するものです。
 その結果、小選挙区300・比例代表200で1996年にスタートしたのが現在の制度です。しかし、その後比例定数は24議席も削られ現在176に(小選挙区は11削減)。ここからさらに比例定数のみを45削減すれば多様な民意の反映の契機は大きく損なわれます
 「民意の集約」に重きを置き、多数政党への議席の集中を目指したのは財界勢力の意向によるもので、新自由主義的な構造改革や改憲の政治をスピーディーに進めるためでした。
 現実にこの30年間で、大企業本位の新自由主義改革が進められ、大企業は650兆円超の内部留保を積み上げる一方で、社会全体では経済成長が止まり、国民の所得は上がらず、貧困化が進みました。また自衛隊の海外派兵が進み、「憲法解釈変更」で集団的自衛権の行使容認、敵基地攻撃能力の保有など、立憲主義が破壊されました。さらに、いま高市首相は9条改憲発議を急ぐ姿勢を強めます。
 比例削減をさらに進め、小選挙区制の比率を高めようとする高市自民・維新の暴走は、その根底で、行き詰まった新自由主義改革と米国の無法な戦争に参加する9条改憲への対抗勢力を排除していく狙いを秘めています
 この危険なたくらみを絶対に許すわけにはいきません。

行き詰まり加速
 2週間足らずの17日に特別国会の会期末が迫っています。比例定数削減法案や副首都法案、皇室典範改定、国旗損壊処罰法案などの審議日程は残っていますが、与党による比例削減法案の強行姿勢のもとで野党の抗議は続きます。もし、比例削減法案を衆院で与党のみで強行採決すれば、参院での審議も含め、全ての法案の審議を自らストップさせることになります
 参院では自民、維新のみでは過半数に足りない状況で、比例定数削減に固執したまま一連の法案を通すには、会期の大幅延長の上、60日ルールによる衆院での再可決によるしかありません。しかし、この乱暴なやり方は自民党内からも反発が噴出する可能性もはらみます。与党の横暴を批判する世論は急速に広がっています。
 自民党関係者は「維新との連携重視でどこまでやれるのか。こう言っている間にも円安と物価上昇は続いている。維新も大阪の意向で強硬路線をいっているが、東京の国会議員グループでは空気は異なる」とも述べます。
 今週には、社会保障国民会議での「消費税減税実施」の表明も観測されています。メディア関係者は「自民党内や財界からの反対の声が出る中で、『減税見送り』の見方も出されるが、そうなれば高市政権への国民の期待は吹き飛ぶ。他方、減税表明があっても、財源の説明がつかなければ金利の上昇と円安の進行というダブルショックに見舞われる」と指摘します。
 3日には、金利が2・81%と29年ぶりの水準に上昇する一方、為替介入の動きにもかかわらず為替レートは161~162円前後から上がらない状態が続きます。永田町の一部では「金利が3%を超えれば、4、5%へと一気に上昇する可能性も」とささやかれます。食料品の値上がりは今年中に2万品目を超えるという予測も出され、国民生活は逼迫(ひっぱく)しています。高市政権の行き詰まりは日を追って深刻さを増しています。暴走はその行き詰まりと一体のものです。(中祖寅一)

08- 木原官房長官の意味不明発言/トップの説明責任回避は致命傷(植草一秀氏)

 植草一秀氏の掲題の2つの記事を紹介します。

1番目の記事)
 25年度の国税収入が84.2兆円に達し、20年度よりも23.4兆円増えました。
 一般にはこの増分を「自然増収」と呼びますが、実態はインフレによるもので「インフレ増税」(または「ステルス増税」)です。インフレで名目収入が増えれば所得税収も伸びるし消費税収も伸びるからです。
 財務省がインフレを熱望するもう一つの理由はインフレの分だけ国の借金の重みが減るからで、一回でも激しいインフレが起これば過去の借金は殆ど帳消しにできます。
 インフレでは物価は上がり、実質賃金と実質の年金は下がり、貯蓄は目減りするので、庶民の生活は苦しくなるだけです。
 木原稔官房長官が25年度の国税収入が84.2兆円になったことについて6日、「税率を上げずとも税収が自然増に向かっていく強い経済を構築していく」と述べました。大変な欺瞞です。
 植草氏は「『強い経済』も『弱い経済』もない。(それは)ただ『インフレ経済』を継続するということに過ぎない」と呆れます。
2番目の記事)
 数の力による強引な国会運営で、国会が動かなくなりました。
 虚言、虚飾、虚栄を旨として首相の座を獲得した高市氏の「全能感」が行わせた数々の暴挙がこの破綻をもたらしました。植草氏は「自民が多数議席を獲得した弊害が顕著」と述べます。
 2月の総選挙で自民党は37%の得票率で68%の議席を占めました。小選挙区を軸にする選挙制度がこの歪んだ議席配分をもたらしました。
 民意を正確に議席配分に反映するには、全議席を比例代表選挙で選出することが合理的であるのは自明ですが、自民党がそれを受け入れる可能性は皆無です。
 その逆に自民と維新が示す選挙制度改定は、比例代表の定数を45減らすというもので、そうなれば一段と歪んだ議席配分がもたらされます。話になりません。

 残された会期は極わずかなのに、この議員定数削減法案に加えて副首都創設法案、個人情報保護法改定、国旗損壊罪、そして皇室典範改定法案を通そうというのが、高市執行部の構想であり、常軌を逸しています(なお、7日に高市首相と吉村維新代表が議員定数削減法案、副首都創設法案、皇室典範改定法案の取り扱いについて協議したということなので、何らかの変更があったかも知れません)。
 副首都創設は維新利権を拡大するための法制で、個人情報保護法改定は個人情報への国家の介入を強めるものです。国旗損壊罪を創設すれば国旗に触れることを国民が忌避することになります。
 植草氏は「皇室典範改定は当初の皇族数確保のための改定が、皇位継承問題にすり替えられた。高市内閣の暴走である」として、皇室典範改定法案の問題点について具体的に述べています。
(皇室典範改定法の問題点については別掲の記事でも取り上げているので、ここでは要約を省略します)
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木原官房長官の意味不明発言
               植草一秀の「知られざる真実」 2026年7月 7日
2025年度の国税収入が84.2兆円に達することになった。
すでに7月2日に記事を掲載した。
23兆円も上振れした国税年額」 https://x.gd/Khq7R
「自然増収で消費税ゼロが可能」 https://foomii.com/00050

国税収入は2020年度に60.8兆円だった。これが2025年度に84.2兆円になった。大きな税制変更はない。制度変更がないのに税収額が23.4兆円増えた。
「自然増収」と呼ぶが適正な表現ではない。実態は「インフレ増税」=「ステルス増税」である。ステルス増税の最大の原因はインフレだ。インフレは税収を増やす

所得税の場合は税率構造が累進的に設計されている。所得が増えると適用される税率が上がる。
したがって、名目収入が増えると収入の伸びよりも税収の伸びが大きくなる。
消費税でもインフレで名目消費が増えれば税収は増大する。
インフレ」を誘導するともれなく税収激増が付いてくる

財務省がインフレを熱望する理由の一つが税収増大。制度を変えずに税収が増える。
これが「ステルス増税」だ。
財務省がインフレを熱望するもう一つの理由はインフレが借金の重みを減らすこと。
借金は名目額で固定されている。インフレが生じるとインフレ分だけ借金の重みが減る
一回でも激しいインフレが起これば過去の借金は帳消しにできる。だから財務省は工作員を日銀に送ってインフレ誘導をやらせる。実際にやった。それが2022年度から2025年度である。

この「ステルス増税」について看過できない発言があった。木原稔官房長官が25年度の国税収入が84.2兆円になったことについて7月6日に次のように述べた。
「税率を上げずとも税収が自然増に向かっていく強い経済を構築していく」木原氏の脳の構造が心配になる発言だ。
「税率を上げずとも税収が自然増に向かっていく強い経済」の意味が不明。
税率を上げないのに税収が増えるのはインフレの場合だ。実際にインフレが進行して税収が拡大してきた。

「強い経済」も「弱い経済」もない。あるのはただ「インフレ経済」だ。
日本の消費者物価上昇率は2022年から25年まで4年連続で2%を超えた。
 22年度 2.5%
 23年度 3.2%
 24年度 2.7%
 25年度 3.2%
         消費者物価指数上昇率(%)


黒田日銀はインフレ目標を2%としていたが2%を超えるインフレが実現してきたのにインフレ誘導の旗を23年4月の任期満了まで振り続けた。日本で深刻なインフレが発生した。

インフレで潤うのは実質賃金が下がることで利益を得る企業と税収が増えると同時に借金の重みが減る政府。
インフレで損失を蒙るのは実質賃金が減る労働者であり、虎の子預金の価値が減る一般市民である。
「税率を上げずとも税収が増える」のは「強い経済」ではなく「悪質な経済」である。
木原氏は戦後の日本財政を勉強した方が良い。

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トップの説明責任回避は致命傷
               植草一秀の「知られざる真実」 2026年7月 6日
日本政治が重大局面を迎えている。
数の力による強引な国会運営。2月総選挙で自民が多数議席を獲得した弊害が顕著である。
2月総選挙の比例代表選挙における自民得票率は37%。全有権者を分母にする絶対得票率では20%。有権者の5人に1人しか自民に投票していない。投票した有権者の3人に1人しか自民に投票していない。しかし、自民が獲得した議席は316で、衆院定数の68%を占有した。37%の得票率で68%の議席を占有することが適正でない

小選挙区を軸にする選挙制度が歪んだ議席配分をもたらす主因である。
したがって、選挙制度を刷新することが必要。
民意を正確に議席配分に反映するには全議席を比例代表選挙で選出することが合理的だ。
このことを国会は真剣に検討するべきだ。

ところが、自民と維新が示す選挙制度改定は比例代表の定数を減らすというもの。一段と歪んだ議席配分がもたらされるものである。
定数削減だけではない。副首都創設法案、個人情報保護法改定、国旗損壊罪、そして皇室典範改定が審議されている。

副首都創設は維新利権を拡大するための法制だと見られる。政治の私物化と言うほかない。
個人情報保護法改定は個人情報への国家の介入を強め、さらに、その個人情報の外資企業への提供につながる重大問題。
国旗損壊罪を創設すれば国旗に触れることを国民が忌避することになるだろう。

皇室典範改定は当初の皇族数確保のための改定が、皇位継承問題にすり替えられた。高市内閣の暴走である。
現在の皇室典範の最大の問題は皇位継承を「男系男子」に限定している点にある。これは「明治の残骸」に過ぎない。日本の皇室の系譜に「万世一系の男系男子」という「事実」は存在しない。「万世一系の男系男子」は明治が創作した「フィクション」である。
同時に、これが日本における「男尊女卑」の元凶になっている。

皇室典範の「男系男子」を除去することが最重要の課題だが、高市内閣提案は「男系男子」を死守しようとするものでしかない。
皇位継承問題については「国民の総意」による支持が必要不可欠。国会に上程された改定案はこの部分で要請を満たさない廃案にすべきである

高市内閣の暴走により、日本政治が混迷の極みにある。高市首相は自身の多数疑惑に対する説明責任を果たさない。首相辞任が視界に入る状況に至っている。
この状況下で、本当の野党の存在が重要性を増す。「隠れ与党」の「ゆ党」勢力が拡大するなかで、政治の浄化を実現するには「たしかな野党」勢力の拡充が必要不可欠だ。

このなかで際立つのが「れいわ」の混迷だ。最大の原因は山本太郎代表にある。
69キロの速度超過に対する刑事処分が行われたことが公表されたが、山本氏自身による説明がない。公党の代表として説明責任を果たすことは必要不可欠だ
説明責任を果たさずに代表職に残留していることが党勢凋落の原因になっている。

共産、れいわ、社民が「たしかな野党」勢力のカテゴリーに分類されるが、この勢力の再興が必要不可欠だ。
れいわが適正な対応を示さないなら、れいわを除く勢力での連帯、勢力拡大を目指すことが必要になる。まずは、れいわ自体が自浄作用を発揮させることが必要。
事態の放置は事態の悪化しかもたらさないことを認識する必要がある

続きは本日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」4463号
「れいわの体制刷新避けられない」 でご高読下さい。
                 (後 略)

2026年7月6日月曜日

審議拒否しているのは与党(植草一秀氏)

 植草一秀氏の掲題の記事を紹介します。
 高市首相にはこれまで誹謗中傷動画、サナエトークン、経歴詐称の疑惑が追及されてきました。高市氏はそれに正面から受け答えできずに、ウソで逃げようとしますが、次々とそのウソがバレて今はひたすら逃げ回ることしかできていません。審議拒否して国会を空転させているのは高市氏であり、その姿勢を糺せない自民党です。
 そこにさらに「タオル贈与疑惑」という決定打が撃ち込まれました。2000円で販売されていた「サナエ」の名が明記されたタオルを高市氏の選挙区の有権者に無償で提供されていた疑惑が浮上しました。
 これが事実なら公選法第199条の二 違反であり首相辞任は免れません。現に柿沢未途衆院議員(自民党)や前川清成衆院議員(維新の会)は議員を辞職しています。
(注.公選法第199条の二(公職の候補者等の寄附の禁止)
   公職の候補者又は公職の候補者となろうとする者は、当該選挙区内にある者に対
   し、いかなる名義をもつてするを問わず、寄附をしてはならない)。
 一体、高市氏はいつになったらキチンと身を持するのでしょうか。いい加減にして欲しいものです。
           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
審議拒否しているのは与党
                植草一秀の「知られざる真実」 2026年7月 5日
高市首相の辞任が秒読み態勢に入った。
高市疑惑三兄弟。 誹謗中傷動画 サナエトークン 経歴詐称
三つの疑惑の追及を受けているが高市氏は正面から受け答えできない。ウソで逃げようとする。しかし、ウソが判明して窮地に追い込まれている。しらを切って逃げびようとするが立場は首相。しらを切って逃げ延びた総務相時代と違う

ここに決定打が撃ち込まれた。タオル贈与疑惑だ。
2000円で販売されていた「サナエ」の名が明記されたタオル。
これが高市首相の選挙区の有権者に無償で提供されていた疑惑が浮上した。
これが事実なら公選法第199条の二違反。首相辞任は免れない
議員辞職・公民権停止になることも考えられる

絶体絶命。週刊ポストが報じた。週刊文春、週刊現代、週刊ポストが足並みを揃えて高市首相を追い詰める
背後には消費税問題がある。高市首相が推進する消費税減税を絶対阻止しようとしているのが財務省。この財務省が総力を結集して高市首相を揺さぶっている可能性がある。
財務省と高市首相。ハブとマングース。童磨(どうま)と鬼舞辻無惨(きぶつじむざん)。

どちらも殲滅すべき対象だが、ここは順序を考える必要がある。
まずは、高市首相の退場を優先するべきだ。高市首相が日本を破壊するからだ。
高市事務所は選挙区の有権者に無償で物品を贈与していないと主張するが、これは公選法199条の二を意識した主張。
認めれば直ちに公選法違反が確定する。過去には国会議員がこれで墓穴を掘っている。
しかし、多くの証言が存在する。法と証拠に基づいて刑事責任を問う必要がある

「サナエ文字入りのタオル」は「サナエビジネス」の一環。高市氏サイドで「サナエ」を用いた「商業活動」が行われてきた。「サナエトークン」もその一環と考えられる。
昨年12月17日のオンライン会議に高市氏公設第一秘書の木下剛志氏が参加していた。
会議はサナエトークン発行側のneuとノーボーダー側が開いたもので、ここに高市首相サイドから4名が出席したとされる。
この会議で「インセンティブ付与」が話し合われた。「チームサナエ」の活動に貢献した者に経済的利益を付与する「インセンティブ」が話し合われた
そのなかで、インセンティブを市場で売却して利益を得ることが話し合われたと見られる

会議では「サナエトークン」の固有名詞は用いられていないと見られるが、このとき話し合われた「インセンティブ付与」の具体形がのちの「サナエトークン」である。
高市氏の後援会公式サイトでノーボーダー側の提案による「サナエトークン」の固有名詞の入った投稿がリポストされている。しかし、「サナエトークン」は無認可の販売、仲介をしていたとみられる。資金決済法違反事案だ。金融庁が刑事告発する必要がある
高市案件だから見逃すなら、日本はもはや法治国家とは言えない。
国会は高市氏の疑惑を解明するための徹底審議を行う責務を負っている。
(お願い)

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