2018年11月18日日曜日

日朝極秘会談リーク連発 “やってる感”の印象操作

「拉致問題の安倍」であった筈ですが、すでに6月以降 舞台装置は整っているのに日朝首脳会談は実現の兆しすら見せていません。
 安倍首相は米大統領や高官が来るたびに北朝鮮とのとりなしを頼んでいますが、それは基本的に6月の米朝首脳会談で済んでいるのであって、それに屋上屋を重ねているのは安倍首相のパフォーマンスに他なりません。その見返りには当然 莫大な国益の献上がある筈です。
 北朝鮮の高官は「安倍内閣(の姿勢)では、拉致問題の解決は無理」と述べていますし、肝心の外務省も安倍内閣での解決は無理であるとして予防線を張っています。
 
 安倍政権はこれまで、7月にベトナムで10上旬にはウランバートルで「北村滋  金聖恵」の“極秘会談”をしているようです。日本はそこでも、北に対して拉致問題の全面譲歩を主張するばかりで、日本側から歩み寄る姿勢は一切見せず、拉致問題が先だとして経済協力の話もないので、北は安倍政権は相手にならないと諦めているということです水面下の交渉が表向きの主張と瓜二つということでは、何のための交渉なのでしょうか。
 
 その一方で、共同通信が1019日にウランバートルでの会談を報じFNN(フジテレビ系)も(今月)14日にウランバートルでの「日朝極秘会談」をスクープしました。そしてNHKは16日夕刻、「外交の安倍」演出する30間の生中継をしました。
 極秘会談がスクープされるのは、安倍首相の「やってる感」を国民に訴えようとする官邸がリークするからです。天木直人氏は「水面下の交渉がうまくいっていれば、日朝首脳会談開催まで、極秘を徹底するはず」と述べています。要するに「極秘会談」があったと盛んにリークするのは、何の成果も得られていないことの証明なのです。
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日朝極秘会談リーク連発 安倍政権“やってる感”の印象操作
日刊ゲンダイ 2018/11/17
 豪州訪問中の安倍首相は16日夕方、ダーウィンで記者会見した。中身はスカスカだったが、NHKは午後6時から30分完全生中継で、「外交の安倍」演出をアシスト。安倍政権の印象操作はいつものことだが、拉致問題での“やってる感”が半端じゃない。極秘会談の相次ぐリークだ。
 
 FNN(フジテレビ系)は14日、モンゴル・ウランバートルでの「日朝極秘会談」をスクープした。今月9日、安倍首相の最側近である北村滋内閣情報官と北朝鮮の金聖恵統一戦線策略室長が会談し、拉致問題解決に向けて「水面下」で交渉したという。どこかで聞いたニュースだと思ったが、その通り。最近、日朝極秘会談のスクープが連発しているのだ。
 8月28日に米紙「ワシントン・ポスト」(電子版)が7月のベトナムでの会談を伝え、10月19日には共同通信が同月上旬のウランバートルでの会談を報じた。すべて「北村滋―金聖恵」の“極秘会談”である。
 
 3カ月で3度ものスクープ報道。もはや極秘でも水面下でもない。元外交官の天木直人氏が言う。
「もし、水面下の交渉がうまくいっていれば、日朝首脳会談開催まで、極秘を徹底するはずです。これだけ極秘会談が漏れるのは、交渉が行き詰まっていることの表れです。安倍官邸が意図的にリークしているかどうかはわかりませんが、短期間に1度ならず3度のスクープは、進展がない中、拉致問題について“やってる感”を印象付ける結果になっています」
 15日は横田めぐみさんが拉致されてちょうど41年目の日だった。世間の関心が拉致問題に集まるのを見越して、やってる感を出すために、直前の14日にリークしたようにも見える。
 
 実際、交渉はうまくいっていないようだ。
「日本政府は同じことを繰り返すだけ。北に対して拉致問題の全面譲歩を主張するばかりで、日本側の歩み寄る姿勢は一切見せない。ストックホルム合意に基づいて北が行った調査報告書の受け取りは拒否したままだし、安倍首相は過去に対する反省の姿勢も見せていません。拉致が先だとして、経済協力の話もない。北は安倍政権は相手にならないと諦めているようです」(外務省関係者)
「極秘会談」に惑わされてはいけない。安倍政権で拉致問題は1ミリも動いていないのだ。 

戦災復興記念館長が「政治的問題中立に」と干渉

 仙台弁護士会は16日、仙台市戦災復興記念館で仙台空襲がテーマの演劇を上演した劇団に、記念館の指定管理者から表現の自由を侵害する不当な干渉があったとして、郡和子市長に対し、管理業務を委託する公益財団法人仙台ひと・まち交流財団への指導を求める要望書を出しました。
 要望書によると、記念館の館長は157月の上演で出演者が「戦争法反対」などと訴えた場面を見とがめ16年3月、「市主催の行事なので政治的問題は中立に」などと指摘し、劇団は記念館で予定していた同7月の上演を別会場に変更しました。
「反戦は政治的偏向である」とする安倍内閣の異常に偏向した思想が各地の自治体に広がっています。
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「反戦劇に不当な干渉」仙台弁護士会、市長に指導要望 
 戦災復興記念館長「政治的問題中立に」と指摘
河北新報 2018年11月17日
 仙台弁護士会は16日、仙台市戦災復興記念館(青葉区)で仙台空襲がテーマの演劇を上演した劇団に、記念館の指定管理者から表現の自由を侵害する不当な干渉があったとして、郡和子市長に対し、管理業務を委託する公益財団法人仙台ひと・まち交流財団への指導を求める要望書を出したと発表した。
 
 劇団は青葉区の「要プロデュース・劇団仙台」。市が記念館で毎年7月に開く戦災復興展に合わせて2010年以降、「仙台空襲 孫たちへの伝言」と題する演劇を上演してきた。
 要望書によると、記念館の館長は15年7月の上演で出演者が「戦争法反対」などと訴えた場面を見とがめ16年3月、「市主催の行事なので政治的問題は中立に」などと指摘。劇団は記念館で予定していた同7月の上演を別会場に変更した。
 
 劇中の表現は特定政党の支持や批判でなく、政治的信条の表明にとどまると強調。「抽象的な政治的中立性を理由に表現の自由への制限を認めれば、ほとんどの表現行為が萎縮しかねない」としている。
 記念館を所管する青葉区は「表現の自由は当然尊重するが、市の主催事業は表現の政治的中立性を勘案する必要がある。今後も十分配慮しながら事業を進める」とコメントした。

18- 東京新聞 <税を追う> 歯止めなき防衛費 14

 イージス・アショアは、レーダーの仕様をどうするのか、迎撃ミサイルの仕様をどうするのかも未定です。ミサイルSSRは一基百七十五億円ほどとされますが、まだ構想段階で、ミサイル射撃試験などをしていないので、日本が試験費の負担を強いられ、価格がさらに膨らむ可能性があるということです
 要するに未完成で性能も不明の高額な装置を売り付けられたということです。
 海自保有するイージス艦は現在6隻ですが20年度までに8隻に増やす計画です。ここでも1100億円を超すレーダー更新が行われることになっています。日本には無用で、性能も不明のイージス艦をなぜ8隻に増やす必要があるのでしょうか。
 
 今や高額兵器を次々と導入するようになった日本に対しては、世界の兵器メーカーや商社が虎視眈々と商機をうかがっています兵器購入のための金額は一体どこまで膨張するのでしょうか。
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<税を追う> 歯止めなき防衛費(4)レーダー商戦 しのぎ削る米メーカー
東京新聞 2018年11月17日
 九月二十八日、東京都内のホテル。サイバーテロやミサイル防衛(MD)のセミナーが開かれ、国内外の防衛企業の幹部や自衛隊OBら約三十人が出席した。主催したのは旧防衛庁長官や初代防衛相を歴任した久間章生(きゅうまふみお)氏が会長を務める一般社団法人・国際平和戦略研究所。久間氏は二〇〇九年の衆院選で落選後、政界を引退したが、日米の防衛分野に広い人脈を持つ。
 
 「これからの戦争はミサイルの時代になってきた」
 久間氏のあいさつの後、海上自衛隊OBの坂上芳洋氏が講演した。環太平洋合同演習の際、指揮官としてイージス艦を運用した経験があり、退官後は米軍事メーカー・レイセオンのシニアアドバイザーも務めた。講演のテーマは政府が導入を決めた地上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」。坂上氏はシステムに搭載されるレーダーに米ロッキード・マーチン製の「SSR」が選ばれたことに疑問を呈した。
 SSRは一基百七十五億円ほどとされるが、坂上氏は「まだ構想段階で、ミサイル射撃試験などをしていない。日本が試験費の負担を強いられ、価格がさらに膨らむ可能性がある」
 会場からは「それは国会が止まるくらいの話だな」という発言も出た。斉藤斗志二(としつぐ)元防衛庁長官だった。
 
 北朝鮮は一六年以降、核や弾道ミサイルの実験を繰り返した。防衛省の幹部は「誰もがミサイル防衛強化が必要と考えていた。官邸は高高度(こうこうど)防衛ミサイル(THAAD)も地上イージスも米国製なので、どちらでも構わないという立場だった」と明かす。
 地上イージスに決まったことで、防衛省は米ミサイル防衛庁からSSRと米レイセオン製のレーダー「SPY-6」の提案書を受け取り、レーダーの選定に入った。
 イージス艦にロッキード社製の「SPY-1」を搭載している米海軍が今後、レイセオン製のSPY-6に更新するため、日本の防衛業界でも「レイセオンが有利」とささやかれた。だが今年七月、ロッキード社に軍配が上がり、業界に驚きが広がった。
 ロッキード社と関係が深いコンサルタントで、元航空自衛隊空将の山崎剛美(たかよし)氏は「日本製の窒化ガリウム半導体を組み入れるなどして大きさを変えないで性能を向上させた」と勝因を分析する。お膝元の米国で失った商機を日本で取り返した格好だ
 
「今回のレーダー選定は単にイージス・アショアのレーダーを決めるというだけではない」。そう指摘するのは元米陸軍大佐で、レイセオンに勤めたことがあるスティーブン・タウン氏。次のレーダー商戦は海上自衛隊のイージス艦だ。
 海自は保有する六隻のイージス艦のミサイル防衛能力を向上させながら、二〇年度までに八隻に増やす計画だ。レーダーはロッキードのSPY-1が搭載される予定だが、「近い将来、レーダーの更新が始まっていくだろう」と海自OB。レーダー更新は一基百億円を超す一大ビジネスだ。
 今や米国製を中心に高額兵器を次々と導入するようになった日本。世界の軍事メーカーや商社が虎視眈々(たんたん)と商機をうかがう。

2018年11月17日土曜日

外国人労働者の悲惨な実態 低賃金、暴行、性被害

 LITERAが技能実習生制度における外国人労働者の悲惨な実態・・・ 低賃金、過重労働、雇い主による暴行・性被害などを総括的に取り上げました。
 そうした実態の多くは「失踪者」を対象に政府が行った実態調査から読み取れるはずですが、野党が調査結果の開示を求めても政府は「個人の秘密」に係わるからとこれまで応じませんでした。したがって野党合同のヒアリング結果が中心ですが、実習生を「人間扱いしない」恐るべき実態明らかになっています。
 こうした実習生たちの声を国が真摯に聞き取らないのであれば、この出入国管理法改定案は審議に値しません。
 
 山下法相は失踪の理由について国会で、「より高い賃金を求めて失踪する者が約87%」などと、実習生の我儘によるかのように答弁しましたが、実は「より高い賃金を求めて」という選択肢は調査票にはなく、あったのは「低賃金(契約金以下、最低賃金以下)」でした。
 法相がデータをねじ曲げてありもしない回答を捏造した問題については、LITERAがのもう一つの記事で取り上げています。
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安倍政権がひた隠しにする外国人労働者の悲惨な実態! 
低賃金で突然死、暴行、性被害も…こんな奴隷政策許していいのか
LITERA 2018年11月16日
 安倍首相が臨時国会での成立を目論んでいる出入国管理法改正案(入管法)が、本日午後から衆院法務委員会で審議入りする。政府はいまごろになってようやく法改正によって初年度最大約4万8000人、5年間で最大34万5150人を受け入れるという見込み数を発表したが、これで“議論の前提が整った”として与党はきょうの審議入りを自民党の葉梨康弘・衆院法務委員長の職権で決めたのだ。
 そもそも、受け入れ数も野党がいくら問いただしても山下貴司法相は「精査中」と言い張っていたのに、その数字は国会よりも先にメディアに出された。まったく国会軽視も甚だしいが、その数字の根拠はいまだに示されていない。
 
 しかも、最大の問題は、安倍政権が“不都合なデータの隠蔽”に必死になっていること。それは、失踪した技能実習生約2900人分から聞き取りをおこなった聴取票の中身だ。
 この聴取票には失踪した動機として「暴力を受けた」「労働時間が長い」などのチェック項目があり、賃金についても「低賃金」「契約賃金以下」「最低賃金以下」と尋ねる項目がある。政府は受け入れ見込みのうち、漁業や造船・船用工業などの業種では70〜80%を、さらに素形材産業、産業機械製造業などでは「ほとんど」が技能実習生からの移行を想定していると発表したが、今年1〜6月の半年間だけで計4279人も失踪者を出している技能実習生の実態調査結果を明らかにしないことには法案審議などできるはずがない。
 
 しかし、安倍首相と山下法相は、この聴取票のデータを出すことを徹底して拒んできた。
 たとえば、7日の参院予算委で共産党・小池晃議員からおもな失踪理由を尋ねられた際も、山下法相は個別の集計結果を明らかにすることなく「より高い賃金を求めて失踪する者が約87%」などと答弁。山下法相はあたかも技能実習生のワガママであるかのように「より高い賃金を求めて失踪する」と言い放った。だが、前述したように、聴取票は失踪理由について答える項目では「低賃金」「契約賃金以下」「最低賃金以下」という選択肢があるものの、「より高い賃金を求めて」という選択肢は設けられていない。つまり、山下法相は恣意的にデータをねじ曲げてありもしない回答を“捏造”したのである。
 さらに、安倍首相と山下法相は揃って、聴取票の調査結果について「個人のプライバシー保護の観点から開示は困難」「開示には応じられない」と拒否したのだ。
 法案を通して来年4月から施行しようとしているものなのに、法務省が技能実習生ならびに事業所への聞き取り調査もおこなっていないというのは、杜撰にもほどがある。これは、捏造データが問題になった裁量労働制の拡大や、たったの12人に聞き取りしただけ(しかも法案作成前の聞き取り人数はゼロ)で強行採決した「残業代ゼロ法案」こと高度プロフェッショナル制度とまったく同じ。与党は本日の審議で聴取票の回答の集計を出すとしているが、審議の大前提となるデータを隠して数の力で法案を押し通してしまおうという安倍政権の欺瞞がまたも全開になっているのだ。
 
 いや、この政権に外国人労働者受け入れの舵を切らせるわけにはいかないと強く印象付けたのは、安倍首相のこの言葉だ。
「(外国人労働者を)機械の一部のように考えているわけではない。外国人材のみなさんは人間として受け入れる」(7日参院予算委)
 よくもまあ当然の話を、まるで“配慮が行き届いた俺”と言わんばかりに言えたものだと呆れるが、この「外国人材は人間として受け入れる」という無神経極まりない言葉が口から出てくるのは、問題となっている技能実習生たちへの「人権無視」の劣悪な労働環境に目を向けようという気がさらさらないからだろう。だいたい、安倍首相と山下法相がデータを開示しないのは、もちろん、それによってこの国が外国人労働者を“虫けら以下”の扱いしかしていない現状を認めざるを得ないからだ。
 そして、この法案を絶対に通してはいけない理由こそ、そこにある。
 外国人技能実習制度に対しては、昨年も国連人権理事会の作業部会が日本に対して技能実習生の労働条件に勧告を出しており、2010年には国連の移住者の人権に関する特別報告者が「奴隷的状態にまで発展している場合さえある」と言及し、制度の廃止と雇用制度への変更を求めたほど。
 事実、この技能実習制度が「奴隷制」「人身売買」と批判されるその実態は、絶句するほかないほどむごい。
 
指切断、パワハラ飛び降り自殺、20代で突然死…外国人労働者の悲惨な実態
 たとえば、8日の野党合同ヒアリングで証言した中国人男性の黄世護さんは、岐阜県の段ボール製造工場で作業中に機械で指3本を切断する重症を負ったが、対して会社は黄さんに帰国を迫り、治療費も自己負担を求めた(東京新聞11月9日付)。
 同様に合同ヒアリングで証言した中国人女性の史健華さんは、「手取りは月20万円」と聞かされてやってきたが、勤務先の静岡県の製紙工場では朝8時から深夜0時まで働かされても、残業代は時給300円で、手取りは当初の話の半分である月10万円。さらに会社ではいじめやパワハラを受け、送り出し機関から約60万円の借金をしていたこともあり、精神的に追い詰められた結果、会社のビルから飛び降り自殺を図ったという(「週刊女性」11月27日号/主婦と生活社)。
 作業中に大事故に巻き込まれたのに“使い物にならないから帰れ”と迫り、労働基準法や最低賃金法を無視した労働を強いて自殺にまで追い込む。黄さんは幸い一命を取り留めたが、しかし、死にいたった技能実習生も多い。
 
 厚労省の集計では、技能実習生の労災死は2014~16年のあいだだけでも計22人にものぼる。たとえば、フィリピン人のジョーイ・トクナンさんは妻と娘を残して2011年に来日し岐阜県の鋳造会社で働いていたが、帰国まであと3カ月となった2014年4月に心疾患で死亡。27歳の若さだった。岐阜労働基準監督署によれば、ジョーイさんは1カ月78時間半~122時間半の時間外労働をしていたとされ、過労死だと認められた(朝日新聞2016年10月16日付)。2014~16年のあいだに過労死が認められたのはジョーイさんのみだ。
 
 しかし、国際研修協力機構(JITCO)が公表している2015年4月〜16年3月までの「死亡事故発生状況」を見ても、〈朝、体調不良を訴え宿舎で休んでいたが、夕方様子を確認しに行った時点で既に硬直しており死亡が確認された。(くも膜下出血)〉や〈早朝、呼びかけに応答がなく呼吸していなかったため病院へ搬送したが、意識不明のまま死亡が確認。(急性心筋梗塞)〉などといった突然死の事例は多い。しかも、こうした突然死の多くが20代の男女だ。
 技能実習生に対する過労死ラインを超える長時間労働が常態化している現実を考えれば、過労死した実習生はかなりの数になる可能性がある。だが、そうした実態把握さえ疎かにしたまま、安倍政権は受け入れを拡大しようとしているのである。
 
「わたし、人間だよ。動物じゃないよ」ある外国人労働者の悲痛な叫び
 安倍政権が無視しているのは、労災死の問題だけではない。外国人労働者問題や差別問題を追いかけてきたジャーナリスト・安田浩一氏の著書『ルポ 差別と貧困の外国人労働者』(光文社新書)には、信じがたいほどの技能実習生に対するパワハラや性暴力の実例がずらりと並んでいる。
 愛知県の自動車部品工場では、中国人とベトナム人の研修生が勤務時間中にトイレを使用すると1分間15円の罰金を科し、トイレの使用時間と回数を毎日記録。経営者は「いったい、それのどこが悪いのか」という表情をしていたという。また、千葉県の廃品スクラップ場では、近所にあるドブ川の茶褐色の水を実習生の寮に引いていた。幸いなことに、実習生たちは公園の水を汲んで使用したため健康被害はなかった。
 
 関東地方の農場で働いていたある女性の実習生は、農業研修生であるにもかかわらず、地元自治体の議員でもある経営者から家事や洗車など“お手伝いさん”のような仕事を強いられた挙げ句、性暴力を受けた。〈コトを成した経営者は、泣きじゃくる女性に一万円を渡し、「ないしょ、ないしょ」と言った〉。その後、女性が〈言いなりにならなければ、強制的に帰国させられる〉と脅えていることをいいことに、経営者は女性実習生の部屋の合鍵をつくり、62回にもわたる性暴力を繰り返した。
 彼女は入国管理局に駆け込んで緊急避難シェルター施設を紹介してもらったというが、一方で加害者である経営者は安田氏の取材に「暴行でも性的虐待でもない」「襲われたのはむしろ私のほうだ」と主張。この直後、経営者は議会の政務調査旅行で女性添乗員にセクハラを働いたことで議員を辞職したのだが、実習生への性暴力問題でも全統一労働組合と弁護士の力により、経営者には謝罪と損害賠償が認められたという。
 
 さらに、福井県の縫製工場では、実習生たちに許可なく携帯電話を所持することを禁じていたが、女性の中国人実習生が友人から借り受けた携帯電話を持っていたことから経営者とその息子である役員からパイプ椅子や拳で殴られるという暴行を受けた。このとき、同僚がとっさにハンディカムで動画を撮影。そこには、泣きじゃくる実習生と恫喝する役員のこんなやりとりが残っていたという。
「わたし、人間だよ。動物じゃないよ。あなた、わたしの身体、傷つけた。いま、警察呼んだ。あなた、逃げちゃだめ」
「オマエ、もう帰っていいけん。ばかやろー。警察呼べよ。こうなったら裁判で勝負じゃ。オレ、大学出てるんよ。法学部やぞ。このガキが」
 
女性外国人労働者を襲う性暴力、警察に行っても逆に「容疑者」扱いされ
 しかし、通報を受けて駆け付けた警察官は、会社側の「ケンカのようなもの」と言う説明に納得。翌日、被害者の実習生が警察署に呼ばれたが、そこで「被疑者扱い」を受けるのだ。
 人間としての尊厳を奪うような扱いをし、その上、警察まで日本人の経営者の味方をする……。この中国人実習生は「外国人研修生権利ネットワーク福井」に連絡し、同ネットの高原一郎氏によって保護されたというが、高原氏は実習生が日本人労働者よりもパワハラを受けやすい立場にあることの理由について、「研修生を奴隷のような感覚で扱っている経営者が多いからだ」と指摘している。
「意識の根底にあるのは、外国人に対する差別心。なかでも相手が中国人になると、日頃は温厚で優しい人柄の経営者であっても、なぜか横柄に振る舞う者が少なくない。さらに研修制度そのものが“安上がりの雇用”だと曲解されていることもあり、対等な労使関係を築くことができない。どうしても支配・従属の関係となってしまう。そこから暴力やセクハラといった問題が生まれてくる」(『ルポ 差別と貧困の外国人労働者』より)
 
 こうした実習生に対する暴力の背景にある経営者側の「差別」の問題は根深い。実際、暴力を受けたという事例は後を絶たないからだ。しかし、安倍政権が外国人労働者の受け入れ拡大に伴ってこの問題を直視しようとする動きはまったく見られない。それも当然だ。安倍政権こそ、日頃から排外主義を煽っている張本人なのだから
 安倍首相は国会で「日本へ来て、働いてよかったなあと思っていただけるような対応をとっていきたい」と述べたが、すでに多くの実習生たちが「日本に来るんじゃなかった」「もう二度と日本には行きたくない」と口にしている。実習生を「人間扱いしない」実態について徹底的に洗い出し、実習生本人たちからの声を国が真摯に聞き取らないかぎり、この法案は審議に値しないことは間違いない。(編集部)

実習生失踪理由 政府説明はウソ 最低賃金以下・過重労働・暴力を隠蔽

 外国人実習生の失踪理由の調査結果について、安倍政権「データ捏造」がまたも明らかになりました。LITERAが取り上げました。
 
 山下法相は「おもな失踪動機との質問に、「より高い賃金を求めて失踪する者が約87%」と答弁しましたが、調査票の失踪の動機には「より高い賃金を求めて」という選択肢自体がなく、実際は「低賃金(契約金以下、最低賃金以下)」となっていました。
 つまり「低賃金」に堪えられずに失踪したという実態を隠すために「より高い賃金を求めて」と勝手に言い換えたもので捏造です。安倍政権の弱者に対する冷酷さがここにも表れています。
 田中龍作ジャーナルには、調査票の写真が載っていますのでご覧ください。
     ⇒(田中龍作ジャーナル11月15日) 【外国人労働者失踪】安倍政権、またもや公文書改竄と首相虚偽答弁
 安倍政権はこの出入国管理法改定案成立させるべく、16日、委員長職権で法務委員会をこうとしましたが、この問題が明らかになったため開催出来ませんでした。
 
 現行の技能実習制度は事実上の「奴隷制度」す。技能実習生の労働実態のデータがないまま審議することは考えられず、もしも法案を強行採決して成立させれば、それは日本が「人権侵害国家」であることを世界に示すことになります。
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やっぱり外国人実習生調査結果は嘘だった! 「最低賃金以下」「過重労働」「暴力」を隠蔽…それでも安倍政権は来週強行採決
LITERA 2018年11月16日
 安倍政権による「データ捏造」がまたも発覚した。今国会で安倍政権が成立させようとしている出入国管理法改定案だが、与党は委員長職権で開催を強行した衆院法務委員会で実質審議入りを目論んでいたが、その直前に、技能実習生から聞き取りをおこなった聴取票の集計に「ミス」があったと法務省が発表したのだ。
 
 本日配信の記事でも説明したが、これまで安倍首相と山下貴司法相は揃って、聴取票の調査結果について「個人のプライバシー保護の観点から開示は困難」「開示には応じられない」と拒絶。しかし、政府は法案を成立させることで来年4月から外国人労働者の受け入れを拡大した場合、業種によってはそのほとんどを技能実習生からの移行を想定しており、最低でもこの聴取票の中身を公表されないかぎりは法案審議などできない。そのため、野党が開示を要求しつづけ、きょう「聴取票の回答の集計」を出すことを約束していたのだ。
 
 だが、なんときょうになって法務省がこの聴取票に「計上ミスがあった」と言い出した。
 まず、大前提の数字から間違っていた。調査をおこなった人数は「2892人」だとされていたが、正しくは「2870人」だったと訂正。
 さらに、問題となっていた「失踪動機」についても訂正した。山下法相は「おもな失踪動機」を質問された際、「より高い賃金を求めて失踪する者が約87%」と答弁。法務省も国会提出資料のなかで、「失踪動機」を「より高い賃金を求めて:2514人(86.9%)」とし、「失踪の原因」をこのようにまとめていた。
 〈技能実習を出稼ぎ労働の機会と捉え、より高い賃金を求めて失踪する者が多数〉
 〈技能実習生に対する人権侵害行為等、受入れ側の不適切な取扱いによるものも少数存在〉
 
 だが、実際の聴取票は、失踪動機について尋ねる質問事項では、賃金については「低賃金」「低賃金(契約賃金以下)」「低賃金(最低賃金以下)」という3つの選択肢(複数回答可)しかなく、「より高い賃金を求めて」なる選択肢は存在しない。ようするに、勝手に3つの選択肢を「より高い賃金を求めて」という実態とはまったく違う言葉を「捏造」して発表していたのである。
 しかも、だ。きょう政府が発表するとした聴取票の回答の集計では、正しくは「低賃金」が67.2%(1929人)で、賃金についての3つの選択肢のいずれかにチェックした人の合計数だと訂正。そのうち「低賃金(契約賃金以下)」が5.0%(144人)、「低賃金(最低賃金以下)」が0.8%(22人)だった。
 つまり、技能実習生の失踪動機は、「より高い賃金を求めて」ではなく、「低賃金」だったからが約70%だったのだ。
 
 法務省は、〈本来、いずれも『低賃金』を理由とするものの、そもそも聴取票のこのような項目設定が必ずしも適切でなかった〉〈担当者の理解不足により、先にお出しした原提出資料の集計時においては、各項目の集計結果を単純に合算してしまって人数を計上してしまっていた〉ことが計上ミスの理由だとしている。
 さらに驚くべきことに、法務省はこの計上ミスが、今年5月に入国管理局内供覧用の報告書を作成した時点ですでに発生していたと説明。それを、法案を法務委員会で審議入りさせようとする直前にミスだったと訂正してきたのだ。
 
 一体、こんな体たらくで法案の審議をしろというほうがどうかしている。だいたい、法務省も聴取票の設問自体が適切ではないと認めたということは、失踪した技能実習生の労働の実態はこれでは掴みきれない、と認めたようなもの。法案を審議する前に、失踪者にかぎらず技能実習生全体に対象を広げて、しっかり調査しなければ話にならない。審議などもってのほかだ。
 しかし、問題は、法務省の「ミス」以前に、聴取票の回答の集計結果が、技能実習生たちが失踪した原因が法務省の説明とはまったく違ったことだ。
 
本当の失踪動機は過重労働、暴力、月給10万円以下の低賃金
 たとえば、「失踪動機」では、「低賃金」のほかにも「労働時間が長い」と回答した人は203人。「暴力を受けた」という人も142人という多さだった。そのほかにも帰国を強制された」71人、「指導が厳しい」362人などとなっている。これでどうして〈受入れ側の不適切な取扱いによるものも少数存在〉と言えるのか。
 
 1カ月当たりの月額給与も、「10万以下」と回答したのが1627人。「10万超〜15万円以下」が1037人と、ほとんどの人が低賃金だった。その上、給与から光熱費などとして控除される金額についても、「不明」と答えた人が1099人、次に「3万円以下」が999人と多いのだが、「5万超〜7万円以下」が111人、「7万円超〜10万円以下」が36人、「10万円超」が6人もいた。また、入国前に月額給与の説明を受けていない人は692人、控除される金額についても説明がなかった人は1765人にも及んでいる。
 1週間あたりの労働時間も、法定労働時間である週40時間を超える「40時間超〜45時間以下」が190人、「45時間超〜50時間以下」が866人、「50時間超〜55時間以下」が116人、「55時間超〜60時間以下」が191人、「60時間超〜」は155人もいた。こうした労働時間について、「入国前の説明」がなかった人も1032人にものぼる。
 
 しかも、「実習内容」が入国前の説明と「異なる」と回答した人は235。今年、技能実習生のベトナム人男性が除染作業に従事させられていた事例が発覚したが、このように説明とは違う仕事を強要される人も後を絶たないのだ。
 さらに、送り出し機関に払った金額も「100万円以上150万円未満」と答えた人が断トツの多さで1100人。資金調達の方法(複数回答可)は「借入」(親族に借入が1524人、銀行が914人、送り出し機関が43人など)がもっとも多かった。
 つまり、こういうことだ。この聴取票の集計で読み取れるのは、「低賃金」で長時間働かされたものの、ほとんどの人が10万円以下、15万円以下という低賃金しかもらえず、その上、そこから光熱費などとして差し引かれていた。なかには聞かされていた内容とは違う仕事を強制された人も少なくなく、暴力を受けた人もいる。さらに大前提として送り出し機関などに莫大な借金を抱えざるを得ない構造もある。
 
労働実態データもないまま、来週にも衆院で強行採決を狙う安倍政権
 これでは家族への仕送りが難しいのはもちろん、自分の生活もままならないだろうことは明白で、しかも、労働条件の改善を訴えても「だったら帰国しろ」と解雇を迫られることは十分に考えられる。家族や友人もおらず、言語によるコミュニケーションも難しい異国の社会で絶望的な状況に追いやられた結果、「失踪」という手段をとった。この聴取票の集計だけを見ても、そうした過酷な背景が浮かび上がってくる。
 
 だが、それを法務省は〈技能実習を出稼ぎ労働の機会と捉え、より高い賃金を求めて失踪する者が多数〉と回答を捻じ曲げ、〈技能実習生に対する人権侵害行為等、受入れ側の不適切な取扱いによるものも少数存在〉などと過小評価山下法相は「より高い賃金を求めて失踪した者が約86%」と、技能実習生が置かれた悲惨な立場をないもののように答弁していたのである。これは恣意的なデータのねじ曲げで、とても看過できるものではなく、「人権無視」という点でも山下法相には大臣の失格はない。
 
 しかし、恐るべきことに、安倍首相はこの法案を来週に衆院で強行採決し、12月の上旬には参院で可決・成立させる気でいるらしい。しかも、安倍首相は今月末から12月上旬まで外遊に逃げ込む予定だ。ようするに、リベラル層だけではなく、自分の支持層である保守や極右も排外的な理由でこの法案に反対しているため、自分が法案を通したという印象を極力薄めるために審議から逃亡しようというのである。
 
 繰り返すが、現行の技能実習制度は事実上の「奴隷制度」であり、外国人受け入れ拡大が技能実習制度を土台とする以上、技能実習生の労働実態のデータがないまま審議することは考えられない。ましてや、法案を強行採決して成立させれば、それは「人権侵害国家」であると国をあげて堂々と認めることになる。野党には徹底抗戦を望みたい。(編集部)

外資の餌食(最終回)食の安全より「米国優先」 官邸に抗わない官僚 

 種子法の重要性をよく認識している農水省が、その権利をグローバル企業に獲得させるために、種子法を廃止したり同じ趣旨から種苗法を改定する筈はなく、全ては安倍官邸の主導によるものです。
 官邸に異論を唱える役人は官邸が人事で徹底的に干すので、官僚たちもそこまでの覚悟がないと官邸に逆らえません。
 グローバル企業の要求を最優先する安倍首相によって日本の農業は外資の餌食にされようとしています。安倍首相を止めさせない限り日本の破壊はどこまでも進んで行きます。
 
 このシリーズは今回で終わりです、
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外資の餌食 日本の台所が危ない  
食の安全より「米国優先」 官邸の意向に抗わない官僚たち
日刊ゲンダイ 2018年11月16日
農水省は、種子法の重要性を相当分かっていたはずだ。審議会で有識者も議論した。どうしてこういうこと(種子法廃止)が起こったのかわからない」――。今月6日、「日本の種子を守る会」の請願に応じた自民党の竹下亘前総務会長は、種子法廃止に農水省がブレーキをかけられなかったことに首をひねった。自分は無知ゆえ廃止に賛成したが、竹下は今、種子法の重要性を痛感している。
 
 種子法廃止は官邸主導で進められた。首相の諮問機関である「規制改革推進会議」の提言を受け、2017年2月10日に閣議決定された。農業の根幹たる「種」の安全性が脅かされる恐れがあるのに農水官僚は抗えなかったのか。元農水官僚で東大大学院の鈴木宣弘教授(農政)が言う。
「種子法の重要性を理解していない農水官僚はいませんよ。ただ、安倍政権になって、農水省は官邸に異論を唱える役人を徹底的に人事で干してきた。それを目の当たりにしている農水官僚は手が出せないのです。キツい仕事をさせられて気の毒です」
 
 審議会も形骸化している。
かつて審議会は、異論のある消費者側の代表をメンバーに入れるなど反対論にも配慮されていました。安倍政権になってから結論に従順なメンツだけで構成されるようになりました」(アジア太平洋資料センターの内田聖子氏)
 各省庁は官邸の意向に沿うように仕事し、お友だち優遇に米国優先。世界の流れに逆行しても、官邸が決めたことは何でもまかり通る――。
「種子法廃止は、森友、加計問題と根っこは同じなんです」(元農水大臣で弁護士の山田正彦氏)
 安倍政権になって、「食の安全」が軽んじられる例は枚挙にいとまがない。それなのに、無知な国会議員、抗わない官僚、伝えないメディアがそれを許し、情報は表に出ない。
 
 日本で稲作は紀元前3世紀の弥生時代に始まった。ほとんどの国民が知らないまま、“日本の台所”は有史以来の最大のピンチに立たされている   = おわり
(取材=本紙・生田修平、高月太樹)