2026年7月23日木曜日

高齢者の医療窓口負担増 「軍事経済化」へかじ切る 骨太・成長戦略を決定

 しんぶん赤旗に掲題の記事が載りました。
 高市政権は21日、「経済財政運営と改革の基本方針」(骨太の方針)と「日本成長戦略」を閣議決定しました。
 高市政権として初めての骨太の方針で、「成長戦略」では、戦17分野に軍事を位置づけ「軍事経済化」へかじをきる姿勢を示しました。異次元の大企業・軍事産業支援と平行して大軍拡を推進するという、無責任で不公平な放漫財政を進める姿勢が鮮明です。
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高齢者の医療窓口負担増 「軍事経済化」へかじ切る 高市政権 骨太・成長戦略を決定
                      しんぶん赤旗 2026年7月22日
 高市早苗政権は21日、「経済財政運営と改革の基本方針」(骨太の方針)と「日本成長戦略」を閣議決定しました。高市政権として初めての骨太の方針です。骨太の方針は、総選挙で自民党が公約に掲げた食料品の消費税減税と「給付付き税額控除」について「8月上旬までを目途に、その方針を決定する」としました。政府・与党と一部政党で構成する社会保障国民会議で議論を重ねてきたものの、意見の隔たりが大きく、合意が得られなかったためです。「成長戦略」では、戦略17分野に軍事を位置づけ、「軍事経済化」へかじをきる姿勢を示しました。

 6月30日に公表された骨太の方針の原案は、「強い経済」の実現に向けて日銀による「適切な金融政策運営が行われることも非常に重要だ」と明記。さらに昨年度までの骨太の方針にはあった「財政健全化」の文言もなくなりました。市場からはインフレ抑制に向けた日銀の利上げをけん制するものであり、放漫財政をさらに加速するものと受け止められ、国債売却の動きが広がり、金利が急騰しました。こうした事態を受け、骨太の方針は「適切な金融政策運営」を求めるという記述に、「『安定的な物価上昇』の実現に資する」との文言を追加。さらに日銀の自主性の尊重をうたう日銀法第3条を注釈に書き込んで、火消しを図っています
 異次元の大企業・軍事産業支援と平行して、大軍拡を推進する、無責任で不公平な放漫財政を進める姿勢を鮮明にしました。

 産業政策をめぐっては、2040年度までに人工知能(AI)・半導体・軍事など戦略17分野へ370兆円超の官民投資を行うという「成長戦略」の推進を最大の柱としました。
 また、戦略17分野への投資を「金融面で支えるため」に「資産運用立国」の取り組みを「発展」させると強調。軍国主義と株主至上主義を融合させる思惑を示しました。
 軍拡をめぐっては中国の軍事力強化やロシアによるウクライナ侵略などをあげて安全保障環境への危機感を表明し、「主体的に防衛力を強化する」としています。そのうえで、▽国有施設民間操業(GOCO)方式での重要装備品の生産 ▽政府主導の武器輸出  ▽国立研究開発法人や大学への軍事研究基盤整備―などを一体的に推進するため、「国の関与を担保した法人の設置」を検討するとし、国が音頭をとって「軍事経済化」へ、かじをきる姿勢を鮮明にしました。
 社会保障については、現役世代の保険料負担の抑制を口実に、「給付と負担の改革努力を継続」すると主張。高齢者の医療の窓口負担の見直しについては「原則3割となっている現役世代との間で年齢によらない真に公平な応能負担を実現する」との表現で、負担増を明記。26年末までに改革工程表を策定するとしました。介護の2割負担の対象拡大については26年度中に結論を出すとしました。
 また、「産業構造の変化に対応した人材基盤を強化」するために高校、大学・大学院を一体的に改革するとし、高校の文系、大学の人文社会系の定員削減の方向性を示しました。

 最低賃金の全国平均1500円への引き上げについては、従来の20年代から30年代前半へ、達成期限を先送りしました。原発については「再稼働加速や次世代革新炉の開発・設置」を掲げました。
 「成長戦略」は労働時間規制をめぐり、「定額働かせ放題」と批判されている裁量労働制の対象拡大や、企業が残業代を節約するため閑散期の労働時間を繁忙期に移し替える変形労働時間制の要件緩和などについて、夏以降の労働政策審議会で議論を進めるとしました。

「愛子天皇」阻止が直撃 高市内閣「支持率」暴落/この支持率でも「嘘つき」高市首相には与えすぎだ

 日刊ゲンダイの掲題の2つの記事を紹介します。
 毎日新聞の調査によると、高市内閣の支持率は41%に低落し、不支持率の44%より下回りました。この政権発足後初めての大暴落という事態は、国民の「総意」を無視し皇室典範の改定を行ったことが契機になっていると言われます。
 高市首相は真っ青になっているでしょうが、国民の思いに無関心のままここまで来たことの反映なので、いまさらどうにもなりません。
 支持率低下の理由は皇室典範問題に留まるものではありません。
 国民生活の困窮は、円安・インフレに起因する諸物価高騰が主たる理由ですが、高市氏はそれには何の関心もないので、結果的に円安を促進する政策しかしていないし、そのことの自覚も皆無です。だからこそここまでひたすら右翼強権政治に奔って来たわけです。
 自覚がないのであれば今後それが改まる可能性もありません。一刻も早く退場すべきです。
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「愛子天皇」阻止が直撃…高市内閣「支持率」暴落、「不支持」と逆転で首相も応援団も大焦り
                          日刊ゲンダイ 2026/07/21
 今ごろ、高市首相は真っ青になっているに違いない。内閣支持率が暴落しているからだ。
 毎日新聞(18、19日実施)の調査によると、ついに「支持」と「不支持」が逆転したという。支持は前回調査(6月20、21日)から10ポイントもダウンして41%だった。一方、不支持は9ポイント増の44%となり、政権発足後、初めて「支持しない」が「支持する」を上回った
 朝日新聞の調査(18、19日)でも支持率が急落。6月調査から7ポイント下落し、53%に落ち込んでいる。支持率が60%を割り込むのは初めてだ。不支持は8ポイント増の35%だった。
 支持率が急落した大きな要因は、国民の「総意」を無視して、皇室典範を改正したことだ。
 毎日新聞の調査では、改正皇室典範を「評価する」は19%にとどまり、「評価しない」(45%)が大きく上回った。朝日新聞の調査でも、改正皇室典範が「国民の理解を得られている」は24%しかなく、「理解を得られていない」は60%に達している。
 とくに「男系男子による皇位継承」に執着し、巧妙に「愛子天皇」潰しを図ったことに対する批判が強いようだ。
 女性天皇が認められなかったことについて「認めるべきだと思う」72%(毎日新聞)女性は天皇になれないことに「納得できない」が62%(朝日新聞)に上っている。
 もともと「女性天皇」も「女系天皇」も認める国民が多かった。
「女性天皇は過去にもいたのに、なぜ女性天皇はダメなのか、多くの国民は納得がいかないのでしょう。わざわざ、36親等も離れている旧宮家から男子を養子にすることにも違和感を感じているのだと思う。しかも、結婚した後も皇室に残る女性皇族は、住民基本台帳法に記載されるとしている。二流皇族扱いです。高市首相は保守政治家を自称しているのに、皇室に対して失礼なのではないか、と考える国民も多いのでしょう」(霞が関関係者)

「消費税減税」実施で自滅か
 これまで高市内閣は、どんなにヒドイ政治をしても高い支持率をキープしてきたが、高市応援団は「皇室典範の改正で潮目が変わった」「もう離れた支持は戻らないのではないか」と焦りはじめているという。
 高市応援団が危機感を強めているのは、それでなくても「無党派層」の支持が離れはじめているからだ。
 皇室典範の改正前、時事通信が実施した調査(10~13日)でも、内閣支持率は49%と過去最低を更新し、初めて5割を下回った。とくに「無党派層」の支持率は39.6%と低かった。高市支持の土台のひとつだった「無党派層」という柱が崩壊しつつあるのだ。
 支持率回復のために、高市政権が打って出るとみられているのが「消費税減税」だ。
「高市首相が支持率を回復させる起死回生策は、ほとんど残っていません。唯一、残されているのが消費税減税です。消費税減税は、自民党支持者だけでなく、インフレに苦しむ無党派層も歓迎してくれる、と首相周辺は計算しているようです。しかし問題は、財源です。食料品の消費税を8%からゼロにすると、5兆円もの財源が必要になるのに、まったく手当てができていない。財源を確保できないまま消費税減税の実施を決めると、マーケットが反乱を起こし、円安、株安、債券安のトリプル安になりかねない。そうなったら、政権はもたないでしょう」(自民党事情通)

 いよいよ、高市政権は終わりに向かうのか。


問題は皇室典範だけではない この支持率でも「嘘つき」高市首相には与えすぎだ
                          日刊ゲンダイ 2026/07/21
                       (記事集約サイト「阿修羅」より転載)
 ようやく、高市内閣の支持率が下がってきたが、問われるべきは暴力的で嘘に満ちた政治姿勢だ。
 騙し討ちの皇室典範、憲法違反の国旗損壊、国会回避の嘘答弁、中傷動画での居直り今後も、この調子で驕りの政治を続けるのか。
  ◇  ◇  ◇
 ついにというか、奇怪な高支持率を誇っていた高市内閣の支持率が下がってきた。
 朝日新聞が18、19日に行った調査では支持率は前月比7ポイント下落の53%。不支持率は8ポイント増の35%。
 もっと下がったのが毎日で、支持率は前回比10ポイント減の41%。不支持率は9ポイント増の44%で、ついに支持と不支持が逆転した。

 ANNも似たような傾向で「支持する」は10.9ポイント減の49.2%。「支持しない」は11.8ポイント増の34.8%──。
 どこもかしこも一気に高市離れが進んだのだが、各紙が理由として注目していたのが皇室典範の改正だ。朝日の調査ではこの改正で国民の「理解を得られた」が24%、「得られていない」が60%、女性が天皇になれないことには「納得できる」が29%、「できない」が62%。毎日は女性天皇容認が72%、反対が11%。見事に「国民の総意」とはかけ離れたゴリ押し改正だったことが浮き彫りになったのである。
 そのほか、高市首相の中傷動画疑惑への対応、説明についても世論の評価はバッサリだった。毎日では「説明責任を果たしている」が10%、「果たしていない」が48%。朝日では会期延長になった副首都構想法案について「(今国会での)成立が必要」が26%、「必要なし」が60%で、「それみたことか」という結果が出た。
 物価高で苦しむ庶民を尻目に高市が血道を上げる不要不急の拙速法案はこうして、すべて、国民からは「ノー」を突きつけられたことになる。

自民党ものけぞった高市答弁の噓
 さあ、この数字を高市はどう受け止めるのか。
 もちろん、面の皮の厚い高市のことだ。この程度の下落では反省するわけもない。全能感に浸る首相が国民反対の法案を引っ込めるはずもない。
 下がったといったって、まだ支持率は4、5割もあるのだ。1桁くらいに下げて、退陣を迫らなくてはダメだ。
 それを痛感させられたのが今月17日の参院予算委員会ではなかったか。野党が開催を求め続けたのに高市自民は応じず、10日間以上も国会は空転した。ようやく、予算委集中審議が開かれたのは、なんと、国会会期末の最終日だ。ここで質問に立った立憲の蓮舫参院議員はこう尋ねた。
「国会が混乱した要因は首相にあるという認識はおありですか?」
 これに対して、高市はこう答弁して、真っ向否定したのである。
「私は国会に呼ばれたら来て、誠実に答弁する。これに尽きます」
 これに一番のけぞったのは自民党議員だろう。安倍晋三元首相は息を吐くように嘘をついた。高市の嘘はある意味、安倍以上だ。顔色一つ変えずに、イケシャーシャーと、全国中継のテレビの前で平然と嘘をつく。そんな質問はウンザリだ、という顔をして。
 朝日新聞には面白いコメントが載っていた。この答弁を耳にした自民党の参院幹部はこう言ったという。
「よう言うわ。そんなわけ、ないじゃないの」
 終盤国会で漏れてきたのは、身内からの高市という人間への不信と驚きだったのである。高市自身が国会に出たがらずにゴネていることは国対を中心に与野党の幹部ならみ~んな知っている。だからこそ、蓮舫は高市答弁にこう突き返したのである
「(その言い方は)参院自民党に失礼だと思いますよ」

平然と噓をつき同僚議員のせいにする卑劣
 改めて蓮舫に聞いてみた
基本的には、国会の委員会は3分の1の議員の要請があれば開かなければいけないのです。野党からそうした要請があれば、自民党は官邸に伝えにいく。であれば、高市首相は国会に出てくるべきなのに、予算委員会は17日の金曜日まで開かれなかった。自民党が官邸に伝えていないのか、官邸が要請を拒否したか。どっちが嘘をついているのか、という話になりますが、基本的に自民党が官邸に伝えないということはあり得ないんです。紳士協定もあるし参院自民党は法案を通す責務を負っている。野党の信頼を裏切るようなことはしませんから
 高市は自己を正当化するためにまるで「参院から要請がなかった」かのような言い方をした。自分の嘘のために、同僚議員に責任転嫁する。一国の首相なのにあり得ないような卑しさだ。
 参院で予算委員会が開かれなかった経緯を検証した時事通信の記事によると、そもそもの発端は高市の「陳述書」発言だ。中傷動画疑惑への答弁が嫌な高市は秘書の「陳述書」提出で済まそうとした。これに野党が反発、「審議拒否」が始まった。参院の松山政司議員会長らが官邸に出向き、説得しても高市自身、「なぜ、集中審議に応じなければいけないのか」と頑なだった。それが一転、予算委に出てきたのは会期末を迎えて、法案がどれもこれも綱渡りになったからだ。つまり、自業自得なのに、非を認めない。攻められれば嘘をつく。子どものような言動に与野党ともに「手を焼いている」のが本当なのだ。ジャーナリストの山田惠資氏が言う。
「高市首相は首相就任直後から周囲には嫌いなものとして『集中審議』と『党首討論』を挙げていたそうです。理由は2つあって、野党から突っ込まれるのが嫌なのと、高市さんはある意味、完璧主義者なので周到に準備をする。しょっちゅうじゃ、たまらないという面もあるのでしょう。でも、そもそも国会運営のイロハや説明責任の大切さを知っていれば、そんな発想は出てこない野党対策を知らないし、権力者は抑制的にあるべきだという自覚がない。それどころか、衆院であれだけ勝っているんだから、野党なんてどうでもいい、という発想なのではないでしょうか」

 蓮舫への嘘は一事が万事だ。嘘つきは何度でも平然と嘘をつく。中傷動画疑惑をゴマカシ、国会を愚弄し、物価高対策でも国民をけむに巻き、インフレ増税に邁進する。そうやって、どんどん、国の形を変えていこうとしているのが高市だ。その危険性たるや、内閣支持率がちょっと下落してきたとはいえ、こんなもんで済ませちゃダメなのだ。

国旗損壊罪も蟻の一穴になる懸念
 それにしても、なぜ、世間には高市のこうした正体が伝わらないのか。ジャーナリストで武蔵大教授だった永田浩三氏はこう言った。
NHKを筆頭に報道の在り方が問題だと思います。総務相経験者で放送法4条の電波取り消しに言及した過去があるものだから、何をやるのかわからないという怖さがあるのでしょうか。NHKなどはニュースで高市政権を真正面から批判せず、猛暑や地方の事件ばかり長々とやっているのですから酷いものです。高市政権の最大の問題は国民の課題に向き合わず、やさぐれ維新と一緒になって、むしろ人権を狭めること、強権的な国家体制維持にしか興味がないように見えることです。再審見直しの刑事訴訟法改正も通ってしまいましたが、稲田朋美さんらの叫びにてんで耳を貸さない高市首相には政治家としての良心があるのかと思った。その冷酷さにゾッとしました」
 国旗損壊罪については、支持する世論も多かったが、危ないのはこれからだ。
「表現の自由への影響を懸念する声も一部にありますが、朝日の世論調査では65%が国旗損壊罪に理解を示していて、問題点を十分に周知できてないと感じています。不快、嫌悪感を催すという曖昧で主観的な理由で刑事罰を科す法律が通ったことは蟻の一穴になりかねません。誰もが反対しにくい国旗から始めて次は皇室、次は自衛隊と表現の自由がどんどん束縛されていく怖さがあります。まして、この政権は強権的で強引な手法を厭わないので注意が必要です」(神戸大大学院教授・木下昌彦氏)

 今、支持率が下がってきたが、今後、バラマキや消費税減税で再び、支持率が戻ってくる可能性もある。そうなれば、またぞろ、野党を消滅に追い込む議員定数削減や騙し討ち改憲などに乗り出しかねない。高市政権の危険性に警戒しすぎるということはない。

米国の対イラン戦争と対ロシア戦争は失敗、戦況はますます米国が不利に

 櫻井ジャーナルの掲題の記事を紹介します。
 米国は既に連続10日以上の対イランミサイル攻撃を続けているということです。
 しかし米軍はイランを壊滅させることができない一方で、イラン軍はイスラエルやペルシャ湾岸周辺のアメリカ軍基地を破壊しています。
 アメリカ及びイスラエル軍が保有するミサイルは当然枯渇に向かっている筈であるのに対して、イランには余裕があり時間はイランに味方しています。
 米国が如何に好戦的な国家であるにしても、何故このような理解しがたい行動に奔るのか、実に不思議です。
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米国の対イラン戦争と対ロシア戦争は失敗、戦況はますます米国が不利に
                     櫻井ジャーナル 2026.07.21
 アメリカ軍はイランを壊滅させることができず、イラン国内を反アメリカで団結させたその一方でイラン軍はイスラエルやペルシャ湾岸周辺のアメリカ軍基地を破壊している。アメリカ/イスラエル軍が保有するミサイルは枯渇し、イランには余裕があり、時間はイランの味方だイランのカゼム・ガリブアバディ外務次官はアメリカが単に覚書に違反しただけではなく海上封鎖を宣言したことをもって覚書は完全に破棄されたと宣言している。

 イスラム革命防衛隊(IRGC)が7月13日に発表した声明によると、2隻の超大型タンカーが航法システムを停止させた上、ホルムズ海峡安全管理センターから発せられた度重なる警告を無視して航行、そこで攻撃して航行不能にしたという。IRGCは7月12日、海峡を「追って通知があるまで」封鎖すると宣言、いかなる船舶の通過も許可しないと警告していた。
 その後、IRGCはバーレーン、クウェート、ヨルダンにあるアメリカ軍の標的に対する攻撃を継続、バーレーン、ヨルダン、カタールの被害状況を示す高解像度衛星画像を公開、アメリカ側の公式発表とは違い、大きなダメージを受けている。
 バーレーンにあるアメリカ海軍の第5艦隊司令部ではパトリオット・ミサイル用レーダー、艦隊の航空管制レーダー、C-RAM用早期警戒レーダー、衛星通信センターや兵器支援倉庫、そしてAI搭載型指揮統制センターが破壊されたようだ。
 ヨルダンのムワファク・サルティ空軍基地の画像には損傷または破壊された航空機格納庫と複数のアメリカ製ブラックホークヘリコプターが駐機していた区域が写っている。アメリカ中央軍(CENTCOM)はヨルダンでの攻撃でアメリカ兵2人が死亡、数人が負傷、1人が行方不明になっていることを確認した。IRGCの地上部隊による攻撃を受けたとも言われている。
 クウェートにあるアメリカ軍の主要な支援拠点である「クウェート・アンド・ガルフ・リンク・ホールディング・カンパニー(KGL)」の倉庫が破壊された
 そのほか、カタールのアル・ウデイド空軍基地にあるCENTCOMの中央兵站拠点を攻撃したともイラン側は主張している
 パトリオット防空システムのミサイルが枯渇、イランの攻撃を防げないとされているが、パトリオットの迎撃確率はせいぜい数%にすぎず、ミサイルがあっても意味はない。
 イラン軍のミサイルがアメリカ軍やイスラエル軍の防空システムを簡単に突破できている理由のひとつは、衛星測位システムをGPSから中国の北斗(BDS)へ切り替え、ジャミング(妨害電波)やスプーフィング(なりすまし信号による欺瞞)の妨害を受けなくなったからだという
 戦争の継続が自分たち立場を悪くすることが明白であるにもかかわらず、アメリカ政府は戦争を継続させようとしている。これは対ロシアでも対イランでも同じだ。ビル・クリントンであろうと、ジョージ・W・ブッシュであろうと、バラク・オバマであろうと、ジョー・バイデンであろうと、そしてドナルド・トランプであろうと、政権を動かしている勢力はロシア、中国、イランを屈服させ、ユーラシア大陸を征服するつもりだった。この計画は簡単に実現すると考えていたようだ。そこでルビコンを渡ったのだが、彼らの思惑通りにはならなかった。賭けに負けたのだが、それでも一発逆転のギャンブルを仕掛けようとしている。

守護者神話:アメリカのホルムズ海峡通行料徴収計画が既に頓挫している理由

 マスコミに載らない海外記事の掲題の記事を紹介します。
 トランプは米国が「ホルムズ海峡の守護者」になり、海峡を通過する貨物に20%の通行料を課すと発表しまし。そもそもどんな名目でどんな根拠に基づいて20%の通行料を取るというのか説明が出来ない筈です。
 その際の保険はどうなるかですが保険会社もそんな保険は引き受けません。
 仮に米国がそのシステムを作動させることが出来たとしても、そのために空母、護衛艦、航空機を無期限に配備するのにかかる費用は莫大で、イランが管理する場合の費用とは比較になりません、
 全てが上手くいかないというのがトランプの「対イラン攻撃」の戦争です。
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守護者神話:アメリカのホルムズ海峡通行料徴収計画が既に頓挫している理由
                マスコミに載らない海外記事 2026年7月21日
                サルマン・ラフィ・シェイフ 2026年7月18日
                        New Eastern Outlook
 世界で最も重要かつ危険な水路の通行料徴収者をワシントンは自称しているが、タンカーの一隻も無事に水路を横断できると保証できない。

法的根拠のない通行料
 月曜日、アメリカが「ホルムズ海峡の守護者」になり、海峡を通過する貨物に20%の通行料を課すとトランプ大統領が発表したが、これは、どの国にもそのような権利はないとアメリカ政権自身が主張して一か月も経たないうちに行われた。国際水路での通行料徴収は既存国際法に違反するとマルコ・ルビオ国務長官が6月に述べて、イランの通行料徴収制度を真っ向から批判した。すぐさま、この矛盾を国際海事機関が指摘し、国際航行に利用される海峡の通行料徴収に反対し、通行料の強制徴収には法的根拠がないと断言した。ワシントンは、自らが犯している罪で、テヘランを訴追することはできない。
 この計画は、算術的な根拠でも破綻している。ホワイトハウスを含め、誰もこの「20%」という数値がどう算出されるのか説明していない。例えば、誰かが算定基準を明確にしない限り、当該サービスを購入する価値があるかどうかさえ荷主は判断できない。海軍の封鎖費用の20%を艦艇ごとに按分したものなのか、それとも貨物価値に対する単純な課徴金なのか? 算定基準すら定義できない通行料制度は政策ではない。それは政策を装った「トゥルース・ソーシャル」投稿に過ぎない。
 イランの抵抗は頑固さではなく、主権国家としてイランの未来を守るための戦略だ。

 料金が明確に定められていたとしても問題は解決するまい。ホルムズ海峡の航行を最終的に管理するのは海軍司令官ではなく保険引受業者だからだ。船主がワシントンに保護料を支払う意思があるかどうかに関わらず、リスクが高すぎると判断すれば、海峡を通過する船舶の保険を引き受けるのを保険会社は拒否できると海事法専門家は指摘している。「守護者」という称号に何らかの意味があるかどうかは、最終的には、CENTCOMではなく、ロイズ・オブ・ロンドンが決定することになるかもしれない。
 この海域におけるアメリカ護衛作戦には前例がある。1980年代の「タンカー戦争」の際、アメリカ海軍は船籍を変更したクウェート・タンカーを湾岸海域で護衛した。だが、その任務には強制的貨物税は伴わず、イラン、イスラエルと、6カ国もの湾岸諸国にまたがる今日の多方面にわたる対立に比べれば遙かに狭い軍事規模で行われた。その歴史を引用して20%通行料を正当化することには類推の有用性を超えた無理がある。

実証的検証で、アメリカは既に失敗している
 法的問題はさておき、運用上の問題を直接問えば、実際ホルムズ海峡をアメリカは開放状態に維持できるのか? 2月以降の実績を見る限り、答えは「否」だ。開戦当初数週間にわたるアメリカ砲撃は、ホルムズ海峡を通常航行に完全開放するには至らなかった。代わりに海軍はオマーン沿岸に沿って代替航路を設置し、砲火の中、船舶を護衛して通過させた。トランプ大統領が「南部ハイウェイ」と呼ぶようになったこの代替航路は、現在静まり返っている。海運データ会社ロイズ・リスト・インテリジェンス報告によると7月7日以降、位置情報を発信しながらアメリカが警備する航路を通過した大型船舶はなく、数隻のタンカーが「非公開」で通過したとみられるだけだ。アメリカが警備する航路が、わずかな航行すら維持できないなら、20%の追加料金を課したところで、何の根拠もなしに信頼が生まれるはずもない。
 市場は既に判決を下している。発表と新たな攻撃が重なったことで、ブレント原油価格は前日の約10%の急騰に続き、更に2%以上上昇した。市場が、秩序回復を織り込んでいるのではなく、更なる戦争を織り込んでいるためだ。ホワイトハウスの意図がどうであれ、この判断は正しい。価格決定メカニズムも、引受人の同意も、価格設定を主張する航路の実際の支配権もない計画は主権とは言えない。支配していない海にアメリカが立てた旗に過ぎない。

テヘランはなぜ屈しないのか
 イランの抵抗は頑固さではなく、主権国家としてイランの未来を守るための戦略だ。テヘランの交渉担当者は、海峡は戦争によって残された数少ない本物の資産の一つだと表現しており、トランプ大統領の通行料徴収発表から数時間内に、イラン外相は公然と反論し、安全航行を保証する対価を受け取るべきはアメリカではなく、イランだと主張した。これは、自国の玄関口にアメリカ通行料徴収所の設置を容認する政府の姿勢ではなく、同じ海域を巡り、リアルタイムで主張する主権を巡って競合する主張だ
 最も重要な非対称性をイランは一つ持っている。海上封鎖は安価ですむ一方、無期限警備活動はそうではない。機雷、ミサイル艇、ドローンは、今週のUAE船籍タンカー 二隻への攻撃が示した通り、オマーン領海内にも配備されているが、テヘランが負担する費用は、ワシントンが空母、護衛艦、航空機を無期限に配備するのにかかる費用のほんの一部に過ぎない4月から6月にかけてアメリカが再度課した封鎖は、政治的利害が主権そのものにあるとイラン指導部が判断すれば、イランは莫大な経済的苦痛に耐え、降伏より対決を選べることを示している。

 戦争が始まって以来、イランの政治的計算は益々強固なものになっている。開戦直後の攻撃でアリー・ハメネイ師が暗殺された後に樹立されたイラン新指導部は、交渉で海峡を手放すのではなく、防衛すると公約し、いかなる後退も戦没者への国の裏切りと位置づけている。この姿勢に正当性を賭けている政府は、ワシントンがタンカーの積み荷目録にどんな代償を課そうと、容易に方針転換はしまい

 サルマン・ラフィ・シェイフは国際関係およびパキスタン外交・国内問題のリサーチ・アナリスト

記事原文のurl:https://journal-neo.su/2026/07/18/the-guardian-myth-why-americas-hormuz-toll-plan-is-already-sinking/

23- シリーズ イチからわかる憲法9条 第4部 強まる改憲策動(1)~(3)

 シリーズ「イチからわかる憲法9条」の第3部は前報で終りました。

 本報から 4部「強まる改憲策動」に進みます。その(1)~(3)を紹介します。
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イチからわかる憲法9条 第4部 強まる改憲策動(1)90年代、米国発の攻撃 安保・自衛隊の矛盾 極限
                      しんぶん赤旗 2026年7月19日
 1990年代に入り、憲法9条に対する米国発の攻撃が再び強まります。90年8月、イラクによるクウェート侵攻で湾岸危機が発生し、当時のブッシュ米政権は日本政府に、自衛隊の多国籍軍参加を要求しました。しかし、海部俊樹首相は「憲法の制約」を理由にこれを拒否。結果的に日本は、湾岸戦争終結後の91年、ペルシャ湾に掃海艦を派遣し、戦後初の海外派兵を実行しました。
 ところが、米側は多国籍軍に参加した同盟国を高く評価する一方、日本の“貢献度”はさして評価しませんでした。この経験は、日米同盟を絶対視する勢力に「米国から見捨てられる」という恐怖感を芽生えさせました。
 こうした中、保守二大政党制を志向した政界再編が進行したことも相まって、改憲論が急速に台頭しました。94年11月には読売新聞が初の改憲試案を公表し、「9条は時代遅れ」というイデオロギー攻撃も強まります。この流れは、国会の9割以上を改憲派が覆い尽くすという現在の政治状況の直接的な源流と言えます。
 さらに、90年代後半には、日米安保共同宣言(96年4月)日米軍事協力の指針(ガイドライン)改定(97年9月)周辺事態法(99年8月施行)と、日米同盟のグローバル化と自衛隊海外派兵への流れが一気に進みます
 最たるものは、2000年10月、アーミテージ米国務副長官ら「知日派」が公表した報告書です。集団的自衛権を行使しない日本の憲法解釈は日米同盟の「障害」だとして公然と攻撃しました。
 そして、01年9月の米同時多発テロを受け、日本は自衛隊をインド洋に派兵。03年12月には米国のイラク先制攻撃を受け、戦後初の「戦地」派兵となるイラク派兵を強行しました。いずれも米国の強い圧力のもとで進められたものです。
 こうして、憲法9条と安保政策・自衛隊の実態との矛盾は、いよいよ極限に達しました。


イチからわかる憲法9条 第4部 強まる改憲策動(2)海外派兵とともに
 「九条の会」広がり対抗
                       しんぶん赤旗 2026年7月20日
 米国からの圧力を背景に、2003年のイラク派兵など米国の戦争に加担する形で自衛隊の海外派兵が進む一方、防衛省の発足など自衛隊の権限も拡大されるなど、「海外で戦争ができる」国づくりが急速に進みました。
 こうした動きに抗して、2004年6月、井上ひさしさんや大江健三郎さんら日本を代表する作家や評論家9人が「九条の会」を旗揚げしました。「九条の会」は、「9条を世界に輝かせたい」「日本と世界の平和な未来のために日本国憲法を守る」ことを掲げ、立場を超えて「憲法を守る」一点での共闘を呼び掛けました。「九条の会」は発足から10年で全国7500超の組織ができるなど、さまざまな市民の共感と支持を集め、平和憲法を守る大きな力となりました。
「九条の会」が発足した04年当時、衆参で改憲勢力が3分の2を超えていたにもかかわらず、「九条の会」と市民が草の根の運動で世論を動かし、改憲のもくろみを阻止。防衛庁の防衛省への改組や改憲手続き法制定などを強行した第1次安倍晋三政権は国民の批判を浴び1年たらずで退陣するなど、平和を願う市民の運動は、改憲・軍拡を狙う自民党政権のもくろみを何度もくじいてきました。
 司法も政府のもくろみを憲法違反と断じています。名古屋高裁は08年4月イラクにおける航空自衛隊による多国籍軍兵の戦闘地域への空輸活動を「他国の武力行使と一体化しており憲法9条違反」として初めて違憲判決を出しました。「海外で戦争ができる」国づくりが明確に憲法に反すると断じた画期的な判決でした。
 政府の「改憲圧力」が強まるたび、「憲法守れ」「9条守れ」の声を上げ、それをはね返してきたのが「九条の会」をはじめとする市民のたたかいです。市民の「不断の努力」が平和憲法と憲法9条を守ってきたのです。


イチからわかる憲法9条 第4部 強まる改憲策動(3)安倍政権の登場
最悪の立憲主義破壊
                      しんぶん赤旗 2026年7月22日
 1990年代以降、憲法9条への攻撃が強まる中で台頭してきたのが、自民党きっての改憲・タカ派だった安倍晋三元首相です。歴代自民党政権は、9条と安保・自衛隊との矛盾をあくまで憲法解釈の枠内で取り繕い、「ぎりぎりの均衡」を保つことでしのいできました。ところが、安倍氏は「戦後レジームからの脱却」を掲げ、この枠組みそのものの転換に踏み込み、最悪の立憲主義破壊を実行します
 その象徴が、2014年7月の集団的自衛権行使容認の閣議決定です。翌15年9月には、国民多数の反対の声を踏みにじり、安保法制=戦争法を与党の数の力で強行成立させました。「憲法9条のもとでは集団的自衛権の行使はできない」という戦後60年余にわたり一貫して維持してきた政府の憲法解釈を、一片の閣議決定で百八十度覆し、「憲法解釈の変更」という口実で憲法の中身を掘り崩す法的なクーデターを強行したのです。

 同時に安倍氏は、明文改憲にも執念を燃やしました。第2次安倍政権発足直後の13年通常国会以降、国会でも改憲への意欲を繰り返し表明。16年7月の参院選で、改憲勢力が衆参両院で発議に必要な3分の2以上の議席を初めて占めると、17年5月3日の憲法記念日に、9条に自衛隊を明記する改憲案を発表しました。歴代政権で初めて「2020年施行」という期限まで示し、改憲への動きを新たな段階に引き上げました。
 それでも、明文改憲は一歩も進みませんでした。その背景には、市民の粘り強い反対の声があります。安保法制の強行に際しては、10万人を超える人々が国会を包囲し、「市民と野党の共闘」が生まれました集団的自衛権の「全面的な行使」は依然として違憲であり、憲法9条は、その歯止めとして今も生き続けています

2026年7月22日水曜日

【政治考】強行された皇室典範改定 男尊女卑と荒唐無稽

 しんぶん赤旗に掲題の【政治考】が載りましたので紹介します。
 皇室典範の改定法案が衆参でそれぞれわずか3時間あまりの実質審議で強行採決されました。国の象徴天皇の決め方を定める重要な皇室典範なのに、養子の決め方や天皇の後継者の決め方には何の説得力もありません。
 荒唐無稽で言語道断という以外にはないし、そうした人物が国民の総意に適うとはとても思えません。国民の7~9割以上が愛子様が相応しいと考えているのが実態であるのに対して、余りにも大きく逸脱しています。要するに「皇室典範改定法」は「愛子天皇阻止法」であるということです。
(追記 秋篠宮家が次期の天皇になることが動かせない既定の事実とされています。一方で同家発足以後、実に約50人もの宮内庁の担当者が自ら辞めざるを得なくなったと言われています。
 将来天皇を継承した際に、本当に国民統合の象徴として国民の総意を得られるのかについて無関心であってはならないと思います)
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【政治考】強行された皇室典範改定 男尊女卑荒唐無稽
                       しんぶん赤旗 2026年7月21日
 衆参でそれぞれわずか3時間あまりの実質審議で採決を強行した皇室典範の改定。審議のやり方も乱暴なうえ、内容も荒唐無稽で言語道断だと厳しい批判が広がっています
 法案には、養子により皇族となった男子の子や孫に皇位継承資格を認める規定が埋め込まれました。与野党の全体会議では全く議論にならず、2005年の政府有識者会議の報告書も、皇族の身分を離れた者が再度皇族となることは「極めて困難」と否定したもの。ところが、法案はこれを覆し、「男系男子」の承継のために、旧皇族男子の養子の子孫は天皇になれるとしたのです。「男系男子」への固執どころか強化にほかなりません。

38親等の隔たり
 10日の衆院議院運営委員会で日本共産党の塩川鉄也議員は「はるか運い血筋の男系男子の養子の男子には天皇になる資格を与える一方、今の天皇の子である女性皇族やその子には天皇になる資格を与えないのが法案の本質だ」と指摘。さらに、「11宮家の方々と天皇との共通の祖先は、約600年前の室町時代までさかのぼる、遠い血筋だ。一体、何親等の隔たりがあるか」とただしました。
 宮内庁の緒方禎己次長は「36から38親等の隔たりがある」と答弁し、大きな反響を呼びました。塩川氏は「男系男子に固執し、600年前にさかのぼる遠い血筋の人を探し出し養子にする。国民の理解を得るのは困難だ」と強調しました。
 小池晃書記局長は15日の参院皇室典範特別委員会で、「6親等離れれば民法上の親族ではない。38親等となればほとんど赤の他人だとの指摘もある」と政府案の荒唐無稽ぶりを厳しく批判。「今までずっと(天皇が)男性だったからこれからも男性だというだけだ。女性というだけでしかるべき地位に就けない、これは男尊女卑そのもの。男系男子の承継に固執し、それを強化する改定は日本社会における女性差別を助長する」と述べました。

答弁中フリーズ
「なぜ女性ではだめなのか」と迫る塩川氏に、木原稔官房長官はしばし答弁できずフリーズした後、「男系継承が古来例外なく維持されてきた重み」と言うだけ。自民党の小林鷹之歌詞会長は「皇位の男系継承は2600年以上にわたって先人達が守り抜いてきた皇統、皇室の伝統だ」と発言しました。
「男系継承」と「2600年以上の伝統」の二つの議論について、小池氏は「男系男子の継承とは、明治につくられた伝統だ」と指摘。「天皇を神とし、万世一系の天皇が統治するとした大日本帝国憲法の世界だ。2600年というのは神話であり、歴史的事実ではない。これを否定した日本国憲法の精神に基づいて国会は論議すべきだ」と喝破しました。
 主権在民の日本国憲法のもとでの国会審議で「万世一系ノ天皇之ヲ統治ス」「神聖二シテ侵スヘカラス」とされた大日本帝国憲法の認識で答弁や発言が行われるのは、まったく非常識です。議論の大前提が立法事実たり得ないフィクション。一事が万事、荒唐無稽です。
600年の(男系男子の)伝統」という議論に対し、自民党内からも「一部の人たちの思い込みの世界だ。有史以来の確固たる資料に基づくものではない。その点でも3時間で終わりにする問題ではない」との声が出ます。さすがに政府は「万世一系」とは口にできませんでした
 また、旧宮家からの養子による皇族復帰について、自民党元閣僚の一人は「塩川議員の質問は面白かった。38親等までさかのぼるIこんなことを真面目に考える輩(やから)こそ『朝敵』ではないか。国民や今や数少ない思想右翼も目を覚ます」と指摘します。共産党本部にも「(遠い親戚の)養子なんて世襲といえません。まるで詐欺師のような話。なんとしても廃案に」(6日)との声が届きました。
 まともな論議に耐え得ない荒唐無稽な法案だからこそ「3時間で質疑打ち切り」という強硬手段に訴えるしかない強行の異常なプロセスはその脆弱(ぜいじやく)性のあらわれです。

特異な勢力暗躍
 こうした異常な議論の背景に、改憲右翼団体・日本会議のうごめきがあります。「男系男子」が切迫し強調されるのは、女性天皇待望論が広がるもと、戦前的価値-「万世一系」崩壊の危機感を日本会議勢力が強めてきたからです。
 日本会議と一心同体の日本会議国会議員懇談会-その中心には、高市早苗首相を先頭に木原稔官房長官、自民党の麻生太郎副総裁、萩生田光一幹事長代行、有村治子総務会長、古屋圭司衆院憲法審査会長など、政府と自民党の中枢メンバーーがズラリ。日本維新の会の馬場伸幸前代表、遠藤敬国対委員長など同党幹部も名を連ねます。特異な政治勢力の暗躍があります。
 同時に、まともな議論に耐え得ない脆弱な法案が、専門家や憲法学者の意見を聞く機会もない不十分な審議で、いとも簡単に国会で成立するのは、与党である日本維新の会に加え、国民民主党、参政党などによる悪政推進連合の協力によるもの。中道改革連合や公明党も賛成に回りました
 4月20日には日本会議のフロント組織「皇室の伝統を守る国民の会」主催の決起集会に、これら政党代表が勢ぞろいし(写真省略)、「皇統に属する男系男子を養子に迎える方策」の実現をめざす声明文を受け取っていました。

古い「家」の思想
「男系男子」-すなわち女性である天皇の子は皇位を承継できないとの立場に固執する議論は、男性中心の古い家父長的な家族観と一体です
 日本会議に深い関わりをもってきた歴史学者の所功氏は「日本では一般社会においても、従来『家』というものは、原則として男系で継いでいく‥・まして皇室においては、神武天皇以来、男系で継ぐのが大原則ですから、男系の女子は認めるけれども、女系は認められなかった」(『皇室典範と女系問題の再検討』)と、特殊な歴史・家族観を解説します。
 日本会議会長の谷口哲彦氏は昨年4月、同会議のフロント組織「皇室の伝統を守る国民の会」の集会で「天皇陛下は、ただいま第126代に当たられます。世界のどこを訪ねても、かくまで長い連続をもつ家は、絶無」とし、「家」の連続性を称賛していました。
 戦前、女性が婚姻することは男性の「家」に入ることで、そこで子をもうけることは、男性の「家」の子孫をつくること。女系天皇は「天皇家」という「家」の連続性の切断につながるという時代錯誤の家族観が支配しています
       
共産党追及に保守も共感
 日本国憲法の条項と精神に立脚し、限られた質疑時間で政府案の問題点を原理的に批判し、追い詰めた日本共産党の論戦が注目を集めています
 8日には小池書記局長の参院決算委での質問を見て小池さん良かったです共産党を誤解していました。どうかな?と思う政策もありますが、国民の声を代弁してもらった。私は元々保守思想ですが、これからは共産党の政策も是々非々で考えてみたい」(女性)との電話が党本部に掛かりました。
 13日には、塩川議員の質問を見た男性から「どちらかと言えば右の考えをもっている。『共産党の質問など聞く必要はない』と思っていたが塩川さんの質問をテレビで見て、本当に良い質問だと感じたと電話が。16日には「小池並びに塩川両議員のご発言は、大多数の国民の声を反映している内容でした。国会ではお二人のご意見は少数かもしれませんが、これこそが民意です。感謝の念に堪えません」とメールが届きました。
 ほかにも、立場の異なる人々から、共産党の論戦への感謝とエールの声が続々と寄せられています。日本共産党は皇室典範改定の白紙撤回を求めています。 (中祖寅一)