しんぶん赤旗の記事を紹介します。
高市首相の「自己都合解散」のために、通常より1カ月も予算案審議を遅らせたにもかかわらず、高市首相が「年度内成立」に固執し、衆院での多数の力を背景にした議会運営を強行したことは憲政史上に重大な汚点を残しました。
与党は、衆貌予算委員会で予算案の基本的質疑が始まったばかりの2日に12日間の質疑で審議を打ち切る日程を提示し、これを前提に地方公聴会や中央公聴会の開催日程の議決を坂本哲志委員長の職権で強行採決しました。
高市首相が出席する集中審議の日程も大幅に削られ、分野別に詳細な審議を行う分科会は37年ぶりに未開催となりました。
26年度予算案自体も大軍拡や大企業優遇をいっそう加速する一方で社会保障を切り捨てるもので、およそ短時間の審議で採決できるものではありません。とくに軍事費は突出して増加し、戦後初めて軍拡のための増税=防衛特別所得税導入を強行しました。物価高で国民が生活苦にあえぐ中、軍拡には巨額の税金をつぎこもうとしています。その一方で昨年の通常国会で撤回したはずの高額療養費制度の負担額引き上げやOTC類似薬の追加負担導入などの制度改悪で1500億円も圧縮しました。
最新の世論調査では米国とイスラエルのイラン攻撃への「不支持」は75・1%、武器輸出を原則解禁とする与党の提言にも「反対」が48・2%と「賛成」の27・0%を大きく上回るなど、高市首相の米国言いなりの大軍拡路線は決して多数の国民の要求ではありません。
高市政権の極右・強硬姿勢は、議席で多数を占めていても、国民要求と矛盾する政権の本質をごまかさざるをえない〝弱さ″をあらわにしています。
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憲政に汚点残す議会運営 自民・維新による予讃案衆院通過強行
しんぶん赤旗 2026年3月14日
自民党と日本維新の会は13日、2026年度予算案の衆院通過を強行しました。高市早苗首相の「自己都合解散」のために、通常より1カ月も予算案審議を遅らせたにもかかわらず、高市首相が「年度内成立」に固執し、衆院での多数の力を背景にした議会運営を強行したことは憲政に重大な汚点を残しました。
国会審議形骸化の異常 参院での充実審議必要
高市首相は、自らの衆院解散強行で予算案の審議入りを遅らせておきながら、今年度内成立に固執。首相の意をくんだ自民党は、衆院での予算案審議の時間を大幅に短縮し、13日までに採決する方針を強行してきました。
与党は、衆貌予算委員会で予算案の基本的質疑が始まったばかりの2日に12日間の質疑で審議を打ち切る日程を提示。これを前提に、地方公聴会や中央公聴会の開催日程の議決を坂本哲志委員長(自民党)の職権で強行採決しました。
高市首相が出席する集中審議の日程も大幅に削られ、省庁別審査では、予算案所管間僚の片山さつき財務相が一部しか出席しませんでした。分野別に詳細な審議を行う分科会は37年ぶりに未開催となりました。
国会は国権の最高機関です。政府の意向通りの日程に唯々諾々と従うだけでは、立法府としての役割を自ら否定することになります。
日本共産党など野党は、採決日程ありきで予算案審議を進める与党のやり方を厳しく批判。森英介衆院議長に国会正常化と予算案の充実した審議を求める申し入れを行うとともに、中立公平な委員会運営を投げ捨て、13日の予算委員会の開催を職権で決めた坂本委員長の解任決議案を提出してたたかいました。
国会の正常化と予算案の充実した審議を求める立場は、参院の野党も同じです。日本共産党など9会派は11日、関口昌一参院議長と福山哲郎参院副議長に申し入れを行い、「衆議院での不十分な審議および強行は、議会制民主主義を損なうものであり、参議院としても容認できない」としています。
与党が過半数の議席を持だない参院で、充実した予算案審議を行い、国会の形骸化を食い止める必要があります
暮らし平和壊す抜本組み替え 抜本組み替えしかない
26年度予算案自体も大軍拡や大企業優遇をいっそう加速する一方で社会保障を切り捨てるなど重大な問題を抱えるなど、国民の願いからかけ離れており、およそ短時間の審議で採決できるものではありません。
とくに軍事費は突出して増加。防衛省予算は初めて9兆円を突破し、12年連続で過去最大を更新します。違憲の敵基地攻撃兵器の長射程ミサイルなどを大量取得するほか、戦後初めて軍拡のための増税=防衛特別所得税導入を強行。物価高で国民が生活苦にあえぐ中、軍拡には巨額の税金をつぎこもうとしています。
一方、社会保障予算は2%増、年金改定率も2%増の見込みで物価上昇に比べ大幅に目減りします。概算要求時には4000億円と見積もっていた自然増を、昨年の通常国会で撤回したはずの高額療養費制度の負担額引き上げやOTC類似薬の追加負担導入などの制度改悪で1500億円も圧縮します。
逆進性が高く極めて不平等な消費税の減税は、高市首相が「悲願」とまで主張していたにもかかわらず予算案に含まれていません。
AI・半導体企業には1・2兆円も支援するなど大企業には大盤振る舞いの一方、中小企業対策費や農林水産関係予算は到底足りません。原発回帰方針も顕著で、エネルギー対策特別会計に約2兆円、次世代革新炉開発に約1000億円を計上しています。
日本共産党の田村智子委員長は「なぜ超富裕層を優遇するのか」「消費税10%負担が重い」という国民の声を聞き「国会でまともな消費税減税の議論を直ちに行うべきだ」と追及。辰巳孝太郎衆院議員は軍事費増額のための増税は侵略戦争推進で財政破たんした戦前の反省を否定するもので「軍拡に連動した増税だ」と厳しく批判しました。
真に求められているのは、徹底審議と国民の暮らしによりそう予算案への抜本的な組み替えです。
高市官邸の圧力背景に 三権分立壊す強硬姿勢
異常な国会形がい化の元凶は高市官邸の強硬姿勢です。高市首相は衆院本会議で予算案の「年度内の成立を目指したい」と審議時間の大幅短縮を迫り、その意向を受けた自民党は、13日に衆院を通過する日程を提案してきました。審議日程は国会が決めるべきものです。行政府が国会に日程を事実上押し付けることは、三権分立に反します。
高市首相がそこまでして予算案の「年度内成立」にこだわったのは、高市首相への支持が決して強固ではなく、国民との大きな矛盾を抱えているからです。
最新の世論調査の内閣支持率は、時事で前月比4・5戸下落し59・3%と過去最低になり、NHKでも前月比6回下落の59%と下落傾向にあります。しかも、米国とイスラエルのイラン攻撃への「不支持」は75・1%と「支持」の7%を大きく上回っています。武器輸出を原則解禁とする与党の提言にも「反対」が48・2%と「賛成」の27・0%を大きく上回りました(時事)。高市首相の米国言いなりの大軍拡路線は決して多数の国民の要求ではありません。
さらに高市首相は国会で追及されたくない統一協会との癒着問題があります。
実際に、予算案審議が進む中で、高市政権への国民の怒りが顕在化しつつあります。市民団体が主催した平和憲法を守るための緊急アクション(10日)では、若い人や初めて声を上げる人など8000人(主催者発表)が集まりました。
高市政権の強硬姿勢は、議席で多数を占めていても、国民要求と矛盾する政権の本質をごまかさざるをえない〝弱さ″をあらわにしているのです。