2017年4月27日木曜日

「共謀罪」法案 衆院法務委で参考人意見陳述 

 25日の衆院法務委員会で「共謀罪」法案に関する参考人の意見陳述が行われました。
 しんぶん赤旗が、高山佳奈子京大教授、漫画家小林よしのり氏、早川忠孝弁護士の発言要旨を伝えました。
 参考人には他に小沢俊朗元大使、井田良中大教授がいて、賛成の立場から陳述しました。
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「共謀罪」法案参考人質疑(要旨)衆院法務委
しんぶん赤旗 2017年4月26日
高山佳奈子 京都大学大学院教授の陳述
 25日の衆院法務委員会での「共謀罪」法案の参考人質疑で、京都大学大学院の高山佳奈子教授(刑事法)が行った意見陳述の要旨は次の通りです。
 
 TOC(国際組織犯罪防止)条約の早期締結に賛成ですが、「テロ等準備罪」を設ける本法案には反対です。
 第1に法案は、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催のための「テロ対策」を内容とするものではないと考えます。
 本法案は、一人の単独犯によるテロ計画、単発的な集団のテロが射程に入っておらず、重要な部分が対象から外れています。
 テロ対策はすでに立法的手当てがなされています。14年改正のテロ資金提供処罰法により、テロ目的の資金、土地、建物、物品役務、その他の利益の提供が包括的に処罰対象になりました。これでほとんどのテロ目的の行為はカバーでき、テロの観点で五輪対策は事実上完了しています。さらに、テロに限らず違法な目的で物品を入手する行為やある場所に入っていく行為は、かなり広い範囲で詐欺罪や建造物侵入罪の処罰対象になっています。テロ対策として、日本は諸外国に比べてもかなり広い処罰範囲をすでに有しています。
 2点目は、条約への参加の仕方です。
 条約5条では参加罪、結集罪や共謀罪による組織犯罪への対処を求めています。しかし国連が各国への参考資料として04年に公表した「立法ガイド」の51項では、参加罪や結集罪、共謀罪の制度化のうち一つを欠いている国が、必ずしもそれを導入する必要はないという趣旨を述べています。条約全体を見ると、各国が組織犯罪対策を国内法の基本原則に適合させ、憲法の範囲で対処することを求めています。しゃくし定規的な国内法化は求められていません。それを示す一例が米国です。いくつかの州の刑法が共謀罪の一般的な処罰規定をもっていないため、条約に留保を付した上で参加しています。
 第3は、今般の法案の対象が限定されているかどうかです。
 ある団体の構成員の一部が性格を犯罪的なものに「一変」させた場合を対象に含めるとなれば、一般人の通常の団体として結成された場合も除外できないことになります。
 犯罪の「実行準備行為」は、特段の危険性がなくても外形的な(犯罪の準備)行為であれば、特に限定なく(資金、物品の手配、関係場所の下見以外の)「その他」の中に全部含まれるとの読み方ができると思います。
 第4は、対象犯罪の選別の問題です。とくにTOC条約との関係で、経済犯罪を除外している問題があります。
 一般に商業賄賂罪と呼ばれ諸外国で規制が強化されてきている会社法や金融商品取引法、商品先物取引法などの収賄罪が対象犯罪から外れています。主に組織による遂行が想定される酒税法違反や石油税法違反なども除外されています。その一方で、「違法なキノコ狩り」など、五輪とも暴力団とも関係ないものが多数含まれています。
 内容が不可解な法案には賛成できません。
 
戦前に戻らないとは言えない 漫画家 小林よしのり氏
 「民主主義を守るために物を言う市民は必要。言論を萎縮させるようなことがあると困る」
 衆院法務委員会で25日に行われた参考人質疑。「保守」を自任する漫画家の小林よしのり氏が、国民の思想・内心を処罰する「共謀罪」法案への反対を表明しました。
 日本共産党の畑野君枝議員が「立場の違いを超え、国家に介入されて内心・思想・信条・表現の自由を奪われることは許さないという趣旨ですか」と尋ねました。
 小林氏は、共産党への“警戒心”を示しつつも、「でも共産党は現在の国家権力に対する批判では非常に鋭い。頼りになる。言論・表現の自由を守るというところでぜひとも活躍してほしい」と答えました。
 同日の質疑で、「政権の不始末が次から次に起こっても、北朝鮮やテロが危ないと言ったらどんどん右に傾いていく」と世相を憂えた小林氏。テロの脅威をあおる日本維新の会の松浪健太議員に対しては、「左翼の人が“戦前に戻るぞ”と言ったら、“昔と今は違う”と簡単に保守の側は言うけれど、治安維持法があった戦前は国民が右に傾いていった。過去に戻らないとも言えない」とたしなめました。
 
捜査“暴走”懸念 元自民党衆院議員 早川忠孝弁護士
 元自民党衆院議員の早川忠孝弁護士は25日の衆院法務委員会の参考人質疑で、政府が「共謀罪」法案を「テロ等組織犯罪処罰法」と呼んでいることについて、「TOC(国際組織犯罪防止条約)では『共謀罪』と訳している」と指摘しました。
 早川氏は「テロ等組織犯罪だったら必要な制度だと国民の半分ぐらいの方はそう思うだろう」と政府与党のごまかしの意図を説明。「しかし、法案の中身はちょっと違う」と指摘し、「正しい議論を共有したうえで、対象犯罪を減らすべきだ」と述べました。
 さらに、早川氏は捜査機関による冤罪(えんざい)事件を取り上げ、「(捜査機関は)テロ犯罪を防止するということで、さまざまな情報収集の過程で、予断、偏見、見込み、誤った捜査をしてしまう。成績主義があるから、なんらかの仕組みをつくると結果を出さないといけない」と述べ、「共謀罪」法案の成立に伴う捜査機関の“暴走”に懸念を表明しました。

もう世紀末・・・政権交代を選択しない国民性(まるこ姫の独り言)

 「まるこ姫・・・」が、内閣がどんなに不祥事を重ねてもまた民生を圧迫して戦争を指向する施策を重ねても、政権交代を志向しない国民性に疑問を投げかけました。 「もう世紀末」・・・と。
(太字強調個所は原文に従っています)
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もう世紀末、大臣の不祥事がどれだけあっても
政権交代を選択しない国民性
まるこ姫の独り言 2017-04-26
今村大臣が辞任したが、安倍が”任命責任は私にある”と言っただけで、それで物事が済んでしまう。
この国の、ジャーナリストと称する人間たちは任命責任の取り方は?とはだれも聞かない。
該当大臣は、問題発言を撤回、謝罪すればもうそれで大臣の発言が無かったことになる。
そして安倍首相は、”任命責任は私にある”まで利用、すぐさま謝罪をして更迭を自分の力量のように美談に仕立て上げる。
お詫びをすると言いながら決して頭を下げないのはなぜか。
 
4月の内閣支持率はあれだけの不祥事があっても、3月の比べたら上がっているのだそうだ。
どの設問も各論では凄い常識的で批判的なのに、内閣支持率は下がるどころが上がり続ける。
 
田崎スシローや伊藤敦夫は毎日色んな番組に出てきて、不祥事があっても内閣支持率が上がっている原因は、民進党の国会での質問が、相手の揚げ足取りだとか、重箱の隅をつつくような質問の数々、相手を貶めて民進党の地位を上げる積もりに見えるとか、有権者はあの旧民主党政権の酷さ拙さには二度と戻したくないから、安倍政権を消極的にでも支持し続けるのではないかと分析して、それを言い続ける。
 
自民党が下野し野党としての質問と、今の民進党議員の質問を比べたら、むしろ自民党議員の方が、揚げ足取りや重箱の隅をつつくような質問をしていたと思っていたが、どうも今テレビに出てくる人達の認識は、民主党議員の質問の方が酷いと言う。
 
それをテレビで聞き続けていたら、政権交代=悪のように刷り込まれてしまう人もいるのだろう。
 
どんなに素晴らしい政権でも、権力の座に居続けると、水は澱むし、しがらみもできるし、癒着や権益が横行するもので、それを防ぐには、政権交代しかない。
が、この国では、自民党しか政権を担えないとの不思議な認識の人が多くいる。
なぜ自民党しか政権を担えないのだろう。。。。
 
あれだけの失言・暴言が横行しているという事は、国民目線が欠如している人間が議員になっているという事で、それでも自民党しか政権を担えないと言う思考は、どこから来るのだろうか。
 
どうも内閣支持率以外にも、「共謀罪」、「テロ準備罪」の調査では、不思議な数字になっている。
「共謀罪」も「テロ準備罪」も中身はまるで変っていないのに、「共謀罪」に反対の人の数字は相当高いのに、「テロ準備罪」に反対の人の数字は高くない。
「テロ準備罪」は多くの人が賛成なのだと。
少し看板を変えただけで、中身関係なく反対の数字が賛成の数字に変わるという事を考えても、多くの人がほとんど表面的にしか物事を考えないか分かるし、サブリミナル効果みたいなものもあるのかもしれない。
 
政権交代を期待しない国というのは、海外にあるのだろうか。
未来永劫、自民党が政権を担う国。
しかも最大野党が、政権交代を視野に入れていないような振る舞いはなんなのか。。。。
与党も野党もこのドップリ感は。。。不思議な国の日本。

27- 対北朝鮮弾道ミサイル 「退避マニュアル」は“お笑い”

  安倍首相は、今回の北朝鮮を巡る緊迫情勢の始まりの段階で、トランプ米大統領から「全ての選択肢がテーブルの上にある」と伝えられたことを、殊の外に名誉なことに感じているようですが、「全ての選択肢」があるとは「先制攻撃も辞さない」という意味です。
 いくら戦争好きな首相であっても、そんなものを「高く評価する」というのは気が知れません。アメリカに自重を促して決して戦端を開かせないのが近隣国の首相の務めの筈です。
 ところで内閣官房は、なんと北朝鮮が弾道ミサイルを発射した場合の「退避マニュアル」を公表しているのだそうです。これ以上の北朝鮮敵視政策はありません。もっとも安倍首相は着任以来一貫して北朝鮮を敵視する発言を続けているので、ホームページにそれらを掲載するのに何の抵抗もなかったのでしょう。
 
 ところがその「退避マニュアル」に書かれている内容はトンデモナイものだということです。
 「いかなる事態にあっても、国民の命を守る」のが首相の責任だと本当に思うのであれば、役に立たないマニュアルを作るのではなくて戦争という事態を絶対に回避するという努めて欲しいものです。北朝鮮には先制攻撃の意図などは全くないのですから・・・
 日刊ゲンダイの記事を紹介します。 
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北朝鮮の弾道ミサイルに安倍政権“お笑い退避マニュアル”
日刊ゲンダイ 2017年4月26日
 25日、朝鮮人民軍創建85周年を迎えた北朝鮮。追い詰められつつある金正恩・朝鮮労働党委員長は果たして弾道ミサイル発射や6度目の核実験に踏み切るのか――。世界が固唾をのんで見守る中、安倍首相は24日、トランプ米大統領と今月3回目の電話会談を行い、「全ての選択肢がテーブルの上にあることを言葉と行動で示すトランプ大統領の姿勢を高く評価する」と伝えたという。
 
 「全ての選択肢」には当然、軍事攻撃も入る。つまり、日本も殺し、殺される戦争に突入するということだ。それを安倍首相は「高く評価」とか言っているから正気じゃない。毎日新聞の世論調査では、北朝鮮に対して各国の「外交努力を強める」との回答は64%に上り、「軍事的な圧力を強める」はわずか21%。ANNの調査でも「外交による話し合いが必要」と答えた人の割合が68%だったのに対し、「アメリカによる武力行使が必要」はわずか17%だ。つまり、大多数の国民のホンネは「軍事攻撃はヤメロ」ということだ。それなのに首相自らが先頭に立って戦争を煽りまくっているのだから許し難い。
 
 大体、安倍首相は「総理大臣はいかなる事態にあっても、国民の命を守る責任がある」なんて威勢のいいことを言っているが、これは大ウソだ。
 「内閣官房国民保護ポータルサイト」の〈弾道ミサイル落下時の行動について〉というコーナーに、北朝鮮が弾道ミサイルを発射した場合の「退避マニュアル」が載っているのだが、これがあまりにひどい内容なのだ。
 〈弾道ミサイルは、発射から極めて短時間で着弾します。ミサイルが日本に落下する可能性がある場合は、Jアラートを活用して、防災行政無線で特別なサイレン音とともにメッセージを流す〉とあり、メッセージが流れた場合、〈直ちに〉取る行動として〈近くのできるだけ頑丈な建物や地下街などに避難する〉〈近くに適当な建物がない場合は、物陰に身を隠すか地面に伏せ頭部を守る〉〈できるだけ窓から離れ、できれば窓のない部屋へ移動する〉なんて書いてあるのだが、あまりに現実離れしている。軍事ジャーナリストの世良光弘氏がこう言う。
 
「発射された北朝鮮の弾道ミサイルが日本に着弾するまで8~10分。発射情報は米軍経由で日本側に届くため、Jアラートが警報を鳴らすのは早くても5分後。つまり、国民が行動する時間は3分しかありません。内閣府のポータルサイトには避難施設も出ていますが、東京都だけでPDFで60ページ。これでは避難施設を探している間にミサイルが落ちてきますよ。それにサリンやVXガスの場合、空気より比重が重いため、政府の言うとおりに地下街などに逃げ込んだら即アウト。(退避マニュアルは)オソマツ過ぎます」
  安倍が叫ぶ「万全の態勢」なんて、しょせんはこの程度である

2017年4月26日水曜日

共謀罪法案 横浜事件の弁護団らが反対を訴える

 共謀罪法案について、横浜事件」で逮捕された元編集者の妻と弁護団が、「当時の治安維持法と同じように拡大解釈されて一般の人も処罰されるおそれがある」と反対を訴えました。
 
 横浜事件は、1942年、総合雑誌『改造』8・9月号に掲載された細川嘉六の論文「世界史の動向と日本」が、ソ連を賛美し政府のアジア政策を批判するものなどとして『改造』は廃刊になり、9月に細川が逮捕されました。
 『改造は、大正年間に発刊された社会主義的な評論を多く掲げた総合雑誌で、戦後に復刊され昭和30年まで刊行されました。
 捜査中に、細川『改造』や『中央公論』の編集者などと一緒に写った集合写真料亭旅館で見つかり、それが日本共産党再結成の謀議をおこなっていた証拠写真と誤認されて、改造社中央公論社をはじめ、朝日新聞社、岩波書店などの関係者約60人が順次治安維持法違反容疑で逮捕されました。
 逮捕された人たちは神奈川県特高課で激しい拷問を受けて4人が獄死し、約30人が主戦直後に執行猶予付きの有罪とされまし
 
 横浜事件は、官憲が治安維持法を恣意的に運用して、当局に取って邪魔な文化人たち60人を一網打尽にした事件で、共謀罪を恣意的に運用した一つの典型を示すものということが出来ます。
 NHKのニュースを紹介します。
 
 (追記)
 横浜事件の元被告や遺族の一部再審を求めた結果2005年に横浜地裁は再審を認める決定を出しました。しかし再審の結果は「免訴」ということで、原告が望んだ無罪の判決は得られず論議を呼びました。
 しかし原告による刑事補償請求に対しては2010年、5人の原告に対して全額4700万円が認められました。
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「テロ等準備罪」法案 横浜事件の弁護団ら反対訴え
NHK NEWS WEB 2017年4月25日
共謀罪の構成要件を改めて「テロ等準備罪」を新設する法案について、太平洋戦争中の言論弾圧事件、「横浜事件」で逮捕された元編集者の妻と弁護団が、「当時の治安維持法と同じように拡大解釈されて一般の人も処罰されるおそれがある」と訴えました
 
「テロ等準備罪」は、組織犯罪の防止を目的として、かつて廃案になった「共謀罪」の構成要件を改めたもので、衆議院で審議されています。
法案では、「組織的犯罪集団」が重大な犯罪を計画して準備行為をした場合などに処罰するとしていて、政府は、一般の人が強制捜査の対象になることはないと説明しています。
これに対して、太平洋戦争中に起きた「横浜事件」で逮捕された元編集者の妻の木村まきさん(68)が、今回の法案も言論の弾圧につながるおそれがあるとして、東京都内で弁護団とともに会見を開きました。
 
「横浜事件」では、雑誌の論文をめぐって、執筆者や編集者が「共産主義を宣伝した」として当時の治安維持法によって有罪とされました。
 
森川文人弁護士は、「治安維持法のときも一般の人は対象ではないと説明されていたが、実際は拡大解釈されたという歴史的事実があり、信用できない」と主張しました。
また、木村まきさんは、「今回の法案も誰にでも適用される可能性がある。廃案にするため全力で立ち向かわなければならない」と訴えました。
 
横浜事件 太平洋戦争中の言論弾圧
「横浜事件」は、太平洋戦争中に起きた言論弾圧事件です。
横浜事件では、当時の雑誌「改造」に掲載された論文の執筆者や雑誌の編集者などおよそ60人が、「共産主義運動を宣伝した」などとして当時の治安維持法の疑いで逮捕されました。
 
治安維持法は、国家体制を否定する運動などを取り締まるための法律でしたが、当時の帝国議会の審議では、罪のない一般の人が対象になるおそれがないか議論になりました。
議事録によりますと、当時の司法大臣は、「不当に範囲を拡張して、無辜(むこ)の民にまで及ぼすというごときことのないように十分に研究考慮を致しました」と答弁しました。
しかし、横浜事件では木村まきさんの夫で編集者だった亨さんなど言論に関わる人たちが次々に摘発されました。
逮捕された人たちは、思想事件を捜査する「特高」と呼ばれた当時の警察による激しい拷問を受け、4人が獄中で死亡したほか、30人余りが起訴され、そのほとんどが終戦直後に有罪判決を受けました。
治安維持法が廃止されたあと、元被告や遺族の一部は再審=裁判のやり直しを求め、平成15年に横浜地方裁判所は再審を認める決定を出しました。
 
また、遺族たちが起こした補償金を求める手続きで、平成22年に横浜地裁は、実質的に無罪だったとして、5人の元被告の遺族に請求どおり4700万円余りの支払いを認める決定を出しています。
 
恣意(しい)的判断への懸念も
「テロ等準備罪」をめぐっては、処罰の対象になる「組織的犯罪集団」に政府に批判的な団体などが含まれる可能性があるかどうかが論点の1つになっています。
法案で、「組織的犯罪集団」は、一定の犯罪の実行を目的とする団体とされ、どの団体が対象になるかは捜査当局の判断しだいで、刑事裁判で争われれば、最終的に裁判所が判断します。
政府は、「組織的犯罪集団」にはテロ組織や暴力団、薬物密売組織などが含まれるほか、当初は別の目的で設けられた団体でも、その後、犯罪を目的とする団体に一変した場合には、「組織的犯罪集団」と認定される可能性があるとしています。
そのうえで、正当な活動を行っている団体は対象外で、捜査を進める中で一般の人を対象に情報収集などの調査を行ったとしても、限定的だとしています。
 
これに対して、日弁連=日本弁護士連合会は、「具体的な要件が示されず、テロ集団や暴力団などに限定されるとは読み取れない」として、市民団体や労働組合などが処罰の対象とされる可能性があると批判しています。
また、政府の方針に批判的な活動をしているアメリカ軍普天間基地の名護市辺野古への移設に反対する人たちや、脱原発の活動をしている市民団体などからは、捜査当局の恣意的な判断で「組織的犯罪集団」として検挙されるおそれがあるという懸念の声が上がっています。

26- 共謀罪で恐るべき監視社会が当たり前になってしまう(五十嵐仁氏)

 元大原社会問題研究所長で法政大学名誉教授の五十嵐仁氏が、『共謀罪で恐るべき監視社会が当たり前になってしまうという悪夢』というブログ記事を出しました。
 共謀罪が「一般の人」を捜査対象にしていることはもう自明な事柄になっていますが、五十嵐教授はそれに加えて、日本は2013年には米国からインターネット上の電子メールなどを幅広く収集・検索できる監視システム提供を受けていたこと、先には通信の盗聴対象が拡大されていること、さらには監視カメラも広範囲に設置されつつあることなどから、国民監視のシステムは高度なレベルに達しているとして、そうしたデータをコンピューターに蓄積して犯罪捜査活用すれば、犯罪の計画、準備、相談をでっち上げ、「共謀」した罪によって対象者を社会から抹殺することが今までよりもずっと容易になり、そうなれば「犯罪」は犯される前に取り締まられ、当局の判断に応じて恣意的に「犯罪者」が作られることになるとしています
 
 そのような社会になれば、権力の暴走を抑えることができなくなり、民主主義は死滅します。いまはそうなるかどうかの瀬戸際です。
 
 「五十嵐仁の転成仁語」を紹介します。
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共謀罪で恐るべき監視社会が当たり前になってしまうという悪夢
五十嵐仁の転成仁語 2017年4月25日 
 国会の衆院法務委員会で、共謀罪の審議が進んでいます。特に目立つのは、自民党による慣例を無視した強引な国会運営です。
 野党の反対を押し切って、職権で刑事局長を参考人登録したり、職権で委員会を開いたり、強引に参考人質疑の開催を決定したり、異様なやり方が続いています。これは、何としても今国会中に成立させたいという安倍首相の執念を示すものですが、同時に、このような強引なやり方が野党の反発を強めて世論の警戒心を高め、逆に審議を遅らせるという側面も生まれています。
 
 異常で強引な運営が行われているのは、正常で普通の運営方法では会期中での成立が危ぶまれるからです。それだけ、この共謀罪法案には問題が多くあります。
 先週の21日に共謀罪法案を審議した衆院法務委員会で、盛山正仁法務副大臣は「一般の人が(共謀罪の捜査の)対象にならないということはない」と明言しました。「一般の方が対象になることはない」と繰り返し強調してきた安倍首相や菅官房長官、金田法相の発言を否定したのです。
 井野俊郎法務政務官も「捜査の結果、シロかクロかが分かる」と、一般の人に対する捜査の可能性を示唆しました。捜査してみなければ怪しいかどうかわからないと言っているわけで、「一般の人」が捜査対象になるのは避けられません
 
 それだけではありません。法務委員会で民進党の階猛議員が枝野幸男議員と少々相談をしたとき、それを見ていた自民党の土屋正忠理事が大声でこう叫んだのです。「あれは、テロ等準備行為じゃねえか!」
 共謀罪については「話し合うだけで罪になる」危険性が指摘されてきました。土屋議員の野次は、議員2人の話し合いを「テロ等準備行為」だと恫喝したわけで、まさにこのような危険性を裏付けるものでした。
 たとえ話し合わなくても、準備行為に当たるとみなされるような連絡がメールやラインで送られていれば、それを読んでいなくても「共謀」の罪に問われる可能性があります。そして、このようなメールなどを幅広く監視できるシステムが、すでに存在していることが、今日の『朝日新聞』で次のように報じられました。
 
 調査報道を手がける米ネットメディア「インターセプト」は24日、日本当局が米国家安全保障局(NSA)と協力して通信傍受などの情報収集活動を行ってきたと報じた。NSAが日本の協力の見返りに、インターネット上の電子メールなどを幅広く収集・検索できる監視システムを提供していたという。
 
 報道によると、NSAは60年以上にわたり、日本国内の少なくとも3カ所の基地で活動。日本側は施設や運用を財政的に支援するため、5億ドル以上を負担してきた。見返りに、監視機器の提供や情報の共有を行ってきたと指摘している。
 たとえば、2013年の文書では、「XKEYSCORE」と呼ばれるネット上の電子情報を幅広く収集・検索できるシステムを日本側に提供したとしている。NSAは「通常の利用者がネット上でやりとりするほぼすべて」を監視できると表現している。ただ、日本側がこのシステムをどう利用したかは明らかになっていない。
 
 このような「通常の利用者がネット上でやりとりするほぼすべて」を監視できるシステムが、今のところ、どのように使われているかは不明です。もし、共謀罪が成立すれば、このようなシステムが全面的に活用され、「ネット上でのやり取り」が監視されることになるでしょう。
 すでに、街中には数多くの監視カメラが作動しています。通信傍受法の「改正」によって盗聴の対象が拡大され、知らないうちに通信の内容が傍受される危険性が高まっています。
 超小型発信機によって位置を測定できるGPS(全地球無線測位システム)も犯罪捜査で使われています。3月15日に最高裁は令状なしでの使用は違法だとの統一判断を示して歯止めをかけましたが、共謀罪が成立すれば捜査手段として活用することが合法化されるにちがいありません。
 
 さらに、コンピューターに蓄積されたビッグデータの犯罪捜査への活用も図られるでしょう。このデータには、ネット通信での情報、監視カメラによる映像、盗聴による音声、そしてGPSによる所在情報など、多様な個人情報が含まれることになります。
 これらの情報を用いて犯罪の計画、準備、相談をでっち上げ、「共謀」した罪によって社会から抹殺することは、今までよりもずっと容易になるでしょう。「犯罪」は犯される前に取り締まられ、当局の判断に応じて恣意的に「犯罪者」が作られることになります。
 監視されていることに気づかず、権力者にとって不都合な言動を行ったとたん「テロ等準備」のための「共謀」を行ったかどで逮捕される、などという恐るべき監視社会が当たり前になるという悪夢が現実となるでしょう。
 
 たとえそうならなくても、そうなるかもしれないと国民に思わせることが本来の目的なのかもしれません。監視を恐れて不都合な言動を行わず、従順な国民が増えていけば、このような法律の発動さえ必要なくなるのですから……。
 でも、そのような社会になれば、権力の暴走を抑えることができなくなり、民主主義は死滅することになるでしょう。自由な言動が圧殺された息苦しい社会の出現こそ戦争前夜を予示するものであったことを、今こそ思い出す必要があるのではないでしょうか。

2017年4月25日火曜日

共謀罪捜査 一般人が対象なのは明らか 首相・法相の説明はウソ

 21日の法務委員会で盛山副大臣と井野政務官が「一般の人が共謀罪捜査の対象にならないことはない」と当たり前の回答をしたことで、官邸が大慌てをしているということです。真実が明らかにされて慌てるというのは、それまで安倍首相と金田法相が述べてきた「一般のが対象になることはない」というのがウソだとバレたからです。
 
 安倍・金田ラインは盛んに「一般の市民は取り締まりの対象にならない」と言いますが、そのうらで犯罪を意図すればもはや「一般の市民」ではないから(対象になる)とも言っています。
 そうすると犯罪を意図した市民や団体をどう見分けるか、市民の内心をどうすれば判断できるのかということが問題になります。日本の検察は、国連の人権委員が「中世の司法」と呼んでいる人権無視の「人質司法」などの手法を公然と用います。それは「犯罪」(…この場合は「犯意」)を認めるまでは「証拠隠滅の惧れ」を理由に拘置所に留置して置くという方法で、相されると一家の稼ぎ手であれば家族を守るためにそのまま否定を続けることができません。
 
 そもそも人は仮に犯意を抱いていたとしてもそれを安易に表示することはありません。そうであれば警察・検察は、狙いをつけた人物や団体員を逮捕して「自白をさせる」しか方法がありません。共謀罪法案が一般の人を捜査対象にしていることは火を見るよりも明らかです。
 それを「一般の市民は取り締まりの対象にならない」といって憚らないのは尋常ではありません。
 余程鉄面皮なウソ吐きであるか、または中学生でも分かることを理解できないでいるかのどちらかです。
(関係記事)
4月23日 「週刊女性」が「共謀罪」を10ページにわたり大特集!
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共謀罪の本質バレた 法務省“見解不一致”露呈で官邸大慌て
日刊ゲンダイ 2017年4月24日
 副大臣と政務官のマトモな答弁に官邸は大慌てだ。
 先週21日、共謀罪法案を審議した衆院法務委員会で、盛山正仁法務副大臣が「一般の人が(共謀罪の捜査の)対象にならないということはない」と言ってのけた一件である。井野俊郎法務政務官も「捜査の結果、シロかクロかが分かる」と、一般人への捜査の可能性を示唆した。
 
 これまで安倍首相以下、菅官房長官も金田法相も「一般の方が対象になることはない」と繰り返し強調してきた。副大臣と政務官の答弁で、共謀罪の本質がバレたわけだが、これで法務省内の見解不一致が明らかになってしまった。どうしてこういうことが起きたのか。
 「マトモに答弁できず何も分かっていない金田法相であれば、どんな質問に対しても、『一般人は対象にならない』とトボケ続けられたでしょう。しかし、民進党の逢坂議員はかなりしつこく理詰めで質問しました。捜査を多少なりとも知っていて、質問にちゃんと答えようとすれば、副大臣のような常識的な答弁になるのは当然です。
 官邸も金田法相の答弁能力の低さを懸念するあまり、刑事局長を答弁に立たせる形で“金田隠し”に必死になっていた。副大臣と政務官にまで気が回らず、コントロール外だったのでしょう。議論が噛み合ってしまうと、ほころびが見えてくる。安倍政権は今ごろ頭を抱えているのではないでしょうか」(政界関係者)
 
 実際、23日のNHKの日曜討論で自民党・茂木敏充政調会長は、「一般の市民や団体の捜査は全く対象とならない」と“火消し”に躍起だった。
 
■野党には法案成立阻止の“突破口”
 共謀罪法案に詳しい小口幸人弁護士が言う。
 そもそも一般の人かどうかは、特定の人を調査や捜査をしてみないとわからないことです。“一般の人は捜査対象にならない”という説明がウソだったのです」
 野党はマトモな議論の“突破口”をつかんだ。副大臣と政務官を攻めればいいのだ。さて、官邸は金田法相に続いて、「副大臣・政務官隠し」までするのか。そうなれば法案審議の異常さがクローズアップされ、国民も違和感を覚えるだろう。政府・与党が画策する“連休明け採決”などもってのほかだ。

拉致被害者家族にとっても最低・最悪の首相

 第一次安倍政権は拉致問題解決を重要課題として登場した筈ですが、実際には何も取り組まないまま途中退場しました。
 その後民主党政権が出来ましたが、菅、野田の両政権の拙劣な政治によって、2012年の暮れに再度自公政権・第二次安倍内閣が出来ました。
 それから5年半近くが経過しましたが、拉致問題には何の取り組みもしませんでした。一日千秋の思いで帰還を待ちわびている被害者家族に対して一体どう言い訳をするつもりなのでしょうか。
 この間 単に拉致問題の解決に取り組まなかっただけでなく、逆に北朝鮮が核兵器の実験やミサイルの試射をするたびに安倍首相は世界に先駆けて北朝鮮を非難して来ました。それはひたすらアメリカの意向を忖度したものであって、とても拉致被害者問題を抱えている首相の言動には見えませんでした。
 
 このところ北朝鮮をめぐる緊張状態が続いていますが、ここでも安倍首相からは「ことあれかし」と願っている気持ちが伝わってくるだけで、事態を平和裏に収めようとする意志は認められません。万一、先ず米・北朝鮮間で戦端が開かれて結果的に北朝鮮が壊滅することになれば、拉致被害者の命の保障はありません。
 
 23日、拉致被害者の家族が東京で大規模な集会を開き、拉致問題が置き去りにされないか強い危機感を示すとともに、政府に対し被害者の早期帰国に向けた交渉を最優先で進めるよう求めました。
 その集会に出席した安倍首相は、拉致問題は安倍内閣の最重要・最優先課題だと強調したうえで、安倍内閣で解決するという決意のもと、アメリカとも連携して早期の解決を目指す考えを示したということです。
 この期に及んで一体どのツラ下げてそんなことが言えるのか、その厚かましさには呆れます。
 
 拉致被害者家族集会を報じたNHKニュース2本と、天木直人氏のブログ記事:「拉致問題は私の手で解決するという安倍首相の大ボラ」と「北朝鮮情勢の緊迫で『ツキがまわってきた』と叫んだ安倍首相」を紹介します。
 天木直人氏のブログを読むと安倍晋三という人間が、如何に拉致被害者家族の心痛から遊離した存在であるのかが良く分かります。そこにあるものは単なる虚栄心です。恐ろしく、また浅ましいことです。
 
 安倍首相がこの間 拉致被害者問題とかかわった唯一の事例として、2015年末に蓮池透氏が『拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々』(講談社)を著わしたことに関連して、逆ギレした安倍氏が翌年1月の国会で蓮池氏をこき下ろす発言をしたことが挙げられます。ご参考までにその記事のURLを下記します。
2016年1月16日 蓮池透氏が安倍首相の“逆ギレ”の国会答弁に反論!
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拉致被害者家族が集会 政府は早期帰国に向け交渉を
NHK NEWS WEB 2017年4月23日
北朝鮮の核とミサイル開発の問題に注目が集まる中、拉致被害者の家族が東京で大規模な集会を開き、拉致問題が置き去りにされないか強い危機感を示すとともに、政府に対し、被害者の早期帰国に向けた交渉を最優先で進めるよう求めました
集会でははじめに、拉致被害者の家族会代表で、田口八重子さんの兄の飯塚繁雄さんが「今、北朝鮮を取り巻く情勢が混とんとしており、被害者救出の旗が吹き飛ばされないか、拉致問題が置き去りにされないか、懸念しています。政府は拉致問題を最優先課題として取り組んでもらいたい」と訴えました。
そして、家族一人一人が訴えに立ち、中学1年の時に拉致された横田めぐみさんの母親の早紀江さんは「暴発が起きたりすることがないように世界中が知恵を出し合って、仲よく話し合いませんか、本当のことを話しませんかと、北朝鮮を説得してほしい」と呼びかけました。
集会では最後に、すべての拉致被害者の早期帰国を北朝鮮に要求するとともに、政府に対し、核やミサイルの問題とは切り離して、被害者救出のための交渉を最優先で進めるよう求める大会決議を採択しました。
23日は集会に先立ち、被害者の家族が安倍総理大臣と面会し、家族を代表して飯塚さんが「ことしは拉致から40年、家族会結成から20年の節目の年ですが、その時間の重みは相当なものです。ことし中に解決のめどがつくようお願いしたい」と求めました。 後 略)
 
 
首相「拉致問題 米と連携して早期解決目指す」
NHK NEWS WEB 2017年4月23日
安倍総理大臣は、北朝鮮による拉致被害者の家族らが開いた集会で、拉致問題は安倍内閣の最重要・最優先課題だと強調したうえで、安倍内閣で解決するという決意のもと、アメリカとも連携して早期の解決を目指す考えを示しました。
 
この中で、安倍総理大臣は「拉致問題は安倍内閣の最重要・最優先課題であり、被害者とご家族が抱き合う日まで私の使命は終わらない。拉致問題は安倍内閣で解決するという考えにいささかの揺るぎもない」と述べました。
そのうえで、安倍総理大臣は「核やミサイルの問題はあるが、同時に日本にとって拉致問題は極めて重要で、必ず解決しなければならない問題だということをトランプ大統領に伝えている。引き続き被害者の救出のために協力も要請しているが、アメリカとも連携しながらこの問題にあたっていく」と述べました。
 
また、安倍総理大臣は集会に先立って、拉致被害者の家族らと面会し、「ことしは、久米裕さん、松本京子さん、横田めぐみさんが拉致されてから40年、家族会が結成されてから20年の節目の年にあたる。長い歳月がたつ中、拉致被害者やご家族も高齢になり、もはや一刻の猶予も許されない」と述べ、早期解決を目指す考えを示しました。
 
 
拉致問題は私の手で解決するという安倍首相の大ボラ
天木直人のブログ 2017年4月24日
 歴代首相の中にはろくでもない首相も多かったが、その中でもこれほどホラを吹き続けるろくでもない首相はいなかっただろう。
 しかも、私的な会話におけるホラではない。経済・外交といった国民の暮らしと生命に直結する国の政策につてのホラである。
 その安倍首相が、きのう4月23日、厚かましくも、「救う会」の国民大集会に出席して、拉致被害者家族会の前で大ホラを吹いたらしい。拉致問題は私が司令塔となって必ず解決する、拉致被害者とご家族が抱き合うまで私の使命は終わらない、と大見得を切ったというのだ。
 これ以上のホラはない。トランプと一緒になって北朝鮮と戦争をしようとしている安倍首相に、どうして拉致被害者を助ける事ができるというのか。誰が考えてもあり得ないことだ。
 
 まだあの小泉純一郎の方がましだった。自分の手柄に目がくらんで拉致被害者の命を軽くみたり、ブッシュの米国に脅かされて腰砕けに終わったけれど、少なくとも平壌宣言をつくって日朝国交化との一括解決を目指した。安倍首相は、その足もとにも及ばない。
 
 横田早紀江さんはそろそろはっきりと言ったほうがいい。
 安倍首相では拉致問題の解決は無理だ。はやく新しい政権に代わって仕切り直してもらたい。
 我々には時間がないからできるだけ早く新政権が出来て欲しいと。
 もちろん、それは政権交代でなくてもいい。
 安倍首相の率いる政権でなければ、どんな政権でもいい、という事である(了)
 
 
北朝鮮情勢の緊迫で「ツキがまわってきた」と叫んだ安倍首相
天木直人のブログ 2017年4月24日
 いかにも安倍首相がいいそうなセリフだ。
 きょう発売の週刊現代(5月6・13日号)が、安倍官邸と外務省の北朝鮮情勢をめぐる迷走ぶりを、まるで見て来た事のように「生中継」と銘打って書いてる。
 そこに書かれている事はほとんど冗談のような事の数々だ。しかし、それが本当なら冗談どころではない。
 「北朝鮮情勢が緊迫してきてから、安倍さんはすっかり元気になって、『ツキがまわってきた』と側近たちに話しています。『安保法も集団的自衛権もやっておいてよかっただろ。シナリオ通りだよ』とも」(官邸スタッフ)というのだ。
 
 それはそうだろう。森友問題で下がった内閣支持率を北朝鮮の危機が引き上げてくれたからだ。
 私が驚いたのは、ペンス米副大統領との面会後、安倍首相がますます前のめりになったと書かれているところだ。北朝鮮有事があることを前提にして準備を進めるよう谷内正太郎NSC局長に指示したと書かれているところだ。
 アメリカが平壌を叩けば拉致被害者保護の目的で自衛隊を派遣できる、もし本当に拉致被害者を保護できれば支持率20%アップも夢ではない、と安倍首相は考えている、と書かれているところだ。
 
 確かに、最近の報道を見ると合点がいく。
 そして、私がもっとも注目したのは、今の外務省は外務次官OBである谷内正太郎NSC局長の下に、外務次官になりたい幹部がすべて安倍首相に絶対服従し、米朝開戦に向かって異様なテンションになっていると書かれているところだ。その一方で、安倍・谷内体制から外されているその他大勢の外務省キャリアたちは、戸惑っていると書かれている。
 
 私が繰り返して書いて来た通りだ。
 もはや外務省という組織は、安倍・谷内と次官欲しさの幹部たちによって完全に破壊されてしまった。
 もと同期の私だから言うが、谷内正太郎の大罪は計り知れないほど大きい。その谷内正太郎は、外遊の公務のかたわら、安倍首相の庇護の下に、セガサミーのカジノ利権実現に走り回っていると、月刊誌テーミスが書いていた。さもありなんと思わせる記事である。
 
 権力を握った者たちのやりたい放題だ。
 どこまでもあさましい連中である(了)