31日午後2時から三条市で植草一秀氏の講演会が開かれます(主催:高橋清隆氏 なお参加は予約制です)。
講演に関連して植草氏が掲題の記事を出しましたので紹介します。
ここでは、明治維新政府の初代司法卿として司法制度確立に最大の貢献をした人物でありながら、征韓論に関する閣内論争と分裂、その後の佐賀の乱への関与のかどで、新政府のもう一方の長州勢力の巨魁である大久保利通によって惨殺された「江藤新平」について語られ、それが後年 国権にとって邪魔な存在を排除するために警察権力を全面的に活用することにつながったと述べています。
植草氏自身が、小泉・竹中政権時代に でっち上げられた犠牲者の一人です。
追記)三条講演会の概要については下記を参照願います。
(9月10日)植草事件の『知られざる真実』/謀略で沖縄知事選歪めるな
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冤罪の泣き寝入りはできない
植草一秀の「知られざる真実」 2026年10月30日
10月31日土曜日午後2時から新潟県三条市で開かれる講演会に出席させていただく。
https://x.gd/7Rlnr 精力的な文筆活動を展開される高橋清隆氏の主催。
高橋氏は私の冤罪事件について一貫して正しい理解を示され、真相解明に向けて尽力くださってきた方。深く感謝を申し上げている。
私は巻き込まれた冤罪事件について語る。もう古い事件になった。
個人的には不条理な攻撃に晒され深く傷つけられた事案。心的外傷後ストレス障害に苦しめされてきたと言ってよい。人の世は理不尽と不条理に満ち溢れている。
大きな不条理に直面したことをこの世の不条理を学ぶ機会を与えられたものだと理解してきた。しかし、事案によって人間としての尊厳が傷つけられたことは紛れもない事実。
それが卑劣な冤罪によってもたらされたものである以上、泣き寝入りすることは適切ではないと考える。
この間、20年近くの歳月にわたり、再審請求の活動を継続してきた。
卑劣な冤罪の真相を明らかにすることは依然として重要であると考える。
改めて事件の全貌を公表して冤罪の真実を明らかにしたいと考えている。
この間、多くの方々が私の説明に耳を傾け、理解し、支援くださってきた。
「雨天の友」という言葉を深くかみしめてきた。
それでも、事件の全貌について十分な説明ができてきたわけではない。事件の全貌が明らかになったことを受けて、改めて冤罪の真実を広く周知させてゆきたいと考えている。
弁護士の後藤昌次郎氏が次の言葉を遺された。
「国家にしかできない犯罪、それは戦争と冤罪」。
明治維新の功労者のなかに識見の優れた偉人が存在した。江藤新平である。明治維新の巨魁は江藤新平と大久保利通だった。
江藤は初代司法卿として日本の司法制度確立に最大の貢献をした人物である。江藤は人権尊重の思想を有していた。その視点から冤罪の防止に心血を注いだ。同時に明治新政府の金権腐敗に果敢に立ち向かった。明治新政府は金権腐敗の後進政府だった。
その金権腐敗明治政府の金権腐敗事件に厳しく斬り込んだのが江藤新平。
金権腐敗の中心だった長州勢力にとって江藤は煙たい存在だった。
その江藤が征韓論に関する閣内論争と分裂、その後の佐賀の乱への関与のかどで大久保利通に惨殺された。
江藤は江藤が創設した明治日本の新しい裁判制度での裁判を受ける権利を有しながら、全権を掌握した大久保によって江戸刑法を用いた斬首・梟首の獄門刑に処せられた。
時代を分かつ出来事が明治六年政変だった。
日本が「江藤の日本」になるか「大久保の日本」になるかの分岐点だった。
このとき日本が「江藤の日本」になっていたなら、その後の日本史はまったく異なるものになったに違いない。
人権尊重の江藤に対して大久保は国権主義だった。国権のためには人権を犠牲にして構わないとの立場。
大久保の国権重視・人権無視の刑事司法行政のDNAが現在まで引き継がれている。
大久保は内務卿として内務省を掌握。この内務省が国政全般にわたる実権を掌握するとともに、司法省にあった警保寮を内務省に移管。内務省が警察権限を掌握することになった。
後年、その内務省に特別高等警察=特高が創設された。
特高の任務は国家権力に有害な人物を排除することである。国権にとって邪魔な存在を排除する。そのために警察権力を全面的に活用することが実践されてきた。
冤罪はこの世に存在する犯罪のなかでもっとも卑劣で残虐な犯罪である。私は「魂の殺人」と呼んでいる。
国家権力に不都合な人物を排除するための冤罪が存在することを知っておかねばならない。
そして、重要なことは、冤罪を創作することが可能な「環境」を保持することが最重視され続けてきたことである。
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湯沢平和の輪
「湯の町湯沢平和の輪」は、2004年6月10日に井上 ひさし氏、梅原 猛氏、大江 健三郎氏ら9人からの「『九条の会』アピール」を受けて組織された、新潟県南魚沼郡湯沢町版の「九条の会」です。
2026年10月31日土曜日
冤罪の泣き寝入りはできない(植草一秀氏)
31- 通常兵器でイランに勝てないイスラエルは核兵器を使うのか
櫻井ジャーナルの掲題の記事を紹介します。
米政府は近くイランを攻撃すると伝えられていますが、そうなればイランの報復攻撃はこれまでの報復攻撃を上回るものになることは確実で、通常兵器の戦闘で米国やイスラエルがイランに勝つことは不可能と見られています。
それなら核兵器を使うのかですが、米国もイスラエルもさすがにそこまで無謀ではないでしょう。イスラエルの核兵器保有の実態は、技術者として約8年間イスラエルの核施設で働いていたモルデカイ・バヌヌの内部告発が、同氏逮捕直後の1987年10月、英紙サンデー・タイムズ紙で報じられて明らかになりました。
それによるとイスラエルが保有する核弾頭の数は(当時)150から200発で、水素爆弾を保有し、中性子爆弾の製造も始めていたということでした。
それらが放置されたままで北朝鮮の核兵器保有をいくら非難してみても、大いに迫力に欠けるのはあまりにも当然のことです。
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通常兵器でイランに勝てないイスラエルは核兵器を使うのか
櫻井ジャーナル 2026.10.31
アメリカ政府は近くイランを攻撃すると伝えられている。もし本当に攻撃した場合、イランは西アジアにあるアメリカ軍の基地やイスラエルを激しく報復攻撃する可能性は高い。その報復攻撃はこれまでの報復攻撃を上回るものになることは確実だ。アメリカ政府はイスラエルの防空システムを増強しているようだが、これは機能しない。通常兵器の戦闘でアメリカやイスラエルがイランに勝つことは不可能だ。
イスラエルは核兵器を保有している。アメリカやソ連を含む何カ国かはそうしたことを知っていただろうが、内部告発という形で公にしたのはモルデカイ・バヌヌだろう。この人物は1977年8月から約8年間、技術者としてディモナの核施設で働いていた。1987年10月、イギリスのサンデー・タイムズ紙がバヌヌの話を写真つきで掲載、イスラエルが保有する核弾頭の数は150から200発、しかも水素爆弾を保有し、中性子爆弾の製造も始めていたという。
後にカーターはイスラエルが保有する核兵器の数を150発だと推測、イスラエルの軍情報機関ERD(対外関係局)に勤務、イツァク・シャミール首相の特別情報顧問を務めた経歴を持つアリ・ベン-メナシェによると、1981年時点でイスラエルがサイロの中に保有していた原爆の数は300発以上。水爆の実験にも成功していたという。(Seymour M. Hersh, "The Samson Option", Faber and Faber, 1991)
ベン-メナシェによると、イスラエルの情報機関は早い段階でバヌヌに関する調査を開始、彼が実際にディモナで技術者として働いていたことを確認している。
バヌヌは写真を携えてオーストラリアへ向かい、ジャーナリストのオスカル・ゲレロと知り合う。そのジャーナリストがバヌヌの写真を地元の「シドニー・モーニング・ヘラルド」に持ち込むのだが、記事の掲載を断った。
ところが、同紙はゲレロが持ち込んだ話をオーストラリアの対内情報機関であるASIO(オーストラリア安全保障情報機構)に伝え、その情報はさらに対外情報機関のASIS(オーストラリア安全保障情報局)へと伝わった。イスラエルへその話を知らせたのはこのASISである。
シドニー・モーニング・ヘラルド紙と同じ系列の「ザ・エイジ」にも掲載を拒否されたゲレロはロンドンに向かい、デイリー・ミラー紙に持ち込むのだが、ベン-メナシェによると、同紙の国外担当編集者のニコラス・デービスはイスラエルのエージェント。ゲレロは自分からイスラエル情報機関の網の中に飛び込んでしまったわけである。
しかし、ゲレロはデイリー・ミラー紙へ持ち込む前、サンデー・タイムズ紙と接触していた。同紙は記事を掲載する方向で動き始め、バヌヌはロンドンへやって来る。
それを知ったイスラエルの情報機関であるモサドのロンドン支局長はイギリスで国内を担当している治安局(MI5)にイスラエルが安全保障上の問題を抱えていることを伝えてバヌヌ監視の協力を要請、MI5はイギリス国内で政治的、あるいは外交的問題を引き起こさないという条件で協力を約束した。
情報機関側がバヌヌの宿泊場所を特定することは容易だった。ニコラス・デービスがサンデー・タイムズ紙の友人から簡単に聞き出すことができたのである。
モサドはバヌヌをロンドンで拉致して航空機でイスラエルへ連行したかったのだが、MI5との約束があるためイギリス国内で問題を起こすわけにはいかない。そこでバヌヌをイタリアのローマにおびき出す。そして登場してくるのが「シンディ・ハニン・ベントフ」なる女性だ。
シンディは散歩中のバヌヌに何気なく話しかけてパブに誘う。デートを何回か重ねた後、彼女はバヌヌに対し、ローマへ旅行しないかと持ちかけ、彼はローマ行きを承知する。バヌヌをローマで彼を待ちかまえていたのはモサドのエージェント3名。ローマで大きな箱に押し込められたバヌヌは船でイスラエルのアシュドッドに運ばれるが、外交特権で箱が調べられることはなかった。バヌヌは1988年3月に懲役18年の判決を受けている。サンデー・タイムズが記事の掲載を決定したのは1986年10月5日、バヌヌが拉致された数日後のことだ。
イスラエルがイランに対して核兵器を使用すれば多くのイラン人が殺され、国土は放射能に汚染されるだろうが、体制を転覆させることはできず、報復攻撃を防ぐこともできない。
本ブログでは繰り返し書いてきたが、イスラエルを作り上げたのはイギリスの寡頭体制。帝国主義者とも言える。その帝国主義者は19世紀からロシアや中国を征服し、富を奪おうとしてきた。アヘン戦争を仕掛けたもの彼らだが、陸軍が弱体なため、中国(清)を征服することはできなかった。彼らの代理人を務めることになったのが明治維新後の日本にほかならない。
その帝国主義者人脈はソ連消滅後にロシアを制圧するが、21世紀に入ると再独立に成功した。そこで帝国主義者はロシアを再征服するためにNATOを東へ拡大、ユーゴスラビアを破壊し、2014年2月にはキエフでクーデターを実行、彼らはウクライナ人を代理人としてロシアとの戦争を開始する。
当初、ロシアは動かなかったが、2022年2月にロシア軍がウクライナに対するミサイル攻撃を開始、すでに代理軍だったウクライナ軍は壊滅状態で、ネオ・ナチが前面に出ざるをえなくなっている。NATO軍がロシア軍と直接戦わざるをえない。しかもNATO軍の敗北は決定的。アメリカはイスラエルへ防空システムを供与しているものの、ウクライナには渡せない。ウクライナは見切りをつけられた。NATOに参加しているヨーロッパ諸国はバルカン半島の周辺に新たな戦線を築くつもりだと考える人もいる。
2026年10月29日木曜日
米国の代理として中露と戦争する準備をしている日本
櫻井ジャーナルの掲題の記事を紹介します。
高市首相と小泉防衛相は、トランプの「日本の軍事費を対GDP比3・5%に」の要求を当然のように受け入れようとしています。
とてもまともな判断力を持っているとは思えない二人に任せていれば、日本は早々に軍事費だけでニッチもサッチも行かなくなります。
政府が任意に人選して構成する、安保3文書改定を巡る「総合的な国力から安全保障を考える有識者会議」はすでに第5回会合が終了しています。
その中で軍事費を現行の年11兆円規模から20数兆円まで引き上げるには、その財源として「増税も選択肢から排除すべきではない」との声が早くも上がっているということです。国債を排除すれば今度は増税が台頭するのは当然の成り行きです。元々が際限のない特性を持つ「軍事力拡張」に踏み出せば、とても綺麗ごとではすみません。
今年3月、米国防総省はAI指揮統制システム(メイブン・スマート・システム)を採用すると公表しているので、早晩、自衛隊の統合作戦司令部(陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊を一元的に指揮する常設組織)もそれに組み込まれることになります。
そうなれば「米国の代理として中露と戦争する」事態は『目前』と言えます。
高市首相も小泉防衛相も浮ついた考えは捨てて現実を直視し、近未来の日本の様相を直視することに努めるべきです。
併せてしんぶん赤旗の記事「軍事費増へ『増税も』安保3文書巡り有識者会議」を紹介します。
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米国の代理として中露と戦争する準備をしている日本
櫻井ジャーナル 2026.10.26
自衛隊の統合作戦司令部は10月19日、日米共同統合演習「キーン・ソード27」を開始した。29日まで実施される予定だ。自衛隊から約4万5000人、オーストラリア、カナダ、フランス、ドイツ、オランダ、ニュージーランド、フィリピンからも参加しているという。
統合作戦司令部は陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊を一元的に指揮する常設組織として2024年3月に組織されたが、これによって自衛隊はアメリカ軍の指揮下に入ったとも言われている。
自衛隊の「指揮統制」において、指揮官らの判断を支援するAI(人工知能)としてパランティア・テクノロジーズの「メイブン・スマート・システム」を導入する動きがある。今年3月、アメリカ国防総省はこのAI指揮統制システムを採用すると発表しているので、アメリカの動きと連携している可能性が高い。
メイブンはデータ中心型のプラットフォームだとされ、衛星画像、ドローンからの映像、レーダーのデータ、戦場センサー、情報報告などを統合する。今年2月に実施された日米共同統合演習「キーン・エッジ」でも試験運用された。
パランティア・テクノロジーはキエフで始まった対ロシア戦争、西アジアの対イラン戦争、COVID-19(2019年-コロナウイルス感染症)プロジェクト、そして東アジアでの戦争準備で中心的な役割を果たしている。対ロシア戦争や対イラン戦争でアメリカは敗北、COVID-19では世界規模の収容所化が試みられ、人びとを深刻な副作用で苦しめているのだが、これがアメリカ国防総省のプロジェクトだということが判明している。
自衛隊とアメリカ軍は中国やロシアとの戦争に備えている可能性が高いのだが、そうした流れが作られたのは2010年6月に成立した菅直人内閣からだと言えるだろうが、その前にアメリカの戦略変更がある。アメリカの軍事と外交を管理してきたネオコンは1992年2月、アメリカ国防総省のDPG(国防計画指針)草案として世界征服プロジェクト、いわゆる「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」を作成、日本もそのプロジェクトに巻き込まれる。
そのドクトリンの最優先事項は新たなライバルの出現を防ぐこと。ドイツと日本をアメリカ主導の集団安全保障体制に統合し、民主的な「平和地帯」を創設する、つまりドイツと日本をアメリカの戦争マシーンに組み込んでアメリカの支配地域を広げるということも謳われている。
それに対し、1993年8月に成立した細川護煕政権は国連中心主義を打ち出して抵抗したものの、94年4月に脆くも倒されてしまう。同年6月から自民党は社会党やさきがけを巻き込んで連立政権を樹立、抵抗したが、押し切られた。
アメリカでは1995年2月、ジョセイフ・ナイが「東アジア戦略報告(ナイ・レポート)」を発表してアメリカの政策に従うように命令、このタイミングで日本を震撼させる出来事が相次いだ。
つまり、1994年6月に長野県松本市で神経ガスのサリンがまかれ(松本サリン事件)、95年3月には帝都高速度交通営団(後に東京メトロへ改名)の車両内でサリンが散布された。(地下鉄サリン事件)松本サリン事件の翌月に警察庁長官は城内康光から國松孝次へ交代したが、その國松は地下鉄サリン事件の直後に狙撃されている。
1995年8月にはアメリカ軍の準機関紙と言われているスターズ・アンド・ストライプ紙に85年8月12日に墜落した日本航空123便に関する記事を掲載、墜落の際に自衛隊が不適切なことを行なったと示唆。こうした出来事と並行する形で証券スキャンダルや銀行スキャンダルが発覚、大蔵/財務官僚はアメリカに屈服した。
菅直人内閣は樹立した直後の閣議決定で尖閣諸島周辺の中国漁船を海上保安庁が取り締まれることに決め、2000年6月に発効した「日中漁業協定」を否定した。この動きで中心的な役割を果たしたのは国土交通大臣を務めていた前原誠司。彼は9月に外務大臣となり、外交的に問題を修復する道を断ち切ることになった。
それまで中国と日本との関係は悪くなかった。田中角栄は総理大臣として1972年9月に北京を訪問、日中共同声明の調印にこぎつけて日本と中国との関係は友好的なものになり、経済的なつながりも強まっていたのだ。その関係を菅直人内閣が壊しにかかった。
そして2025年11月、高市早苗首相は衆院予算委員会で「台湾有事」について問われた際、「戦艦を使って、武力の行使も伴うものであれば、これはどう考えても存立危機事態になりうるケースだ」と発言したのだ。高市首相も「ひとつの中国」を認めているはずで、彼女の発言は中国の内戦に日本が参戦することを意味する。この発言は取り消されていない。
アメリカ国防総省系のシンクタンク「RANDコーポレーション」が2022年4月に発表した報告書によると、GBIRM(地上配備中距離弾道ミサイル)で中国を包囲する計画を彼らは持っている。ただ、当時のアメリカは日本が掲げる専守防衛の建前、そして憲法第9条の制約を尊重し、ASCM(地上配備の対艦巡航ミサイル)の開発や配備で日本に協力するという形にするとしていた。
この報告書が発表される前から日本におけるミサイルの配備は進んでいて、自衛隊は2016年に与那国島でミサイル発射施設を建設し、19年には奄美大島と宮古島、そして23年には石垣島でも施設を完成させた。これらは台湾と繋がっているはずだ。
当初、アメリカは日本が掲げる専守防衛の建前、そして憲法第9条の制約を尊重していて、ASCM(地上配備の対艦巡航ミサイル)の開発や配備で日本に協力するという形にするとしていたのだが、2022年10月になると「日本政府が、米国製の巡航ミサイル『トマホーク』の購入を米政府に打診している」と報道された。
アメリカ国防省はロシアや中国との戦争を想定、代理戦争を目論んでいると言われている。フィリピン、韓国、台湾、日本などを西太平洋における「ウクライナ」にしようとしているように見える。韓国はこうした目論見に抵抗しているが、日本は戦争の準備を進めている。
軍事費増へ「増税も」安保3文書巡り有識者会議
しんぶん赤旗 2026年10月28日
安保3文書改定を巡る「総合的な国力から安全保障を考える有識者会議」の第5回会合が27日、首相官邸で開かれ、大軍拡の財源について議論しました
トランプ米政権はすべての同盟国に国内総生産(GDP)比3・5%以上の軍事費を要求しており、これを達成するには現行の年十一兆円規模から二十数兆円まで引き上げる必要があります。その財源を巡り、出席者から「増税も選択肢から排除すべきではない」との声が上がりました。
別の出席者は、防衛省予算の積み増しに加え、経済安保、人工知能(AI)などに関する費用も「防衛関連費」として計上すべきだと指摘しました。
また、財務省は提出した資料で、①日本は債務残高がGDP費で200%以上に達し、欧米各国と比較して高い水準にある ②普通国情残高が1000兆円を超え、金利上昇で利払い費が増える-などの数字を示し、軍拡財源としての赤字国債発行に否定的な見解を示しました。
次回会合は12月上旬に開催する方向で調整。3文書改定前の最後の会合として報告書を取りまとめ、高市早苗首相に提出する見通しです。
メディアは嘘八百だと疑え/武部事件と小沢事件の比較(植草一秀氏)
植草一秀氏の掲題の2つの記事を紹介します。
(1番目の記事)
国民の殆どはマスメディアから情報を入手していますが、そもそもメディアを支配する側は「意図」をもって情報を誘導するので、ほとんどの人々が洗脳されることになります。
支配する側の意図とは結局「(現政権を含む)体制側の政策の擁護」に尽きます。
現実にメディアは政府の諸政策を擁護するだけでなく、政府の「支持率を高めに保持」するための偽装まで行って政権の延命に努めます。
植草氏は、小泉内閣、第2次以降の安倍内閣がそうであり、高市内閣に対してもメディアが政権を支える方向に強い工作力を加えていると批判します。
(2番目の記事)
上記に反した例は唯一2009年8月30日の総選挙で自民党を大敗させて登場した民主党政権でした。この政権は自民党路線を徹底的に批判して体制を刷新すると見做した検察は、実質的なリーダであった小沢一郎氏のまずは秘書たちに焦点を絞り、て二度にわたって逮捕・起訴しました。
1度目の件では途中で起訴を取り下げ、2度目の件では高裁まで行きましたがそこでも無罪判決が出され、いずれも無理筋の立件であったことが明らかになりました。
しかしその過程において、メディアは一斉に検察に同調し、まさに国を挙げて徹底的な小沢批判の嵐を吹き荒れさせました。その結果鳩山政権が退場してからは民主党内のいわば保守派の連中による組閣(菅直人政権⇒野田佳彦政権)が行われるようになり、簡単に自民党政権の天下が再来しました。
植草氏は、「(当時)小沢氏秘書が突然逮捕・勾留されたことと比較して、武部氏(新農水相)に対する対応は同じ国の刑事事件事案への対応と思えない。この国の歪みは鮮明だ」と批判します。
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メディアは嘘八百だと疑え
植草一秀の「知られざる真実」 2026年10月27日
人々はマスメディアに流される。「ウソも百回言えば真実になる」と言われるが口コミと異なりマスコミは拡声力が大きい。
マスメディアの影響力は依然として大きい。
現在のメディアにはニューとオールドがあるが共通点は資本の力によって支配されること。
個人は太刀打ちできない。巨大なカネの力でメディアを支配する。オールドメディアもニューメディアもカネの力に支配される。そのマスメディアから情報を入手するとほとんどの者が洗脳される。メディアを支配する者は「意図」をもって情報を誘導する。
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第1章は 「高市持率(こうしじりつ)工作」
人為的に高市内閣人気が高いように「偽装」されている。高石内閣の出発点は「政治とカネ」の不祥事。自民党は「解党的出直し」とまで言った。このなかで高市内閣が誕生した。
真っ先に示すべきは「政治とカネ」問題への抜本対応。企業団体献金全面禁止に踏み込むことは当然だった。
ところが高市内閣は「政治とカネ」への対応を闇に葬った。言語道断の対応と言うほかない。代わりに「議員定数削減」を言い始めたが与党に有利な「比例定数削減」を提示したことは、どれほど面の皮が厚いのかを示す示威行動でしかなかった。
ここで出番が作られたのがマスメディア。マスメディアが「政治とカネ」問題を闇に葬った高市内閣に集中砲火を浴びせる。当然のことだろう。
ところが、メディアは真逆の対応を示した。
「政治とカネ」問題を闇に葬ったことを批判したマスメディアは皆無に近かった。
足並みをそろえて女性初の首相を礼賛する報道を展開し続けて現在に至る。
高市氏が一本釣りで農水相に起用したやな氏。暴言の数々が明らかになったが高市首相は続投を宣言。世の中を甘く見ていることが改めて鮮明になった。批判に晒されて高市首相は白旗を上げた。後任の農水相に起用した武部氏の数々の不祥事が明らかにされている。
本来は辞任ドミノが避けられない情勢。
共同通信、時事通信、NHKの世論調査で軒並み内閣支持率が急落。全社が揃って支持率急落というのが真実を映す世論調査である。
ところが、「内閣支持率横ばい」が喧伝されている。「ウソ」だと思われる。
しかし、世論調査を取り締まる法律はない。ウソの立証も容易でない。ねつ造し放題である。「ウソも百回言えば真実になる」の実証実験が行われている。
メディアが情報工作するということはメディアを支配する支配者に「意図」があるということ。石破内閣のときは内閣が崩壊する方向に情報が誘導された。高市内閣と真逆。
鳩山内閣のときも内閣が崩壊する方向に情報が誘導された。
ところが、高市内閣では違う。『日本経済の終宴』に書いた。
小泉内閣、第2次以降の安倍内閣、そして、高市内閣はメディアが政権を支える方向に強い工作力を加えている。
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武部事件と小沢事件の比較
植草一秀の「知られざる真実」 2026年10月28日
2009年3月3日に勃発した「西松事件」。小沢一郎氏の公設第一秘書であった大久保隆規氏が突然逮捕された。
翌年の2010年1月15日。今度は大久保隆規氏、石川知裕氏、池田光智氏の3名の秘書が逮捕された。「陸山会事件」。
さらに、2011年1月31日。小沢一郎氏は東京第五検察審査会による二度の「起訴相当」議決により起訴された。
その小沢氏は2012年11月12日の高裁判決で無罪を言い渡され、その後確定した。
ほとんどの市民は小沢氏が巨大な贈収賄事件で刑事被告人になったと受け止めた。
メディアが印象操作を展開し続けたからだ。その市民は小沢氏が巻き込まれた事件の真相をほとんど知らない。小沢氏が巨大犯罪の被疑者になったとしか感じていない。
しかし、真実はまったく違う。
事件が発生したのは敗戦後日本における最重要の政治転換点に差し掛かる局面だった。これが事件が「創作」された主因であったと思われる。
「西松事件」も「陸山会事件」も検察の言いがかりに過ぎない。
小沢氏はチンピラに絡まれて重大な傷を負わされた被害者である。
なぜ小沢氏が激しい攻撃を受けることになったのか。
その背景を考えることが何よりも重要である。
「西松事件」と「陸山会事件」について簡単に解説しておく。
「西松事件」とは中堅ゼネコンの西松建設関連の政治団体からの寄附を政治資金収支報告書に記載して提出したことについて、検察が「虚偽記載」であるとして検挙したもの。
小沢氏の資金管理団体は政治団体「新政治問題研究会」、「未来産業研究会」から寄附を受けたことを収支報告書に記載して提出した。
検察は二つの政治団体に実体はなく、収支報告書には「西松建設」と記載しなければならなかったと指摘。政治団体名からの寄附として処理した収支報告書が「虚偽記載」であるとして秘書逮捕に踏み切った。
実は小沢氏資金管理団体とまったく同じ収支報告をした政治資金管理団体がほかに12あった。しかし、刑事責任を追及されたのは小沢氏の資金管理団体だけだった。
警察官僚で当時の官房副長官だった漆間巌氏が「この問題は自民党に波及しない」と述べて大問題になった。
この事件の第2回公判が2010年1月13日に開かれ、西松建設元取締役総務部長の岡崎彰文氏が法廷で証言した。岡崎氏は二つの政治団体には事務所もあり、常駐の職員もいると証言。二つの政治団体に「実体」があることが証明された。
この時点で小沢氏の無罪は確定した。
検察は史上空前の大失態を演じたことが明らかになった。
しかし、日本のメディアはこの史上空前のビッグニュースを一切報道しなかった。
検察は謝罪、起訴取り下げに進まねばならなかったが、2日後の1月15日に、新たに「陸山会事件」を「創作」したのである。
こちらは、2004年10月に代金決済され、2005年1月に移転登記された世田谷区所在の不動産を小沢氏資金管理団体が取得したことについて、小沢氏資金管理団体が2005年収支報告に記載したことを検察が「虚偽記載」としたもの。
検察は収支報告は2004年に行う必要があるとした。この重箱の隅を突くような些末な事案で小沢氏秘書3名を逮捕・勾留したのである。
のちの公判法廷で商法と会計学を専門とする大学教授が、上記のケースでは移転登記が完了した2005年の収支報告書に記載することが適正であると証言した。不動産取得を2005年の収支報告書に記載して提出したことは適正な対応だったのである。
二つの事案とも完全な冤罪。秘書を逮捕・勾留するような事案でない。
これに対して現在はどうか。
やな大臣更迭後に農水大臣に起用された武部新氏の「政治とカネ」問題が次から次に明らかになっている。
小沢氏秘書が突然逮捕・勾留されたことと比較して、武部氏に対する対応は同じ国の刑事事件事案への対応と思えない。
この国の歪みは鮮明だ。
(中 略)
続きは本日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」第4564号
「武部農水相の更迭必須」 でご高読下さい。
(後 略)