高市内閣が理解不能の高支持率を維持していた頃は、TVや一般商業紙は政権に迎合する記事しか出しませんでした。稀に見る最悪の政権であったにも拘わらずにです。
さすがに「皇室典範改定案」に至っては、そのあまりのお粗末さと荒唐無稽さに、産経を除く殆ど全紙がそれを痛烈に批判する社説を、数次にわたり掲載するようになりましたが・・・
そんな中で一貫して厳しい批判記事を出してきたのがご存知の通り「日刊ゲンダイ」でした。
下掲の直近の3つの記事を降順に紹介します。
・来春の統一地方選の争点は「皇室典範」再改正で決まり 高市内閣支持率急落で野党にも一筋の光明(07/26)
・生活者無視の異常国会…高市政権ユルユル放漫財政のツケで積み上がった財源不足は40兆円!(07/25)
・やることなすこと全て裏目 ボロが出た高市内閣の限界と今後(07/24)
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来春の統一地方選の争点は「皇室典範」再改正で決まり 高市内閣支持率急落で野党にも一筋の光明
日刊ゲンダイ 2026/07/26
国民有権者にとって、後味の悪い国会の幕切れだったろう。暮らし向きは悪くなる一方なのに、圧倒的多数を握る自民・維新の高市連立政権は愛子天皇の誕生を阻止するための皇室典範の改正やら国旗損壊処罰法やら大阪副首都構想やら、はっきり言って不要不急のことばかりに血眼になり、気づけば、衆院選で自民党を圧勝させてしまったことの後悔先に立たずの国会だった。強いて一筋の光明を見いだすとすれば、ここにきて高市内閣の支持率が予想外のスピードで大幅な値崩れを起こしたことだ。各社軒並み10ポイントほどの下落率である。その最大の要因が「愛子天皇」の誕生阻止をもくろむ皇室典範改正案の可決、成立への疑念や違和感にあったことは言うまでもない。
とはいえ、今回の皇室典範改正を自らの引退の花道とした自民党の麻生太郎副総裁にとっては、高市内閣の支持率がどうなろうと我関せずだ。
「本当にようやく成し遂げることができた。すべての関係者に敬意を表したい」
23日、派閥の会合であいさつに立った麻生太郎はこう語った。言葉の謙虚さとは裏腹に、今回の改正で今上天皇の皇統を絶ち、自分の血筋に連なる天皇の誕生が視野に入れば、さすがに高揚感は隠し切れない。公布は24日、施行は3カ月後の10月24日となるが、話はこれで終わらない。
麻生が皇室典範改正の今国会成立に強くこだわったのは、本欄既報どおり、9月24日に開催される男系男子皇統派の牙城ともいえる“日本会議・日本会議国会議員懇談会”の設立30周年パーティーに切りよく間に合わせたかったからだ。一方でこれに対抗してパーティー会場の周辺では、大規模な抗議デモが計画されてもいる。
「どの世論調査でも、女性・女系天皇容認の声が断然多く、それが愛子天皇待望論となり、今回の改正をきっかけに、麻生副総裁や高市政権への批判の拡大となっています。この批判の声がうまくまとまれば、高市政権にさらなるダメージとなるので、9月の抗議デモは注目ですし、これまで高市政権に手出しできなかった弱小野党がようやく息を吹き返し、来春の統一地方選に向けて対決姿勢を鮮明にしていくのは間違いありません」(全国紙デスク)
その場合、愛子天皇の誕生を可能にする皇室典範の“再改正”を争点化すれば、国民の理解と支持が得やすいという。なるほど、高市政権の独裁や暴政を抽象的に批判していても有権者には響かない。「再改正」という一点で攻めれば、面白いことになりそうだ。
(特命記者X)
生活者無視の異常国会…高市政権ユルユル放漫財政のツケで積み上がった財源不足は40兆円!
日刊ゲンダイ 2026/07/25
「高市内閣の政策を大きく前に進めることができた」──木原稔官房長官がきのう(24日)の定例会見で特別国会を総括した言葉だ。前進させた政策として「国家情報会議」創設法、改正皇室典範を挙げたが、いずれも暮らしに直結しないものばかり。物価高に苦しむ生活者を無視した異常な国会を物語る。
木原官房長官は「引き続き気を引き締め、日本列島を強く豊かにしていきたい」と続けたが、ユルユル財政のツケは積み上がるいっぽうだ。代表例は食料品の消費税減税である。
「骨太の方針」に〈本年8月上旬までを目途に、その方針を決定する〉と明記したものの、「実質ゼロ」を目指せば必要な財源は年5兆円に上る。しかし高市首相は「赤字国債に頼らない」と言うだけで、財源捻出の具体策は何ひとつ語らない。
骨太方針の目玉策「370兆円超の官民投資計画」もズボラの極みだ。2040年度までに民間から250兆円を引き出す目標を掲げているが、具体策はゼロ。政府支出の規模も明確な内訳は示されていない。民間分を差し引いても、来年度からの14年間で年平均8.5兆円ほどの財源が必要なのに、単に大風呂敷を広げているだけだ。
ガソリン・軽油引取税の旧暫定税率廃止に伴う国と地方の計1.5兆円の税収減や、日本維新の会肝いりの高校無償化の財源の一部0.7兆円の穴埋めも先送り。締めて年15.7兆円もの手当てがつかないまま、年内の安保関連3文書改定は既定路線だ。
ムダ削減は実質0円
防衛費増額の規模は未定だが、すでにトランプ米政権が同盟国に求める「GDP比3.5%超」は押し返せそうにない。受け入れれば年24.1兆円と、今年度当初予算の約9兆円から2.6倍以上に跳ね上がる。
「高市政権は政策減税の租税特別措置や産業向け補助金など優遇制度を見直し、『ムダを削って財源を確保』と各省庁に自主点検を促した。ところが、約120件の優遇制度のうち廃止方針が示されたのは1件のみ。経産省所管の『企業の事業再編にかかる登録免許税の軽減』だけで、24年度の開始から申請実績はゼロ。ただ、こちらの減税措置は直接的な予算を計上しておらず、つまり生み出した財源は実質0円です」(政府関係者)
年総額40兆円規模の財源不足が宙に浮いた状態が、いつまでも続くわけがない。いずれ放漫のツケが大増税の形で庶民に回って来るのは必至だ。
やることなすこと全て裏目 ボロが出た高市内閣の限界と今後
日刊ゲンダイ 2026/07/24
皇室典範で見えた裏口入学のような国会運営の狡さと横暴。Xで分かった能力的限界と政治センス。陳述書も案の定の墓穴で、いよいよ、始まる高市作り笑い政権の自壊。
◇ ◇ ◇
「近日中に秘書の陳述書を提出する」
国会で問題視され続けてきた、いわゆる「中傷動画」問題などを巡って、先月22日の衆院予算委員会でこう約束していた高市首相。あれから1カ月が経過し、今月22日にようやく疑惑の渦中にある木下剛志秘書の「陳述書」を衆院予算委員長に提出した。
ところが、案の定、中身はスカスカ。「記録がない」「記憶もない」のオンパレードである。高市は、この陳述書をもって「答弁に代えさせていただけないか」と言っていたが、答弁代わりになるようなシロモノではなかった。
例えば、中傷動画については「作成・発信したことも、第三者に依頼したこともない。そのような動画を一度も見たことがない。存在するかどうかも承知してない」と否定したが、動画作成者の男性とのオンライン会議実施を認めながら「顔とお名前のはっきりとした記憶がなく、直接お会いしたことのない方については、私としては『面識はない』としか申し上げようがない」と強弁。
週刊文春と共同通信が入手した動画作成者の男性とのショートメッセージのやりとりについても、「選挙期間中の大量のやりとりの一つ一つを覚えているわけではないが、考えられる限りの確認を行った結果、そのような記録も記憶もない」と言い張っている。
陳述書提出という手法自体が間違い
サナエトークンを巡っては、暗号資産発行について事前説明も受けていなければ、承認もしていないと主張。あくまで「国民の声を広く聞くための企画」で、「アプリ内のポイントのようなものであると認識していた」と弁明した。しかし、昨年末に発行業者側と行ったオンライン会議で「暗号資産」という言葉が使われたことについては「当該企業の方がそう言っておられるのであればそうなのかもしれない」としつつ「私は聞いた記憶はありません」と言うのである。
進むも地獄、退くも地獄。高市政権に迫る「8月危機」
陳述書だけじゃない。高市はやることなすこと全てが裏目。皇室典範改正に至る経緯を巡っても、国会運営の狡さと横暴ばかりが目立っていた。重視していた「静謐な環境」と「立法府の総意」を政府が蹴とばし、野党から批判を浴びても高市は知らぬ存ぜぬ。「男系男子ありき」で議論を拙速に進め、“裏口入学”のような形で成立にこぎつけたのだった。
結果、大手メディアの世論調査で、高支持を維持してきた内閣支持率はガクンと下落。毎日新聞の調査では、支持率が6月調査比10ポイント減の41%となり、不支持率の44%を下回った。朝日新聞の世論調査では、典範改正で国民の「理解を得られた」が24%、「得られていない」が60%、女性が天皇になれないことには「納得できる」が29%、「できない」が62%。「立法府の総意」を踏みにじり、結果的に国民の不信を買ったわけだ。
21日に高市政権が閣議決定した経済財政運営の指針「骨太の方針」も、マーケットから総スカンである。6月に公表した原案に「『強い経済』の実現のためにも、適切な金融政策運営を伴うことが非常に重要」などと書き込んだことが日銀の利上げを牽制したと受け止められ、円安と長期金利の上昇(国債価格は下落)につながった。
これに慌てた政府は脚注に「日本銀行法第3条に基づき、金融政策の具体的な手法については日銀に委ねられる」との文言を加筆。日銀の独立性に配慮してみせたが、長期金利は高止まりし、円相場は1ドル=163円台という水準だ。完全に不発である。
“アイドルしぐさ”で大失敗
政権発足から9カ月、いよいよ高市の能力的限界、政治センスのなさが露見したということだ。それを如実に表しているのが、20日夜の高市のXへの投稿だろう。
7月に入ってからの土日について、やれ「分厚い資料を早朝から深夜まで読み続け」だの「書類の山と格闘して過ごしていました」だのとのたまったかと思えば「総理就任以来、0時間~3時間睡眠が常態化」と寝てないアピールだ。平日は風呂掃除や入浴、夕食、洗い物、と家事に追われている実態を吐露。聞かれてもいないのに「アイロンかけが下手で時間がかかる」と、あざとさ全開だったが、さすがにSNSで批判が殺到している。一体どういうつもりなのか。
法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)が言う。
「アイドル評論家の中森明夫さんが朝日新聞のインタビューで語っていましたが、アイドルは『自分が推してあげなければ!』というファンの思いを引き出せるか否かが勝負とのこと。そのためには、アイドルは『余白』や『隙』を見せないといけない。高市首相の『アイロンかけが下手』は余白や隙そのものでしょう。これまでもこの手法で『推し』を得てきたわけですが、終盤国会で横暴を繰り返した結果、世論の反発を招き、今は『隙』が受け入れられる空気ではない。物価高を何とかしてほしいのに、なぜ皇室典範改正、国旗損壊罪創設などと無関係なことに血道を上げるのか。国民の不信が高まっている中でアイドル的な振る舞いをしても、批判されるに決まっています。そもそも、健康管理も含めて職務である一国のトップが寝てないアピールなどあり得ない話です」
あの作り笑いも“アイドルしぐさ”の一環ということか。いずれにせよ、ボロが出た高市内閣はもはや限界。今後はどうなるのか。法政大教授の山口二郎氏(政治学)はこう見る。
「今後の焦点は、2年間限定の食料品の消費税減税でしょう。高市首相は、政府と与野党による社会保障国民会議で今月末にも意見集約を進め、8月初めまでに方針を決定する考えを表明していますが、これは進むも地獄、退くも地獄です。消費税減税を決めれば、財政への信頼低下から金利の上昇、さらなる円安進行で市場という形で批判にさらされる。一方、減税を取り下げれば、衆院選で『実現に向けた検討を加速』とした公約を破ることになります。物価高にあえぐ国民からの猛批判に遭い、何となく維持していた高支持率もガタ落ちしかねない。そうなれば、控えめだった大手メディアも遠慮なく批判を展開し始めるでしょう。結果、党内も『高市でいいのか』とザワつき、高市首相を取り巻く空気も変わってくる可能性があります」
この調子だと、高市はまたぞろ裏目、墓穴を繰り返しかねない。いずれ自壊の道をたどることになるのではないか。
湯沢平和の輪
「湯の町湯沢平和の輪」は、2004年6月10日に井上 ひさし氏、梅原 猛氏、大江 健三郎氏ら9人からの「『九条の会』アピール」を受けて組織された、新潟県南魚沼郡湯沢町版の「九条の会」です。
2026年7月27日月曜日
来春の統一地方選の争点は「皇室典範」再改正で決まり/生活者無視の異常国会 ほか(日刊ゲンダイ)
特別国会会期末茶番の深層(植草一秀氏)
植草一秀氏の掲題の記事を紹介します。
焦点だった「副首都構想」関連法案は24日、参院本会議で採決が行われ2票差の賛成多数で可決・成立しました。
野党は法案の附帯決議に、「住民投票と統一地方選の同日実施を禁止する条項」を盛り込むことで採決に応じましたが、「附帯決議」には法的拘束力がないので、現実に吉村洋文大阪府知事は法律成立後に付帯条項を無視することを示唆しました(附則や附帯決議に法的拘束力がないことは野党も承知の筈です)。
衆院で与党が2/3以上を握っているので、衆議院での再可決などの手法を用いて成立させることは可能ですが、植草氏は「そうした強引な政治運営を行えば主権者の与党支持は確実に低下するので、野党は堂々と会期延長に応じて徹底抗戦すべきだった」と指摘します。
そして「疑惑のデパート」と化した高市首相の疑惑を明らかにするには膨大な時間が必要なので、「与党が会期の大幅延長を提示するならこれを堂々と受けるべきだった」と述べ、「高市首相の多数の疑惑を解明する上で国会会期の大幅延長は好都合だった。その分、夏休みは短くなるので、野党も夏休みを取りたいとの誘惑が勝ったのだろう」と指摘します。
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特別国会会期末茶番の深層
植草一秀の「知られざる真実」 2026年7月24日
衆議院予算委員会での集中審議が先送りされた。
7月27日(月)の午前中に開かれることになった。疑惑のデパートと化す高市首相に対する質疑が行われる。
時間の制約がないのだから午前から午後まで丸1日の時間を取って実施すべきだ。
焦点とされた「副首都構想」関連法案は24日、参院特別委員会で賛成多数で可決された。
その後、参院本会議で採決が行われ、賛成多数で可決・成立した。
投票総数は244票で、賛成123票、反対121票だった。
「採決には応じない」としていた野党が採決に応じた理由は次のように説明された。
維新が目指す「大阪都構想」に向けた住民投票と統一地方選の同日実施について、その是非が焦点になった。野党は法案の附帯決議に住民投票と統一地方選の同日実施を禁止する条項を盛り込むことで採決に応じたとされる。実際に付帯条項にこれが明記された法案が採決されて賛成多数で可決・成立した。
問題は「附帯決議」に法的拘束力がないこと。現に大阪府の吉村洋文知事は法律成立後に付帯条項を無視することを示唆する発言を示した。
立憲民主党は野党が採決に応じない場合に与党が特別国会の会期延長を強行する場合には、それに応じるとの考えも示していた。ところが、「附帯条項」という「あいまいな特約」で採決に応じてしまった。
これは憲法改正の手続きを定める「国民投票法改定案」への対応と共通する。
採決が強行された国民投票法改定案はCM規制、資金規制、ネット規制についての措置を定めない不完全なもの。
この不完全な法案の採決に応じる理由として、CM規制、資金規制、ネット規制等を定める法的措置などの必要性を明記する附帯決議を付すこととした。
その附帯決議を付した法案に立憲民主は賛成してしまった。
しかし、附則や附帯条項には法的拘束力がない。「実効性」が担保されていない。
大阪で住民投票と統一地方選が同日実施されても違法にはならない。
立憲民主の対応は「腰砕け」と言うべきものだ。今次国会の最大焦点とされて「副首都創設法案」が野党腰砕けで可決・成立してしまったのである。
与党が数を握っているから野党の抵抗には限界がある。
しかし、例えば衆議院での再可決などの手法を用いて与党が強引な政治運営を行えば主権者の与党支持は確実に低下するだろう。野党は堂々と会期延長に応じて徹底抗戦すべきだった。
「疑惑のデパート」と化す高市首相。
24日にテレビ中継入りで予算委集中審議が行われるはずだった。ところが、衆院予算委は参議院での副首都法案審議が中断していることを口実に予算委員会開催を先送りした。
結局、国会閉会後の27日(月)午前に開催されることになった。
高市首相の疑惑を明らかにするには膨大な時間が必要。与党が会期の大幅延長を提示するなら、これを堂々と受けるべきだった。徹底して予算委員会での集中審議を行えばよい。
高市氏の公設第一秘書木下剛志氏、サナエトークン首謀者と見られる松井健氏の参考人招致も必須。十分な説明が行われなければ証人喚問に切り替えるべきである。
高市首相の多数の疑惑を解明する上で国会会期の大幅延長は好都合だった。
しかし、その分、夏休みは短くなる。野党はいろいろと理屈を並べたが、結局は与党に「協力」した。野党も「夏休み」を取りたいとの誘惑が勝ったのだろう。
「刑事訴訟法改定」も「改正」ではなく「改悪」になった。裁判所が再審開始決定を示しても、検察が抗告できることにした。
「本則」に抗告禁止を定めながら、十分な根拠があれば抗告できるとした。これでは法改正の意味がない。「や党」の「ゆ党化」が極めて深刻なレベルにまで進行している。
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サブタイトルは「絶頂株価後の最強投資戦略」
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トランプのイラン爆撃作戦は、アメリカを一層深い泥沼に陥れるだけ
「マスコミに載らない海外~」にマーティン・ジェイの記事が載りましたので紹介します。
イランとの間で折角停戦合意が出来たのにトランプにはそれを守ろうという意思はありません。今回彼は10数日間にわたり対イラン空爆を行いましたが、その止めドキの判断基準は多分ミサイルの在庫の減少具合なのでしょう。理解の埒外です。
いまやトランプのことを世界の指導者たちの誰も、尊敬も信頼もしておらず、せいぜい道化師か危険で不安を抱えた子どもとしか見ていません。
トランプがパニックに陥っている一方で、イランは古代文明を持つ国として、数十年、数世紀という時間軸で物事を考えるのに慣れていて、世界がどのようにイランを評価するかを考え、次期アメリカ政権との交渉も視野に入れています。
その一方でトランプは、今週のウォール・ストリート・ジャーナルやニューヨーク・タイムズの報道のことしか考えていないと、マーティンは述べます。
要するに「勝負にならない」ということです。
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トランプのイラン爆撃作戦は、アメリカを一層深い泥沼に陥れるだけ
マスコミに載らない海外記事 2026年7月25日
マーティン・ジェイ 2026年7月22日
Strattgic Culture Foundation
トランプが常に注意をそらす策略を講じているのをテヘランは最初から知っているので、トランプが何を言おうと真剣に受け止めることはない。
今後数日から数週間にかけて、「エスカレーションの罠」と評論家たちが呼ぶ強酸槽にトランプ大統領は自らを沈めることになる。対イラン戦争でトランプ大統領は既に自滅したと多くの評論家が指摘している。イスラエルのネタニヤフ首相が仕掛けた、テヘランを屈服させるという彼の幻想が、1948年にイスラエルが誕生して以来の最大の欺瞞なのが証明されたためだ。多くの人にとって、彼は戦争に敗北したのだ。6月17日に覚書に署名し、無条件降伏の全ての項目に原則的に同意したことが、まさに、この戦争の本質だった。その結果、イランはより大きく、より大胆な地域大国となり、ホルムズ海峡を支配し、GCC(⇒中東・湾岸6ヵ国)のエリート連中からかつてないほど畏敬されるようになったのだ。
だが、西側諸国の指導者連中と、NATOと、何よりもベンヤミン・ネタニヤフ首相に対するトランプの外交手腕の欠如が、彼の署名を無価値なものにし、彼に残された唯一の手段は戦争を継続し、少なくとも自分がまだ影響力を持っているように見せることだった。
しかし、この策略は多くの点で愚かで、特に2月28日から4月7日の間にアメリカが軍事装備を大量消費した事実を考えれば、なおさら愚かだ。そして、この策略は彼が理解している以上に無謀で、間もなく彼を破滅させることになる。
つい最近、GCC諸国のエリート連中が必死で彼に電話をかけて、イランの民間インフラ爆撃をやめるよう訴えた。トランプが知らないうちに、イランは湾岸諸国の同様インフラを地図上から完全に消し去る能力を既に備えていたのだ。米軍基地が爆撃されるのと、学校、病院、橋、発電所、水道施設が数発の極超音速ミサイルで爆破されるのとでは話は大違いだ。しかも、イランがそのような形で報復した場合、一体どのように自国を再建するのかこれらエリート連中には想像もつかない。
電話は効果があったようだ。だがトランプは気まぐれで幼稚な男で、物事をほとんど理解せず、自分のエゴを満たすことしか考えていない。そのため、追い詰められた場合、あるいは警告を真剣に受け止めなかった場合、彼が将来何をするのか全く予想できない。
彼がどの道を選ぼうとも、結局彼にとって悪い結果に終わるが、イランは時間をかけて、この地域におけるアメリカ駐留を完全に排除しようとしている。トランプがイラン・インフラ攻撃を続けた場合に、イランが検討している一つの手段は、現在ペルシャ湾のアラブ首長国連邦とサウジアラビアから出荷されている石油、つまりサウジアラビアがパイプラインで紅海に送っている石油と、現在拡張中のフジャイラ港に送られている石油施設の破壊だ。この二国が毎日輸出している700万バレルの石油は、イランが容易に阻止できるため、爆撃でイランを軟化させて、覚書に復帰させようとする以外、トランプが一体どんな戦略を考えているのか理解しがたい。
トランプが理解していないのは、トランプが覚書を真剣に受け止めているなどとイラン政府内の強硬派は一度も信じておらず、爆撃作戦を再開する前に時間を稼ぐ彼の策略だと考えていたことだ。彼らの見方が正しかったことが証明された今、覚書への再挑戦はトランプにとって非常に困難なものになる。テヘランの要求が前回より更に高くなるためだ。
リスト最上位はレバノンで、ここからトランプ大統領の問題が始まる。覚書2.0がまとまったとしても、トランプ大統領の立場は非常に弱く、ネタニヤフ首相の立場は非常に強いためだ。レバノンからのイスラエル国防軍撤退をネタニヤフ首相は決してしないから、和平合意は不可能で、トランプ大統領に残された唯一の手段は、最も突飛なアイデアの対イラン地上侵攻だ。彼は気候が涼しくなる11月頃、これを考えているのかもしれない。だが、アメリカには、必要な兵力も武器備蓄も、率直に言って、このような極めて危険な作戦を実行する能力さえない。犠牲者は途方もなく多くなり、トランプ大統領は、イスラエルの罠にはまって、イランから究極の教訓を学んだインテリぶったアメリカ大統領として歴史に名を残すことになる。1980年、イランでアメリカ大使館職員救出作戦が失敗に終わった後、ジミー・カーターが耐えねばならなかった屈辱など、トランプにイランが用意しているものに比べれば取るに足らないものになるはずだ。
トランプの問題は信頼性の欠如だ。世界の指導者たちの誰も彼を尊敬も信頼もしていない。そして、これは、トランプを、せいぜい道化師、最悪の場合、危険で不安を抱えた子どもとしか見ていないイラン人にとって大きな問題になっている。注目を浴びるためなら、敵家族の家ごと焼き尽くすのも厭わない人物だ。トランプが常に注意をそらすための策略を巡らせ、その間、侵略に関する将軍連中の突飛なアイデアに耳を傾けているのをテヘランは知っているので、彼の発言はどれも真剣に受け止められていない。トランプがパニックに陥る一方、イランは自国の歴史と運命に自信を持ち、非常にゆっくり着実に前進している。イランは長期的視点に立ち、世界がどのようにイランを評価するかを考え、次期アメリカ政権との交渉も視野に入れている。古代文明を持つ国として、彼らは数十年、数世紀という時間軸で物事を考えるのに慣れている。一方、トランプは、今週のウォール・ストリート・ジャーナルやニューヨーク・タイムズの報道のことしか考えていない。ワールドカップ会場に彼が無断乱入し、実際FIFA会長に手荒く扱われ、スペイン代表チームの記念撮影の場から追い出されたのは多くのアメリカ人にとって非常に恥ずかしい出来事だったに違いない。
記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2026/07/22/trump-bombing-campaign-in-iran-just-sinks-us-into-deeper-quagmire/
イスラエル史上最長在任期間を誇る指導者の失脚:ネタニヤフ首相の時代は終わったのか?
「マスコミに載らない海外~」の掲題の記事を紹介します。
ほぼ20年間と言われるネタニヤフ首相の時代が終わるのか という期待で読んで見ましたが、当然ながら「その可能性がある」という段階に留まっていて、年内にある選挙で もしも別の人物に代わったにしても、それによってガザの人たちの苦難が解消するというようなものでは決してないようです。
実に恐るべき国家というしかありません。
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イスラエル史上最長在任期間を誇る指導者の失脚:ネタニヤフ首相の時代は終わったのか?
マスコミに載らない海外記事 2026年7月23日
アリーナ・イム 2026年7月20日
New Eastern Outlook
イスラエルはネタニヤフ政権の終焉を目の当たりにしているのかもしれない。治安上の失敗と戦争疲れとヤシャール党の台頭が、彼の絶対的存在というオーラを蝕んでいるためだ。地政学では、安全保障を基盤として自らの功績を築いた指導者は、その約束が崩れた時に失脚することが多い。
地政学の世界では、どんなに強大な指導者でも、たった一つの危機により失脚する可能性がある。ネタニヤフ首相は、ほぼ20年間、イスラエル指導者の座に君臨してきた。イスラエル史上最長の在任期間を誇るネタニヤフ首相の外交政策は、安全保障と地域における独占的地位の確立を中心に展開している。だが、2026年現在、彼は深刻な政治的反発に直面している。彼の政策は今や裏目に出ており、事態は手に負えなくなっているようだ。
国内政界から国際社会に至るまで、ネタニヤフ首相に対する憎悪は驚くべき速さで高まっている。10月7日のテロ攻撃であれ、最近のイランとの戦争であれ、イスラエルは長期にわたる紛争に巻き込まれ、勝利するには余りに多くの犠牲を払う必要が生じている。イスラエルはネタニヤフ時代の終焉を目撃しているのか、それとも彼は、より大きな復活を準備しているのか? 最終結果は、イスラエル国内情勢の展開で決まるだろう。
イスラエルの複数政党制
ネタニヤフは依然イスラエルで最も影響力のある政治家ではあるものの、治安上の失敗と政治的分裂が重なり、彼の不可欠性は深刻な打撃を受けている。
イスラエルには、右派、左派、中道派の政党に分かれた様々な政治勢力が存在している。だが政治的分裂が激しいため、どの政党もクネセト(イスラエル議会)で過半数を獲得したことはない。そのため、連立政権に基づく政治がイスラエル国内政治の中心になっている。ネタニヤフ首相は、リクード党という右派政党に所属しており、中道派には野党指導者のヤイル・ラピドとナフタリ・ベネットの連合が含まれる。左派にはアラブ系イスラエル人政党が含まれるが、いずれも過半数を獲得したことはない。
ネタニヤフ首相が20年近く政権を維持できた主な理由は、連立政権運営を巧みに操り、民族主義政党や宗教政党と連携してきたことにある。だがネタニヤフ首相の政権維持を可能にした連立政権政治は、今や彼にとって弱点になっている。元イスラエル国防軍参謀総長のガディ・アイゼンコットが新党「ヤシャール党」を結成したのだ。アイゼンコットは中道派に属しているものの、ここ数ヶ月で支持率が急上昇し、前任者のラピドやベネットを凌駕する勢いを見せている。こうした政治的分裂の激化が、今後のイスラエル外交政策の方向性を左右することになるだろう。
「ヤシャール党」の台頭
ネタニヤフにとって、アイゼンコットのヤシャール党は悪夢になった。イスラエル軍元司令官のガディ・アイゼンコットの名前は、世界中の多くの人々にはおそらく馴染みがないだろうが、イスラエル国内では、ネタニヤフの主要ライバルとして、ナフタリ・ベネット元首相に取って代わるほど、イスラエル国民の間で益々知られるようになっている。ヘブライ語で「まっすぐな」「正直な」を意味するヤシャールは、現在、選挙世論調査で上位にランクインしている。
チャンネル12の最新予測では、ヤシャール党は次期イスラエル総選挙でクネセト(イスラエル議会)議席を21議席獲得すると予想されており、ネタニヤフ首相のリクード党(23議席)に次ぐ二位で、ベネット・ラピド連立政権(18議席)を上回るとされている。首相として誰がより適任と思うかという質問に対し、38%がアイゼンコットを選び、36%がネタニヤフを選んだ。アイゼンコットがラピドとベネットの反ネタニヤフ派と手を組めば、ネタニヤフの政治手腕は永久に終焉を迎えるかもしれない。
ヤシャール党の支持率上昇を何とかして抑え込もうとネタニヤフ首相は必死になっている。2026年6月8日、ネタニヤフ首相の所属政党、リクード党が、Xアカウントに、たった4つの単語を投稿した。「ティビなしにガディはありえない」。この短いメッセージとともに、人工知能で生成された11秒の動画も投稿された。動画には、ガディ・アイゼンコットとアフマド・ティビの二人の政治家が、暗雲の中、国会議事堂の外に並んで立っている様子が映っていた。動画の最後には、ティビを指す「アラブ人なしにアイゼンコットは政権を維持できない」という文章が表示されていた。
安全保障物語の崩壊
レバノン、イラク、シリアなど、ネタニヤフ政権は安全保障を最優先事項としてきた。選挙公約さえも、イスラエルの安全保障と、国内および周辺のアラブ勢力への抵抗にだけ焦点を当てていた。だが、2023年10月7日、ハマスがイスラエル国境を越え、領土深く侵入し攻撃を仕掛けたことで、事態は逆効果になった。安全保障を公約に掲げて政治生命を築いてきた指導者にとって、10月7日の事件は政治的アキレス腱になった。また、この事件は、地域におけるイスラエルの安全保障上の用心深さに対する史上初の汚点になり、ネタニヤフの必要不可欠性に関する疑問が持ち上がり始めた。
かつて「民が自分に反旗を翻そうとしていると察知するたびに、王は他国との戦争を始める」とナポレオン・ボナパルトが述べたが、これはネタニヤフ首相のガザ破壊計画の前提になっている。三年以上にわたるガザでの激しい爆撃と虐殺の後、イスラエルはパレスチナのハマスを解体するという最終目標を実現できなかった。同様に、最近のイランとレバノン(ヒズボラ)との戦争も同じ運命をたどった。アメリカによって、イスラエルのネタニヤフ首相は、レバノンでの軍事目標を限定し、アメリカ・イラン間で署名したイスラマバード覚書に従うよう強いられた。この覚書には、レバノンを含むあらゆる戦線での平和が明確に含まれていた。この合意はせいぜい不安定な状態で、この点に関し、ネタニヤフ首相はアメリカに協力したように見えたが、状況はいつでも逆転しかねない。
2026年6月26日現在、イスラエルとレバノンは、レバノン南部からのイスラエル軍の段階的撤退を含む和平協定に署名している。軍撤退は、10月の選挙でネタニヤフ首相が敗北する主な理由の一つになりかねない。更に、ワシントンによる支持の喪失も一因になっている。レバノンにおける戦略目標を、ネタニヤフ首相はアメリカにはっきり伝えていないとイスラエル軍元参謀総長で、現在ネタニヤフ首相の主要政敵のガディ・アイゼンコットが非難した。「我々は軍事的成果を活かしきれず、決して許してはならない安全保障上の現実に直面することになった。イスラエルがレバノンへの攻撃を行うためにワシントンの承認を必要とする事実さえ、到底受け入れがたいものだ。」と彼は述べた。従って、ネタニヤフ首相下でのイスラエル政策は、あらゆる場合に完全に失敗するか、裏目に出ているのが見られ、これは一つのことを明らかにしている。次期選挙で、いわゆるネタニヤフ首相の欠くべからざる指導力の終焉を目撃することになるのかもしれない。
結 論
「古い秩序は変わり、新しい秩序に取って代わられる。」(アルフレッド・テニスン卿)
イスラエルで行われる次期選挙は、ネタニヤフ首相の政治生命の行方を左右する。だが、一つだけ変わらないことがある。イランと、その地域同盟諸国を何らかの形で解体する狙いを将来の政権が追求し続けることだ。戦略や政策は異なるかもしれないが、最終目標は同じだ。新たに台頭したヤシャール党は、驚くべき速さで勢力を拡大している。ネタニヤフ首相は依然イスラエルで最も影響力のある政治家だが、治安の失敗と政治的分裂が重なり、彼の不可欠性は深刻な打撃を受けている。彼がこの試練を乗り越えられるかどうかは不透明だ。事実として、ここ数年で初めて、ベンヤミン・ネタニヤフ首相後の未来を、イスラエルは真剣に検討し始めている。
アリーナ・イムは国際関係と時事問題に関心を持つ研究者、作家。
記事原文のurl:https://journal-neo.su/2026/07/20/the-fall-of-israels-longest-serving-leader-is-this-the-end-for-netanyahu/