世に倦む日々氏が掲題の記事を出しました。
トランプがイスラエルにたぶらかされて簡単にイラクを転覆できると思いこんで始めた対イラン攻撃でした。イランは大変な被害を受けましたが、それでも中東にある16の米軍基地を攻撃して、殆どを機能不全状態に陥れました。そしてイスラエルにも相応の被害を与えました。
米国はこの攻撃で、攻撃用ミサイルと防御用ミサイルを大量に消費し、その補充の目途も立たなくなった」ため休戦せざるを得なくなりました。
しかし数ヶ月程度の休戦では大量のレアアースを必要とするミサイルの補充などはできません。従って今後はトランプとしては、どんな風にして外面的に「勝利」を演出して「名誉ある撤退?」をするかが課題ですが、それはひと口に言えばとても困難なことです。
一方ネタニヤフとしては、戦争を続けていないと自分が逮捕される可能性があるので、ひたすら戦争を継続するしかないようです。とは言えイスラエルだけで対イラン戦争を続けられるかと言えばそれは無理でしょう。
ところで高市氏に取っての最重要事項は「台湾有事」がどうなるかでしょう。世に倦む日々氏は、米国にはもはや「台湾有事」を画策する余裕などはなく、もしも「米国が参戦しない」状態で「日中戦争」が始まるならば、米国は大歓迎するだろうということです。もしもそんなことになれば、日本が徹底的に破壊されるのは火を見るよりも明らかなのですが、中国もそれなり打撃を受けるからです。
高市氏がそこまでは愚かではないことを祈りますが、こればかりは分かりません。世界でただ一人、中国を嫌悪して止まない一国の宰相なのですから。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
台湾への武器売却問題の真相 - アメリカには中国と戦争する継戦能力がない
世に倦む日日 2026年5月25日
5/14 の米中首脳会談では、アメリカによる台湾への武器売却問題が最大の焦点となった。中国側はその中止・延期を強く要求し、トランプはそれに対して回答を控え、いわゆる「戦略的曖昧性」(Strategic Ambiguity)を押し通す外交で対応した。今回のアメリカによる台湾への武器売却は、総額140億ドル(約2兆2000億円)規模と報道されている。どのような中身が気になったのでChatGPT(無料版)に訊いてみると、以下の内訳を整理して出力した。
① HIMARS / ATACMS 40.5億ドル 82両 / 420発 地上ロケット砲
② M109A7 40.3億ドル 60両 自走榴弾砲
③ ALTIUSドローン 11.0億ドル 非公開
④ Tactical Mission Network 10.1億ドル
⑤ NASAMS 8.0 億ドル 36基 防空システム
⑥ PAC-3 MSE 数十億ドル 非公開 防空システム
中心となるのは①と②、および⑥となる。①はウクライナ戦争で有名になった地上発射の攻撃兵器で、トラックで移動運搬する高機動ロケット砲のプラットフォーム(HIMARS)に射程300キロの地対地ミサイル(ATACMS)をセットにしたパッケージ。高橋杉雄の顔が浮かぶ。台湾本島と中国大陸の距離は130-180kmのため、この武器で台湾侵攻を狙う中国軍部隊を狙って射弾し、海峡に出る前に無力化する想定だ。大陸沿岸部の集結基地や港湾やミサイル基地を狙う。②は155ミリ自走榴弾砲(Paladin)のパッケージで、上陸した中国軍部隊や橋頭保を狙って撃破する地上兵器。⑥は弾道ミサイル迎撃の防空ミサイルで、⑤は巡航ミサイルと戦闘機を迎撃する防空ミサイル。現在、この⑥の部分が未定で、内容が詰まってないらしい。今回、この武器売却について中国側が首脳会談で取り上げることを求め、トランプが議題化を認めた背景には、米軍内での弾薬不足が深刻に影響しているのではないかと推測する。
ATACMS については、在庫は3000発以上あるものの、すでに生産を終了し後継のPrSMに移行中となっている。そのPrSMの生産能力が年150発程度と小さく、今後の配備体制に不安の声が上がっている。ATACMSの在庫の多くが旧型(Block1)で、射程距離が短いため、台湾本島から中国沿岸まで届かないという問題があるらしい。台湾へのATACMSの売却は在庫処分なのだ。新型のPrSMはイラン戦争で40-70発消費し、在庫の45%以上を消耗してしまった。無論、生産にはレアアースが要る。PAC-3 MSEについては、イラン戦争前の在庫2300発を1000-1400発消費し、在庫が半減となった。生産能力は年600発程度で、現在それを全世界で激しく争奪し合っていて、アメリカは割り振りに苦悩している。当然、レアアース・レアメタルが製品生産の原材料に必要で、サプライチェーンの脱中国化を図っているアメリカは、量産スピードを上げて在庫を補充する必要と調達およびコストの足枷でジレンマに陥る局面となっている。
イラン戦争の結果、アメリカは攻撃用/防御用ともに、また、空中発射・海上発射・地上発射の全領域にわたって、虎の子のミサイル兵器の在庫を大幅にロスし、その補充と再配備の優先順位の選定に右往左往する事態に直面した。さらに、安価で大量生産されるドローンの飽和攻撃に対して、高価な迎撃ミサイルの配備と対抗では防空システムとして機能しない事実が明らかとなり、戦争の方法や前提そのものを根本から考え直す必要に迫られた。加えて、高性能ミサイルの開発と量産には材料たるレアアース・レアメタルが必須で、中国が支配する供給網体制の軛をいかに打破し克服するかの問題も有効な解決策を見い出せていない。トランプ訪中の与件として、こうしたアメリカが抱えた軍事戦略上の問題があり、そして中間選挙に向けての成果獲得という政治的必達目標があり、その二つが相俟って、台湾への武器売却の保留という外交態度が導かれたのだろう。それは、中国にとっては断固許容できないレッドゾーンの問題でもある。
ChatGPTの分析と要論を読むと、現状、アメリカにとって中国と戦争(して勝利)することがいかに難しく、避けなければならない国家の進路であるかが説明の論調から伝わってくる。9年前にG.アリソンが軽口を叩き、新冷戦への突入を扇動し、その遂行を指南していた頃とは情勢と環境が変わった。中国の工業力の圧倒的優位を認めるようになり、中国封じ込めは無理で、中国を潰すために台湾を利用して干渉するのは得策ではない、という冷静な思考にアメリカの安保専門家が変化しつつある空気を感じる。最早、〝デカップリング”や〝台湾有事”の策を仕掛けて攻勢をかける段階ではないという、新冷戦見直しの醒めた気運が内部で生じ、トランプをして「6つの保証」からの離脱へと背中を押したのだろう。台湾有事へのアメリカのコミットを消すのであれば、台湾に虎の子のミサイルを大量供給する必要はない。武器提供は中国を刺激して対立を深めるだけなので、それよりも中間選挙のために中国から取引で得る利益の方を選択したのだ。
5/5 の報道では、アメリカはドイツへのトマホーク配備見送りを決定している。日本についても、2027年までに400発納入する予定だった納期を遅延する可能性を伝えてきた。アメリカはイラン戦争でトマホークを1000発以上消費したと推定されていて、この数量は戦前在庫の30%に相当し、通常の生産ペース(年120発)だと回復まで数年を要してしまう。ドイツへの配備見送りはこの事情からだろう。ドイツに配備するトマホークは地上発射型で、ロシアがカリーニングラードに設置するイスカンダルに対抗する狙いの中距離ミサイルの位置づけだった。ドイツとしては喫緊の安全保障上の装備品だったに違いないが、冷や水を浴びせられる顛末となった。日本も同様で、海自の400発のトマホークはまさに(陸自のスタンドオフミサイル群と並んで)台湾有事を戦う主力兵器であり、これなしに日本の対中戦争は構想できない。そのトマホークも製造にはレアアースが必要で、供給安定化を早期に実現しないと量産ペースを上げることは不可能である。
結局、トランプが言う「自分の任期中に台湾有事はない」の発言は、客観的・軍事的・物理的には、アメリカには中国と戦争する継戦能力がないという意味に置き換えていいだろう。アメリカが誇るミサイルやF-35などのハイテク諸兵器は、どれも中国産のレアアースと電子部品を原材料にした工業製品ばかりだ。それが米中の軍事的関係の現時点の真実である。イラン戦争の結果がその急所の真相を浮き彫りにし、アメリカを一気に弱気な立場に追いやった。イラン戦争が残した意義として、第一に指摘し総括できる重要な結論だろう。アメリカはこれまで、最先端技術を駆使し結集したところの、きわめて付加価値の高い高額装備品の開発と実装によって「唯一の超大国」の軍事力を構築し態勢化してきた。それが合理的で最適な国家安全保障の手法だった。そこには、軍産複合体企業群への利益供与の利権の動機と論理もあった。イラン戦争を経て、安価なドローンの飽和攻撃とレアアース問題に直面し、米軍一強を担保してきた前提基盤が崩れ始めている。
前後して恐縮だが、台湾への今回の武器売却の中心物件であるHIMARS/ATACMSについて、欧州からどれほどロッキード・マーティン社に発注が届き、受注残になっているかをChatGPTで調べてみた。全体像として、欧州NATO諸国の兵器輸入額は2021年から2025年にかけて3倍超に急膨張している。うち58%が米国製輸入であり、F-35戦闘機、Patriot防空システム、HIMARS、JASSM等諸ミサイル、戦闘ヘリが中身を占めている。金額的にはF-35が巨大だが、地上戦で必要なHIMARSにも注文が殺到し、特にポーランドは486基という桁外れの数量を発注していた。ロ社のHIMARS生産能力は現在年96基で、ポーランドからの受注残を捌くのに5年かかってしまう。ポーランドの対ロ防衛意欲は強烈で、ロビイストの工作や米上下院議員の圧力がロ社の供給遅れを許さないだろうから、HIMARS/ATACMSの調達にも割り込みをかけている可能性がある。もしこの憶測が当たっていれば、トランプの台湾武器売却延期の理由の一つはそれかもしれない。
以上、台湾への武器売却をトランプが曖昧化した問題について、それが単に政治的な理由による決定ではなく、物理的な事情(在庫逼迫)によってもたらされた判断だという点を明らかにした。アメリカには中国と軍事衝突して全面戦争する継戦能力がない。それを遂行して成功(勝利)させられる物質的な基盤がない。だが、この事実の認識が、ただちにアメリカの中国に対する新冷戦戦略見直しに繋がるとか、アメリカが中国との戦争を断念し放棄するという方向性に直結するかというと、必ずしもそうではない。アメリカにはカードがある。それは日本である。日本が、ロシアと戦うウクライナやイランと戦うイスラエルの位置になり構図になれば、アメリカは目的が達成されるのである。狙いは戦争によって中国の国力を殺ぎ、アメリカの地位を奪う超大国になることを阻止することだから、日本が中国と戦争を始め、日中が国力を消耗し、中国がロシアのように疲弊してくれれば、アメリカはそれでよく、願ったり叶ったりで、自らが戦場で血を流す必要はないのだ。
高市と日本の右翼は、日本が中国と戦争を始めれば、それは日米同盟による対中戦争であって、アメリカと一緒に戦争するのだから必ず勝てるという単純な想定がある。サタンである中国(共産主義)が正義である日米(自由民主主義)に勝てるはずがないというイデオロギー上の信念と教条もある。アメリカの「戦略的曖昧性」の方針は、先に日本が突っ込んで開戦することで強引に「曖昧性」を終端させることができると、そういう計算がある。高市は戦争に前のめりであり、頭の中はそれ(サタン退治)しか考えてないのだ。それには理由があり、14年前の安倍晋三の”尖閣有事”がまさにその発想だった。日本が先に中国と軍事衝突を起こす。そしてアメリカを引っ張り込む。当時のオバマ政権はそれを警戒し、安倍の極右路線を牽制していた。軍事に無知な高市だが、高市にとって安倍は師匠であり神であり、安倍をコピーするのが最善だと盲目的に確信していて、安倍の政策を情熱的に踏襲しようとする。なので、日本がイスラエルになりウクライナになる可能性は十分あるのだ。
湯沢平和の輪
「湯の町湯沢平和の輪」は、2004年6月10日に井上 ひさし氏、梅原 猛氏、大江 健三郎氏ら9人からの「『九条の会』アピール」を受けて組織された、新潟県南魚沼郡湯沢町版の「九条の会」です。
2026年5月28日木曜日
台湾への武器売却問題の真相 - アメリカには中国と戦争する継戦能力がない(世に倦む日々)
検察の抗告認める高市内閣法改悪案/令和の特高警察設置法制定(植草一秀氏)
植草一秀氏の掲題の2つの記事を紹介します。
(1番目の記事)
これは再審制度を見直す刑事訴訟法改正で自民党の法務部会で大いに揉めた挙句に、検察による抗告を「原則禁止」にし、その旨を「本則に謳う」ことに修正されました。
同部会は、それで大いに抗告抑止の効果が上がるかのように述べますが、検察はこれまで「再審開始決定は誤りで、それには十分な根拠があるとして抗告を続けてきたのであるから、今後もその姿勢を貫徹して常に抗告し続ける」ので、重大な人権侵害は今後とも続けられると述べます。
これまで検察庁には「人権」の感覚がないかのような態度が見られました。殆ど改善につながらない改正案で残念なことです。
(2番目の記事)
「国家情報会議」創設法が27日の参院本会議で賛成多数により可決され、成立しました。政府はインテリジェンス(情報活動)の司令塔機能強化を目指すとしていますが、その実態は首相が議長を務める閣僚級の国家情報会議を新設し、事務局を担う「国家情報局」として現在の内閣情報調査室(内調)を格上げすることが新制度の柱です。内調は基本的に警察組織。これを拡大して創設するのが国家情報局。
植草氏は、国家情報局は国内の反政府勢力の取り締まりに主眼が置かれる可能性が高く、戦前の悪名高い「特高警察」に近い存在になると考えられると述べます。
高市氏は、11月の総裁選や2月の衆院選において第一秘書が相手候補や野党候補を批判する膨大な動画を流す選挙戦法を採りまんまと成功させた疑いを、証拠を挙げて問われてもシラを切り続けています。そんな人間が議長に就く組織とは、悪い冗談としか思えません。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
検察の抗告認める高市内閣法改悪案
植草一秀の「知られざる真実」 2026年5月27日
高市内閣は検察の不正、検察の犯罪にどう立ち向かうのか。
その試金石になるのが再審制度を見直す刑事訴訟法改正。高市内閣は刑事訴訟法改正案を閣議決定して国会に提出。国会審議が始まった。
しかし、結論はすでに示されている。検察改革などまったくやる気がない。稲田朋美議員が猿芝居を打った。一部に騙された者がいたが、そうは問屋が卸さない。
稲田氏が騒いでたどり着いた結論は、裁判所の再審開始決定に対する検察抗告の「原則禁止」。
「禁止」ではなく「原則禁止」。「原則禁止」は「十分な根拠がある場合に限り」抗告を認めるというもの。これまで検察は、裁判所の再審開始決定に対して抗告し続けてきた。
そのために再審開始が大幅に遅れた。冤罪被害者の救済が致命的に遅れてきた。
検察が抗告を繰り返した理由は何であったか。
それは、再審開始が誤りであるとする検察の主張に「十分な根拠がある」ことだった。
検察は再審開始決定が誤りである「十分な根拠がある」として抗告を続けてきた。
したがって、改正法が「十分な根拠がある場合に限り」検察の抗告を認めるものになるなら、検察はこれまでとまったく同様に「十分な根拠がある」として、抗告し続ける。
稲田議員のアピールによって「原則禁止」が付則ではなく「本則」に盛り込まれたと報じられているが、付則であろうと本則であろうと、「十分な根拠がある場合に抗告を認める」ことに変わりはない。
「原則禁止という名の容認」か、「例外なき禁止」かが争点だ。
高市内閣は検察の意向に沿って「原則禁止」という「実質容認」を決めた。台本通りの展開だ。
衆議院で与党が3分の2を上回る議席を確保しているから、高市内閣が傍若無人の振る舞いを演じている。
しかし、これでは重大な人権侵害を繰り返してきた検察重大犯罪を根絶する方向への事態改善は一切見込めない。
私は日本の警察・検察・裁判所制度が前近代の状況からまったく抜け出せていないことを指摘し続けている。
私も重大な冤罪被害者である。重大な人権侵害はいまなお救済されていない。
袴田巌さんの再審無罪が確定した。姉の秀子さんの血のにじむような取り組みが冤罪無罪を勝ち取る原動力になった。しかし、これは奇跡の勝利でしかない。多くの偶然が重なり、冤罪の汚名が雪(そそ)がれた稀有なケースだ。
2009年に発生した村木厚子さん冤罪事件。検察がフロッピーディスクの捜査資料をねつ造したことが発覚して、大阪地検特捜部幹部が刑事罰を受ける重大事件に発展した。
この検察大不祥事を背景に制度改革が検討された。しかし、このときも実質的な制度刷新は実現しなかった。検察の台本通りの着地になった。
最大の焦点は取り調べ過程の可視化。かたちばかりの部分的可視化だけが決定された。
高市内閣が検察改革に背を向けるなら、主権者国民はこの内閣をASAP=”as soon as possible”で退陣に追い込まなければならない。
(お願い)
情報拡散を推進するために「人気ブログランキング」クリックをぜひお願いします。
続きは本日の
メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」
第4428号
「ASAPでの高市首相退場求める訳」 でご高読下さい。
この機会にメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」ご購読をぜひぜひぜひお願いします。https://foomii.com/00050
『ザイム真理教』(森永卓郎著)の神髄を深堀り、最重要政策争点財務省・消費税問題を徹底解説する新著を上梓しました。
『財務省と日銀 日本を衰退させたカルトの正体』(ビジネス社)https://x.gd/LM7XK
ご高読、ならびにアマゾンレビュー、ぜひぜひ、お願いします。
メールマガジンの購読お申し込みは、こちらからお願いします。(購読決済にはクレジットカードもしくは銀行振込をご利用いただけます。)なお、購読お申し込みや課金に関するお問い合わせは、support@foomii.co.jpまでお願い申し上げます。
令和の特高警察設置法制定
植草一秀の「知られざる真実」 2026年5月27日
インテリジェンス(情報活動)の司令塔機能強化を目指すと政府がしている
「国家情報会議」創設法が5月27日の参院本会議で賛成多数により可決、成立した。
賛成したのは与党の自民、日本維新の会、ゆ党の国民民主、公明、参政、みらい、保守の各党。
衆院では中道改革連合が賛成。参院では立民、共産、社民、れいわが反対。
首相が議長を務める閣僚級の国家情報会議を新設し、事務局を担う「国家情報局」として現在の内閣情報調査室を格上げすることが新制度の柱。
野党は国民監視の強化やプライバシー侵害を防ぐ歯止めを法律に明記するよう求めたが、政府側は必要性を否定した。政府の情報活動をチェックする具体的な仕組みはない。
日本の暗黒化が加速している。暗黒化を推進している本尊は高市早苗氏だ。
法案採決の賛否で、よ党、ゆ党、や党、の線引きが明確になった。
よ党 は 自民、維新。
ゆ党 は 国民、公明、参政、中道、みらい、保守。
や党 は 共産、れいわ、社民。
中道が衆院採決で賛成したことを主権者国民は銘記する必要がある。
内閣情報調査室は基本的に警察組織。これを拡大して創設するのが国家情報局。
日本版CIAとでも呼ぶべき組織だが、CIAとは核心が異なる。CIAは対外的な諜報活動、工作活動を軸にするが、国家情報局は国内の反政府勢力の取り締まりに主眼が置かれる可能性が高い。CIAよりも特別高等警察に近い存在になると考えられる。
日本の戦前化が加速している。自民党が提案する憲法改正は、日本の憲法を大日本帝国憲法に近づけようとするもの。日本国憲法の基本原理が消し去られる可能性が大きい。
日本国憲法の基本原理は平和主義、基本的人権の尊重、国民主権。この基本原理が改変される可能性が高い。
日本を「戦争をする国」に改変 人権は制限付きで付与 緊急事態条項によって内閣に独裁権限が付与され、国民主権は否定される。
憲法を破壊し、国民を監視する体制を強化し、戦争遂行体制を整える。
この方向に日本全体を改変する動きが加速している。
ゆ党は与党補完勢力。対米隷属も共通する。警察・検察・裁判所の前近代性も変わらない。
メディアは権力と癒着して報道機関としての責任を果たさない。
私たちはいま、文字通りの「戦争と壊憲の危機」に直面している。このなかで、検察不正に立ち向かっている元検事がいる。
大阪地検検事正だった北川健太郎被告に性暴力犯罪を受けた元検事が怒りの声をあげている。
empathy ひかり というサイトを広く拡散する必要がある。
https://note.com/unmetempathy0111
5月19日には「検察よ、逃げるな、言葉と行動に責任を持て」
https://note.com/unmetempathy0111/n/n7a64f0c68446 と題する記事を投稿されている。
国会では立憲民主党の杉尾秀哉参院議員が高市首相事務所による誹謗中傷動画発信疑惑について厳しい追及を行った。杉尾議員の追及は正当で必要不可欠のもの。これまで国会が追及してこなかったことがおかしい。
ところが、ネット上には杉尾議員を非難する記事が掲載される。
記事タイトルは「参院内閣委員会で杉尾秀哉氏が週刊誌報道を基に高市早苗首相を激しく追及! 限られた国会審議のあり方や批判をめぐる問題」https://x.gd/2d3fB
記事掲載は〝tend”。日本の情報空間の歪みを是正することが必要不可欠だ。
続きは本日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」第4429号
「国家中枢から腐敗進む日本」 でご高読下さい。
(後 略)
28- トランプは米国史上最大規模のインサイダー取引を行っていた
海外記事を紹介する耕助のブログに掲題の記事が載りました。
トランプは大統領在任中、わずか1四半期(26年1月~3月)の間に個人で2億2000万ドル(⇒約400億円)から7億5000万ドル(⇒約1200億円)相当の株式取引を3,700回も実行しました。これは1日あたり約60回の取引になります。
インサイダー取引であれば勿論犯罪です。
併せて櫻井ジャーナルの記事:「短期間でイランに勝つ予定で始めた戦争で敗北、泥沼から抜け出せない米国」を紹介します。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
トランプは米国史上最大規模のインサイダー取引を行っていた
耕助のブログNo.2915 2026年5月27日
Trump just got exposed for running the biggest insider trading operation in American history. Ricardo@Ric_RTP
トランプが米国史上最大規模のインサイダー取引を行っていたことが暴露された。
ナンシー・ペロシが500万ドルの株式取引を行っただけで、議会は大騒ぎした。
トランプは大統領在任中、わずか1四半期の間に7億5000万ドルもの株式取引を実行していた。彼の倫理報告書が公開されたばかりだが、その数字は文字通り史上類を見ないものだ:
2026年1月から3月の間に、ドナルド・トランプは個人で2億2000万ドルから7億5000万ドル相当の株式取引を3,700回も実行した。
これは1日あたり約60回の取引になる。
大統領令に署名し、外国の指導者と会談し、自身が売買している企業に直接影響を与える政策決定を行っている最中のことだ。
そして、ここからが本当に常軌を逸している:
2月10日、トランプは100万ドルから500万ドル相当のデル株を購入した。
その3ヶ月後の5月8日、彼はホワイトハウスで開催された母の日イベントに立ち、マイケル・デルを名指しで称賛し、アメリカ国民に対し「外に出てデルの製品を買ってくれ」と呼びかけた。
その日、デル株は14.6%急騰し、263.99ドルという史上最高値を記録した。
トランプが2月に購入して以来、デル株は96%上昇している。
そして、トランプがデル株を購入する5ヶ月前、マイケル・デルとスーザン・デル夫妻はトランプの基金に62億5000万ドルを寄付した。これは、現代史において現職大統領の看板プログラムに対する最大の慈善寄付の一つである。
つまり、こういう時系列だ:デルがトランプのプログラムに62億5000万ドルを寄付 → トランプがデル株を購入 → トランプがホワイトハウスの演壇からアメリカ国民にデル株を買うよう呼びかけ → 株価が史上最高値を更新
そして、これはたった1つの銘柄の話に過ぎない…
同じ提出書類によると、トランプは2月10日にNvidia株を購入していた。その1週間後、NvidiaはMetaとの大規模なチップ取引を発表した。
彼は、自身の商務省がNvidia製チップのサウジアラビアへの販売を承認する1週間前に、さらにNvidia株を購入していた。
トランプは2026年3月からインテル株を購入し始めた。米国政府はすでに、410億ドル以上の価値があるインテルの株式9.9%を保有していた。4月30日、トランプはTruth Socialに「インテル株は上昇し続けている」と書き込み、インテルを称賛した。
インテル株は時間外取引で3%急騰し、年初来の上昇率は140%に達している。
トランプは、自身の政権が移民取締りや防衛関連で数十億ドル規模の政府契約をパランティアに積極的に発注していた最中に、パランティアの株式を購入した。
彼は、自身の「トランプ・アカウント」プログラムがロビンフッドを証券会社として利用している最中に、ロビンフッド株を購入した。
現在、彼はAMD、インテル、ブルーム・エナジー、マーベル・テクノロジー、および少なくともその他10銘柄で100%を超える利益を手にしている。
リンドン・B・ジョンソン以来、歴代の大統領は皆、まさにこのような事態を避けるためにブラインド・トラスト(資産管理信託)を利用してきた。しかし、トランプはそうしなかった。
彼の資産は自身の子供たちが管理する信託に預けられており、提出書類によれば、いくつかの取引ではブローカーが代理人として行動していたことが示されている。
ホワイトハウスは、このポートフォリオは「独立して管理されている」と主張している。
しかし、独立管理とは実際には次のようなものだ:
デル株を購入。3ヶ月後、ホワイトハウスからデルを公に支持。株価は史上最高値を更新。
Nvidia株を購入。1週間後、自政府が同社のチップ販売を承認。株価が急騰。
インテル株を購入。Truth Socialでインテルについて投稿。株価が急騰。トランプ率いる政府はすでに10%の株式を保有している。
パランティア株を購入。同社に契約を授与。ロビンフッド株を購入。連邦プログラムを同社のプラットフォーム経由で実施。
ナンシー・ペロシは、夫の株式取引で徹底的に叩かれた。
最も物議を醸した年における、彼女の夫の開示された取引総額は約500万ドルだった。
トランプはたった1四半期で最大7億5000万ドルもの取引を開示した。
しかも、これらの株価を動かす実際の政策決定を行っている最中に。
これは左派か右派かという問題ではない。
我々が話しているのは、自身の政権が規制し、契約を結び、公に支持している企業に対して、米国大統領が1日平均60件もの株式取引を行っているという事実だ。
あなたはどう思う?
https://x.com/Ric_RTP/status/2056000508452651512
短期間でイランに勝つ予定で始めた戦争で敗北、泥沼から抜け出せない米国
櫻井ジャーナル 2026.05.28
イラン政府はアメリカ政府に対し、戦争を終結させる条件を明確に示している。ホルムズ海峡の通行をイランが管理、イランの同盟勢力(ヒズボラやハマス)に対する軍事行動を停止、西アジア地域からアメリカ軍は撤退し、イランの役割を明記したホルムズ海峡における安全保障協定を策定、イランが被った損害を全額補償、すべての制裁および国際決議を撤廃、凍結されたイラン資産を返還、そしてこれらの条件を拘束力のある国連安全保障理事会決議として正式に承認することだ。
アメリカ政府が主張している「草案」は彼らの願望にすぎない。イラン政府がその願望を呑むとは思えず、合意の成立が近づいているとは言えないのだ。
アメリカ政府は相手から譲歩を引き出しながら自分たちは約束を果たさないということを続けてきたが、イラン政府に対しても同じことをすれば外交交渉の枠組みは崩壊する。イスラエルによるパレスチナやレバノンに対する攻撃が続いているが、これもイランを刺激している。イスラエルがイランに対するいかなる義務からも免除されるという話を流している大手メディアも存在するが、そうした事実はない。
ドナルド・トランプ大統領は問題解決に向かって前進しているかのような発言を続けている。イランに負けたにも関わらず、トランプ大統領はイランに降伏を要求しているわけで、アメリカとイスラエルがイランを奇襲攻撃して始めたイランとの戦争が終結する見通しは立たず、世界経済の混乱が短期間で治ると期待することはできない。
2月28日にアメリカとイスラエルから奇襲攻撃されて最高指導者らを殺害されたイランは即座にミサイルやドローンで反撃を開始、イスラエルのテルアビブやハイファといった都市を破壊し、ディモナにあるシモン・ペレス・ネゲブ原子力研究センター(ディモナ原子炉)に近い場所も攻撃した。
西アジアにあるアメリカ軍の基地も攻撃された。カタールのアル・ウデイド空軍基地、クウェートのアル・サレム基地、アラブ首長国連邦(UAE)のアル・ダフラ空軍基地、バーレーンのアメリカ軍第5艦隊基地、サウジアラビアのリヤドにあるプリンス・スルタン空軍基地なども破壊された。CNNが5月1日に伝えたところによると、イラン軍攻撃で被害を受けたアメリカ軍基地は少なくとも16か所。その大半は使用不能だと言われている。
3月27日にはサウジアラビアのプリンス・スルタン空軍基地に駐機していたAWACS(早期警戒管制機)のE-3と2機のEC-130H電子戦機をイラン軍は破壊、さらにKC-135空中給油機7機、F-15E戦闘機4機、F-35戦闘機1機、A-10サンダーボルトII攻撃機1機、MC-130JコマンドーII特殊作戦機2機、HH-60W戦闘ヘリコプター1機、そして無人機のMQ-9リーパー24機とMQ-4C1機も機能不全になったという。
イラン軍との撃ち合いでアメリカ軍とイスラエル軍はドローンやミサイルが枯渇、戦闘を継続することが困難になった。停戦期間中に補充しているだろうが、イランも次の戦闘の準備を進め、おそらくロシアや中国からも支援物資が届いている。
アメリカ軍はイラクの砂漠地帯に秘密基地を建設したとウォール・ストリート・ジャーナル紙は5月9日に伝えた。この基地はイスラエルの特殊部隊と空軍の兵站拠点で、2月28日にアメリカとイスラエルがイランを奇襲攻撃する直前に建設されたというが、アメリカ軍やイスラエル軍が陸上部隊を投入した場合、全滅する可能性もある。これまで以上の大惨事になるということだ。
トランプ大統領はアメリカ議会が戦争の継続に反対してくれることを願っていると言われている。それを口実にして彼はイラン政府の要求通りにアメリカ軍を西アジアから撤退させられるからだ。人びとの目を逸らさせるためにキューバを用意しているのかもしれないが、政府幹部の買収に成功していたと言われるベネズエラと同じような展開になるとは限らない。