2026年3月19日木曜日

ホルムズ海峡 自衛隊派遣はありえない 日米会談 首相は断固拒否(しんぶん赤旗)

 トランプは14イランが事実上封鎖するエネルギー輸送の要衝ホルムズ海峡の安全確保に向けて、海峡経由でエネルギーを輸入している国々が防衛を担うべきだとの考えを示し日本中韓英仏の5カ国を名指しして派遣を期待すると表明しました。
 15日には具体的な国名は明らかにしないで「7カ国程度」に艦船の派遣を要求したと明らかにし要請に前向きな回答が複数あったが、否定的な反応もあったと述べました。
 これについて欧州諸国は16日、別掲の記事の通り、中東情勢の混乱の責任は米側にあるとして、軍事的関与をしないと一斉に表明しました。
 高市首相は16日の参院予算委で、ホルムズ海峡への艦船派遣を巡り、「法律の範囲内で、日本関係船舶と乗員の命をどう守るか、何かできるか検討中だ」と述べ自衛隊法に基づく海上警備行動の発令については「相手方が国または国に準ずる組織が想定される場合、法的に非常に難しい」と慎重な姿勢を示しました
 ところがトランプは17日、突如、対イラン軍事作戦でNATO加盟国や日豪韓などの支援は「もはや必要ない」と自身のSNSで述べまし(産経新聞18日)。
 まことに「日替わりの発言」で、理由等は明らかではありませんが、本来が無体な要求なので当然撤回されるべきものです。いずれにしても日本の政府 特に高市首相は西欧諸国の毅然とした態度を見習うべきで、トランプの顔色ばかり窺っていては、とても憲法も法律も守れないし、国民の安寧は保てません。

 しんぶん赤旗が17日、掲題の記事:「ホルムズ海峡 自衛隊派遣はありえない 日米会談 首相は断固拒否」を載せました。
 記事は対イラク戦争の発端の違法性から始まって、関連する憲法と法律に照らし合わせ、消去法によって「自衛隊派遣はありえない」ことを明らかにしました。日米会談ではその旨を説明して「断固拒否すべきである」としています。
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ホルムズ海峡 自衛隊派遣はありえない 日米会談 は断固拒否を
                       しんぶん赤旗 2026年3月17日
 米・イスラェルによる法なイランヘの先制攻撃を巡り、トランプ米大統領がSNSで日本などを名指しして、イランが事実上の封鎖を行っているホルムズ海峡の「安全」のため艦船派遣を求めています。19日から訪米する高市早苗首相が、トランプ氏から、派遣を直接要求される危険があります。曲がりなりにも「法の支配」を掲げる日本が、国連憲章・国際法違反の先制攻撃に参加することは許されません。要請を断固拒否する以外に選択肢はありません

米・イスラエルに全面的責任
 そもそも、ホルムズ海峡で民間船舶が危険にさらされている最大の原因は、米国とイスラエルが一方的にイランを先制攻撃したことにあります。ホルムズ海峡の安全を確保するというのなら、全面的責任は、米国とイスラエルにあります。
 しかし、ロイター通信によると、米海軍は攻撃を受けるリスクが高いとして、海峡を通過する船舶の護衛を拒否し、当面は実施できないと説明しています。イランヘの攻撃を継続しながら、「危険だから」という理由で護衛を拒否して他国に艦船派遣を求めることは、身勝手以外の何ものでもありません
 一方、イランのアラグチ外相は、同海峡は「敵国とそれを支持する国の船舶を除き、そのほかのすべての国に開放されている」と表明しています。逆に言えば米・イスラエルといった「敵国」を支持しているとみなせば攻撃目標になるとの表明であり、米国の要請に応じて艦船を派遣すれば、逆に危険が増すことになります。

安保法制の適用あるか
 仮に自衛隊派兵を行う場合、憲法違反の集団的自衛権を行使し、日本の領域外で米軍などとともに自衛隊の武力行使を可能とする「安保法制」が法的根拠となる危険があります。安保法制の審議の際、当時の安倍晋三首相は「存立危機事態」に該当する例として中東・ホルムズ海峡での機雷敷設を挙げていました。
 高市首相は9日の衆院予算委員会で、「現在の状況が存立危機事態に該当するといった認定は政府として行っていない」と述べましたが、仮に、トランプ氏の要求に屈し存立危機事態として認定すれば、国民の強い批判は避けられません
 また安保法制は、「戦地」での米軍などへの兵站支援など後方支援を行う「重要影響事態」も規定。「放置すれば我が国に対する直接の武力攻撃に至るおそれのある事態等」だと説明しており、適用するのには無埋ます。

自衛隊法・防衛省設置法でも困難
 また、小泉進次郎防衛相は「現時点で考えていない」としつつ、日本関係船舶の保護のため、一般論として自衛隊法82条に基づく「海上警備行動」が発令できると発言。海上警備行動は「人命・財の保護や治安維持」が目的で、過去に発令されたのは北朝鮮の不審船やソマリア沖の海賊に対してでした。国や国に準ずる組織への適用は困難であり、高市首相も「法的には非常に難しい」(16日の参院予算委)と認めています
 これ以外に派兵の根拠とされる可能性があるのが、自衛隊が19年以来続けている中東での「情報収集活動」です。
 トランプ政権が18年5月に、イランと米英独仏中ロの6カ国と間で結んだ核開発を大幅に制限する合意を一方的に破棄し、イラン情勢が緊迫化しました。トランプ氏は一時報復攻撃を承認し、その後撤回するなど攻撃寸前の事態となった後、ホルムズ海峡などでイランを包囲する「有志連合」を呼びかけました
 日本政府は有志連合に入らず、「わが国独自の取り組み」と称し、海賊対処のためにアフリカ東部のジブチを拠点に活動している海上自衛隊のイージス艦とP3C哨戒機を情報収集活動に兼務させました。防衛省設置法4条の「調査・研究」を根拠としています。
 しかし、現在行っている情報収集活動は、ホルムズ海峡とペルシヤ湾を除外しています。除外の理由として防衛省は「(同海域が)主にイランとオマーンの領海内」で、「米国など関係各国との連携で情報収集が可能」だからだと説明していますが、「イランと長年友好関係を維持」してきたことを強調しており、事実上、イランとの関係悪化を避けるための除外です。
 今回、トランプ氏はホルムズ海峡への艦船派遣を日本などに要求しており、仮にホルムズ海峡やペルシャ湾に活動範囲を広げれば、日イラン関係が悪化するのは決定的です。

「違法攻撃支援せず」の政府答弁
 米・イスラエルによる明白な「国際法違反」の対イラン攻撃に自衛隊が参加することがあれば、日本政府はいよいよ言い訳のきかないあるまじき行為を犯すことになります。
 国連の独立調査団は今月4日、米・イスラエルによるイラン攻撃は「国連憲章違反」だと非難し、国連の専門家13人も12日、「国際法に完全に違反し、侵略行為」だと非難する声明をそれぞれ発表しました。各国政府に米・イスラエルと厳しく対峙するよう求める国際社会の圧力が一層高まるなか、スペイン政府に加え、イタリアのメロー二首相も11「国際法の範囲外」だと批判し、同攻撃に「介入しない」と表明しました。
 ところが高市早苗首相は、対イラン攻撃への「法的評価は差し控える」などと逃げ回る姿勢に終始。現時点で、自衛隊の派遣については「検討」するとしています。一方で、9日の衆院予算委員会で高市首相は、15年の安保法制を巡る国会審議で、違法な先制攻撃を行った国を「わが国が支援することはない」との安倍晋三首相(当時)の答弁について問われ、「政府の現在の考えと変わりはない」と明言しました。そうであるならば、この先制攻撃を「合法」と位置付けないけない限り、対イラン攻撃には参加できないことになります。
 ホルムズ海峡の事実上の封鎖などを受け、同地域に日本人が取り残される事態に陥っています。これに対して日本政府が行うべきことは、自衛隊の派遣で隊員や現地の日本人の命を危険にさらすことではなく、米・イスラエルに攻撃の即時中止を求め、イランに安全航行を求める「外交努力しかないことは明白となっています。

自衛隊ペルシャ湾派遣は違法/160兆円に上乗せ80兆円上納金(植草一秀氏)

 植草一秀氏の掲題の2つの記事を紹介します。
(1番目の記事)
 ペルシャはイランの古名で、ペルシャ湾はここではホルムズ海峡のことです。トランプが要求しているホルムズ湾への艦船の派遣は、別掲の記事でも詳細にその違法性が明らかにされました。植草氏は違法であることをより簡明に説明しています。
(2番目の記事)
 日本は米国の国債を「約1兆ドル」分所有しています。主要な購入時期は平均1ドル100円以下の時だと思われます。ドル建ての国債は勿論円安の影響を受けないので、売却すれば「額面1ドル」は1ドル+利息(=160円+α)に換金できるので、時価総額は160兆円+利子分になります。
 しかし不当なことに、米国は日本に対して「米国債を売ることを許さない」のが実態です。
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自衛隊ペルシャ湾派遣は違法
               植草一秀の「知られざる真実」 2026年3月16日
改めて強調するが高市首相は明確な戦略と戦術なしに訪米するべきでない。
米国が実行したイランに対する軍事侵攻=先制攻撃は国連憲章違反=国際法違反行為。
したがって、日本の集団的自衛権行使を容認する「存立危機事態」の要件を満たさない。
そもそもは日本の集団的自衛権行使が憲法上許されないもの。
安倍内閣による2014年の憲法解釈変更、15年の戦争法制に正統性がない。
百歩譲って憲法解釈変更および戦争法制が有効であるとしても、今回のケースで日本が自衛隊をペルシャ湾に派遣することはできない。

日本は法治国家である。そして、憲法は権力の暴走を止めるために存在するもの。
憲法の制約から自衛隊のペルシャ湾派遣はできない。
百歩譲って現行法体系が有効であるとの前提を置いても自衛隊の派遣はできない。
現行法体系下で自衛隊を派遣できるいくつかのケースがある。
武力攻撃事態
存立危機事態
重要影響事態
国際平和共同対処事態
そして、自衛隊法に基づく「海上警備行動」

しかし、今回のケースでは日本は自衛隊を動かせない
「武力攻撃事態」は日本が武力攻撃を受けた場合。日本は武力攻撃を受けていない。
「存立危機事態」は我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があるケース。
「我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生」した場合に検討される。
しかし、今回のケースは「我が国と密接な関係にある他国」=米国に対する武力攻撃が発生したものではない。米国がイランに対して先制攻撃を行ったケース

2015年5月27日の政府国会答弁が存在する。民主党岡田克也代表の質問に対する答弁。安倍首相は先制攻撃した国の後方支援について「あり得ない」と述べた。
中谷元防衛相と岸田文雄外相は先制攻撃が国際法上認められていないとした。
岡田氏は我が国と密接な関係にある他国が先制攻撃をしたときに存立危機事態と認定して集団的自衛権を行使する可能性についても質問。岸田外相は「まったくあり得ない」と答弁した

国連憲章51条は武力攻撃を受けた場合に限り、国連安全保障理事会が必要な措置を取るまで個別的・集団的自衛権の行使を認める。
しかし、先制攻撃は国連憲章違反である。したがって、米国といえども米国が攻撃を受けたのではなく、米国が先制攻撃を行った場合には日本が集団的自衛権を行使することはできない。
このことは政府の国会答弁で明確に示されている

今回の事態は米国が国際法に違反してイランに対する先制攻撃を行ったものであり、
放置すれば直接の武力攻撃に至る恐れのある「重要影響事態」にも、
国際社会の平和や安全への脅威がある際、国連憲章の目的に従って共同で対処する「国際平和共同対処事態」にも該当しない。

このなかで、高市首相が訪米してトランプ大統領から要請されて、自衛隊のペルシャ湾への派遣を約束して実行するなら、日本は米国による侵略戦争に加担することになる
自衛権の行使どころか侵略戦争への加担という戦争犯罪に手を染めることになる。
訪米し、トランプ大統領に対して諫言し、日本としては国際法違反の侵略戦争に加担することはできないと堂々と述べることができるなら訪米してもよいだろう。
ところが、トランプにしがみついて飛び跳ねて媚を売るだけなら訪米などするべきでない。
日本が根本的に国の進路を誤るリスクが浮上している。
日本の主権者の力で高市訪米を阻止することが望まれる
続きは本日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」4366号
「高市内閣排除を検討する必要」 でご高読下さい。
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                 (後 略)


160兆円に上乗せ80兆円上納金
               植草一秀の「知られざる真実」 2026年3月18日
高市首相は「事態の沈静化を求めている」と繰り返すが事案の評価が先決だ。
誰に非があるのかを明確にしなければ解決策を示すことはできない。
欧州諸国は米国に非がある戦争に艦船を派遣することはできないと明示している。当然のことだ。
今回の事案は米国による一方的な軍事侵略。
最高指導者夫妻を突然殺害した。小学校にミサイル攻撃を行い、罪のない多数の子どもを虐殺した。明白な戦争犯罪である。

その米国に加担して軍を派遣することは侵略戦争への加担になる。
欧州、豪などが米国の要求を拒否していることについてトランプ大統領が激怒している。
この状況下で高市首相が訪米する意味はない。訪米するなら、米国の国際法違反を指摘して、米国の軍事行動中止を求めるしかない。

日本への自衛隊派遣の要請に対しては対応できないことを明言する以外にない。
トランプ大統領は不満を露わにするだろう。トランプ大統領に対して誤りを指摘し、米国の要求を呑めないことを伝えるために、わざわざ訪米する必要があるのか。
米国が孤立無援に陥っている状況であるから、日本が米国にすり寄れば得点を稼げる。
これほど浅はかな考えはない。

米国が国際法に反してイランに対する軍事侵攻を行った。イランは自衛権を行使してホルムズ海峡封鎖を実行した。その結果、原油価格が急騰して世界経済に深刻なダメージを与えている。
国際社会が足並みを揃えて米国の国際法違反の暴走を諫(いさ)めるしかない。
このなかで、米国の力が強いことを理由に米国にすり寄る造反国が登場すれば国際社会の利益を損ねる。

「事態の沈静化を求める」なら、米国に対して国際法違反の暴走をやめるように進言するのが正しい対応。その対応を示さずに、トランプ大統領の機嫌を取ることに腐心するのは愚の骨頂。
日本政府は5500億ドルの対米投資を約束させられた。円換算で80兆円以上の対米上納金だ。
日本はすでに1兆ドル=159兆円の上納金を米国に支払い済み。日本政府保有の外国証券が1兆ドルある。ほぼすべてが米国国債である。ドル高で円換算額が膨らんだ。
これを「ほくほく」とか「うはうは」とか表現する者がいるが見当違いも甚だしい。

ドル建て資産を保有してドルが上昇すれば利益が生まれる。
1ドル=100円で1兆ドルのドル建て資産を購入し、その後に1ドル160円になれば大きな利益が生まれる。評価額は100兆円が160兆円になる。60兆円の含み利益が生じる
しかし、これを眺めるだけなら無意味だ。
1ドル=160円の時点で保有するドル建て資産を売却して日本円に転換して初めて利益が「実現」する。売却せずに評価額が上昇したと喜んでも無意味なのだ。
「ほくほく」でも「うはうは」でもない。

円安で日本の消費者は輸入品に多額の日本円を支払う必要が生じる。
日本国民の所得と資産のドル換算額は円安で激減する。
円暴落は日本国民にとって災難でしかない。
また、円暴落で日本の優良資産が外国資本に買い占められている。
これが最大の経済安全保障問題。

日本政府は保有する米国国債の売却を許されない。
その上で、新たに80兆円もの上納を迫られている。
唯々諾々とこれに応じるのは愛国者ではなく売国者である。

続きは本日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」4368号
「媚米外交は国際社会の害悪」 でご高読下さい。
                   (後 略)

ホルムズ海峡の攻防へ-トランプは高市に自衛隊水陸機動団の派遣を要請か

 世に倦む日々氏が掲題の記事を載せました。
 日本へのホルムズ海峡への艦船派遣の要求は瞬間的に「一旦無くなった」状態ですが、トランプの言うことは日替わりで二転三転するのでそれで収まるはずはありません。実際にトランプは次には「元に戻す」SNSを出すと公言しています。
 世に倦む日々氏は、トランプは言を左右させて真意を煙に巻きながら、「イラン現体制の転覆を諦めていない。本心での戦争目的は明確で、イスラム共和国体制を潰し親米親欧の傀儡新政権を樹立することだ。だからこそ、モジタバ以下10人の指導者の情報提供に懸賞金をかけている」と見ています。
 そして、米軍は「先ずホルムズ海峡のイラン側に細長く横たわるゲシュム島の攻略と占拠を狙っている。ホルムズ海峡の制海権を奪取してイランを排除するためには、どうしてもこの島を陥落させ無力化する必要がある」と考えているはずで、そのために沖縄駐在の米海兵隊を仕向け、日本には「水陸機動団(陸自相浦)を強襲揚陸艦に載せて佐世保から遠征させよ」と要請するはずと具体的に述べています。
 更に、「イランに対する勝利難しくなった場合は、非常に危険なシナリオが浮かんでくる。考えられるのは、イランとの戦争泥沼化に進む状態のまま遁走し、キューバ攻略に転じる図である」と想定しますそして核兵器の使用があり得るとも……
 詳しくはどうぞ記事をお読みください。
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ホルムズ海峡の攻防へ - トランプは高市に自衛隊水陸機動団の派遣を要請か
                       世に倦む日日 2026年3月17日
イラン戦争は3週目に入った。3/6 に秋元千明が報道1930で示した予想では、米似の4週間の作戦計画は次のように説明されていた。すなわち4つの段階が設定され、1週目にイランの防空システムを破壊し、2週目に海空軍戦力とミサイル戦力を全壊させて無力化し、3週目は革命防衛隊の地下基地3か所を徹底壊滅させ、4週目は残りの後始末をやって終了という工程表だった。秋元千明の話だから、情報機関3兄弟(MI6CIA・モサド)による工作用リークの意味があり、情報機関側が楽観的想定をマスコミで撒いた言説と受け取られる。だが、事態は全く違った方向に展開している。3週目の入口の 3/13、トランプは米軍にペルシャ湾奥にあるイランの石油積み出し基地のカーグ島を攻撃させた。小谷哲男の解説では、沖縄から出撃する海兵隊(31MEU)は、このカーグ島とホルムズ海峡に位置するゲシュム島の二つのの占拠を目的にして派遣されると言う

秋元千明の説明、すなわち軍事情報機関側の思惑は外れ、アメリカはペルシャ湾を戦場の主舞台に移した。イスラエルの参謀本部としての地位と機能が相対化される推移となった。3週目に入り、特にホルムズ海峡の攻防が焦点となっている。3/14、トランプはSNSの投稿で、イランによって封鎖されたホルムズ海峡を「開放」するため、他国がアメリカと連携して軍艦を派遣するだろうと主張、中国・フランス・日本・韓国・英国 と国名を挙げて期待を表明した。3/16 の報道では、さらにそこにカナダとドイツも加えられている。各国の反応は様々だが、概して消極的な姿勢が強く、どの国も、海峡の自由な通行と石油の安定供給は必要だが、アメリカに加担してイランと戦争する愚は犯したくないという意思が窺える。現状のマスコミの説明では、軍艦派遣はタンカーや商船の護衛とされているけれど、小谷哲男の解説に従えば、そんな簡単な中身では済まず、イランとの交戦が確実となる




アメリカ軍は、ホルムズ海峡のイラン側に細長く横たわるゲシュム島の攻略と占拠を狙っている。ここは革命防衛隊の要衝で、ミサイル基地や高速艇基地が点在していると推定されていて、ホルムズ海峡の制海権を奪取してイランを排除するためには、どうしてもこの島を陥落させ無力化する必要がある。そのため、アメリカは海兵隊の派遣を決定した。禁忌だったはずの地上戦に踏み切る決断をした。海兵隊が島に上陸し突撃するとなれば、米兵の流血は必至だろう。カーグ島も同じだ。今、戦局の焦点と現場は空から海上と陸上に移った。おそらく、トランプは高市に、水陸機動団(陸自相浦)を強襲揚陸に載せて佐世保から遠征させよと要請するはずで、米兵と一緒に血を流す依頼をするだろうと推測される。さらに場合によっては、ゲシュム島を攻略した後、米海兵隊がカーグ島方面の作戦に集中するため、ゲシュム島の占領平定と守備を自衛隊に分担させるという構想に及ぶかもしれない

ホルムズ海峡は自衛隊(日本軍)の責任範囲という認識で、トランプは当然視してその任務を押しつけるだろう。また、アメリカの世論に向かって、日本が戦後初めて援軍としてアメリカのために参戦協力し、自ら血を流してくれたと意義を強調、イラン戦争を地上戦のフェーズに持ち込んだ解禁を正当化する材料にするだろう。イランの現体制を転覆させるためには地上戦が不可避だ。トランプは、ペルシャ湾に浮かぶ島々の攻略作戦から始めて、そこを橋頭保に地上軍をイラン内陸に投入する作戦に出るのであり、補給線を引いて増派し、テヘランに地上進撃する魂胆なのに違いない。トランプは言を左右させて真意を煙に巻きながら、イラン現体制の転覆を諦めていない。本心での戦争目的は明確で、イスラム共和国体制を潰すことだ。親米親欧の傀儡新政権を樹立することだ。だからこそ、モジタバ以下10人の指導者の情報提供に懸賞金をかけている。斬首を続けるためであり、完全排除するためだ

イラン情勢の権威である田中浩一郎は、攻撃が始まった当初から、イランの継戦能力は2週間しかないと分析していて、3/13 配信のネット動画でも同様の見通しを示し、ミサイルやドローンなど飛び道具での攻撃は2週間で枯渇だろうと明言している。そこから先は、アメリカ地上軍を迎え撃つゲリラ戦での抵抗しかないという観測だ。だが、イラン側の戦況報告を見ると、「真の約束4」と命名されたミサイル攻撃作戦が続いている映像が投稿され、波状攻撃でテルアビブなどを襲っている様子が確認できる。イラン側の戦果を伝える発信は疑義のあるものが多いが、Grok がリプで信憑性を推認している情報も少なくない。3/16 にはUAEの港湾施設がイランのドローン攻撃で被害を受けている。小谷哲男が 3/14 に動画で示した見方では、イランのミサイルはほぼ破壊されたが、ドローンの保有は未だ払底から遠く、自国で生産可能なため依然として脅威だと言っている。田中浩一郎の分析と矛盾した見解だ

3/19 に行われる高市とトランプの日米首脳会談は、イラン戦争の帰趨に大きく関わり、世界が注目する国際政治の関心事となる。アメリカ側は、何としても自衛隊のホルムズ海峡派遣を高市にコミットさせ、トランプの外交勝利を内外に喧伝し、同盟諸国による連合護衛艦隊の結成に繋げたいだろう。戦争は軍事と外交の両輪で回すプロジェクトで、軍事作戦でどれほど成功を重ねても外交で失敗すれば勝利はない。戦争の第2週目、トランプは思いもよらぬ不覚を取って失地の事態となった。西側の指導者でトランプに最も親近的と見られたイタリアのメローニが、イラン攻撃は国際法の範囲外だという認識を示し、トランプに肘鉄をくらわす挙に出たからだ。イタリアは戦争に参加しないと明言、米軍によるイランの女子小学校爆撃を厳しく非難した。私も意外だったが、トランプの打撃は大きいだろう。ここで日本の高市から支持と支援を得なければ、トランプは外交的に窮地に追い詰められる。アメリカの孤立と敗北となる

メローニを冷静な判断に導いた要因として、スペイン首相のサンチェスの勇気と英断が大きい。見事な外交の快挙だった。拍手して称賛したい。政治をする者に必要なのは勇敢さである。ウェーバーも言っている。あの局面で、米似のイラン攻撃に対して「一方的な国際法違反」だと糾弾、米軍基地使用を拒否した勇気に感動させられる。トランプの貿易停止措置の脅迫に対して、「報復を恐れない」と堂々と対峙し反論した。簡単にはできないことだ。スペインは大国ではなく、アメリカから制裁を受けた場合の影響は小さくない。54歳の社会労働党書記長。よく踏ん張って政治情勢の流れを変えた。欧州に親米ネオリベの反動政権と右翼勢力が闊歩する中、ただ一人、昨年のトランプ関税禍の際も毅然と正論を唱えていた。ステイツマンの姿で屹立していた。今年に入り、ベネズエラへの襲撃と虐待があり、キューバへの悪辣な威嚇と脅迫が続き、スペインの指導者として(スペイン国民と共に)我慢ならない部分があったのだろう

四面楚歌となり、イランに対する戦争勝利をアピールすることが難しくなったトランプはどうするか。非常に危険なシナリオが浮かんでくる。考えられるのは、イランとの戦争をほったらかしにしたまま、泥沼化に進む状態のまま遁走し、キューバ攻略に転じる図である。トランプの場合、軍事についての知識や思慮はなく、米軍とCIAは万能であり不可能はないと頭から信じていて、何でも自分が要求したとおりの成果を上げてくれると思っている。リスクの深慮はない。そして、洪水戦略こそが身上で、次から次に新しい問題を持ち出してマスコミの関心事に据え、それをドライブする演出を見せ、自画自賛を強調するのがトランプの政治手法である。新しい事件を起こすことで、窮地に陥っていた先のイシューを煙に巻く。関心をフェイドアウトさせる。キューバの政権転覆を図る動きに出て、軍を動かせば、アメリカのマスコミはそちらに集中して報道を埋めるだろう。イラン戦争から視線が離れ、トランプへの批判や追及のボルテージは弱くなる

もう一つの悪夢のシナリオは、ネタニヤフとトランプがイランに対して核を使う想定である。トランプはこの戦争で外交的に孤立し窮地に陥っていて、打開策が見えず、八方塞がりの状況になっている。最も合理的で簡単な解決の方向性は、トランプがイランに謝罪し、賠償金を払い、イランの現体制を認めて和解し講和することだ。だが、それをすればトランプの面子が潰れ、国内の支持も一気に失って失脚する。傲慢で強気一辺倒のトランプに反省の二文字はない。行き詰まったトランプが思いつく手として、核攻撃でイランにとどめを刺し、イランを無条件降伏に導くという妄想がある。そのときは、作戦はネタニヤフに実行させ、トランプは「オレは何も知らない。事前に聞いてもいない。ネタニヤフが勝手にやった」と逃げ口上を言うだろう。おそらく水面下ではもう検討段階に入っていて、ネタニヤフはトランプに誘い水を向けて工作を重ねているに違いない。モサドとCIAのことだから何をするか分からない。虐殺狂のイスラエル国民は支持するだろう

常識で考えれば、イランへの核攻撃などあり得ないが、戦争を行っている米似の指導層と軍事情報機関の高官たちは、理性を持った人間ではない。3/15 のニュースで、インタビュー中のベッセントがトランプに呼び出され、戻ってきたら動揺して手が震えていたという件があり、核使用の相談ではなかったかと不安にさせる一幕があった。突拍子もない話を切り出して恐縮だが、アメリカの政治経済軍事を動かしているトップエリートたちは、半ばエプスタインの仲間であり、つまり、少女への性的暴行(や殺人や人肉食)の邪悪なパーティに参加している者たちだ。トランプ本人がそうだし、ラトニックはエプスタイン島に行った事実を証拠を出されて認めている。彼らリバタリアンの論理と思考は、自分たち特権者が万能の神であり、他は価値のないクズの家畜であり、人類が近現代に築いた人権と平等の法秩序を蹂躙することに快感を覚える人種として生きている。世界観が違う。そうした連中が遂行する戦争は、われわれ一般が考える戦争と違っていておかしくない

CIAはエプスタインの事実を当然ながら知っていたはずである。探知し調査していたはずだ。知りながらアメリカ国家の病的事態を放置していたのは、CIAの幹部エリートたちもエプスタインの蜜の味を愉悦し共有する仲間だったからではないだろうか。その疑念が拭えない。エプスタインが裏の執事を務めていたのは、経済(WEF)の人脈だけでなく、安保(CIA)の人脈も含んでいたのではあるまいか。囁かれるエプスタインとイスラエルとの関係を考えたとき、そういう想像に掻き立てられる。核攻撃を真剣に恐れる理由と根拠はそこにある。ネタニヤフとトランプの影に隠れ、責任が見えないように潜んでいるが、トランプをイラン攻撃に運ばせたのはCIAである。本気で止めようとすればいくらでも止められた