2015年10月31日土曜日

南シナ米中衝突の危機に官邸周辺は大ハシャギ

 米海軍のイージス艦が、南シナ海・南沙諸島の中国の人工島の12カイリ内を航行した件をめぐり、米中両国の海軍トップが29日テレビ会談を行い、米側はすべての国が保障されている航行権を守るために行ったと主張し、中国側は「その圏内で巡視活動を続ければすべての必要な措置を取らざるを得ない」と警告しました。
 双方は対話継続の重要性を確認し、年末に再会談することで一致しました。
 
 中国が本土からはるか離れた海域に人工島を作り領土だと主張するのは確かに理解しがたいことですが、米国は中国のいう「12カイリ圏内」を航行したと言うことで、世界に対して面子が立ち、中国も両海軍のトップ会談で警告を発したことでやはり面子が立って一応落着したものです。
 
 この問題に関して元外交官の天木直人氏が両国の立場をとても簡潔に解説しています。
 要するにもはや日本に出る幕などはなく、それをするならピエロだというわけです。
 
 ところがLITERAによれば、日本の新聞・テレビは米イージス艦の航行を、あたかも一触即発の事態のよう報道し、官邸周辺に至ってはなんと「やった、やった」のに包まれているということです
 「安保法制は、南シナ海の中国が相手」とは、安倍首相が安保法案の目的について繰り返しオフレコで語ってきたところなので、早くもそのときが到来したという思いに浸ったのでしょう。
 
 少なくとも隣国で起きている事柄なので、日本政府はそうした事態を憂慮し冷静に対応すべき立場にあるはずなのに、浅ましいというしかありません
 安倍首相が軍服を着て戦闘機の操縦席に座った写真はよく知られていますが、それは昭和20年代の軍国少年を想起させるものでした。そんなにまで戦争がしたいのでしょうか。
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米中が手打ちしたのに中国に文句を言う安倍首相はピエロだ
天木直人 2015年10月30日
 きょう10月30日の東京新聞がワシントン発青木睦記者の記事で次のように書いている。
 オバマ政権が中国の人工島の12カイリ内に駆逐艦を派遣したのは、中国の強硬姿勢に何もしなければ米国の威信が低下することをおそれたからだと。
 そういう事だったのである。慌てた中国は驚き、警戒行動をとった。
 しかし、これも、何もしなければ、これまでの中国の強がりが腰砕けになるからだ。
 お互いに内外の目を意識して、毅然とした態度を取り続けざるをえないのだ。
 しかし、エスカレートして軍事衝突に発展しては大変だ。だからわずか一日で手打ちをしたのだ。世界が大騒ぎした時点で、米国の目的は達成され、それを知った中国も一安心なのである
 
 ところが、わが国の安倍首相はどう対応しているというのか。きょうの各紙が報じている。
 安倍首相は11月1日にソウルで開催される日中韓首脳会談の際に行われる李克強首相との会談で、一方的な現状変更は止めろ、航行の自由や法の支配を守れ、と中国に文句を言う方針を固めたという。
 まるで道化師だ。米中が手打ちをしているのに、日本が中国に文句を言ってどうする。日本の出る幕ではない、と一蹴されるのがおちだ。度し難い安倍首相の外交音痴ぶりである。
 
 そんなことをやっているから、いつまでたっても中国から馬鹿にされ、中国との関係が改善しないのである(了)
 
 
南シナ米中衝突の危機に安倍一派大ハシャギ!
ヒゲの隊長は宣戦布告ばりのツイート、年明けにも自衛隊を派遣か
LITERA 2015年10月29日
 安倍晋三首相の“戦争心”がさぞや疼いていることだろう。南シナ海での米中衝突危機だ。オバマ米政権が日本時間の27日午前、横須賀の米海軍第7艦隊所属のイージス駆逐艦「ラッセン」を南シナ海で中国が埋め立てた人工島の12海里(約22km)内に侵入させ、数時間にわたって同海域を航行させた。いわゆる「航行の自由作戦」だ。
 各報道機関が報じているように、米国防総省は5月頃から作戦敢行を検討し、オバマ大統領に進言していた。それが満を持したカタチで実行に移されたのだ。中国側は当然これに強く反発、南シナ海の緊張がにわかに高まっている。日本の新聞・テレビはあたかも一触即発のような報道ぶりだ。
 
 日本政府は本来、こうした事態を憂慮し冷静に対応すべき立場なのだが、安倍官邸の周辺は「やった、やった」の声に包まれているという。その典型がヒゲの隊長こと佐藤正久参院議員のツイッターだ。米軍の作戦開始の一報が入るや、〈いよいよ開始!米駆逐艦「ラッセン」南シナ海の中国人工島12カイリ内へ〉とつぶやくハシャギようだ。「いよいよ開始!」って、米軍側と一体になった宣戦布告のような物言いではないか。
 まあ、それもそのはず、安倍首相の悲願だった新安保法制はズバリ、南シナ海での対中戦争を想定したものだった。「週刊現代」(講談社)7月4日号が暴露した安倍首相のオフレコ発言メモによると、今年6月1日に都内の高級中華料理店「赤坂飯店」で開かれた官邸記者クラブのキャップらとの懇談で、こう言い放ったという。
安保法制は、南シナ海の中国が相手なの。だから、やる(法案を通す)と言ったらやる」
 
 この日は町村信孝元衆院議長が逝去した日だが、安倍首相はなぜかご機嫌で赤ワインをグイグイ飲み干していたという。酔った勢いで、つい封印していた本音が出たということだろう。
 しかも、安倍首相の「南シナ海」発言は酒の席だけではないのである。写真週刊誌「FRIDAY」(講談社)が衆議院での強行採決の際に口走った、驚くべき言葉を暴露している。
支持率ばかりを気にして採決を先延ばししていたら、南シナ海(有事)に間に合わない
 安倍首相は国会の審議の場ではことあるごとに「ホルムズ海峡が」「朝鮮半島有事が」と言っていたが、本音はやはり、南シナ海での中国との戦争にあったのだ。
 今年6月には、すでに海上自衛隊が南シナ海でフィリピン海軍と合同軍事演習を行っている。この時、フィリピン軍は同時に米軍との合同演習も行っていて、官邸は1年以内に自衛隊が米軍やフィリピン軍とともに中国が進める南シナ海での岩礁埋め立て工事現場付近に出動し、この工事を武力で止めるシナリオをもっているといわれている。
 
「この話をすると国民がさらに戦争への危機感をもってしまうため、国会や会見では一切口にしていませんでしたが、これは既定のシナリオです。“南シナ海”での話を安倍さんはオフレコでは何度も口にしているんです」(全国紙政治部記者)
 そんな安倍政権にとって、今回の米海軍による「航行の自由作戦」は、まさに「待ってました!」「いよいよ開始!」というノリなのだ。カザフスタンを訪問中の安倍首相はすかさず「米国をはじめ国際社会と連携していく」とアメリカ支持の立場を鮮明にした。
 いまや安倍政権の機関紙といえる産経新聞のハシャギようもすさまじい。翌28日付の紙面の見出しを拾うと――。
 
〈米艦示威哨戒継続へ〉〈中国人工島12カイリ内を航行〉〈安倍首相「米と連携」〉の文字がデカデカと並び、〈米危機感やっと本腰〉と、米軍の作戦開始を手放しで歓迎している。驚くのは、表向き中谷元防衛相が「具体的な計画は有していない」と言っているにもかかわらず、〈自衛隊どう関与〉と、自衛隊の“出動”に前のめりになっていることだ。社説「主張」でも〈日本はオーストラリアなど危機感を共有する国々に呼びかけ、結束して米国を後押しすべきだ〉と、自衛隊の“出動”を促している。
 実際、安倍首相と官邸は、すでに自衛隊を南シナ海に派遣すべく具体的に動き始めている。海上自衛隊はさっそく、現在、シンガポールに寄港中の護衛艦「ふゆづき」を南シナ海に派遣し、米空母の「セオドア・ルーズべルト」と共同訓練を実施することを決定した。
 
 今回の訓練場所は、中国の人工島から遠く離れているが、年明けには、米艦隊と一緒に12カイリ内を航行する計画も密かに進んでいるらしい。
 おそらくその先には、自衛隊を戦闘行為に直接参加をさせ、比喩ではなく実際に自衛隊員に血を流させることを想定しているだろう。
 南シナ海で米軍と中国軍が一触即発の状態になれば、それを即座に集団的自衛権行使の要件である「存立危機事態」とみなし、中国軍に攻撃を加える。そして、戦闘状態になって、自衛隊員が命を落とし、一気に世論が“中国憎し”で盛り上がる。
 これは妄想などではない。事実、過去に安倍首相自身が南シナ海、東シナ海で、中国の脅威をおさえこむために「日本人が命をかけて血を流すべきだ」とはっきり発言しているのである。
 
 それは、「WiLL」(ワック)と双璧をなすヘイト雑誌「ジャパニズム」(青林堂)2012年5月号で行われた外交評論家・田久保忠衛氏との対談でのこと。田久保氏は今年4月、日本会議の第4代会長に就任したばかりだが、ことあるごとに安倍首相を絶賛する安倍応援団の一員でもある。教育現場での体罰を肯定する「体罰の会」では顧問を務める。そんなふたりの対談のタイトルはずばり、〈尖閣に自衛隊を配備せよ!〉だ。この対談のなかで安倍首相は、次のように語っている。
「(中国は)自国がどんどん発展していくという、いわば中国人が中国人として誇りを持つための愛国主義教育を行っているわけです。その線上に覇権主義、領土拡大があり、中国に多くの国々が従っているという姿の演出が必要で、それが南シナ海、東シナ海での一連の中国の行動につながっている」
 
 ここからさらにヒートアップし、突然、“血の安全保障”を意気軒昂に主張し始める。
「わが国の領土と領海は私たち自身が血を流してでも護り抜くという決意を示さなければなりません。そのためには尖閣諸島に日本人の誰かが住まなければならない。誰が住むか。海上保安庁にしろ自衛隊にしろ誰かが住む。(中略)まず日本人が命をかけなければ、若い米軍の兵士の命もかけてくれません」
「血を流してでも護り抜く」「日本人が命をかける」。もちろんこれらは首相再任以前の発言だが、しかし、これまで安倍政権が進めてきたこととの符合を考えれば、これこそが安倍首相の偽らざる本音であることがよくわかるだろう。
 
 もちろん、普通なら、中国との軍事衝突はイコール、世界経済の危機を意味しており、ぎりぎりのところでそれは回避されると見るのが常識だ。
 だが、一方で、安倍首相の言動をみていると、この男にそういう理性的な判断が働くのか、はなはだ不安になってくるのである。
 
首相就任直後にはニコニコ超会議で迷彩服を着て戦車に乗って得意満面になり、国会では自衛隊を「わが軍」と呼んだ安倍首相は、安保関連法成立後の10月18日には米海軍横須賀基地に配備された原子力空母ロナルド・レーガンに乗艦してみせた。現職の日本の首相がアメリカの軍艦に乗るのは史上初めてのことである。
 
 安倍首相の安全保障政策をつき動かしているのは、国際社会で日本がどう国益を守るかというプラグマティズムではなく、抑えきれない戦争への興味なのだ。とにかく、軍隊が大好きで、戦争をやってみたくてたまらない―。自衛隊の指揮権がいま、こんな男に握られているという現実を、国民はいま一度、よく考えてみるべきだろう。 (野尻民夫)

31- 名古屋 安保廃止・辺野古移設反対のデモに1200人

 安保関連法の廃止や沖縄の辺野古移設反対などを訴える集会とデモが30日、名古屋市の繁華街であ約1200人が参加しました。
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反安保・辺野古移設:名古屋・栄地区で1200人デモ
毎日新聞 2015年10月30日
 安全保障関連法の廃止や米軍普天間飛行場の辺野古移設反対などを訴える集会とデモが30日、名古屋市中区の栄地区であった。約1200人(主催者発表)が参加し、約1.3キロを行進した。
 
 市民有志の実行委員会主催。「戦争法廃止」「辺野古新基地NO」などと書かれたカードを手に、「憲法違反の内閣いらない」などとシュプレヒコールを上げた。
 
 デモの前に若宮大通公園で開いた集会には、沖縄から安次富浩・ヘリ基地反対協議会共同代表が参加。現状を報告し「主権者は私たちだ。共に立ち上がりこの国を変える力になりましょう」と呼び掛けた。実行委の中谷雄二代表も「安倍政権は許せない。来年の参院選まで声を上げ続けよう」と訴えた。【清藤天】
 

安保関連法の廃止や辺野古新基地反対を訴えてデモをする人たち=名古屋市中区で2015年10月30日午後7時8分、木葉健二撮影

2015年10月30日金曜日

「生活保護アクション 25条大集会」に4千人超 日本の生活保護は悲惨

 28日、東京・日比谷野外音楽堂で「生活保護アクション 25条大集会」が開かれ4千人以上が参加しました。これは生活保護制度が始まって以降、最大規模ということです。
 集会では、憲法25条を守り誰もが安心できる社会をつくろうと、確認し合いました。
 
 生活保護制度と社会保障制度の根幹をなすものが憲法25条です。
 【憲法第25
   1. すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
   2. 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。
 
第1項は、すべての国民「健康で文化的な生活」をする「生存権」を持つと人
保障し、第2項は、その生存権の保障を現実のものとするために、国が社会
保障制度の構築など必要な環境整備をする義務を負っていることを明しています。 
 
 大企業や富裕層が優遇される中で貧困が拡大・深刻化し、国民の生活はますます困窮しています。そして生活保護を受給する世帯数や人数は年々最高記録を更新しています。
 それでも日本では生活保護を利用している人たちは人口の1.6にすぎず、先進諸外国:ドイツ9・7%、フランス5・7%、イギリス9・2%、スエーデン4・5%に比べて大幅に低くなっています。
 問題なのは、実際に生活保護を受ける人たちが受ける権利のある人たちの中に占める割合(利用率)が15・3~18%と極めて低いことで、上記の国々の利用率が64・6~91・6%であるのとは比較にもなりません。
 生活保護を申請しても窓口ではねつけてしまうという、行政の冷酷さがその背景にあることはいうまでもありません。 
 
 そのうえその生活保護はいま、老齢加算廃止され、生活扶助基準、住宅扶助、冬季加算の改悪などが次々と行われ、「健康で文化的な最低限度の生活」ができなくなっています。憲法25条が有名無実化されているということです。
 
 集会の実行委員会はこの日、厚労省に、生活保護と社会保障のさらなる削減・改悪をしないように求める要望書を提出しました。

 またさいたま地裁が28日、埼玉県春日部市が60代の女性の生活保護の支給を止めたのは違法だとする判決を下しました。併せて紹介します。この事件の詳細は下記の関係記事を参照下さい。

   (関係記事)
2014年9月6日 春日部市に生活保護費支給の再開を命じる仮処分
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生活保護充実 25条守れ 日比谷野音 大集会に4千人超
しんぶん赤旗 2015年10月29日
 「生活保護アクション 25条大集会」が28日、東京・日比谷野外音楽堂で開かれました。「生活保護制度が始まって以降、最大規模」という4千人超が参加し、生活保護制度と社会保障制度の根幹である憲法25条を守り、誰もが安心できる社会をつくろうと、確認し合いました。主催は同実行委員会。
 
 共同代表の尾藤廣喜弁護士はあいさつで、「深刻な貧困の状況を改めるには、貧困の原因に合わせた最低賃金の大幅引き上げや基礎年金の引き上げ、医療費自己負担の引き下げと、生活保護の充実こそが必要だ」と強調。「9条と25条は車の両輪だ」と述べ、幅広い人たちが連帯し、25条の実質化を求めようと呼びかけました。
 
 共同代表の井上英夫金沢大学名誉教授があいさつ。各地の保護利用者やソーシャルワーカー、年金生活者、非正規労働者などが訴えました。
 
 日本共産党の清水忠史、堀内照文の両衆院議員と小池晃、田村智子、辰巳孝太郎の各参院議員が参加。小池議員があいさつし、安倍自公政権が財源を理由に保護費を削減するのは憲法25条違反だと批判し、「憲法無視の政府を倒すために野党は力を合わせて憲法を取り戻す」と述べました。
 民主、維新、生活、社民各党の国会議員が参加しました。
 
 実行委員会は同日、厚生労働省に、生活保護と社会保障のさらなる削減・改悪をしないように求める要望書を提出しました。
 
 
生活保護支給停止を取り消し さいたま地裁「配慮欠く」
東京新聞 2015年10月29日
 自宅の買い替えを理由に生活保護の支給を止めたのは違法だとして、埼玉県春日部市の60代の女性が、市の支給停止決定の取り消しを求めた訴訟の判決で、さいたま地裁は29日までに、「原告の特殊事情に十分な配慮を欠いている」として決定を取り消した。28日付。
 これに先立ち地裁は昨年7月、女性が求めた決定取り消しの仮処分申し立てを「市の対応は裁量権の乱用の余地がある」として認め、女性は生活保護を受給している。
 判決は、女性の世帯について「住宅買い替えの前後を通じて保護を要する状態にあった」と指摘した。
 
 春日部市は「判決文の内容を精査し、対応を検討する」としている。 (共同)

30- シールズが野党の選挙協力を呼びかけ、統一候補は応援すると

 安全保障関連法制に反対する学生団体「シールズ」のメンバー4人が28日、都内の日本外国特派員協会で会見し、来年夏の参院選に向けて、野党の選挙協力を呼びかけていく考えを示しました。
 
 会見で、「来夏の参院選に野党の統一候補が出るなら応援する。野党は政策や立場の違いを超えて選挙協力をしてほしい」と訴え統一候補が出た場合、街頭や決起集会での応援演説など、個々の候補ごとに具体的な方法を検討するとともに、安保法反対運動に取り組む学者や母親の団体との連携も模索するとしています
 
 同法制が「成立」した9月19日未明、シールズの奥田愛基さんは「悲壮感はない」これからやることは世論の力で安保法制を使わせないようにすること。選挙に行こう!賛成議員を落選させよう!!」と叫びました。
 
 それの実践の宣言と呼びかけです。なお、シールズは参院選が終わったら解散する予定だということです
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体たらく野党を揺るがすシールズの参院選「応援演説」計画
日刊ゲンダイ 2015年10月29日
 民主党の抵抗で共産党が呼びかけた「国民連合政府」構想は漂流し、維新は大阪系議員ら造反組と残留組の分裂騒動でメタメタ。あまりにヒドい野党をみかねて、学生団体「SEALDs(シールズ)」が参院選に向けて本格始動だ。
 
 28日、外国特派員協会でシールズのメンバー4人が会見。来夏の参院選を見据えた今後の方針を発表した。
 
 今月25日に開催した「学者の会」との合同シンポジウムを再び12月6日にも予定し、以降、月1回ペースでシンポや街宣活動、デモを行う計画だという。投票率低下を改善するための投票所の設置運動にも取り組む。
 そして、この体たらくの野党を揺るがしそうなのが、「選挙応援」だ。来夏の参院選で野党共闘を呼びかけ、統一候補になった場合、シールズのメンバーが街頭や決起集会での応援演説に出向くというのである。
 
 「立憲主義、民主主義が揺るがされる緊急事態です。思想・信条を超えて野党が協力しなければ厳しい。シールズとして野党再編のデザインを描くことは考えていませんが、選挙に勝てなければ自民党の改憲草案が現実になる。このことを社会に向けて世論喚起することで、政治家を動かしたい」(メンバーの諏訪原健さん)
 
 国民的人気になった若者たちの選挙応援を喉から手が出るほど欲しい候補者は多いはずだ。シールズ関連の書籍は次々ベストセラーになっていて、今月21日発売の「SEALDs 民主主義ってこれだ!」は、アマゾンの政治カテゴリーで売れ筋ランキング1位(28日現在)になった。
 実際、民主党・岡田代表は27日の講演でシールズに対し「お互い尊重して、良い関係を築きたい」と連携に“色気”を見せていた。
 
「20代を中心とした若い世代は有権者の中でも支持を得るのが最も難しい層です。シールズ側から『応援したい』なんてチャンスですから、今回の活動方針を聞いて、野党は火がつくでしょう」(政治ジャーナリストの角谷浩一氏)
 
 会見では野党共闘がなかなか進まない現状への見解を問う質問も出たが、シールズメンバーは野党の批判は口にしなかった
 「彼らの方が大人ですよ。ある種、達観していて『自分たちが変わらないと社会は変わらない』というスタンスでした。野党は情けない」(会見に出席していたジャーナリストの神保哲生氏)
 
 岡田民主党も早く大人になってくれ。

2015年10月29日木曜日

29- 辺野古29日にも本体工事 防衛局が沖縄県に着工届

 防衛省沖縄防衛局は28日、名護市辺野古沿岸部で本体工事に着手するための届け出文書を沖縄県に提出しました。早ければ29日にも着工するということです。
 翁長知事が行った承認取り消し無力化に向けた手続きに政府が踏み出しました。
 
 いずれは知事から権限を奪う「代執行」も行われる可能性が高まりました。代執行は埋め立てを認めるかを決める県の権限を国が奪う手続きです。
 これは「最後の手段」とされていて、前知事のときには安倍内閣は「埋め立て承認の代執行は検討していない」とする答弁書を出しています。
 
 沖縄防衛局の不服審査請求に対して約90ページあまりの意見書を21日国交省に発送しましたが、それから1週間もしないうちに「執行停止」の判断が出されました。
 「結論ありきの政府内でのやりとり」といわれても仕方がありません。
 沖縄では、「植民地扱いだ」という反発の声が広がっています
 
 琉球新報は、「権力を乱用した民意への弾圧としか言いようがない」、「恥ずべき二重基準に基くもの」、「圧政には屈しない」とする社説を掲げました。
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辺野古あすにも本体工事 沖縄防衛局が県に着工届を提出
東京新聞 2015年10月28日
 防衛省沖縄防衛局は二十八日、米軍普天間(ふてんま)飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の移設先、名護市辺野古(へのこ)沿岸部で本体工事に着手するための届け出文書を沖縄県に提出した。着手予定日を十月二十九日と記載した。天候などを考慮した上で、早ければ二十九日にも着工する方針だ。翁長雄志(おながたけし)知事による埋め立て承認取り消しの効力を石井啓一国土交通相が停止したのを受けた措置。
 
 沖縄県は対抗策として、第三者機関「国地方係争処理委員会」に効力停止の不服審査を近く申し出る。町田優(まちだまさる)知事公室長は「あらゆる手法を使って工事をさせない。基地を造らせない。法的手段を駆使してやるだけだ」と記者団に述べた。
 
 一方、石井国交相は二十八日、翁長知事に対し、埋め立て承認取り消し処分の撤回を求め、地方自治法に基づき是正を勧告する文書を郵送した。勧告やこれに続く是正指示に従わない場合は、処分を無効にするため高裁に提訴。勝訴すれば取り消し撤回を知事に代わり「代執行」する。
 撤回期限は文書到着の翌日から、休日を除き五日以内。二十九日に届けば十一月六日が期限となる。
 
 防衛局は陸上部分の工事から手掛け、資材の置き場や運搬のための仮設道路整備から始める予定。これに続いて土砂を搬入し、移設先の約百五十七ヘクタールを埋め立てる。未完了となっている海底ボーリング調査も並行して続ける。文書は工事完了予定日を「二〇二〇年十月三十一日」と記載した。
 
 菅義偉官房長官は二十八日の記者会見で「前知事の埋め立て承認により、既に行政判断は下されている。行政の継続性の観点から工事を進めていきたい」と強調した。
 県側との対立が激化している現状については「国と沖縄の協議の窓口を通じて話し合いたいが、県から取り消し処分が出たので、法的に対応せざるを得ない」と語った。防衛局は沖縄県環境影響評価条例の定めに基づき文書を提出した。防衛局には、国交相の決定を通知する文書が二十八日午前に送達され、翁長知事の承認取り消し処分が正式に停止されたと判断した。
 
 
取り消し効力停止 許せぬ民意への弾圧 新基地作業は認められない
(琉球新報 社説)
琉球新報 2015年10月28日
権力を乱用した民意への弾圧としか言いようがない。
 国は、翁長雄志知事が「新基地建設反対」の民意に基づき前知事の埋め立て承認を取り消した処分の効力を停止した。併せて国による代執行に向けた手続きを進め、県に是正勧告することも決めた。
 民意を踏みにじるもので、許されるものではない。県が勧告に従う必要性は一切ない。
 最終的に、県と国が新基地建設の是非を法廷で争うことになる。裁判での決着に向けて踏み出したのは国の側である。司法判断が出るまで作業再開は認められない。
 
恥ずべき二重基準
 石井啓一国土交通相は取り消し処分の効力を停止した理由について「普天間飛行場の移設事業の継続が不可能となり、(普天間)周辺住民が被る危険性が継続する」と説明している。
 住民の安全を考えているように装うことはやめるべきだ。新基地は完成まで10年かかるとされる。10年がかりの危険性除去などあり得ない。普天間飛行場を即時閉鎖することが唯一の解決策である。
 沖縄防衛局が取り消し処分の執行停止と、処分の無効を求める審査請求を国交相に申し立てたのに対し、知事はほぼ同じ内容の弁明書と意見書を国交相に送った。だが国交相は効力停止を決定しただけで、審査請求の裁決は出していない。知事が3月に全ての海上作業の停止を防衛局に指示した際の農相と同様、国交相も作業が継続できるようにし、裁決は放置する考えだろう。恣意(しい)的な行政対応であり、許されるものではない。
 行政不服審査法に基づき、知事の取り消し処分の無効を求めて審査請求する資格は、そもそも防衛局にはない。請求制度は行政機関から私人への不利益処分に対する救済が趣旨である。私人ならば、米軍への提供水域を埋め立てできないことからも資格がないのは明らかだ。
 菅義偉官房長官は代執行に向けた手続きに着手することを決めたことに関し「外交・防衛上、重大な損害を生じるなど著しく公益を害する」と述べている。
 県民は外交・防衛の犠牲になれと言うに等しい。県民は戦後70年にわたり、米軍基地の重圧に苦しんできた。県民の「重大な損害」は一顧だにせず、過重な基地負担を押し付ける姿勢は、知事の言う「政治の堕落」そのものだ。
 知事権限を無力化するために、行政機関として代執行の手続きに着手する一方で、私人の立場も装う。恥ずべき二重基準を使ってでも新基地建設を強行する政府のやり方には強い憤りを禁じ得ない。
 
圧政には屈しない
 国の一連の強権姿勢は、1995年の米軍用地強制使用手続きに関する代理署名訴訟を想起させる。県側の敗訴となったが、訴訟を通して強大な権力を持った国の言うがままになっていては、望ましい沖縄の将来像は描けないことを多くの県民が認識した。
 知事の代理署名拒否を受けて国は97年に軍用地の使用期限切れに対応するため、米軍用地特措法を改正し、暫定使用ができるようにした。沖縄の米軍基地維持のためには、あらゆる手段を講じる姿勢は何ら変わっていないのである。
 99年の地方自治法改正で、国と地方は対等の関係になった。だが、沖縄でそれを実感することはできない。国が沖縄の声を踏みにじっていることが要因である。
 知事選をはじめとする一連の選挙で示された「新基地は造らせない」との圧倒的民意を国が無視し続けることは、どう考えても異常だ。沖縄からは圧政国家にしか見えない。
 自己決定権に目覚めた県民は圧政には屈しないことを国は認識すべきだ。日米安保のため、沖縄だけに過重な負担を強いる国に異議申し立てを続けねばならない。国を新基地建設断念に追い込むまで、揺るがぬ決意で民意の実現を目指したい。

2015年10月28日水曜日

国 辺野古埋め立て承認取り消し効力を停止 工事は再開

 石井国交相は27日、翁長沖縄知事が辺野古沿岸部の埋め立て承認を取り消した処分の効力を停止」しました。これにより沖縄防衛局は中断していた移設関連作業を再開することになります。
 県側は対抗策として第三者機関「国地方係争処理委員会」に国交相決定の不服審査を申請することになりますが、工事はその間も続行されます。
 
   (関係記事)
10月27日 辺野古埋め立て承認問題 行政法研究者有志が声明
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国、辺野古埋め立て推進へ 承認取り消し効力停止 
東京新聞 2015年10月27日
 石井啓一国土交通相は27日の記者会見で、沖縄県の米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設問題をめぐり、翁長雄志知事が辺野古沿岸部の埋め立て承認を取り消した処分の効力を停止すると発表した。防衛省沖縄防衛局は中断していた移設関連作業を再開する方針だ。政府は27日の閣議で、国による代執行に向けた手続きに着手することを了解した。県側は対抗策として第三者機関「国地方係争処理委員会」に国交相決定の不服審査を申し出る構えだ。
 
 法廷闘争をめぐり国と県の全面対決の構図が一段と鮮明となった形だ。(共同)

28- NHK日曜討論に「存在しない政党」から出演 の異常さ

 26日のNHK日曜討論に、生活の党や元気にする会を排除しながら、まだ存在しない おおさか維新の会の代表を出席させたことに対して、LITERANHKを厳しく批判しました。
 
 この「日曜討論」は、かねてから出演者の選択に偏りがあとの批判が絶えず、NHKはその都度苦しい言い訳を重ねて来ましたが、それでいかがわしさ消えることはありませんでした。特に今度のことは存在しない政党の代表を出演させというもので、言い訳のしようもないものです。
 これは近く新党を結成する橋下徹氏(現大阪市長)が安倍政権に近いということからNHKが、彼らが正規の手続きを踏む前に党として認知するという「大サービス」を行ったものです。
 LITERAは、このようにルールを無視してまで特定の人間を支援するNHKは、もはや公共放送とは言えないと断じています。
 
 LITERAの記事は、25日、26日の植草一秀主張(とほぼ重なっていますが両者はお互いに補強し合う関係にあるものです。
※ 10月27日 もはや正気の沙汰と言えないNHKの暴走脱線(植草一秀氏)
 
 特に安倍政権が登場し、籾井氏が会長に就任してからのNHKの政権擁護の報道姿勢は目に余ります。こうした公共放送にあるまじき偏向報道は大いに糾弾されるべきです。
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NHK日曜討論に「おおさか維新の会」が…生活の党を出さず存在しない政党を出演させるNHKの偏向に批判殺到!
LITERA 2015年10月27日
 いくらなんでもこれはやりすぎだろう。NHKの『日曜討論』だ。「与野党に問うTPP・普天間移設」と題した10月26日の放送で、なんと存在しない政党の議員を何の説明もなく出演させていたのである。番組冒頭、司会の島田敏男解説委員が出演者を紹介した。
 
「今朝は与野党の政策責任者が集結しました。自民党・小野寺五典さん、民主党・細野豪志さん、公明党・石田祝稔さん、維新の党・井坂信彦さん、共産党・小池晃さん、結成予定のおおさか維新の会・片山虎之助さん、社会民主党・吉川元さん、次世代の党・和田政宗さん。それでは与野党にうかがいます……」
 
 一見して違和感があるのは「結成予定のおおさか維新・片山虎之助さん」がいきなり出てきたことだ。周知のとおり、維新の党は分裂騒動まっただ中で、24日には大阪系議員が「臨時党大会」と称する会合を開き、維新の党の“解党”を決議した。その大阪系議員が橋下徹大阪市長の旗の下に結集し、新たに立ち上げようというのが「おおさか維新の会」だ。結党大会は31日に予定され、26日の段階では届け出もされていない存在なのだ。
 
 この『日曜討論』は、かねてより出演者の選択に偏りがあるのではないかとの批判が絶えなかった。「与野党の政策責任者」といいながら、安倍政権に批判的な生活の党と山本太郎となかまたちや日本を元気にする会などが排除される傾向にあった。NHKは説明を求められるたびに、衆院に議席を有し、国会議員が5名以上在籍していること、直近の選挙で2%以上の票数を獲得していることなどの条件を提示するが、生活の党も元気会もこうした要件を満たしていても呼ばれていない。すると「今回は主要7党を選んだ」といった苦しい言い訳を繰り返すばかりだった。
 
 こうしたなか、結成前の政党に参加予定の単なる一議員を出演させたというのだから、これはどう説明するのだろう。司会の島田解説委員は冒頭でやはり「与野党の政策責任者」と言っているが、まだできてもいない政党に“政党の政策”などあるはずがない。元気会代表兼幹事長の松田公太議員も、ブログでこう怒っている。
 
〈おおさか維新の会が結成されるとしたら、それは「新党」であり、選挙を一度も戦ったことがない政党になるからです(つまり得票率は0%です)。まあ、要件も何もあったものではないですね。存在しない政党を出演させるというトンデモナイことをしでかしてしまったのです。今後、国会議員や自称政治家がやってきて「来月に新党を作ろうと思っている。今週の日曜討論に出演させろ」と主張したら、どういう理屈で断るのでしょうか〉
 
 そもそも、維新の党とおおさか維新の会が同席していること自体が矛盾だ。片山虎之助氏を含むおおさか維新の会に入党する予定の議員は26日に開いた“臨時党大会”で維新の党の解党を決議したのではないか。解党させたはずの政党の幹事長とニコニコ同席するというのもヘンな話だ。常識的に考えれば、NHKはこうした政党の正当性に関するゴタゴタが落ち着くまでは両党ともに出演を遠慮してもらうべきではなかったか。
 
 あるいはもし、NHKが26日の臨時党大会を有効だと判断しているとしたら、解党した維新の党の幹事長を出演させているのはどう説明するのか。全国紙政治部記者はこう話す。
「以前は政党要件を満たしていることが出演の条件でしたが、みんなの党や日本維新の会分裂で小政党が乱立したため、所属議員数などを加えてNHKが独自に判断するという姿勢だったようです。ところが、今回のケースはまったく説明がつきません。まぁ、分かりやすく言えば安倍政権に近い橋下(徹)さんにサービスしたということでしょう。基準も要件もまったく関係ないということを自ら暴露してしまったわけですね」
 橋下徹大阪市長と安倍晋三首相が改憲で連携する密約があることは本サイトでもたびたび指摘してきた。そんな政治家を、ルールを無視して支援するNHKは、もはや公共放送とは言えないだろう。ましてや、受信料の義務化など絶対にゆるされるべきではないのである。  (野尻民夫)