2016年7月31日日曜日

天皇陛下に大きな宿題を課されてしまった安倍首相

 天木直人氏が、「天皇陛下に大きな宿題を課されてしまった安倍首相」とするブログを公表しました。
 
 天皇陛下8月8日にも生前退位についてそのお気持ちを表明されるということです。
 この間ご退位問題をなかったことにすることも含めて、安倍政権と宮内庁の間壮烈な綱引きがあったのではないかと推測されています。
 先に生前退位のご意向であると報じられたときに、国民の圧倒的多数はそのままそのお気持ちを受け止めた筈です。簡単な問題ではないと指摘した人も居るにはいましたが、それはごく一部の人たちでした。
 憲法改正を要するとまで言うのは問題先送り派と言われても仕方がありません。すべて皇室典範の改正でできることです。
 
 ことはご高齢に伴う喫緊の課題なので一内閣の意向で問題を先送りするという余地はもはやありません。
 安倍政権は最優先でこの課題に取り組まなくてはなりません。
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天皇陛下に大きな宿題を課されてしまった安倍首相
天木直人 2016年7月30日
 きょう7月30日の各紙が一面トップで一斉に報じた。
 天皇陛下が生前退位についてみずからのお言葉で、8月8日にもそのお気持ちを表明される方向で宮内庁が検討している事がわかったと。
 これは、生前退位の第一報が流された7月14日の報道につぐ、衝撃的な報道だ。
 天皇陛下が生前退位の意向をお持ちであることが報道された7月14日の報道の中で、すでに一部の報道が報じていた。
 天皇みずからがその意向を近く国民の前で語られることになると。
 
 私はそれを見て、このお言葉は決定的に重要なものになると思って心待ちにしていた。
 ところが、その後、この天皇陛下のお言葉に関する報道がぴたりと消えた。
 その間に、安倍・菅政権と宮内庁の間に、壮烈な綱引きがあったに違いない。
 つまり官邸からすれば生前退位の問題は先送りしたい。生前退位問題は、これまで同様に、係属案件に追いやってしまいたい。そのためには天皇陛下のお言葉は避けたかったのだ。天皇陛下の政治関与になるなどと言って取りやめを求めたのだ。
 
 宮内庁も政府の一機関でしかない。普通なら官邸の意向に従わざるを得ないところだ。
 しかし、今度の件に限っては、天皇陛下の強いお気持ちがある。そしてその第一報が流された時に、国民の圧倒的な賛成の声が確認された。国民の支持を得た天皇のお気持ちほど絶対的なものはない。
 
 かくして安倍・菅政権の宮内庁に対する、恐れ多くも、傲慢な圧力は、退けられたのだ。
 そうは言っても、生前退位の思いを天皇陛下が語るとなれば、やはり大きな意味を持つ。
 だからその文言は、直接に生前退位を言及することなく阿吽の呼吸でそれを伝えざるを得ない。これから発表日までの間に、その文言や発表の仕方(テレビでの実況放映など)をめぐって、引き続き官邸と宮内庁の間で、緊張した話し合いが行われるだろう。
 もちろん、事が事だけに、官邸と宮内庁が対立するということにはならないし、あってはいけない。その事は、さすがの官邸もわきまえているだろう。
 
 天皇の御意向を第一に、官邸の思惑、生前退位をよしとしない保守有識者の意見、天皇と官邸の板挟みになる宮内庁長官、そして世論の声、などなど、多くの要素を勘案して、最終的なお言葉の公表に至る事になる。
 いずれにしても生前退位に関する天皇陛下のお言葉は、天皇陛下の即位以来の最大のお言葉になる。近年まれに見る国民的一大行事となる。
 
 はっきりしている事は、お言葉が公表された後は、その実現が安倍政権の最大の課題となるということだ。首相の憲法9条の試みは皇室制度改革の議論の前に吹っ飛んでしまうということだ。
 安倍首相は大きな宿題を天皇陛下から命ぜられてしまった。優等生でさえも難しいこの難問を、はたして安倍首相にやり遂げられるのだろうか(了)

「安倍政権」の憂鬱な未来

 新潮社 フォーサイトに、・・・安倍政権の憂鬱な未来」と題する珍しい評論が載りました。
 その内容はざっと下記のようなものです。
 
 安倍内閣はいま衆参両院で改憲勢力3分の2を占め 得意の絶頂にあるが、月に満ち欠けがあるように、この先にあるのは退潮に他ならない。
 参院選では自民党は最重点地区で大敗し、首相自身が「ここまでやったのに」と悔しがったと言われるが、それは自民党の勢いが退潮に向かっていることの表れで、までは国政選挙で4連勝したものの、次の衆院選では3分の2を失う可能性がある
 首相の任期は2018年9月だが、これから改憲に慎重な公明党も同意できる改正案を作り上げ、その後国民投票に掛けることになるので、残された時間はそう長くはない。総裁任期延長論もあったが、その前提となるべき「ダブル選を断行し衆参両院で大勝する」ことは、ダブル選挙の大儀がないことから見送るしかなかった。
 この先アベノミクスの展望は厳しく、景気が回復する見通しはない。仮に北方領土問題の前進を図ることでもできれば政権の求心力まるが、プーチン大統領を相手にそんな成果を得られる見通しは立っていない
 都知事選における小池百合子氏の「反乱」は、ポスト安倍に向け反安倍勢力が仕掛けたものという見方も浮上しているほど、党内の統制力にも陰りが見えてきている。
 結局安倍政権はこの先解散権は事実上封印されたまま参院での改憲勢力3分の2を維持するための妥協も要求されることになる。結局安倍政権は2年後の終幕に向けた道のりを静かに歩き出すしかない。
 
 史上最高の極右政権が、そんな風に静かな終末を迎えるというのであれば願ってもないことです。
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「改憲と心中」で解散権封印 「安倍政権」の憂鬱な未来
 辻原修 (ジャーナリスト) 2016年7月29日
   新潮社 フォーサイト  http://www.fsight.jp/
 安倍政権の終わりが始まったのだろう。7月10日夜、自民党本部で参院選の開票を見守る自民党幹部は、笑顔もそこそこの複雑な表情を浮かべていた。自民、公明両党は選挙区選、比例選とも議席を伸ばし、安倍首相が勝敗ラインに掲げた与党で改選定数過半数の61議席を大幅に上回った。自民、公明両党に、憲法改正を目指す、おおさか維新の会などを加えた改憲勢力としても参院の3分の2に達した。衆院で3分の2をすでに保持しているのに加え、参院でも3分の2を確保する結果に、テレビの開票速報は「与党大勝」と伝えていた。しかし、浮かない表情の自民党幹部が注目したのは、選挙区選の自民党が設定した最重点区の結果だった。
 
■最重点区で大きく負け越し
 参院選終盤、自民党は党独自の情勢調査によって、最重点区を13に絞った。僅差で負けている青森、宮城、福島、山梨、長野、三重の6選挙区で逆転を目指しながら、僅差でリードしている秋田、新潟、愛媛、大分と、複数区である東京、北海道、神奈川の2議席目を着実に取りに行く作戦だった。野党候補に大きくリードされている沖縄、岩手、山形の3選挙区はあきらめた。首相や人気者の小泉進次郎衆院議員らの応援を長野、福島などの最重点区に投入し、「選択と集中」作戦と呼んでいた。
 結果は、逆転を目指した6選挙区すべてで敗れ、リードしていた新潟、大分と、北海道の2議席目をひっくり返され、取りこぼした。最重点区だけの勝敗でみれば4勝9敗。最重点区はもともと接戦区だったところなので、ある程度の負けは予想されたが、大きく負け越すということは想定外だった。
競り合っていたところでみんな負けた。喜べるような結果ではない」と、ある自民党幹部は打ち明けた。首相も「ここまでやったのに」と、悔しさを周辺に漏らしているという。
 
■「無党派層の支持」で民進の後塵
 背景にあるのは、深刻な事実だ。
 選挙結果を伝える7月11日付け読売新聞朝刊に興味深い記事が掲載されていた。投票所で有権者に聞く出口調査で、支持政党のない無党派層に比例選の投票先を聞いた結果、22パーセントで民進党が1位となり、自民党は2位の21パーセントだった。政権を奪還した2012年の衆院選以来、13年参院選、14年衆院選と、自民党が無党派層の投票先で民主党に負けたことはなかった。民主党政権の失敗により、本来なら野党に行きがちな無党派層の支持も取り込んできたことが、国政選挙3回連続圧勝の原動力となっていた。今回の参院選で、その「勝利の方程式」が崩れたことになる。
 参院選で自民党の獲得議席は追加公認を含めて56議席にとどまった。57議席獲得で1989年の参院選大敗で失った参院単独過半数を回復できたが、1議席及ばなかった。公明党が自民党単独過半数を嫌い、最終盤、自民党候補を支援する公明票の足が止まったという見方が自民党内に出ている。いずれにしても、ここまで首相が4連勝してきた国政選の流れは今回の参院選で変わり、次の衆院選は厳しくなるだろう。
 
■都知事選での「小池氏の反乱」
 そして、参院選が終わるやいなや、安倍政権を揺るがすような波乱が、すでに始まっている。
 政治資金などを巡るスキャンダルで舛添要一前知事が辞任に追い込まれ、参院選と同時進行になった東京都知事選だ。候補者選びで、自民党都連の反対を振り切り、小池百合子元防衛相が出馬を強行したことから、自民党は分裂選挙を余儀なくされた。報道各社の情勢調査では、野党統一候補でジャーナリストの鳥越俊太郎氏や、自民、公明両党推薦の増田寛也元総務相を、小池氏がリードしていると伝えられている。
 小池氏は「自民党都連はブラックボックス」と批判しており、「都議会冒頭解散」を提唱している。「外務省は伏魔殿」というキャッチフレーズで外務省の機密費流用事件に取り組むことをPRしようとした田中真紀子元外相をほうふつさせる。田中氏は人事課に籠城して自分の気に入らない課長を首にしようとするなど、外務官僚と大立ち回りをするパフォーマンスを演じ、世論からも「真紀子さんをいじめるな」と支持された。しかし、肝心の外交が機能不全に陥ってしまったため、当時の小泉首相に更迭された。小泉内閣の支持率は急落したが、小泉首相の電撃的な訪朝により、V字回復した。
 
■「反安倍」勢力の仕掛け?
 小池氏が都知事選で勝利すれば、都議会との対立は決定的になるだろう。知事に都議会を解散する権限はない。知事の不信任が成立した場合には10日以内に議会を解散することが地方自治法で認められているが、議会がすぐには不信任案を出さず徹底抗戦の構えを見せれば、対立は長期化し都政が混乱するのは必至だろう。2020年東京五輪・パラリンピックの準備にも支障が出かねず、政権としても関与せざるをえない事態になることも考えられる。しかし、首相に知事を更迭する手段はなく、仮に小池氏が辞任に追い込まれれば、与党の自公が悪者となり、内閣支持率にも影響が出るかもしれない。
 首相は外交では日露首脳会談で北方領土問題の前進を図ることで政権の求心力を高めることを狙っていると言われている。しかし、欧米を敵に回しながら、クリミア併合を既成事実化してしまったプーチン大統領を相手に厳しい交渉が予想され、北方領土返還に向けて成果を得られる見通しは立っていない
 小池氏の「反乱」は、ポスト安倍に向けた党内の反安倍勢力が仕掛けたものという見方も浮上している。小池氏は第1次安倍内閣の首相補佐官、防衛相だったが、2012年の自民党総裁選では石破茂地方創生相を支持し、石破派に近い。都知事選では石破派の若狭勝衆院議員が「除名できるなら除名してみろ」と党本部を挑発しながら、小池氏を支援しており、自民党幹部によると、石破派議員の秘書も小池選対に出入りしているという。石破氏は近く予定される内閣改造で閣外に転じ、次期総裁選に向けて反安倍路線で動き出すとも言われており、その号砲となったのが、小池氏の反乱というわけだ。
 
■衆院を解散できない理由
 首相は参院選前の6月1日、国会閉会時の記者会見で「衆院解散・総選挙について、頭の中をよぎったことは否定しない」と語った。首相が解散について公言するのは異例のことだ。国会閉会日に衆院を解散し、衆参ダブル選にしなかったことに未練があったのだろうとの見方が専らだ。
 首相は2018年9月に自民党総裁の任期満了を迎える。党則では総裁は「2期6年まで」と定められている。ただ、党内には党則を改正して、総裁任期を延長する任期延長論も出ており、首相が衆院を解散してダブル選を断行し、衆参で大勝したなら、総裁任期を延長して3選を確実にしていただろう。そのために、首相は伊勢志摩サミット(主要国首脳会議)の成功や、オバマ米大統領の広島訪問など、歴史に残るような業績作りに努力し、サミットぎりぎりまで解散を考えていたのだ。だが結局、ダブル選は見送られた。
 参院選では、改憲勢力が3分の2を超え、衆参で憲法改正を発議する条件が整った。こうなると、憲法改正を念願とする首相が、衆院で3分の2を失う可能性のある、衆院解散に踏み切ることは難しくなる。首相の掲げるアベノミクスの展望は厳しく、景気が回復する見通しは立たない。参院選で示されたように、次の衆院選は厳しくなるとみられており、北方領土問題の前進のようなよほどの好条件が整わなければ、憲法改正を発議できる3分の2の議席をなくす可能性のある解散には踏み切れない。このままいけば、18年9月の総裁任期満了を迎え、政権の幕引きを図ることになるだろう。
 
■政権運営はさらに厳しく
 首相は衆参の憲法審査会で改正案の取りまとめに向けた議論に入ることを指示している。18年9月までに改憲に慎重な公明党も同意できる改正案を作り上げ、国民投票を実施しなければならないからだ。国民投票の準備にかける時間などを考慮すれば、残された時間はそう長くはない。もっとも、6月に英国で実施された、欧州連合(EU)離脱の是非を問う国民投票の結果、キャメロン首相が辞任に追い込まれたことを考えれば、憲法改正案の発議には慎重にも慎重にならざるを得ないだろう。国民投票で否決されれば、憲法改正の道は閉ざされ内閣総辞職は避けられないからだ。
 これまで「安倍一強」を支えた無党派層の離反は、参院選で見え始めた。それは都知事選で、さらにはっきりとするだろう。衆参で憲法改正に必要な3分の2の議席を維持するため、解散権は事実上、封印される。参院での3分の2を維持するためにはおおさか維新などの野党勢力も取り込まなければならず、政権運営はさらに難しくなる。そもそも憲法改正という歴史的偉業を成し遂げるためには、政権と引き換えにすることも覚悟の上なのかもしれない。安倍政権は2年後の終幕に向けた道のりを静かに歩き出している。 (ジャーナリスト 辻原修

EUはCIAの所産 ワシントンへの隷従組織

 かつては米政権の中枢にいたこともあるPaul Craig Robertsが、EUはアメリカ政権がCIAによる構想を取り入れて長時間かけて生み出されたものであるとする記事を発表しました。
 それは数年前公開された「EUはCIAの構想だったことを証明するCIA文書に基づくもので、EUを創設したのはヨーロッパ人などというのは想像上の産物であって、ワシントンが支配している政治家連中を利用して米政府がEUを作ったのだということです勿論ヨーロッパ全体(=EU)をワシントンへの隷従組織にするためにです。現在EUが、アメリカの指示で自分たちも大いに傷つく対ロシア経済制裁に従事させられていることなどはその好例と思われます。
 
 いまでもアメリカが正義の国家であると思っている人たちが沢山いることには驚かされます。そういう人たちにこそ読んでほしい記事です。
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ワシントンへの隷属ゆえ、ヨーロッパは絶望的なのだろうか?
マスコミに載らない海外記事 2016年7月30日
Paul Craig Roberts 2016年7月27日
 
“一つの指輪は全てを統べ、. . . 暗闇の中に繋ぎとめる。”
J.R.R. トールキン、ロード・オブ・ザ・リング
 
第二次世界大戦の結果、ヨーロッパは、ベルリンによってではなく、ワシントンによって征服されることとなった。
 
征服は確実だった一瞬にしてというものではなかった。ワシントンによる、ヨーロッパ征服は、マーシャル・プランや、スターリンの赤軍への恐怖から、ヨーロッパが、ワシントンによる保護に頼るようになり、ヨーロッパの軍隊を、NATOを通して、ワシントンに従属させたこと、世界準備通貨としてのイギリス・ポンドを、アメリカ・ドルによる置き換えたことや、責任を負わないたった一つの政府を支配することで、全ヨーロッパを支配するため、ワシントンが導入したCIAによる構想、欧州連合に、ヨーロッパ諸国の主権を従属させるということなどの長い過程から実現した。
 
主にイギリスのような少数の例外を除き、EU加盟は財政的自立の喪失も意味している。EU機関の欧州中央銀行しかユーロを作りだせないので、通貨としてユーロを受け入れてしまった実に愚かな国々は、もはや財政赤字を補填するための自国通貨を生み出す権限を有していない。
 
ユーロに参加した国々は、財政赤字を補填するためには、民間銀行に依存せざるを得ない。この結果、債務過剰の国々は、もはや、お金を作り出して、債務を支払ったり、返済可能なレベルにまで、債務を減額したりすることが期待できない。そこで、ギリシャ、ポルトガル、ラトビアやアイルランドは、民間銀行によって略奪された
 
EUは、こうした国々のエセ政府に、国民の生活水準を押し下げ、公有資産を端金で私営化させて、北ヨーロッパの民間銀行に支払うよう強いた。かくして退職者年金、公務員の雇用、教育や医療は削減され、生まれた金は、民間銀行へ振り向けられた。都市の水道会社は民営化され、水道料は値上がりすることになった。などなど。
しかも、EU加盟国になることの恩恵は皆無で、懲罰しかない。国民が表した願望にもかかわらず、一体なぜ政府は加盟するのだろう?
 
ワシントンが、他の選択肢を無くしたというのが、その答えだ。EUを創設したヨーロッパ人などというのは想像上の産物だ。ワシントンは、ワシントンが支配している政治家連中を利用してEUを作ったのだ。
      数年前、EUは、CIAの構想だったことを証明するCIA文書が公開された。   以下を参照。  http://www.telegraph.co.uk/news/worldnews/europe/1356047/Euro-federalists-financed-by-US-spy-chiefs.html  and  http://benwilliamslibrary.com/blog/?p=5080 
 
1970年代、当時、国際安全保障問題の支配権をもった、アメリカ政府の大物だった私の博士論文審査委員会委員長が、私に、海外での機密任務を引き受けないかと尋ねた。私は断った。それでも、彼は私の質問には答えてくれた。“ワシントンは、一体どうやって、諸外国にワシントンが望んでいることをさせることができるのですか?”
“金だよ”と彼は言った。“指導者連中にカバン一杯の金をくれてやっている。連中は我々の配下だ。”
EUが、ヨーロッパの利益ではなく、アメリカ政府の利益のために機能していることが、実績から明らかだ。例えば、フランス国民も政府も、GMOに反対なのに、おそらくモンサントが雇っている科学者の“科学的所見”に依存して、EUは、GMO導入の“予備的市販承認”を認めた。アメリカのバーモント州が、GMO食品の内容表示を義務付ける法律を成立させると、モンサントは、バーモント州を訴えた。アメリカの金に雇われたEU高官連中が、アメリカ多国籍企業が書いたTTIP協定に署名してしまえば、モンサントが、ヨーロッパ農業を乗っ取ることになろう。
 
ところが、ヨーロッパに対する危険は、有害な食べ物で食事するよう強いられるヨーロッパ諸国民の健康問題だけには留まらない。全ヨーロッパと、全アメリカ合州国を、数分間のうちに破壊することができる強力な核大国ロシアとの紛争にヨーロッパ人を押しやるために、ワシントンは、EUを利用しているのだ。
こういうことが起きているのは、“バッグ一杯の金”で買収されたヨーロッパ“指導者連中”が、長期的に、ヨーロッパ人が生きることより、目先のワシントンの金を欲しがっているせいだ。
 
ヨーロッパの政治家連中が、ロシアがウクライナを侵略したやら、ロシアはいつ何時、ポーランドやバルト諸国を侵略するかわからないやら、プーチンはソ連帝国再建を計画している“新たなヒトラー”だというのを信じるほど低能だということはありえない。こうしたとんでもない主張は、全く真実とは無関係のアメリカ政府プロパガンダに過ぎない。アメリカ政府のプロパガンダは実に見え見えだ。まぬけでさえ信じられないくらいだ。
ところが、NATOでそうしているように、EUはプロパガンダに同調している。
一体なぜだろう? 答えは、アメリカ政府の金だ。EUもNATOも完全に腐敗している。いずれも、ワシントンからたんまり金をもらっている無節操な組織なのだ。
 
ヨーロッパ人が核を使う第三次世界大戦を防いで、生き続け、アメリカ人が性と暴力と強欲のアメリカ文化で破壊せずに残された彼らの文化を享受する唯一の方法は、ヨーロッパ各国政府が、イギリスに習って、CIAが作った欧州連合から離脱することだ。ソ連崩壊とともにその存在理由が消滅し、現在は、もっぱらアメリカ政府の世界覇権の道具として利用されているNATOからの離脱だ。
ヨーロッパ人は、一体なぜ、アメリカ政府の世界覇権のために死にたがるのだろう? これは、ヨーロッパ人が、ヨーロッパに対するアメリカ政府の覇権のために死につつあることを意味している。
 
ビクトリア・ヌーランドのようなアメリカ政府高官が “くたばれEU”発言をするのに、一体なぜ、ヨーロッパ人は、ワシントンを支持したがるのだろう。
ヨーロッパ人は、ワシントンの大君主がロシアとイランに課するよう強いている経済制裁で、既に苦しんでいる。ヨーロッパ人は一体なぜロシアとの戦争で破壊されることを望んでいるのだろう? ヨーロッパ人には死の願望があるのだろうか? ヨーロッパ人は、アメリカナイズされてしまって、彼らの国々が管理人役をつとめてきた、芸術、建築、文学、そして音楽の偉業の歴史的な蓄積を評価する力をもはや失ったのだろうか?
 
ヨーロッパ人の願望から全く独立した政府を、アメリカ政府が作り上げてしまったため、ヨーロッパ人が一体何を考えようと何も違わなくなっているというのが答えだ。EU政府は、アメリカ政府の金に対してのみ責任を負っている。布告を発することができるごく少数の連中は、アメリカ政府に雇われているのだ。ヨーロッパの全ての国民はアメリカ政府の奴隷だ。
それゆえ、もしヨーロッパ人が、今そうであるような、だまされやすく、無頓着で、愚かな国民のままであるならば、彼らは我々同様絶望的だ。
 
一方、もしヨーロッパ人が正気を取り戻し、ワシントンが彼らに押しつけている「マトリックス」格子?から抜け出すことができれば、彼らを支配しているワシントンの手先に対して反乱すれば、ヨーロッパ人は彼らの命もそれ以外の我々の命も救うことができるだろう。
 
Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Order. が購入可能。
 
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31- 核廃絶のたすき 長崎にリレー 世界大会に向けて

核廃絶のたすき、長崎にリレー 平和行進
佐賀新聞 2016年07月30日
 核兵器廃絶を訴える原水爆禁止佐賀県協議会の平和行進が29日、(佐賀)県内での3日間の活動を終えた。西松浦郡有田町のJR有田駅前で、最終目的地の長崎県側の代表にたすきや横断幕を引き継いだ。
 
 有田駅前であった引き渡し式には、伊万里市から到着した約70人が参加した。佐賀県平和運動センターの原口郁哉議長が、長崎県側の代表に県内を巡った横断幕などを手渡した。原口議長はオバマ米大統領の広島訪問に触れ「被爆から71年となるが、平和実現には課題も残る。核兵器廃絶に向け、一歩ずつ進んでいこう」と呼び掛けた。
 この日は伊万里市から有田町など3ルートで平和な社会実現などを訴えた。伊万里市の出発式では塚部芳和市長が「被爆の現実を風化させてはならない」と参加者を激励した。
 
 県内3日間の活動で、労働組合員や市民団体メンバーなど約550人が参加した。リレーした横断幕は長崎県内を回り、被爆71周年原水爆禁止世界大会長崎大会(8月7~9日)が開かれる長崎市に到着する。

2016年7月30日土曜日

「新潟県9条の会(会報No.52)」 より

 7月27日発行の「新潟県9条の会 会報No.52」から、主要な記事を転載します。
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全国11の1人区で野党統一候補が勝利
新潟では党統一候補の森候補が勝利
力を合わせれば「政治は変えらる」ことを実証
戦争する国づくりは許さない! 憲法9条守れ国民的大運動をさらに前進させよう
 
 今回の参議院選挙は、安倍内閣の戦争法に反対した青年や女学者多くの市民の共同に後押しされ、野党と市民が力を合せ、32の1区の全てで野党統一候補を擁立して闘った初めての国政選挙でした。3年前の参院選挙では岩手・沖縄を除く全ての1区で自民党が議席を占めていましたが、今回は新潟を含め11選挙区で野党統一候補が勝利しました。
 
 戦争法廃止・立憲主義回復の大義のもとに市民と全野党が力を合せることで「政治は変えられる」という有権者の期待を大きく広げ、その力を実証する第一歩となりました。選挙中、安倍首相は3回、閣僚・自民党幹部が連日、新潟に入り、組織・業界締めつけ、異常で低劣な野党攻撃を繰り広げました。改憲勢力の違法な反共謀略ビラの大量配布なども行われました。こうした攻撃を跳ね返しての野党統一候補の勝利であり、今後の運動に希望と展望を与える選挙になりました。しかし、選挙結果は、自公とおおさか維新などを合わせ参議院で3分の2の議席を超えました。
 安倍首相は、「憲法改正は、国会で3分の2以上の議員の賛成で発議し、国民投票で過半数の賛成で決める、今はまだ憲法のどこを改正するか固まっていないから、参院選の争にはせず選挙後、国会の憲法審査会で検討する」と言い続け選挙中の街頭演説では一度も憲法改正に触れませんでした。それが選挙が終わった途端、「(衆参の憲法審査会での議論が)収斂した後、国民投票で改正を問う」「自民党の改憲案がベースになる」と改憲への意欲を改めて表明しました。
 改憲勢力の本丸は「9条の改正」であることは明らかです。「緊急事態条項」の創設などで改憲の「実績」づくりを重ねて「本丸へ」の思惑が見え見えです。おおさか維新の会などは改憲の理由に「教育無償化」を上げるなど、法律を作り、予算をつければ実現できるものまで改憲の口実にして改憲に突き進もうとする改憲勢力の異常さ。
 ある識者が「選挙戦を通じ実は多くの人々が憲法の中身を知らないことを知りました。自民党の改憲案を批判し、改憲を阻むためには、現行憲法を知ることが第一です。できるだけ多くの人々と憲法について勉強し、生活の場面で憲法の理解を深めること」が大切と選挙結果を踏まえ発言されていますが、「憲法の中身を知る」活動を地域の隅々まで広げ、現行憲法優れた内容に確信を持ち、「いま政治がやるべきことは憲法を変えることではなく、憲法に基づいた政治を行うこと」であると国民が声を上げていくことが大切ではないでしょうか。地域に根ざした9条の会の活動がその真価を発揮する時です。
 
各組織からの活動報告
 
「上越9条の会」  共同の輪をさらに広げ、改憲を許さない力を大きく!
 上越9条の会は、上越市の北城高校の東交差点に新しい大きな看板を、土地の所有者の協力を得て設置、付近を通る人達に「再び戦争する日本にしてはならない」の熱い思いを呼び掛けています。
 また上越9条の会は、この度の参院選挙は憲法違反の戦争法廃止、憲法の平和主義を守り、国民の命とくらしを守る選挙と位置付けて、野党統一候補の勝利をめざし会員に活動参加を呼びかけ、多くの市民と共同し、上越市で自民党候補に8千票を超える大差をつける奮闘の一翼を担いました。
 選挙後も、憲法カフェ等を継続的に開催し、若いママさんなどへの働きかけも意識的に強めています。大型看板も「もっと増やしたい」と募金活動も強めています。
 
「阿賀野九条の会」 草の根の組織が力を発揮、さらに9条の会を強く、大きく!
 阿賀野九条の会は、この度の参院選挙の何賀野市民連合の活動で、地域の共同を広げるうえで接着剤としての重要な役割を果たし、野党統一候補の勝利に向け大奮闘しました。選挙結果で野党統一候補が11の1人区で勝利するなど政治を変える希望と展望を持つ内容でしたが、改憲勢力が参議院でも3分の2を占め、改憲に向けての動きが強まることが予想される情勢だけに来るべき衆院選挙も展望して会の活動も一層強化し、その役割を強めることにしています。
 会創立11周年記念集会を成功させ、情勢の発展を見ながら宣伝カーの運行も続けることにしています。第7回「阿賀の戦争展」の開催を協力して成功させ、「戦争する国にしてはならない」の市民の声を広げる活動、「毎月のニユース」を発行し、会員に届け、9条の会の拡大・強化と草の根の活動を一層強める計画を進めています。
 
「弥彦9条の会」  国民投票でも9条改憲反対が過半数を占める国民運動をめざして
 参院選の弥彦村での投票は、投票総数5477で、野党統一候補2575票、自民党2582票という大接戦でした。国民投票になったときに弥彦村で9条改悪反対が過半数を占められるかどうか、その視点で投票結果を考え、弥彦村の保守的傾向を考慮に入れながら、今後の9毎の会の活動についても考えていきたい。
 10月には「戦争体験を聞く会」を開催をと準備を進めています。内容は、①平和のアニメを見る ②戦争体験を聞く ①感想を述べ合う の3部構成にし、親子連れで参加できる内容にしていきたい。参院選の結果、9条破壊の攻撃が強まると思います。私たちはこれからが闘い、と考えるようにしています。
 
「湯の町湯沢平和の輪」 憲法の素晴らしさ学び「改めて選び直す」憲法学習運動に力を
 湯の町湯沢平和の輪は、この度の参詣詫選挙は、「戦争しない国」支え続けてきた憲法が大きな危機に直面している状況の中で行われる歴史的な選挙であり、平和憲法を壊すのか、輝かせるのかを参院選挙の大争点にとニュースでも呼びかけ、地域で大奮闘。大接戦に追い込み、新潟県の野党統一侯哺の勝利に大きな役割を果たしました。選挙戦の中では、「この大切な時、骨惜しみ、金惜しみしない」で頑張ろうと、きびしい財政の中ですが「平和憲法が公布されて70年! 9条改憲は許しません」(別紙)の「せんきょ」のカルタ・チラシ3000枚を折り込み、全町民に届け、投票を呼びかけ活動などを進めてきました。
 改憲勢力が参院でも3分の2の議席を占め、安倍首相の「自民党の改憲案がベースになる」の発言もあり、「改めて選び直す日本国憲法一自民党改憲案と対比しながら」の連続学習合を継続することの大切さを改めて確認し合い、9月には特別企画「憲法カフエ」を計画し、これまで参加していない多くの人に参加して、現行憲法の素晴らしさと同時に自民党改憲案が戦争する国に逆戻りする危険な内容かを多くの人に知らせる取り組みを進めていく計画です。
 町と「非核平和宣言の町」として平和の取り組みにいての懇談会も計画しています。
 
「十日町9条の会」 より広範な市民に参加を呼びかけ憲法を学び、9条の会を
           さらに大きく
 十日町9条の会は、戦争法廃止を求める統一署名は9619筆に、法案の廃案を求める署名から数えると14284筆になります。参議院選挙での野党統一候補の得票数とほぼ同じ数になります。署名での対話で出された市民の気持ちを新たな対話に生かし、「戦争法廃止させるために野党統一侯捕の勝利を」と大奮闘で、地域の共同を広げる大きな役割を発揮して奮闘しました。
 9条の会を立ち上げ、10年間、学習会、講演会、映写会、宣伝活動など、雨の日も、風の日も、大雪の中でも、コツコツと粘り強く活動を継続し、市民に働きかけてきた活動がこの度の参議院選挙でも大きな力になっていろことを確認しています。
 参議院でも改憲勢力が3分の2を占め、憲法がますます危機的な状況になってきているだけに、地域の草の根の9条の会をもっともっと大きくしていくことが必要である。9日の例会も、もっと大勢の人が参加できる工夫もし活動強化する計画を進めています。

相模原市障害者大量殺傷事件

知的障害者団体が出した緊急声明  障害のある人たちへの声明
 
 神奈川県相模原市の障害者施設で起こった戦後最大のに障害者大量殺傷事件について、海外からもプーチン大統領、メルケル首相、米国務長官などからいち早く弔意が寄せられています。
 一方安倍首相は26日午前の自民党役員会で、多数の方がお亡くなりになり、重軽傷を負われた。心からご冥福、お見舞い申し上げる。真相解明をしていかないとならない。政府としても全力を挙げていきたいと述べたに留まりました。ネットでは通り一遍の対応だと批判されています。
 TVや新聞などは連日この大事件について伝えていますが、どうすればこの種の事件を防止できるのかの議論は収斂していません。
 
 そんななか知的障害者と家族の会である「全国手をつなぐ育成会連合会」はいち早く26日に、緊急声明を出して犯人の未曽有の凶行を非難するととともに、報道関係には障害者の家族たちが少しでも穏やかに過ごせるように特段の配慮を要請しました。
 そして翌27日には「障害のある人たちへの声明」を出し、「私たち家族は 全力でみなさんのことを守るので、安心して、堂々と 生きてください」と訴えました
 いずれも振り仮名付の文章で、意を尽くした声明でした。
 
 今度の事件で強く指摘できることは、少なくとも措置入院・退院後の患者のフォロー体制の不備深刻であるということです。それを確立するためには、行政だけでなく司法も社会の安全を保障する責任を担う仕組みづくりを進める必要があります。
 29日付の夕刊フジがその問題を取り上げましたので、併せて紹介します。
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知的障害者団体が出した緊急声明 全文
2016年7月26日
全国手をつなぐ育成会連合会
知的障害者と家族の会)
 平成28年7月26日未明、障害者支援施設「神奈川県立津久井やまゆり園」(相模原市緑区、指定管理者・社会福祉法人かながわ共同会)において、施設入所支援を利用する知的障害のある方々が襲われ、19人が命を奪われ、20人が負傷するという未曾有の事件が発生しました。被害に遭われ亡くなられた方々に、衷心よりご冥福をお祈りするとともに、ご家族の皆様にはお悔やみ申し上げます。また、怪我をされ治療に当たられている方々の一日も早い回復をお祈り申し上げます。
 
 抵抗できない障害のある人に次々と襲いかかり死傷させる残忍な行為に私たちは驚愕し、被害にあわれた方々やそのご家族の無念を思い、悲しみと悔しさにただただ心を震わせるばかりです。職員体制の薄い時間帯を突き、抵抗できない知的障害のある人を狙った計画的かつ凶悪残忍な犯行であり、到底許すことはできません。
 
 事件は、当会会員・関係者のみならず、多くの障害のある方やご家族、福祉関係者を不安に陥れ、深く大きな傷を負わせました。このような事件が二度と起きないよう、事件の背景を徹底的に究明することが必要です。今後、事件対応に関わる皆様には、まずは被害者及び被害者の遺族・家族、同施設に入所されている方々のケアを十分に行ってくださるようお願いいたします。
 
 その上で、事件の背景・原因・内容を徹底して調査し、早期に対応することと中長期に対応することを分けて迅速に行いつつ、深く議論をして今後の教訓にしてください。加えて、本事件を風化させないように今後の対応や議論の経過を情報として開示してください。また、事件で傷ついた被害者やご遺族が少しでも穏やかに過ごせるよう、特に報道関係機関には特段の配慮をお願いします。
 
 事件の容疑者は、障害のある人の命や尊厳を否定するような供述をしていると伝えられています。しかし、私たちの子どもは、どのような障害があっても一人ひとりの命を大切に、懸命に生きています。そして私たち家族は、その一つひとつの歩みを支え、見守っています。事件で無残にも奪われた一つひとつの命は、そうしたかけがえない存在でした。犯行に及んだ者は、自らの行為に正面から向きあい、犯した罪の重大さを認識しなければなりません。
 
 また、国民の皆様には、今回の事件を機に、障害のある人一人ひとりの命の重さに思いを馳せてほしいのです。そして、障害の有る無しで特別視されることなく、お互いに人格と個性を尊重しながら共生する社会づくりに向けて共に歩んでいただきますよう心よりお願い申し上げます。
 
 
障害のある人たちへの声明 (全
2016年7月27日
全国手をつなぐ育成会連合会
知的障害者と家族の会)
 7月26日に、神奈川県にある「津久井やまゆり園」という施設で、障害のある人たち19人が 殺される事件が 起きました。容疑者として逮捕されたのは、施設で働いていた男性でした。亡くなった方々の ご冥福をお祈りするとともに、そのご家族には お悔やみ申し上げます。また、けがをされた方々が 一日でも早く 回復されることを 願っています。
 
 容疑者は、自分で助けを呼べない人たちを 次々におそい、傷つけ、命をうばいました。とても残酷で、決して 許せません。亡くなった人たちのことを思うと、とても悲しく、悔しい思いです。
 
 容疑者は「障害者はいなくなればいい」と 話していたそうです。みなさんの中には、そのことで 不安に感じる人も たくさんいると思います。そんなときは、身近な人に 不安な気持ちを 話しましょう。みなさんの家族や友達、仕事の仲間、支援者は、きっと 話を聞いてくれます。そして、いつもと同じように 毎日を過ごしましょう。不安だからといって、生活のしかたを 変える必要は ありません。
 障害のある人もない人も、私たちは 一人ひとりが 大切な存在です。障害があるからといって 誰かに傷つけられたりすることは、あってはなりません。もし誰かが「障害者はいなくなればいい」なんて言っても、私たち家族は 全力でみなさんのことを 守ります。ですから、安心して、堂々と 生きてください。
 
 
(知的障害者大量殺傷事件)
措置入院後のフォロー体制の不備深刻 ドイツではこうしている
夕刊フジ 2016年7月29
 逮捕された植松容疑者は相模原市が決定した措置入院からの退院後、間もなく凶行に走っていた。市は「退院後は動向を一切把握していなかった」と説明。現在、法律上定めのない退院後の措置について、フォロー体制を構築すべきとの声があがる。
 「大量殺人は日本国の指示があればやる」
 植松容疑者は2月、警察からの事情聴取でそう答えたという。警察から連絡を受けた相模原市は措置入院を決定。入院期間は13日間だった。
 
 短いようにも感じるが、「措置入院は強制力を伴うもので、指定医が『自傷他害の恐れがない』と判断したら解除するのが一般的だ。根拠なく入院を継続すれば、人権問題にもなり得る」と、新潟青陵大大学院の碓井真史教授(社会心理学)は説明する。
 実際、2013年(6月30日現在)の措置入院患者1663人のうち、在院期間は1カ月未満が561人と最多。措置入院は長期に及ぶとはかぎらない。
 
 一方、元慶応大法学部教授(医事刑法)の加藤久雄弁護士は「人格障害を持つ患者は、虚言や知的障害者をたき付けて騒動を起こすなど、入院先でトラブルメーカーとなっていることも多い。早く退院させたい病院側の意向が働くこともある」と指摘。措置入院後の患者のフォロー体制の不備は深刻だと語る。
 植松容疑者は退院後の行き先として、「家族と同居」と申告。虚偽だった可能性があるが、市は本人が家族と暮らしているかの確認はせず、退院後の動向も把握していなかった。そして、退院からわずか4カ月余りで事件は起きた。
 
 加藤弁護士によると、ドイツでは退院に当たっては、医師、患者のみならず、家族やソーシャルワーカーらの間で会議の場が設けられる。退院後は患者が地域社会に溶け込めるよう就職支援などを含め、関係機関が連携するシステムが構築されているという。
 また、ドイツでは責任能力を問えない触法精神障害者でも裁判官が判決を宣告し、保護観察が付けられる。「行政だけでなく、司法も社会の安全を保障する責任を担う仕組みづくりを国内でも進めていかなければ、再び同じような凶行が繰り返される可能性はある」と加藤弁護士は警鐘を鳴らしている。

6月の消費者物価0・5%下落 3年3カ月ぶりの大マイナス

 総務省が29日発表した六月の全国消費者物価指数は、前年同月比0・5%下落しました。
 このマイナス幅は異次元緩和=大規模な金融緩和に踏み切る前の2013年3月以来、3カ月ぶりの大きさで、下落は4カ月連続です
 「2年経っても2%の物価上昇を達成できなければ責任をとる」と、たしか黒田東彦日銀総裁は大見えを切った筈ですが・・・
 
 なお29日、GPIFの2015年度の運用損が53098億円だったと発表されました。これは参院選に影響しないように政府がわざわざ遅らせて発表したものです。
 アベノミクスで株高を演出するために国民の年金積立金を使うという、世界に例のない異常な運用をした結果がこの始末です。
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6月の消費者物価05%下落 4カ月連続マイナス
東京新聞 2016年7月29日 
 総務省が二十九日発表した六月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く)は、前年同月比0・5%下落の一〇三・〇だった。原油安を受けたエネルギー価格の下落が影響した。マイナス幅は五月の0・4%から拡大し、日銀の黒田東彦総裁が大規模な金融緩和に踏み切る前の二〇一三年三月(0・5%)以来、三年三カ月ぶりの大きさとなった。下落は四カ月連続
 日銀が掲げる2%の物価上昇目標とは大きな開きがある状況が続いている。
 品目別では電気・ガス料金やガソリンなどのエネルギーが11・8%の下落となった。テレビなど教養娯楽用耐久財は2・8%、エアコンなどの家庭用耐久財は2・6%それぞれ下落した。
 生鮮食品を除く食料は1・3%上昇したが、上げ幅は前月から横ばいだった。宿泊料は4・0%、外国パック旅行は14・2%それぞれ上昇した。
 全国の先行指標とされる七月の東京都区部の消費者物価指数(中旬速報値、生鮮食品を除く)は前年同月比0・4%下落の一〇一・四で、七カ月連続のマイナスだった。
 
 
GPIF 運用損5兆3098億円15年度
毎日新聞 2016年7月29日
 公的年金の積立金を運用している「年金積立金管理運用独立行政法人」(GPIF)は29日、2015年度の運用損が5兆3098億円だったと発表した。14年10月に投資比率(基本ポートフォリオ)を見直して株式での運用を倍増させてから通年の運用実績を公表するのは初めて。収益率はマイナス381%だった。15年度末時点の運用資産総額は134兆7475億円と2兆7294億円減少した。