2020年3月31日火曜日

人工呼吸器不足は 野党が1月から指摘 政府はいまだに「増産を調整中」と

 31日朝のNHKニュースは、政府が人工呼吸器やECMO(人工心肺装置)の増産を呼びかけていて、新たに設備投資をする際には補助金を出す方向で検討していると伝えました。何故いまだに「検討している」なのでしょうか。
 その際、医療機器大手・テルモが今月中旬から「ECMO」の増産を始めたことが報じられました。それは中国で新型コロナウイルスの感染が拡大した今年はじめから同社が部品を多めに調達するなど「自発的に」増産の準備を進めていたために可能になったもので、別に政府が働きかけたものではありませんでした。

 米国では早くからトランプゼネラル・モーターズ(GM)に人工呼吸器の製造を打診していたことが伝えられ、この27日に「国防生産法」に基づ生産命令を出しました。イギリスボリス・ジョンソン首相は、15日にダイソンに人工呼吸器の製造を電話で打診し、同社は10日間で大量生産が可能な新たな人工呼吸器を開発に成功したということです
 日本で国内初の感染者が確認されたのは1月16日で、欧米諸国よりもずっとかったのですが、当時は習近平主席の訪日が最大の国家行事という位置づけのもとで、秘匿こそはしなかったもののコロナ禍は全く問題外という扱いで、逆に春節における中国からの大量のインバウンドに期待していて、水際対策は放置していたのでした。

 1月31日の参院予算委で野党議員から人工呼吸器とECMOがどれくらい使用できる状況なのかを質問しましたが、そのとき加藤厚労相は「実態どのぐらい稼働しているのか、ちょっとその辺を含めて情報収集はしたい」との回答でした。2月18日の衆院予算委で聞かれたときには国内の全数は8988台約4割ぐらいが稼働している」という答弁で、それが3月14日首相会見では「人工呼吸器は現時点で3000個を確保」と、一挙に減少していたのでした。
 要するにコロナ禍が日本に流入してから2ヶ月半になるのに、政府はECMOはおろか人工呼吸器の増産に全く取り組もうとしなかったのでした。
 緊急会見と称し巧言令色とでも呼ぶべき空虚な文章を読み上げるだけの首相会見は3回に及びましたが、その実は 無為無策のままで推移していたのでした。
 LITERAの記事を紹介します。
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「人工呼吸器不足」は安倍政権の責任だ! 1月から野党が指摘していたのに放置、3月29日になっても「増産を調整している段階」
LITERA 2020.03.30
 20日に過去最多となる202人の感染が確認された上、経過が心配されていた志村けん氏が死去したと報道され、一気に危機感が高まっている新型コロナ問題。そんななか、世界で懸念されているのが、人工呼吸器不足だ。
 感染者の数が世界一位となったアメリカでは、米食品医薬品局(FDA)が22日に人工呼吸器製造認可にかんする規制を緩和し、トランプ大統領も27日に「国防生産法」に基づいてゼネラル・モーターズ(GM)に人工呼吸器の生産を命令イギリスもボリス・ジョンソン首相が15日に家庭用掃除機で有名なダイソンに人工呼吸器の製造を電話で打診、ダイソンは10日間で大量生産が可能な新たな人工呼吸器を開発に成功したという。

 このように国が主導して人工呼吸器の増産を進めている一方、日本の閣僚からは信じられないような言葉が飛び出したのだ。
 西村康稔・経済再生相は昨日29日にフジテレビの『日曜報道 THE PRIME』に出演、人工呼吸器について「増産できるのかどうか、いま調整をしている」と発言。さらにその後、国立国際医療研究センターを視察した際も、「経済産業省で人工呼吸器を3000台確保しているが、万が一の事態に備えて増産ができないかと調整している」と記者団に語ったのだ。
 ようするに、日本はいまだに人工呼吸器の増産を「調整している」段階だというのである。
 あらためて指摘するまでもなく、日本で国内初の感染者が確認されたのは1月16日で、アメリカやイギリスなどの欧米諸国よりも早く感染拡大の懸念が示されてきた。さらに中国・武漢の状況から重症者は人工呼吸器の装着が必要になることは早い段階からわかっていた。なのに、国内初の感染者が出てから2カ月半も経っているというのに、人工呼吸器の増産体制がまだ取れていないとは……。
 だが、これはある意味、当然の結果といえる。というのも、安倍政権に人工呼吸器不足への危機感がまるで感じられなかったからだ。
 実際、1月31日の参院予算委員会では、日本維新の会の柳ヶ瀬裕文参院議員が人工呼吸器と人工心肺(ECMO)がどれくらい使用できる状況なのかを質問したが、そのとき加藤勝信厚労相は「日本全体でどのぐらいあるのか、あと実態どのぐらい稼働しているのか、ちょっとその辺を含めて情報収集はしたい」と実数すら把握していないことを露呈。さらに、2月18日の衆院予算委員会では、立憲民主党の川内博史衆院議員から「新型コロナで対応できる人工呼吸器は全国で何台くらい使用可能なのか」と問われた際は、「8988台。そのうち約4割ぐらいが使っている状態」と答弁した。
 つまり、この2月18日の時点ですでに、増産しなければ全国で5000台しか人工呼吸器が使えない状態にあると加藤厚労相自身が認めていたのである。
 ところが、3月14日におこなわれた安倍首相の会見では、安倍首相自ら「人工呼吸器は現時点で3000個を確保」と発言。まるで十全の態勢が取れているかのような口ぶりだったが、加藤厚労相が答えた5000台よりもいつのまにか2000台減っていたのだ。しかもこのとき、安倍首相は「予算措置を講じ、さらなる整備に取り組んでまいります」と述べたが、この発言から2週間を経ても、「増産できるか調整中」の状態で、いつまでに何台確保する予定なのか、その具体的な日程・数字さえあきらかにされていないのである。
 1月末から指摘されていた問題を、目に見えて感染が拡大している状況に陥るまでほったらかしにしつづける……。1月時点から安倍政権の対応は後手後手だと言われていたが、反省するでもなく、その体質はいまも何も変わっていないのだ。
 こうした問題は、人工呼吸器にかぎった話ではない。その最たる例が、マスク不足だ。

マスク不足でも嘘、2月の段階で菅官房長官は「来週以降に品薄解消」と言っていた
 27日の定例記者会見で菅義偉官房長官はマスクについて、現在の月6億枚から4月には1億枚程度を上積みできる見通しであることを公表したが、医療機関や介護施設などに優先的に提供していることを踏まえ、店頭での品薄解消には「一定程度の時間を要する」とした。
 だが、思い出してほしい。菅官房長官は2月12日の定例記者会見では、「1月28日に増産を強く要請し、24時間生産などの態勢強化で現在1億枚以上を供給できる見通しができた」と発言。「来週以降」にはマスクの品薄が解消されると述べていたのだ。
 さらに経済産業省も同日、公式Twitterアカウントで、こう発信していた。
〈マスクを慌てて買い置きしなくても大丈夫です。厚労省や企業の皆様と連携し、毎週1億枚以上、お届けできるようになりました。〉
〈マスクは買い占めなくても大丈夫〉
〈毎週1億枚以上のマスクを消費者のみなさまにお届けします〉
 ご存じのとおり、その後、店頭のマスク不足はまったく解消されず、手に入りづらい状況がつづいている。なのに安倍政権は「来週には品薄を解消できる」「毎週1億枚以上のマスクを消費者のみなさまにお届け」などとデタラメな情報を喧伝していたのである。
 しかも、デタラメな情報を垂れ流しておきながら、安倍政権はマスク不足を訴える報道に圧力までかけた。医療機関のマスク不足を指摘した『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)に対し、厚労省の公式Twitterアカウントは3月5日、〈厚生労働省では、感染症指定医療機関への医療用マスクの優先供給を行ったほか、都道府県の備蓄用マスクの活用や日本医師会や日本歯科医師会のルートを活用した優先配布の仕組みをお知らせしています〉と反論。しかし、『モーニングショー』は翌6日の放送で、医療用マスクが届いていない、今後支給するという通知もない指定医療機関があることを取材によってあきらかにしたのだ。これに厚労省担当者も「『マスクの優先供給を行った』については言いすぎた表現。『行っている』『開始した』が正しい」と訂正せざるを得なくなった。
 国民には「マスクを消費者のみなさまにお届け」などとアピールし、医療機関への優先配布を訴える報道にはウソの情報で反論する……。これだけでも安倍政権の対応がいかにいい加減で、しかもいい加減なくせにそれをツッコまれると報道を封じ込めようとするという強権性がよくわかるが、こんな醜態ばかりを晒しておきながら、いまもマスク問題で安倍政権は信じられないような対応を取りつづけている。

メディアと国民は人工呼吸器もマスクも用意できない安倍政権の責任を問うべきだ
 それは28日におこなわれた会見で安倍首相がぶち上げた、全国の小中学校の生徒と教職員も含めて1100万枚の布製のマスクを4月中に配布する、という話だ。政府は学校再開の方針を打ち出し、「マスクの使用」を学校現場に押し付けたことから批判が出ていたが、それを受けてか、安倍首相は布製マスクの配布を打ち出し、こう胸を張ったのだ。
「ご存じのように、この布製のマスクは洗剤で洗えばもう一度使っていくことができます。ですから、使い捨てではなくて、この1回のマスクを何回も使えることができるということでありますので、急激に拡大している需要に対応する鍵となると考えています」
 布製マスクについては、織り目が荒いために飛沫を防ぐ効果が小さい、繰り返す洗う際の管理によって不衛生になる可能性があると指摘する専門家もいる(朝日新聞デジタル30日付)。「需要に対応する鍵」にはなるかもしれないが、感染拡大のなかで学校を再開させることの言い訳にはまったくならないのだ。なのに「1人1枚、布製マスクを配ります!」と得意気に語るとは……。
 だが、問題なのは、安倍政権がいかに新型コロナ対応で後手後手に回り、人工呼吸器不足をはじめ国民の命を左右する問題にまで発展しつつあるのに、政権への批判があまり起こっていないことだ。
 実際、人工呼吸器不足についても、テレビのワイドショーなどでは「人工呼吸器が足りないのは世界も同じ」などとし、人工呼吸器不足に対応してこなかった政府の不作為を問いただすこともなく、さらには「人工呼吸器やECMOが足りたとしても、それを使用できる医療従事者がそもそも少ない」などと問題のすり替えをはじめている始末だ。
 トランプ大統領も国民から「後手後手の対応だ」と批判を受けて次々に経済・生活補償策を打ち出し、ジョンソン首相は当初掲げた「集団免疫による収束」という方針に批判が殺到したことで方針転換し、PCR検査の拡充や抗体検査キットによる在宅検査などを進めるようになった。つまり、国民からの批判が起こらなければ姿勢を正すこともできないのだ。にもかかわらず、日本は他国とくらべてあらゆる対応が後手後手で杜撰極まりないというのに、テレビをつけてもそうした声はほとんど聞こえてこず、自助努力ばかりが叫ばれている。東日本大震災時はあれだけ政権批判が巻き起こっていたのに、である。

 これこそが安倍政権のあいだにおこなわれたメディアへの圧力強化の成果なのだろうが、しかし、新型コロナ対応は国民の命に直結する重大問題だ。そんな場面で政権の方針を修正させるために重要な批判が抑え込まれている現実……。いま、もっとも恐るべき事態を迎えていると言うほかないだろう。(編集部)

31- 抗体検査の導入を急げ 共産党小池書記局長が求める

 日本では重症化しない限りPCR検査をしないということを原則として、いまだに検査件数は1日1000件台にとどまっています。そうしないと医療崩壊が起きるからという言い分なのですが、その一方で軽症と推測される感染者を隔離する施設の新設・拡充には一切触れようとしません。
 新型コロナウイルスに対する検査としてはこのPCR検査に加えて、抗体検査(血清検査)があります。これは採取(少量の採血)が安全でかつ10数分で結果が判明するので非常に便利です。
 医療崩壊は勿論起きてはならないことですが、検査自体を抑えることでそれを防ぐということではなく、医療の専門家は検査と医療を両立させるやり方を考案すべきです。ドイツは徹底的に検査をした結果、コンマ以下の致死率を達成していますが、医療崩壊を起こしたとは聞いていません。医療崩壊を回避する方法はいくらでもある筈で、医療崩壊を口実に検査を抑えることは許されないし、感染の実態が把握できなければ何ごとも方向性が定まりません。現に英国政府は350万個の抗体検査キットを発注しました。そのことはそれが医療崩壊につながらない確信を持っているということです。
 共産党の小池晃書記局長29日のNHKの「日曜討論」で、必要な人にはPCR検査を実施するとともに、抗体検査(血液検査)の導入を急ぐべきだと訴えました。
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抗体検査 導入急げ 日曜討論 小池書記局長が求める
しんぶん赤旗 2020年3月30日
 日本共産党の小池晃書記局長は29日のNHK「日曜討論」で、必要な人にはPCR検査を実施するとともに、抗体検査(血液検査)の導入を急ぐべきだと訴えました。
 PCR検査では鼻や喉から採取した粘液を使ってウイルスの有無を検査するのに対し、抗体検査では血液中の抗体を検査し、特定のウイルスに感染し免疫を獲得しているかどうかを調べます
 小池氏は、PCR検査の体制が1日8000件といわれながら実際の検査件数は1日1300件で、あまりに少ないと指摘し、「健康な人も誰でも検査すべきだとは思わないが、医師が必要と判断すれば直ちに検査できるようにすべきだ」と強調しました。
 さらに、抗体検査はわずかな血液で十数分で判定できると述べ、イギリス政府が350万人分の検査キットを発注したことを紹介。「免疫の獲得が確認できれば、ウイルスをうつす危険もうつされる危険もないことが判定できる。これを大規模にやれば感染の広がりもつかめる。ぜひ政府の前向きの対応を求めたい」と述べました。
 小池氏は18日の参院厚生労働委員会でも、抗体検査の早期導入を求めています。

2020年3月30日月曜日

『報ステ』のコメンテータ後藤謙次氏降板 政権批判が消滅(LITERA)

 またひとり安倍政権をまともに批判してきたコメンテーターが姿を消しました
 2016年から『報道ステーション』(テレビ朝日)でメインコメンテーターを務めてきた後藤謙次氏です。
 16年春は、各局辛口のコメントを述べるメインキャスター(MC)やコメンテーターが官邸からの圧力を受けて一斉に降板した年として知られています。NHK国谷裕子氏や「報道ステーションMCの古舘伊知郎氏、TBS「NEWS23」の岸井成格氏などでした。官邸から睨まれていた「報道ステーション常連コメンテーターだった古賀茂明氏も降板しました。
 後藤氏はその後「報道ステーション」のメインコメンテーターに就いたので、当初は官邸の眼鏡に適う人という見方がされていましたがそれは周囲の誤解でした。
 1年後の5月12日、LITERAは「『安倍政権はタガが外れている『報道ステーション』後藤謙次の安倍批判がキレキレ! 御用記者に何が?」とする記事を掲げて、淡々とあるいは熱をこめて政府批判を行う後藤氏を讃えました。
 そこでは、「(安倍首相による)メディアの私物化」、「五輪の政治利用」、「憲法99条の憲法順守義務違反」、「予算委の劣化は安倍総理の答弁にある」、さらには「森友問題は安倍総理にしか収束できない」、「政権はタガが緩んだのではなく外れている」等々安倍首相に対する胸のすくようなダメ出しの数々を紹介していますその姿勢はその後も一貫していました。因みに後藤氏が安倍批判の旗幟を鮮明にしたのは共謀罪の強行以降と言われています。
 その後藤氏が姿を消すのは寂しいことです。

 それにしても安倍政権の報道介入は留まるところを知りません。すべては報道機関のトップが政権に懐柔されていることに起因しています。
 安倍首相は小泉内閣で副官房長官を務めていた2001年に、ETV(NHK)が「慰安婦」問題を取り上げた番組に文句をつけて内容を改ざんさせ、のちにそのことが報道に対する介入だと訴えられました。実質的には介入だったのですが裁判所は最終的に「介入はなかった」と判示しました。その成功経験が、相手に自分の意思を忖度させれば法律違反に問われないという確信を与えたとされています。
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後藤謙次の降板で『報ステ』政権批判が完全消滅? 後任に米国防総省の研究センターや笹川平和財団にも所属していた記者が
LITERA 2020.03.29
 安倍政権をまともに批判できるコメンテーターがまたひとり、姿を消した。周知のように、2016年から『報道ステーション』(テレビ朝日)でコメンテーターを務めてきた後藤謙次氏が26日を最後に同番組を降板したのだ。出演最終回となった放送の最後、後藤氏はこんなメッセージを残した。
「私自身はこの4年間、感じたのはですね、やはり、政治と政治家の劣化。政治記者を長くやってきて、それを強く感じますね。特に、日本の民主主義の根幹を揺るがすような、そういう事態が日々起きていたと。たとえば、国会軽視とかですね。当たり前と見られていた公文書が平気で改ざんされてしまうと。そして弱い人たちに対する眼差しがほとんどない、そういう政治が日々おこなわれてきたと。我々の無力感も感じますけれど、さらに場所を変えて取材活動を続けたいと思います」
 安倍政権による民主主義の破壊、弱者切り捨てに対して、強い危機感を表明したこのメッセージは、ネット上でも大きな反響呼んだ。
 しかし、後藤氏の最近の姿勢を考えると、このメッセージは出るべくして出たものといえるだろう。
 後藤氏は、共同通信政治部時代は長く自民党担当記者をつとめ、むしろ自民党に近いことで知られていた。政治部長時代には、社会部が追いかけていた野中広務・元幹事長のスキャンダルをもみ消したこともある。実際、『報道ステーション』コメンテーターに就任したあとも、当初は厳しい政権批判をする姿はあまり見られず、安倍首相との会食も報じられた。
 だが、2017年4月くらいから、後藤氏は安倍政権に対して強い危機感を表明するようになる。共謀罪ゴリ押しや憲法改正強行の姿勢を真正面から徹底的に批判。森友問題や閣僚の不祥事を受けて、「政治自体が上から目線、そして権力をもっている人たちのおごりというのが今回、端的に表れた」「いまの政権はタガが緩んだのではなくタガが外れている」と、一刀両断したこともある。
 ようするに、かつて自民党に近い政治記者だった後藤氏から見ても、安倍政権の民主主義破壊や不正横行はあまりにひどく、黙っていられなくなったということだろう。
 もっとも、この後藤氏の政権批判について、安倍官邸は相当カリカリしていたらしく、官邸幹部がテレビ朝日に裏で相当な圧力をかけていたという話もある。
ある時期から、官邸幹部がテレ朝の担当記者にいちいち『昨日の後藤のコメントはなんだ』とクレームを入れるようになっていましたからね。うちの上層部は官邸と直接のチャンネルがありますから、上層部にもいろいろ言ってきていたと考えて間違いないでしょう」(テレ朝関係者)
 実際、今回の『報道ステーション』降板もこうした安倍官邸の圧力と無関係ではない、との見方が有力だ。表向きは、「70歳を機に卒業したいという本人からの申し入れ」ということになっているが、実際はテレビ朝日側が自ら降板するように仕向けていった可能性が高い。

後任の朝日記者・梶原みずほ氏は元アメリカ国防総省アジア太平洋安全保障研究センター客員研究員
 周知のように、この数年、安倍首相べったりの早河洋会長らテレビ朝日の上層部は『報道ステーション』の政権批判封じ込め人事をおこなってきた。2018年7月には、早河会長の子飼いである桐永洋氏をチーフプロデューサーとして送り込み、同年9月には小川彩佳アナを番組から追放して早河会長お気に入りの徳永有美アナをMCに起用。政権批判や原発報道を極端に減らしてスポーツなどをメインにするリニューアルをおこなった。
 その後、桐永CPは昨年8月末、女性アナウンサーやスタッフへのセクハラが問題となりCPを解任され、『報道ステーション』の政権批判封じ込めも終わるかと思われたが、そんなことはなかった。昨年12月、「桜を見る会」報道に絡んで自民党の世耕弘成・参院幹事長から抗議を受けたことをきっかけに、後任の鈴木大介チーフプロデューサーをたったの7カ月での更迭を決定。さらに、社員スタッフ5人の1月1日付での異動と、社外スタッフ約10人に対しても3月いっぱいでの契約打ち切りを宣告したのだ。
 この社外スタッフたちはニュース班のディレクターやデスクらで、10年以上も番組を支えてきたベテランたちだ。つまり、テレ朝上層部は政権批判封じのために、世耕氏のクレームに乗じてジャーナリズム路線を守ろうとしていたスタッフたちの排除を強行したのである。
「後藤さんの降板もこの流れの一環でしょう。後藤さんについてはちょうど『桜を見る会』に絡んで、ジャパンライフ会長主催の懇親会に参加していたという問題がもちあがっていた。後藤さん自体は、ジャパンライフと関係があったわけではなく、顧問を務めていた朝日新聞の元政治部長に誘われて、ジャパンライフ主催の二階俊博・自民党幹事長を囲む情報交換会に付き合いで参加しただけなんですが、テレ朝の上層部がその問題を使って、相当、揺さぶりをかけていた。本来なら、後藤さんにきちんと番組で説明させて続投させるべきだったと思いますが、テレビ朝日はそれをさせずにうやむやのまま、降板に追い込んだんです」(前出・テレ朝関係者)
 今回の後藤氏の降板もまた、古舘伊知郎や古賀茂明、岸井成格、国谷裕子などと同じように、安倍政権を批判したことで、番組降板に追い詰められたということだろう。
 しかも、懸念されるのは後藤氏の後任のコメンテーターだ。テレビ朝日は月、火曜が共同通信社編集委員の太田昌克氏、水、木曜は朝日新聞記者の梶原みずほ氏が担当することを発表した。太田氏は『大下容子ワイド!スクランブル』(テレビ朝日)などでもコメンテーターを務め、リベラルなスタンスで知られているが、問題は梶原氏だ。
 梶原氏は朝日新聞記者ではあるが、アメリカ国防総省アジア太平洋安全保障研究センター客員研究員を務め、『アメリカ太平洋軍 日米が融合する最強軍団』(講談社)という日米同盟やアメリカ軍を無批判にレポートする著書を出すなど、明らかに、米国に近い人物なのだ。
 米軍がイランのソレイマニ司令官を爆撃・殺害した際も、「朝日新聞GLOBE+」でイスラエルの国際カウンター・テロリズム研究所のボアズ・ガノール所長をインタビュー、爆撃と核合意離脱を肯定する意見を無批判に垂れ流していた。

安倍首相の“お友だち”笹川陽平が名誉会長「笹川平和財団」のプロジェクトメンバーも
 しかも、もうひとつ気になるのは、梶原氏が公益財団法人「笹川平和財団」の「インド洋地域の安全保障」政策提言プロジェクトメンバーという経歴をもっていることだ。笹川平和財団といえば、安倍首相としょっちゅうゴルフや会食をしている“お友だち”笹川陽平氏が名誉会長を務める団体。しかも、安倍官邸の御用ジャーナリスト・山口敬之氏をめぐる問題でも名前があがっていた。
 山口氏からの性暴力を告発した伊藤詩織さんが昨年末、日本外国特派員協会の記者会見で、安倍首相がアメリカの笹川平和財団で講演、その見返りに官邸が笹川平和財団に対して山口氏をアメリカのシンクタンクに派遣するよう求めていたという内部告発を明らかにしたのだ。「デイリー新潮」もこの事実を報じており、それによると、笹川平和財団は山口氏のシンクタンク就職のために約466万円の経費を捻出したことを認めているという。
「『報ステ』はこの2月、後藤さんが休んでいるときも、代わりに笹川平和財団の上級研究員である渡部恒雄氏を出演させています。渡部氏は2015年の安保法制をめぐって参院地方公聴会で賛成の立場で意見陳述をおこなうなど、安倍政権の安全保障政策をバックアップしてきた人物。そんなところから、上層部が官邸から笹川平和財団の研究員を使えという指令でも出ているんじゃないかという見方まで流れた」(前出・テレ朝関係者)
いずれにしても、梶原氏の経歴を見ていると、きちんと安倍政権を批判できるとはあまり考えられないのである。
 安倍政権の横暴に対してツイッターでしばしば警鐘を鳴らしているラサール石井氏は、後藤氏の降板に際し、こんな投稿をしていた。
〈後藤さんが去られるという事がまた一つメディアの後退にならぬよう。志あるスタッフがまだ残っていますように。〉
 しかし、このままいくと、ラサール氏の祈りも虚しく、『報道ステーション』の政権チェック能力が後退してしまうことは確実だろう。 (編集部)

森友事件で自死 「再調査を」に賛同15万人

 自死された元財務省近畿財務局の赤木俊夫さんの妻昌子さん(仮名)が27日に立ち上げたインターネット署名「なぜ自死に追い込まれたのか、第三者委員会を立ち上げ公正中立な調査を実施して下さい」は、わずか1日半で約15万筆に達したということです。
 ネット署名の組織体である「Change.org」によれば、これだけ短期間にこれだけの数の署名が集まったのは初めてということです。
 ネット署名は下記にアクセスすれば出来ます。
 記事右欄の該当の個所に氏名等の必要事項を記入の上、赤帯の「賛同する」をクリックすることで電子署名が行われます。

 森友事件の報道に深く関与してきた相澤冬樹大阪日日新聞編集局長(元NHK記者)による最新報道を紹介します。

追記)
 「Change.orgは半年前から独自に、「佐川氏の国会での再度の証人喚問への賛同」署名と集めるキャンパーンを行っていますが、半年たっても1万人に達していなかったのが、赤木俊夫さんの手記が公開され、昌子さんの提訴が報じられると賛同者が急増し、10日ほどで9万人を超えたということです
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赤木効果”で最多最速!森友事件で自死「再調査を」に賛同15万人の衝撃
相澤冬樹 YAHOOニュース 2020/3/29
   大阪日日新聞編集局長・記者(元NHK記者)
 森友事件をめぐる公文書改ざんを無理強いされ命を絶った財務省近畿財務局の上席国有財産管理官、赤木俊夫さん(享年54歳)。その手記が初めて公開され、大きな反響を呼んでいるさなか、妻の昌子さん(仮名)が27日午後、インターネット上の賛同者募集サイトChange.org(チェンジ・ドット・オーグ)で呼びかけを始めた。
「私の夫、赤木俊夫がなぜ自死に追い込まれたのか。有識者によって構成される第三者委員会を立ち上げ、公正中立な調査を実施して下さい!」
 その呼びかけに賛同者が殺到。開始から2日足らずで15万人を突破した。これにはあまたの賛同者募集を扱っているChange.orgの運営担当者も驚いた。確認を求めたところ、日本で行われたChange.orgのキャンペーン・署名で、これまでで最も多く最も速いことがわかった。
 Change.orgのカントリー・ディレクター(責任者)は取材に対し、異例とも言えるほどの思いのこもったコメントを寄せた。
「赤木氏のご遺族によって開始された本キャンペーンは、開始から1日半ほどで15万名以上の賛同数に達しました。これは、日本国内で開始されたキャンペーンとしては最速で最多の賛同数となります。『森友学園の国有地売却をめぐるやりとり』には様々な要素が絡み合っています。働いている中で、信念に背く業務を無理やりさせられ、気持ちが痛んだり追い詰められたという経験は、多くの人に思い当たるのではないでしょうか。残されたご遺族として、なぜそこまで追い詰められる必要があったのか。お連れ合いの『知りたい』という悲痛な思いが、これだけの賛同を引きつけたと言えるのではないかと思います」
 さらにChange.orgの求めに応じて昌子さんが28日に出したコメントを以下に紹介する。

「安倍首相、麻生大臣にこの声が届くと思います」
 この署名に賛同してくださった方、またスマホやパソコンをお持ちでない方からも沢山の応援の声をいただいています。お礼と感謝を申し上げます。
 夫がもがき苦しんで自死を選ぶことになった真相を知りたいです。
 きっと安倍首相、麻生大臣にこの声が届くと思います。
 今日(28日)は54歳で亡くなった夫の誕生日です。
 最高のプレゼントを皆さんからいただきました。
 本当にありがとうございます。

手記公開と提訴を3月にしたかったわけ
 そう、きのう3月28日は赤木俊夫さんの誕生日。本来ならこの日、57歳になったはずだった。私と同い年、同じ学年だ。
 その日、私は赤木さんの自宅を訪れ、祭壇の写真の前にチョコレートを捧げた。そこにはすでに小さなケーキが供えられていた。
「誕生日はいつもトッちゃん(俊夫さんのこと)の好きな料理を作って二人でお祝いしたんですよ。私の誕生日もすぐ近く(3月22日)だから、二人一緒のお誕生会。自宅で、ケーキも買ってきて。もうできないけど…」
 昌子さんが俊夫さんの手記を公開し、国と佐川宣寿元財務省理財局長を相手に裁判を起こしたのは3月18日。この時期を選んだのは、実は深い理由があった。3月7日が俊夫さんの三回忌、22日が自分の誕生日、そして28日が俊夫さんの誕生日。昌子さんにとって、俊夫さんと二人にとって、大切な日が続く3月に、どうしても手記公開と提訴をしたかったのだ。

共感と賛同のメッセージが赤木昌子さんを支える
 誕生日の思い出でしんみりとした昌子さんだったが、思ったほど沈んではいなかった。皆さんから寄せられる賛同の声が彼女を力づけている。
「私の生まれ故郷は人口2万人なんです。15万人って想像をはるかに超えています」
 この日はTBSの報道特集で赤木俊夫さんのことが取り上げられた。番組が終わった後、昌子さんからLINEが届いた。
「私の勇気に敬意を表すると金平さん(番組キャスターの金平茂紀氏)が言ってくださいました。
がんばるぞ!」

 皆さんの支援の声が、「夫の死の真相を知りたい」という赤木昌子さんを突き動かしている。
 署名の募集は引き続き、以下のサイトで行っている。
      http://chng.it/yBNFhJG97G 

まさに“赤木効果”
 賛同者殺到の余波は別のところにも及んでいる。Change.orgでは去年から、昌子さんとはまったく別の動きとして、佐川氏の国会での再度の証人喚問への賛同者募集が行われていたが、半年たっても1万人に達していなかった。
 ところが赤木俊夫さんの手記が公開され、昌子さんの提訴が報じられると賛同者が急増。10日ほどで9万人を超えた。“赤木効果”としか言いようがない。と昌子さんにお伝えしたところ「皆さんのおかげです」という答えが返ってきた。

完売御礼の週刊文春がフリマで999円
 赤木俊夫さんの手記を最初に全文掲載し、妻の昌子さんの思いも伝えた週刊文春の3月18日発売号(3月26日号)は2年半ぶりに完売御礼となった。すると、ネット上のフリーマーケットに当該号が出品されるようになった。高いものでは999円で取り引きされたのが確認できた。定価は440円である。一般の書籍ならともかく、消費されていく雑誌がフリマで高額取引されるのはかなり珍しい。何とか入手して読みたいという人が多いことの表れだろう。
 実は完売御礼は完全に売り切れたことを意味しない。一部の書店に在庫が残っていても、売れ行きから見て近々完売しそうだという時に出される。とある情報によると、紀伊國屋書店の梅田店(大阪)には28日の時点でまだ80冊ほどの在庫があるという。
 さらに、週刊文春の3月26日発売号では、森友事件の本丸と言える国有地の8億円値引き売却について、当時の売却担当者が「算出に問題がある」「撤去費用が8億になるという確証がない」と述べていたという新事実を紹介している。

相変わらず「調査せず」の安倍首相に”赤木効果”は及ばないか?
 一方の安倍首相。新型コロナウイルスをめぐる28日の会見で、財務省の公文書改ざんについて、赤木昌子さんが望んでいる第三者委員会による再調査をしないのか質問された。すると「大変痛ましい出来事でお悔やみ申し上げる」と述べたが、麻生財務大臣のもとで財務省が調査し、捜査機関も捜査したことを挙げ、質問された再調査については答えなかった。
 故人の手記が公開されても、遺族が望んでも、「新事実はない」と繰り返し、再調査はしないという考えを改めようとしない安倍首相と麻生財務大臣。再調査の実施に15万人の賛同が集まっても、考えを変えないのだろうか?
 世間を揺るがす“赤木効果”も、このお二人には及ばないのだろうか?
 赤木昌子さんは賛同者15万人を知って、代理人弁護士や関係者に感謝のメールを送った。その言葉でこの記事を締めくくりたい。

 署名賛同者の数字にびっくりしています。2年間何もしてあげられなかったけど、やっと遺書、手記を公にするという願いを叶えてあげられて、こんなにたくさんの人が応援してくださり、身体中に血が通って生きてるなあって気持ちがしています。全て皆さまのお陰です

#赤木さんを忘れない
【執筆・相澤冬樹】
相澤冬樹 大阪日日新聞編集局長・記者(元NHK記者)
1962年宮崎県生まれ。1987年NHK記者に。山口、神戸、東京、徳島、大阪で勤務。神戸で阪神・淡路大震災を取材。大阪でJR福知山線脱線事故を取材。大阪司法記者クラブ担当の2017年に森友事件に遭遇して取材を進めるが、2018年記者を外されてNHKを退職。この時の経緯を「安倍官邸vs.NHK 森友事件をスクープした私が辞めた理由」(文藝春秋刊)という本にまとめた。現在、大阪日日新聞に務めながらYahoo!ニュースをはじめ日刊ゲンダイや週刊文春など様々な媒体で記事を書いている

30- 今回も中身がスカスカ会見(まるこ姫)/不要不急の会見(くろねこ)

 28日の安倍首相の会見で、単に役人が書いた中身がスカスカの文章をプロンプターを使って読み上げるやり方に対して、まる子姫は、
国民に語り掛ける会見は、テレビの前の人に向かって、まっすぐ正面を向いて自分の言葉で語り掛けなければ意味がない。しかもすべて官僚の書いた原稿を読み上げるだけでは誰の心に響かないのも当然だ
と述べ、交互に両脇の透明板に表示されるプロンプターを読み上げるのは止めるように要求しました。

 くろねこ氏は、28日の会見はこの際不要不急であったとして、
「これまでにない」「前例にない」「政府をあげて」「思い切った」「きめ細やかな」「大胆な」「力強い」「かつてない規模の」
どという盛り沢山の修飾語羅列するやり方を批判しました。

 代筆したライターの意識が低劣なのか首相がそれを要求したのかは不明ですが、いずれにしても出来の悪い中学生レベルの幼稚さです。この先もそんな空虚さに付き合わされる国民の大迷惑に官邸も早く気付くべきです。
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今回も中身がスカスカ会見、プロンプターを使わず国民に語り掛けろ
まるこ姫の独り言 2020.03.29
安倍首相、何かあるとプロンプターや原稿を総動員して会見をしてきた。
テレビの前の人は、安倍首相が言いたいことを暗記して語ってるかのように思っているかもしれないが、内実はプロンプター頼み。
すべて、官僚の書いた原稿を読み上げるだけだ。

最近私は、このプロンプタ-会見に違和感を持つようになった。
多分、安倍首相や周りの人間は、右の人にも左の人にも配慮した語り掛けだと思ってプロンプターを用意したのだろうが、これは講演会用ではなかろうか。
テレビを見ている国民に呼びかけるのなら、プロンプターは必要ない。
どこの世界の首脳の会見を見ていても、ほとんどテレビの中の人を視野に入れて目をそらさず話していた。

あっちを見たりこっちを見たりの語り掛けは、会場にいる人がすべての講演会では効果的だろう。
が、国民に語り掛ける会見は、テレビの前の人に向かって、まっすぐ正面を向いて自分の言葉で語り掛けなければ意味がない。
しかもすべて官僚の書いた原稿を読み上げるだけでは誰の心に響かないのも当然だ。

ようやくプロンプター使用の違和感の正体がわかった。
遅いか。。。(笑)

今回三回目となる会見はほとんど中身がなかった。
私は、その時間TBSの報道特集を見ていたが、森友学園問題で、改ざんを指示された赤木氏がなぜ自死しなければいけなかったかを深堀していたが、途中で安倍首相会見に切り替わってしまった。

仕方なく見るともなく見ていたが、今まで以上に中身がまったくなかった。
今では「瀬戸際」で辛うじて堪えているそうだが、中国全土が休暇を取る「春節」の時期に渡航制限を掛けていたら、少しは状況が変わったのではなかろうか。
そして、「医師が必要と認めたら四の五の言わずウイルス検査が受けられる」体制を敷いていたら。。。

時すでに遅しだが、もう4月になろうとしているのに、政府の対策がまったくもって遅いし、お粗末だし、チンケだし、これで国民の命を救えるのか。

現金給付にも言及していたが、未だ数字も出さないし、「国民全員ではなくターゲットを絞った上」と言っている。
遅い。本当に遅すぎる。そして出し渋る。
しかもこの期に及んでも、「補正予算案は今後10日程度で取りまとめ、国会に提出する方針」と言っているが、今まで何をしていたのだろうか。
何一つ数字も出さず具体的な中身が全然ないのに会見をする必要があるのだろうか。


イギリス政府は、フリーランス・自営業者の過去3年間の平均所得の8割を当面3カ月間給付するそうだし、米国も米史上最大となる2兆2000億ドル(約237兆円)規模の巨額な経済対策が可決されたそうだが、それでも景気後退を回避するには力不足だそうで、日本政府は話にならない程、国民に出し渋る。
プロンプターを使ってやってる感をアピールする前に、もっと早く労働者の命の補償をしたらどうか。


不要不急の会見で、「終息の見通しを答えられる首脳は一人もいない。私もだ」(安倍晋三)・・・だったらオリンピック1年延期の根拠は何だ!!
くろねこの短語 2020年3月29日
 緊急事態にあって、およそ国のトップが会見する時というのは、具体的な政策をしっかりした根拠の元に提示して民心の安寧を図るものだ。あのトランプでさえ、日本円にして約237兆円の経済対策をブチ上げ、ロシアのプーチンに至っては「3週間家にいるか、3年間刑務所に行くかだ」と感染防止のための外出禁止を強く訴えたという噂もある。こうした強いメッセージを発信するには、それだけの覚悟ってものがあるんだね。それが政治への信頼感にも繋がっていく。
 ああ、それなのに、週末恒例になった初老の小学生・ペテン総理の会見のなんとも侘しいことよ。「これまでにない」「前例にない」「政府をあげて」「思い切った」「きめ細やかな」「大胆な」「力強い」「かつてない規模の」なんていう修飾語の羅列で、まったく具体的な政策が見えてこない。ようするに、不要不急の会見だったわけで、ペテン総理のただの決意表明なんだね。それも用意した原稿を読むだけの朗読会なんだから、誰の心にも響くわけがない。
 そんな中でも、笑えるところがいくつかあって、新型コロナウイルス終息の見通しを問われて、
「答えられる首脳は一人もいない。私もだ」
だとさ。おいおい、だったらオリンピックの1年延期って何を根拠にしてるんだ。終息の見通しがたたなければ無意味だろう。
 さらに、現金給付に関しては、「当面のキャッシュ(現金)がない人」が対象なんだと。てことは、キャッシュがあるかないかを選別しなくちゃいけないってことだ。その作業だけでもどれだけの経費がかかることか。緊急事態ならばこそ、無条件に一律でまとまった現金給付することが必要なんだよね。
首相記者会見 首相、現金給付の意向表明

 ペテン総理の会見ってのは「やるやる詐欺」みたいなもんなんだが、そのくせ森友学園疑獄の公文書改竄の再調査はしないとキッパリなんだから、ひょっとしたら昨日の会見は同時刻に放映の森友学園疑獄がメインだったTBS『報道特集』を潰すためだったんじゃないのか・・・なんて妄想をしてみた寒の戻りの日曜の朝である。

【くろねこの競馬予想】
以下は割愛します (^○^)