2012年10月31日水曜日

郡山市の大気の汚染が明らかに


 29日、福島県の農業総合センターが郡山市で開いた試験研究成果説明会で、空気中に含まれる放射性セシウムの濃度に関する驚くべき事実が明らかにされました。 

大根を屋外で乾燥させたところ、放射性セシウムが最大で1キロ当たり3,421ベクレルというような高濃度で付着しました。それは郡山市日和田町にある同農業総合センターが、軒下で切干大根を乾燥させて確認したもので、対照のために乾燥機で乾燥させた大根ではセシウムは検出限界以下でした。
重量比で1/20にまで乾燥
このことから放射性セシウムが高濃度になる原因は、乾燥させる過程で付着した空気中のチリやホコリの中に存在する放射性セシウムであるとしか考えられません。たまたま切干大根は単位重量当たりの面積が多大なので、前述のような数値になったのでした。
 いずれにしても福島第1原発からはかなり離れている郡山市でも、空気中に浮遊しているチリやホコリがかなりの高濃度で放射能に汚染されているわけです。 

ところで郡山市は除染の対象地区になっていないのではないでしょうか。もしもセシウムの半減期に期待するというのであれば、30年経って放射能レベルが半分に、100年経ってもようやく1/10程度になるだけです


彼の児玉龍彦東大教授が初期の段階で、「たとえ100兆円掛っても除染を行わなくてはならない」と力説したことが、いまさらに思い起こされます。
そして政府の不明と無策ぶりがここでも明らかにされました。


福島民報の記事を紹介します。
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セシウム濃度を検証 福島県農業総合センター
福島民報 20121030 

 農作物を乾燥させた加工食品の一部から高濃度の放射性セシウムが検出されている問題で、ちりやほこりが舞いやすい条件下で乾燥させると濃度が高まることが分かった。29日、福島県農業総合センターが郡山市で開いた試験研究成果説明会で発表した。 

 柿などの農作物は乾燥すると水分がなくなり重量が軽くなるため、1キロ当たりの放射性物質の濃度が高くなる。ただ、想定を大きく上回る放射性物質が検出されるケースもあるとして調査した。 

 センターが中通りの6カ所から取れたダイコンを使い、切り干し大根を作る過程で実験した。 

 ダイコンを乾燥機で元の重量の20分の1程度に乾かしても検出限界値以下だった。しかし、センター内の軒下などで乾燥させた結果、最大で1キロ当たり3421ベクレルの放射性セシウムが検出されたという。
 センターは、空気中のちりやほこりが付着したことが濃度を高めた原因と結論付けた。濃度が高いものほど、ちりの付着が多かったという。
 
 
 

 

新潟、静岡、山梨などでも放射能汚染を確認


 新潟県十日町市で捕獲されたクマから、過去最大の放射性セシウム(1キログラム当たり760ベクレル)が確認されました。
また静岡県や山梨県の野性キノコからも、基準値(1キログラム当たり100ベクレル)を超える放射性セシウムが検出されました。

いわゆる東日本の周辺部も放射能で汚染されていることが明らかになりました。 

 新潟県湯沢町では先に、野性のキノコであるシロヌメリイグチから1キログラム当たり450ベクレルが検出(19日付既報)されたので、21日付の同町広報ビラ等で野性キノコの「出荷や食用の自粛」が徹底されました。
その際他のキノコ類やコメについての測定値が参考用に発表されたので、それを以下に示します。  


検 査 日
品  目
採取場所
放射性セシウム
1012
ブナハリタケ
湯沢町
22
1012
ヌメリスギタケモドキ
湯沢町
6.5未満
109
ワタゲナラタケ
湯沢町
7.9
918
玄米 (コシヒカリ)
湯沢町
9.2未満
910
玄米 (早生)
湯沢町
9.1未満
  注 セシウム量の単位は ベクレル/1キログラム 「未満」は検出限界以下 

 以下に関連の記事を紹介します。


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セシウム、クマ肉から基準超え (新潟県)十日町で捕獲
野生鳥獣で過去最大
新潟日報20121030 

新潟県は29日、十日町市で捕獲されたクマの肉から、新基準値(1キログラム当たり100ベクレル)を超える760ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表した。県が実施している野生鳥獣の検査では過去最大値。肉は販売されておらず処分する。
 24日に有害鳥獣として捕獲されたクマを調べた。県は、市町村や猟友会を通じ、同市で捕獲されたクマの食用自粛を呼び掛けている。
 

(静岡県) 小山の野生キノコから基準値超セシウム
 中日新聞20121031 

◆県が周辺市町での採取と摂取自粛呼び掛け
 静岡県は30日、同県小山町の野生キノコから食品衛生法の基準値(1キログラム当たり100ベクレル)を超える放射性セシウムが検出されたと発表した。県は同町と周辺自治体での野生キノコの採取と摂取の自粛を呼び掛けている。

 基準値を超えたのは26日に採取されたユキワリで、1キログラム当たり350ベクレルの放射性セシウムが検出された。県衛生課は東京電力福島第一原発事故の影響としている。市場などへの流通は確認されていない。 

 県は同町周辺の富士宮市、御殿場市、裾野市などのキノコも調査する。23日と25日に山梨県鳴沢村、富士吉田市、富士河口湖町の野生キノコから基準値を超す放射性セシウムが検出されたため、隣接する小山町のキノコを検査した。同時に検査したヌメリイグチ、コムラサキシメジは基準値以下だった。
 
 

2012年10月30日火曜日

これでは “暗黒司法”


 東電女性社員殺人事件のやり直し裁判は、検察側が「被告は無罪」の主旨を述べて結審しました。もはや無罪判決が下るのは確定的で、関心はなぜこうした誤判が起きたのかの解明に移りました。

ところが法相の談話を聞くと、「当時は鑑定技術が未発達だった」ことなどを理由に挙げて堂々と問題をすり替え、検察は検察で、「捜査や公判を検証する考えはない」と開き直っています。
厚労省の村木さん事件をはじめとする一連の冤罪事件で、今や権威が地に落ちている検察が、これ以上恥の上塗りはしたくないのでしょうが、無辜の人の一生を目茶めちゃにした責任は一体どうなるのでしょうか。 

そして冤罪は、これらの事件のように司法の側が最早言い逃れが出来ない段階になってから、初めて明らかにされるのが通例です。であれば、今なお埋もれている冤罪は、一体どれほどあるのでしょうか。 

◇裁判所の責任こそ重大
12年前の1審で、「第3者が現場にいた可能性がある」として無罪となったゴビンダ氏を、高検の拘留請求に応じて、「有罪を疑う相当な理由がある」として拘留を認めた高裁の誤りは極めて重大です(誤りではなく不正と呼ぶべきものです)。しかも高検から請求があった翌日(200052日)に実質的に拘留する方針を決めました。

そして高裁は、僅か4ヶ月のスピード審理で逆転有罪(無期懲役)の判決を下し、最高裁もそれを追認しました。 

「冤罪」と言うと先ず警察や検察がやり玉に挙げられますが、裁判は通常数年にもわたって行われますから、裁判所の負うべき責任はもっと大きい筈です。
裁判官が本当に独立性を維持しているのか、なぜ無罪判決が少ないのか、裁判官はなぜ多く退職間際にしか無罪判決を出せないのか、そうしたことをもう一度考え直してみる必要があります 

以下に法相談話及び東京新聞の社説「東電女性再審“暗黒司法”そのものだ」を紹介します。(参考までに約5ケ月前の再審決定時の同紙の社説も添付します。)
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法相 「捜査にミスなかった」 東電社員殺害事件
日経新聞 2012/10/30 

 滝実法相は30日の閣議後の記者会見で、東京電力女性社員殺害事件で無期懲役が確定したネパール人男性の再審初公判で検察官が無罪主張をしたことに関し、当時の鑑定技術が発展途上だったことなどを理由に「捜査に大きなミスはなかった」と述べた。

 捜査に関する第三者による検証については「検察当局の判断」としつつも、「(鑑定などの)技法を含め専門家の意見を聞くことは大切なこと」との認識を示した。
 

【社説】 東電女性再審 “暗黒司法”そのものだ
東京新聞 20121030 

 東京電力の女性社員殺害事件で、無罪となるネパール人男性の再審公判は、司法界の“暗黒”を物語る。検察も裁判所も過ちを検証せねばならない。真犯人の追及にも本腰で取り組むべきだ。
 再審の公判で「無罪」と主張したのは、検察側だ。弁護側はずっと無実を訴えてきた。これで結審し、ネパール人男性の無罪は確実だが、もっと早く冤罪(えんざい)から救済できなかったか悔やまれる。

 昨年夏に被害者の体内から採取された精液のDNA型鑑定の結果が出た。男性とは別人の「X」のもので、しかも殺害現場にあった体毛の型と一致していた。この時点でも、検察は“撤退”が可能だったはずだ。ところが、今年六月に再審開始決定が出ても、検察側は異議を申し立てていた。
 検察が白旗を揚げる決め手になったのは、女性の爪に残っていた付着物をDNA型鑑定したところ、やはり「X」のものだったことだ。被害者と最後に接触したのは「X」である可能性が濃厚になった。爪の付着物は、被害者の激しい抵抗の痕跡かもしれない。

 だが、弁護側が爪に着目して、鑑定書を求めたのは二〇〇七年である。検察は裁判所に促されても、「鑑定書はない」「爪からは何も検出されていない」などと、虚偽に近い不誠実な姿勢だった。最後まで有罪にこだわり続けた検察の態度は非難に値する 

 有罪を確定させた裁判所も問題だ。一審は「無罪」だった。「別人が犯行現場の部屋を使った可能性がある」「精液の入った避妊具は、事件当日に使用したと断定できない」などと、新しい鑑定技術がなくとも、男性を犯人とすることに疑いを持ったのだ。

 ところが、二審はわずか四カ月のスピード審理で「逆転有罪」となった。なぜ一審が下した“赤信号”を素通りし、最高裁まで追認したのか。さまざまな証拠が「X」が真犯人だと指し示しているような現在、裁判所はどのような弁解をするのだろうか。
 
 当初からネパール人男性を犯人だと決めつけた捜査に問題があるのは間違いない。重要物証をDNA型鑑定しなかったのも致命的だ。被告人に有利な証拠も得られるよう、全面証拠開示の必要性も、この事件は訴えている。 

 司法が「暗黒」と呼ばれないためには、他にも冤罪が潜んでいないか、早急にチェックすることだ。もはや正義に奉仕すべき司法の倫理さえ問われている。
 

【社説】 東電女性殺害 早く無罪を確定させよ
東京新聞 201268 

 東京電力の女性社員殺害事件で、再審開始の決定が出た。DNA型鑑定結果など新証拠で、第三者が犯人である疑いが生じたためだ。審理を長引かせず、早く元被告の無罪を確定させるべきだ。 

 強盗殺人罪で無期懲役の確定判決を覆し、再審開始決定の決め手になったのは、被害者の遺体に残っていた精液だ。
 再審を求める過程で、弁護側が精液のDNA型鑑定を求めたところ、ネパール人元被告のものではなかった。そのうえ、殺害現場の部屋に残されていた体毛とも精液のDNA型が一致した。

 昨年七月に判明した、この事実が指し示すのは、元被告とは別人の「第三者」が殺害現場にいた可能性があることだ。東京高裁はこの点を最も重視し、「無罪を言い渡すべき明らかな新証拠に当たる」と明快に認めた。しかも、この第三者が「犯人である疑いがある」とも述べた。
 なぜなら、被害者の頭や顔に殴打された痕があり、血痕が付いたコートもあった。第三者が性交後に被害者を殴打して、コート背面に血液を付着させたとみるのが自然だと、高裁は考えたわけだ。

 だが、この決定で再審が始まるわけではない。検察側が異議の申し立てをしたため、高裁の別の裁判部で、あらためて再審の可否が審理されるのだ。そこで再び再審決定が出たとしても、検察側は最高裁に特別抗告ができる。 

 元被告が逮捕されて十五年、有罪判決の確定からも八年半がたつ。さらに長期間の審理を要しては、深刻な人権侵害にもあたりうる。元被告は釈放されたが、速やかに無罪を確定させる手続きに入るべきなのだ。

 足利事件や布川事件、福井の女子中学生殺害事件、大阪の放火殺人事件…。再審無罪や再審開始決定が続いている。 

 捜査機関は犯人特定を急ぐあまり、 証拠の評価が粗雑になっていないか。無実を訴えているのに、犯人と決め付けては、真実は見えない。検察が被告に有利な証拠を隠せば、公正さを欠く。裁判官も曇りのない目で裁いてきただろうか。

 今回の事件でも、問題の精液や血痕付きコートの証拠などを検察側は長く出し渋っていた。もっと早い段階で証拠開示され、鑑定が行われていれば、有罪の確定判断も変わった可能性が高い。もともと一審無罪の事件でもある。もはや問われているのは、検察や裁判所の良心ではないのか。
 
 
 

2012年10月29日月曜日

水爆実験から58年 マーシャルの人々はいま・・・


マーシャル諸島共和国のロンゲラップ島は、日本から南東へ約4000km、グアムとハワイの中間の太平洋上に位置します。195431日に行われた水爆実験の爆心地からは150kmも南に離れていましたが、それでも風向きの関係で「死の灰」を浴び、胎児を含む全島民80人あまりが被曝しました。そしてようやく3日後にアメリカの駆逐艦によって島から脱出することができました。 

3年後になぜか米国がいち早く「安全宣言」を出したので、被曝時に島にいなかった人を含め島民250人が島に帰りました。島民たちは帰島後も「アメリカは治療もちゃんとしてくれず、島の汚染状態も正確に教えてはくれない」と、核の恐怖に怯えながら暮らしました。
そして甲状腺異常が発見され、脳障害や白血病、ガンなどで死ぬ人もでて、さらに心臓や脳に障害がある子供が多く生まれました。 

そんな中、「ロンゲラップ本島の残留放射能は、核実験場だったビキニ環礁と同レベルである」という1978年の調査結果が、1982年になってアメリカエネルギー省(DOE)から発表されました。とても住めるところではなかったのです。被曝から30年あまり経った1985年に、「これからの子供たちのために」と当時の島民約320人全員が南に200キロ離れた別の島に移りました。 

その後1998年から米国政府は汚染されたロンゲラップ島の表土の除去を開始し、インフラを整備し住宅を40戸建てました。しかし除染は住宅エリアのごく一部分だけで、その汚染土は滑走路の下などに埋めるという方法でした。
この環境整備が終わると「放射能濃度の検査でも安全が確認された」として米政府は再び27年ぶりの帰島を求めました。島民らは2年前から帰島への話し合いを重ねていますが、村長や世帯主の6割以上は賛成しているものの、米政府への不信感が根強くて帰島をためらう人も多数いるということです。 

 東京新聞が企画展「マーシャルは、いま-故郷への道」を報じています。
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水爆実験から58年 マーシャルの人々追う 江東で企画展
東京新聞 20121029 

 米国が中部太平洋マーシャル諸島のビキニ環礁で1954年に行った水爆実験で被ばく、離島したロンゲラップ島民の姿を伝える企画展「マーシャルは、いま-故郷への道」が都立第五福竜丸展示館(江東区夢の島)で開かれている。現在、米政府から帰島を求められ、岐路に立たされている島民の苦難の道のりを、40年にわたり現地を取材しているフォトジャーナリストの島田興生さん(72)の写真などで浮き上がらせる。 (小林由比) 

 ロンゲラップ島民は、胎児を含む86人が被ばく。一時移住したものの、米政府は3年後に「安全宣言」して帰島させた。帰島後、甲状腺異常や白血病、生まれてくる子どもの障害などが増加。米政府への不信感は高まり、85年に約320人の全島民が離島した。米政府は安全宣言を見直し、調査や除染、インフラ整備を始めた。 

 環境整備が終わり、放射能濃度の検査でも安全が確認されたとして米政府が27年ぶりの帰島を求め、島民らは2年前から帰島への話し合いを重ねてきた。5月の村の調査では6割以上の世帯主が賛成、村長も帰島を呼び掛ける。しかし、過去の歴史から米政府への不信感は根強く、帰島をためらう人もいる。3月と6月に訪問した島田さんは、「島民の間で賛否が分かれ、とげとげしい雰囲気があった」と話す。 

 企画展は、13歳で被ばくしたリミヨ・エボンさん(72)の証言を盛り込んだ年表で、マーシャルと核とのかかわりを伝える。ロンゲラップから移住した先のメジャト島で少しずつ生活基盤をつくり、暮らしを取り戻す人々の姿を写した写真も展示している。
 島田さんは「島民たちはかわいそうな被害者というだけでなく、マーシャル人なりの戦いで家族を守り抜いてきた。核開発のいけにえとも言える彼らの生きてきた歴史を伝えていかなくては」と話す。 

 113日午後2時から、島田さんのスライドトークがある。無料。
 
 

民・自の幹部が日米シンポジウムで足並みを揃える


 帝国ホテルで26日、日経新聞社と米戦略国際問題研究所(CSIS)の共催によるシンポジウムが開かれました。このシンポジウムは米政府高官として東アジアの安全保障や日米同盟にかかわった外交・安全保障の専門家を講師として招き、内外の情勢の中で「日本がとるべき針路」について議論するもので、2004年に始まり今年が第9回目です。

講師は、アメリカ側がリチャード・アーミテージ(元米国務副長官)、カート・キャンベル(米国務次官補)、マイケル・グリーン(同研究所上級副所長/アジア・日本部長)、ジョセフ・ナイ(ハーバード大学教授)他で、日本側は玄葉光一郎(外相)、前原誠司(国家戦略相)、石破茂(自民党幹事長)、林芳正(元防衛大臣) 他でした。
これらアメリカ側メンバーは、しばしば「ジャパン ハンドラーズ(日本の操縦者たち)」と呼ばれます。日本側メンバーは彼らから覚えの目出度い人たちで、毎回ほぼ固定されているようです。アメリカの主要メンバーは野田首相とも会談を行っています。
 CSISはこの815日にも、アーミテージとナイを主筆とする「対日政策提言」(第3アーミテージ・ナイ報告)を発表しました。これは3年ぶり3回目の提言で、アメリカ信奉者にとってはバイブルにも当たるものだそうです。現に読売新聞などは翌々日17日の社説でその内容を紹介しました。CSISのもつ「威力」の程が知らされます。 

 今回のシンポジウムもそれを基調としていて、集団的自衛権の行使、原子力政策の継続、日米同盟の強化、TPPへの積極参加等々が、「上意下達」に擬せられる形で確認されたようです。 

 27日、28日付のしんぶん赤旗の記事を紹介します。
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集団的自衛権行使で足並み 民・自幹部 日米共同シンポで
しんぶん赤旗20121027 

 玄葉光一郎外相、自民党の石破茂幹事長らが26日、海外での武力行使を可能とする集団的自衛権の行使へそろって前のめりの姿勢を示しました。都内で開かれた日本経済新聞と米戦略国際問題研究所(CSIS)の共同主催によるシンポジウムでの発言です。 

 玄葉外相は特別講演で、「私は集団的自衛権(の行使)について強い問題意識を持っている。まずはわが国自身がどのように主体的に防衛力を整備するかが大事」と発言。今年4月に野田佳彦首相が訪米しオバマ米大統領と共同声明を出したことに触れ、「日米同盟の中でわが国がさらなる役割と責任を果たす。弾道ミサイル、宇宙、サイバー、海洋など幅広い分野で安保協力を強化する」と強調し、共同訓練、共同の警戒監視・偵察活動、施設の共同使用を含む日米の「動的防衛協力」を急ぐとしました。 

 石破氏も特別講演し、「軍隊の規定のない日本国憲法は独立国の憲法とは言えない」と憲法を攻撃。そのうえで、「5年、10年で憲法改正を必ずやる自信はないが、それまでいまのままでいいとは思わない。自民党は、次の総選挙で国家安全保障基本法案を国民の前に提示し審判を仰ぐ。そのポイントは集団的自衛権の行使を可能にする条文を持っていることだ」と述べ、“立法改憲”で集団的自衛権の行使を可能にする意思を明らかにしました。 

 シンポには前原誠司国家戦略担当相、自民党の林芳正元防衛相も参加。米側からはキャンベル国務次官補、アーミテージ元国務副長官らが参加しパネル討論しました。
 

日米共同シンポ 異様な光景 玄葉外相、米から口頭試問?
しんぶん赤旗 20121028 

 「第3次アーミテージ・ナイ両氏の提言に感謝する。日本の真の友人の提言であり真摯に受け止める」
 こう述べる玄葉光一郎外相の前には、米国のカート・キャンベル国務次官補、リチャード・アーミテージ元国務副長官、ジョセフ・ナイ・ハーバード大学教授、ジョン・ハムレ米戦略国際問題研究所(CSIS)所長らが座り、壇上を見上げます。日本政府の重要閣僚が米政府の高官らから口頭試問を受けるような異様な光景です。
 26日に東京都内で開かれた日本経済新聞とCSISの共催によるシンポジウムでのことです。 

 8月に発表された第3次アーミテージ・ナイ報告は、野田佳彦首相の原発再稼働を称賛するとともに、原発政策の継続・推進を要求。TPP(環太平洋連携協定)への参加促進やシーレーン防衛への関与の継続、集団的自衛権の禁止の見直しなどを求めています。

 この日のパネル討論で、ナイ氏は「原発ゼロは受け入れがたい」とし、アーミテージ氏は「(集団的自衛権に関する)憲法の再解釈は非常に重要だ」などと発言。キャンベル氏は「TPPは通商関係を抜本的に変える」として日本の参加に期待を表明しました。
 これに対し玄葉氏は「集団的自衛権行使に強い問題意識を持っている」「日米の安保協力の強化を進める」などと次々と「誓約」を表明しました。自民党の石破茂幹事長も登壇し、国家安全保障基本法案で集団的自衛権の行使を可能にするとし、日本版海兵隊の整備を主張。日米同盟の変革と強化にあらゆる努力をすると述べました。 

 二大政党と国民との矛盾の根本に、日米同盟が横たわる姿をまざまざとみせつけました。(寅)
 
 

2012年10月28日日曜日

「コメント」 : 受付情報


10月以降現在までに、下記の記事にコメントをいただいています。
青字の部分が今回新規にいただいたものです。
コメントは、記事の最下段の「2件のコメント」などと書かれているところをクリックすると、ご覧になれます。 

件数には事務局からの返信の分は含めてありません。 

(記事の日付の降順に掲載)

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