植草一秀の掲題の2つ記事を紹介します。
(1番目の記事)
高市首相は、議員定数削減法案と副首都創設法案そして皇室典範改正案の3つの法案を17日までの国会会期の中で強引に通そうとしています。そうした高市執行部の強引さに抗議して全野党が欠席する中で開かれた衆院政治改革特別委員会では、議員定数と副首都構想の審議が「空回し」で強行されました。これには野党が態度を更に硬化させ、国会は機能不全に陥っています。
そもそも高市政権が不信感を持たれているのは、高市氏が自身に纏わる疑惑については一切釈明をしないままで、自分が望む法案の成立だけは何がなんでも強行するという、到底 他者には理解できない「思考」を持っているためです。
植草氏は「『数の力』で強行することは将来に禍根を残す、3つの審議を中止して廃案にするべきだ」と主張します。
特に皇室典範改正案については、日本国憲法は天皇制について「国民の総意」に基づくことを規定しているとして、「『国民の総意』の上にしか天皇制は成り立ち得ない。その『国民の総意』は『女性天皇・女系天皇の容認』にある」と明言し、「『国民の総意』に基づくかたちで皇室典範を改正するべきである。『国論を二分する状況』で皇室典範改定を強行するべきでない」と主張します。極めて明快です。
それに比較して内閣がまとめた改正案は「愛子天皇の実現を拒否することだけは明白であるものの、「養子に関わる内容」は正に荒唐無稽とでもいうべきもので、とても識者の評価に堪えるものではありません。
(2番目の記事)
「横暴な高市首相に退場勧告」については最早説明を要しません。
高市氏は、自分が出したSNSに対して岩盤支持層が「熱烈な支持」を表明するのが自尊心を維持するための何よりの〝よすが″だったようですが、皇室典範改正案が明らかになってからは「否定的な反応」が爆増したそうです。正直なものです。
せめて滅茶苦茶な改正案が通る前に退場すべきです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
皇室典範改定案を廃案に
植草一秀の「知られざる真実」 2026年7月 3日
週が明ければ7月6日。特別国会の会期末は7月17日。2週間しか残されていない。
国会議長は皇室典範改正案の審議を求めるが「静謐な環境での審議」の条件は整わない。
高市首相は 議員定数削減 副首都創設 の法案審議強行を目論む。
野党は皇室典範改定案を審議するには議員定数と副首都の審議を中止することが必要と主張している。国会議長は皇室典範改定案の審議を優先する姿勢を示すが、高市首相は議員定数と副首都創設を並行して審議することを指揮している。
すでに委員会では野党が欠席するなかで議員定数と副首都構想の審議が「空回し」で強行された。これに野党が態度を硬化。国会が機能不全に陥っている。
三つの審議を中止して廃案にするべきだ。「数の力」で強行することは将来に禍根を残す。
第二次大戦後、天皇制の廃止を含めて検討された。紆余曲折の末、象徴天皇制が「創設」された。これまでの天皇制とは隔絶した新制度の創設だ。
日本国憲法第一条が明記するように、戦後の天皇制は「国民の総意」によって支えられるもの。「国民の総意」がなければ天皇制そのものが成り立ち得ない。この根本を理解することが議論の出発点だ。
自民党の中曽根弘文憲法改正実現本部長が6月28日の富山県高岡市での講演で、天皇の長女愛子氏による皇位継承は「あり得ない」と述べた。また、独身で「愛子さまが天皇になったら、結婚する人もいない」と述べた。
中曽根氏は現在の皇室典範の規定を金科玉条として発言している。しかし、その皇室典範に問題がある。皇室典範第一条
第一条 皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する。
中曽根氏はこの規定に基づいて発言したが、皇室典範は絶対の存在でない。
日本国憲法施行の際に皇室典範を改定するべきだった。
「男系男子」の規定は明治の時代に「創作」されたもの。これが明治の「男尊女卑」の原点でもある。
皇室の系譜において「万世一系の男系男子」という「事実」が存在しない。これが歴史学の見地である。明治が突然「創設」したのが「万世一系の男系男子」である。
日本国憲法は天皇制について「国民の総意」に基づくことを規定している。
第一条 天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。
「国民の総意」の上にしか天皇制は成り立ち得ない。その「国民の総意」は「女性天皇・女系天皇の容認」にある。
したがって、「国民の総意」に基づくかたちで皇室典範を改正するべきである。
「国論を二分する状況」で皇室典範改定を強行するべきでない。
他方、議員定数削減、副首都創設についての合意は形成されていない。
その前に、高市首相が「疑惑三兄弟」についての説明責任を果たす必要がある。
審議日程が足りなければ国会会期を延長すべきだ。
高市首相はまずは国会において必要十分な説明を行う必要がある。
これが国会審議が正常化するための必須の条件である。
(お願い)
情報拡散を推進するために「人気ブログランキング」クリックをぜひお願いします。![]()
続きは本日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」第4461号
「終盤国会での高市暴走を阻止」 でご高読下さい。
月初のこの機会にメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」ご購読をぜひぜひお願いします。https://foomii.com/00050
『ザイム真理教』(森永卓郎著)の神髄を深堀り、最重要政策争点財務省・消費税問題を徹底解説する新著を上梓しました。
『財務省と日銀 日本を衰退させたカルトの正体』(ビジネス社)https://x.gd/LM7XK
ご高読、ならびにアマゾンレビュー、ぜひぜひ、お願いします。
メールマガジンの購読お申し込みは、こちらからお願いします。(購読決済にはクレジットカードもしくは銀行振込をご利用いただけます。)なお、購読お申し込みや課金に関するお問い合わせは、support@foomii.co.jpまでお願い申し上げます。
横暴な高市首相に退場勧告
植草一秀の「知られざる真実」 2026年7月 1日
日本のワールドカップが終幕し7月を迎えた。
特別国会の会期は7月17日が会期末。しかし、重要法案があり、決着をつけることを考えるなら国会会期を延長するべきだ。
ところが、高市首相が会期延長に難色を示す。会期が延長されれば高市首相が国会で追及を受ける場面が増える。これを避けようとしている。だらしのない首相だ。堂々と国会に出てあらゆる疑問に答えるべきだ。
会期末に向けて重大な法案審議が残されている。国旗損壊罪創設法案 議員定数削減法案 皇室典範改定案 副首都創設法案 などが積み残しになっている。
とりわけ、議員定数は選挙制度の根幹の議案。慎重な審議が強く求められる。
他方、皇室典範は天皇制の存続に関わる問題。そもそもの問題の原点は日本国憲法の下で定められた現在の皇室典範にある。
明治の大日本帝国憲法、皇室典範の残骸として「男系男子」の規定が残された。
しかし、明治の「男系男子」規定は明治が生み出したフィクションである。同時に、これが明治が生み出した「男尊女卑」の悪弊の原点になっている。
「副首都」構想は維新が強引に主張しているもの。大阪では二度も大阪都構想について住民投票が行われ、住民によって否定されている。それを蒸し返して国会に法定化を強要する。「維新利権事案」でしかないというのが一般的な見方だ。
これらのことがらについて国会で審議を行うなら、正当な審議を行える環境を整えることが必要不可欠だ。ところが、自民は著しく身勝手な振る舞いを演じている。
国会審議で最大の問題として浮上しているのが高市首相の身辺問題。誹謗中傷動画、サナエトークン、国会での虚偽答弁問題が問題化している。高市氏の公設第一秘書が深く関与する事案。
高市氏は国会でデタラメ答弁を繰り返してきた。木下剛志公設第一秘書はサナエトークン創設者である松井健氏と「接点がない」と高市首相が断言してきたが、ウソだった。
木下氏と松井氏は頻繁に連絡を取り合う関係だったという。
現実に、高市事務所は週刊現代に対して、昨年12月17日のオンライン会議に木下氏が出席したことを認める「回答書」を送信していた。
それにもかかわらず高市首相は、松井氏について、自分も秘書も「接点がなく」、「全然知らない人」だと述べてきた。ウソをつく高市氏に質問してもらちが明かないから、野党は国会に木下剛志秘書とサナエトークン創設者と見られる松井健氏を国会に参考人として招致することを求めている。二人を参考人として招致すべきだ。
また、野党は党首討論と高市首相が出席する予算委員会集中審議を求めている。
これらに対して誠実な対応を示さぬ一方で、野党が欠席するなかで与党が与党だけでの国会「空回し」を強行している。国会議員数という「数の力」で横暴な国会運営を行っている。
選挙で自民に多数議席を付与したことが間違いの元だった。
自民は衆議院議席の68%の議席を占有した。この議席数による横暴な国会運営を強行している。しかし、自民の比例代表得票率は37%に過ぎない。全有権者を分母にすれば、全有権者の5人に1人しか自民に投票していない。選挙制度に重大な問題がある。
その選挙制度をさらに悪いものにする法改定が強行されようとしている。
このような横暴を日本の主権者国民は断じて許すべきでない。
続きは本日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」第4459号
「国民の総意に反する皇室典範改定は違憲」 でご高読下さい。
(後 略)
「湯の町湯沢平和の輪」は、2004年6月10日に井上 ひさし氏、梅原 猛氏、大江 健三郎氏ら9人からの「『九条の会』アピール」を受けて組織された、新潟県南魚沼郡湯沢町版の「九条の会」です。