植草一秀氏が1日と2日に掲題の2つの記事を出しました。
参院選は3日に始まりますが 最重要の経済政策は消費税減税(→5%)であると述べます。
その根拠は明白で、直近4年間における自然増収の累計は30兆円をはるかに超える額に達するので、その「増税分」は負担した国民に返還されるべきというもので、自然増収が〈財源〉になることは既に森山裕・自民党幹事長が正式に認めていることであるというものです。
それなのに殆どの政党は消費税を守り抜く一方で、一時的なバラマキ策を主張しているのは、「財務省が背後で指令を出しているからで、財務省の至上命題は『消費税減税阻止』でこれを守るためなら何でもする、それどころか消費税増税を目論んでいる」と述べます。
更に「現在の日本財政は無駄のかたまり。利権のかたまり。これを是正することが必要不可欠だ。財政資金配分を見直せば、日本は世界有数の福祉国家に変身できる。これを妨げているのが財務省と自民党の利権財政政策なのである」と批判します。
そして参院選では
「1回ぽっきりの減税では負担増=増税の解消にまったくならない。
消費税率を時限措置でなく5%に下げる。これをまずは確実に実施する。
財務省は大キャンペーンを展開するが、これに打ち勝たねばならない。
時限措置でない消費税減税を信用できる公約として提示する政党に投票することが最重要」
と指摘します。
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最重要経済政策は消費税減税
植草一秀の「知られざる真実」 2025年7月 1日
参院選の重要争点が三つある
1.消費税減税
2.企業献金禁止
3.憲法改悪阻止
この三つの争点を基準に投票先を選択することが必要。
自公の政権与党が衆議院で過半数割れに追い込まれている。
参院でも自公が過半数割れに転落すれば政権交代の可能性が高まる。
この意味で自公を過半数割れに追い込むことも大きな焦点にはなるが、その場合に政治刷新の道が切り拓かれるとは言い切れない点に留意が必要だ。
つまり、政権交代が生じても、自民党が政権に居残り、連立政権の枠組みが変化するだけなら、日本政治の刷新は見込めない。
この意味で野党がどのような政権構想を有しているのかが重要になる。
懸念されるのは、いわゆる〈ゆ党〉と称される〈隠れ自公〉勢力が自民党政治の枠組みに参画したいとの強い願望を有していること。
これでは、単に自民党利権政治が引き継がれ、拡大されるだけになる。
政権の枠組みが変わるだけで金権腐敗の政治が変わらぬなら大きな期待を寄せることはできない。
したがって、投票に際して重要になるのは、上記の三つの争点について、各政党がどのような公約を明示するのかである。同時に、政党のなかには公約を守らない政党が存在するから、信用できる公約であるかを吟味することも重要になる。
消費税について自民党幹部から相次いで発言が示されている。
森山幹事長「消費税守り抜く」 参院選へ野党に対抗 https://x.gd/NqKcB
「自民党の森山裕幹事長は29日、奈良県五條市で講演し、多くの野党が物価高対策として参院選公約に盛り込んだ消費税減税に対抗する姿勢を強調した。
「何としても消費税を守り抜く。代替財源を示さずに、消費税を下げる議論だけをするのはポピュリズムの政治だ」と述べた。」
また、【速報】石破首相 消費減税は金持ちほど恩恵と批判
給付金の意義訴え 「政治家は選挙のためにウケる話をすればいいのではない」フジテレビ
https://www.fnn.jp/articles/-/893968
背後で指令を出しているのは財務省。
財務省の至上命題は「消費税減税阻止」。これを守るためなら何でもする。
財務省は消費税減税どころか消費税増税を目論んでいる。
自民と立民が連携すれば消費税増税に突き進む可能性がある。背徳の消費税増税である。
石破首相と自民党の森山幹事長は消費税が社会保障財源だと主張するが、いつどこで誰が消費税は社会保障財源だと決めたのか。
2012年に野田佳彦氏が主権者を裏切り、消費税大増税を法定化した。
このとき「税社会保障一体改革特別委員会」で消費税大増税法が制定された。
私は2012年8月6日、同委員会の中央公聴会で反対意見を述べた。
消費税は富裕層の所得税減税と大企業の法人税減税のために実施されてきた。
国民は真実を知らされていない。参院選を前に消費税の真相、消費税の正体を知る必要がある。
『財務省と日銀 日本を衰退させたカルトの正体』http://x.gd/nvmU9
に消費税の正体、財務省の正体、あるべき税制の姿を詳述した。
いま、直ちに消費税率を5%に引き下げることができる。私は放漫財政主義者ではない。
このことも明記している。
現在の日本財政は無駄のかたまり。利権のかたまり。これを是正することが必要不可欠だ。
財政資金配分を見直せば、日本は世界有数の福祉国家に変身できる。
これを妨げているのが財務省と自民党の利権財政政策なのである。
『ザイム真理教』(森永卓郎著)の神髄を深堀り、参院選最大争点財務省・消費税問題を徹底解説する新著が公刊されました。ぜひご高読お願いします。
『財務省と日銀 日本を衰退させたカルトの正体』(ビジネス社) https://x.gd/LM7XK
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しょぼい減税を-ぶっ壊す!
植草一秀の「知られざる真実」 2025年7月 2日
参院選が公示される。
7月3日公示、20日投開票の長丁場になる。炎天下の選挙戦で体力も必要。
最大争点は消費税減税。消費税減税には二つある。本格減税とまやかし減税。
この問題に全面的な関与を示す機関が存在する。財務省。
財務省の至上命題は本格減税阻止。
財務省は消費税率引き下げだけは絶対に阻止する構え。各種情報統制を強めている。
2024年度一般会計税収が75.2兆円に上振れする。
24年度は2.3兆円定額減税が実施されており、これを含めると税収規模は77.5兆円。
20年度の税収は60.8兆円だった。20年度からの自然増収は17.3兆円に達する。
自然増収の4年累計は30兆円をはるかに超える。この自然増収は政府お墨付きの〈財源〉になる。自民党の森山裕幹事長が正式に認めた。
自民党が提示している現金給付の〈財源〉に自然増収を充てると明言した。
税収が激増している。自然増収とは制度が変わっていないのに税収が増えること。
払う側からすれば税負担の増加だから〈増税〉と表現してよいものだ。
わずか4年間で1年間あたりの国税収入が17.3兆円も増えた。
これを打ち消す〈減税〉が求められる。ぴったりの減税措置が〈消費税率5%への減税〉
税率を5%に引き下げると国地方合わせて15兆円減税になる。国税だけで17兆円も1年あたりの税収が増えているから、これでも足りないくらい。
ところが、財務省は絶対阻止が至上命題。自公が提示しているのは現金給付。
選挙に際しての現金給付は選挙買収そのもの。現ナマが手にできるから一部で人気はある。
財務省は大歓迎。
消費税減税と現金給付。何が違うか。最大の相違は現金給付が1回限りであるのに対し、消費税減税は恒久措置であること。財政負担にけた違いの差が生じる。
消費税減税を提案している政党のなかに〈時限的減税〉を掲げる党がある。1回限りの現金給付と同じ。時限的減税は減税を実施する期間だけ財政負担が生じるが、期間が過ぎれば財政負担は消える。2024年度の定額減税も1年限りの時限措置。財務省は大歓迎。
しかし、自然増収で税収が17兆円増えたら、これは根雪として残る。17兆円の税負担増加が続くのだ。
したがって、自然増収が発生し、自然増収を財源として減税を行う場合には恒久減税でなければ税負担増=増税を解消することにならない。
20年度と24年度の税収を比較して17兆円税負担が増えたと表記したが、4年間の累計で税収が17兆円増えたということではない。23年度の税収は20年度より11.3兆円多い。
22年度も21年度も20年度より税収が多い。
総合計では40兆円近い税収増=増税が行われてきたということ。
このときに、1回ぽっきりの減税では負担増=増税の解消にまったくならない。
消費税率を時限措置でなく5%に下げる。これをまずは確実に実施する。
財務省は大キャンペーンを展開するが、これに打ち勝たねばならない。
時限措置でない消費税減税を信用できる公約として提示する政党に投票することが最重要。
『ザイム真理教』(森永卓郎著)の神髄を深堀り、参院選最大争点財務省・消費税問題を徹底解説する新著が公刊されました。
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