2016年10月11日火曜日

稲田氏が南スーダンに強行軍で短時間視察の形づくり +

 稲田防衛相が急遽7日夕刻に離日して南スーダンの首都ジュバ市に行き、現地を視察した後、9日に帰国しました。
 現地では、稲田氏同行者は自衛隊の防弾仕様の四輪駆動車に分乗し、さらに、自動小銃を構えた南スーダン政府軍兵士約10人が乗るトラック2台が車列の前後についてジュバ市内を移動しました
 彼女が移動した範囲はジュバ市の中だけでした。
 
 現地滞在時間は全部で約7時間で、その間に同国政府や国連の関係者と会談を行ない、自衛隊員への訓示なども行ったので、今回の訪問で一体何時間を首都ジュバや自衛隊の宿営地、その周辺の視察、情勢の把握などに当てることができたのかと、「日本がアブナイ」氏が疑問視しています。
 それでも、11月に交代で南スーダンに派遣される部隊に、「駆け付け警護」などの新たな任務を付与するに当たっては、たとえ短時間の形ばかりの訪問でも防衛相が「現地を把握した」ことにする必要があったのでしょう。
 
 しかし前述の移動の際の物々しさから見ても、とても現地が安全なところであるとは思えません。現にジュバでは7月、キール大統領派とマシャール前第1副大統領派による武力衝突が起きて、数百人の死者が出ました
 そんなところに派遣されて「駆けつけ警護」や「宿営地の共同防衛」の戦闘を伴う任務を命じられれば、当然に死傷事故が起きます。しかし負傷した場合に現地で手術できる医師団は付随していないということです。遠隔地に移送されてから手術を受けるということになれば、死亡率もその分高まります。
 
 国会で民進党の辻元氏から「政治は結果責任、自衛隊員に万一のことがあったら、総理は辞任する覚悟はお持ちですか?」と質問された安倍首相は、例によってはぐらかしの回答に終始しました。
 辻本氏から、「自分の進退をかけて自衛隊員を送る覚悟なのかと申し上げた。長々と事情説明して下さいと言っておりません。自衛隊の皆さんに敬意を払おうと拍手をするよりも、総理の仕事は、医療体制を整えたり、自衛隊員に向かって堂々と、自分の身を賭すと言うことだと思います(要旨)」、安倍氏は諭されました。
 
 ブログ:「日本がアブナイ」を紹介します。
 長文のため、抜粋文としました。詳細は、URLで原文にアクセスしてください。
 
+追記)
 11日付の「日本がアブナイ」によると、稲葉氏がジュバ市に滞在していた8日にも、同市に近いところで市民21人が死亡し、約20人が負傷する待ち伏せ攻撃がありました。詳細は下記の通りです。
 
 『ロイター通信によると、南スーダンの首都ジュバに近い中央エクアトリア州の幹線道路で8日、民間人を乗せたトラックが待ち伏せ攻撃を受け、市民21人が死亡、約20人が負傷した。
  政府が10日明らかにした。
  地元当局者は、解任後に隣国スーダンに逃亡したマシャール前副大統領を支持する部隊が襲撃を仕掛けたと主張。これに対し、前副大統領派は、政府軍関連施設のみが攻撃目標で、「市民への危害・殺害は意図していない」と否定している。
  日本政府は、南スーダンに11月に派遣予定の陸上自衛隊の部隊に対し、安全保障関連法に基づく「駆け付け警護」などの新任務付与を検討している。ジュバを視察した稲田朋美防衛相は8日、現地の治安が「落ち着いている」との認識を示していた。
(時事通信16年10月10日)』

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稲田、南スに強行軍で短時間視察の形づくり・・・
&国会で致命的な言い間違い    http://mewrun7.exblog.jp/
日本がアブナイ 2016年10月9日
 
     (前  略)
 その稲田防衛大臣が7日の朝、急に南スーダンに行くと発表。7日の夜、PKO活動の視察のため同国に向けて出発した。9日には帰国するという。(・・) 
<NHK7日のニュースによれば、『7日の午後6時半すぎ、首都ジュバに向けて成田空港を出発』したらしい。>
 何でこんな急に強行軍で、稲田氏を南スーダンに行かせるかと言えば、安倍内閣が、今年11月から南スーダンのPKO部隊に、「駆けつけ警護」や「宿営地の共同防衛」(武器を使って、他国の軍隊や要人を守る任務)を付与したいと考えているからだ。(-"-)
<今までは許されていなかったのだけど。昨秋作られた安保法制で、他国部隊防衛のための武器使用も可能になったのよね。(ノ_-。)>
 (中  略)
 で、やっぱ稲田大臣が1回も視察をしないまま、PKO継続や新任務付与を決定するのは、いかがなものかということで。とりあえず形づくりのために、急に現地まで行くことにしたのではないかと思われる。(-_-)
☆  ★  ☆  ★  ☆  ★  ☆
 でも、もし南スーダンまで直行便で行ったとしても、十数時間はかかるはず。(でも、直行便はないし。途中まで自衛隊機が迎えに来たとしても、もう少しかかりそう。)
 7日夜に民間機で出発して、9日には帰国するとなると、往復時間を差し引いて、果たして一体、何時間、南スーダンに滞在できるのだろう? (゚Д゚) 
 <ちなみに、ネットでは、現地に滞在するのはわずか6時間だという情報が出ている。 (-"-)>
 しかも、現地では同国政府や国連の関係者と会談を行なうとのこと。とすれば、一体、何時間を、首都ジュバや自衛隊の宿営地、その周辺の視察、情勢の把握などに当てることができるのだろうか?(~_~;)
 
 稲田大臣は、それでも堂々と国会などで「私は、現地を視察して来ました」「現地の情勢は安定していると判断しました」「現地では日本のさらなる積極的な活動が求められます」とか言って、PKO活動の継続や「駆けつけ警護」「宿営地の共同防護」など武器の使用を伴う任務の追加を判断&決定するのだろうか?(@@)
* * * * *
 『稲田朋美防衛相は7日午前の記者会見で、同日から3日間の日程で南スーダンを訪問すると発表した。
 (中  略)
 現地では南スーダン政府幹部やPKOの南スーダン派遣団(UNMISS)関係者とも会談する。稲田氏は9月17日に訪問を予定していたが、抗マラリア薬服用の副作用によるとみられるアレルギー症状が出たため断念していた。(産経新聞16年10月7日)』
 (中  略)
 ただ、ジュバでは7月、キール大統領派とマシャール前第1副大統領派による武力衝突で数百人以上の死者が出た。マシャール氏は隣国スーダンに退避し、南スーダンでは散発的に銃撃事案が起きているとされる。
 同国の治安情勢の悪化を巡って野党は今国会で政府への追及を強めている。これに対し、稲田氏は7日の記者会見で「7月の事案以降、ジュバは比較的落ち着いている」と述べ、紛争当事者の停戦合意や受け入れ国の同意などPKO参加5原則は崩れていないと重ねて強調した。
(毎日新聞16年10月7日)』
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 何と稲田大臣からは、早くも記者団に「ジュバ市内が落ち着いていると目で見ることができた」とかほざ・・・もとい、言っているらしい。(>_<)
 
『<稲田防衛相>「首都、落ち着いている」南スーダン視察
 【ジュバ村尾哲】稲田朋美防衛相は8日(日本時間同)、南スーダンの首都ジュバを訪問し、国連平和維持活動(PKO)に参加している陸上自衛隊施設部隊の活動状況を視察した。稲田氏は視察後、記者団に「ジュバ市内が落ち着いていると目で見ることができた」と述べ、安全保障関連法に基づく新たな任務付与に関しては「情勢報告も受けており、政府全体で議論したい」との考えを示した。
 (中  略)
 政府は11月中旬以降に派遣する部隊に対し、離れた場所の関係者を救援する「駆け付け警護」と、他国軍と連携して拠点を守る「宿営地の共同防護」について任務付与する方針だ。
 (中  略)
 駆け付け警護は受け入れ同意が安定的に維持されることを前提としており、現地視察の結果を踏まえ、政府は新任務付与について判断する。
 
 稲田氏はトンピン地区で自衛隊員に訓示し、「非常に過酷な環境の中で行っている活動の全てが南スーダンの平和と安定につながる。強い信念と誇りを胸に活動を続けてほしい」と激励。また、「国際平和のための自衛隊の取り組みを説明し、理解と支持を得られるよう尽力したい」と述べ、新任務を念頭に国民の理解を求める考えを示した。
 視察に先立ち、稲田氏は南スーダンのヤウヤウ副国防相、UNMISSトップのロイ事務総長特別代表と個別に会談。施設部隊の安全確保を要請し、現地情勢などについて意見を交わした。
(毎日新聞16年10月9日)』
 
『稲田朋美防衛相は8日、陸上自衛隊の部隊が国連平和維持活動(PKO)に参加する南スーダンの首都ジュバに入り、部隊の宿営地や活動現場を視察した。
 (中  略)
 政府は現在、国連南スーダン派遣団(UNMISS)に、陸自の施設部隊約350人を派遣。部隊は道路整備などの活動に従事している。防衛省によると、稲田氏は部隊が活動する地区などを視察。治安情勢などを把握するため、南スーダンの政府やUNMISSの関係者とも意見交換した。 (時事通信16年10月9日)』
 
 これらの記事を読んで、もしできるなら(勇気ある?)記者は、果たして稲田大臣がどこをどれぐらいの時間(できれば、どのような形でも)視察したのか、是非、報じて欲しい・・・とマジで望んでいるmewなのだった。(@@)
THANKS