安倍政権はデフレを脱却することで消費税アップを実現しようとして、デフレ脱却の目安である「物価の2%上昇」に向けて、円紙幣の大量発行・流通 ⇒ 円安 ⇒ 株高 ⇒ 物価上昇を狙った「アベノミクス」に邁進しました。
それは「禁じ手」とされる「為替操作(円安操作)」を含む ”なりふり構わない” ものでしたが、肝心の国民の所得は年々低下する一方でした。
「アベノミクス」をもう4年近く続けているというのに、生み出されたのは巨額な財政赤字と大企業と富裕層の大儲けだけでした。国民の購買能力が年々減少する一方で物価上昇を目指すとは「木に拠って魚を求める」の類です。
いま市場で起きていることは、国民の明確な低価格志向=“デフレに逆戻り” です。
アベノミクスは「道半ば」なのではなくて、そもそも向かう方法を誤ったものでした。
日刊ゲンダイが「9月度売上高」速報値からその実態を明らかにしました。
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低価格飲食チェーンが9月大盛況 デフレに逆戻りクッキリ
日刊ゲンダイ 2016年10月8日
低価格チェーンの売上高がグーンと伸びている。
「 “デフレに逆戻り” を実感する動きです。小売り各社の9月売上高速報を見ると、それがよく分かります」(市場関係者)
9月中旬に上場した「串カツ田中」は1本100円~がウリ。サラリーマンの支持を集め、9月の売上高は前年同月比102・4%と好調だった。
280円均一で攻める「鳥貴族」は101・8%。牛丼チェーンの「松屋」は105・4%で、「すき家」は103・4%だった。
グラスワインが100円から楽しめるカジュアルイタリアンの「サイゼリヤ」は103・2%、釜揚げうどんで知られる「丸亀製麺」は105・4%と絶好調だ。100円ショップの「セリア」も102・6%を記録している。
■百貨店はメタメタ
「低価格チェーンのすべてが好調というわけではありません。安売り店も競争が激しくなっています。とはいえ、全体を見渡せば、安売り店が盛況で、高額品を扱う百貨店が売れない。まさにデフレです。みずほ総研は『節約志向指数』というユニークな数値を算出しています。指数は上昇中で、みずほ総研は少なくとも年内は物価低下が続くとみているようです。ここから先、高いモノはさらに売れなくなるでしょう」(経済評論家の杉村富生氏)
確かに、百貨店の9月売上高はメタメタだった。J・フロントリテイリング(大丸、松坂屋)が前年同月比92・0%で、三越伊勢丹は95・1%に沈んだ。
総務省の8月消費者物価指数(生鮮食品を除く)は0・5%減と、6カ月連続のマイナスだった。全国の先行指標といわれる東京都区部の9月物価指数も0・5%減だ。
そこに安売りチェーンの好調ぶりが加われば、間違いなく「デフレに逆戻り」だ。