日刊ゲンダイの掲題の記事を紹介します。
自己顕示欲の強い高市首相は自分こそがトランプと最も親密な関係にあると思い込んでいるようですが、それは救いようのない錯覚です。
何よりも高市氏が専用機で米国に到着したとき、米国側の歓迎人員はゼロだったのに対して、習近平氏が到着したときにはトランプ夫妻は1時間も前から空港で待ち構えていて、赤絨毯が敷かれた周囲一帯を歓迎の儀仗隊で囲むなど、最高度の歓待を示しました。
米国での対トランプ会談の時間は僅かに35分で通訳の分を除けば正味20分弱に過ぎないおざなりのものでした。
そして多分高市氏から要請されたのでしょう、事後にトランプから官邸に入った電話も15分ほどのもので、正味は8分弱でした。
高市氏はいい加減に現実に目覚めるべきです。
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トランプの見事なまでの「高市スルー」…空疎に響く「世界に誇示する日米同盟」
日刊ゲンダイ 2026/09/28
(記事集約サイト「阿修羅」より転載)
大メディアははっきり書かないが、これほどコケにされた外交は前代未聞だ。電話会談で取り繕い、日米同盟を強調してもトランプの眼中に高市がいないのは歴然だ。振り向かせるために今度は何を差し出すのか。
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土日は「終日、公邸で過ごす」のが恒例の高市首相が、26日の土曜日は珍しく官邸に“出勤”してきた。米国のトランプ大統領との電話会談のためだ。
午後9時からの電話会談に備え、1時間前に官邸入りしてスタンバイ。会談後の記者会見に向けて、バッチリ化粧もキメていた。
高市は記者団に対し、トランプから米中首脳会談について詳細に説明があったと言い、「1週間の間に2度の首脳間の会談を実施したということは、まさに日米同盟の絆の強さを示すものであります」と誇示したが、内心はかなり焦っているはずだ。
電話会談は20分間で、通訳を入れているから首脳同士の会話は正味10分程度。それぞれ約5分しか話していないわけで、突っ込んだ議論なんてできやしない。日米関係は良好だと国民にアピールするためのアリバイづくりみたいなものだ。
「24日に行われた米中首脳会談で、両国は『第2次世界大戦で同盟国として勝利のために戦った』と言及して、友好関係を演出した。高市首相はトランプ大統領が中国に対して厳しい姿勢を取ることを期待して、くさびを打つために米中首脳会談の直前に会ったのに、まさか日本を“共通の敵”とみなして米中が手を結ぶとは考えてもいなかったはずです。26日の電話会談で米国側の真意を探る必要があった。その後のぶら下がり会見で『日米同盟の強さ』を誇示して取り繕ったのは、そうでもしないと体面を保てないからでしょう。実際は日米首脳会談に何の成果もなく、まったく相手にされていないことが露呈しただけでした」(高千穂大教授の五野井郁夫氏=国際政治学)
外交というより色恋の駆け引き
それは、22日に国連本部で行われた日米首脳会談におけるトランプの態度からも明らかだった。わずか35分間の会談だったが、トランプは無表情なまま。高市に対する無関心を隠そうともしない。
高市が目を見開いてジトッと媚びた視線を送ると、トランプは直視できないとでもいうふうに目を背けてしまった。何度「ドナルド」と親しげに話しかけても、一度も「サナエ」と呼ばれず、「日本の首相」と素っ気ない呼称に終始。直後に行われた米中首脳会談の歓待ぶりとは雲泥の差だった。
国賓訪問した中国の習近平国家主席が米国に到着すると、トランプはメラニア夫人とともに出迎えた。米大統領が外国の要人を空港で出迎えるのは64年ぶりだという。異例の厚遇ぶりだ。
高市がどれだけ熱視線を送ろうと、いまトランプの目は中国に向いている。眼中に高市がいないことは歴然なのである。
高市は相手をファーストネームで呼び、上目づかいで媚びることが外交だと思っているのかもしれない。それは、外交というより色恋の駆け引きに近いものに見える。
意中の相手が、自分の後に会ったライバルと急接近して親しげな様子を公開していることに動揺し、電話で探りを入れる。恋愛シーンではありがちな現象だ。
巷の恋愛指南サイトでは、メールやLINEが未読・既読スルーされると不安になって、短い間隔で「どうしたの?」「返事ちょうだい」と何通も重ねて送る“追いLINE”はタブーとされている。足元を見られ、相手の気持ちが余計に離れる可能性が高いからだ。
土曜日の日米電話会談は、“追い会談”のようなものではないのか。
米中は年内にあと2回の首脳会談を想定しているが、そのたびに高市は「自分とも会って」「せめて電話だけでもして」と懇願するのだろうか。
会談の成果文書にも「米中は同盟国」と明記
言うまでもないことだが、外交と恋愛は違う。どの国の首脳も、自国の利益のためにシタタカに立ち回る。対立している米中だって、国益にかなうと思えば手を握るのだ。好き嫌いで媚を売ったり、喧嘩を売って悦に入っているようでは、外交とは呼べないのである。
元外務省国際情報局長の孫崎享氏はこう言う。
「米国一辺倒の高市首相は、中国と敵対すれば米国が喜ぶと考えて、自ら進んで先兵のような役割を果たしていた。ところが一転、米中が手を結び、完全にハシゴを外された格好です。22日の国連総会における一般演説で、高市首相が日本に対する『旧敵国条項』を削除することを強く求めたこともマイナスに働いた。その直後に米中が『第2次世界大戦で同盟国だった』と確認し合ったことが余計に際立って見えます。しかも、この同盟国発言は、トランプ大統領が習主席よりも先に切り出したこと。今後の世界秩序は、米中接近を軸に動いていくことになる。高市外交の大敗北であり、日本にとって、かなり深刻な事態です」
ホワイトハウスが25日に公表した米中首脳会談のファクトシート(成果文書)にも、「両首脳はアメリカと中国が第2次世界大戦で同盟国であり、ともに戦って勝利を収めたことをあらためて確認した」としっかり表記されている。台湾に関する記述はなかった。トランプが中国に配慮したのだ。
高市は米国がバックにいると妄信し、台湾有事における「存立危機事態」発言などで中国を挑発し続けてきた。米国の後ろ盾があると思うから強気な姿勢でいられたのだが、たとえ一時的だとしても米中接近は事実であり、虎の威を借る日本のプレゼンスは国際社会でますます低下していくのだろう。
これほどコケにされ、国益を損なう首相がかつて存在しただろうか。
安倍元首相の懐刀も苦言を呈す
日米首脳会談の直前、デジタル媒体「新潮QUE」で、安倍元首相の懐刀だった今井尚哉内閣官房参与がインタビューに応じ、こう話していた。
<外交では、言わなくてもいいことをわざわざ言う必要もありません。場合によっては、「言ってはいけないこと」だってあるんです>
<高市さんの「存立危機事態」の発言だって、言わなくていいことだし、言ってはいけないことなんですよ。親中だとか反中だとか、そんな生易しい話で外交はできません。中国は巨大な隣国なんですから>
<なんでもかんでもアメリカに頼ればいいということではありません。「お父さん、私、いじめられているから助けて」では駄目。そんな外交は悲しいですよ>
首脳会談をねじ込み、「日米同盟の強さを示すことができた」と胸を張ったところで、海外メディアは関心がなく報道もされない。答弁能力がない高市は、海外メディアにも質問の事前通告を強要するから、主要メディアから敬遠されている。
もっとも、高市周辺はそれでも構わないと割り切っているフシがある。国内の支持者向けにアピールすることしか考えていない。成果がなくても、イメージ戦略で自身の支持率アップにつながればいいのだ。
だから、米国到着時に誰も出迎えに来ていない空港で大きく手を振り、歓待を受けているかのような画を撮る。リウマチ持ちで人工股関節という触れ込みなのに、首脳会談では脚を長く美しく見せるために厚底の靴を履く。それで「ドナルド」と親しげに呼ぶ映像が撮れればいい。外交ではなく、プロモーションビデオ用の映像を撮ることが目的化している。
それを垂れ流す日本の大メディアも問題だ。高市が言う「日米同盟の強固な絆」が嘘っぱちで、日本外交が岐路に立たされていることを報じるのが、メディアの役割ではないのか。
「高市首相の外交は支持者向けのパフォーマンスで、やってる感のイメージ映像を撮っているだけ。中身がなく空虚で、素人が外交をやるとこうも国益を損なうという典型です。米国に振り向いてもらうためにすがりつき、朝貢外交に拍車がかかるでしょう。言われるがまま米国産の武器を爆買いしたり、われわれの税金を差し出すことになりそうです」(五野井郁夫氏=前出)
中間選挙を控えたトランプが、どんな無理難題を吹っ掛けてくるのか。トランプの寵愛を得ることしか頭にない高市に任せていたら、この国は本当にオシマイだ。
「湯の町湯沢平和の輪」は、2004年6月10日に井上 ひさし氏、梅原 猛氏、大江 健三郎氏ら9人からの「『九条の会』アピール」を受けて組織された、新潟県南魚沼郡湯沢町版の「九条の会」です。