掲題の2つの記事を紹介します。
「防衛費を被災地にまわせ」は長周新聞の「コラム狙撃兵」による記事です。
同氏は、地球を覆う十数枚のプレートのうち4枚が重なっている日本列島はまさに地震の巣窟であるとし、熊本地震は事態としてはまさに有事で、国が全面的に身を乗り出して対応すべき局面であるのに、「為政者はその対応があまりにも鈍感で、いつも被災者や被災地にたいして棄民政策という冷淡な仕打ちがくり返されている。東日本大震災、熊本地震、能登半島地震で見てきた現実は、いつも個人の自助努力に丸投げして棄民する政府の姿なのである」、そして「いつも震災関連死の方が直接死の10倍近くに膨らむというのは、震災対応の非情さをあらわしている。米軍需産業にくれてやる10兆円があるのなら、そっくりそのまま被災地の再建に振り向け、まず絶望の淵に立たされている被災者すなわち国民を守るべきである」と断じます。
「なぜ被災対応は進化しないの? 生活安全保障」の後回し もう我慢ならない」は、三輪記子弁護士によるシリーズ「それ、当たり前のことですか?」のコラム記事です。
三輪氏は、酷暑も地震も可能な限りマクロな観点からの備えもすべきであるとして、その責任を負う政府や自治体がその責任を果たしているのかについて、それを追及すべき多くの報道が「被災地はこんなに大変です」という情報止まりであると嘆き、
「どうして避難所の環境が改善されないのか。どうして多くの人が相変わらず体育館で雑魚寝をしているのか。どうして『防衛費』にはすぐに大金を出すのに、市民の生活安全保障(たとえば避難所になるべき体育館のエアコンや段ボールベッドの備蓄など。これに限らない)は後回しになっているのか」と指摘します。
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防衛費を被災地にまわせ
長周新聞 コラム狙撃兵 2026年7月31日
10年の時を経て再び熊本で震度7の大きな地震が起こり、いまのところ死者35名、重傷6名となっていることが国のまとめで明らかになっている。地震に起因したイオンモール熊本のガス爆発や日本製紙八代工場の崩れた煙突などの目立った被害の他にも、押しつぶされた家屋や1階がぺしゃんこになったビル、崩れた橋の歩道橋、つなぎ目がずれた高速道路インターの高架橋等々、まだまだ把握しきれていない被害の一端が次々と伝えられている。およそ3万戸が停電し、8万4000戸で断水が発生。夏真っ盛りの酷暑のなかでの地震だけに熱中症などの二次被害が広がることも懸念されている。避難先の学校体育館といっても空調の整備率は12%そこらで追いついておらず蒸し風呂状態。そのためにエコノミークラス症候群に気をつけながら車中泊で熱帯夜を過ごしている避難者の様子が伝えられる。地震という避けがたい災害によって、それまで当たり前だった当該地域の人々の暮らしがひっくり返っているのである。事態としてはまさに有事で、国が全面的に身を乗り出して対応すべき局面である。
2011年の東日本大震災から2016年の熊本地震、2024年の能登半島地震とこの十数年で震度7クラスの巨大地震が立て続けに起こり、日本列島は地震の周期に入っているとされる。震度7クラスではないまでも、全国各地で割と大きめな地震は頻発しており、北海道や東北地方にはじまって九州地方にいたるまで、それぞれの箇所で要注意と目されてきた活断層は活発に動いているのが実態だ。地球の表面を覆っているプレート(岩の板)が日々運動して数百年という時間軸でひずみが蓄積し、あるタイミングで境界部分がずれて元に戻ろうと跳ね上がったりすることで地震は起こる。地球を覆う十数枚のプレートのうち四枚が重なっている日本列島はまさに地震の巣窟ともいえる“地震列島”である。九州地方は阿蘇山や桜島といった活火山、巨大なマグマ溜まりが発見されている鹿児島県南部沖の海底火山「鬼界カルデラ」などの動きとも連動した巨大地震の脅威にさらされている地域でもある。そして西日本一帯は東海・東南海・南海地震が連動したM9クラスの超巨大地震が発生したとしても不思議ではない状態とされ、すでに当該自治体では後方支援も含めて四国に渡っていく救援体制や自衛隊が兵站を築く拠点、死体安置所となる体育館なども指定され、具体的な想定がやられているほどである。
日本列島で暮らす以上、地震は避けがたい天災である。伝わっている歴史的書物を見てもわかるように、地震・津波によっておびただしい被害を被りながら、そのたびに先人たちは復興して暮らしを取り戻してきた。問題は、現代のようなはるかに豊かで発展しているはずの日本社会において、為政者をしてその対応があまりにも鈍感で、いつも被災者や被災地にたいして棄民政策という冷淡な仕打ちがくり返されていることである。救援物資も赤十字の募金も個人の善意に依存したところでたかがしれているわけで、国をして「心配するな! 国がついているぞ!」と全面的に生活再建への支援を惜しみなく実施することがどんなに被災者や被災地を勇気づけるかである。しかし東日本大震災、熊本地震、能登半島地震で見てきた現実は、いつも個人の自助努力に丸投げして棄民する政府の姿なのである。
国民の生命と安全が脅かされている――。天災もまた有事である。防衛費が年間10兆円超えして「ミサイルを配備して国を守る!」などとうそぶく前に、目の前で国民が直面している有事にたいして惜しみない支援を実施して、その生命と安全を守ること、安心して生活再建に取り組めるよう潤沢な支援を実施することが優先される。地震や津波で暮らしがままならなくなり、いつも「震災関連死」の方が直接死の10倍近くに膨らむというのは、震災対応の非情さをあらわしている。米軍需産業にくれてやる10兆円があるのなら、そっくりそのまま被災地の再建に振り向け、まず絶望の淵に立たされている被災者すなわち国民を守るべきである。 吉田充春
三輪記子 それ、当たり前のことですか?
なぜ被災対応は進化しないの?「生活安全保障」の後回し もう我慢ならない
日刊ゲンダイ 2026/08/03
(記事集約サイト「阿修羅」より転載)
熊本で大地震が発生しました。お見舞い申し上げます。日本では、線状降水帯からの豪雨災害、地震による災害、土砂災害などがあちこちで起こり、「災害列島」であることは誰の目にも明らかです。
日本に住む限り、いつどこでどんな形で被災するか分かりません。今や「酷暑」も災害級で「目の前の暑さにどう対応するか」ばかり注目されがちですが、暑さについてはもっと根本的に、気候変動にどう対処するのか? が、政治的課題になるべきではないでしょうか。
もちろん、目の前のことも大切だけど、科学技術は日々発展しているわけだし、可能な限りマクロな観点からの備えもすべきでしょう。「マクロな観点からの備え」という意味では、その責任を負うのは政府や自治体です。政府や自治体はその責任を果たしているのかについて、チェックすべきは政治家自身、メディア、市民です。自省すべきリーダーは「やってる感」ばかり気にしている様子で残念この上ないですし、責任追及すべき多くの報道が「被災地はこんなに大変です」という情報止まりです。
どうして避難所の環境が改善されないのか。どうして多くの人が相変わらず体育館で雑魚寝をしているのか。どうして「防衛費」にはすぐに大金を出すのに、市民の生活安全保障(たとえば避難所になるべき体育館のエアコンや段ボールベッドの備蓄など。これに限らない)は後回しになっているのか。多くの行政職員の方が現場で頑張っているのを私自身知っているけれど、もっともっと被災対応は進化し、深化できるのではないか。
これは「予算配分」の問題で、やはり政治家の問題でしょう。どうしてここまで政治家に甘いのでしょうか。それは私たち市民が「我慢」を美徳とし、「自助」を賛美しているからではないでしょうか。もちろんこれらを美徳とし、賛美することを全否定するつもりは毛頭ないけれど、「わがまま」と言って他者の「権利主張」を阻害するのはもうやめにして、みんなそれぞれ、あるいは時に連帯して「権利主張」し、自分自身の権利でなくても権利主張する人を支えることを新しい「当たり前」にしませんか? 災害時は個人の尊厳(憲法13条)が損なわれがちですが、それは「当たり前」のことではありません。いつまでも被災やそれに伴う災害の責任を個人のものにしてはいけません。
三輪記子 弁護士
1976年、京都市生まれ。東大法学部卒、立命館大法科大学院修了。2010年に弁護士登録。コメンテーターとしてテレビなどのメディア出演のほか、「弁護士三輪記子のYouTubeチャンネル」などネットでも発信。
「湯の町湯沢平和の輪」は、2004年6月10日に井上 ひさし氏、梅原 猛氏、大江 健三郎氏ら9人からの「『九条の会』アピール」を受けて組織された、新潟県南魚沼郡湯沢町版の「九条の会」です。
2026年8月6日木曜日
06- 防衛費を被災地にまわせ/なぜ被災対応は進化しないの?「生活安全保障」の後回し
2026年8月5日水曜日
原水爆禁止26年世界大会 国際会議宣言採択・広島開会総会開く
原水爆禁止2026年世界大会は3日の国際会議を皮切りに、4日には広島開会総会が開かれました。引き続き世界大会は9日まで行われます。
しんぶん赤旗の下記の3つの記事を紹介します。
・原水爆禁止2026年世界大会・国際会議始まる 核廃絶へ共同大きく(8月4日)
・核なき世界 展望開こう 原水爆禁止2026年世界大会 国際会議宣言採択・広島開会総会開く(8月5日)
・原水爆禁止2026年世界大会 国際会議宣言(全文)(8月5日)
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原水爆禁止2026年世界大会・国際会議始まる 核廃絶へ共同大きく
しんぶん赤旗 2026年8月4日
「被爆者とともに核兵器のない平和で公正な世界を―人類と地球の未来のために」をテーマに原水爆禁止2026年世界大会が3日、広島市内で国際会議を皮切りに始まりました。核保有国・核依存国で核兵器禁止条約の参加や核廃絶を求める闘いを交流し、11月の核兵器禁止条約第1回再検討会議に向けた共同を発展させようと議論しました。
保有国・依存国での闘い交流
主催者あいさつで野口邦和世界大会実行委員会運営委員会共同代表は、核不拡散条約(NPT)再検討会議は成果文書を発出できなかったが、核兵器廃絶へ世界の本流を浮き彫りにしたと強調。地球的規模で連帯と共同を発展させ、核兵器廃絶の流れを促進させようと呼びかけました。
被爆者報告で、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)事務局次長の児玉三智子さん(広島)は「原爆地獄の再現をどんな理由があろうとも許すことはできない」と強調。日本被団協代表理事の横山照子さん(長崎)は「核兵器は1発残らず地球上からなくしましょう」と訴えました。
第1セッション「核兵器のない平和で公正な世界を」で、英国・核軍縮運動(CND)事務局長のソフィー・ボルトさんは、核軍拡の一方で反対の声も高まり多くの若者が立ち上がっていると紹介。核戦争防止国際医師会議(IPPNW)のカルロス・ウマーニャさん(スペイン)は、核兵器廃絶は急務だとして「平和な未来の種をまき続けよう」と語りました。
第2セッション「市民社会の連帯と運動交流」で、米国の核政策の転換をめざす「瀬戸際から引き返せ」キャンペーン共同創立者のアイラ・ヘルファンドさんは、同キャンペーンの政策提言の採用を求める法案に、連邦議会下院で59人、上院で9人が共同提案者となったと述べ「極めて大きな進展だ」と強調しました。
核なき世界 展望開こう
原水爆禁止2026年世界大会 国際会議宣言採択・広島開会総会開く
しんぶん赤旗 2026年8月5日
広島市で開催中の原水爆禁止2026年世界大会は4日、国際会議の特別セッションと閉会総会、広島開会総会を開きました。国際会議では「被爆者の訴えに真摯(しんし)に耳を傾け、人類を核破局から救うために緊急に行動しよう」と呼びかける国際会議宣言を採択。続く広島開会総会には、被爆者、オーストリア政府代表、国内外の運動代表が集い、共同を発展させ、核兵器のない世界への展望を切りひらこうと訴えました。特別企画「国会議員と市民の対話」で日本共産党の田村智子委員長が登壇し、核兵器禁止条約に参加する日本の実現に向けて被爆者や市民と語り合いました。(国際会議宣言全文 下掲)
(写真)原水爆禁止2026年世界大会の開会総会に参加する人たち=4日、広島市中区
広島開会総会には2700人が参加し、全国で506人が視聴しました。
冨田宏治国際会議宣言起草委員長が主催者報告しました。
日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の箕牧智之(みまき・としゆき)代表委員は、憲法9条がかつてないほど危険な環境におかれ、非核三原則の見直し、憲法「改正」、殺傷能力のある武器の輸出などが実行されようとしていると批判。「戦争は国家が起こし、国民が犠牲になる。核兵器廃絶と恒久平和の実現を訴え続けていこう」と訴えました。
オーストリアのアントン・ワインウィスロツキ参事官は、被爆者の役割は何ものにも代えがたいと強調。核兵器や「核抑止力」を基盤として持続可能な安全保障を構築しようとする試みは容認できないと述べ、禁止条約に全ての国が加盟するよう呼びかけました。市民社会などとの連携を誇りに思うと表明しました。
核保有国と依存国の運動代表が「共通の願いを行動の力に変えよう」などと発言。環境活動家でプロダイバーの武本匡弘(まさひろ)さんらが活動を報告しました。
松井一実広島市長のメッセージが代読されました。
政治変え核廃絶を 特別企画で田村委員長
特別企画「市民と議員の対話」には、日本共産党の田村智子委員長、広島と世界をつなぐカフェ「ハチドリ舎」オーナーの安彦恵里香さん、広島の被爆者で日本原水爆被害者団体協議会の金本弘事務局次長が登壇。金本さんと安彦さんに寄せられた質問に答えて、田村さんは、「唯一の戦争被爆国である日本が、核兵器は安全保障の力には絶対にならないという立場で、戦争と核兵器をなくしていくための外交の先頭に立つ。そのためには、高市早苗政権では不可能。政治を変える共同を広げていきたい」と決意を述べました。
原水爆禁止2026年世界大会 国際会議宣言
しんぶん赤旗 2026年8月5日
広島市内で4日閉会した原水爆禁止2026年世界大会国際会議で採択された「宣言」(全文)は次の通りです。
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世界はいま戦争か平和か、核破局か核兵器廃絶かの重大な岐路にある。
国連憲章違反の武力行使は断じて許されない。アメリカのイラン攻撃、ロシアのウクライナ侵略、イスラエルによるガザでのジェノサイドとヨルダン川西岸などへの侵攻は、ただちに終結させなければならない。米英仏ロ中をはじめとする核保有国とNATO(北大西洋条約機構)や日本など同盟国は、核兵器への依存をさらにつよめ、核軍拡競争を激化させつつある。核保有国印パの紛争、北朝鮮の核武装も深刻である。核保有国とその同盟国による武力行使は、核戦争の現実の危険を高めるものとなる。
核兵器が使われれば、破滅的な非人道的結末がもたらされることは、被爆者や核実験被害者の証言からも明らかである。広島と長崎に米軍が投下した原子爆弾は、一瞬にして二つの都市を焼き尽くし、その年のうちに21万人以上の命を奪った。その圧倒的多数は、女性と子どもを含む民間人であった。そこには強制連行された人々をはじめ多くの朝鮮半島出身者が含まれていた。生きのびることができた被爆者も、深刻な後遺症と差別に苦しめられた。核兵器の使用は、道義的にも、人道法上も決して許されない。
世界には、いまなお1万2000発をこえる核弾頭が存在し、米ロだけでその9割以上を占める。ごく一部が使用されただけでも、地球的規模の気候変動をもたらし、人類全体を滅亡の危機にさらすと言われる。まさに人類は核破局の瀬戸際にある。核兵器廃絶は人類の死活にかかわる緊急課題である。
「核兵器と人類は共存できない」―被爆者の訴えに真摯(しんし)に耳を傾け、人類を核破局から救うために緊急に行動しなければならない。「核兵器のない平和で公正な世界」の実現のために力をあわせることを、あらためて世界の人々と為政者たちによびかける。
非核平和の願いにたいする逆流は重大だが、それをのりこえることは可能である。軍事力や核の威嚇で「平和」を実現することはできない。イラン、ウクライナ、ガザにおける非人道的な現実は、それを明白に示している。一方、戦争に反対し、国連憲章の擁護を求める声、戦争被害者との連帯は、世界に広がっている。この道にこそ未来があると確信する。
核兵器禁止条約(TPNW)の締約国は75カ国、署名国を含めれば100カ国に達し、世界の本流として着実に前進している。この条約を生み出した原動力は、諸国政府と市民社会の共同である。禁止条約を力に、この共同を発展させるならば、「核兵器のない世界」への展望をきりひらくことができる。
成果文書の発出には至らなかったが、核不拡散条約(NPT)再検討会議でも、その可能性は示された。7割の締約国が、核軍備縮小撤廃の交渉を義務づけた第6条の履行を求めた。被爆者をはじめ市民社会の奮闘がこの世界の流れを後押しした。核兵器廃絶の「明確な約束」はじめ、NPT再検討会議のこれまでの合意はすみやかに履行されなければならない。
2026年11月には禁止条約の第1回再検討会議がひらかれる。核兵器廃絶の流れを飛躍的に発展させる機会としなければならない。会議に招請される私たち市民社会もそのために力を尽くす。
「核兵器のない世界」への最大の障害が、核保有国と核依存国の「核抑止力」への固執であることはますます明らかとなっている。「核抑止」とは、他国に対するヒロシマ・ナガサキの再現を想定したものである。無差別で、残虐な武力の行使を否定する国際人道法と相いれない立場である。しかも「抑止」が失敗して、核兵器が使用されれば、その結末はすべての国にとって破滅的である。「核抑止力」への依存は、永続的な人類破滅のリスクをもたらすだけである。その克服のために、諸国政府とも共同して、「核抑止力」論をのりこえる国際世論を築こう。
国際的な包囲と同時に、核保有国とその「核の傘」に依存する国での運動が重要になる。ノーベル平和賞を受賞した日本被団協をはじめ、被爆者と核実験被害者の証言は、アメリカやその同盟国でも、大きな反響をひろげ、運動の新たな発展の力となっている。その国の世論と運動が、核固執の政策を変える決め手である。
いま求められているのは、軍事ブロックなどによる対抗と分断ではなく、すべての国を包摂する平和の枠組みを基礎にすえた安全保障、平和構築である。NATOの拡大、大軍拡と核態勢の強化に反対する。東アジアにおけるあらゆる軍事同盟強化の動きに反対し、対話と外交による南シナ海を含む東アジアの平和構築を求める。
日本政府は唯一の戦争被爆国であるにもかかわらず、アメリカの「核の傘」への依存を深め、禁止条約への参加を拒否している。さらには「非核三原則」見直しまでもくわだてている。日本が核使用に加担することなど、決して許すことはできない。
現政権が大軍拡と戦争準備をすすめるもとで、反戦平和、改憲阻止、憲法9条を守りいかす運動、民主主義と人権の擁護、生活防衛など、国民的な運動が発展しつつある。米軍基地が集中し、戦争の拠点とされている沖縄のたたかいは、その焦点の一つである。日本の運動への連帯を表明する。
国連憲章を基礎に、「核兵器のない平和で公正な世界」をめざす世界の運動の連帯、諸国政府・国連機関との共同をよびかける。
―ヒロシマ・ナガサキ、核実験被害など、あらゆる核兵器の使用がもたらす非人道的な結末を広げることを軸に運動を発展させよう。被爆者国際遊説の招聘(しょうへい)、原爆展の開催など被爆の実相を広げるとりくみをすすめよう。自国政府を禁止条約に参加させる運動を中心にすえ、核兵器廃絶を共通課題にした多様な行動にとりくもう。被爆の実相、被爆体験の次世代への継承をすすめよう。
―被害者支援と環境修復をすすめるために、当該国の責任にもとづく施策の実現と国際的支援の確立をめざそう。
―核兵器禁止条約第1回再検討会議、国連総会を節目に世論と行動を発展させ、諸国政府、国連との共同をすすめよう。
―核兵器の非核国への不使用と威嚇の禁止、核兵器先制不使用、中東非核兵器地帯など非核地帯の創設・拡大・強化、朝鮮半島の非核化と平和体制構築の一体的追求、包括的核実験禁止条約の発効、核戦略をはじめAIの軍事利用禁止などを求めよう。
―反戦平和、軍事費削減と生活・生存への支出の拡充、外国軍事基地撤去、軍事同盟強化反対、枯れ葉剤など戦争被害者への支援、民主主義、人権、ジェンダー平等、原発ゼロ、気候危機をはじめとする環境保護などの運動との連帯をすすめよう。
これらの活動のあらゆる側面で、ジェンダー視点を貫こう。若い世代とともに、被爆者とともに、未来への希望を胸にきざみ、その実現のために力をあわせよう。
05- 復興税「防衛費への流用ヤメロ!」の声が再拡大 熊本地震で/高市首相の早過ぎた「熊本訪問」の背景 ほか(日刊ゲンダイ)
7月28日、最大震度7の巨大地震が熊本県を襲いました。住民は水も出ない、クーラーもない、仮設トイレもない、間仕切りもないという体育館の床にごろ寝の状態で、酷暑の中を過ごしています。それを避けて車の中で過ごしていた住民の中には、熱中症で命を失った人も出ました。
熊本県は10年前の2016年4月14日にも巨大地震が襲いました。
日本は世界有数の地震災害国家であるにもかかわらず、避難所施設が劣悪であることが当時もクローズアップされましたが、その後10年が経ったのに何一つ改善されていないことが、今回明らかにされました(因みに熊本市の大西市長は当時も市長の座にありました)。政府や自治体は何故本気で取り組もうとしないのでしょうか。
(関連記事)
8月3日 後進国レベルの政府災害対応(植草一秀氏)ほか
日刊ゲンダイの下記の3つの記事を紹介します。
・復興税「防衛費への流用ヤメロ!」の声が再拡大 熊本地震で高市首相「できること全てやる」断言の本気度(2026/07/30)
・NHKは酷暑報道ばかり これまた怪しい大メディアの高市批判(2026/08/03)
・高市首相の早過ぎた「熊本訪問」の背景…震災から1週間たたず“視察強行”に批判殺到の案の定(2026/08/04)
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復興税「防衛費への流用ヤメロ!」の声が再拡大 熊本地震で高市首相「できること全てやる」断言の本気度
日刊ゲンダイ 2026/07/30
「高市内閣ではできることは全てやります」──。熊本県を最大震度7の巨大地震が襲った28日、高市首相は、非常災害対策本部会議で、そう断言した。
29日の午後2時時点で、人的被害は90件弱、停電・断水は合わせて10万戸超。人命救助と被災者支援が急がれる中、高市政権の“防衛増税”に改めて疑問の声が続出している。
税制改正関連法が今年3月に成立。政府は、防衛力強化の財源確保のため「防衛特別所得税」を創設し、来年1月から所得税額の1%相当を上乗せする。
そもそも、この1%分は政府・与党が増税批判をかわすために、東日本大震災の復興財源である「復興特別所得税」からひねり出したものだ。防衛費のための1%を上乗せする代わりに、復興税の税率を現行の2.1%から1.1%に引き下げ。時限措置の復興税の「総額」を確保するとして、課税期間を2037年から2047年へと10年延長した。
徴収する復興税の総額は変わらないとしても、本来なら復興に使える分を防衛費に回す「流用」である。
かつては反対派
防衛費増に前のめりの高市首相は「防衛特別所得税」を予定通り実施する方針だが、高市内閣が「できること」のひとつが、まさに来年1月からの防衛増税の中止だ。
今回の熊本地震を受け、SNS上は〈防衛特別所得税をやめて復興税にもどせ〉〈軍拡してないで災害対策や医療にこそ税金使え〉の大合唱。「防衛費への流用ヤメロ!」の声が再び湧き起こっているのだ。
「岸田政権が防衛増税をブチ上げた当初、 経済安保担当相として内閣の一員だった高市さんは反対の立場でした。特に所得増税にご立腹で、自身のXに『賃上げマインドを冷やす発言を、このタイミングで発信された首相の真意が理解出来ません』と投稿。わざわざ記者会見で『罷免されるなら仕方ない』と口にするほどでした。西村康稔経産相(当時)をはじめ、旧安倍派のメンメンも増税に異論を唱えました。もっとも、高市さんは首相就任後にあっさり『増税やむなし』に転じましたが」(自民党関係者)
自民党も「被災地の復旧に向け、必要な対策を後押ししたい」(鈴木幹事長)と協力体制を敷く。高市首相の“鶴の一声”で、本来の復興予算を戻すことは可能だ。「できることは全てやる」と宣言した高市首相の本気度やいかに。
NHKは酷暑報道ばかり これまた怪しい大メディアの高市批判
日刊ゲンダイ 2026/08/03
(記事集約サイト「阿修羅」より転載)
終盤の国会運営や皇室典範改正、消費税減税を巡って、珍しく大メディアがボロクソに高市政権を批判しているが、どこまで本気なのか。裏金集団の自民党政権、どうにもならない日本経済、常に犠牲の庶民、目くらましの高市という構造腐敗に切り込まないのは批判のふりだ。
◇ ◇ ◇
とにかく、暑い。2日は高知県四万十市・江川崎で40.8度、和歌山県田辺市で40.6度を観測するなど、3地点で最高気温40度を超える酷暑日となった。
全国914観測地点のうち、35度以上の猛暑日は300地点以上。最大震度7の地震に襲われた熊本県でも、2日の熊本市の最高気温は38.9度と観測史上1位の暑さを記録した。
こうも暑いと、テレビが酷暑と地震関連報道に終始するのも当然だが、政治の話題はすっかり脇に追いやられてしまっている。
7月25日に特別国会が閉会してから1週間で、テレビニュースの話題は一変。もちろん災害報道が最優先だが、地震関連ニュースのほかは、NHKも連日、酷暑報道ばかりだ。
ドタバタで終わった終盤国会は、高市首相の資質に疑問符が突きつけられ、大メディアもボロクソに言っていたものだ。与党内の調整もロクにできないお粗末な国会運営には呆れる声が続出し、熟議に耐えられず数の力で強引に押し切る姿勢には、珍しく大メディアも真っ向から批判の論を張った。
とりわけ「男系男子」にこだわる皇室典範改正をだまし討ちのように成立させたことには、ほぼすべてのメディアが「禍根を残す」「再考を」と問題視している。
民意を無視した皇室典範改正などについてメディアが頻繁に取り上げたこともあり、高市内閣の支持率は急落。世論調査では、1カ月で10ポイント以上も下落する事態になった。
その理由として、「皇室典範改正など重要な法案や政策についての高市首相の説明不足や、長引く物価高への不満が影響」(読売新聞)と解説するなど大メディアもなかなか厳しい。
消費税減税の批判もポーズ
さらに、高市が7月30日、飲食料品の消費税率を来年4月から2年間に限って1%に引き下げる方針を表明したことについては、大新聞もほぼすべてが反対の論を張っている。
高市応援団の産経新聞でさえ、社説で「減税判断の妥当性どこに 財源確保の具体策が必要だ」と書くなど厳しめの論調だ。
法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)が言う。
「高市首相は支持率下落に焦って、財源問題を先送りした見切り発車に踏み切ったのでしょうが、食料品のみ2年間限定の消費税減税にどれだけの効果があるのか。国民はいま物価高に困っているのに、来年4月からというのは、統一地方選に合わせたバラマキなのが見え透いています。それまで生活支援がないまま、どうやって食いつなげばいいのか。高市首相が国民生活に向き合わず、支持率のことしか考えていないことがよく分かる。そもそも『2年後に責任を持って税率を戻す』と言いますが、2年後も高市氏が首相をやっている保証はない。無責任もいいところです」
これまで消費税を下げたことは一度もないし、上げる時は2~3%ずつ段階を踏んできた。それでも、時には政権を揺るがすような国民の反発があったわけで、第2次安倍政権は10%への引き上げを2度も延期した。
期間限定で食料品の消費税減税を行い、2年後に一気に7%も引き上げれば、その痛税感は計り知れない。税率を戻せないことは十分に考えられるし、つじつま合わせに食料品以外の税率を上げる可能性もある。
そうなると、社説で消費税減税の批判をしている大新聞にしても、別の思惑があるように感じてしまう。現状、大新聞は軽減税率の恩恵を受けている。産経までもが足並みそろえて批判側に回っているのは、新聞も食料品と同様に税率1%にすれば“撃ち方やめ”というアピールではないのか。大メディアの批判は、どこまで本気なのか疑わしい。ちなみに本紙は軽減税率の適用は受けていない。
防衛費をケタ違いに増やして防災費を削り続ける
高市は食料品の消費税を“実質ゼロ”にすることで家計を支援すると言うが、その一方で国民負担増の政策を着々と進める。
高額療養費制度は見直され、1日から所得に応じた自己負担の月額上限が7%程度引き上げられた。住民税非課税世帯も4~5%程度引き上げる。月ごとの上限額は来年8月にもう一段階引き上げられる予定で、これまでと比べて最大38%高くなるという。
厚労省が7月29日に公表したパブリックコメントは、「経済的な理由で治療を諦める患者が増える」「物価が上昇し、家計負担が増えている状況で引き上げるべきではない」などの反対意見が多数だった。通常のパブコメと比べて寄せられた意見は異例の多さだったというが、この政権はガン無視だ。
来年1月からは、防衛費増額の財源として、復興特別所得税の一部を防衛目的に充てることも決まっている。しかも、課税期間を当初予定から10年間延長して2047年までとする増税策だ。
そうやって国民に負担増を強いておきながら、来年4月から期間限定で食料品の消費税を減税することを家計支援だとことさらアピールするのは目くらましもいいところなのだ。
国民に寄り添う気持ちがない
今般の熊本地震でも気になったのが、体育館などに雑魚寝する避難所の環境だ。この風景は数十年間変わっていない。猛暑のさなか、クーラーがない施設も多く、およそ先進国とは思えない光景に言葉がつまる。
米国に言われるまま、防衛費をケタ違いに増やす一方で、防災費がどんどん減らされているのがこの国の実情だ。
2026年度の防衛関係予算は約9兆円。対して防災予算の国費は約1.9兆円に過ぎない。そのうえ、復興予算の一部を防衛費に転用するというのだ。
「日本は災害大国ですから、まずは災害に対する備えが必要なのに、高市政権は、いざ戦争になったらどう戦うかということに重心を置いている。どう考えても、必要なのは護衛艦より電源車やトイレカー、避難所のエアコン完備でしょう。国民の命より、戦争準備を進める政府でいいのかということが問われているのです」(五十嵐仁氏=前出)
大メディアは皇室典範の拙速な改正に反対、食料品消費税の無責任な引き下げに反対と場当たり的に批判するのではなく、もっと複合的、構造的な政権の問題点をあぶり出すべきではないのか。個別の政策批判は「一応、批判してました」のアリバイづくりでしかない。
「大メディアがこんな調子だから、自民党の裏金問題も旧統一教会との癒着もウヤムヤになり、高市首相はイメージ戦略だけで乗り切れるとタカをくくっている。地震と酷暑でこの政権のデタラメが忘れ去られ、急落した支持率が回復していけば、高市首相はホクホクでしょう。メディアが本気で批判しなければ、権力は腐敗する一方です。そして、そのツケを被るのは庶民なのです」(政治評論家・本澤二郎氏)
高市が地震後初めて被災地を視察するため熊本入りするきょう(3日)は、熊本県内で予想最高気温40度以上のところが複数あるから心配だ。災害対策に政府は本腰を入れて欲しい。
熊本地震を受けた非常災害対策本部会議で、高市がトレードマークのパールのアクセサリーを身に着けていたことがSNSで話題になっていた。
もちろん、「服装なんてどうでもいい」という声もあるが、これまで災害対策本部会議は全閣僚が防災服を着用して臨んでいた。誰よりも見せ方・見え方を重視しファッションにこだわってきた高市が、なぜ防災服を着なかったのか。“映えない”とでも思っているのかもしれないが、被災者や国民に寄り添う気持ちが欠如しているように見えてしまう。
女性初の首相が、国民生活よりも自分の見栄えを重視するような薄っぺらい人物ではないはずで、さすがにミニスカ・ハイヒールの勝負服で被災地視察ということはないだろう。首相動静によれば、2日も高市は「終日、公邸で過ごす」だった。視察用の防災服のアイロンかけでもしていたのだろうか……。
高市首相の早過ぎた「熊本訪問」の背景…震災から1週間たたず“視察強行”に批判殺到の案の定
日刊ゲンダイ 2026/08/04
行く前から「邪魔になる」と批判の声があがっていた高市首相の熊本県訪問。3日、高市首相は、予定通り熊本地震の被災地を視察した。
現地は交通混乱がつづき、マンパワーも不足している。震災から1週間もたたないなかでの“視察強行”に対し、案の定、SNSでは批判が殺到している。
《総理が現地に行くのはもっと後で良いと思う。総理の警備に人を割かなければならないし》
《「現地の混乱が落ちつくまで、視察は控えます」「要望は地元自治体から伺いますので」それで十分に事足りるのでは》
《現地に行かなければ的確な指示が出来ないというのであれば、本人の能力の問題でしょう》
《政府が震度7の注意喚起をしている最中に政権トップが訪問するリスク管理は出来ているのか》
批判の多くは「もっとも」という内容がほとんどである。
「高市さん周辺も、いま現地に行ったら批判されると想定はしていたはずですが、批判は想像以上だったのではないか。でも、政治日程を考えたら視察日は3日しかなかったのだと思う。5日には消費税減税を閣議決定し、6日は広島、9日は長崎とスケジュールが詰まっているからです。いずれにしろ被災地の都合ではなく、高市さんの都合で3日になったのは間違いないでしょう。高市首相は熊本地震を『特定非常災害』に指定すると宣言し、200億円規模の予備費の使用を閣議決定すると記者団に明らかにしています。この2つを表明するために、熊本に行ったようなものです」(政界関係者)
補正予算は見送りか?
現地に入った高市首相は、「予備費から200億円を使う」と宣言したが、200億円では足りないのは明らかだ。2016年の熊本地震の時は、復旧・復興のために7780億円の補正予算を組んでいる。
「10年前、当時の安倍政権は、熊本地震の約1カ月後(5月17日)、補正予算を成立させています。高市内閣も急いで補正予算を組む必要があるでしょう。ところが、『とりあえず予備費だ』『予備費は1兆円あるから当面足りる』という空気です。補正予算を成立させるには国会を開かなければいけない。国会嫌いの高市さんは、国会を開きたくないのでは、という見方が出ています。でも、被災者からすると『被災地のために補正予算を編成します』と、『予備費で十分』とでは、受け止め方は変わってくるでしょう」(自民党事情通)
どこまで高市首相が本気で熊本のことを考えているのか、いずれわかるはずだ。
2026年8月3日月曜日
後進国レベルの政府災害対応(植草一秀氏)ほか
植草一秀氏の掲題の記事を紹介します。
日本は世界一の災害国家ですが、「国の災害対策は後進国」と長きにわたって言われてきました(その点で石破前首相は防災に精通し独自の構想を持っていました)。
文中に「スフィア基準」という文言が出てきます。
これは「人道憲章と人道支援における最低基準」(最新は2018年版)のことで、災害や紛争の被災者が尊厳ある生活を送るための人道支援の国際的な最低基準です。膨大な内容なのでハンドブック形式でまとめられています。
(内容の一例 ↓)
・給水・衛生・衛生促進:災害直後は50人に1基のトイレを確保し、段階的に20
人に1基を目標とする。男女比は3:1が推奨される。
・食料と栄養:必要なカロリーと栄養を確保するための基準。
・シェルター・居留地・非食糧物資:避難所の一人あたりの最小面積や安全性の確保。
など。
併せて下記の3つの記事を紹介します。
・被災地・熊本を襲う連続猛暑日、避難者いまだに雑魚寝…高まる「災害関連死」リスクへの対策が急務(日刊ゲンダイ)
・床に雑魚寝 感染不安 熊本地震 仁比議員らに被災者切々(しんぶん赤旗)
・困りごと聞かせて 共産党県委アンケート(しんぶん赤旗)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
後進国レベルの政府災害対応
植草一秀の「知られざる真実」 2026年8月 1日
災害大国の日本。
7月28日16時27分。熊本県熊本地方で最大震度7の大地震が発生した。
震源の深さは16キロメートル。地震の規模を示すマグニチュードは7.1。
熊本県では2016年4月14日と16日にも震度7の揺れを観測する地震が発生している。このときのマグニチュードは6.5と7.3だった。
日本最大の活断層である中央構造線。その南西の端に位置するのが日奈久断層帯および
布田川断層帯。
2016年の地震は布田川断層帯および日奈久断層帯で発生した。
この断層帯の南西部分で断層が動かなかった部分がある。その動かなかった、いわゆる「割れ残り」が動いて大地震が発生することが警戒されてきた。
今回の地震は「割れ残り」が動いたことによる地震であると見られている。
今後は日奈久断層帯のさらに南西部分の「割れ残り」が動く可能性がある。
日奈久断層帯は八代海の海底にまで伸びている。その延長線上に近い地点に川内原子力発電所が位置している。
また、愛媛県の伊方原子力発電所3号機については、2017年12月と20年1月に広島地裁が運転差し止めを命じる仮処分決定を出したが、いずれも広島高裁が異議審で取り消した。
仮処分決定で広島高裁の森一岳(かずたけ)裁判長は、原発付近に活断層がないとした四国電力の調査は不十分で、原発周辺の断層帯が活断層である可能性が否定できないとした。
その後、仮処分は取り消され、住民の訴えは退けられた。
日本の裁判所は「法の番人」ではなく「権力の番人」である。裁判官の人事権を政治権力が握っているため、多くの裁判官は政治権力の顔色を見て判断を示す。
したがって、まれに正当な判決が示されても、上級審がこれを覆すことが常態化している。
伊方原発も川内原発も石川県の志賀原発もすべて、活断層の上に立地している疑いを排除できない。
災害大国の日本。毎年のように大規模災害が発生する。災害そのものは「天変地異」に帰属するもので防ぎようがないが、問題は災害が発生した場合の政府に取り組みである。
最重要の課題は被災者の命と健康を守ること。これこそが、政府の役割の第一である。
被災者の命と健康を守るには避難所の居住環境を引き上げることが必要不可欠。
近年の日本は酷暑と厳冬に見舞われる。真夏と真冬の期間が長期化し、快適な気候の春と秋が短縮化している。
真夏には熱中症の恐れが高まる。真冬は体温の低下を防がなければならない。
命と健康を守るには、一定のスペース、プライバシーの保護、トイレと入浴施設の整備、必要十分な水と食料が必要不可欠だ。
被災者の居住空間のレベルを一定水準以上に保つための国際基準として「スフィア基準」がある。
巨大な財政支出をバラまく日本政府。100兆円単位のバラまき財政を実行する財政力があるのだから、まずは、被災者が身を寄せる避難所の水準を引き上げるべきだ。
大災害が生じるたびに議論が提起されるが、まったく実行されない。
熊本では連日35度を超える猛暑、地点によっては40度を超える酷暑が予想されている。
エアコンが整備されていない体育館に被災者を収容するなどあり得ない行政である。
各種宿泊施設を活用して被災者の命と健康を守ることが先決だ。
被災者が厳しい状況に直面しているときに、涼しい場所で真珠のネックレスとイヤリングを身にまとい会見している場合ではない。
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被災地・熊本を襲う連続猛暑日、避難者いまだに雑魚寝…高まる「災害関連死」リスクへの対策が急務
日刊ゲンダイ 2026/07/31
避難所となっている熊本県八代市の体育館で過ごす人たち(C)共同通信社
熊本県内は30日も気温35度以上となり、12日連続の猛暑日だった。高市首相は3回目となる非常災害対策本部会合で、改めて避難環境の改善を指示。赤沢経産相に「車中でのクーラーを躊躇なく利用できるよう、ガソリン等の燃料油の供給に万全を期してください」と呼びかけた。
前回2016年の熊本地震は4月に発生したが、今回は真夏の発災とあって避難環境は過酷を極める。被災者の暑さ対策が急務だが、文科省の調査によると、避難所に指定されている全国の公立小中学校の体育館(武道場など含む)の冷房設置率は33.1%。熊本県内は20.9%と、全国平均を大きく下回っている状況だ。
発災翌日の29日から被災現場を回っている共産党の田村貴昭前衆院議員が言う。
「避難所になっている八代市立鏡小学校の体育館はエアコンがなく、ポータブル電源で扇風機が稼働しているだけでした。未就学児を連れたご家族が避難されていたのですが、あまりの暑さにお子さんはぐったりして寝ていました。エアコンがあっても肝心の電気が寸断されているので使えません。移動式の発電車を持ってきてスポットクーラーをガンガン動かせればいいのですが、整備されていないのが実情です。水も止まっており、わざわざプールから水をくんでトイレを流さないといけないので、特に高齢の方には厳しい環境です」
震災関連死は行政の怠慢
前回の熊本地震では死者275人のうち、震災関連死が約8割の225人に上った。熊本県の調査によれば、震災関連死の原因は「地震のショック、余震への恐怖による肉体的・精神的負担」(約4割)と「避難所等生活の肉体的・精神的負担」(約3割)が大半を占める。数百人が避難しているという八代市総合体育館も快適とは程遠い。
「ここはエアコンがついているので、一応暑さはしのげますが、大問題は寝床です。市にマットやダンボールベッドの備蓄がなく、避難者は自ら持ち寄ったゴザや薄い敷物で雑魚寝の状態。高齢の方は地べたに寝てしまうと、ベッドと違って起き上がるのが難しい。地べたで寝るとホコリを吸い込んでしまうため、体調悪化にもつながります。冷暖房やベッド、間仕切りといった最低限の避難環境すら日本では整っておらず、阪神・淡路大震災の頃から変わっていないのです。エコノミークラス症候群などの災害関連死を防ぐために、環境整備はもちろん、国や自治体が借り上げたホテルや旅館への誘導、電源車やコンテナハウスの用意などに国も自治体も本気で取り組むべきです」(田村前衆院議員)
避難環境は何十年と変わっていないが、夏場の気温は異常な高温に達している。震災関連死は行政の怠慢に他ならない。
◇ ◇ ◇
「政治とカネ」が大問題になっている自民党の福岡県議団が、 熊本震度7地震の1時間後に「政治資金パーティー」開催していた。
床に雑魚寝 感染不安 熊本地震 仁比議員らに被災者切々
しんぶん赤旗 2026年8月2日
熊本県で最大震度7を観測した地震発生後初の週末を迎えた1日、被災地では連日の猛暑が追い打ちをかけています。このなかで日本共産党は議員、党員が被災者の要望を聞いたり、各地で募金を呼びかけるなど救援活動に全力をあげています。
日本共産党の仁比聡平参院議員、熊本県委員会の東なつこ副委員長・県議予定候補は1日、県内各地で地震により被災した家屋や農業施設を確認し、被災者らから要望を聞きました。甲佐町と宇城市で佐野安春、井芹しま子両甲佐町議、八代市と氷川町では橋本徳一郎八代市議が同行しました。
甲佐町の男性(71)は10年前の熊本地震で自宅が壊れリフォームしましたが、今回2度目の被災。自宅の再建について「小さい規模で建て直すしかない」と語りました。持病があり、公民館に身を寄せているという男性(61)は、感染症の不安から「大勢の人がいる避難所に入れない」と窮状を訴えました。
仁比氏は「病気を気にして避難できない状況はあってはならない」と述べ、持病のある人などの二次避難を急ぐよう国や自治体に声を届けると答えました。
宇城市豊野町の女性(79)の自宅は柱が折れるなどの被害を受け、地震被害判定の調査で申告するよう仁比氏からアドバイスを受けていました。
農業被害も深刻です。仁比氏は地震で破損した八代市鏡、千丁両地域の用水路を確認。穂をつけ始めた稲に水を供給できない事態が起きており、早期の復旧が求められています。
農業者の男性(77)が「国の事業で復旧させてほしい」と要望したのに対し、仁比氏は「生産者に負担のない方法で早期に復旧できるよう農水省に働きかけたい」と応じました。
困りごと聞かせて 共産党県委アンケート
しんぶん赤旗 2026年8月2日
(写真)床に敷いた段ボールの上で体を休める被災者(右)から要望を聞く党員ら=1日、熊本県八代市
熊本地震で被災した人たちの苦境や要望を聞き取り、課題解決につなげようと、日本共産党熊本県委員会は1日、南部・宇城両地区で被災者アンケート活動に取り組みました。八代市では橋本徳一郎市議、高岡あけみ水俣市議と党員らが「困りごとを聞かせてください。行政に伝えます」と語りかけました。
約800人が身を寄せる市体育館の避難所では、避難者自らが持ち込んだマットなどを敷いて寝泊まりしていました。ロビーの床に段ボールを敷いて寝ていた男性(65)は「体が痛い。毛布はもらえたが全員に行き渡っていない。どうにか4時間寝たが、寝たうちに入らない」と語りました。
余震の不安で避難している夫婦は「夜遅くまで話す人や朝早く動く人もいて寝られない」「食事は出たり出なかったり。朝はもらえなかったので、昨日配られたお菓子を食べている」と打ち明けました。
避難所のプライバシー確保や感染症防止などに不可欠な仕切りが体育館に届いておらず、目隠し代わりに腰の高さの卓球用フェンスがあるだけ。36歳の女性は「寝顔を見られないよう新聞紙を顔にかぶって寝た。家族がいるのでいいようなものの、フェンスが高い方が安心する」と話しました。
アンケート中、着の身着のままで避難してきた高齢の女性が床にへたり込んでしまい党員らが職員に訴えてマットを用意しました。
橋本市議は「入浴場所の情報や災害ゴミ収集の改善、片付けのボランティアなどの要望が次々と寄せられた。床に避難者が寝ている状況はあってはならない。ただちに段ボールベッドを用意するよう国、県、市に求めたい」と語りました。