植草一秀氏の掲題の記事を紹介します。
「ゴマと国民は搾れるだけ搾れ」の記事では、日本の災害避難所の国際基準である「スフィア基準」をまったく満たしておらず、何度大災害が発生しても、市民が劣悪な避難所に閉じ込められる実情は何も是正されないとして、「安眠できる寝具がない。トイレが不足している。プライバシーが守られない。入浴できない。生活水が足りない。そして、温かな食事が提供されない」とその悲惨な実態を列挙します。
そして、一刻も早く「避難者を遠隔でも構わないから各種宿泊施設に移送するべき、他県の宿泊施設への避難などを迅速に実施するべきで、最優先で被災者の命と暮らしを守る政策対応を示すべき」と具体案を提示し、「この国では一般市民のために財政資金を使うという発想がない」、「財政資金は利権政治屋と利権官僚機構と癒着大企業が自分たちの利益のために使うもので、一般市民のためには1円も使いたくないというのが基本とされている」と批判します。
「袴田事件の教訓」の記事は、先の国会では、刑事訴訟法が改定されましたが最重要の事項についての法改正は実現せず法改悪だったと前置きし、これまで明らかにされてきた検察の不祥事を列挙しました。そして日本の検察にはその特権?を発揮することには何の躊躇もないというのが実態であるとして、下記の三つの事項を改革するだけで日本の刑事司法は一変すると断言します。
1.取り調べの全課程、全関係者に対する完全可視化
2.裁判所が再審開始決定を示した場合の検察の抗告権を認めないこと
3.証拠の全面開示の義務付け
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ゴマと国民は搾れるだけ搾れ
植草一秀の「知られざる真実」 2026年8月 7日
高市首相が8月3日に短時間、熊本の被災地を訪問した。
首相が訪問すれば余計な仕事が増える。現地は被災者支援で首相訪問に構う人的・時間的余裕などない。それでも、どうしても現地入りするというなら、意味のある行動を示すべきだ。
爆発したイオンモールや被災地に対して空調の効いた上空で手を合わせても何も伝わらない。伝える心がなければ地上でも何も伝わらないのは同じだが、空の上で手を合わせるのは「上から目線」そのもの。
撮影隊まで動員してプロモーションビデオを制作していることに批判が沸騰した。
地上に降りたなら、空調のない体育館の避難所に一定時間滞在して被災者の状況を体験しなければ被災者に寄り添う支援などできるわけがない。
空調の効いたオフィスで数分間対話しただけでは被災者の実情など分かるべくもない。
民放で被災者に地下水を配っている女性がインタビューを受けて、「何よりも避難所の水準が低すぎるのを何とかしてほしい」と訴えていたのが印象的だった。
安眠できる寝具がない。トイレが不足している。プライバシーが守られない。入浴できない。生活水が足りない。そして、温かな食事が提供されない。
避難所の国際基準であるスフィア基準を日本の避難所はまったく満たしてない。
何度大災害が発生して、市民が劣悪な避難所に閉じ込められて是正が主張されても、結局何も是正されない。
高市内閣は17分野に15年で370兆円ものお金を注ぐ方針を示した。そんな金があるなら企業に利権補助金としてバラまくのではなく、一般市民の命と暮らしを守るために使うべきだ。
40度を超える酷暑が記録される地の空調の効かない体育館に被災者を閉じ込めるのは殺人行為。
避難者を遠隔でも構わないから各種宿泊施設に移送するべきだ。九州全域が被災地になっているわけではない。
他県の宿泊施設での避難などを迅速に実施するべきだ。「予備費を使う」、「激甚災害に指定する」などの言葉を並べても意味がない。
最優先で被災者の命と暮らしを守る政策対応を具体的に示すべきだ。
要するに、この国では一般市民のために財政資金を使うという発想がないのだ。
財政資金は利権政治屋と利権官僚機構と癒着大企業が自分たちの利益のために使うもので、一般市民のためには1円も使いたくないというのが基本とされている。
消費税の話もまったく同じ。上場企業株式の3分の1は外資が保有。外資は法人税を払いたくない。その分を日本の庶民に押し付けるのが消費税。
富裕層は応能負担で所得税を払いたくない。金持ち優遇税制を温存するために庶民に負担を押し付けるのが消費税。だから、2年合計でたった10兆円の消費税減税なのにいちゃもんをつけまくっている。
日本政府が保有する米国国債を売れば60兆円の利益が出る。食品消費税率ゼロを12年実施できる財源になる。しかし、米国債売却は日本政府が米国政府に貸したお金の回収を意味するものだから米国政府がこれを許さない。
ベッセント財務長官が「日米協調介入」を主導したが、その真相を伝える解説は皆無。
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袴田事件の教訓
植草一秀の「知られざる真実」 2026年8月6日
袴田事件での無罪確定を背景に刑事訴訟法が改定された。
しかし、最重要の事項についての法改正は実現しなかった。法改悪だ。
検察不祥事が相次ぐ。しかし、検察の暴走を止める方策が取られない。
大阪地検では地検トップの犯罪が明るみに出た。
大阪地検のトップだった北川健太郎元検事正が準強制性交の罪で逮捕、起訴された。
被害者は部下だった女性検事。現在は「ひかり」の名で〝empathy″というタイトルのノートで記事を発信されている。
2024年10月25日の初公判で北川被告は起訴事実を認めて謝罪したいと述べた。
ところが、その2ヵ月後に無罪主張に転じた。第2回公判はまだ開かれていない。
ひかりさんは検察組織内のハラスメント実態調査や組織健全化のための第三者委員会の設置を求めている。しかし、検察は応じていない。
また、元東京地検特捜部の西田将仁検事は、自身が捜査に関わった事件の関係者(女性)と不適切な交際を持ち、取り調べ等の目的で公費(税金)により確保していた都内のホテルに女性を呼び寄せて性的行為に及んだとして2026年7月29日付で懲戒免職処分を受けた。
大阪地検特捜部が捜査した業務上横領事件の取り調べで「検察なめんなよ」などの違法な言動があったとして特別公務員暴行陵虐罪で審判に付された元大阪地検特捜部検事の田渕大輔被告の初公判が7月10日に大阪地裁で開かれた。
さらに、東京地検特捜部が手がけた刑事事件で不当な取り調べをしたとして、東京地裁は6月24日、元東京地検特捜部検事の堀木博司を特別公務員暴行陵虐罪で審判に付す決定を出した。
検察の不祥事、犯罪は枚挙に暇がない。しかし、検察の不正、犯罪を抑止するための制度改正は進まない。
大阪地検特捜部による元厚生労働省官僚の村木厚子さんに対する冤罪事件。
冤罪が明らかにされて検察改革が叫ばれた。
その結果として刑事訴訟法が改定されたが、大きな進展はなかった。
袴田巌さんの無罪が確定して再審制度に関する制度改正が論議されたが制度改正は実現しなかった。
大阪地検特捜部の証拠改ざん事件では特捜部長、特捜副部長、検事の3名に有罪判決が下され、1名は実刑になった。
この事件を契機に検察改革が叫ばれて2016年に法律が改定されたが大きな前進はなかったのだ。10年が経過して2026年に再び刑事訴訟法が改定されたが、今回も肝心な部分で「法改正」は実現しなかった。
重要な事項は三つ。
1.取り調べの全課程、全関係者に対する完全可視化
2.裁判所が再審開始決定を示した場合の検察の抗告権を認めないこと
3.証拠の全面開示の義務付け
この三つを実現するだけで日本の刑事司法は一変する。
逆に、この制度改正が断行されなければ、日本の刑事司法は暗黒の状態に据え置かれる。
刑事裁判の有罪判決が99.9%以上を占めると言われる日本の裁判所にあって、珍しく無罪判決を書くことに積極的だった裁判官として知られる木谷明元裁判官が昨年11月に亡くなられた。木谷氏は現役中に30件以上の無罪判決を確定させた実績を持つ。
その木谷明氏が編者となって編纂された『袴田事件の教訓 冤罪の予防・救済のために』https://www.iwanami.co.jp/book/b10166247.html が刊行された。
日本の刑事裁判に潜む問題を、袴田事件を素材にして、第一線の裁判官OB、刑事法学者が論じている。
その他、刑事裁判の合議自体に潜む問題についての座談会も収録されている。
同書の刊行を記念してシンポジウムが開かれる。
「刑事裁判と冤罪を考えるシンポジウム――袴田事件の教訓」 https://x.gd/4Oc2T
関心のある方には参加を呼びかけたい。
新著『日本経済の終宴』(ビジネス社) https://x.gd/yNOSpf を上梓しました。
サブタイトルは「絶頂株価後の最強投資戦略」
第1章タイトルは「高市持率工作(こうしじりつこうさく)」
高市暴政の真実を明らかにするとともに株価絶頂を予測し、絶頂株価後の投資戦略を提案する新著。
夏休みにぜひご高読をお願いします。
続きは本日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」第449号
「冤罪防止の決定的対策」 でご高読下さい。
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(後 略)