植草一秀氏の掲題の記事を紹介します。
11月3日に実施された米国中間選挙で共和党は下院で過半数を失っただけでなく、上院でも過半数を割り込むという大敗を喫しました。植草氏はトランプ共和党の敗因についてはかたっていませんが、世上ではトランプがネタニヤフに唆されて2月に突如始めた「イラン攻撃」によって、ディーゼル(軽油燃料)やガソリンなどが世界的に高騰し、米国民の反感を招いたことが大きいとされています。
植草氏は、中間選挙結果による三つの側面の変化を考察する必要があるとします。
具体的には下記です。
①「経済への影響」として、データセンター建設に対する急ブレーキが生じる可能性が高まることで、本年6月にかけてAI半導体関連株式の大暴騰が生じたものの、これが「バブル崩壊」の局面を迎えることになり経済金融市場に重大な影響を与えると見ています。
②「世界の戦乱拡大に対する影響」として、トランプは24年の大統領選に際して「戦争をやめさせる、戦争を起こさない」ことをアピールして当選したものの、トランプ2.0の現実は真逆で、2月末にはイランに軍事侵攻しましたが泥沼化し、ウクライナ戦争については大統領になれば瞬時に戦争を終結させると豪語しましたが、いまだに停戦すら実現していません。ガザの悲劇に対しても抑止力を発揮しませんでした。
トランプが戦争終結に向けて基本スタンスを修正するのかどうか注視しなければならないとします。
③は「米国外交の軌道修正が行われるのかどうか」であり、対中国、対ロシアでの融和路線を推し進めるのであれば、世界の平和と安定に資するので、この点に一定の期待感が残存するとしています。
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地滑り崩落したトランプ共和党
植草一秀の「知られざる真実」 2026年11月 4日
11月3日に実施された米国中間選挙でトランプ共和党が大敗した。
共和党は下院で過半数を失っただけでなく、上院でも過半数を割り込んだ。
上院では激戦7州=アラスカ、カンサス、テキサス、メイン、ミシガン、オハイオ、アイオワでの勝敗が焦点となったが、7州のすべてで民主党が勝利する見通し。
民主党の地滑り勝利である。
結果として民主党が上院でも過半数を占有することになった。
民主党が上下両院過半数を占有することにより、トランプ大統領の議会運営は極めて厳しいものになる。上下両院での法案可決が困難になる。
大統領には拒否権があるが拒否権を濫用すれば政治決定が滞ることになる。
下院は大統領弾劾訴追権を持つ。大統領弾劾の訴追が行われると議会は調査を行う。
この調査によって疑惑に対してメスが入れられる。このこと自体がトランプ大統領にとって打撃になる。
大統領弾劾は上院での3分の2以上の賛成が必要。現時点で大統領弾劾の可能性は高くないが、共和党上院議員の一部が造反すれば弾劾が成立する可能性も生まれる。
エプスタイン疑惑、不正金融取引疑惑が追及される可能性が高い。
また、重要人事の決定権を上院が握る。米国憲法は同一人物の大統領在職を2期までとしているため、トランプ大大統領が28年大統領選に出馬する可能性はない。
大統領任期は残り2年あるが、議会主導権を民主党が握ることになり、トランプ大統領の影響力が急速に縮小することになるだろう。トランプ大統領のレームダック化が急激に進行することになる。
トランプ共和党大敗を受けて大きな変化が生じる可能性が高い。
三つの側面の変化を考察する必要がある。
第一は経済への影響。
2025年から26年にかけて巨大なAIブームが広がった。
半導体需要が拡大するとともにデータセンター建設を中軸とする巨大投資計画が急拡大した。トランプ大統領はこの分野の投資拡大を積極推進するスタンスを示してきた。
しかし、米国内では急激なデータセンター建設に対する反発が広がってきた。
住民の反発の意向を受け止めたのが民主党。議会の上下両院過半数を民主党が占有したことを受けてデータセンター建設に対する急ブレーキが生じる可能性が高まる。
株式市場では本年6月にかけてAI半導体関連株式の大暴騰が生じたが、これが「バブル崩壊」の局面を迎えつつある。
このことが経済金融市場に与える影響は重大なものになる。
第二は世界の戦乱拡大に対する影響。
トランプは24年大統領選に際して「戦争をやめさせる、戦争を起こさない」ことを宣伝文句にした。このアピールに共感してトランプに投票した有権者が多い。
ところが、トランプ2.0の現実は真逆だった。本年初にベネズエラに軍事侵攻。2月末にはイランに軍事侵攻した。イラン戦争は早期停戦実現の可能性がありながら、米国が上げた拳の下ろしどころを見いだせず、泥沼化している。
ウクライナ戦争については、25年の大統領就任の瞬間に戦争を終結させると豪語したが、いまだに停戦すら実現していない。
ガザに対するイスラエルの軍事的暴走に対してもトランプは抑止力を発揮しなかった。
戦争を終結させるどころか戦争を創作して拡大させてきたトランプ大統領の行動が中間選挙での共和党大敗の主因になったと言える。
中間選挙を受けてトランプ大統領が戦争終結に向けて基本スタンスを修正するのかどうか。
破れかぶれになって戦乱を拡大させる暴挙に進まぬかどうかを注視しなければならない。
第三は米国外交の軌道修正が行われるのかどうか。
対中国、対ロシアでの融和路線を推し進めるのであれば、世界の平和と安定に資する。
トランプがレガシーを残すには外交の大転換が必要。この部分に一定の期待感が残存する。
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「湯の町湯沢平和の輪」は、2004年6月10日に井上 ひさし氏、梅原 猛氏、大江 健三郎氏ら9人からの「『九条の会』アピール」を受けて組織された、新潟県南魚沼郡湯沢町版の「九条の会」です。