2026年11月5日木曜日

軍事費70兆~80兆円も 政府・与党 現行計画の1・8倍案浮上

 しんぶん赤旗の2つの記事を紹介します。
 事情を知る2人の関係者が匿名を条件にロイター通信に語ったところによれば、高市政権が進める大軍拡計画において、27年度から5年間の「防衛力整備計画」に必要な経費を約2倍にする案が政府・与党内に浮上していることが3日までに分かりました。
「防衛力整備計画」は、今後5年間に導入する装備の数量と金額を示したもので、金額は年末の予算編成や安保3文書改定の中で変動はしますが、実現すれば27年度から5年間の軍事費は、現行計画(23~27年度)の約43兆円に比べて、約1・8倍の規模になります。
 ロイターによると、関係者の1人は為替市場で円安が進んだことで、円換算での装備調達コストがかさんでいるとの見方も示し、別の関係者は「最終的に70兆円台の半ばから後半でまとまる可能性がある」とし、東アジアの安全保障環境を考えた場合「さらなる積み増しも視野に、年末に向けて政府・与党内で議論する必要がある」と語り、80兆円台に到達する可能性も否定しませんでした。
 仮に軍事費がGDP比3・5%になれば、26年度名目GDP換算で年24・2兆円になり、国家予算の2割が軍事費になります。国民1人あたりだと年19万円、4人家族で76万円という、途方もない金額です。
 そんな莫大な財源が一体どこにあるというのでしょうか。財源については2番目の記事で検討していますが、何処から生まれてくるわけでもないので、国債に拠るか増税に拠るかしかありません。
 軍事費を国債に依存するのは財政規律違反だし、増税によるのであれば国民の窮乏は明らかに限度を超えます。
 高市氏はひたすら中国などを仮想敵国として国民に軍備拡張の必要性を強調しますが、それは真実なのでしょうか。「東アジアの安全保障環境を考えれば云々」といいますが、一体何処にそれ程の危機が存在するというのでしょうか。
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軍事費70兆~80兆円も 政府・与党 現行計画の1・8倍案浮上
                       しんぶん赤旗 2026年11月4日 


 高市政権が進める大軍拡計画に絡み、2027年度から5年間の「防衛力整備計画」に必要な経費を約2倍にする案が政府・与党内に浮上していることが3日までに分かりました。事情を知る2人の関係者が匿名を条件にロイター通信に語りました。
「防衛力整備計画」は、今後5年間に導入する装備の数量と金額を示したもので、防衛省の予算編成の指針となります。金額は年末の予算編成や安保3文書改定の中で変動しうるものの、実現すれば27年度から5年間の軍事費は、現行計画(23~27年度)の約43兆円に比べて、約1・8倍の規模になります。
 ロイターによると、関係者の1人は、増額を見込む予算が「大規模なドローン(無人機)の調達などに充てられる」との考えを示しました。また、為替市場で円安が進んだことで、円換算での装備調達コストがかさんでいるとの見方も示しました。別の関係者は「最終的に70兆円台の半ばから後半でまとまる可能性がある」とし、東アジアの安全保障環境を考えた場合、その規模で十分かどうかは疑問が残ると指摘。「さらなる積み増しも視野に、年末に向けて政府・与党内で議論する必要がある」と語り、80兆円台に到達する可能性も否定しませんでした。

 政府は従来、軍事費の目安を国内総生産(GDP)比1%以内とし、防衛省予算はおおむね5兆円以内で推移してきました。ところが、米政府の要求を受け、22年12月に決定された現行の安保3文書に、軍事費の2倍化=GDP比2倍化(約11兆円規模)を明記。26年度の防衛省予算は約9兆円にまで膨張し、違憲の敵基地攻撃能力である長射程ミサイルの導入などに費やされてきました。
 仮に今後の「防衛力整備計画」が80兆円規模に達すれば、防衛省予算は1年あたり16兆円規模になり、教育予算の3倍以上になる可能性があります。


「消費税減税」の一方「防衛増税」か 財源なき高市大軍拡
                       しんぶん赤旗 2026年11月4日
 1面報道(⇒上記記事 以下同)のように、高市政権は年末に予定している安保3文書の改定で、空前の大軍拡を計画しています。現行安保3文書に基づく長射程ミサイルや、F35ステルス戦闘機など米国製高額兵器の導入などに加え、「新しい戦い方」と称して、指揮統制システムヘの人工知能(AI)導入、攻撃型無人機(ドローン)の大量導入、武器の大量生産を可能にするための軍需産業支援などのため、軍事費を大幅に増やす狙いです。

■米国への「奉仕」
 政府は中国の軍事力増強を念頭に、「東アジアの厳しい安全保障環境」を軍拡の□実にあげますが、実際はトランプ米政権の要求に基づくものです。今年1月に公表された「国家防衛戦略(NDS)」は、軍事費の国内総生産(GDP)比3・5%、関連経費とあわせて5%を「世界基準」に設定して、すべての同盟国に達成を求めています。
 ヘグセス国防長官は10月28日、小泉進次郎防衛相との会談で、米中軍事対立の最前線である「第一列島線」を強化するため、日本に軍事費増額を公然と要求しました。トランプ政権は、米国の「西半球重視」を打ち出す一方、「対中国」ではインド太平洋の同盟国、とりわけ日本の負担増大を要求。ここに、大軍拡の根源的な要因があります。

■財源①-国債?
 仮に軍事費がGDP比3・5%になれば、2026年度名目GDP換算で年24・2兆円になり、国家予算の2割が軍事費になります。国民1人あたりだと年19万円、4人家族で76万円という、途方もない金額です。仮に、1面報道の年間16兆円規模であっても、26年度軍事費(防衛省予算)9兆円の1・8倍です。
 問題は財源です。そもそも、現行の「防衛力整備計画」で示された43兆円の財源自体、対象が不明確な「歳出改革」や「決算剰余金」、1回きりの財源である「防衛力強化資金」などを積み重ねており、不安定な構造です。しかも、大量の戦時国債で侵略戦争を誘発した戦前の教訓を踏みにじり、「軍事国債」にまで着手。現在、自衛隊の基地整備と艦船の建造は基本的に国債で賄われています。
 そこから、さらに軍事費を倍増させるのは容易ではありません。選択肢の一つは国債の増発です。しかし、安保3文書改定に向けた政府有識者会議の第5回会合(10月27日)
で、財務省は ①債務残高対GDP比が諸外国の2倍程度と高い ②普通国債残高は1000兆円を超え、利払い費も増えているーことなどをあげ、国債増発に否定的な見解を示しました。
 国債増発に踏み切れば円の信用が低下し、さらなる円安を招くことは避けられません。海外から購入する兵器の円価格が上昇し、軍事費のさらなる積み増しをもたらす悪循環を引き起こします。

■財源②-増税?
 社会保障費や教育費、農業予算など国民生活に不可欠な予算の圧縮や削減も当然、狙われます。しかし、こうした「歳出改革」には限界があります。そうなれば、増税以外に選択肢はありません。
 現在、政府内には法人税増税が選択肢として浮上してます。しかし、財界は反発日本経団連の筒井義信会長10月20日の記者会見で、設備投資や研究開発投資に水をさすとの見解を示しています
 では、庶民増税なのか。市政権は2年間の期限付で、食料品に限って消費税1%に減税する法案を提出ています。これ自体は2年に税率を現行の8%に戻す増税を前提にしており、とうてい物価高対策にはなりませんが、少なくとも「減税」を看板にした法案と並行して「防衛増税」を推進することはおよそ成り立ちません。
 軍拡の財源だけではありません。消費税減税も、「戦略17分野」への370兆円投資も財源を示していません。早晩、高市政権は深刻な矛盾に直面することは避けられません。