日刊ゲンダイが掲題の記事を出しました。
スーパーなどのコメの小売価格は、24年6月ごろまでは5kgあたり2000~2200円程度でしたがその後高騰し、24年10月には3700円台、24年12月には4000円台に急騰しました。
僅か半年で主食のコメの価格が倍増するなどは決してあってはならないことで、庶民が困窮したのはいうまでもありません。偏に自民党の農業(米作)無策の顕れというしかありません。
それでも石破内閣の小泉進次郎農水相は、備蓄米の放出などの対策に奔走しました。ところが25年10月に高市内閣に代わると、鈴木 憲和 農水相は「米価は市場の趨勢に任せるべきもの」として放置し、代わりに「お米券」なる珍妙な案を決めました。
しかしそれは国民のためではなく、いわばコメの販売の中間業者で自民党の票源である農協や日米連などを保護するものであったため、殆どの県はそれを採用せずに独自の対策を講じました。
そして今度はコメ余りの結果新米の方が古米よりもはるかに安いという 逆転現象が生じました。政府の農業無策がこうした形で顕れたわけです。
自民党が支持団体の農協や日米連の利益のため政策に固執する限り、米農家と国民の両方が満足できる米価問題の解決はあり得ません。
併せて同紙の記事「出口戦略なき「ガソリン補助金」に累計9兆円…血税垂れ流しの“無間地獄”」を紹介します。
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新米より古米が高い逆転現象…深刻な“親不孝相場”にコメ業界が悲鳴! 大量在庫の25年産米はどう処分するのか
日刊ゲンダイ 2026/08/27
間もなく新米シーズンが本格化するコメ市場で、異変が起きている。コメの集荷の際にJAから農家に前もって支払われる「概算金」が、各地で大幅に引き下げられているのだ。
JA全農にいがたは、2026年産の一般コシヒカリの1等米に対して、玄米60キロ1万8500円と提示した。昨年から4割もの値下がりだ。ほかにも、北海道ではななつぼしが1万7000円、岩手県ではひとめぼれが1万7200円、福井県ではコシヒカリが1万7000円などと、どれも昨年から4割以上の引き下げとなっている。
「概算金の大幅下落は、コメの民間在庫量が過去最大水準に膨れ上がっているのが原因です。コメがダブついているのです。さらに、今年は各地で豊作になるとの見方が強く、今後、需給が一層緩む可能性があります」(農水省担当記者)
その結果、新米より古米の方が価格が高い“逆転現象”が起こっている。古米となった2025年産米は、昨年の集荷シーズンに米価が高騰。集荷業者が高値で仕入れざるを得ず、現在でも値下げが難しくなっている。そのため、銘柄によっては今年の新米の方が古米より安価になる、いわゆる“親不孝相場”に陥っているのだ。
古米を売りさばくしか…
大量にある“高くて古い”古米を、どう売ればいいのか。コメ業界は頭を悩ませている。京都府舞鶴市の老舗米屋「まつもと米穀」の松本泰社長は、コメ業界の苦境についてこう話す。
「新米が続々と出荷されはじめ、25年産米が売れなくなっています。正直、妙案はなく、赤字を出しても損切りし、古米を売りさばくしか方法はありません。ただ、新米と同じ価格水準まで25年産米を値下げしたら大きな損失になるうえ、たとえ価格を下げても、恐らく多くの消費者は新米を選ぶはずです。他にできることといえば、安く仕入れたコメと25年産米を混ぜて原価を下げ、複数原料米(ブレンド米)として業務用などで安く売り出すくらいです」
それでも、経営の悪化は避けられない。
「新米と古米の価格がここまでハッキリと逆転するのは、私も見たことがありません。すでに多くの卸売業者は赤字を出しながら、25年産米を売っている。このままでは多くの業者が追いつめられ、倒産が相次いでしまう恐れがあります」(松本泰社長)
米価の乱高下に、コメ業界は振り回され続けている。
出口戦略なき「ガソリン補助金」に累計9兆円…血税垂れ流しの“無間地獄”
日刊ゲンダイ 2026/08/27
人気スナック菓子のキャッチコピーじゃないが、高市政権のガソリン補助金も「やめられない、とまらない」状態だ。高市首相は25日、ガソリン1リットルあたり170円程度に抑える補助金の支給継続を表明。財源である基金が9月にも枯渇する恐れがあるため、中東情勢等対応予備費(2・5兆円)を取り崩す。血税垂れ流しの対症療法に、一体いくらかかるか分かったもんじゃない。
与野党からは「補助見直し論」が噴出
最新の各社世論調査で物価高対策がまったく評価されていないことを気にしてか、高市首相は改めて「『物価高』への対応は、昨年10月の高市内閣発足以来の最優先課題」と強調。ガソリン補助がなければ「1リットルあたり約187円」と恩着せがましく訴えたかと思えば、「高市内閣の措置によってガソリン価格は、8月17日時点で169.8円と、日米欧の中で日本が一番安価な状況」と胸を張った。
しかし、与野党から「補助見直し論」が噴出しているにもかかわらず、出口 戦略は描けないまま。高市首相は「措置の出口を含め、支援の存り方については柔軟に検討する」と言うにとどめたが、ガソリン補助金につぎ込まれた予算は3~7月の5カ月間で約1兆円。当初に積まれた基金約1兆1600億円から随分と派手に使ったものだ。
政府がガソリン補助金を始めたのは、ロシアがウクライナに侵攻する直前の2022年1月。そこから今に至るまで実に9兆円超ものカネをつぎ込んできたことになる。
「現状のガソリン1リットル170円を維持し続けるのは、かなり無理があります。毎月数千億円も補助金に支出しながら、来年4月には財源すら不確かな食料品の消費税減税を強行するつもりなのでしょうか。いい加減、出口戦略を模索しなければなりません。現在、原油価格は1バレル=85ドル程度。米国のイラン攻撃直後よりも落ち着いてきているので、この水準であればガソリン価格を1リットル175~180円に切り上げてもいいのではないか。再び1バレル=110ドルになるようなことがあれば1リットル170円に戻せばいい。いずれにせよ、補助縮小は避けられないでしょう」(ABC経済研究所・熊野英生代表エコノミスト)
コスト増を借金で穴埋め
打ち出の小づちでもあれば話は別だが、原油の輸入コストは膨れ上がっており、このままガソリン補助を続ければ、さらに財政を圧迫するのは間違いない。ただでさえ、ガソリン補助金の財源を含む今年度の補正予算3.1兆円の財源は赤字国債頼み。割高な米国産原油への代替調達を進めた結果、足元の原油輸入額は前年のほぼ倍に達し、ガソリン補助金にかかる経費は青天井だ。コスト増を借金で穴埋めする、出口なき無間地獄である。コネクトエネルギー合同会社CEOの境野春彦氏が言う。
「資源に乏しい島国の日本はエネルギーを海外に頼らざるを得ないのに、高市政権は需要抑制を呼びかけるどころか、普段通りの使用を奨励しました。『エネルギーは大切に使う』という当たり前の意識にすら欠ける。ある官僚は補助金政策を『絵面として分かりやすい』と言ってはばかりませんが、最終的に負担を国民に付け替えているだけ。政権のやってる感の演出に過ぎない人気取りのために、国民は将来どれだけのツケを払わされるのでしょうか」
物価高に拍車をかける原油調達のコスト増に、高市首相は補助金以外に打つ手がない。外交も金融・財政政策もダメダメなクセに自分を良く見せることだけに必死では、国民生活は一層汲々とするばかりだ。
「湯の町湯沢平和の輪」は、2004年6月10日に井上 ひさし氏、梅原 猛氏、大江 健三郎氏ら9人からの「『九条の会』アピール」を受けて組織された、新潟県南魚沼郡湯沢町版の「九条の会」です。
2026年8月31日月曜日
新米より古米が高い逆転現象~にコメ業界が悲鳴! 大量在庫の25年産米はどう処分するのか
高市首相の「ゴキブリ投稿」に海外メディア嘲笑!(日刊ゲンダイ)
高市首相は特別国会終了後は個人ベースのX投稿を繰り返しているようです。国会開催中には異常なほど出席を忌避し記者会見も全くというほど行いませんでしたが、昨年10月に首相に就任してからも1日2件程のペースでXに投稿してきたということです。
それが高市ファンに熱く支持されて高支持率を維持して来たようなのですが、前述した国会対応への違和感や猛烈な物価高騰などから、7月に入ると各紙の内閣支持率調査で一斉に急下落しました。
高市氏は“お盆休み”の8月14日は終日公邸にこもり、突如Xに長文5本を連投し物価高対策に「最優先で取り組んできた」などと“成果”を訴え、文字数は計約3000字に及びました。そして週末の21~23日には 3日間で11件ものXを投稿しました。
いずれも支持率下落の挽回を図るためと思われ、政権の取り組みに関するものがメインなのですが、21日には突然 自身の誹謗中傷動画疑惑&サナエトークンに対して釈明する1000字オーバーの長文が投稿されました。
そして翌22日には公邸暮らしをつづり、「ゴキブリに会って叫び声を上げ」たことなどを投稿したので、読者からは、〈暇なのか〉〈どうでもいい話〉といったコメントが相次いで「炎上した」ということです。
この投稿が英保守系高級紙のオンライン版「ザ・テレグラフ」の目にとまり、「日本の首相、孤独のあまりゴキブリと友だちになった」と24日、強烈な見出しで高市首相のゴキブリ投稿を皮肉まじりに伝えたということです。
そして公邸に最小限のスタッフを呼んで働いているとの首相のX投稿も紹介し、「一人で働くことを好む姿勢も明確にしてきた」と強調。週末や祝日の半分以上を公邸で過ごしていることも報じました。そしてホワイトハウスでトランプに会った時の「夕食会で踊り狂った」写真も添えられたようで、高市氏が奇異な人物と見られていることは間違いなさそうです。
日刊ゲンダイの2つの記事を紹介します。
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高市首相の「ゴキブリ投稿」に海外メディア嘲笑! キモ画像とペアで猛拡散され世界の恥に
日刊ゲンダイ 2026/08/28
(英文の訳)
日本の首相は、長時間の執務中に意外な相棒がいることを明かしました。それはゴキブリです。
高市早苗首相は、公邸からゴキブリを駆除した後、「少し寂しい」と感じたと語りました。ゴキブリは輪廻転生の一部かもしれないと思ったからだそうです。
高市首相の顔が“友だち”とペアで世界中に猛拡散だ。高市首相が22日、自身のXに唐突に投稿した「官邸ゴキブリ事件」を英大手紙が皮肉まじりに取り上げると、他国のメディアも追随。「日本の首相がゴキブリと友だちに」という世にも奇妙な物語として独り歩きし、海外のSNSではゴキブリの「キモ画像」と一緒に高市首相が紹介される事態を招いているのだ。
「日本の首相、孤独のあまりゴキブリと友だちになった」──。24日、強烈な見出しで高市首相のゴキブリ投稿を引用して伝えたのは、英保守系高級紙のオンライン版「ザ・テレグラフ」だ。公邸に最小限のスタッフを呼んで働いているとの高市首相のX投稿も紹介。「一人で働くことを好む姿勢も明確にしてきた」と強調し、週末や祝日の半分以上を公邸で過ごしていることも報じた。
その上で公邸に現れたゴキブリを殺せない高市首相に代わってスタッフが駆除した後、高市首相が〈少し淋しいような、悲しいような…〉とXにつづった情緒的な一文をとらえ、「SNSへの率直な投稿で、トップの座にいることの孤独を吐露した」と結びつけた。ゴキブリを殺せない話が、すっかり“盛られ”て高市首相の孤独を象徴するエピソードにすり替わっている。
しょーもない話で日本の恥に
記事を紹介したX投稿は800万超のインプレッション(表示回数)を記録。すると、海外の名だたるメディアもこのネタに一斉に食いついた。「高市首相がゴキブリを退治した後、『孤独』を感じたと語りました」といった調子で報じたのは、ネット文化に特化した世界有数のニュースサイト「デクセルト」(英国)、ベラルーシ発祥で現在はポーランドに拠点を移した独立系有力メディア「ネクスタ」、米国のヒスパニック系メディア「UHNプラス」など。
記事紹介のX投稿には決まって高市首相の顔写真と共に「友だちになった」ゴキブリの画像が掲載され、それぞれのインプレッション数は10万弱から160万強。コメントも〈彼女は正気ではない〉〈前世はゴキブリだったのかもしれない〉〈哀れな女性〉など散々で、この逸話をおちょくるAI生成動画やイラストも大量に出回る始末だ。
しょーもない“つぶやき”のせいで世界の笑いものになった孤独な首相は、国民にとっても恥である。
止まらない高市首相SNS発信に官邸総動員の実態…この週末は3日間で11連投も「ゴキブリ」投稿で大炎上
日刊ゲンダイ 2026/08/24
SNSにやたらめったら、鬼のような連続投稿を繰り返している。
この週末(21~23日)、高市首相が自身のXに11件ものポストを投稿した。政権の取り組みに関する内容がメインだが、21日には突然、自身の誹謗中傷動画疑惑&サナエトークンに対して釈明。1000字オーバーの長文だ。さらに22日には、公邸暮らしをつづり、「ゴキブリに会って叫び声を上げてしまいました」などとノンキに投稿。しっかり炎上し、〈暇なのか〉〈どうでもいい話〉といったコメントが相次いでいる。
高市首相は昨年10月の首相就任以降、1日2件程度のペースでXに投稿してきた。様子が変わったのが、今月14日の“お盆休み”から。この日は終日公邸にこもっていたが、突如、Xに長文5本を連投し、物価高対策をアピール。「最優先で取り組んできた」などとして“成果”を訴え、文字数は計約3000字に及んだ。
しかし一方的な発信の評判は悪く、〈冗長〉〈自分で書いてなさそう〉〈会見でそれを説明して質問に答えてください〉との批判が寄せられている。
結局、高市首相はこの日から23日までの10日間で、Xに37件のポストを残した。
「高市さんの投稿には、個人的なエピソードなど本人が書いたとおぼしき内容もありますが、言い回しが極めて公文書的だったり、各省庁の担当部署から集めた原稿、いわゆる『短冊』をツギハギしたような投稿もある。後者は官邸スタッフが用意したと考えられます。特にこちらは、ダラダラと長文かつ、霞が関用語ばかりで読みづらい。“裏方”の苦労は垣間見えますが、広報のやり方としては、ちょっとガッカリですね」(霞が関関係者)
高官が記者に関連資料まで配布
“追及嫌い”の高市首相は近年の歴代首相と比較しても、報道陣の取材に応じる時間が少ない。一方、高市首相側近の佐伯耕三内閣広報官は、「内閣広報官(色々投稿試し中)」なるXアカウントを新設。報道への牽制や空気を読まない実績アピールを繰り返し、高市首相のXと同様、こちらもしばしば炎上している。
「先日は首相に近い政府高官が、14日の『物価高対策』をアピールしたX連投に関する補足資料を、わざわざ官邸記者に配っていました。佐伯さんを筆頭に、官邸スタッフは皆、高市さんのフォローに必死です。とはいえ、霞が関官僚の間では、『これまでの政権と比べ、広報体制があまりにセンスがない』と、ヒンシュクを買っています」(大手メディア官邸番記者)
官邸総動員で、高市首相のX鬼連投を全力バックアップ。こんなことが、本当にわれわれの血税を注ぐ官邸の仕事なのか。
アメリカはカナダとの「貿易戦争」に勝利できるのか?
「マスコミに載らない海外~」に掲題の記事が載ったので紹介します。
トランプは8月22日にカナダとの貿易交渉が決裂した後、約200億ドル相当のカナダ製品に50%関税をかけると宣告しました。最も緊密な経済パートナーのカナダに対するこの高関税はカナダ側を困窮させると思ったようですが、カナダは直ちに9月8日から米国製品に同額の関税を、即ち主に鉄鋼製品で200億ドル相当の米国製品に幅広い関税を 課すことで応じました。
多くのカナダ産業は何十年にもわたり米国市場への参入を前提として生産体制を構築してきたので、当然それなりの対応が必要ですが、新たな貿易先には中国、インドをはじめオーストラリア、日本を含む東南アジアなどがあるので、今後10年間で米国以外への輸出を倍増させ、推定3,000億カナダドルの追加貿易を生み出す貿易多角化戦略を構築しています。
実際にカナダの26年貿易状況報告書によると、25年の対米輸出は3.7%減少したものの、米国以外の市場への輸出は11.1%増加し、その結果、米国以外の輸出先の比率は32.8%に達し、40年以上ぶりの高水準となったということです。
トランプによる対カナダ高関税作戦は、カナダが米国への依存から脱却する代替策を構築し、これまでの米国市場中心の貿易体制を永久に変えることを促す結果になりました。
と同時に カナダ側が米国との貿易を排除しないのは当然のことです。
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アメリカはカナダとの「貿易戦争」に勝利できるのか?
マスコミに載らない海外記事 2026年8月30日
サルマン・ラフィ・シェイフ 2026年8月27日
New Eastern Outlook
ワシントンはカナダに更なる負担を強いることができるかもしれないが、最大の市場を武器化して、最も緊密な経済パートナーのカナダに対し、アメリカへの依存から脱却する代替策を構築し、アメリカ市場の中心性を永久に変えるよう促している。
ワシントンの予想より早くカナダは適応している
アメリカ・カナダ貿易紛争最新のエスカレーションは、世界で最も緊密に統合された経済の二つが関与しているため、まさに注目に値する。ほんの数年前まではこのような事態は予想されていなかったため、この展開は驚くべきものだ。8月22日、貿易交渉が決裂した後、約200億ドル相当のカナダ製品に50%関税をワシントンは課した。オタワは9月8日からアメリカ製品に同額関税を課して応じた。8月25日、カナダは主に鉄鋼製品で200億ドル相当のアメリカ製品に幅広い関税を課すと発表した。
彼らはアメリカとの関係を断つ必要はない。将来の経済的圧力に耐えるのに十分な代替市場さえあればよい。
この戦争で、カナダが代償を払うのは疑う余地がない。カナダはアメリカからの輸入が輸出を上回っており、経済は依然、アメリカに大きく依存している。多くのカナダ産業は、アメリカ市場への参入を前提として何十年にもわたり生産体制を構築してきた。例えば、カナダ製自動車の90%以上、カナダ製自動車部品の60%以上がアメリカに輸出されている。だが、まさにこの脆弱性こそが、カナダの対応を重要なものにしている。オタワは単にワシントンに旧来の関係を回復させようとしているのではない。旧来の関係が二度と戻ってこない可能性に適応しようとしているのだ。マーク・カーニー首相はこの点、異例なほど明確に述べている。最新の交渉決裂を発表した際、カーニー首相は、カナダは「アメリカは変わった」と認識しており、国際的協力関係を多様化しつつ、国力強化に注力していくと述べた。
この戦略は既に目に見える変化をもたらしている。カナダの2026年貿易状況報告書によると、2025年の対米輸出は3.7%減少したが、アメリカ以外の市場への輸出は11.1%増加した。その結果、アメリカ以外の輸出先の比率は32.8%に達し、40年以上ぶりの高水準となった。これはカナダがアメリカを置き換えるという意味ではない。また、すぐにそうなることもできない。アメリカの需要、地理的条件と、深く統合されたサプライチェーンは、欧州やアジアが一夜にして再現できない優位性をアメリカに与えている。だが、カナダの目標はより現実的なものになりつつある。アメリカを置き換えるのではなく、アメリカをそれほど不可欠な存在ではなくすることだ。
オタワの貿易多角化戦略は、今後10年間でアメリカ以外の輸出を倍増させ、推定3,000億カナダドルの追加貿易を生み出すことを目指している。カナダは既存貿易協定を通じて既に15億人の消費者に優遇的に参入しており、市場参入を更に拡大しようとしていると述べている。これがワシントンにとっての戦略的問題だ。関税は今日のカナダの輸出費用を上昇させることはできるが、カナダ企業が明日新たな顧客を獲得するのを阻止することはできない。
市場はカナダの動きを待っている
最も明白な恩恵を受けるのは、カナダの貿易多角化に伴い、その一部を受け入れることができる経済圏だ。中でも中国は特に重要だ。オタワはアメリカへの依存を北京への依存に置き換えるつもりはない。だが、アメリカ・カナダ関係の悪化は、カナダが世界第二位の経済大国、中国との商業関係を深める動機を生み出している。
その過程は既に加速している。1月、カーニー首相は北京を訪問した。これは2017年以来のカナダ首相による初訪問で、貿易、エネルギー、農業、クリーンテクノロジーに焦点を当てた中国との新たな戦略的協力関係を構築した。オタワは、2030年までにカナダの対中輸出を50%増加させる目標を設定した。また両国は、カナダ産キャノーラ、海産物、その他の輸出に対する障壁削減を目的とする協定もまとめ、数十億ドル規模のカナダ輸出受注が実現する可能性もある。だが中国は唯一の輸出先ではなく、この点が重要だ。カナダの戦略は代替ではなく多様化だ。
ヨーロッパは明白な代替選択となる。2025年には、カナダのヨーロッパおよび中央アジアへの商品輸出額は223億ドル、つまり30%増加した。カナダのアメリカ以外の輸出実績の向上に大きく貢献したのは、イギリスと欧州連合だった。
インド太平洋地域は、更に大きな影響力を持つ可能性を秘めている。カナダは既にCPTPP(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)を通じて、日本、オーストラリア、ベトナム、マレーシア、シンガポールなどの市場への優遇参入を確保している。カナダとインド太平洋地域間の双方向商品貿易額は、2025年には2,814億カナダドルに達し、7.4%増加すると予測されている。
インドは、またとない大きな可能性を秘めている。急速に拡大する経済と広大な消費市場を持つインドは、長期的に見てカナダの輸出を大幅に吸収できる可能性を秘めた数少ない国の一つだ。そのためカナダは、将来を一つの新たな同盟国に賭けるのではなく、複数の地域で同時に関係を構築しようとしている。これが、貿易戦争が北米を遙かに超えた地域に影響を及ぼす可能性がある理由だ。
数十年にわたり、カナダの地理的条件は、アメリカとの極めて緊密な経済関係を促してきた。理由は単純明快だった。世界最大の市場が国境のすぐ向こうにあるのに、わざわざ遠くの顧客を探す必要はないというわけだ。だが、ワシントンはこの計算を変えた。中国、ヨーロッパ、インド、あるいはアジアに顧客を持つカナダ企業は、アメリカ・カナダ関係が改善しても、必ずしもそれら顧客を手放すわけではない。新たな契約、物流ネットワーク、投資関係、流通チャネルは、今後数十年にわたって続く経済習慣を生み出す。皮肉なことに、アメリカは自らの市場支配力を利用して、カナダにその市場支配力に対抗する代替策を開発させようとしているのだ。
アメリカの戦略的誤算
これが、アメリカが必ずしも勝利するとは限らない理由だ。ワシントンの方が有利な立場にある。経済規模は遙かに大きく、オタワでは対抗できないような代償をカナダ輸出業者に課すことが可能だ。しかし、経済力は、他国が自国市場参入から何を得るかだけでなく、どれだけ自国市場に依存し続ける意思があるかにも左右される。
数十年にわたり、アメリカの巨大消費市場はワシントンに並外れた影響力をもたらしてきた。だが、市場へのアクセスが予測不可能になれば、依存は弱点になる。カナダは代替市場の構築で対応しており、他のアメリカ同盟諸国も動向を注視している。彼らはアメリカとの関係を断つ必要はなく、将来の経済的圧力に耐えうる十分な代替市場を確保すればよい。
その結果、グローバル化は多極化する可能性があり、すなわち、各国はアメリカとの貿易を継続しつつ、同時に中国、欧州、インド、インド太平洋諸国との関係を深めていくことになろう。カナダは初期の試金石になる。カナダ経済は打撃を受け、多角化には時間がかかるだろうが、方向性は明確だ。オタワは、より強靭な経済を構築し、特定同盟国への依存度を下げようとしている。
これが今回の貿易戦争の逆説だ。アメリカはカナダに市場参入費用の値上げを強要するできるが、カナダをアメリカへの依存状態に留めおくのは容易ではない。カナダの経済多角化がたとえ部分的にでも成功すれば、ワシントンは貿易戦略の最大の代償は関税そのものではなく、かつて関税を強力なものにしていた依存関係が徐々に崩壊していくことにあると気づくかもしれない。
サルマン・ラフィ・シェイフは国際関係およびパキスタンの外交・国内問題リサーチアナリスト
記事原文のurl:https://journal-neo.su/2026/08/27/can-america-win-trade-war-with-canada/
31- 「路上のラジオ」資料の紹介(ファンクラブニュース第30号)
「路上のラジオ」(主宰者・西谷文和さん)から送られてきた資料を預かりましたので紹介します。
1.主宰者・西谷文和さんの挨拶状
路上のラジオに募金していただいたみなさん ラジオを間いてくださり、そしてご支援をいただきありがとうございます。 |
2.路上のラジオ ファンクラブニュース 26.8.8 第30号(全4頁)PDF版
ファンクラブニュース第30号の主なテーマは
・焦る吉村、墓穴掘る高市
・ピンチをチャンスに変える時
・「編集長より」/「編集後記」
です。
下記をクリックするとご覧になれます。2頁以降は画面を下にスクロールするとご覧に
なれます。
本文4頁 PDF版
https://drive.google.com/file/d/1pF81DItxa7douZp_9dRo2RN70Z3Znsj8/view?usp=sharing
(今回は講演会や新刊書の紹介等はありません)
2026年8月29日土曜日
脇に置かれる被災者支援(植草一秀氏)
植草一秀氏の掲題の記事を紹介します。
熊本地震では 人的被害は死者38人を含め計402人、住宅被害が推計で4万2222棟、避難者は最大で1万人を超え、現在も2460人が避難生活を送っていています。
こうしたなかで高市内閣は旅行支援事業として「九州ふっこう応援割」を10月からはじめると発表しました。
その内容は 「旅行・宿泊料金の割引率を熊本、鹿児島両県は6割、九州の他の5県は5割とし、地震で被害を受けた旅館の修復等にかかる資金について融資が行われるように特段の配慮を行う」というものです。
要するに被害を受けた一般市民は放置され(住宅が全半壊して片付けもしなければならない)、代わりに観光業界への財政資金投下が最優先で実施されるので、その恩恵を受けるのは「有力旅館」と「時間と金のある富裕層」=いわば自民党支持層が潤う訳です。
「こんな災害復興策が正しいと言えるのか」と植草氏は告発します。
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脇に置かれる被災者支援
植草一秀の「知られざる真実」 2026年8月28日
熊本地震が発生して1ヵ月が経過した。地震は7月28日午後4時27分ごろに発生。
熊本県宇城市や氷川町で最大震度7を観測。人的被害は死者38人を含め計402人。
熊本県嘉島町所在のイオンモール熊本では爆発事故が起きて店舗従業員7人が死亡。
八代市所在の日本製紙八代工場では高さ80メートルの煙突が倒壊して社員ら9人が亡くなった。
10年前の熊本地震では災害関連死が223人に達し、直接死の4倍以上になった。
今回は、現時点では災害関連死が2人にとどまっている。
鉄道の運休が続いているが九州新幹線は9月18日に全線で運行を再開するとJR九州が発表した。道路では九州道が8月中旬に全線で通行を再開した。
住宅被害が推計で4万2222棟。
避難者は最大で1万人を超え、現在も2460人が避難生活を送っている。
日中気温が40度を超すような酷暑日も観測されており、避難所での居住環境の劣悪さが心配される。民間の宿泊施設を一時的な避難先とする2次避難については希望総数の3割程度しか決まっていない。
こうしたなかで高市内閣は旅行支援事業を打ち出した。
金子恭之国土交通相は8月28日の記者会見で、熊本地震で打撃を受けた観光の復興に向けた「九州ふっこう応援割」を10月から始めると発表した。
旅行・宿泊料金の割引率を熊本、鹿児島両県は6割、九州の他の5県は5割とするとした。
能登地震の際も同じだが、自民政権は有力旅館の支援を最優先する。地震で被害を受けた旅館の修復等にかかる資金について融資が行われるように特段の配慮を行う。
真っ先に観光業界の有力企業支援が行われる。他方、被害を受けた一般市民は放置される。
自宅が被害を受けて住宅が全半壊して片付けもしなければならない。
能登半島地震では水道の復旧はあとまわしにされ、やっと水道が復旧しても敷地内の工事は各自の負担に任されるため、被災から1年経っても自宅で風呂に入れない市民が多数取り残された。
そもそも避難所の居住環境が劣悪。国際的には「スフィア基準」と呼ばれる標準水準が定められている。被災者の人権を守るための最低限の水準を定めたもの。日本の避難所のレベルはスフィア基準をはるかに下回る。一般市民は棄て置かれるのである。
ところが、観光業界への財政資金投下は最優先で実施される。
能登地震の際もそうだったが財政資金を投下しての「旅行支援」が展開される。
この財政資金バラマキで恩恵を受けるのは 有力旅館 と 時間と金のある富裕層。
能登地震の場合、被災地の旅館は営業することすら不可能だったから、被災地以外の旅館等への旅行が財政資金投下の対象になる。広域に対象が設定され、地震で被害をまったく受けていない旅館が財政資金投下で潤うことになる。
旅行支援が定額で実施されず、定率で実施されるから、補助利用者は高級旅館に殺到する。
巨大な財政資金は高級旅館を中心に投下される。これらの高級旅館が自民党と癒着しているのだ。
旅行支援を利用できるのは時間と金を持て余した富裕層が中心。
こんな災害復興策が正しいと言えるのか。
政治利権丸出しの旅行支援はコロナから始まった。
Go to Travelと銘打たれたが、実態はGo to trouble=トラブルだった。
旅行支援の前に被災者支援ではないのか。
すぐに「ボランティア」が叫ばれるが、災害復興活動こそ国費を投入して国と自治体の責任で実行すべきである。
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