2012年7月31日火曜日

東海第二原発の運転差し止め訴訟が起こされました


731日、茨城県東海村の東海第二原発運転差し止め訴訟が出されました。
「二度と子どもたちを被曝させてはならない。危険な原発を止めなくては」を合言葉に、常総生活協同組合が中心となって原告を募り、原告団266人に加えて、原告に加わらないものの協力する「賛同者」も450人に膨らみました。
訴状は原告団と、弁護士66人からなる弁護団が共同で作り、原告団の強い要望に沿って、「なぜ訴訟を起こすのか」という、提訴に至った理由を訴状の前半の柱に据えたということです。 

 なお今年になってから提訴された原発運転差し止め訴訟は以下の5件があり、東海第二原発は6件目となります。
131日 九州電力 玄海原発 14号機、
328日 四国電力 伊方原発 13号機、
423日 東京電力 柏崎・刈羽原発 17号機、
530日 九州電力 川内原発 12号機 
626日 北陸電力 志賀原発 12号機 
 


 以下にNHKのニュースWeb版及びしんぶん赤旗の記事を紹介します。

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東海第二原発 運転差し止めなど求め提訴
NHK NEWS Web 2012731 1847 

茨城県東海村にある東海第二原子力発電所は、半径30キロ圏内の人口がおよそ100万人と全国の原発で最も多く、事故の際に一斉に避難することは不可能だなどとして、茨城や東京の住民らが事業者の日本原子力発電と国に対して、原発の運転差し止めや原子炉の設置許可を無効とすることなどを求める訴えを水戸地方裁判所に起こしました。 

訴えを起こしたのは、茨城や東京、千葉などの住民や農家ら266人です。
訴えの中で原告は、東海第二原発から半径30キロ圏の市町村の人口は106万人と、東京電力福島第一原発のおよそ2倍に当たり、全国の原発で最も人口が過密で、事故の際に一斉に避難するのは不可能だと指摘しています。
そのうえで、東海第二原発が耐震性の前提として想定している地震は東日本大震災の規模を下回り、想定を超える巨大地震や津波が起これば甚大な被害が発生するおそれがあるとしています。
さらに、運転開始からまもなく34年と老朽化が進み、地震で重大事故に至る可能性があるとも指摘し、日本原子力発電に対して東海第二原発の運転差し止めを、国に対して設置許可を無効にすることなどを求めています。
これに対して日本原子力発電と国の原子力安全・保安院はいずれも、「現時点では訴状が届いていないため、コメントは差し控えさせていただきたい」としています。 

◆原告団“どんな方法でも廃炉に”
原告団は提訴に先立って水戸市内でデモ行進を行いました。
原告団の住民らおよそ200人は水戸地方裁判所までの国道をデモ行進して、「原発のない社会を作ろう」とか「東海第二原発の運転再開を認めない」などと訴えました。
提訴のあと、原告団は記者会見を開きました。

原告団の1人で東海村の村議会議員の相沢一正さんは「これまで東海第二原発の廃炉を求める署名運動も行ってきたが、政治的な働きかけだけでなく、司法の場での解決も目指し、どのような方法によっても廃炉にしたい」と話しました。
また、河合弘之弁護士は「福島第一原発の事故の被害は非常にショッキングなものであり、こうした訴訟に対する裁判官の考え方も変わってきているので、勝てる見込みはある」と話しました。

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東海第2原発 運転差し止め・廃炉に 水戸地裁 住民266人が提訴
     しんぶん赤旗 201281() 

 茨城県の日本原電東海第2原子力発電所(東海村)の再稼働許すなと31日、同県と東北、首都圏などの住民266人が運転差し止めや廃炉などを求め水戸地裁に提訴しました。訴訟団は原告団に加え弁護団71人、賛同会員492人の800人を超えました。 

 訴訟は北海道の泊原発や鹿児島県の川内原発など、全国で取り組まれている差し止め訴訟に連携したもの。原告住民らは訴訟に先駆け、東海第2原発の再稼働停止と廃炉を求める署名17万人分を県に提出しています。
 訴状では、住民の避難や放射能汚染など大きな被害をもたらした福島第1原発事故の実態をあげ、東海第2原発の原子炉設置を許可した国の安全審査が不合理で誤り・欠陥があること、東海第2原発の施設の老朽化や地震・津波で大きな事故の危険があることを指摘。(1)国による東海第2原発原子炉設置の許可(1972年)を無効だと確認する(2)国が東海第2原発の使用停止を命じる(3)日本原電は東海第2原発の運転をやめる―ことを求めています。 

 記者会見で弁護団共同代表の河合弘之弁護士は、東海第2原発が事故を起こせば、政治・経済の中心である首都圏に壊滅的な影響があることや、茨城沖で巨大地震が起きる可能性があると説明。「『原子力ムラ』が大飯原発再稼働など押し返すなかで起こした訴訟であり、歴史的な意義がある。あの事故は国民の安全神話への認識を変えた。必ず勝てるたたかいです」と訴えました。