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スーパーなどのコメの小売価格は、24年6月ごろまでは5kgあたり2000~2200円程度でしたが、その後24年10月には3700円台、24年12月には4000円台に急騰しました。別に不作のためではなく、同年の作況は「やや良」でした。
従ってこの急騰は、農協や中間販売業者の「思惑」によってひき起こされたもので、こうした投機的な行為は、主食の「コメ」では絶対に許されないことです。しかし高市内閣はこの間何の対策も講じませんでした。
その結果 国民の買い控えによるコメ余りで、26年度の農水省所管の米穀機構が示す指標で、米価は60キロ2万535円(⇒精米5キロ2816円)に下落しましたが、実際の買い取り価格はこの最低ラインすらも大きく下回っているということです。
ではどうすべきなのか。鈴木宣弘東大教授は「消費者は5キロ2500円の米が欲しいが、農家は5キロ3500円を超えないとやっていけない現実がある。農家に作るなと言うのではなく、作ってもらったうえで政府が補償することが必要です」、「生産量を抑えて需給を合わせるのではなく、政府が需給と価格の両方に責任を持ってその差額を負担する。こうした価格支持政策をアメリカやEUなど多くの国はやっているのに日本だけがやってない」と述べます。高市内閣は直ぐにも実施すべきです。
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コメ農家「ひどいな、めちゃくちゃだよ」 新米コシヒカリ「4割安」に 消費者も「米価急落」を歓迎しきれない切実な理由
AERA 2026/09/04
8月下旬、都内のスーパーには新米が並び始めた。「ふさこがね」は精米5キロ2500円ほどだった。「安い」と喜んでいる間に、来年また品薄と価格急騰を招く恐れがある。なぜか。
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買い取り価格下がり続けた
千葉県匝瑳(そうさ)市。太平洋・九十九里浜に面した栄営農組合の約120ヘクタールの水田では、「ふさおとめ」「ふさこがね」の収穫が進む。同組合の伊藤秀雄顧問は、開口一番、こう言った。
「今年はひどい目に遭ったですよ」
ひどい目とは、先日千葉県を襲った豪雨でも夏の猛暑のことでもない。米の「価格」のことだ。
収穫が始まるとともに、記録的な高値だった昨年から急転、JAが示す買い取り価格は下がり続けた。JAちばみどりが示したふさおとめの買い取り価格は、8月17日の第1報で60キロ1万5000円。それが24日に1万4500円、27日には1万4000円まで下がった。10日で1000円の下落だ。
伊藤さんによれば、昨年は様相がまるで違った。同じ品種で、JAは収穫開始時に60キロ約2万7000円を提示し、わずか5日後に約2000円値上げした。民間の集荷業者はさらに強気で、3万円を超える価格を提示してきた。今年の倍以上だ。
「昨年と今年の価格を平均すれば、ちょうどいい価格になるんでしょうね。昨年は異常な高値で、今年は異常な安値だから」(伊藤さん)
全国各地で安値、半値以下に急落も
「異常な安値」は全国各地で起きている。
米価は、JAが収穫期に農家へ提示する「概算金」や「買い取り価格」に左右される。最終的な販売価格が固まった後に精算する前払いが概算金、その場で決着するのが買い取りで、方式は違っても、その年の米価の基準になる。
全国的な指標とされる新潟県産コシヒカリの概算金も、JAが8月18日に発表した価格は前年より4割安い60キロ1万8500円だった。この値は、生産コストにも届かない水準だという。
取材中、利根川を挟んだ茨城県では、民間業者が「にじのきらめき」に60キロ1万円の値をつけたとの話が、組合員を通じて伊藤さんの耳に届いた。
「ひどいな。めちゃくちゃだよ」
ホルムズ海峡の事実上の封鎖の影響を受けて、石油を原料とする肥料など生産資材の価格は高止まりしている。20年の価格を100とした農林水産省の農業物価指数は、6月時点で131.5と過去最高を更新した。
生産コストの目安になるのが、農水省所管の米穀機構が示す指標で、60キロ2万535円(精米5キロ2816円)。今年の買い取り価格は、この最低ラインすら大きく下回っているのだ。
「消費者にとっては米は安いほうがありがたいだろうけど、このままだと生産者が米作りをやめるきっかけになりかねない」(同)
伊藤さんの表情には、そんな複雑な思いがにじむ。昨年、記録的な高騰を受けて大型コンバインなど農機具をローンで購入した農家は多いという。もし、今年、赤字になったとしても支払いは待ってくれない。
JAの倉庫は「コメでパンパン」
米の価格について、ネット上では「JAが今まで価格をつり上げていた」という声も根強い。しかし、「まったくの誤解」と農業経済学が専門の東京大学大学院・鈴木宣弘特任教授は指摘する。
「客観的に見て、JAに米の価格をつり上げる力はありません」
JAへの集荷率は24年産米で約26%まで落ち込んだ。JA以外の民間業者に流れる米が増えるほど、価格の主導権は民間側に移り、買いたたきが起こりやすくなるという。
前出の伊藤さんによれば、JAの倉庫は今、米で「パンパンになっている」という。民間業者に売っていた農家が、今年に限ってはJAのほうが「少しでも高く買ってくれる」と「駆け込んで」きているからだ。
だが、頼みの綱のJAも、結局、民間がどう動くかで判断せざるを得ない状況だ。
「買いたたきがひどくなるほど、JAも全体の相場に合わせた価格で買わざるを得なくなってくる。中小規模の米農家だけでなく、大規模経営の米農家も含めて、これではもうやっていけないという方が続出している」(鈴木特任教授)
備蓄米に農家が持ち出し
政府備蓄米も機能不全に陥っている。25年の米騒動で大量放出した結果、在庫は約32万トンまで減り、本来の適正水準とされる100万トン(国民の年間消費量の1.5カ月分)の3割程度しかない。
鈴木憲和農水相は9月1日、備蓄米について、21万トンを買い戻す手続きを始めると表明した。一度6月に実行する計画が浮上しながら、見送られた経緯がある。
伊藤さんは「戻すといっても、今さら遅すぎますよ」と厳しい。さらに、備蓄米の買い入れ価格そのものにも疑問を投げかける。
「生産原価は今2万円を超えていますが、政府の備蓄米買い入れの目安価格は1万3000円前後です。農家には2000~3000円持ち出しして、備蓄米を拠出しろと言っているわけです」
政府はこれまで、需要減少を理由に農家へ生産抑制を求めてきた。
政府が需給と価格に責任を持つ
鈴木特任教授が示す対策は生産抑制ではなく、備蓄米の機動的な運用と、生産コストを下回る部分への政府補填の組み合わせだ。
「消費者の皆さんは5キロ2500円の米がほしいが、農家は5キロ3500円を超えないとやっていけない現実がある。その差額は、農家に作るなと言うのではなく、作ってもらったうえで政府が補償することが必要です」
生産量を抑えて需給を合わせるのではなく、政府が需給と価格の両方に責任を持つ。
「こうした価格支持政策を、アメリカやEUなど多くの国はやっている。日本だけがやってない」(鈴木特任教授)
米価の乱高下は、農家の経営問題にとどまらない。伊藤さんは地域の環境保全会の会長も務めるが、米作りをやめる農家が増えれば、水路の手入れや農道の草刈りといった集落の共同作業も立ち行かなくなり、米作りそのものに支障が出ると話した。
今年の米の値下がりは、来年の品薄と急騰の芽になるのか。それとも、価格の乱高下に歯止めがかかるのか。答えが出るのは、もう少し先になりそうだ。
(AERA編集部・米倉昭仁)
「湯の町湯沢平和の輪」は、2004年6月10日に井上 ひさし氏、梅原 猛氏、大江 健三郎氏ら9人からの「『九条の会』アピール」を受けて組織された、新潟県南魚沼郡湯沢町版の「九条の会」です。